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  • アイラヴミー
    あの頃の私は、強かった。
    あの頃の私は、強かった。

    アイラヴミー

    あの頃の私は、強かった。

     2022年7月27日に“アイラヴミー”が初のフルアルバム『I LUV ME』をリリースしました。今作には、デジタルのみでリリースされていた楽曲や先行配信される新曲3曲も含めた、全シングル12曲が収録。「頑張れって歌ってないのに頑張ろうと思える」「そのままの自分でいる勇気をもらえる」と、生きづらさを感じている人たちに寄り添うような応援歌が満載の内容となっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“アイラヴミー”のさとうみほのによる歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾。綴っていただいたのは、今作に収録の新曲「 17 」にまつわるお話です。17歳の頃の自分を思い出したとき、ちょっとさみしくなったのと同時に、生まれた気持ちとは…。歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 高校の頃からの友達から急に連絡が来た。 なんと、結婚することになったのだ。   「リモート飲みしよう」   そんな約束をして、 結婚前最後のお祝いビール飲み大会が行われた。 とっても嬉しかった。 だんだん、周りが結婚をする歳になったのだなぁと、 ちょっとヘンテコな気持ちにもなった。     「見て!結婚式で使う用に、写真探しててさぁ。 こんなの見つけた!」     と、彼女はラインを送ってきた。 そこには17歳の頃の私たち。 全力で笑って、でっかいピースして 今より全然芋っぽくて でも、キラキラしてた。     「あの頃はなんかさ。強かったよね、よかったよね。」 「えぇ~、そうだっけ。」     そんな話をしながら たくさん笑って、たくさん飲んで、 たくさんお祝いして、 おひらき後、少し泣いた。     あの頃の私は、強かった。 好きなものをちゃんと「好き」とわかっていた。   バレッタをたくさん集めていたし、 制服はこだわり! 古着の赤いセーターに、茶と黄色のニットネクタイをしていた。 髪も下手くそだけど一生懸命内巻きにしていた。   おんがくが大好きで いつもバンドのステッカーだらけのギターを背負って 今より拙いうたを一生懸命うたっていた。     大好きだったバンド、大好きだったお洋服、 お気に入りだったバレッタ。   今はもう好きじゃない。   さみしくなって、でも同時に ちゃんと、変わってこれたってことじゃん。 と少し胸を張った。   人は歳を重ねる度に、いろんなことが変わっていくんだ。   これを曲にしたい!と思った。 大好きだったあの頃を懐かしむ気持ちと 今のちょっと自信の無い私を前に進めたくて。   生きていく中で、 手放して良いもの、 手放しちゃいけないもの。 やっと、気がついたんだ。 <さとうみほの> ◆紹介曲「 17 」 作詞:さとうみほの 作曲:さとうみほの ◆アルバム『I LUV ME』 2022年7月27日発売 TEB-104 ¥3,300(税込)   <収録曲> 1.17  2.しあわせはイテテ 3.やすめ 4.三日月ロンリネス 5.弱虫のラブソング 6.話をしようよ 7.セーブミー 8.でも生きている 9.負け犬戦士 10.社会の歯車 11.そのまんま勇者 12.答えを出すのだ

    2022/08/04

  • 門脇更紗
    真夏のサイダー
    真夏のサイダー

    門脇更紗

    真夏のサイダー

     2022年7月27日に“門脇更紗”がメジャーファーストアルバム『ファウンテンブルーに染まって』をリリース!アルバムタイトルは、7月16日生まれの門脇更紗のバースデーカラーで、色言葉は「踊りと音楽・自由・個性」。“私の音楽に染まってほしい”という想いだけでなく、音楽をもっと自由に楽しんだり、自身の個性を大切にするきっかけになってほしい、という彼女の強いメッセージが込められたタイトルとなっています。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“門脇更紗”の歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、収録曲「 真夏のサイダー 」のお話。まさにサイダーを飲むのにピッタリな暑さが続く今日この頃。ぜひ楽曲と併せて、エッセイを受け取ってください。 こんな暑い日。 君は夏になるとサイダーをよく飲んでいた。   私は少し苦手だったけど、 “いる?”と毎回聞いてくる君が愛おしくて、 “いる!”と、いつも一口貰っていた。   そんなサイダーを、 平気なフリして初めて一人で買った 新しい夏の始まり。 氷の入ったコップ、いっぱいに注いで、 ゴクゴクと.... 炭酸が喉をチクチクさせようが、強がって飲んだ。   痛い、痛いよ。涙が出る。止まらない。   私たち、出逢い、恋をしたこと、嘘じゃない。 確実に、幸せだった。   恋のサイダーの炭酸が抜けて、 甘いだけになってしまっただけ。   さよならまでがあなたとの恋の形なだけ。   こんな暑い日、君もサイダーを飲んでいますか? <門脇更紗> ◆紹介曲「 真夏のサイダー 」 作詞:門脇更紗 作曲:門脇更紗 ◆ メジャーファーストアルバム 『ファウンテンブルーに染まって』 2022年7月27日発売 <収録曲> 1.スコール 2.わすれものをしないように 3.私にして 4.真夏のサイダー 5.scroll 6.ねぇバディ 7.きれいだ 8.わたしが好き 9.トリハダ 10.東京は -Acoustic ver.- <配信情報> メジャーファーストアルバム 『ファウンテンブルーに染まって』 各音楽配信サービスでも配信中! https://jvcmusic.lnk.to/fountainblue

    2022/08/03

  • 関取花
    季節のように生きる人でありたい。
    季節のように生きる人でありたい。

    関取花

    季節のように生きる人でありたい。

     2022年7月6日に“関取花”がメジャー2ndフルアルバム『また会いましたね』をリリースしました。今作は「ありのままの関取花らしさ」をコンセプトに自身がサウンドプロデュースし、ライブサポートでもお馴染みの盟友たちが全編に渡り参加。オンエア後から「ぶっ刺さる」と話題の「明大前」など、100%関取花節の全13曲が収録。歌ネットでは インタビュー も敢行しましたので、ぜひ改めてチェックしてみてください。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“関取花”による歌詞エッセイを5週連続でお届け!今回は第1弾。今作の収録曲「季節のように」にまつわるお話です。<季節のように生きる人でありたい><変わりゆく私を愛し続けたい>と綴られたこの歌に通ずる、関取花の歩んできた軌跡を明かしていただきました。歌詞と併せて、お楽しみください。 私は飽き性だ。常に小さなマイブームの連続で生きている。でも、幼い頃はむしろその逆だった。集めるおもちゃはシルバニアファミリーだけ。ぬいぐるみも1、2歳の頃に買ってもらったウサギとラッコさえあればそれでよかったし、キャラクターものや流行りのアニメに夢中になってグッズを欲しがることもなかった。今になって当時の話を母としたりするのだが、決まって「うちの兄妹は本当に物を欲しがらない子たちだった。物がなくてもあるもので楽しめる子たちだったから」と言う。新しいものを買い与えなくても、同じおもちゃから創意工夫で次々と新しい遊びを生み出していたらしい。   たしかに思い返せばそうだった。でもそれは私がというより、兄がそういう人だったからかもしれない。瓶の王冠に白画用紙を貼り、そこに色鉛筆で絵を描いて、その裏にボンドで安全ピンをつけて、てんとう虫のバッジを作って私にくれたりした。色とりどりの洗濯バサミをたくさん繋げたものを、今でいうエクステみたいにして襟足につけて、そこらへんにあったサングラスをかけたら変身完了。そのままテーブルの上にあがればそこはもうステージだ。その瞬間、「目つきバサラ」という謎のアーティストになるのだった。ちなみに私は、テーブルの下のアリーナ席から彼を見守るファンの役だった。   家族旅行でグアムに行った時のホームビデオを見返しても、そんな私たちの愉快な様子がばっちり残されている。ホテルのベッドの上で、ビート板型の浮き輪をエレキギターのように抱えオリジナル曲を歌い上げる兄と、その横でワニ型の浮き輪をキーボードに見立てて一緒に演奏している私。ちなみに「サーフィンU.S.A.のネズミ♪ サーフィンU.S.A.のネズミ♪」という歌詞だった。未だにちゃんと歌えるし、今聴いても結構名曲である。もちろんホームビデオには観光地らしい他の場所で旅行を楽しむ様子も映っていたが、正直比べものにならないくらい、このシーンが家族全員一番楽しそうだった。べつに家でもできることなのに。   小学校の頃は、胸元に大きくロゴが刺繍されたG A Pのパーカーばかり着ていた。友達とおそろいで買ったハムスター柄の大きな筆箱もボロボロになるまで使い続けていたし、丁寧に扱っていたかは別として、他にも何かと物持ちのいい方だった。中学時代はとにかく部活のバスケ一色の毎日。キラキラと流れるまっすぐな汗と共に3年間があっという間に過ぎていった。   問題はそのあとである。高校生になり軽音楽部に入部したものの、早々に弾き語りのスタイルに落ち着いてしまった私は、一人だったら家でいくらでも歌えるし放課後学校に残る必要もなくなり、バイトに精を出すようになった。ここからである。私が飽き性になっていったのは。   私の通っていた高校はこれといった校則がなく、メイクも髪型も制服の着方も自由だった。そこでバイトをするようになり自由に使えるお金ができた私は、とにかく服や髪にお金を使うようになっていった。いつからか「月一で髪型を変える」という謎のルールを自分の中に作るようになり、パーマをかけてみたりカラーを変えてみたり、あるときは思い切ってドラマ“ラスト・フレンズ”の時の上野樹里さんくらい髪を短くしてみたり、とにかくあらゆることに挑戦した。   それに伴ってファッションもどんどん変化を遂げた。森ガール、山ガール、一周してユニクロしか着ないのが一番カッコイイと思っているガール……。とにかくいろいろやった。学校かばんも、校章が入ったみんなと同じものでは飽きてしまい、ピンクのグレゴリーのボストン、ネイビーのフレッドペリーのショルダー、茶色の革でできたイーストボーイのバッグなど、その日の気分や髪型、制服の着こなしに合わせて持ち物を変えないとすぐに飽きてしまうのだった。   大学生になると今度は推しのK-POPアイドルができるもすぐに目移りしてしまい、新曲が出るたびに掛け声を覚えてはライブに行きペンライトを振りに振ったかと思えば、気づけばまた別のグループにハマっていった。ちなみに米粒ほどの大きさではあったが、生で見た少女時代の美脚は圧巻だった。   それから約10年、さすがにもうそこらへんも落ち着いてはきたが、今でもやはりその傾向はある。漫画にハマったかと思えばアプリに鬼課金して20巻近くを一晩で一気読み。とある作家にハマったかと思えばとりあえず過去作品をamazonで一気買いからの読み漁り。そして今はとにかく“ちいかわ”にお熱で、日に日に部屋にグッズが増えていっている。   大人になると趣味趣向がもっと精査されて、「自分といえばこれ」みたいに自然となるものだと思っていた。でも、どうやら私は違うようである。無限に知りたいことがあるし、どんどん好きなものは増えていく。ひとところには止まれず、好奇心の海を風来坊のごとく未だに彷徨っている。それを「自分には強みがない」と嘆いたこともある。何かを突き詰めるかっこいい人に、誰かにとっての特別なものに、なれない自分を恥じたこともある。   でも、それでいいじゃないかと最近は思う。たとえ過ぎ去れば一瞬でも、何かに夢中になる瞬間というのはいつだって尊い。風に飛ばされ、雨に紛れて、いつしか記憶の彼方に追いやられるとしても、その時々に目を輝かせ、心を燃やし、時々思い出しては抱きしめる、そういう瞬間の連続な人生もまた素敵ではないか。そしていつか、そういう小さな経験の一粒一粒が、私らしさという花になり咲けばいい。   私は飽き性か。いや、違う。見たいもの、聞きたいもの、やりたいこと、そしてできることが、大人になるにつれてどんどん増えていっただけだ。そしてそれらに出会うたび、私は未だに子供のようにいちいち心を揺らしている。繰り返される毎日の中で、これからもたくさんのものに目移りしながら日々を過ごしていきたい。そしてそこからたくさんの光を吸収して、まだまだ成長していきたい。私はこれからも、季節のように生きる人でありたい。変わりゆく私を愛し続けたい。   <関取花> ◆紹介曲「 季節のように 」 作詞:関取花 作曲:関取花 ◆メジャー2nd FULL ALBUM『また会いましたね』 2022年7月6日発売 UMCK-7170 ¥3000+税   <収録曲> 1.季節のように 2.ねえノスタルジア 3.風よ伝えて 4.やさしい予感 5.長い坂道 6.明大前 7.ミッドナイトワルツ 8.道の上の兄弟 9. 障子の穴から 10.モグモグしたい 11.青葉の頃 12.ラジオはTBS 13.スポットライト

    2022/08/02

  • 坂口有望
    WomanとXL
    WomanとXL

    坂口有望

    WomanとXL

     2022年7月27日に“坂口有望”がNew EP『XL』をリリースしました。今作には、浮遊感あるオルタナティブなサウンドに失恋の想いを乗せた表題曲「XL」に加えて、ボカロP・すりぃが初めて共作詞で参加した「ティーンエイジダイバー」、コロナ禍の心境を歌った「#ボクナツ」、マカロニえんぴつの人気曲「恋人ごっこ」カバー、自身の代表曲「好-じょし-」(2022 ver.)や、表題曲「XL」のAcoustic ver.を収録し、シンガーソングライター、表現者として新しい魅力を打ち出す作品が完成。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“坂口有望”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾。綴っていただいたのは、デビュー5周年を迎えた今の心境。大事な節目に放つEP『XL』のコンセプト、そしてタイトル曲「 XL 」にまつわるお話です。改めてデビュー曲「 好-じょし- 」の歌詞も読み返しながら、今作とエッセイとお楽しみください…! 歌ネットのエッセイは、ここ数年はほぼ毎回、新譜の度に書かせてもらっている。何気に楽しみにしているのは、日に日に「文章が好き」という感覚が強くなってきているからだと思う。今回は三回にわたって、新譜はもちろん、この夏でデビュー5周年を迎えた心境についても突き詰めていきたい。   高校2年生の夏、シングル「好-じょし-」でメジャーデビューしてから5年が経った。まずは、いつも私の曲を受け取ってくれる皆さんのおかげで続けてこられたこと、本当に感謝の気持ちで一杯です。   さて、この大事な節目にふさわしい作品を、とEPの制作に取り掛かったのは、今年の頭のことである。久しぶりのCDで、どんな方向性にするべきか、坂口有望チームで入念に話し合った。一言でまとめると、デビュー曲がGirl(好-じょし-)ならば、とことんWoman(女性)な一枚。タイトル曲の「XL」がそれを物語っていると思う。   友達の話や架空のストーリーで書いてきたこれまでのラブソングと違って、初めて主役に自分が浮かぶ曲。いつか、何かのインタビューで「今の私には愛してるとかって歌えない」と答えたのを覚えている。気恥ずかしい気持ちや、無駄なプライドを捨てて書いたこの歌は、痛々しいほどにリアルだ。   思えば、自分の恋を歌うのに5年、デビュー前から数えるともっとかかってしまった。しかし、長い年月をかけて、音楽と自分の人生がどんどん切り離せないものになってきたことが嬉しくもある。生粋の音楽家になってきたのかも、と。   そして、弾き語りのしっとり聴かせるイメージからガラッと変わったバンドアレンジは、これが失恋ソングだということを忘れさせてくれるくらい爽快でとても気に入っている。 レコーディングを終えて、いよいよビジュアル周りの打ち合わせの時、デビュー当時以来の短さまで髪を切ることで満場一致に。女性が髪を切るという行為は、昔から言葉以上の意味がある。わたしの場合は…ご想像にお任せします。   「好-じょし-」を歌っていたあの女の子は大人になれたのか、「XL」EPをもって、その耳で確かめてほしい。 <坂口有望> ◆紹介曲「 XL 」 作詞:坂口有望 作曲:坂口有望 ◆New EP『XL』 2022年7月27日発売 初回生産限定盤 [CD+Blu-ray]  ESCL-5693~4 ¥5,000(税込) 通常盤 [CD]  ESCL-5695 ¥2,000(税込)   <収録曲> 01.XL 02.ティーンエイジダイバー 03.#ボクナツ 04.恋人ごっこ 05.好-じょし-(2022 ver.) 06.XL(Acoustic ver.)

    2022/08/01

  • 足立佳奈
    私の頭の中のキュンDATEの旅。
    私の頭の中のキュンDATEの旅。

    足立佳奈

    私の頭の中のキュンDATEの旅。

     2022年8月でデビュー5周年を迎える“足立佳奈”が、毎月の連続配信リリースを行うことを発表。その連続リリース第4弾として、7月29日に新曲「DATE」を配信リリース!同曲は、は、昨年リリースした「Film」「This is a Love Story」でもタッグを組んだEIGOがプロデュースし、Shu Inui(ONEly Inc.)が編曲を担当。作詞・作曲は足立佳奈本人が手掛けております。彼女の理想を詰め込んだという歌詞にもご注目を!    さて、今日のうたコラムでは、アニバーサリーイヤーを記念して、5月~12月に毎月“足立佳奈”による歌詞エッセイをお届けいたします!今回は第3弾。綴っていただいたのは、新曲「 DATE 」にまつわるお話です。自身が頭の中で思い描いた、4つの短いキュンエピソード。みなさんはどんなシチュエーションやセリフにキュンとしますか? ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください…! 街を歩いている時、 映画やドラマを見ている時、 誰かの話を聞いている時、   ふとした瞬間に、 私だったらこのシチュエーションがいいなって、 キュンとするポイントを考えてしまうこと、みんなはないかな?   そういう時って、 不思議と頭の中がかき混ぜられた感じになって、 時間や場所、表情、格好、心情全てが鮮明に浮かんでくる。   今回はそういう頭の中で思い描いた、 自分で作った自分の世界で、思わずキュンとするエピソードを詰め込んでみた。 全て短いキュンエピソードだけど、これを私は、DATEと言いたい。 聞いてくれる?     DATE1 急な雨に2人共傘を持ってない場合 コンビニで買ったビニール傘に2人で入っていたい   これは朝方、いつものコンビニの前を通った時、 コンビニの入り口をみて思い付いたフレーズ。 あの日は雨も降ってなくて、 朝日が綺麗に登り始めていた頃だった。 頭の中の私の世界が、急に夜になる。 フードを被って頭を隠しながら、 わぁっ、きゃっ、して駅の方から走ってくるカップル。 黒いトレーナーを着た男の子と、 綺麗めなブラウスにスカートを履いた女の子。 2人は急いでコンビニに入っていった。 少し立ってコンビニから出てきた2人。 男の子が1本だけ傘を持って出てきた。 そのあとは、1本の傘に2人キュッと入って、 駅から走って来た時とはまた違う空気で、 少し口数が減る2人の姿がとっても微笑ましかった。 このシーンは見てるだけでもキュンとするよね!笑     DATE2 終電に乗らなきゃ帰れないのに帰りたくない場合 あぁじゃあこのまま一緒に帰ろうってなるtonight   その日は改札で待ち合わせをしていて、 10分前くらい前に着いてぼーっとしていた。 じゃあねっ!って手を振り合ってるカップルがいた。 なんだか少し名残惜しい感じもその2人から感じた。 私は女の子の立場になって想像していた。 何を言われたら嬉しいだろうって(急に笑)。 まだ帰りたくないけど、言い出せないでいると、 サラッと、じゃあこのまま一緒に帰る? なんて男の子に言われたら!!(ドキドキ) 絶対嬉しいよね!?   なーんて思って歌詞にしてしまった。 ときどき言われるこういう言葉に、 きっとキュンとくる女子は多いでしょう笑     DATE3 現地集合より待ち合わせて行こってなる場合 渋谷ハチ公より改札前にしよってなるtonight   東京にきて初めて分かった、 渋谷ハチ公も集合場所として確かに人気だが、 いつも混んでるイメージからか、街の人達の集合場所は、 ハチ公じゃない別の場所が多い。 私は好きな人と待ち合わせする時の待ち合わせ場所を考えてみた。 いくつか思いついたけど、 あえて改札前が1番シンプルでいいなと思ったんだぁ。 これが二人だけの習慣になったら、 明日は、改札集合ね!って言わなくても、 いつもの場所ねー!ってなるんだろうなぁ。     DATE4 綺麗な夜景に足を止めて絶妙な間合い ここでキス?いやいや告白?完全に見失うnight   これは、友達と横浜みなとみらいの夜景を見に行ったときの話。 まわりに歩いているカップルがたくさんいて、 あの2人は付き合ってるのかなぁー? それともまだ付き合ってない?初DATE?かなぁ?って 私たちは話してたんだけど。笑 勢いでキスしちゃうのか、いや、その前に告白してからキスするのか、 それだけでキュン度合い変わってこない?って話になった。 私だったら勢いでキスされた方がキュンとする! なんて夜景を見ながら話を楽しんでた。 あなたは、どっちにキュンとする?     こんな感じで、私の日常の出来事から、 想像を膨らました世界で「DATE」の歌詞が出来上がったんだぁー。   DATE1.2.3.4. 楽しんでくれた? 私の頭の中のキュンDATEの旅、 最後まで付き合ってくれてありがとっ。   いつか、 あなたのキュンDATEの旅も聞いてみたいな♪ <足立佳奈> ◆紹介曲「 DATE 」 作詞:足立佳奈 作曲:足立佳奈

    2022/07/29

  • cluppo
    cluppoのいつも言いたいことが詰まってる言葉。
    cluppoのいつも言いたいことが詰まってる言葉。

    cluppo

    cluppoのいつも言いたいことが詰まってる言葉。

     2022年7月7日にBAND-MAIDの小鳩ミク(Gt&Vo.)によるソロプロジェクト“cluppo”の新曲「With you」が配信リリースされました。同曲は、7月6日よりTOKYO MX・BS日テレにて放送が開始されるテレビアニメ『咲う アルスノトリア すんっ!』エンディングテーマとして書き下ろされた楽曲で、cluppo初のアニメタイアップとなっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“cluppo”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、今年3月にリリースされたEP『hatofull」のリード曲「 POGO! 」のお話。cluppoの新境地となるようなラップ調の冒頭、アップテンポな楽曲。そこにどのように歌詞を乗せていったのか、その軌跡を明かしてくださいました。歌詞と併せてお楽しみください。 くるっぽー!皆様cluppoですっぽ。 第3回目となる今回が、最終回のコラムになりますっぽ。 前回まではいかがでしたかっぽ?? 私のコラム、楽しく読んでいただけましたかでしょうかっぽ??   さて今回は「 POGO! 」について。 この曲はEP『hatofull」のリード曲になっていますっぽ。 曲(デモ)を聴いてまず思ったのは なんだってっぽ?! ラップ調の曲の冒頭、言葉嵌めるの難しいっぽ! ですっぽ。笑   それまでのcluppoよりもかっこよさ強めで アップテンポな楽曲だったので、 歌詞にもリズム感や勢いがある感じにしたいなと思ったんですっぽ。 冒頭部分はなかなか日本語では かっこよさを出したハマりがいい感じにならないかもと思ったので、 後に回して最後らへんに考えましたっぽ。   こーいう曲調なので、韻も踏みつつ口の気持ちよさも 大事にしたかったんですっぽ。 まず曲のBメロデモを聴いた時に、 タイピング音に聴こえるっぽと思って。 炎上させたい人やクレーマーさんとかが 必死にカチカチやってるイメージが浮かんできて、 ここからイメージを膨らませていこうと決めたんですっぽ。   必死にやってるけど楽しいの? かっこよくないっぽよ!ってとこから そんなのポイポイってしてscrollして消しちゃうっぽ!! クルリンシュパッ(Twitter効果音)みたいな。   そんなことやってないでcluppoと一緒に 歌おうっぽ!楽しもうっぽ!十人十色!平和っぽ!! っていうようなどんどん湧いてきた言葉を集めて書いていきましたっぽ。   サビは勢いとスピード感を出して、 みんなで言いながら進んでいく雰囲気にしたかったので、 なるべく簡単な短い単語で構成しましたっぽ。   ただ<So many men, so many minds.>は どうしても入れたかったので サビ後半切り替わりの目立つ部分にいれましたっぽ。 POGO!だけでなくcluppoの いつも言いたいことが詰まってる言葉だからっぽ。 <Enchanted!>の部分はBANG!で暴力的ではなく おまじないをかけてるイメージっぽ。 このイメージからジャケ写のデザインに繋がってるっぽ。   そして例の間奏部分。 <ぽっぽっぽー鳩ぽっぽー> これはもう、入れるしかないと思ったっぽね。 こんな完璧にこれを入れるしかない部分を作れるCrowさん達に、本当に感謝ですっぽ。 現代風鳩ぽっぽに仕上げたく 歌い方はまるで英語の様に「鳩」の部分を歌いましたっぽ。   全体が出来てから、 冒頭はフックになる様な言葉を英語でハメていって、 ちょっと命令文や注意文にしたいっぽと思ったので、 これから始まる曲の紹介、お品書き的な感じにしましたっぽ。 じゃあ最後は <目開きよく聞け Fake it till you make it.> って命令するっぽー!ってなりましたっぽ。 そんな風に出来ていった1曲になりましたっぽ。     さて、お別れのお時間がきましたっぽ。 ここまで読んでくださった方々ありがとうございましたっぽ。 1曲ずつこうして歌詞に注目して コラムを書いたりするのは初めてだったので、 なかなか難しかったけど、自分のことを自分で見直す 素敵な機会だなと思って楽しかったですっぽ。 皆様が、cluppoの世界平和ワールドの歌詞を こうしたことでまた詳しく読んだり見たりしてくれたら嬉しい限りですっぽ。   またいつかお会いしましょうっぽ。 cluppoでしたっぽ。ばいばいっぽ。 <cluppo> ◆紹介曲「 POGO! 」 作詞:cluppo 作曲:Crow

    2022/07/28

  • 門脇更紗
    スコール
    スコール

    門脇更紗

    スコール

     2022年7月27日に“門脇更紗”がメジャーファーストアルバム『ファウンテンブルーに染まって』をリリース!アルバムタイトルは、7月16日生まれの門脇更紗のバースデーカラーで、色言葉は「踊りと音楽・自由・個性」。“私の音楽に染まってほしい”という想いだけでなく、音楽をもっと自由に楽しんだり、自身の個性を大切にするきっかけになってほしい、という彼女の強いメッセージが込められたタイトルとなっています。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“門脇更紗”の歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、アルバムリード曲「 スコール 」に通ずるお話。今、<何もかもギリギリで 余裕なんてないのに 平気な顔をして立ってる>、あなたにこの歌詞とエッセイが届きますように。 このままでいいのだろうか…。   周りの楽しい笑顔を見て喜べないのは、 きっと今の僕の心が小さいからだろう。 人の幸せを拍手する余裕なんてないのだ。   まるでギリギリな場所に 立っているようで、足がふらつく。 不意に何かが襲いかかれば、 目の前の崖から落ちてしまいそうですごく怖い。   だけど昔から僕には変な自信がある。   誰かがダメだと言っても 僕はいけると思ってここまできた。   それがわがままといったり、 カッコ悪いという人がいても、 そのわがままが、もがいている姿が、 ありのままの僕でいられる瞬間なんだと思う。   “こんなところで終われない” 失敗するたび、そう思うのは、 諦める勇気がないわけではない。   …昔から僕は変な自信がある。 <門脇更紗> ◆紹介曲「 スコール 」 作詞:門脇更紗 作曲:門脇更紗 ◆ メジャーファーストアルバム 『ファウンテンブルーに染まって』 2022年7月27日発売 <収録曲> 1.スコール 2.わすれものをしないように 3.私にして 4.真夏のサイダー 5.scroll 6.ねぇバディ 7.きれいだ 8.わたしが好き 9.トリハダ 10.東京は -Acoustic ver.- <配信情報> メジャーファーストアルバム 『ファウンテンブルーに染まって』 各音楽配信サービスでも配信中! https://jvcmusic.lnk.to/fountainblue  

    2022/07/27

  • Tani Yuuki
    その勢いで激しさで吹き飛ばしてほしかった、僕の願いだ。
    その勢いで激しさで吹き飛ばしてほしかった、僕の願いだ。

    Tani Yuuki

    その勢いで激しさで吹き飛ばしてほしかった、僕の願いだ。

     2022年6月22日に“Tani Yuuki”が新曲「夢喰」(読み:ばく)をリリースしました。夢を追いかけている人や、不安や葛藤を抱えている人に向けた詞が紡がれ、ネガティブな感情に喰われるのではなく、それを自分の糧にしてほしいという想いを込めて作られた楽曲となっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“Tani Yuuki”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 夢喰 」に通ずる想いです。今、何か夢を追っているあなたへ。だけど無責任に投げつけられる誰かからの声で、心が折れてしまいそうなあなたへ。この歌詞とエッセイが届きますように。 100の歓声よりも1つの罵声が気になってしまう。 これはきっと僕だけじゃないと思う。     ふと、SNSに目を落とせば どうせ一発屋だの、同じような曲ばかりだの、歌詞が薄っぺらいだの 一部ではあるものの散々な言われようだ。 見なければいい、気にしなければいい 僕自身それで済む話だと思っていた。 が実際は違った 吸い寄せられるように目が追ってしまうのだ。 少しずつ心がすり減っていくのがわかった。 その疲れ切った心を癒してくれるのもまた 同じ場所に寄せられた何倍もの暖かい言葉 現実もそう 中、高、専門学校と夢を抱いてきた僕は 家族にも、友人にも、出会う業界人にもいろいろな事を言われてきた。 家に帰って、お風呂に入って、寝る寸前 布団の中で思い出したように独り反省会。 耳を塞いでも、頭を押さえても収まらない。 眠れない夜の始まりだ。 そんな凝り固まった長い夜を打ち砕いてくれたのは純粋に応援してくれる人の存在だった。     学生時代オーディションを受けていた頃の僕は怖いものなどなかった。 失うものなどなかった。 夢を追いかけるのに自分自身はどうなってしまったってよかった。 就職、結婚、帰郷 かつて同じ夢を目指した戦友たちはいつの間にか周りにいなくなった。 「次はお前の番だ」そう言われているような気がした。     当時堂々と大きく見えていた憧れの人の背中は悩みや葛藤を抱えながら息を切らせる繊細なものだったと知った。 今の僕も同じだからだ。     たくさん迷った、たくさん悩んだ いっそやめてしまおうかと思う日もあった。 夢喰(バク)はその中で生まれた葛藤や不安を詰め込んだ曲。 その勢いで激しさで吹き飛ばしてほしかった、僕の願いだ。     人は人に自分を重ねる。 故にいつだって好き勝手なことを言ってくる他人もいるかもしれない。 そこには1ミリも責任感はなく。 痛くも痒くもない場所から攻撃してくる。 そんな重みも意味もない言葉に喰われてしまうなんてもったいない。 大事なのはその中にまれに現れる光を見つけられるかどうか。 闇を喰らって糧にできるかどうかだと僕は思うのだ。     散った声がごまんとあることは僕には関係ない。 一握りの才能が通れる狭き門が諦める理由にはならない。 仮に僕が100万歳を迎えたとして100万1歳の僕に夢を抱いていたい。 たとえ100万回今と同じ道を辿ったとしてもこれでいいと思える僕でいたい。 いつか100万年が過ぎ去った後僕の歌を聞いてくれた顔も知らない誰かが新しい夢を抱いてしまうような曲を作りたい。 ありえない事を唱え続けよう。 確かめようがないことを形にしよう。 僕はあなたの一歩先でいつまでもシンガーソングライターでいよう。 そう思うのだ。 <Tani Yuuki> ◆紹介曲「 夢喰 」 作詞:Tani Yuuki 作曲:Tani Yuuki 

    2022/07/26

  • 植田真梨恵
    あの子とあの子とあの子。
    あの子とあの子とあの子。

    植田真梨恵

    あの子とあの子とあの子。

     2022年5月から“植田真梨恵”が、3カ月連続でシングルを配信リリース!5月28日にグランジテイストのギターロック「“シグナルはノー”」、6月29日にメジャー1stシングル「彼に守ってほしい10のこと」のカップリングに収録されていた「ダラダラ」のフルアレンジバージョン、7月24日にこれまで何度もライブで披露している「BABY BABY BABY」を配信リリース。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“植田真梨恵”による歌詞エッセイをお届け!今回が最終回です。綴っていただいたのは、新曲「 BABY BABY BABY 」にまつわるお話。描かれている<あの子>とは…。あなたにとっての“愛おしい命”を思い浮かべながら、この歌詞とエッセイを受け取ってください。 正直なところ彼女は何も覚えていませんでした。   あの子は1999年、夏祭りの神社の大きな石段を一段ずつ両足で降り、蒸し暑く黒い夜にたくさんの灯篭が川を流れていくのを見ていました。不思議な夏の儀式に少々の怖さと、夜のおでかけのドキドキの両方を感じていました。家族揃って車に乗って、降りれば大勢の人人人。はぐれてしまわないように母の手を握っていました。   あの子は父親の肩の上、くるくるの巻き毛は森永チョコレートの銀色の天使のキャラクターのようでした。部屋の中でならぺたぺた走り回るのに、外で靴を履くとうまく歩きませんでした。その様子をもどかしく思いながら、そして愛おしく思っていました。   愛おしいという気持ちがそういうことだとは、その時のあの子にはわかりませんでした。今思い返せばそんな気持ちが愛おしいという名前で呼ばれていることを、今の私が知っているのでそう呼んであげるのでした。   あの子は脱衣所の白い床の上、お腹をぺったりと冷たいタイルにくっつけて微睡んでいました。長い毛足がところどころ絡まっていました。でも体を櫛で梳かされるのは基本的にいつも迷惑でした。こんな暑い日はいつも白い床の上で白い体を同化させて溶けていました。   あの子がベッドに入ると、白い床を離れてベッドにのぼりました。マットレスの端っこで、あの子の髪の毛が自由気ままに横たわるのを手で押さえながら毎晩目を閉じました。人間にとっては手だけれど、これは手と言うべきか、どちらかと言うとこれは前脚なのでした。   あの子と私の家に、女の子が泊まりに来ました。全然違う匂いがするけど、2人は声が似ていました。それ以外は別段どうでもよくて、時々私の背中を撫でたり、高く抱き上げたりしました。あの子は何日かするとどこかへ帰って行きました。ちがうところにおうちがあるのでしょう。   あの子は東京に住み始めました。靴を履くと歩かなかったなんてこと、今や本人には覚えもないことでした。大人になるにつれてか、くるくるの巻き毛でもなくなっていました。とてもわがままで可愛いと思っていたあの子は、自分の気持ちをあんまり話さなくなっていました。だけど、カメラに写ると変な顔をしてしまう癖は、変わらずにあの頃のままなのでした。   1人で暮らし始めた彼女の部屋に私は、何度か泊まりに行きました。何日かそばで眠って起きて、何も喋らない時間に家族の幸せを感じたりしました。天井を見つめているようで、何も見ていない無の瞬間が10秒ほど続いていました。私はそれを見つめて、きれいと思い、歌を書きました。彼女もまた、歌を歌い始めていました。     あの子のことを抱き上げているようで、本当のところ私の方が抱きしめられていました。私よりも10倍小さい、いや私の0.1倍ほどしかない体で、自分よりも10倍大きな私のことをあの子はいつも抱きしめていました。命が終わる時もまた、私はあの子を抱き上げたけれど、その最後の瞬間にも彼女は私を抱きしめました。その事にやっと気づいて、これからも私はいつも、彼女にずっと守られていくのかと、母のような大きさを感じたのでした。   小さな生きものでした。 あの子も、あの子も、あの子も、小さな生きものでした。 あの子とは、子供の頃の私のことで、 妹のことで、 猫のララのことでした。     正直なところ、私は何も覚えていませんでした。 この曲を書いている時の気持ちを。 ただただ心に浮かんでくるのは、わたしたちはとても小さき生きもので、命が生きてて、とても愛おしい。これを書いた11年前の私もまた別のあの子となっていて、小さかったあの子やあの子やあの子が、今の私に向かって呼びかけてくるように思うのでした。 <植田真梨恵> ◆紹介曲「 BABY BABY BABY 」 作詞:植田真梨恵 作曲:植田真梨恵

    2022/07/25

  • The Songbards
    即興で「学校の怪談」作りに挑戦します。
    即興で「学校の怪談」作りに挑戦します。

    The Songbards

    即興で「学校の怪談」作りに挑戦します。

     2022年6月29日に“The Songbards”が、フルアルバム『Grow Old With Us』をリリースしました。各作品が連動した三部作の最終章となる今作は、メジャーデビュー作品としてリリースした『CHOOSE LIFE』以来、約2年半ぶりとなるフルアルバム。“全曲リード楽曲”とも言える気合いの入った楽曲がふんだんに詰め込まれた1作となっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“The Songbards”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。第1弾では上野皓平と松原有志が即興の“むかし話”づくりに、第2弾では“創作日記”なるものに挑戦していただきました。そして最終回では夏にぴったり、即興で“学校の怪談”づくりに挑戦…!ぜひ最後までお楽しみください。 第3回目のエッセイは、夏真っ盛りということでVo/Gtの上野とGt/Voの松原が即興で「学校の怪談」作りに挑戦します。   蒸し暑い夏ですが、二人が即興で作り出した学校の怪談でひんやりと涼しい夏を過ごせるのでしょうか。ぜひ楽しんで読んでみてください。   ルール ・「トイレの花子さん」「口裂け女」「人面犬」等のようなテイストを目指す。 ・2人は打ち合わせなく1人2文ずつ順番にストーリーを進めていく。 ・タイトルは全て書き終わって最後に決める。     タイトル:「八坂山高校のプール」     上野 「はい、じゃあ出席日数足りてない人は、後でプリントも配布しますが、夏休みもここに集まってください。」 7月14日、最後の体育でプールの授業が終わったが、夏風邪を長引かせて出席日数が足りなかったタカシは夏休みもプールの授業に行くことになった。   松原 タカシは仲のいい友達が多い。だが夏休みの、いわゆる補習授業を受ける友達はひとりとしていなかった。   上野 8月4日、いつもと違う更衣室。男子はプール横の水泳部の部室で着替えることになっていた。   松原 部室に入るとそこには誰もいない。タカシは自分が一番乗りだったんだろうと気にしなかったが、いつもと違う学校の雰囲気はどこか不気味だった。   上野 「はい、じゃあ男子は50m8本、女子は50m5本、泳ぎ方は自由です。とりあえず先生は用事済ませてくるからあの時計が45分になるまでには終わらせておくこと。」 そう言って先生は校舎の中に消えていった。   松原 男女共に5人ずつくらいだろうか。知り合いは1人もいなかったが、みんな黙々と泳ぎはじめた。   上野 タカシは平泳ぎでゆっくりと泳いでいた。しかし途中からなぜか身体が少し重たく感じ始めた。   松原 蝉の声が遠のいて行く。息継ぎをしようとする頭を何かに抑えられているように感じた…。   上野 頭が上がらず、思い切り力を込めて水面に顔を出そうとした瞬間、ゴーグルの中に水が入り込み前が見えなくなる。そして今度は誰かに足首を強く掴まれて立ち上がることが出来ない。   松原 タカシは必死にもがいていた。水面を境に、校舎と水中が交互に見えるだけでどんどん息苦しくなってきた。   上野 「マケナイヨ、、マケナイ、、マケナイ、、」と声が聞こえてくる。意識が朦朧としていく中で、遠くの方から先生が走って来ているのがわかる。   松原 「うぐっ…」タカシの意識が途切れて目が覚めた次の瞬間、プールサイドに横たわっていた。 誰もいないプールサイドに。   上野 訳もわからず、水泳部の部室に戻るとそこには何もなく、ただ自分の制服だけが乱雑に置かれていた。   松原 とりあえず着替えようと思った時、足に絡みついた長い髪の毛に気がついた。ギョッとしたその瞬間、昔友達に聞いた学校の話を思い出した…。   上野 15年前にこの学校のプールが水泳競技大会の会場になったことがあり、競技中に事故で亡くなった生徒がいたそうだ。水泳の選手には珍しくとても髪の長い男の子だったらしい。   松原 タカシは10年経った今もこの話を誰にもしていない。今年もまたこの学校では夏の補習授業が開かれる予定だ…。     以下終えての感想。   上野「中盤くらいまでスムーズやった気がするな。」 松原「第1回の昔話よりも共通認識が濃かったんかもしれん。」 上野「幽霊的なものを出すか。」 松原「都市伝説的な方で行くか。迷いどころよな。」 上野「どうやったら文章だけで怖さを感じさせられるのか、初挑戦としては難しかったな。」 松原「今回は超王道の霊的な存在でいったと。」 松原「俺が気にしてたのは、含みを持たせた終わらせ方かな。学校の怪談の広まりすぎると怖さが薄れるというか。あんまり誰も知らないまま、みたいにしたかった。」 上野「たしかに、これ読んだ時いや誰かに言わんかいそれ!って思ったもんな。」 松原「笑」 松原「とはいえ、もう1回読み返して見たけどこれ怖いんかな?笑」 上野 「もしかしたら2人でこの即興学校の怪談を楽しんで作ってることの方が怖いかもしれへんな。」 松原「…。」 <The Songbards・上野皓平&松原有志> ◆2nd Full Album『Grow Old With Us』 2022年6月29日発売   <収録曲> 1. 2076 2. アイオライト 3. ガーベラ 4. ダフネ 5. シティーコラージュ 6. 窓に射す光のように 7. 夏の重力 8. 夕景 9. ゼロからはじめよう 10. 銀杏並木 11. オルゴールの恋人 12. かざぐるま ◆各音楽ストリーミングサービスでも配信中! https://TheSongbards.lnk.to/growoldwithus

    2022/07/22

  • Hi Cheers!
    実験記録を現場からお伝えします。
    実験記録を現場からお伝えします。

    Hi Cheers!

    実験記録を現場からお伝えします。

     2022年7月20日に“Hi Cheers!”が新曲「SHUTTER CHANCE」をリリースしました。今作はCheers!のリーダーでもある、上野正明が作詞作曲。Hi Cheers!のバンド名に込めた「カメラを覗いた時に見られるような笑顔を作りたい」という想いから、誕生したHi Cheers!らしさ満載の自己紹介楽曲とも言える1曲となっております。    今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“Hi Cheers!”の上野正明による歌詞エッセイをお届け!作詞は「実験的にやってみよう」という感覚で行ってきたという彼。では、実際に歌詞はどのように生まれたのか。楽曲「青いまま」と新曲「SHUTTER CHANCE」を例にその軌跡を綴ってくださいました。ぜひ楽曲と併せてエッセイをお楽しみください! こ、こんな、立派な、サイトにコ、コラムを書いて、くださいって。 ぜんっぜん、緊張なん、かしてない、っすよん。   いや………困りました…。 「ご自身の作詞論について自由にお書きください」です。   本当であれば「僕の荒波のような恋をウンチャラカンチャラ」と、カッチョよく語りたかったのですが。 僕自身、どういう歌詞を書いたらいいのかな? と模索中でして(照) 「実験的にやってみようぜ」という感覚で作詞をしています。 その実験記録を現場からお伝えします。   Hi Cheers!の楽曲「青いまま」は、僕が作詞したんですけど…へへっ。 このときは「なるべく明るい言葉は使わない」という実験をしてみました。   書き始めは「みんな~元気出してこ~楽しいこと~いっぱいあるだよ~♪」みたいな歌詞にしていたんですけど。 自分が落ち込んでいたときにその歌詞を聴いたらウザイな、と素直に思い。 そこで「ネガティブな詞だけど、歌にすると前向きに聴こえる」ということを目標にしてトライアゲイン。 作詞期間中はネガティブなことを考えすぎて、電池切れのペッパーくんみたいな姿勢になることが多かったけど、目標にしていたことを形にできて楽しかったな。   リリース後には「もういなくなってしまいたいと考えたこともありましたが、その経験があるからこそ今の自分がいるんだなと気づかせてくれました」と感想をいただけて、本当に嬉しかった。 ブルーな、気持ちが少しでも、ぶっ飛んでよかった!BKB!   そして7月20日(水)に「SHUTTER CHANCE」という新曲を出すのですが、こちらも僕が作詞しました…ふふっ。   今回の実験は「自己紹介をしてみよう」です。 ライブのMCで「僕たちを初めて見た人ー!」と言ったら、半分以上の方が手を挙げてくださったときがあって。 初めましての人にはちゃんとご挨拶をしなきゃ!という、社会的にウルトラ当たり前なところを歌詞にしてみようと思いました。   とはいえ「は~じめ~まして~ハイチ~ズ♪」のようにド直球に書くと、今回の作詞者はチンパンジー? とか言われそうなので、Hi Cheers!のコンセプトである「Show me your smile」「カメラを覗いたときに見られるような笑顔を音楽で作りたい」を題材に作詞。 自己紹介になりすぎず、でも自己紹介にはなるように、という意識で書いてみたんですが、いかがでしょうか?   歌ネットさんでは感想をドシドシお待ちしております(←勝手に仕事増やすやつ)。 ぜひ聴いてネ! <Hi Cheers!・上野正明>

    2022/07/21

  • 門脇更紗
    私にして
    私にして

    門脇更紗

    私にして

     2022年7月27日に“門脇更紗”がメジャーファーストアルバム『ファウンテンブルーに染まって』をリリース!アルバムタイトルは、7月16日生まれの門脇更紗のバースデーカラーで、色言葉は「踊りと音楽・自由・個性」。“私の音楽に染まってほしい”という想いだけでなく、音楽をもっと自由に楽しんだり、自身の個性を大切にするきっかけになってほしい、という彼女の強いメッセージが込められたタイトルとなっています。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“門脇更紗”の歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲であり先行配信がスタートしている新曲「 私にして 」にまつわるお話。wacci・橋口洋平が作詞を手掛けたこの曲。物語や<私>の感情がより鮮明に見えてくるエッセイをぜひ、歌詞と併せて受け取ってください。 “ピコン” 君からの通知に何度心が喜んでも……   「最近、あの子といい感じ!」   「こういうとき、プレゼント何贈ればいい?」   「明日会うんだけどさー、服どうしよう」 「めっちゃかわいいんだよね!!」   「俺のこと好きなのか全然分からなくなってきてさー、、」   …話題はあの子の話ばかりだった。   暇を装って連絡を取るのは、 都合が良いのは、 君の前だけなんだよ。   「ねぇ、私にしたら?」   もし言ってしまったら君はどんな顔をするんだろう。 嫌だ。うまくいかないで。 口に出せたら楽になれるのだろう。   君への好きという想いが膨らむたび 知られないように知られないようにと 抑え込むのは臆病だからじゃない。 恥ずかしいからじゃない。   本当に好きだから。   君のあの子を想う気持ちが 真っ直ぐでいられるように。 邪魔をしないように。 今日もあなたの恋を願う。 わたしの恋は精一杯の片思いのまま。   この物語は   好きでしかなかった、恋だ。 <門脇更紗> ◆紹介曲「 私にして 」 作詞:橋口洋平(wacci) 作曲:門脇更紗 <配信情報> 「私にして」各音楽配信サービスにて先行配信中 https://jvcmusic.lnk.to/watashinishite ◆ メジャーファーストアルバム 『ファウンテンブルーに染まって』 2022年7月27日発売 <収録曲> 1.スコール 2.わすれものをしないように 3.私にして 4.真夏のサイダー 5.scroll 6.ねぇバディ 7.きれいだ 8.わたしが好き 9.トリハダ 10.東京は -Acoustic ver.-

    2022/07/20

  • シナリオアート
    歌詞を書かない自分が何を綴れるだろうか。
    歌詞を書かない自分が何を綴れるだろうか。

    シナリオアート

    歌詞を書かない自分が何を綴れるだろうか。

     2022年6月22日に“シナリオアート”が自身初となる2枚のアルバムを同時リリースしました。バンド盤・4th Full Album『Blue Smell』、アコースティック盤・1st Acoustic Mini Album『White Smell』となっております。そしてアルバムリリースに伴い、4年ぶりとなる東名阪ワンマンツアーを開催。7月23日(土)には東京都・渋谷WWW公演を予定!    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“シナリオアート”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。執筆はヤマシタタカヒサが担当。今作の収録曲でとくに耳に残ったフレーズ。曲順を考える際、歌詞をよく聴いたことで見えてきたもの。そして『Blue Smell』への想いを綴ってくださいました。ぜひ、歌詞と併せてエッセイをお楽しみください…! また今年も暑い夏がやってきた。 街で見かけるおへそが隠れない短い服を見ては 「あんた、そんなお腹出してお腹冷えるで?」と 自分の中の心配性オカンが顔を出す季節。夏。   3週連続歌詞エッセイの最終回、 歌詞を書かない自分が何を綴れるだろうかとパソコンの前で悩み続ける。 歌詞を書かないばかりか、一言一句歌詞を追いながら曲を聴くこともあまりしない。 かといって歌詞がなんでもいいかと言われるとそんなことも無くて、 聴いてる中で耳に残るフレーズがあればあるほど、その曲の好き度は高くなる。   例えば「 テンダーランド 」では   誰もいない劇場で歌っても 虚しくなることを忘れてた   という一節にグッとくるし 「 アイマイナー 」の   黄色線の外側 ギリギリの日々   は日常での映像と相まってずっと耳に残るフレーズだ。   あ、あと曲順を考えるときにも歌詞をよく聴いた。   今作のアルバム『Blue Smell』は、 ここ何年かで発表してきた曲達をアルバムとしてリリースしよう、 という流れの中でVo/Gtコウスケさんが持ってきた言葉だ。   でも青臭くストレートな思いやキラキラした思い出だけじゃなくて、 生きていれば誰もが辿り着く“終着点” そんな終わりの瞬間も曲の端端から感じて、 時間の経過と共に青い輝きが色を変えていくような、そんな曲の並びにしたつもり。   聴き終わった時にもう1周ループして再生したくなる、 何かちょうどいい爽快さと読後感とボリューム感がこのアルバムにあるよね。   あれ、無い?   いやいや、あるよ。     なんて主題がよくわからない文章になったけど最後に。   2021年に日本の作品として発売された新譜のアルバムは、 様々なジャンルを引っくるめておよそ5000枚(らしい)。   盤として発売されてないものや、ライブハウス等で自主制作して出されたものも含めるともっと多くなる。 今年もきっと同じくらいの枚数になるのかな?   そんな沢山のアルバムの中から、この『Blue Smell』に辿り着いて、耳を傾けてもらえた事が本当に嬉しい。 ふとした時に思い出して時々聴いてもらえるくらいに、ちょっとでも心に残る曲があったらいいなと思う。   <シナリオアート Ba/Cho ヤマシタタカヒサ> ◆4th Full Album『Blue Smell』 2022年6月22日発売 <収録曲> 1 テンダーランド 2 アイマイナー 3 ブルースメル 4 アオノリビドー 5 アンティークトロフィー 6 トワイヴェール 7 ドリーミーラブストーリー 8 ドリームイーツ 9 スーサイドスポット 10 アカシアホーム 11 スワンテイル

    2022/07/19

  • cluppo
    BAND-MAIDは世界征服、ならばcluppoは真逆の世界平和を。
    BAND-MAIDは世界征服、ならばcluppoは真逆の世界平和を。

    cluppo

    BAND-MAIDは世界征服、ならばcluppoは真逆の世界平和を。

     2022年7月7日にBAND-MAIDの小鳩ミク(Gt&Vo.)によるソロプロジェクト“cluppo”の新曲「With you」が配信リリースされました。同曲は、7月6日よりTOKYO MX・BS日テレにて放送が開始されるテレビアニメ『咲う アルスノトリア すんっ!』エンディングテーマとして書き下ろされた楽曲で、cluppo初のアニメタイアップとなっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“cluppo”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、ソロプロジェクトの第1弾シングル「 PEACE&LOVE 」にまつわるお話。cluppoの音楽コンセプトはどのように生まれたのか。それを歌詞にどのように落とし込んだのか。そして、曲に込めた想いを明かしてくださいました。ぜひ、改めて歌詞と併せてお楽しみください。 皆様くるっぽー。cluppoですっぽ。   本日の曲は「 PEACE&LOVE 」 私のソロ始動の始まりとなったこの曲。 そもそもエイプリルフール企画として、 ファンの方をびっくりさせるために始まった私のソロデビュー。   毎回BAND-MAIDはエイプリルフールに本気の遊びを行っていたため、 このソロもしっかりとしたコンセプトをもって曲をつくらねば! となりましたっぽ。 コンセプトを決める際、ぱっと思いついたのが BAND-MAIDは世界征服、ならばcluppoは真逆の世界平和を 目標にかかげたい!!と思いましたっぽ。 そこからヒッピーの時代背景を感じられるような70年代っぽい楽曲で、 なおかつバンドではやらないような楽曲をやろうと、 この「PEACE&LOVE」が生まれましたっぽ。   どんなことを歌詞で書こうかと考えながらデモ制作を進めていて。 完成した曲のオケを聴いてすぐに、世界平和なんだから “LOVE&PEACE”の言葉を入れたいと思いましたっぽ。   でも歌詞も真面目すぎちゃ BAND-MAIDとの差がつけられないっぽ。。 ハッピーでちょっとくすっと、私だから歌える歌詞にしたいっぽね、、 そうだっぽ!ちょっと引っかかってほしいから 逆にして"PEACE&LOVE"にしちゃうっぽ。 あ、そうだっぽ! いちごミルクとか、可愛らしい言葉もいれたいっぽ!! いちごミルクが甘くて可愛らしい雰囲気だから 2番はピリッとした感じのちょっと逆のイメージのドリンクを、、、 そうだ!!ジンジャーエールっぽ!!! みたいな感じで遊びを考えつつ(笑) これぞ!世界平和!!!というイメージを 歌詞に落とし込んでいきましたっぽ。   リズム的に英語が気持ちいいなと思うところは その分、日本語だけでは長くなってしまったり、 伝わりきらない表現を英語にして入れこみたいと考えましたっぽ。 世界の偉人達の言葉や世界平和についての洋楽なんかも 聴いたり調べたりしながら、自分なりの言葉を探していきましたっぽ。   日本の良き言葉も入れたいと思い、 願いを込める部分で手を合わせるイメージから <侘び寂び愛し>のフレーズが生まれましたっぽ。 平和の象徴であり、私自身でもある鳩を フックとなるアドリブとして歌詞にいれましたっぽ。 この鳩達というのはファンの方達のことも含めての思いもありますっぽ。   ふと口ずさみやすい、記憶に残りやすい、そんな歌詞になって よりみんなの心から世界平和へとつながって欲しいっぽ そんな気持ちがこもった歌詞になりましたっぽ。   それではこのへんで。また次回っぽ!! <cluppo> ◆紹介曲「 PEACE&LOVE 」 作詞:cluppo 作曲:Crow

    2022/07/18

  • The Songbards
    創作日記に挑戦します。
    創作日記に挑戦します。

    The Songbards

    創作日記に挑戦します。

     2022年6月29日に“The Songbards”が、フルアルバム『Grow Old With Us』をリリースしました。各作品が連動した三部作の最終章となる今作は、メジャーデビュー作品としてリリースした『CHOOSE LIFE』以来、約2年半ぶりとなるフルアルバム。“全曲リード楽曲”とも言える気合いの入った楽曲がふんだんに詰め込まれた1作となっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“The Songbards”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。第1弾では上野皓平と松原有志が即興の“むかし話”づくりに挑戦し、「うたがいこぎつね」というお話が誕生。そして、第2弾では“創作日記”なるものに挑戦していただきました。その内容と主人公像は…? 第2回目のエッセイは、創作日記に挑戦します。   Vo/Gt上野が想像で書いた日記を、Gt/Vo松原が読み取り、その日記の作者を想像してプロフィールを作りました。   前回の「うたがいこぎつね」にも増して変わった企画ですが、これを読んでくれている皆さんも色々想像しながら読んで欲しいなと思っています!     日記(上野担当)   2022.7.10 今日は日曜の割にお客さんが多かった。 夏休みまでに店内を少しずつ綺麗にしていきたいけどなかなか進まない。 板倉マネージャーが板挟みなのはわかるけど、結局は店責の私が嫌われ役になるしかないか。 学生バイトがころころ変わるのは、今のお店の雰囲気が良くないからだし、今年中には少しでも居心地の良い職場にしたい。 奈央が部活でパートリーダーになれてすごく嬉しそうで本当に良かった。 友達とお店に遊びにきた時にいい顔出来るようにもう少し母は頑張ります。     プロフィール(松原担当)   パートの主婦。 公立高校に通う高校2年生の奈央の母親。 娘の奈央は吹奏楽部。 奈央とはふたつ歳の離れた中学3年生の弟がいる。 家計はそれほど豊かではないが、平均的とも言える。 オフィス街と大学に挟まれたあたりの駅前のチェーンの飲食店でアルバイトをしているが、歴3年ほどにも関わらずそれなりに責任のある立場を任されている。 趣味は背伸びをしないインテリア。 家には自分の部屋もないし、こだわりよりも生活を優先させるため、それなりにチグハグなレイアウトである。     感想   上野「自分の学生時代のバイトから見たパートリーダーを思い出しながら書いてみてんけど。」 松原「じゃあ実際いた人ってこと?」 上野「モデルにしてるだけで実際とは違うで!」 上野「今まで経験したバイトの雰囲気が入り混じってはいるかな。」 松原「なるほど。プロフィールの皓平のイメージとのマッチ度合いはどうやった?」 上野「結構前半部分はドンピシャなイメージやったで。笑」 松原「逆にイメージと違かったところは?」 上野「弟とお店の場所とか、そもそも想像してなかったところかな。」 松原「その辺結構考えてプロフィール作ったのに!笑」 松原「でもその感じだと、別の人が深掘りすることで生まれてくるイメージとか発見も全然あるっていうことよな、作者も納得した上で。」 上野「そうやな。」 上野「自分が想像して書いた人物にリアリティがより追加された気がする。」 松原「自分たちの楽曲もこんな風にみんなでイメージを具体化してはいるけど、今日みたいなことやってみると、曲作りでももっと頭使わんとあかんなと思うな。笑」 <The Songbards・上野皓平&松原有志> ◆2nd Full Album『Grow Old With Us』 2022年6月29日発売   <収録曲> 1. 2076 2. アイオライト 3. ガーベラ 4. ダフネ 5. シティーコラージュ 6. 窓に射す光のように 7. 夏の重力 8. 夕景 9. ゼロからはじめよう 10. 銀杏並木 11. オルゴールの恋人 12. かざぐるま ◆各音楽ストリーミングサービスでも配信中! https://TheSongbards.lnk.to/growoldwithus

    2022/07/15

  • 有華
    サプライズも花もいらないから、あなたのものだと大声で叫びたいの。
    サプライズも花もいらないから、あなたのものだと大声で叫びたいの。

    有華

    サプライズも花もいらないから、あなたのものだと大声で叫びたいの。

     2022年6月22日に“有華”がEP『Stamp Rally』を配信リリースしました。今作には、TikTokやInstagramなどのSNSで現在大きな話題となっている「Partner」をはじめ、2021年にリリースした「一蓮星」、2022年2月から3カ月連続リリースした「バースデーソング -2022 ver. -」、「Marry me」、に加えて新曲「サヨナラのはじまり」「終わらない唄」も収録!    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“有華”による歌詞エッセイを2週連続でお届け。第2弾は、収録曲「 Marry me 」にまつわるお話です。歌詞には<ドキドキより温もりを 変わりなんていないの 2人で歩んでこう forever>という一途な愛が綴られたラブソング。この歌の背景にある切ない実話とは…。歌詞と併せて、受け取ってください。 2021年の夏 5年付き合っている彼氏がいた友達が 別れたと電話をかけてくれた。 私は一言目に「大丈夫?」と聞いたら 彼女は「大丈夫なわけないやあああん」と大泣きし始めた。 そりゃそう。大丈夫なわけないのに大丈夫? と聞く 私も相当バカだと何故か太ももをつねりながら話を聞き始めた。   ちょっと呼吸が落ち着いた時 彼女はやっと口を開いて 「君とは結婚でけへんって言われてん。」と 鼻水を啜りながら伝えてくれた。 「お互い結婚を考える歳だからこそ踏ん切りをつけないとと思った。 俺にはまだやりたいことがあるから結婚できない。」やって。 納得しきってないことがすぐにわかった。   正直、2人の関係は2人にしかわからないし 自分が全てを知っているわけではない。 でも2人の関係を終わらすきっかけになってしまったのは 【結婚】だった事は確かだ。   彼女は続けて私に伝えた。 「30までには子供を産みたいし、ウェディングドレスだって着たいやん。これってわがまま?」 私は即答した。 「ううん。わがままじゃない。それが本音やと思う。」 そこから朝まで電話を繋げて今までの2人の話を聞いた。 幸せの絶頂だった時の話も、大喧嘩した話も全部。 すると彼女は 「もっと素直に伝えとけばよかった。」とポロッとつぶやいた。 朝まで私に熱弁してくれた彼への気持ちを彼女は伝えきれてなかったらしい。 その理由は「嫌われたくないから。」   何故か恋をすると本音を出す前に嫌われたくない。離れたくない。気持ちが生まれる。 そうしたいと思ってなくても自然になってしまう不思議な現象。   そして最後に一言 「この話いつか曲にしてな」と笑いながら彼女は言った。 「もちろん!」と答えた時には既にiPhoneのメモは半分以上埋まっていた。 ごめんね。スピーカーでうんうん。と話を聞きながら 既にメロディーも鳴っていたよ。   そして出来上がったのが「 Marry me 」 結婚したい気持ちが高まった時に書いた曲ではない。 結婚できないと振られた友達への“報いの歌”。   サプライズも花もいらないから あなたのものだと大声で叫びたいの。   それだけでよかったんだ。 <有華> ◆紹介曲「 Marry me 」 作詞:有華 作曲:有華 ◆ EP『Stamp Rally』 2022年6月22日発売 <収録曲> 1 バースデーソング - 2022 ver. - 2 Partner 3 一蓮星 4 Marry me 5 サヨナラのはじまり 6 終わらない唄

    2022/07/14

  • シナリオアート
    正真正銘、私は弱いのです。
    正真正銘、私は弱いのです。

    シナリオアート

    正真正銘、私は弱いのです。

     2022年6月22日に“シナリオアート”が自身初となる2枚のアルバムを同時リリースしました。バンド盤・4th Full Album『Blue Smell』、アコースティック盤・1st Acoustic Mini Album『White Smell』となっております。そしてアルバムリリースに伴い、4年ぶりとなる東名阪ワンマンツアーを開催。7月23日(土)には東京都・渋谷WWW公演を予定!    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“シナリオアート”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。執筆はハットリクミコが担当。自問自答を繰り返し続けてきた先、見えたのは「自分は弱い」というひとつの答え。だからこそ歌詞に、今作『Blue Smell』に、込めた想いとは…。楽曲と併せてこのエッセイを受け取ってください。 バンドをこうも長く続けていると、正解とか進む方向とか、 何もかもがわけわからんくなってくる時がよくあって、 何のためにやってんのやろ? 何でこんなことやってんのやろ? って不毛な自問自答ばっかりに時間を割く   その結果ちゃーんと見えない闇の底に落ちてしまう   “正真正銘、私は弱いのです”   最近胸を張って言える唯一のことってこれだと気が付いた 悪い意味ではなくて、弱い自分を受け入れることができたんじゃないかなって ちょっと嬉しくなった 強くなきゃいけないって誰が決めたんだ!!くそう!!   そんな弱い弱い私を救ってくれるのは、シナリオアートで、 シナリオアートの作る音楽なのだ 私は一員としてこの素晴らしい曲たちを最高の状態でリスナーにお届けするために生きているようですよ   歌詞はというと、普段口にできないような胸の内を吐露するように書いている 自分の胸の内はまぁ~弱くて不安定で 「うるさーい!もう黙れ!」って言いたくなるようなことしか言わなくて嫌になります   ところがどっこい歌詞に落とし込むと、 共感してくれる世界が待っていたりするから、吐き出してよかったっていつも心から思う   つまりみんな結構よえぇんよな だから弱いの代表として居続けるからみんな安心してて あなたよりダメな人がここにいるから   自分のことやと思って歌詞を読んで聴いてほしい あなたを思い浮かべながら書いてるからね   未来には何が待ってるかわからんけどさ メンバーとスタッフと大切な仲間とファンが 幸せに生きてくれたら、笑って生きてくれたら 怒らないでいてくれたら それが私のいっちばんの幸せです みんなを幸せにしたい、その一心で生きていく 『Blue Smell』がみんなの幸せの一歩になったと信じて また音楽を続けていくことにします   <シナリオアート Dr/Vo ハットリクミコ> ◆4th Full Album『Blue Smell』 2022年6月22日発売 <収録曲> 1 テンダーランド 2 アイマイナー 3 ブルースメル 4 アオノリビドー 5 アンティークトロフィー 6 トワイヴェール 7 ドリーミーラブストーリー 8 ドリームイーツ 9 スーサイドスポット 10 アカシアホーム 11 スワンテイル

    2022/07/13

  • cluppo
    ポスターに書いてあった一言にとても惹かれましたっぽ。
    ポスターに書いてあった一言にとても惹かれましたっぽ。

    cluppo

    ポスターに書いてあった一言にとても惹かれましたっぽ。

     2022年7月7日にBAND-MAIDの小鳩ミク(Gt&Vo.)によるソロプロジェクト“cluppo”の新曲「With you」が配信リリースされました。同曲は、7月6日よりTOKYO MX・BS日テレにて放送が開始されるテレビアニメ『咲う アルスノトリア すんっ!』エンディングテーマとして書き下ろされた楽曲で、cluppo初のアニメタイアップとなっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“cluppo”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、新曲「 With you 」にまつわるお話。cluppoとしては初のアニメタイアップ楽曲。いい意味でのプレッシャーを感じながら、どのように歌詞を作り上げていったのか、その軌跡を明かしてくださいました。歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 初めまして!cluppoですっぽ! 今回こういった歌詞に特化したコラムを書くのは初めてなので、うまくできるか心配ではありますっぽ…私の心を見られてるみたいで恥ずかしいけど、読んでくれたら嬉しいですっぽ。   まず一作目は「 With you 」   「With you」はアニメタイアップのお話をいただいてから書き下ろした曲で、今までのcluppoとは違う始まりでしたっぽ。お話をいただいてからアニメ側の方とオンラインで会議があり、そこでの希望としては、「今までにない感じのcluppoの曲にして欲しい」との要望をいただきましたっぽ。BAND-MAIDの小鳩としてアニメタイアップの歌詞を書くことは今までにもあったけれど、cluppoとしては初。いい意味でプレッシャーにもなりましたっぽ。   一体どんなお話なんだろうと公式HPを検索してみて 「魔法(かわいい)は負けない」 ポスターに書いてあった一言にとても惹かれましたっぽ。 かわいい女の子達がキャピキャピ頑張る的な感じなのかな? とも思ったのを覚えていますっぽ。   それからアニメの原作にあたる携帯アプリゲーム『咲う アルスノトリア』を、自分も実際にプレイするところからはじめたんですっぽ。   始めてみると確かに、かわいい女の子達が頑張るお話ではあるものの、最初に感じたものとは全然違ったんですっぽ。そもそもエピローグがなんだか重い展開からはじまるし、ギャップがなんだかすごかったんですっぽ!   だいぶ簡単に説明すると、自分が主人公「ウィズ様」として魔法使いの先生になるんですけれど、いろいろあって記憶を無くしていて、ペンタグラムと呼ばれる女の子達と平和な幸せな世界を作り守るために日々修行して進んでいく、、、というようなストーリーですっぽ。   絵の世界観や魔法に使われるカードの文言などとっても凝っていて、かつ美しく、これはこのゲームからアニメ化をとても期待しているファンが沢山いるだろうなと思いましたっぽ。   なので、ゲームに出てくる言葉を歌詞に用いたり、全体的に綺麗で柔らかい雰囲気の言葉にしたいなと思い、そこから派生させて考えたりしていきましたっぽ。ウィズ様は「With you」として、Iと愛にかけて「アイは負けない」、世界の果ての果ても確かストーリーの中にでてきた言葉の一つ。   そういったキーワードを紡いで、 この歌詞の物語も少しずつ生まれていきましたっぽ。 ぜひ聴いてくださいっぽ。 <cluppo> ◆紹介曲「 With you 」 作詞:cluppo 作曲:Crow

    2022/07/12

  • Nolzy
    何者でもなくても、貴方は貴方として尊重されるべき存在だ。
    何者でもなくても、貴方は貴方として尊重されるべき存在だ。

    Nolzy

    何者でもなくても、貴方は貴方として尊重されるべき存在だ。

     2022年6月29日に“アツキタケトモ”が『Outsider - EP』をリリースしました。今作は、先行リリース済みの「Family」「Period」「Outsider」の3曲に新録の3曲を新たに加えた計6曲入り。表題曲「Outsider」のmixには気鋭のエンジニア小森雅仁を迎えたほか、各曲それぞれに多彩なアレンジャーやプレイヤーを迎えて制作された意欲作に仕上がっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“アツキタケトモ”による歌詞エッセイをお届け。“青春のキラキラ感”に身を投じることが出来ず、生きづらさを感じていたという学生時代。そうやって居場所のなさを感じたことがある自分だからこそ、生み出すことができた今作『Outsider - EP』への想いを明かしてくださいました。歌詞と併せて、受け取ってください。 常にまわりと馴染めない気がしていた学生時代。   体育祭は友達と倉庫裏に隠れてさぼっていた。何というか、“青春のキラキラ感”が当時の僕にとっては耐え難かったのだ。シンプルに運動が苦手で嫌いだったから、参加したくなかったのもあるけれど。   そんな日陰にいた僕は17歳のとき一度メジャーデビューをした。普段は学校で全く目立たない存在であったが、さすがにその時ばかりは物珍しく見えたのか、普段絶対話しかけて来ないタイプの女子生徒に話しかけられた。   「竹友くんの歌、街で流れてたよー!すごいね。」   今思えば素直にその応援を受け止めればいいだけの話なのだが、当時の僕には、「お前みたいな陰キャが調子ノッてるんじゃねぇよ」という牽制に聞こえた。   それくらい捻くれている性格だから、そりゃ生きづらいよな、と思う。当時、僕が縛り付けられていた(と思い込んでいた)スクールカースト的なものって、もちろん構造上存在していた部分もあったとは思うけど、多くは自分の内面世界での要素が大きかったのだと思う。“青春のキラキラ感”に身を投じることが出来ない疎外感との戦いだった。   今も多かれ少なかれ、そういった面倒くさい自分の性質は存在するのだが、行き過ぎないようにコントロールする術は当時より身についた気がする。大人になったということなのかもしれない。子どもの頃は大人になれば、身体と同じく心も成長して悩みなんか無くなるかと思っていたが、基本的な性格は驚くほど変わらない。変わったのは悩みが生じたときにどう対処するか、その方法論の引き出しが少し増えたことくらいだ。   友達だったり、マネージャーだったり、尊敬できる人の話を聞きながら、自己肯定感が少し上がってきたところもある。気持ちを前向きに持ち、自分を認めてあげる作業が最近徐々に出来るようになってきた気がする。   状況や環境に限らず、悩みはいくらでも生み出すことができる。自分の内側から。そこに浸り続けることのダメージというのは確実にある。だからかなり注意深く、そいつを避けながら前向きに生きていきたい、と試行錯誤する今日この頃である。   今回リリースした『Outsider - EP』という作品に込めたのは、ここまで綴って来たような、どこか生きづらいとか、馴染めないとか、そういう気持ちを持って生きている人々の人生を肯定したいという思いだ。   そのために必要なのは「明けない夜はない」みたいな精神論や、リフレーミングみたいな自己啓発の類の言葉を綴ることではなく、なるべく自分の人生を忠実に書き出すことが重要だと考えながら、誠実に言葉を紡いだ。全て実体験・ノンフィクション、ということではなく、“嘘をつかない”ということ。   それだけ誠実に向き合って制作したこの作品が受け入れられるということは、僕の人生を受け入れてもらえた、という感覚にもつながるし、同時に僕と同じような疎外感、劣等感を抱いている人の人生を受け入れることにもつながる気がしている。そういう相互作用を求めて今作を制作した。“共感”とか“等身大”ともまた違う感覚。   今までほぼワンマン体制でやっていた制作に、たくさんのプレイヤーやアレンジャー、新しいエンジニアを迎え入れたのも、そういった他者とのコミュニケーションの間に生まれる音が今作には必要だと考えてのことだった。   人それぞれ様々な人生がある。「普通」に見える人にも「異物」な部分が必ずあるし、そもそも人は一人一人違う存在なので、同一化できなくて当たり前なのである。それなのに枠やカテゴライズを人は作るし、何故かそこに属したくなるし、属せないと不安になったりする。全く不思議な生き物だ。でもそれでいい。何者でもなくても、貴方は貴方として尊重されるべき存在だ。そして、それは僕自身に言い聞かせている節もある。   家庭に居場所がなくても、学校に居場所がなくても、その外にもちゃんと世界があることが見える世の中であって欲しい。性別問わず誰かを愛することを否定されない世の中であって欲しい。強い願いと祈り、意志を込めて言葉を紡いだ作品。どうか一人でも多くの人に受け取ってもらいたい。   <アツキタケトモ> ◆『Outsider - EP』 2022年6月29日発売 配信リンク: https://atsukitaketomo.lnk.to/outsider-ep   <収録曲> 1. Untitled  2. Outsider  3. Family  4. Shape of Love  5. Period  6.それだけのことなのに   

    2022/07/11

  • The Songbards
    「うたがいこぎつね」
    「うたがいこぎつね」

    The Songbards

    「うたがいこぎつね」

     2022年6月29日に“The Songbards”が、フルアルバム『Grow Old With Us』をリリースしました。各作品が連動した三部作の最終章となる今作は、メジャーデビュー作品としてリリースした『CHOOSE LIFE』以来、約2年半ぶりとなるフルアルバム。“全曲リード楽曲”とも言える気合いの入った楽曲がふんだんに詰め込まれた1作となっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“The Songbards”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。昨年、ミニアルバム『AUGURIES』リリース時の歌詞エッセイでは、The Songbardsの作詞作曲を担当している上野皓平と松原有志が“連詩”に挑戦してくださいました。そして今回はなんと即興の“むかし話”づくりに挑戦。一体、どんな物語が生まれたのか…。タイトルは「うたがいこぎつね」、じっくりとお楽しみください!  2022年6月29日にソングバーズは『Grow Old With Us』というフルアルバムをリリースしました。今回の作品は、いつかこの曲たちをもう一度聴いた時に懐かしめるといいな、そして聴き継がれてもらえたら嬉しいな、という想いも込めて完成したものです。    このエッセイでは、今より昔、同じような想いを込めて作られたであろう「むかし話」をVo/Gtの上野とGt/Voの松原で、即興で作り出す挑戦をしたいと思います。   ルール ・「浦島太郎」「桃太郎」「一寸法師」等のようなテイストを目指す。 ・「むかしむかしあるところに…」からはじめる。 ・「~でしたとさ、めでたしめでたし。」で終わらせる ・テーマは今回のアルバムにもちなみ「暮らし」とする。 ・2人は打ち合わせなく1人1文ずつ順番にストーリーを進めていく。 ・タイトルは全て書き終わって最後に決める。   順番は松原からスタート!     「うたがいこぎつね」     松原 むかしむかしあるところに、お腹を空かせた小さなこぎつねがおりました。   上野 こぎつねは毎日、お母さんぎつねの帰りを待つ間、お母さんぎつねが帰ってこなくならないかとても心配してしまいます。   松原 時々こぎつねは木の下にある入り口の穴からひょい、ひょいと顔を出して外を見てみたりしていました。   上野 すると木の上の方で、コツコツコツと音が聞こえてきます。   松原 「おや、なんだなんだ?」   上野 「あんまり気にしないでくれ、俺は木をつつくのが仕事なんだ。」とキツツキのお父さんが言いました。   松原 「でもそんなに木屑を落とされたら、僕がお家の前を汚したとお母さんに思われちゃうじゃないか!」とこぎつねは言い返しました。   上野 「大丈夫さ、僕は君のお母さんからここの木をつつくように頼まれて来たんだよ。」とキツツキのお父さんは笑いながら答えました。   松原 「ここは僕のお家の上の木だ、そんなことお母さんが頼むわけないよ!」   上野 すると遠くの方からお腹を空かせた双子のオオカミが、こぎつねの家の方へと近づいて来ます。   松原 「なんかこっちの方から声がしたなあ、ジュルル…。」と双子の兄。   上野 「ちがうよ、こっちだよ!兄貴」と双子の弟   松原 ドキッとしたこぎつねはすぐに穴の中に隠れようとしました。   上野 しかし、さっきまでそこにあった木の下の穴が木屑に埋もれて見つかりません。   松原 困ったこぎつねはキツツキの方をみてこう言いました。   上野 「どうしてくれるんだ!」   松原 キツツキは「頼まれたからやっただけじゃないか、知らないよ。」と飛んでいってしまいました。   上野 しかしキツツキが飛び去ったその木にはこぎつね1匹がちょうど入れるくらい小さな穴が空いておりました。   松原 双子のオオカミがこぎつねに気がついて走ってきました!   上野 こぎつねはまだ木登りをしたことがありませんでしたが、そんなことを言っている場合ではありません。   松原 必死に爪を立てて一生懸命登るこぎつね。   上野 しかし、双子のオオカミは木登りもお手のもの、すぐこぎつねに追いつき足に噛みつこうとしました。   松原 その時!「ギャ!」と声をあげたのはなんとオオカミの方でした。   上野 こぎつねの足に沢山付いていた木屑がパラパラとオオカミの鼻の穴に入り、今にもくしゃみが出そうだったのです。   松原 「ハックシュン!」   上野 オオカミがした大きなくしゃみに吹き飛ばされて、こぎつねは木の下へみるみると落ちてゆきます。   松原 「パクリ!」なんとそこにいたもうひとりの弟オオカミがこぎつねを食べてしまいました!   上野 兄オオカミは弟オオカミにこぎつねを独り占めしてしまったことに驚き、そして吐き出すように怒りました。   松原 そして喧嘩になり、揉めはじめました。   上野 弟オオカミは、兄オオカミに取られまいと、口いっぱいに頬張ったこぎつねを飲み込もうとしました。   松原 すると弟オオカミの喉に木屑がグサグサと刺さり、痛くてこぎつねごと吐き出してしまいました。   上野 弟オオカミは泣きながら逃げ出して、兄オオカミもそれを追いかけて離れてゆきます。   松原 ちょうどその時お母さんぎつねがキツツキと一緒に帰ってきました。   上野 こぎつねは泣きそうになるのを堪えながら、お母さんに一部始終を話しました。   松原 「あらまあ、でもキツツキさんの言っていたことは本当だったのよ。」   上野 「キツツキさん、疑ってごめんなさい。」   松原 「キツツキさんのおかげで助かりました。」   上野 「もう大丈夫、疑うことも大切だけれど、信じることも大切なんだよ」とキツツキは優しい笑顔で言いました。   松原 そうしてこぎつねはお母さんぎつねの持って帰ってきたご飯を仲良く食べたのでしたとさ、めでたしめでたし。     終えての感想。   松原「結構長くなったな!笑」 上野「自分の思ってない展開が進んでいく面白さはあったけど、最後は終わらせ方わからんかった。」 松原「確かに。いい感じだと思ってても着地点はどんどん遠くなってた。」 上野「むかし話やから「教え」を入れなあかんしな…。」 松原「結果、登場人物の数とか、むかし話っぽさは出たけど、「うたがいこぎつね」は語り継がれることないやろな。笑」 上野「それはこれを見たみなさんにかかっています。笑」 <The Songbards・上野皓平&松原有志> ◆2nd Full Album『Grow Old With Us』 2022年6月29日発売   <収録曲> 1. 2076 2. アイオライト 3. ガーベラ 4. ダフネ 5. シティーコラージュ 6. 窓に射す光のように 7. 夏の重力 8. 夕景 9. ゼロからはじめよう 10. 銀杏並木 11. オルゴールの恋人 12. かざぐるま ◆各音楽ストリーミングサービスでも配信中! https://TheSongbards.lnk.to/growoldwithus

    2022/07/08

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