あの頃の私は、強かった。

アイラヴミー
あの頃の私は、強かった。
2022年7月27日に“アイラヴミー”が初のフルアルバム『I LUV ME』をリリースしました。今作には、デジタルのみでリリースされていた楽曲や先行配信される新曲3曲も含めた、全シングル12曲が収録。「頑張れって歌ってないのに頑張ろうと思える」「そのままの自分でいる勇気をもらえる」と、生きづらさを感じている人たちに寄り添うような応援歌が満載の内容となっております。 さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“アイラヴミー”のさとうみほのによる歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾。綴っていただいたのは、今作に収録の新曲「 17 」にまつわるお話です。17歳の頃の自分を思い出したとき、ちょっとさみしくなったのと同時に、生まれた気持ちとは…。歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 高校の頃からの友達から急に連絡が来た。 なんと、結婚することになったのだ。 「リモート飲みしよう」 そんな約束をして、 結婚前最後のお祝いビール飲み大会が行われた。 とっても嬉しかった。 だんだん、周りが結婚をする歳になったのだなぁと、 ちょっとヘンテコな気持ちにもなった。 「見て!結婚式で使う用に、写真探しててさぁ。 こんなの見つけた!」 と、彼女はラインを送ってきた。 そこには17歳の頃の私たち。 全力で笑って、でっかいピースして 今より全然芋っぽくて でも、キラキラしてた。 「あの頃はなんかさ。強かったよね、よかったよね。」 「えぇ~、そうだっけ。」 そんな話をしながら たくさん笑って、たくさん飲んで、 たくさんお祝いして、 おひらき後、少し泣いた。 あの頃の私は、強かった。 好きなものをちゃんと「好き」とわかっていた。 バレッタをたくさん集めていたし、 制服はこだわり! 古着の赤いセーターに、茶と黄色のニットネクタイをしていた。 髪も下手くそだけど一生懸命内巻きにしていた。 おんがくが大好きで いつもバンドのステッカーだらけのギターを背負って 今より拙いうたを一生懸命うたっていた。 大好きだったバンド、大好きだったお洋服、 お気に入りだったバレッタ。 今はもう好きじゃない。 さみしくなって、でも同時に ちゃんと、変わってこれたってことじゃん。 と少し胸を張った。 人は歳を重ねる度に、いろんなことが変わっていくんだ。 これを曲にしたい!と思った。 大好きだったあの頃を懐かしむ気持ちと 今のちょっと自信の無い私を前に進めたくて。 生きていく中で、 手放して良いもの、 手放しちゃいけないもの。 やっと、気がついたんだ。 <さとうみほの> ◆紹介曲「 17 」 作詞:さとうみほの 作曲:さとうみほの ◆アルバム『I LUV ME』 2022年7月27日発売 TEB-104 ¥3,300(税込) <収録曲> 1.17 2.しあわせはイテテ 3.やすめ 4.三日月ロンリネス 5.弱虫のラブソング 6.話をしようよ 7.セーブミー 8.でも生きている 9.負け犬戦士 10.社会の歯車 11.そのまんま勇者 12.答えを出すのだ