アンハッピーバースデー。

 2022年5月2日から全国オンエアされている『アクエリアス』新TVCMソング(広瀬アリス・生瀬勝久が出演)に、“eill”の楽曲「palette」が起用!さらに6月17日には、6th配信シングル「HAPPY BIRTHDAY 2 ME」(読み:ハッピーバースデートゥーミー)をリリース!
 
 今日のうたコラムでは、そんな“eill”の歌詞エッセイを2カ月連続でお届けいたします。今回は【前編】です。綴っていただいたのは、新曲「HAPPY BIRTHDAY 2 ME」にまつわるお話です。年に一度のスペシャルな日だとしても、必ずしもハッピーな気持ちとは限らない。でも、それでも、今夜くらいは…。自分を好きになれないあなたにも、この歌詞とエッセイが届きますように!


2021.6.17 
23歳の誕生日。
 
午前0時を回った瞬間
私はベッドの隅で頭を抱えながら歌詞を考えていた。
 
もう、なにを書いても正解じゃない
100回悩んで書いては消す
夢の中でも歌詞を書いていた。
 
「花のように」
咲き誇りたい、と願う自分
枯れてしまおう、と諦める自分
 
人生ってほんと難しいよね。
 
答えがでないまま迎えた朝。
悔しくてたまらない。
鏡に写った自分は
泣き疲れて、瞼が腫れていた。
気分を上げるためにつけた香水を
間違えて顔に振りかける笑
 
「なんか誕生日のくせして、ついてなくない?」
そんな、今日はボーカルレコーディングだった。
 
書ききれなかった歌詞を握って駅を降りる。
 
ザーザー降りの大雨。
傘なんか持ってないよ…。
 
スタジオにつく頃にはへとへとだった。
泣く暇もなく、ブースに入る。
 
不甲斐無い私が
いまここに咲いている
綺麗じゃなくたっていい
無理に誇れる私じゃなくたっていい。
 
そんな気持ちで歌いきった。
 
レコーディングを終えて、家に帰ると
史上最強につらかった誕生日も終。
 
決してハッピーとは言い切れないバースデー。
でも、今日が今日でよかったのかもね。
 
鏡に写った、腫れた瞼をしてる私も
愛してあげたいな。と思った。
 
 
24歳になる、今年の誕生日も
悩みは絶えず、なんならアンハッピー気味かもしれない。
 
当日はワンマンライブでみんなに会えるからハッピーです!
 
でも23歳の私とは少し違う。
自分を抱きしめる、というステキな術を知っている。
 
それは同時にいまの自分を受け止める、受け入れる?ってことなのかもね。
 
もう、完璧に生きることなんて諦めた。
 
優柔不断な自分も、ぐーたら娘な自分も、なかなか強くなりきれない自分も。怒られちゃう自分も。
 
全部、側で一緒に感じてあげる。
だって私しか、知らない感情なんだから。
 
そして、この世界を頑張って生きてるあなたをもっと労ってあげていいのです。
 
美味しいスイーツ食べたり
自分に誕生日プレゼントを買ったり
一日グータラしたり
予定はないけれどおしゃれしてメイクをしたり
真夜中のひとりパーティーを開催したり
 
これから長くお付き合いするであろう自分に、ギフトをあげてみる。 
 
アンハッピーもハッピーも全部一緒に歩いていけるようにね!
 
誕生日。
きっとみんなが持ってる日。
年に一度のスペシャルデーだって
仕事で失敗するかもしれない。
テストでいい点とれないかもしれない。
争いが始まる日になるかもしれない。
革命が起きる日になるかもしれない。
 
どんな日になったって
世界中が敵になったって
自分のことが大嫌いになったって
今日くらいは祝ってあげよう。
抱きしめてあげよう。
 
「ハッピーバースデートゥーミー」と。

<eill>



◆紹介曲「HAPPY BIRTHDAY 2 ME
作詞:eill
作曲:eill・Ryo'LEFTY'Miyata