2025年10月8日に“鉄風東京”が3rd Mini Album『SPACE/RANGE』をリリースしました。疾走感や何かに期待する感情と、それに混ざる嘆きや悲しみ、二つの軸で進んできた彼ら。そのテーマは一本の軸で存在し続けていながら、あらゆるジャンルをすべてひとつに消化し、等身大でありスケール感も広がった作品となっております。
さて、今日のうたではそんな“鉄風東京”の大黒崚吾による歌詞エッセイをお届け。胸の内でループする、「一体誰になら本当のことを話せて、一体誰となら本当の自分になれるか」という言葉。その問いをよく考えてみたとき、見えてきたものは…。ぜひ今作とあわせて、エッセイを受け取ってください。
◆3rd Mini Album『SPACE/RANGE』
2025年10月8日発売
<収録曲>
全然伝わらないことばかりが続く
一体誰になら本当のことを話せて
一体誰となら本当の自分になれるか、なんて頭の中で彷徨う
10代の時に始まった心のメラメラは消えずに今も存在して
だけど少しずつ小さくなることにも恐怖している
髭の伸びるスピードにも怯えながら
時間の中に流れるあれやこれを見つめようとするけど
時代は何よりも早く流れて置いて行かれる
またループする意味のない言葉
「一体誰になら本当のことを話せて、一体誰となら本当の自分になれるか」
ちょっとまった!違った
そもそもを僕らは間違えていた
自分が話したい本当のことも
本当になりたい自分とは何かも
はなからなんにもわかってなかったじゃないか!
こんな時に僕は思うわけだ
間違うというのはなんて美しいことか
何かの巡り合わせで産み落とされて
突然、瞼が永遠に開かなくなるその日まで
僕らは一回しか生ききれない今を続けている
成功や結果 同調に風化
それらが生み出す心地よさも知っている
ただ、
間違え失敗し孤独になった自分の頭の中は音楽で溢れて言葉で溢れて光で溢れていた
何度だって調子に乗って
何度だってから回る
もう間違えないなんて意気込んで
また落ち込んでループする
何かに心を動かされて決意し
「明日からは違う自分だ!」と意気込む
そしてまたちょっとサボって振り出しに戻る
僕はそれでいいと思った、それがいいと思った
実のところ振り出しになんか戻ってなくて
前にいた場所から少し前のところにきっと立ってる
“一度しかないこの人生の中で
間違えるというのはなんて美しいことだろう
君が落ち込んだその頭の中に
無限の宇宙があって僕はそれに夢中で”
伝わる 伝える 感じる よりも
本当の心は一番近いところにある
間違えろ!調子乗れ!落ち込め!一人になれ!
全部取り返すくらいの光を生み出して
そんでまた間違えればいい
僕らはそれくらいでちょうどいい
素直と天邪鬼は同じく体の中に存在する
そんくらいめんどくさい自分を
僕は今誰かに伝えたい
<鉄風東京・大黒崚吾>
◆3rd Mini Album『SPACE/RANGE』
2025年10月8日発売
<収録曲>
1 悲しみを集めて
2 In YOURS
3 I keep making the same mistake.
4 FLY
5 さみだれ
6 21km (Re:rec)
7 揺れる髪はレッド