ふるさと、は人の数だけある。

Lilubay
ふるさと、は人の数だけある。
2023年3月1日に“Lilubay”が2nd EP『Home away from home』をリリースしました。本作品は旧バンド名addからLilubayに改名してバンドとして新たな一歩を踏み出し、その方向性を示した全5曲が収録。作詞はVoタグチハナ、作曲は西村コン、タグチハナが担当し、全曲セルフプロデュースでの制作となっております。 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Lilubay”のタグチハナによる歌詞エッセイをお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、アルバムタイトル曲「 Home away from home 」にまつわるお話。タグチハナにとっての“ふるさと”というと、思い浮かぶ光景は…。また今回は音声版もございます。本人による朗読でもエッセイをお楽しみください。 ふるさと、は人の数だけある。 国や街や、景色、匂い。 決してひとつの場所だけというルールはない。 私は東京で生まれ育った。 比較的人の多い街に暮らすことが多かったけれど、一度だけ母と犬と3人で葉山に暮らしたことがある。今聞くととても短い期間だったらしいのだが、その時の潮の香りや、近所のスーパーの匂い、庭で犬と遊んだ光景なんかを覚えている。 信じられないくらい大きなムカデもいた。 線路沿いの木造の家にも住んだ。 電車が通るたびひどく揺れた。 ベッドのとなりにはあひるのおまるがおいてあって、一階のリビングでは母とよく風船で遊んだ。 リンゴジュースと間違えて日本酒を飲んでしまい、泣いた。 小・中まで暮らした場所はたくさんの思い出がある。 母の友人たちとよくホームパーティをした。 一緒に住んだおばあちゃんも、いつもとても楽しそうだった。 今はもう会えなくなった人もいる。 大好きな人たちのことを想う。 少し大きくなって、部活の試合に負けて目を腫らしながら渡った横断歩道や、初めての恋人と初めて手を繋いだ坂道、親友と大喧嘩した曲がり角のガードレール…。 心臓の端っこがぎゅっとなるような、色々なシーンが蘇る。 その街をひさしぶりに1人で歩いた時に、ああそうか、人は思い出、記憶のぬくもりを身体の一部としてしまっておくことができるのだな、と思った。 そしてたまに、その箱を少しだけ開ける。ふわっと風が吹くように流れこみ、抱きしめてくれる。 そんな“記憶”が私にとってのふるさとであり、今日がまたきっと、未来にとっての「Home away from home」。 < Lilubay・ タグチハナ> ◆紹介曲「 Home away from home 」 作詞:タグチハナ 作曲:タグチハナ ◆2nd EP『Home away from home』 2023年3月1日発売 <収録曲> 1. mani・cure 2. Home away from home 3. わがままな私と、子どもみたいな君 4. Knock 5. rainy day






















