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  • 川嶋あい
    1つの恋愛を恋愛として永久に続けてゆくことは非常に困難だけれど…
    1つの恋愛を恋愛として永久に続けてゆくことは非常に困難だけれど…

    川嶋あい

    1つの恋愛を恋愛として永久に続けてゆくことは非常に困難だけれど…

     2020年6月3日に“川嶋あい”がニューアルバム『針の穴』をリリース!今作は【恋愛・応援】をテーマにした大人の恋愛ソング集であり、都々逸(どどいつ)や短歌にインスピレーションを受け制作されたものだそう。彼女は「針の穴に糸を通すように、ただ1つのものだけに想いを注ぐ女性の、濃密な感情が詰まった」楽曲だとコメントしております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“川嶋あい”による歌詞エッセイを、3ヶ月連続でお届けいたします!第1弾では、収録曲「 ペペロンチーノ 」にまつわるお話を綴っていただきました。片想いをしていた頃や恋のはじまりはあんなに楽しかったのに、最近なんだかモヤモヤ…な気分な方。まずは是非、こちらのエッセイをご堪能ください…! ~歌詞エッセイ第1弾:「 ペペロンチーノ 」~ 恋した時は誰でも一生懸命だ。それが始まりのタイミングであればあるほど、相手に気に入ってもらいたくてなんとか自分磨きに思いを砕くもの。 そんな恋への準備期間みたいなものが実は1番楽しかったりする。洋服を選んだり、髪色を変えてみたり、自分自身を少しずつ変身させて演出したい願望が湧き起こってくる。それに対して、相手から細やかなリアクションをもらえなくてもいい。とにかくまずは自分で自分をメイクアップさせていきたいのだ。目標を達成することの喜びと幸福感を勝ち得たいのだ。 では、1つの恋が少し前に進んだタイミングではどうだろう。片思いから両思いになり、2人の時間が増えてゆきお互いのことを深く知って理解し合える関係になった時、それこそが恋愛の分岐点だと私は思うのだ。 そこからの道の方がもっと長く険しいだろう。長く付き合ってゆくからこそ生まれる綻びや小さなズレ、摩擦みたいなもの。消してゆくことは容易ではない。 最初は可愛かったワガママや振る舞いも時が経てば鬱陶しく感じたりもする。それでも相手の欠点を認めて受け止めながら次の一歩を一緒に踏み出してゆくことは、未来を描いて恋愛することにおいて、どちらにも必要な最低限の行為だと思うのだ。月日が経とうが、浅かろうが双方がそれなりに努力をして、相手に想いを寄せて言動する。それが関係を良くして滞りをなくしてゆくことにつながるのではないかと私自身感じている。 例えばたまの2人での外出時、女性の方は化粧やお洒落に頑張って時間を費やしてきたのに、彼の方は全くそんな気はなくデートの服装というより少しだらしない格好をしてきたとする。精神的にどうにも不釣り合いな気がしてガッカリしてしまう。お互いの今一緒にいる時間を楽しもうとしてきた彼女の準備に対して、少し配慮が足りないのではないかと思うのだ。 そういう人だから…とゆうことでは割り切れないモヤモヤ感が残る。もし彼が彼女に負けないくらいの気持ちで、いつもと違う雰囲気の服装や演出でその日を楽しませてくれたなら、彼女はもしかしたらもう一度『好き』の言葉に出逢えるかもしれない。 長い時間を共にしてきた2人だからこそ、いつもではなくたまに見えるところでそれぞれの小さな努力を知ることができれば、これからの未来をささやかにでも励ましてくれるのではないか…。たまには一緒に頑張って、たまには一緒にだらしなくなって、そしてまた一緒に明日を描いて…。そんな前向きな繰り返しができればもっといい関係や絆を作ってゆける気がする…。 私自身の恋愛への理想や本音が詰まった楽曲が、アルバム『針の穴』に収録されている「ペペロンチーノ」だ。 1つの恋愛を恋愛として永久に続けてゆくことは非常に困難だけれど、少しでも寿命を長くしていくために…たまにお互いが何かを変えてみたり、何かを考えて行動してみたり、とにかくアクションを起こしてみる。片思いから両思いになる時だってそうだったはず。いつだって勇気を出せば何かの歯車が小さくても回り出すのだ。 なるべくお互いの心にある天秤が均等にバランスを保てるように、比重がどちらかにだけ激しく偏らないように、時にはメンテナンスしながら自分と相手の姿勢と向き合ってゆくことも大切なように思う。もちろん、失敗したり上手くいかないことの方が多いのだが。それでも何かに想いを砕き、努力する姿は美しい。 気付いたら全力で恋をしている頑張り屋さんの皆さんへ、想いのはけ口のような存在としてこの楽曲を聴いてもらえたなら最高に嬉しい。 <川嶋あい> ◆紹介曲「 ペペロンチーノ 」 作詞:川嶋あい 作曲:川嶋あい ◆9th ALBUM『針の穴』 2020年6月3日発売 初回限定盤 TRAK-0168~9 ¥3,500(税別) 通常盤 TRAK-0170 ¥3,000(税別) <収録曲> 1.Paradox 2.くるくる 3.綴 4.ペペロンチーノ 5.Home 6.Life 7.私を彼女にして 8.雪割草

    2020/04/27

  • Uru
    深みのある暗めのブルーではなく“明るい青”にしたい想いが強かった
    深みのある暗めのブルーではなく“明るい青”にしたい想いが強かった

    Uru

    深みのある暗めのブルーではなく“明るい青”にしたい想いが強かった

     2020年3月18日に“Uru”がニューアルバム『オリオンブルー』をリリースしました。今作には、これまでにリリースした「remember」、「プロローグ」、「願い」に加え、ドラマ『テセウスの船』主題歌として話題を呼んだ「あなたがいることで」も収録。Uruがこれまで積み重ねてきた活動の集大成のような内容となっている作品です。  さて、今日のうたコラムでは特別に、そんな最新作を放った“Uru”さんへのメールインタビューを【前編】【後編】に分けてお届けいたします。まず【前編】では、アルバム収録曲についての想いはもちろん。ドラマ主題歌の大ヒットや初のテレビ出演、歌詞面の変化などをお伺いしました。彼女の透き通った歌声と、まっすぐな言葉たちが、その心へ届きますように…! ~Uruメールインタビュー【前編】~ ― Uruさんと言えば、やはり2018年12月リリース「 プロローグ 」の大ヒットがひとつの大きな転機ですね。この歌の反響はどういったところから感じましたか? SNSやミュージックビデオのコメント欄などで、これまで以上に多くの方からメッセージをいただきました。あとは動画配信サイトで「プロローグ」をカバーしてくれる方がたくさんいたことでも、歌が届いていると実感できてありがたいなと思いました。とくに、歌詞を切り取って「ここがすごく共感する」と言ってくださっているのを見ると、とても具体的な喜びというか、歌詞に共感してもらえるって本当に嬉しいことなんだなと気づきました。 ― また、これまでTV出演はされてこなかったUruさんですが、先日の『CDTV』や『Mステ』大変感動いたしました。 出演させていただいた際にもお話しをさせていただいたのですが、テレビなどの華やかな場所が自分にはそぐわないと思っていて、それは今もそう思っているのですが(笑)、デビューからここまで本当にたくさんの方のお力をお借りして今の自分がいるということや、何より、いつも応援してくださる皆さんに感謝の気持ちを伝えたいと思ったときに、出演させていただこうと決心することができました。 ― タイアップ曲のヒット、楽曲提供、TV出演、と様々な経験を重ね、新章へと進んでいるUruさんですが、なにかご自身で“歌詞面”で変化したと感じるところはありますか? 歌詞を書くにあたって、ありきたりな言葉はあまり使いたくないという意識がずっとあったのですが、でも、今は「なぜその言葉がスタンダードに成り得たのか」という事を深く考えるようになり、それからは妙に納得したというか、あまり考えすぎず、これだと思った言葉を素直に使えるようになりました。 ― では、ここからはニューアルバムについてお伺いしていきます。前作アルバム『モノクローム』の“モノクロ”から、今作では『オリオンブルー』というご自身のイメージカラーがタイトルに表れているんですね。 まず1stアルバムは、私の原点でもあるモノクロの世界からの出発という意味で『モノクローム』というタイトルにしたのですが、今回はそこから時間が経過して、少しずつ自分なりの色というものを見つけて来ることができたかなと思ったのと、いつも応援してくださっている皆さんに私から連想する色をお聞きした時に、ブルー系が多かったのをタイトルの参考にさせてもらいました。 ジャケットやアーティスト写真、ライブの照明でもブルーを使うことが多かったですし、バラード=寒色というイメージもあったと思います。私自身は緑が好きで(笑)、緑がかったブルーということで『オリオンブルー』にしました。雰囲気やイメージとしては、深みのある暗めのブルーではなく“明るい青”にしたい想いが強かったです。この色の私的なイメージは、うーん…綺麗な海の色ですかね。 ― 2曲目「 今 逢いに行く 」は、いつ頃どのようなきっかけから生まれた楽曲でしょうか。 デビューする前に作った曲なのでもう4年以上前ですね。Uruとして初めて作ったオリジナル曲です。男女のイメージを膨らませながら書いたのですが、曲の雰囲気から歌詞を書いていって、煮詰まることもなくとても自然な流れの中で生まれた楽曲でした。 ― ドラマ『テセウスの船』主題歌として書き下ろされた、3曲目「 あなたがいることで 」は大変歌詞人気も高く、現在もなおアクセスを伸ばし続けております。Uruさんご自身はドラマを観ているなかで、どのフレーズがもっとも心に響きましたか? 私自身もそうですが、コメントやメッセージで多く届いたのは、<会えない日々が続いたとしても 僕はずっとあなたを想うよ>というフレーズだったでしょうか。ドラマに寄り添うことができたのかな…と思うことができました。 ― 5曲目「 marry 」は、Uruさんには珍しい幸せなラブソングではないでしょうか。 そうですね。カバーをさせていただいていた頃もそうですし、私のウエディングソングでないオリジナル曲でも、ウエディングソングとして使ってくださる方の声が届いていたこともあって、それであればザ・ウエディグソングを作ってみたいと思ったことがきっかけでした。しっとりとしたものか、明るい曲調のものか迷いましたが、まずは明るい方を、と思って作ってみました。人生に一度、本当に幸せで大切な瞬間に自分の楽曲が寄り添えることがあったら…そんなに嬉しいことはないですね。 ― 8曲目「 頑な 」は、プロボクサー・和氣慎吾さんのドキュメンタリー番組がきっかけで生まれた楽曲だそうですね。具体的には、どのようなシーン、言葉、想いに胸を打たれたのでしょうか。 和氣さんが歩んでこられた道のりにとても共鳴したというか、心に響くものがあって、気づいたら泣きながら見ていて、自分でもびっくりしました。当時の私は、とてもくよくよとしたネガティ部の部員だったので、自分と向き合って、周りに何を言われても貫きたい気持ちがあるという和氣さんをすごいと思いましたし、勇気をもらいました。その感情や勢いのまま、ピアノに向かって、和氣さんがスパーリングをするように、私はピアノを弾いて曲を作りました。なので、和氣さんと、そして自分自身への応援歌でもあります。 ― 9曲目「 いい女 」は前作の「 いい男 」と対になる名曲ですね。どちらも別れたあとの“強がり”という点では通じておりますが、<僕>と<私>で異なるところを挙げるとすると? 異なるところは、ないのかもしれません(笑)。あえて言うとすれば、並べる「理屈の多さ」でしょうか。男性の方は、あまり思い出を語ったりせず、ただ自分のなかだけで彼女への想いに浸っていますが、女性の方は、細かい思い出を口に出しているというか。根本は男性も女性も同じだとは思うのですが、男性同士あまり恋愛話はしないけれど実は心の中ではものすごく色んな事を想っていて、女性は女性同士恋愛相談をしたりトークが止まらなくなったりするもの…そういうところに通じているのかもしれません。 【後編】に続く!(5月1日公開) (取材・文 / 井出美緒) ◆New Album『オリオンブルー』 2020年3月18日発売 初回生産限定盤(映像盤) AICL-3840~1 ¥5,000(税込) 初回生産限定盤(カバー盤) AICL-3842~3 ¥4,000(税込) 通常盤 AICL-3844 ¥3,000(税込) <収録曲> 1. プロローグ 2. 今 逢いに行く 3. あなたがいることで 4. space in the space 5. marry 6. 願い 7. Don't be afraid 8. 頑な 9. いい女 10. PUZZLE 11. Scenery 12. 横顔 13. remember Special Track Binary Star / SawanoHiroyuki[nZk]:Uru <MUSIC VIDEO> 1. プロローグ 2. 願い 3. あなたがいることで <Uru Live「 T.T.T 」@東京・TOKYO DOME CITY HALL> 1. The last rain 2. いい男 3. remember 4. アリアケノツキ 5. 娘より 6. プロローグ 7. フリージア 8. 奇蹟 9. 君を忘れない(松山千春) 10. ごめんね。 <初回限定盤B(カバー盤)> 新曲カバーを含む8曲を収録 1. 3月9日(レミオロメン) 2. カムフラージュ(竹内まりや) 3. 白日(King Gnu) 4. このまま君だけを奪い去りたい(DEEN) 5. Funny Bunny(the pillows) 6. Pretender(Official髭男dism) 7. 若者のすべて(フジファブリック) 8. 雪の華(中島美嘉)

    2020/04/24

  • 川村結花
    再び大好きな人たちと歌い奏で笑い合い抱きしめ合えるその時まで。
    再び大好きな人たちと歌い奏で笑い合い抱きしめ合えるその時まで。

    川村結花

    再び大好きな人たちと歌い奏で笑い合い抱きしめ合えるその時まで。

     2020年は、シンガーソングライター“川村結花”のCDデビュー25周年のアニバーサリーイヤー!そこで、今日のうたコラムでは、その記念企画として1年を通じてのご本人によるスペシャル歌詞エッセイをお届けいたします。更新は毎月第4木曜!    シンガーソングライターとして活躍しながら、様々なアーティストへの楽曲提供も行い、ここ数年はピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている彼女。この1年の連載でどんな言葉を綴ってくださるのでしょうか…!今回は第4回をお届けいたします。 第4回歌詞エッセイ:「大切」 毎月第4木曜更新の歌詞エッセイ。今月も書かせていただいております。しかしながら前回の折にはまさかひと月後の今日、世の中がこんなことになっているなんて想像もできずにいました。本来ならば今頃は5月からの3ヶ月連続セルフカヴァーライヴの準備で選曲やらリハやらやっていたはずー、が、全て延期となり、今は家に引きこもりの生活を送っております。 こんな状況の中、医療関係の方々はもちろんのこと、スーパーマーケット勤務の方々や運送業の方々、在宅ワーク不可能な職種で現場に赴かれている方々には本当に頭が下がります。特にスーパーマーケットは亡き父の勤務先であったということが大きく、そこへお勤めの方やご家族を思うと胸がいっぱいになってしまうのです。父もこれが生前なら毎日満員電車に乗って出社していたことでしょう。そしてわたしや母は心配し感謝しやはり心配し、の日々だったでしょう。 ーというようなことをたびたび考えるせいでしょうか、ここのところ父や祖父母や叔母など、血縁の故人が出てくる夢を毎日のように見るのです。普通にそこにいて普通に話したり笑ったりしている、なんでもない平和な夢。なんでもないけどとてもリアルで、目が覚めてからも暫く今がいつなのか自分が何歳なのかどこにいるのかわからないこともたびたび。ああそういえば先代のワンコたちも最近よく登場するなあ、、、というところで思い出したのが、FUNKY MONKEY BABYSへの提供曲(共作詞、共作曲)、「 大切 」という曲です。 “あなたが笑ってて あなたの声がして 普通に日が暮れて また明日ねって手を振る ありふれて見えても あたりまえなんかじゃない あなたといる日々が なににも代えられない 大切” 自分でもものすごく大好きなフレーズ、ここの部分を聴くといつもまずその先代のワンコたちを思い出し父を思い出しなんだか泣けてくるのです。ワンコと父だけでなく(ワンコが先でごめんね、おとーさん)、今はもう会えない大切な人たちや景色を思い出し泣けてくるのです。そして今自分のまわりの大切な人たちや場所を思いまた泣けてくるのです。今書いててすでに泣けてきました。いやほんまに、、、。 今たくさんの人たちが、ありふれて見えてもあたりまえなんかじゃない日々、なににも代えられない大切な日々の愛おしさをあらためて実感し心に抱きしめ、がんばって過ごされていることでしょう。わたしもそのうちの一人です。そんな尊い日々がわたしたちのもとに一刻も早く戻って来ますように。あの時は大変だったよね、と乾杯しながら語り合える時が来ますように。再び大好きな人たちと歌い奏で笑い合い抱きしめ合えるその時まで、前向いて頑張って元気に引きこもっていようと思います。 <川村結花> ◆紹介曲「 大切 」 作詞:FUNKY MONKEY BABYS・川村結花 作曲:FUNKY MONKEY BABYS・川村結花・Naoki-T ◆プロフィール 川村結花(シンガー・ソングライター) 大阪府生まれ。東京芸術大学作曲学科卒業。1995年、アルバム「ちょっと計算して泣いた」でシンガーソングライターとしてデビュー。同時に作詞家作曲家として楽曲提供を行い、主な提供楽曲は、夜空ノムコウ(作曲)をはじめ2019年現在までに100曲以上。2010年「あとひとつ」(作詞作曲共作)でレコード大賞作曲賞を受賞。2017年、アルバム「ハレルヤ」をリリース。ここ数年は、提供楽曲の作詞作曲も行いながら、ピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている。 オフィシャルサイト: https://www.kawamurayuka.com ◆歌詞エッセイバックナンバー 【第1回】 【第2回】 【第3回】

    2020/04/23

  • シナリオアート
    ほんとはこんなことを、歌ってしまいたくないけど、歌わざるを得ない
    ほんとはこんなことを、歌ってしまいたくないけど、歌わざるを得ない

    シナリオアート

    ほんとはこんなことを、歌ってしまいたくないけど、歌わざるを得ない

     男女ツインボーカル3ピースバンド“シナリオアート”が、2020年4月15日に3年ぶりとなるニューアルバム『EVER SICK』をリリース。今作には彼ら史上もっとも多い、全14曲が収録。独立後からの発表となるシングルや、ライブのみの演奏となっていた待望の音源化楽曲に加え、完全新曲が6曲。新生シナリオアートの至極の1枚が完成しました。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“シナリオアート”による歌詞エッセイを3週連続でお届けいたします! 第1弾 、 第2弾 に続く最終回で綴っていただいたのは、収録曲「 ブルーカラー 」にまつわるお話。まるで実体験かのように綴られているリアルな物語ですが、その芯にある想いこそが彼が本当に伝えたかったメッセージ。是非、歌詞と併せてじっくりとエッセイをご堪能ください…! ~歌詞エッセイ最終回:「 ブルーカラー 」~ “子供がほしいな~”から始まる歌詞 「ブルーカラー」という曲の歌い出しなのだけど ツッコミどころが多い。 あまりにも淡々と進む物語がリアルすぎて、 友人に聞かせると、 え?実話、、?って気まずそうにされる。 いやちがうし この曲は真面目に生きてきたはずの男が、 普通の幸せすら手に入れられない なんとも希望のない歌なんだけれども 最近、思うに 真面目に生きる人は、ほんとに素晴らしいよ。 友人にもそんな素敵な奴が何人もいる。 そんな友人を心から尊敬している。 そして真面目に生きるんだから、そういう人は 絶対報われるべき。 しかし、 「はあ??真面目を免罪符にして 逃げてないか?思考停止してない?」 ってマッチョな先輩が 根性論や精神論でまくし立てる世の中だよ。 そんなことないよ。 優しくまともでいることは、 圧倒的に不利なだけだよ、この世は。 ルールに則って、まっすぐ生きる奴が 一番報われるべきだとおもう。 しかし、世の中はそうじゃないことの方が多いよ。 ああ愛おしい奴らよ。 まっすぐ生きる奴らよ。幸せになって欲しいんだよ。 曲の最後に言い放つ、 「誰も言わないから 僕が言ってやるよ 現代には希望はない 夢なんてまやかし 希望なんてないよ 未来なんてないよ 奇跡なんてないよ 光なんてないよ 希望なんてないよ どこにも落ちてない」 辛辣なことを叩きつけるように歌う。 真面目に生きていても、 どうしようもなく情けない未来が 待っている確率が大きくなっている ほんとはこんなことを、 歌ってしまいたくないけど、歌わざるを得ない 持たざる者は疲弊し、 持つものは逃げ切ることを考えている。 こんな世界で 希望や光だけじゃ生きれない人に 僕たちの音楽が寄り添えたら 誰かが歌えばいい音楽は誰かにまかせるよ。 こんな情けなく足りない自分だからこそ、 歌える歌だけを歌って生きたい けどね 自分だって諦めてるわけじゃない。 いつか情けない奴らを大勢集めて、証明したいのだ。 こんな自分が大勢に受け入れられたら 全力で言える気がする お前はなんにも悪くないって包み込みたいのだ。 出口の見えない日々だけれども。 全て報われる日がくるまで、、、、 3回にわたって文章を書かせていただきました。 このような場を与えていただけて本当に嬉しかったです。 改めて3年ぶりのフルアルバム『EVER SICK』 よろしくお願いします!! <シナリオアート Gt/Vo ハヤシコウスケ> ◆紹介曲「 ブルーカラー 」 作詞:ハヤシコウスケ 作曲:ハヤシコウスケ ◆3rd Full Album『EVER SICK』 2020年4月15日発売 <収録曲> 1.スターサイドシンドローム 2.エバーシック 3.アダハダエイリアン 4.イッツオーライ 5.ワイ・エム・ピー 6.クジラノナカ 7.オンリーヒーロー 8.シブヤメルトダウン 9.ブルーカラー 10.リープスル 11.ビューティフォーサンデー 12.シーユーネバーランド 13.ドライフラワー(dramatic ver.) 14.アイクローン

    2020/04/22

  • 井上苑子
    今回の「近づく恋」は、私の性格とよく似た子を主人公にした。
    今回の「近づく恋」は、私の性格とよく似た子を主人公にした。

    井上苑子

    今回の「近づく恋」は、私の性格とよく似た子を主人公にした。

     2020年4月22日に“井上苑子”がニューミニアルバム『ハレゾラ』をリリース!このタイトルには「(ミニアルバムの発売が)たくさんのひとが、新しい環境で新たなスタートをきる春ということで、爽やかで前向きなイメージがタイトルから伝われば」という想いが込められております。収録されている全6曲、じっくりとご堪能くださいませ…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“井上苑子”本人による歌詞エッセイをお届け!今作に収録される新曲 「 近づく恋 」 について綴っていただきました。小中高と”恋愛”に憧れ、理想を描き続けてきたという彼女が、この曲に詰め込んだものとは? 今、あなたが恋をしているお相手を頭に思い浮かべながら、エッセイも歌詞もご堪能ください…! ~歌詞エッセイ「 近づく恋 」~ 私は恋物語を妄想するのが好きだ。それはきっと学生時代、恋愛に憧れていたからだろう。小学校高学年の頃は海外ドラマ、特にハイスクールミュージカル、そして中学生の頃、少女漫画や韓国ドラマにハマって、一層恋愛に憧れを抱いた。そう、本当に恋愛ものしか、見なかった。 小・中学校が女子校だったからと言うのも恋愛に憧れた理由の一つだろう。実際にどんな恋愛に憧れていたかと言うと、朝家まで迎えに来てくれて一緒に登校することや、彼の肩で夕方の公園のベンチでコテっと寝ること、身だしなみはきちんとしていて、馬鹿であってもみんなから好かれている相手であること、自分と少し違う趣味を持っていて楽しそうに教えてくれること。など、妄想をすれば軽く100個は出てきそうだ。 歌詞を書く時は、共学に通い始めた高校生活での朝からの出来事を考えつつ、そういった憧れの恋愛を思い浮かべる。主人公の性格も曲によって違ったりする。目覚ましですぐに起きられるタイプかどうか、朝ご飯をダッシュで口に放り込むタイプか。そうして色々な物語のシチュエーションを考えていると主人公が動きだすのだ。 今回の「近づく恋」は、私の性格とよく似た子を主人公にした。 朝の目覚ましは憂鬱。朝の電車なんてもっと憂鬱。大阪に住んでいたときは電車の長時間の移動は音楽を沢山聞けたり、テスト勉強や宿題を電車でもできるから苦ではなかったのに、東京はどこに行くにも乗り換えがすぐにあったり、私の通っていた学校までは満員電車が当たり前だった。自分の背中でまわりの方の背中をグイグイっと押して乗ったりした。そうしなければ、一生学校に辿り着かないのだ。とにかく、朝は憂鬱だと感じる学生生活だった。 ただ、憂鬱な気持ちを軽減させてくれた魔法がある。それは“恋”だ。私だって高校で好きな人は居た。高校1年生の頃は特に、幼稚園生ぶりの共学で、少しでも男の子を感じるといつでもどきっとした。文字にするとヤバい人みたいだ。 好きな人が出来ると、視界に映るたびに自分の心臓の音が聴こえて、目が合ったらバレそうだから相手の顔は一瞬しか見られない。とにかく不審な行動になってしまい、言葉を選ぶのにも時間がかかって詰まってしまう。そんなことがあった。 それが退屈な毎日からの解放。恋をすると相手の全ての言動に自分の心はハラハラして、退屈なんてもんじゃない。大忙しだ。連絡をとれていれば、家での時間もあっという間だ。まず連絡する口実を考える。そういうのも嫌いじゃなかった。そういった“恋”をした時の初期衝動をこの曲に詰め込んだ。 先生、ふたりに日直させてよ ふたりにプリント集めさせて ふたりにごみ捨てさせて 購買の長蛇の列 並ばせてよ とにかく ふたりきりにさせてよ なんて、私の理想でしかない。 いや、これでいいんだ。そう、私はこのエッセイを書きながら私の恋愛ソングは私の理想でできているんだなと思った。全ての曲に共通しているかは分からないが、少なくともこの「近づく恋」は、私の憧れと、当時できなかった恋愛の執着かもしれない。 そうだ、17歳、18歳で書いていたときはまだまだキラキラした恋愛に期待していたことを思い出した。今ももちろん素敵な恋をしていきたいと思っているが、あの頃のように毎日の生活に何か恋愛のカケラが落っこちているのかと言うと、、ちょっともう遠くて。遠くからあの頃を思い返すと蘇ってくる情景が私の執着なんだなと思った。 歌詞の主人公の感情や性格が今後どういう風に変わって行くのか、自分でも楽しみだ。とにかくこれを読んでくれた人だけに言うと「近づく恋」は私の憧れと執念。そんな恋の歌も皆さんに愛してもらえると、あのとき上手くいかなかった恋も報われた気がする。 <井上苑子> ◆紹介曲「 近づく恋 」 作詞:井上苑子 作曲:井上苑子 ◆ニューミニアルバム『ハレゾラ』 2020年4月22日発売 初回限定盤 UPCH-29356 ¥2,600(税込) 通常盤 UPCH-29357 ¥1,900(税込) <収録曲> 01.近づく恋 02.ぜんぶ。 03.ラブリー 04.リボン 05.My Way 06.僕らの輝かしい未来

    2020/04/21

  • 家入レオ
    私は私にひとりぼっちになる強さをプレゼントしようと思った。
    私は私にひとりぼっちになる強さをプレゼントしようと思った。

    家入レオ

    私は私にひとりぼっちになる強さをプレゼントしようと思った。

     2020年5月13日に“家入レオ”が自身初のEP『Answer』をリリース!今作に収録されるのは、NHK Eテレ『メジャーセカンド』第2シリーズのOPテーマとなる新曲「Answer」と、カバー5曲です。尚、カバー曲は昨年12月13日、家入レオ25歳の誕生日を記念した生配信で“家入レオに歌ってほしい、聴いてみたいカバー曲”を募集したリクエスト企画で集まった約1万通にも及ぶメールを元に、自らが厳選した5曲となっております。    新曲はもちろん。様々な名曲がどのように家入レオ色に染まるのか、お楽しみに…!さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放つ“家入レオ”本人による歌詞エッセイをお届けいたします。綴っていただいたのは新曲「 Answer 」に通ずる想い。とある取材の始まりから幕を開けるエッセイ。進んでゆくインタビューのなかで、ふと彼女が気づいたこととは…? ~歌詞エッセイ:「 Answer 」~ レコード会社の一室で新曲プロモーションの取材をしていた日だった。 媒体の方と挨拶をするスタッフの声に耳を傾けながら、目の前にあるペットボトルを手に取り、蓋を開け、水を口に含みながらリアクションだけでその会話に参加した。 誰もいなかった部屋に一気に人が集中した時に生み出される独特な熱量は、今でもわたしを不思議な形で高揚させてしまう。 脱いだコートの静電気、鞄を椅子に置く音。 更新版です、と手渡される紙資料、お茶を勧める声。 空気中を回旋しつづけているであろう微粒子のことをぼんやり思いながら、心のさざ波が落ち着くのを待っていると、はじめまして、といつの間にか対面上に座っていた男性が発音した。 色素の薄い白い肌に程よく散らばったそばかす、ちょうど良い感じにひび割れた唇。 わたしも慌ててはじめましてと頭を下げる。 顔を上げると辺りに漂う空気がその場にいる全員に馴染んでいたので、準備が整ったんだなと思った。 そして自分の声域にぴったりなテンポで話しはじめたその方は、過去の記事も読んで今日伺ったんですけど、という導入で取材をはじめた。 抜かり無い事前準備をして来てくださった真摯な姿勢に嬉しさを感じつつ、過去のインタビューで何を自分が言っているのかあんまり覚えていないなと申し訳なく思った。同時に「Answer」に込めた想いはこれだと思った。 数年前からなんとなくわたしは悩んでいた。 デビューしてから、果たして自分はこの壁を越えていけるのだろうか?と途方にくれる事もあったけど、まずやってみる、向き合ってみる。 そうしてシャカリキにやっていると、いつの間にか壁が次の場所に繋がる扉になっていた。でもある時から、壁が壁でしかなくなった。 ひとりで考えていると負のループに引き込まれていきそうで、必然的に誰かと一緒にいる時間が増えていき、そんなの誤魔化しだと叫ぶ自分に気づいた時、私は私にひとりぼっちになる強さをプレゼントしようと思った。 デビューして9年目。 あの日思い描いたことと、少し違う今があって、その今が愛おしい。 迷っているなら、また自分は何がしたいのか、いくらでも問いかけたらいい、探しに行けばいい。 そう思えた時、肩の力が抜け、口元に微笑みが戻ってきたのを感じた。 一度決めた答えを変えちゃいけないって誰が言ったの?「今」を一生懸命生きるからこそ、答えもその都度変わるし、自分も変わり続けていく。 答えをずっと探してきたけど、答えを出して、実践して、また新しい課題に頭を悩ませて、また考えて、答えを出して、生きていく。その繰り返し。 答えは瞬間を繋いでいくものであって、永遠なものではない気がする。 自分を縛ってしまう答えならいらない。 だから、インタビューで答えているのは、取材を受けている時点での答えであって、今同じ質問をされたらまた違う答えが出てくるかもしれない。変わり続ける答えを楽しみながら生きていきたい。 これからも、笑ってまた泣いて繰り返して、 そうして生きてゆく。 その時々の「あたらしい僕が」 <家入レオ> ◆紹介曲「 Answer 」 作詞:家入レオ・Kanata okajima 作曲:家入レオ・久保田真悟(Jazzin'park) ◆1st EP『Answer』 2020年5月13日発売 初回限定盤 VIZL-1766 ¥3,000+tax 通常盤 VICL-65372 ¥2,000+tax <収録曲> 01. Answer 02. 秋桜 03. Swallowtail Butterfly ~あいのうた~ 04. 悲しみの果て 05. POP STAR 06. 泣くかもしれない 07. Answer(instrumental)

    2020/04/20

  • reGretGirl
    僕に悲しみを与える憂いの君と、新しい世界へ一歩踏み出す美しい君
    僕に悲しみを与える憂いの君と、新しい世界へ一歩踏み出す美しい君

    reGretGirl

    僕に悲しみを与える憂いの君と、新しい世界へ一歩踏み出す美しい君

     2020年4月15日に“reGretGirl”が1stシングル「スプリング」をリリースしました。切なく女々しい等身大な歌詞と、キャッチーでポップなメロディーが特徴な彼ら。そして今作のタイトル曲は、<新しくなった日々に似合わない 僕のことはもう忘れて>歩き出してしまう<君>への想いが綴られた、この春イチオシのラブソングとなっております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放ったreGretGirlのボーカル・平部雅洋による歌詞エッセイをお届け!エッセイの前半で描かれているのは“あの春”の光景が浮かんでくるかのような回想シーン。そして後半では 「 スプリング 」 の歌詞に込めた想いについて綴っていただきました。是非、歌詞と併せてお楽しみください…! ~歌詞エッセイ「 スプリング 」~ 春眠は暁を覚えないらしい。四月、心地の良い気温の最中、新しい環境に身を置く事となる愛しの人へ捧げたこの想いは、いつのまに眠ってしまっていたのであろうか。 「今日は春の匂いがするね」 季節の変わり目を鋭く感じる鼻は、春の訪れをいち早く教えてくれる。大学生の長期休暇も終盤。手を繋ぎゆったり歩いても五分。昨年の黒鳥山公園の桜は格別であった。噴水の隣の枯れ果てた藤棚のベンチに腰掛け、ふたりで菓子パンを頬張った。淡い空色のデニムジャケット、綺麗に染められた栗色の長い髪、舞う花びらは桃色の風、視界に入るもの全てを華美だと感じ、そして「来年も一緒に見ようね」の言葉が耳を通り胸の奥におさまる。そしてこの年の桜を特別にしたのだ。愛おしいと思う瞬間は数あれど、この時は一段とそう思えた。だから嬉しくてパンを食べているのにまた手を繋いだ。 しかし、ひと月もしないうちに殆どが散ってしまう儚さは、“来年も一緒”など訪れないと揶揄していたのかもしれない。まだまだ若いふたりにとって一年という時間は、変化をもたらすのに充分であった。はやく大人になりたい彼女とまだ大人になりたくない自分では、一年後に同じ景色を見ることなど端からできなかったのだ。 見違える程成長した彼女の足を引っ張り続け、スマートフォンに収められた満開の桜に劣らない満面の笑みの写真を見返し、あの日食べた菓子パンのチョコレイトとクリームの執拗な甘さの様に、いつまでもいつまでも取り残されていた。 今までreGretGirlの歌詞は、衝動的にひたすら1つの悲しみについて書くことが多かったのですが、新曲「スプリング」では「彼女がいなくなってしまう嘆き」と「いつまでも変わることの出来ない自分への嘆き」の2つの思いを込めることができました。自分の体験を少し俯瞰で見られるようになったのかなと思います。 サビの最後に歌われる「春は憂いだ」と「春は綺麗だ」の“春”には本来の春そのものの意味ともう1つ“君”という意味を込めて書いています。僕に悲しみを与える憂いの君と、新しい世界へ一歩踏み出す美しい君のことです。 学生生活を終え社会に出ていく彼女と、夢を追いかけ定職に就かず暮らすことを選んだ僕とでは、すれ違うのも仕方なかったのでしょう。なのでこの曲は社会へ向かって飛び立つ彼女へ僕からの餞別の歌でもあります。 この季節は毎年誰にでもやって来ます。そこは希望に満ちているようですが、裏には必ず不安が潜んでいるのです。そいつに目を塞ぐほど僕は大人になれていない。ならなくてもいいのかもしれない。不安を煽るつもりはないけれど、希望の肯定は出来ない。それでも、不穏な思いを目の前に、優しく寄り添うことはしたい。 環境の変化に置いて行かれそうになる憂慮な感情を、和らげてくれるかの様に咲き乱れる花々と、そっと包み込んでくれる暖かい風に、思わず「春は綺麗だ」と吐露してしまう。そんな絶妙なバランスを持つ季節を僕は嫌いになれないのです。 <reGretGirl・平部雅洋> ◆紹介曲「 スプリング 」 作詞:平部雅洋 作曲:平部雅洋 ◆1st Single「スプリング」 2020年4月15日発売 NBPC-0075~6 ¥1,600(税抜) <収録曲> 1.スプリング 2.インスタント

    2020/04/17

  • Anly
    『死にたい』なんて言っちゃダメ。私もそう思ってた。
    『死にたい』なんて言っちゃダメ。私もそう思ってた。

    Anly

    『死にたい』なんて言っちゃダメ。私もそう思ってた。

     2020年4月8日に“Anly”がニューアルバム『Sweet Cruisin'』をリリース。アルバムを先行する形で、昨年11月から5か月連続のデジタル・シングルを発表。そのシングル曲を含め、英語詞、日本語詞、様々なジャンルの音を楽曲の随所に感じさせるミックス感覚をもったAnly自身が感じる“今”を詰め込んだ計10曲入りのアルバムとなっております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“Anly”本人による歌詞エッセイを3週に渡りお届け! 第1弾 、 第2弾 に続く、最終回では収録曲「 Not Alone 」に込めた想いを綴っていただきました。最近、思わず『死にたい』と呟いてしまったというあなたへ。この曲とエッセイが届きますように…!   ~歌詞エッセイ最終回:「 Not Alone 」~ 『死にたい』なんて言っちゃダメ。 私もそう思ってた。 自分の心が『死にたい』と呟くまでは。 驚いた。とても驚いて泣いた。 涙の落ちる音まで覚えてる。 そんなこと思う人間じゃないと自信があったのに。 自分の弱さに怯えた。 泣きながら思ったことがあった。 『あの人はあの傷痕の数、耐えてたんだ』 自分の痛みで、人の痛みを知った瞬間でもあった。 -最近の君の口癖は すぐに死にたいとか言っちゃうみたいだけど そうやって命かけながら 見えない何かと闘ってるんだろう?- 私たちは日々。 気づかないけど、目に見えないものと闘ってる。 人間関係。プレッシャー。劣等感。 仕事や学校でのトラブル。恋愛。病気等。(順不同) まだまだたくさんある。 そりゃあ、消えてしまいたいくらい、 辛くもなるさ。 あ。 \\ところで!// 明日地球が終わるとしたらなにする? なんで急に?なんて思わずに! ほらほら考えて考えて、 細かいことはいいからっ はい!どうぞ! 答.________________________ うんうん!いいね!(拍手) 私はね...ホルモンと寿司とケーキいっぱい食べて 好きな人に好きーって伝えて 両親に生んでくれてありがとうって言うかな あれ? 別にこれ。今からやっても良くない? お金とか、時間とか忘れてさ。 そんな無責任なこと言うなって? 『死にたい』なんて思うほうが無責任! だって人間は一人で生きてない。 このエッセイを読んでる時点であなたは私と関わってる。 生活するために、他人でも関わってる。 コンビニの店員さんも、マンションの管理人さんも。 そして、1番は自分の名前を呼ぶ人達。 家族、友達、恋人、仕事仲間は 突然いなくなったら 誰かが本当に孤独になるかもしれない -We are まだまだまだまだまだやれるだろう? 1度しかないこの青春を 逃すなよ?わかるだろう? You are not alone- 生きていれば、可能性がある。 もし寂しくなったら、寂しいって、 苦しかったら、苦しいって、 死にたいって思ったら、死にたいって 言っていいんだよ、闘ってる証拠。 必ず生きててよかったって日がくる。 1秒後にそう思う瞬間が訪れるかも。 やりたいこと、やろう。 めちゃ美味しいもの食べてそう思うかもしれないし。 あー、アイスクリーム食べよっかなー。 あなたも食べない?幸せになるよ?(ニヤリ) 最後まで読んでくれてありがとう I'm 『Not Alone』 <Anly> ◆紹介曲「 Not Alone 」 作詞:Anly 作曲:Anly ◆3rd Album『Sweet Cruisin'』 2020年4月8日発売 初回生産限定盤 SRCL-11470~1 ¥5,000+税 通常盤 SRCL-11472 ¥2,727+税 <収録曲> 01. Taking My Time 02. We’ll Never Die 03. Sunshine 04. 愛情不足 feat. Rude-α 05. DAREDA 06. Goodbye My Love 07. Sleep 08. 4:00 a.m. feat. mahina 09. Brand New Day 10. Not Alone

    2020/04/16

  • シナリオアート
    今回のアルバムの登場人物は、どこかしら欠けてしまっている人ばかり
    今回のアルバムの登場人物は、どこかしら欠けてしまっている人ばかり

    シナリオアート

    今回のアルバムの登場人物は、どこかしら欠けてしまっている人ばかり

     男女ツインボーカル3ピースバンド“シナリオアート”が、2020年4月15日に3年ぶりとなるニューアルバム『EVER SICK』をリリースしました。今作には彼ら史上もっとも多い、全14曲が収録。独立後からの発表となるシングルや、ライブのみの演奏となっていた待望の音源化楽曲に加え、完全新曲が6曲。新生シナリオアートの至極の1枚が完成しました。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“シナリオアート”による歌詞エッセイを3週連続でお届けいたします! 第1弾 に続く、第2弾で綴っていただいたのは、今作『EVER SICK』に込めた想い。どのような気持ちでこのアルバムを作り上げたのか、そして世に送り出すのか。その言葉を受け取ってください…! ~歌詞エッセイ第2弾:『EVER SICK』~ シナリオアートの音楽に、 たどり着いてくれる人が好きだ。 同じ感性を持っているからこそ、 仲良くなれそうでしょ? 道端に咲いている花をみて、同じ思いを抱けたら 僕たちは友人になれる。 この音楽にたどり着いた人は、 同類の愛おしい友人にちがいない。 トモダチ、、トモダチ、、ほしい、、 ただの寂しがりやかよ! そうだ!基本的にはさみしーからやってんだ。 そして愛しの友人が悩んでる時、 辛い時は側にいたいと思うのだ。 “EVER SICK” 今回のアルバムの登場人物は、 どこかしら欠けてしまっている人ばかり。 不器用で損ばっかしてるやつ、 繊細で先のことばっか考えてナーバスになるやつ、 楽観的仮面で隠しているやつ。 欠けた場所にすっぽりと収まるパートナーや友人を、 見つけることができれば良いんだけど そんな都合のよいピースにはなかなか出会えないよね 音楽ができることは小さいかもしれないけど、 自信がなくなった夜に 友人として側にいれたらと思うのだ。 共感してほしいし、 逆にこんなダメなやつよりはマシだな、、 って思ってほしい。 そんな思いでこのアルバムを作った。 発売日は不要不急のレコードショップは 開いていないだろう。 そしてきっと僕らは今回の情勢によって 多くの在庫を抱えるだろう。笑 しかし、もはや チャートアクションや数字にはこだわらない。 どうでもいいのだ、ライフワークとして音楽を鳴らすし いつかちゃんと大勢に届くと信じている。 “EVER SICK”足りないものたちの14編14曲 よろしくおねがいします!!!! <シナリオアート Gt/Vo ハヤシコウスケ> ◆3rd Full Album『EVER SICK』 2020年4月15日発売 <収録曲> 1.スターサイドシンドローム 2.エバーシック 3.アダハダエイリアン 4.イッツオーライ 5.ワイ・エム・ピー 6.クジラノナカ 7.オンリーヒーロー 8.シブヤメルトダウン 9.ブルーカラー 10.リープスル 11.ビューティフォーサンデー 12.シーユーネバーランド 13.ドライフラワー(dramatic ver.) 14.アイクローン

    2020/04/15

  • HOWL BE QUIET
    私の中では「嫉妬」=「恋の始まり」だ。
    私の中では「嫉妬」=「恋の始まり」だ。

    HOWL BE QUIET

    私の中では「嫉妬」=「恋の始まり」だ。

     2017年5月24日に“HOWL BE QUIET”のフルアルバム『Mr.HOLIC』がリリースされました。そして、そのなかに収録されている「ラブフェチ」が今、動画投稿アプリ『TikTok』で若い世代を中心に支持を集めているんです。カップル自慢の動画から火が付き、その歌詞に共感したユーザーによる動画投稿が急増。同曲を使用しての振付動画も増加!  Youtubeで公開したOffcial Audioも、公開から1ヶ月で50万回再生を突破、3年前にリリースした楽曲とは思えない勢いは今も加速度を増しております。さて、今日のうたコラムでは、そんなロングヒット曲を生み出した“HOWL BE QUIET”の竹縄航太による歌詞エッセイをお届け…! 【前編】 では、「ラブフェチ」の生い立ちについて明かしてくださいましたが、【後編】では、さらにこの楽曲の核となっている“嫉妬”についてのエピソードと想いを、たっぷり綴っていただきました…! ~歌詞エッセイ【後編】~  「ラブフェチ」という曲を語る上で、根幹となる感情が「嫉妬」だ。  と書き始めたが、YouTubeでギャルが「嫉妬する男ってキモい」と話していたので、ここまでとします。ご愛読ありがとうございました。  いやいや、負けてられない。ギャルには弱いが、負けてられない。嫉妬なんて見せるか見せないの差で、大なり小なりみんな持ち合わせているものだろう。それがたまたま、自分は人より少し大きいかもしれないという話だ。そして、それを曲に十二分に表しただけである。  さて、改めまして。私の中では「嫉妬」=「恋の始まり」だ。幼稚園、小学校、中学校、私を私たらしめていくその過程の、どの“好き”が“恋”と呼べる代物なのかどうか。気付けば思い出してしまうこと。教室の中、目で追ってしまうこと。脳裏に焼き付けて、その子との裸のロマンスを夢見ること。色々あるだろうが、私の中では、その子が他の男と話していると嫌だなあ、なんて思ってしまう心。すなわち嫉妬。それを恋と呼んでいる。どれが初恋だったかなんて思い出せないが、初めて他の男に嫉妬を覚えた時は思い出せる。  小学1年。クラスで足が早くて、ひょうきん者で、誰からも愛されるようなやつがいた。いわゆる人気者。そいつとクラスの女の子が楽しそうに話しているのを見た時、如何しようもなく、形容しがたい感情に襲われた。スカートの中が気になり始める年頃なりに「そいつと話さないで」「俺も足速いよ」「やだな、やだな、やだな」と頭を駆け巡っていた。記念すべき嫉妬誕生の瞬間。好きに気付く瞬間。僕は人気者のことがなんか嫌いになっていた。惨めったらありゃしない。でも、正直そうなってしまうよね。少女漫画とかでよくある「お前に譲るぜ。幸せにしてやってくれよな」は、たぶん一生理解出来ない。ずーっと根に持つタイプです。    まぁ、そもそも嫉妬なんて感情、何も恋愛に限った話ではない。自分より勉強が出来た塾のあいつとか、自分よりバスケが出来た部活のあいつとか、挙げればキリがない。ただ、恋愛における嫉妬は一味違うから厄介なのよね。だって、基準がその子なんだもの。勉強では点数や合格という答えがあったり、スポーツにはタイムや得点という答えがあるけど、恋愛は直感的でしかないからね。もはや無慈悲とも言える。    男性的偏見だが、女心というものはいくつになっても難解を極める。中学で付き合った女子に「手とか繋ぐの恥ずかしいからそういうのやめよ」と言われ、めちゃめちゃ繋ぎたくて仕方なかったが、嫌われたくもなかったので渋々了承したら、次の日、学校の廊下で友達の面前、女子に囲まれ「言葉のあやってあるじゃん!?」と詰問された時から、ずっと難しい。今思えば、要はその子とノリが合わなかったのだろう。たとえ付き合ったとしても、そうなってしまうのだから、一生添い遂げることがどれだけ偉大なことか。  だからこそ、たまーに考える。もし、世界に私とあの子しかいなかったら、ここまで燃え上がることもないんだろうなあと。嫉妬とか独占欲なんて言葉も生まれないんだろう。ただ平凡と決まったように一緒にいて、特に心が波打つこともなく、日々を過ごして。“好き”とかそういう感情すら欠落してしまうんでしょう。それはそれでどうなの?虚しくない?だからきっと良かったのだろう。結ばれるかもわからない、結ばれたとて、いつ奪われるかもわからない。そんな不安と恐怖と隣り合わせの上で良かったのだろう。そんなカオスな世界で恋をするから、醜くて、美しいんだろう。    今日もどこかで頭を悩ませる人がいる。大丈夫、と勝手ながらに私は言いたい。  今日もどこかで頭を悩ませる私がいる。大丈夫、と勝手ながらに私に言いたい。    そんな自分肯定、ある種開き直りとも言う歌が、この「ラブフェチ」という曲です。だから、曲調は思いっきり明るくしてやった。しんみり歌ったら、悪いことしてるみたいでしょう。誰が何と言おうと、私だけは私を応援してやろう、そんな思いで書き上げた曲。その曲が巡り巡って、色んな人に聴いて、楽しんでもらえてることが夢みたいな話です。共感なのか、はたまた否か。それはわからないけど、どうせどこにも答えなんかないんだから。信じたいものだけ信じて、好きな恋路を明日も僕は歩もうと思う。  だから、男への愚痴が止まらないYouTubeのギャルも、どうかお幸せに。 <HOWL BE QUIET・竹縄航太> ◆紹介曲「 ラブフェチ 」 作詞:Kota Takenawa 作曲:Kota Takenawa ◆フルアルバム『Mr.HOLIC』 2017年5月24日発売 PCCA-04528 ¥2,800 +税 <収録曲> 1. ラブフェチ 2. MONSTER WORLD 3. ギブアンドテイク 4. にたものどうし 5. My name is...(ALBUM Ver.) 6. サネカズラ 7. PERFECT LOSER 8. Wake We Up 9. 矛盾のおれ様 10. Higher Climber 11. 208 12. ファーストレディー

    2020/04/14

  • イチオシ!
    アーティストが歌詞に好きでよく使うワードは…?【前編】をお届け!
    アーティストが歌詞に好きでよく使うワードは…?【前編】をお届け!

    イチオシ!

    アーティストが歌詞に好きでよく使うワードは…?【前編】をお届け!

     以前、うたコラムで『歌詞で、あえて使わないように意識しているワードはありますか?』という質問に対する、10組のアーティストの回答をご紹介いたしました(記事は コチラ !)。たとえば、ポルノグラフィティの新藤晴一さんは「風」や「空」といった使いやすい言葉。大塚愛さんは“綺麗な言葉”など。ビッケブランカさんは“形容詞”です。    そこで今日のうたコラムでは、反対に『歌詞に好きでよく使うワードはありますか?』という質問に対する回答を過去インタビューをもとに【前編】と【後編】に分けてお届け!今回はその【前編】です。答える前に「今まで意識したことがなかったけれど、よく考えてみると、多く使っているかも!」とおっしゃっていた方も多々。是非、様々な『好きな理由』にもご注目ください。 <坂口有望> <いつか>ですかね。この言葉は「いつか~したい」って未来を意味することもできるし、「いつかの~も」って過去を意味することもできる、不思議な目線を持つ言葉やなと思っていて。それをよく歌詞の一番と二番で使い分けたりして遊んでいます。言葉遊びが好きなんですよね。 <スカイピース・テオ> <僕>と<君>だね。二人でよく即興ソングとかも動画撮影するんですけど、やっぱり90%くらいの確率で僕らの曲にはそのワードが入っています。自分たちは今、誰かに伝えたいという想いが一番大きいので<僕>と<君>が欠かせなくなってきちゃうのかな。やっぱり歌詞には嘘をつけませんね。 <絢香> よく使う言葉かぁ…。意識はしたことはなかったんですけど<空>に関するキーワードが多いかもしれない。希望を感じたいときには空を見上げるし、悲しいときには空が泣いているし、昔から自然とよく使ってきました。そういえば、今回のアルバムでも「 センチメント 」の<曇り空をかきわけ>とか、「 365 」の<雨のち晴れのち 曇り空でも>とか、書いていますね。感情を空模様天気で表すことが好きなんだと思います。 <HY> 新里  キーワードはありますね。僕は<風>かな。 仲宗根  あ~、じゃあ私は<あなた>ですね。やっぱり一人の人間のことをものすごく想いながら書くので、自然とそういう風になります。だけど、ヒデに歌わせる曲のときは<君>にするように意識しているかな。なんか、ヒデにバラードを書くときって、いつも不思議な感覚があって。こう…私ではないんだけど、ヒデでもない、中性的な主人公がいるんですよ。その主人公が歌っている。でも、自分がバラードを歌うときは、完全に自分寄りの女性が感情を持って歌います。 <緑黄色社会・長屋晴子> 最近は本当に<愛>という言葉がよく出てきますね。意識的に書こうと思っているわけじゃないんですけど、気づいたら出てくるから、そういう時期なんだと思います。 <Official髭男dism・藤原聡> 語感が気持ちよいからなんでしょうけど<知るよしもない>というフレーズがよく出てくる気がします(笑)。「 ノーダウト 」にも使っているんですけど、今作りかけの仮歌詞にも登場していて、スタッフさんに「聡っちゃん<知るよしもない>って好きだよね~」って言われました(笑)。 <MACO> <夢>かな。夢物語とか、夢の中とか、タイトルも「 朝もお昼も夢の中も 」とか「 二人は夢みるマーメイド 」とか。あと前のアルバムでは「 夢見る私を笑わないで 」って曲もあったし。どうしてだろう、夢占いとか好きだからでしょうか!あとは<今日>ですね。この瞬間を切り取るというか、今日も思っているということを描いていることが多いと思います。 <androp・内澤崇仁> 一番多いのは<光>ですかね。ほとんど“前に進む指針となるもの”を表現するために使っています。でもやっぱり、すべての言葉に対して、人それぞれ感じることって違うじゃないですか。そのなかでもとくに、僕にとってはこの<光>という抽象的なものが、一番大きな存在なんだと思います。 <大塚愛> <雨>は頻繁に使います!雨って、必ず降るけど必ず上がるものであり、周りから自分を消してくれるカーテンでもあり。あと<傘>を差せばちょっとオープンな個室にもなりますよね。だからラブソングは<傘>が登場するだけで、ロマンティックで危ない匂いがする特別な空間になったり。雨に濡れるだけでエロさが増したり、使い勝手が良いんです。 【後編】に続く!

    2020/04/13

  • コレサワ
    きっかけは親友の「あの曲好きやったから、また聞きたいなー」の一言
    きっかけは親友の「あの曲好きやったから、また聞きたいなー」の一言

    コレサワ

    きっかけは親友の「あの曲好きやったから、また聞きたいなー」の一言

     2020年8月5日に“コレサワ”が1st Single「憂鬱も愛して」をリリースします。今作は、コレサワ初となるCDシングルで、デビュー前の2014年3月に自主制作盤として発売した「憂鬱も愛して」を再アレンジ&再レコーディング。この自主制作盤は現在入手困難な幻の名曲となっており、ファン待望の音源化となります…!    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放つ“コレサワ”本人による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届けいたします!今回はその第1弾!最近のコレサワの近況報告と、新曲「憂鬱も愛して」への想いを綴ってくださいました。なかなか自宅から出られない今。是非、このエッセイと先行公開がスタートした 「 憂鬱も愛して 」 の歌詞をお楽しみください! ~歌詞エッセイ第1弾:「憂鬱も愛して」~ 「やほー」 最近ずっと家にいるコレサワです。ツアーも延期、リハも延期、会議はグループ電話、なのでほとんど家です。24時間家にいると、自分の部屋への愛着がますます増えてきました。というのもね、去年まで住んでいた部屋がとてつもなく日当たりがわるくて、、、一年ちょっとで引っ越ししてしまいました。 それでまた部屋探しをして見つけたのが今のお部屋です。日当たりがとてもいいのー!最近は毎朝ベランダで歯磨きをしてるんやけど、今朝はとてもいい匂いがした。たぶんお隣さんの洗濯物の柔軟剤の匂いが風にのってゆらゆらしてきたんやとおもう。ずっと家にいてもささいな日常を感じて楽しむ余裕をもっていたいなぁーとおもった。 家で何してるかというと、曲を作ったりこうしてコラムを書いたり、ゲームしたり、今流行りのどうぶつの森、わたしもやってます。。家の借金を返すために貝殻や虫を獲って売って小銭を稼いだり、株に手を出したりしてます。 あとは料理!はずかしながら以前は毎日キッチンに立つなんてなかったし、毎食作ったらこんなに洗い物が大変なんか!!とびっくりです。「溜めたらあかん、すぐ洗え」ですね。このまえTwitterにも書いたんやけど、暇つぶしに冷蔵庫とキッチンにある調味料系の消費期限をみたらほとんど期限切れてた。自分にドン引き。 一年に1回くらい思う「今日から料理マスターになる!!」という気まぐれな決意によって買い込まれたナンプラーやオイスターソース、珍しいジャム、便利そうだと思って買った卵かけご飯用の醤油やお刺身用醤油などなど合計20本。「あったらいいな、は無くてもいい」を身に染みて感じました。これからは使い切れる量だけ買って、ちゃんと料理をしようと思う。 いまはコロナもあって、デリバリーもレストランも控えてるから毎日自炊してるんやけど、意外とすごくたのしい!レパートリーはまだそんなないけど、最近塩と胡椒だけで作るポトフを覚えた。ストーブという無水鍋を使うんやけど、野菜の水分だけでスープが作れるなんて感動!!マネージャーが誕生日プレゼントでくれたストーブ用レシピ本を見ながら頑張ってます。 まだまだ心落ち着かない日々が続くかもしれません、そんな時、音楽をきいて気分転換しているひともたくさんいると思います、わたしも6月3日に初のシングルをリリースいたします。タイトルは「憂鬱も愛して」です。昔に書いた曲なのですが、これをまた再録してリリースします。 きっかけは親友の「あの曲好きやったから、また聞きたいなー」という何気ない一言でした。どうにもできない出来事や気持ちをもっている人を、抱きしめてあげられるような楽曲です。隅っこでないている人にもちゃんと届くように、歌っていきたいとおもいます。あとコレサワのキャラクターのれ子ちゃんのぬいぐるみつきCDをただ今予約受け付け中です!ぜひおうちに飾ってほしいなー。それじゃまた次回! <コレサワ> 【第2弾に続く!】 ◆紹介曲「 憂鬱も愛して 」 作詞:コレサワ 作曲:コレサワ ◆1st Single「憂鬱も愛して」 2020年8月5日発売 通常盤 KICM-2052 ¥1,000+税 れ子ちゃん盤 ECB-974 ¥4,527+税

    2020/04/10

  • Anly
    夢を録画できたらどんなに良いかってずっと思ってる。
    夢を録画できたらどんなに良いかってずっと思ってる。

    Anly

    夢を録画できたらどんなに良いかってずっと思ってる。

     2020年4月8日に“Anly”がニューアルバム『Sweet Cruisin'』をリリース。アルバムを先行する形で、昨年11月から5か月連続のデジタル・シングルを発表。そのシングル曲を含め、英語詞、日本語詞、様々なジャンルの音を楽曲の随所に感じさせるミックス感覚をもったAnly自身が感じる“今”を詰め込んだ計10曲入りのアルバムとなっております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“Anly”本人による歌詞エッセイを3週に渡りお届け! 第1弾 に続く第2弾は、収録曲「 Sleep 」にまつわるお話。みなさんは眠るとき、どんな夢を見ることが多いですか? 是非、ベッドに入りながらこの1曲を聴いてみてください…!   ~歌詞エッセイ第2弾:「 Sleep 」~ 『今日は夢でどこに行けるかなぁ』 『お母さんはディズニーランドに行きたいなぁ』 『いいねぇ、アメリカはどんなところかなぁ』 『どんなところかね~、はわわ~』 『じゃあまた明日ね~、おやすみ』 太陽の香りがついたお布団にくるまって 隣にいる母と手を繋ぎながら眠る前のおしゃべり そんな幼い頃の思い出が音となって アルバムに刻まれました。 -Sleep 頭を机の上に置き旅人は街へ NewYork City- 海の向こう側 空を越えて行ける場所 いつか行ってみたい街 未来のまだ見ぬ愛しい人 眠りながら見る夢と、心で願う夢が 一緒になったら人間の頭の中には 映画以上の世界が広がるはず... そう期待していつも眠ってたのかも。 -手を繋ぐとすぐ消えてしまうよ 行かないで Darling 連れていって Dream-   そうそう。夢っていつもいいところで終わるし どんなステキな夢でも数分で忘れちゃったり 儚いものなんだよね。 夢を録画できたらどんなに良いかってずっと思ってる 来世は発明家にでもなろうかしら。 -Tik tok Tik tok 起きる時間のアラーム 居眠りはおしまい Good morning- 夢でも、現実でも あなたが主人公なんだから “今”に夢中になって過ごしていいんだよ Sweet Cruisin'楽しんで。 『Sleep』は16歳の私から23歳の私に 宛てた手紙みたいな曲なのかも... <Anly> 【最終回に続く!】 ◆紹介曲「 Sleep 」 作詞:Anly 作曲:Anly ◆3rd Album『Sweet Cruisin'』 2020年4月8日発売 初回生産限定盤 SRCL-11470~1 ¥5,000+税 通常盤 SRCL-11472 ¥2,727+税 <収録曲> 01. Taking My Time 02. We’ll Never Die 03. Sunshine 04. 愛情不足 feat. Rude-α 05. DAREDA 06. Goodbye My Love 07. Sleep 08. 4:00 a.m. feat. mahina 09. Brand New Day 10. Not Alone

    2020/04/09

  • シナリオアート
    結局人生は、そうやって最低と最高を繰り返すんだよなあ。
    結局人生は、そうやって最低と最高を繰り返すんだよなあ。

    シナリオアート

    結局人生は、そうやって最低と最高を繰り返すんだよなあ。

     男女ツインボーカル3ピースバンド“シナリオアート”が、2020年4月15日に3年ぶりとなるニューアルバム『EVER SICK』をリリース。今作には彼ら史上もっとも多い、全14曲が収録。独立後からの発表となるシングルや、ライブのみの演奏となっていた待望の音源化楽曲に加え、完全新曲が6曲。新生シナリオアートの至極の1枚が完成しました。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“シナリオアート”のハヤシコウスケさんによる歌詞エッセイを3週連続でお届けいたします!まず、第1弾で綴っていただいたのは、収録曲「 スターサイドシンドローム 」にまつわるお話。夢を叶えてもなお“永遠に続きそうな渇き”を覚え、鬱々としていた彼の気持ちを変えた出来事とは…? 是非、最後までご堪能ください。 ~歌詞エッセイ第1弾「 スターサイドシンドローム 」~ 眠気まなこでコンビニへゆく、 ファンに目撃されたら、幻滅されてしまいそうな ビロビロに伸びたスエットで、、、 スェット?スヴェット? まあいいかスウェット、あ!コレ 永遠に終わりそうにない作詞作業。迫る締め切り。 目覚ましの缶コーヒーを買いにコンビニへ 店内のBGMは売れている後輩バンド、 レジには友人のライブツアー情報がちらちら。 焦燥感に駆られ、嫉妬心がHPを削り、膝から崩れ落ち 瀕死のほふく前進で週刊誌コーナへたどり着き ゴシップ記事を立ち読みしたところで 少し呼吸ができた。 みんな夢に向かって一直線だ。 勢いよく駆け上がっている。はあ。 夢ってなんだろう? 叶ってしまった瞬間に、それは現実になり 現実になった瞬間に夢は夢じゃなくなる。 叶わないうちが夢なのだ。 ハヤシ少年の夢は、音楽で生活していくこと。 まんまと叶ってここ5、6年は 音楽だけで生活をしている。 しかし、満たされることはなかった。 デビューしても、憧れのテレビ番組に出演したって この渇きは永遠に続きそうだった。 誰かにとって輝かしい夢の上にいるのにね。 夢の効力なんて、叶ったその日くらい。 その次の日には、物言えぬ不安に包まれ、 またその先を求め、渇く。 夢だった幸せなはずの日々だが、 心は貧相にやせ細り、ギスギスと余裕なく いつも顔をしかめている。 ああ、誰にも届きそうにない夜空の星になれたら、 この渇きから解放されるはずだ、、、 そうだ!!ロックスターになって死ぬのだ! 最高の瞬間に死ぬのだ。 そして伝説のまま生き続けるのだ!! はっはっは!!!! 最高の瞬間に死ぬのが、一番幸せ!!わーいわーい!! そんな自問と戯れが、頭の中で繰り広げられていた折 アーティストの友人が、最低な事案に巻き込まれ、 ひどく落ち込んでいることを知る。 旅行でも、、いくか、、、と誘い出し トートバックで収まる程度の荷物と、 アコースティックギター片手に飛行機へ飛び乗る。 何事も勢いが肝心。 そして、南の国へ、、 コテージのプールで酒を飲みながら、 タバコを蒸し、ギターを弾き、歌を歌い 体の皮膚がぶよぶよになるくらいまで、泳いで過ごす。 夕暮れサンセットきらめく中、 無言の時間がいつまでも続く。 「いま最高だな、最低だけど、、、最高だ!」 結局人生は、 そうやって最低と最高を繰り返すんだよなあ。。 日は暮れて、浜辺に寝転びながら夜空を眺め 「星は死ぬほど綺麗だ!! だがしかし男2人でみるもんじゃねえ!!」 って言い合って、幕を閉じた逃避行だった。 今は最高の瞬間を永遠にするために “死にたい”なんてことはもう思わない 破滅的な“27クラブ”な思想もすっかり消えた。 最高、最低、最高、最低 繰り返してやろうじゃないか! いつかまた今日を笑いとばそうぜ!って そんなことを心の中で言った気がする。 いつまでも終わりがないと、 わかっていながら今日も僕らは 最低な闇の中から一瞬の光を探すのだ。 愚かで愛おしいとおもう ますますこのご時世、最低の感情は加速していくけど こんな時に出会ってくれた人たちと、 最高の瞬間に出会えるまで なんとか生き延びたい。 以上 NEW アルバム『EVER SICK』から 「スターサイドシンドローム」の文章でした。 計3回コラムを書かせていただきます。 上手な文章は書けませんが、 今作の世界観、語り手の顔がみえるような 文章を書いていこうと思っております。 読んでくれてありがとうございました。 <シナリオアート コウスケ...> ◆紹介曲「 スターサイドシンドローム 」 作詞:ハヤシコウスケ 作曲:ハヤシコウスケ ◆3rd Full Album『EVER SICK』 2020年4月15日発売 <収録曲> 1.スターサイドシンドローム 2.エバーシック 3.アダハダエイリアン 4.イッツオーライ 5.ワイ・エム・ピー 6.クジラノナカ 7.オンリーヒーロー 8.シブヤメルトダウン 9.ブルーカラー 10.リープスル 11.ビューティフォーサンデー 12.シーユーネバーランド 13.ドライフラワー(dramatic ver.) 14.アイクローン

    2020/04/08

  • HOWL BE QUIET
    ただ、君だけは、君にだけはわかってもらいたい、ただそれだけだ。
    ただ、君だけは、君にだけはわかってもらいたい、ただそれだけだ。

    HOWL BE QUIET

    ただ、君だけは、君にだけはわかってもらいたい、ただそれだけだ。

     2017年5月24日に“HOWL BE QUIET”のフルアルバム『Mr.HOLIC』がリリースされました。そして、そのなかに収録されている 「 ラブフェチ 」 が今、動画投稿アプリ『TikTok』で若い世代を中心に支持を集めているんです。カップル自慢の動画から火が付き、その歌詞に共感したユーザーによる動画投稿が急増。同曲を使用しての振付動画も増加!  Youtubeで公開したOffcial Audioも、公開から1ヶ月で50万回再生を突破、3年前にリリースした楽曲とは思えない勢いは今も加速度を増しております。さて、今日のうたコラムでは、そんなロングヒット曲を生み出した“HOWL BE QUIET”の竹縄航太による歌詞エッセイをお届け…!【前編】では、名曲 「 ラブフェチ 」 の生い立ちをたっぷりと綴っていただきましたので、是非このエッセイを読んだうえで改めて、歌詞を楽しんでみてください…! ~歌詞エッセイ【前編】~  「ラブフェチ」がTikTokで盛り上がってるらしい。そんな話を耳にしたのは2020年1月の終わりのことだった。ラブフェチをリリースして3年。とても遅咲きの桜だった(とは言えまだ咲ききれてはない)。  あの頃、僕らはアルバム制作の真っ只中だった。『Mr.HOLIC』というアルバムタイトルも決まり、収録曲も曲順もほぼほぼFIXしていた。ジャケットはどうする? アー写(アーティスト写真)はどうする? MVはどうする? そんな話を矢継ぎ早に進めていく中で、僕はずっとモヤモヤしていた。漠然と何か足りないことをわかっていた。『Mr.HOLIC』、いわば『Mr.依存症』と銘打ったアルバムの表紙を飾ってくれるような曲がない。このもどかしさがすごく気持ち悪かった。メンバーとも話をする中で「このモヤモヤを持ったまま、リリースするのは良くない。チームに相談しよう」。そう結論付いた。即座にチームにもう1曲作らせてくれと嘆願し、少しの猶予をもらうことが出来た。  その時に出来た曲が「R.O.A.L.」。そう、この曲がのちの「ラブフェチ」となる。今思うと「R.O.A.L.」って何だそれってタイトル。でも当時の僕は本気だった。何故、R.O.A.L.だったかは想像にお任せしたい。答えがわかった人には何かプレゼントします。当然、メンバー、スタッフにも「意味がわからない」と大不評を食らい、すぐに書き換えることになった。しかし、メロは良いとみんな絶賛してくれた。何はともあれ、取り掛かった「ラブフェチ」の制作。思い出せば、作ろうとパソコンに向かって、一番初めに書いた言葉はサビの歌詞だった。  友達と恋バナなんかしてる時、笑いながら言われた。「偏った考え方してるね~」。そうなのか。みんなそうじゃないのか。その事実に驚いた。束縛がどうとか、重いとかなんとか。自分で色々歌っておきながら「随分な束縛をされる方もいるもんですな」と思うこともそれはあるが、でも、その気持ちは大いに理解出来る。だって好きな人なのだから。  それは不安にもなるだろう。離したくないと思うだろう。でも、世間的には“束縛”という言葉でまとめられたり、ネガティブな印象を持たれることが多い。自分が偏ってるという評価を受けたのも、きっとそういうことなんだろう。愛情というのは、恐怖と表裏一体なんだと改めて痛感した瞬間でもある。だからだろうか。アルバムの顔となる曲を作ろうと思った時、すぐに出てきた言葉は <これもれっきとした愛情ってやつだろう> その一節だった。  これは大衆的に歌っているように見えて、実はそうではない。何も世界的に「かくかくしかじか、こういうことを考えてしまう、この感情も愛情と呼んでくれませんか?」と言いたいわけでは決してない。何をどう思うかなんて人それぞれだ。誰がどう思おうと、個人の自由だ。ただ、君だけは、君にだけはわかってもらいたい、ただそれだけだ。  世界中の人間がみな、NOと言おうと、君だけがYESと言ってくれたらそれでいい。恋愛なんて得てしてそういうものだろう。赤ちゃん言葉で話す恋愛があったっていい。お互いに浮気していい約束をしている恋愛があったっていい。その二人の中だけに定められた約束を破らなければ、外野は外野。最後に決めるのは本人たちでいいと僕は思う。僕個人だってそうだ。僕がそう思うのだから仕方がない。  偏っている。ならば、偏ったまま、自分の愛情というやつを歌ってやろう。それがこの「ラブフェチ」という曲の根幹を占めている。偏愛の歌。  話を戻すがまだ以前タイトルは「R.O.A.L」のままだ。このままではやばい。そこでその前に作った 「 ギブアンドテイク 」 という曲を一緒に取り組んでくれ、手応えを感じていたこともあり、今一度、いしわたり淳治さんに力を貸してもらった。いしわたりさんとの制作はとてもユニークだった。「君が記憶喪失になって、過去の人のことを全部忘れて、僕が全て初めての人になったらいいのに」なんてAメロを送った時に、大真面目に「なるほど。ちょっと怖いかも」と返してくれるような人だった。  そんな中、サビ頭の歌詞で悩んでいた時に、この曲でどんなことを歌いたいかをありったけ吐露した。上に書いたようなことを、それはそれは長い時間をかけて。そこでいしわたりさんが「だったら、そのまま“偏愛”って歌っちゃおうよ。ラブフェチはどう?」と提案してくれたのだ。自分では絶対思いつかない。なんと清々しいのだろう、と当時、ものすごい衝撃を受けたのを覚えている。いしわたりさんがいなかったら、そのまま「R.O.A.L」とかいう訳のわからない曲になっていたかもしれない。いや、逆に通はラブフェチをR.O.A.L.と呼ぶのもアリかもしれない。一段踏み違えたら、全く別の結末になっていたかもしれない選択と奇跡の連続で「ラブフェチ」が今ここにいるんだと実感する。危ないところだった。  ただ、リリースした当時は、HOWL BE QUIETを知ってくれている人にだけ、知ってもらう歌でもあった。特にMVを作ったりしたわけではないし、ただ、アルバムの1曲目という仕事を担ってくれているだけの曲だった。それが、3年経って、TikTokという場所で、一人歩きしていることを知った時は心底驚いた。  何より嬉しかった。曲が届いてくれた、という喜びは勿論、歌詞にフォーカスを当ててくれていたからだ。どこか救われたような、そんな気持ちで一杯だった。それと同時に、あれだけ曝け出して良かったと思った。誰かの気持ちを代弁する、そんな大それたことをしようなんて思ってもいないが、結果的に同じように思う誰かの、誰にも言えない偏愛に、少しでも寄り添えていたのなら、本望だ。  そして、「ラブフェチ」「偏愛」と歌った曲が、TikTokの中で「恋愛」に変わろうとしている。偏ってない。おれもだよ。そう言ってもらえているような。「ラブフェチ」を使った動画も見た。そこには幸せそうなカップルの日常が切り取られていた。美しかった。そう、それだけ美しいから怖いのだ。それがいつ無くなってしまうか、その幸せそうな景色の裏側に、いつもその怖さは孕んでいること、視覚的に見せてもらったような気がする。  今、この原稿をこうやって書けているのはラブフェチのおかげである。ラブフェチのおかげで、ラブフェチという曲の生い立ちを綴ることが出来た。だから「ラブフェチ」を誇りに思う。そして、そんな風に思わせてくれた、そこまで連れてきてくれた全ての人に感謝したい。  これは完全に余談だが、曲タイトルを決めた時、よくネットで検索をする。同じような曲名だったり、何か危ない言葉と繋がってしまわないかとか、心配性なりに気になるからだ。  勿論、当時も検索した。「ラブフェチ」とGoogleで検索したら、何ともいかがわしい、いかにもHなことを提供してくれそうなお店がヒットした。検索された時、これと並ぶのか、という葛藤と戦った末、「いや、でもこの曲はラブフェチだろう!」とそのまま貫いた。そんな当時の我々の勇気にも乾杯したい今日この頃である。 おしまい <HOWL BE QUIET・竹縄航太> ◆紹介曲「 ラブフェチ 」 作詞:Kota Takenawa 作曲:Kota Takenawa ◆フルアルバム『Mr.HOLIC』 2017年5月24日発売 PCCA-04528 ¥2,800 +税 <収録曲> 1. ラブフェチ 2. MONSTER WORLD 3. ギブアンドテイク 4. にたものどうし 5. My name is...(ALBUM Ver.) 6. サネカズラ 7. PERFECT LOSER 8. Wake We Up 9. 矛盾のおれ様 10. Higher Climber 11. 208 12. ファーストレディー

    2020/04/07

  • THE SxPLAY(菅原紗由理)
    立ち止まることも、怖かった。そして、この曲に想いを込めた。
    立ち止まることも、怖かった。そして、この曲に想いを込めた。

    THE SxPLAY(菅原紗由理)

    立ち止まることも、怖かった。そして、この曲に想いを込めた。

     2020年4月8日に“THE SxPLAY(菅原紗由理)”がデビュー10周年を記念しての初ベストアルバム『BEST OF 3650 DAYS』をリリース!今作には“菅原紗由理”としての8曲、そして“THE SxPLAY”としての7曲、厳選された全15曲が収録されております。また、その中には、5年間ライブでのみ披露され、ファンの中でもリリースが待ち望まれていた“Dream Bird”改め「MY NEVER ENDING STORY」も収録。    さて、今日のうたコラムでは両名義での様々なエッセンスを楽しめる今作から、待望の収録曲「 MY NEVER ENDING STORY 」についての歌詞エッセイを“THE SxPLAY(菅原紗由理)”本人に綴っていただきました! 彼女の軌跡、葛藤、決意、今、未来、様々な言葉がこのエッセイと歌詞に詰まっております。是非、その想いを受け取ってください…! ~歌詞エッセイ:「 MY NEVER ENDING STORY 」~ 振り返ると、胸が熱くなるような感情。 心に刻まれた、美しく変わらない思い出。 誰しも一つはあると思う。 そんな「あの頃」のように 自分の心にまっすぐに生きる。 《渋谷駅前スクランブル交差点》 毎日、驚くほど人が行き交うこの場所は、 私にとって、いわば都会の象徴。 今回、このコラムを 書かせていただくきっかけになった楽曲 「MY NEVER ENDING STORY」の中でも歌っている、 東京を語る上でもかかせない、思い出の場所。 そんな、都会とは真逆の“秋田県横手市”が私の故郷。 冬の間は、屋根の上に積もった雪を放っておいたら、 場合によっては、崩壊してしまう、、、 なんてこともあるほどの、豪雪地帯。 東京からは、新幹線で約3時間ほどかかる、 いわゆる「田舎」でスクスク育った私は、 高校を卒業と同時に、物心ついた頃からの夢だった “歌手デビュー”が決まり、上京。 テレビの画面越しに見ていた 憧れの“渋谷スクランブル交差点”を、 初めて目にした時の高揚感、 若干大股で歩いた、あの胸の高鳴りは、 今でも忘れない。 そこからは有難いことに、 走り出しから夢のような経験を沢山させてもらい、 「願えば叶う!」なんて、 苦笑してしまうほどの前向き精神で、 誰かが作ってくれた「明日」というメニューを 勢いよく乗りこなし、必死に走り続ける毎日だった。 そうして、上京して約5年の月日が経った2014年。 「自分が今、本当に、伝えたい歌とはなんなのか?」 という感情を追求すべく、 “菅原紗由理”から “THE SxPLAY”という名前に「改名」。 これまで所属していた事務所、レコード会社も辞め、 一からスタートする道を選ぶことになるのだけど、 今思えば、一から始めるというのは、 そんな甘っちょろい話じゃない。 黙っていても運ばれてきた 「明日」というメニューを、 今度は一人でゼロから作り、 積み重ねていかなければいけない。 以前居た場所は、ある意味 誰かが助けてくれる「楽園」のような場所だった分、 自分が傷付かずに済んでいた部分が 沢山あったのかもしれない。 その「楽園」から踏み出すことを 自ら望んだはずなのに、 ちょっとした事も思うように上手くできない現実、 自分の無力さをダイレクトにくらう事で、 想像とのギャップを目の当たりにする。 ほんのちょっと前まで、光り輝いていたはずの景色は、 少しずつ、少しずつ影を落とし、 「願えば叶う」 そんな、何の気なしに発していた前向きな言葉さえも、 簡単に口にすることができなくなっていった。 “進め!進め!進め!!” 心からそう思っているはずなのに、 追いつかない心。 それを嘲笑うかのよう、 どこか冷静な、もう一人の自分が、 嫌なほど思考に入り込んできて、 我が物顔でどっしりと構えている。 うまく噛み合わず、不自然な音を立て 回り続ける歯車に気づきながらも、 必死で回し続ける日々。 泣きたいのに、笑ってる。 平気なんかじゃないのに、余裕な表情を見せる。 「私、変わってしまったのかな・・・?」 立ち止まることも、怖かった。 そして、この曲に想いを込めた。 部屋で一人、歌いながら 時にはカフェで歌詞を書きながら ボタボタと涙を流す自分に気づく。 周りからしたら、相当怖かったと思う(笑) 強がっていないと、笑っていないと、 うまく立つことのできない自分を 自覚してしまうのが怖くて、背を向けていたこと。 向き合いたいと思うほど、臆病になっていったこと。 正直なところ、「願えば叶う」って 前向き精神で、もっとシンプルに向き合っていた あの頃を、うらやましくも思ったこともあった。 だけど、その度に浮かぶのは はたして「楽園」の先に生まれるものはあったのか? ということ。 痛くて、苦しくて、またもがく。 それでも、痛みの根元に辿り着くため、 想いを一つ一つ掘り起こしていった先にあったのは、 「もう一度、素直な気持ちで自分に、歌に向き合いたい。」 と、心から願っている、私だった。 2年後、2016年。 小さな出会いをきっかけに、初めての中国ツアーが決定。 北京に1ヶ月一人暮らしをして、その後1ヶ月かけて 中国のスタッフさん、ミュージシャンと 6都市を巡る中、毎回この曲を、 ライブのラストに歌った。 ステージからは、新しい景色が目の前に広がっていた。 こんなこと、数年前の私には想像できたかな? 前を向いて進むということは、沢山傷つくこともある。 遠回りを繰り返した、今ならわかる。 踏み出してみなきゃ 見れない景色が、日常にはまだまだいっぱいある。 踏み出して、傷ついて、初めて 生まれるものがある。 光のある場所には、必ず影が存在するように、 影のある場所にも、光は必ず存在する。 一つ一つの感情は、決して無駄じゃないんだ。 光しか見ることのできなかった自分が、 「影」を知って、改めて歌える「光」があること。 傷ついたからこそ 「進め」という言葉の重みを知ったこと。 それは、以前の自分なら気づけなかった。 人は変化する。そうして、日々を生きていく。 変わることを怖がってちゃいけない。 だって、本当に大切なものは 決して目に見えなくとも、 自分の心の中に必ず残っているから。 今なら見える景色がここにある。 喜びも、苦しさも歌にするんだ。 観ていこうよ 変わっていく僕らのこの景色 この固い地面に 強く突き立てた旗が 風になびけば 始まるのさ また新しい歌が そうして今日も、不安と期待を胸に スクランブル交差点を歩いている。 不器用に、 ひたすらまっすぐ生きようともがく あなたへ。 この曲が届きますように! THE SxPLAY(菅原紗由理) <THE SxPLAY(菅原紗由理)> ◆紹介曲「 MY NEVER ENDING STORY 」 作詞:THE SxPLAY・佐伯youthK 作曲:THE SxPLAY ◆『BEST OF 3650 DAYS』 2020年4月8日発売 FLCF-4521 ¥2,545円(税抜) <収録曲> 01.君とこの空の下で 02.キミに贈る歌 03.君がいるから 04.僕はロボットごしの君に恋をする 05.『好き』という言葉 06.素直になれなくて 07.キミが残した世界で 08.Eternal Love 09.いつの日も 10.Forever… 11.For キミに贈る歌 12.Living Rock 13.未完成キャンバス 14.はばたくキミへ 15.MY NEVER ENDING STORY

    2020/04/06

  • Anly
    それとも本当の『愛してる』を私たちが知らないだけ...?
    それとも本当の『愛してる』を私たちが知らないだけ...?

    Anly

    それとも本当の『愛してる』を私たちが知らないだけ...?

     2020年4月8日に“Anly”がニューアルバム『Sweet Cruisin'』をリリース。アルバムを先行する形で、昨年11月から5か月連続のデジタル・シングルを発表。そのシングル曲を含め、英語詞、日本語詞、様々なジャンルの音を楽曲の随所に感じさせるミックス感覚をもったAnly自身が感じる“今”を詰め込んだ計10曲入りのアルバムとなっております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“Anly”本人による歌詞エッセイを3週に渡りお届け!まず第1弾は、収録曲「 4:00 a.m. feat. mahina 」にまつわるお話。「男の子は読むなら覚悟しましょう」との注意書きもありつつ、本音のガールズトークの内容をちょこっと明かしていただきました!恋の勉強中のみなさまに、このエッセイが届きますように…! ~歌詞エッセイ第1弾「 4:00 a.m. feat. mahina 」~ -Swimming in your heart 恋の泡が my love my love 消えてゆくよ- キラキラアイシャドウにオレンジ濡れリップ 甘い匂いを放つカクテルピンクのプールに浸りながら 小悪魔なガールズトーク。 ※ここから男の子は読むなら覚悟しましょう※ 本命の片想いって全然叶わないのに 興味のない人からは連絡が来るんだよね... でもその人のことも嫌いなわけじゃなくて 楽しいから遊びに行ったりはするけどさ... 『あの人だったらいいのに』って思ってたりしちゃう。 そうそう、正直他にもいるんだよね...(ニコ) -I love you とかバカみたい聞き飽きたし- 『愛してる』って 『好きだよ』と同じくらい言われると冷めちゃう。 それとも本当の『愛してる』を 私たちが知らないだけ...? 同じように言い合える人達って どんな気持ちなんだろう。 早く出会いたいなぁ。 -ぜんぶファーストキス ぜんぶゼロにする ぜんぶ覚えてる けどなかったことにする- その場の雰囲気ってあるよね。 ちょっと動き出した恋愛感情に向かって ハンドル切ったらもう戻れない! 目を瞑って、キスして確かめてみたら。 あっ、やっぱり違うかも、ごめんってときもあるし まだまだ私たち恋の勉強中... アリアナグランデの『thank you,next』みたいに 今まで恋した男の子たちには感謝しながらも じゃあ、次の恋!って羽ばたかないとね 落ち込んでる顔はどうせ可愛くないもん 恋バナだったら『4:00 a.m.』まで余裕でできちゃう! <Anly> 【第2弾に続く!】 ◆紹介曲「 4:00 a.m. feat. mahina 」 作詞:Anly・mahina 作曲:Anly・mahina ◆3rd Album『Sweet Cruisin'』 2020年4月8日発売 初回生産限定盤 SRCL-11470~1 ¥5,000+税 通常盤 SRCL-11472 ¥2,727+税 <収録曲> 01. Taking My Time 02. We’ll Never Die 03. Sunshine 04. 愛情不足 feat. Rude-α 05. DAREDA 06. Goodbye My Love 07. Sleep 08. 4:00 a.m. feat. mahina 09. Brand New Day 10. Not Alone

    2020/04/03

  • イチオシ!
    「この人がこのセリフは言わないでしょ」って気づいたりするんです。
    「この人がこのセリフは言わないでしょ」って気づいたりするんです。

    イチオシ!

    「この人がこのセリフは言わないでしょ」って気づいたりするんです。

    俺は曲の中に、その人が生きていて 血が通っていないと嫌なので 最初から最後まで主人公が怒らないような 歌詞を書きたいんですね。 だから血が通うまで書き続ける、頑張る、諦めない。 (back number・清水依与吏)  冒頭でご紹介したのは、以前、歌ネットの 『back number特集!“清水依与吏”インタビュー』 のなかで、依与吏さんが語ってくださった歌詞のこだわりについての発言です。その言葉のとおり、back number楽曲のなかで息づいている主人公ひとりひとりが、自分の心に寄り添ってくれていると感じる方、たくさんいらっしゃることでしょう。  また、同様に各アーティストたちはいろんな想いで歌の“主人公”というものを生み出しております。では、その“主人公”にはそれぞれどのような特徴・性質があるのでしょうか。今日のうたコラムでは、過去インタビューをもとに、様々なアーティストの『主人公の特徴・性質』についての回答を【前編】【後編】に分けて一挙、ご紹介…! ~歌の『主人公の特徴・性質』後編!~ <スカイピース> ☆イニ☆  <僕>は言いたいのに言えない子。そのもどかしい気持ちを書きたくなりますね。さっき「自分はグイグイいける」とか言いましたけど、それは「この子も俺のこと好きなんじゃない?」という両想いの確信があるときのみですからね(笑)。それまでは結構、慎重です。そして<君>は、なかなか振り向いてくれない子を書きがち。ちょっとあっちも気づいているけど、簡単には来ないタイプの子ですね。 テオ  僕は、後悔することが多い主人公だな。伝える前に死んじゃったりとか。みんなには後悔しないでほしいからね。自分の歌を聴いてもらうことで、こういうやつは後悔しちゃうってことを知ってもらって「じゃあ動き出さなきゃ!伝えに行かなきゃ!」みたいな感じで思ってほしいというか。 で、<君>はあんまり自分の想いを言わない子が多いかもしれないですね。強がりの子。たとえば<僕>が「別れよう」と言ったとき、泣いて「嫌だ!」って言ってくれる子ならわかりやすいじゃないですか。でも「わかった、頑張ってね!」って言って、相手の知らないところで泣いているような子を書きがちですね。だから「 僕の夏の恋の話 」とかまさにそう。 <井上苑子> 結構<私>はスネがち(笑)。嫉妬しがち。いつも「なんでこうしてくれないの!?」って気持ちを書いている気がします。そして<君>は“気づかながち”です(笑)。鈍感。そういう二人の物語が一番可愛く見えるんですよね~。やっぱりドラマとか観ていても、そこのズレがもどかしくて良いじゃないですか。本当は好きなのに!っていう。 <ビッケブランカ> 主人公の<僕>は基本パッとしないですね。後ろ向きというより、物事を斜に構えている感じ。きっと“呑んだらえ~やん♪”とは言わないでしょう(笑)。やっぱり自分が核になっているから、どんな場面を描いてもそこまで<僕>の人間性はブレないですね。 で<君>の場合は、理想の女性というより“理想の話に合う女性”かな。その主人公にどう接触して、どう結末を迎えるかということを考えたときに、その物語で自分が「クゥ~!」ってなるかどうか。「良いわ!よくそこでその行動を取った!」って思える<君>を書いている感じですね。 <HY> 仲宗根  私の場合は「 NAO 」のように、主人公や<あなた>のモデルとなる人が実際にいるから、超具体的です。実体験でも、実体験じゃなくても、この人に書いてあげたいと思った“この人”の年齢や性格になりますね。 新里  僕の場合は、ひとつひとつの曲調によって変えているような気がする。たとえば、初々しい曲調だったら、中学生の頃の初恋の気持ちが似合うからそういう物語をイメージしたり。ポップで明るくて若い人に聞いてもらえそうな曲調だったら、20代くらいの記憶を思い出したり。大人っぽいサウンドだったら、今の年齢の自分の恋愛観を入れ込んだり。そうやって主人公が出来上がっていると思います。 <スキマスイッチ> 常田  (とくに初期は)卓弥がイメージしていた歌詞の主人公はこう…男らしかったり、潔かったりという面が強かったと思います。一方、僕が“スキマスイッチくん”に持とうとしていたイメージは真逆で、うじうじ女々しくて、とはいえその弱さを振り切りたいみたいな理想もありました。そういう真逆な僕らから生まれたからこそ“スキマスイッチくん”は一言で言い表せないような人物像なんですかね。 大橋  すごく簡単に言うと、僕の方が現実的だと思います。真太くんの方がもう少しファンタジックというか、それこそ理想的というか。あときっと僕の方がネガティブで、真太くんの方がポジティブ。僕は、他人に見せない弱い部分とか、気を許した人にしか出せないダメな部分とか、そういうものに魅力があると思っていて。それがあるからこそ、普段の一面も輝くし、人間らしいなって。 だから僕の歌詞もまさに「誰かに言いたいけど言えないこと」を書いていく傾向があるんですよ。だけど真太くんの描く主人公は、すごく生き生きと夢に向かっていたりする。もちろんそこに迷いとか苦悩はあるんでしょうけど、どちらかというと優等生というか。でもそれって真太くんそのままではないと思うんですよ。 きっとお互いの理想の世界観が違うからこそ、二人で書くと歌詞に幅が出るんでしょうね。二人してネガティブだったら、ものっすごく暗くて誰も聴きたがらないだろうし(笑)。だからこそ“スキマスイッチくん”を作るにあたって、自分の中のどの辺りを削るかということはすごく意識しますね。自分のこういうところは、スキマで言わなくて良いだろうなとか。逆にソロのときは、スキマで言わないような違う部分を削り取ってみようとか。 常田  結構、卓弥から「そこは言わなくていいんじゃない?」って言われますね。「そこまで言っちゃうとちょっと気持ち悪いよ」とか、昔なんかは「トースターは捨てろよ!」とか(※「 ドーシタトースター 」)。そういう会話はよくします(笑)。僕は全然そういうところを気にしないんですよ。実体験も全然書くし、さらにそこへ理想も乗っけますからね。逆に乗っけすぎて「この主人公はこんなに強くないでしょ」って言われたり。そうやって指摘してもらって、もうちょっと抑えた方法で書いていきます。 大橋  主人公がどんな人物かというディテールを二人で考えるんですよ。歌詞の中には一切出てこないんですけど、この主人公は何歳くらいで、犬を飼っていて、サラリーマンで、結婚はしてないけど好きな人はいる…とか(笑)。そういう人物像が少しずつ出来上がっていくと「この人がこのセリフは言わないでしょ」って気づいたりするんです。 常田  とくに年齢の話はよくするよね。ほぼ全曲、ちゃんと年齢設定はしているくらい。たまに全く認識が違うようなときもあります。「え!そうなの!?」みたいな(笑)。同じ歌詞なんですけど、全然違う人物像とか年齢を想像しているんですよ。そこをいろいろ話し合って、少しずつ主人公を作っていくんです。だから、どちらがたたき台を書こうが、1行ずつ綴っていこうが、最終的に頭からザーッと読んでいって、修正しながらバランスを取って歌詞を作り上げていくのが、スキマスイッチのスタイルですね。  自分に通ずるところがある主人公。伝えたいメッセージから生まれる主人公。聴いてくれるひとを想像するところから生まれる主人公。その特徴・性質は十人十色であるのがわかりますね…!あなたの好きなアーティストの描く“主人公”は、どんなタイプの人物が多いと思いますか? 是非、そんな視点からも歌詞を楽しんでみてください…! 【前編】はコチラ!

    2020/04/02

  • イチオシ!
    自分のなかの女々しさを女性に擬人化しても幸せなひとが出てこない。
    自分のなかの女々しさを女性に擬人化しても幸せなひとが出てこない。

    イチオシ!

    自分のなかの女々しさを女性に擬人化しても幸せなひとが出てこない。

    俺は曲の中に、その人が生きていて 血が通っていないと嫌なので 最初から最後まで主人公が怒らないような 歌詞を書きたいんですね。 だから血が通うまで書き続ける、頑張る、諦めない。 (back number・清水依与吏)  冒頭でご紹介したのは、以前、歌ネットの 『back number特集!“清水依与吏”インタビュー』 のなかで、依与吏さんが語ってくださった歌詞のこだわりについての発言です。その言葉のとおり、back number楽曲のなかで息づいている主人公ひとりひとりが、自分の心に寄り添ってくれていると感じる方、たくさんいらっしゃることでしょう。  また、同様に各アーティストたちはいろんな想いで歌の“主人公”というものを生み出しております。では、その“主人公”にはそれぞれどのような特徴・性質があるのでしょうか。今日のうたコラムでは、過去インタビューをもとに、様々なアーティストの『主人公の特徴・性質』についての回答を【前編】【後編】に分けて一挙、ご紹介…! ~歌の『主人公の特徴・性質』前編!~ <back number・清水依与吏> back numberの主人公の男ってちょっと相手の気持ちにあぐらをかきがちなところある(笑)。「 花束 」もそうだし、「 日曜日 」とか「 光の街 」とかも、すごく冷静な感じにね。ありがたさを忘れるタイプなのかもしれないです。それで「あ、やべ!別れるのかぁ!」みたいなときに急に優しくなりだすみたいな(笑)。そういえばカップルの恋愛最中みたいな歌は楽曲もミドルテンポで淡々としていますね。なんか…ダメな男だと思いますよ。 女性の主人公が幸せな歌は…ない(笑)。(中略) まず俺の歌詞は、よく“女々しい”って言ってもらえるんですけど、「行かないでくれよ~」とか「なんであの子は俺のことが好きじゃないんだ!」とかそういう気持ちが“女々しい”と呼ばれるもので、逆に幸せな感情で“女々しい”ってあんまりないじゃないですか。だから、いくら自分のなかの女々しさを女性に擬人化しても幸せなひとが出てこないんだと思います。 (主人公は) 自分ではないとは思うんですけど、完全に自分でないとは言い切れないというか。半々ですかねぇ。難しいところです。最初は全く俺とは違う人間を描こうと思って作っていくんですよ。でもそのうち「あ~わかるわそれ~!」ってなって、「そうか、俺が書いているんだった!」みたいなことによくなるんです(笑)。まぁいろんな主人公がいるつもりではあるんですけど、大まかに分けると何種類かの人しか出てこない気もするしなぁ…。だからなるべく数えないようにしています(笑)。 <コレサワ> 結構、どの曲も<あたし>はワガママですね(笑)。聴く人によっては「こいつヤバイ奴だ」って感じるかもしれません。でも実際、人ってみんなヤバイやん?って思うんです。それに“ワガママ”って言うと悪く聞こえますけど、何も言わない人の方がめんどうくさいじゃないですか!私はずっと「ワガママってすげーいいやん!めっちゃわかりやすいやん!」って思っていて。その良さをみんなにわかってほしいなぁ。だから、たとえヤバく思われても、何かひとつ強い芯が通っている女の子を書きたいんですよね。ワガママな<あたし>が素敵に伝わる歌を届けていきたい。 <reGretGirl・平部雅洋> 付き合っていたら、なんとなく向こうの気持ちが僕から離れているなぁ…みたいなのがわかるんですけど「まぁいつか時間が解決してくれるだろう!」と思うんですよ。そして別れを告げられてから<気づいていたのに無視をしていた>と気づくわけです。さらに、僕がバカなだけかもしれないですけど、恋愛においては、昔の失敗を気づかないうちにまた繰り返してしまうことが結構あるんですよね(笑)。その結果、いくつも<因果応報、自業自得>な歌詞が出来上がります。 <緑黄色社会・長屋晴子> とにかくあまり自信がないです。きっとどの主人公も。でも、自信はないけれど、何か漠然とした理由で頑張ろうとしているというか。「とりあえず」や「なんとなく」が起爆剤だって良いから、進んでいるというか。そういうガムシャラな主人公が多い気がします。まさに今回の「 sabotage 」もそうですね。 <ACE COLLECTION・たつや◎> 曲を出せば出すほど、(主人公に)自分の恋愛観がボロボロと出ちゃっていますね。歌詞を書いていると、いつも以上に自分の気持ちと向き合うじゃないですか。過去のことでも今のことでも。だから作詞中に初めて自分の気持ちに気づくこともたくさんあります。「あー、あのとき俺ってこういうふうに思っていたんだ」って。 <片平里菜> 好きだからこそ攻撃してしまうところもあるんでしょうけど、(主人公が)優しくないですよねぇ。ラブソングなのに否定的な表現が多いなって自覚はしています(笑)。たぶん、闘う女性が好きなんです。チャンスを待っているだけだったり、今の現状に満足していたりするよりは、そこからもっと先のいろんな景色を見たいという気持ちがいつもありますね。だから強い女性像が自然と曲の中に作り上げられていくんだと思います。 <ゴールデンボンバー・鬼龍院翔> 僕は何かに強く依存している人の気持ちを描くのが好きなんですよ。だから「 燃やして!マイゴッド 」でも主人公の女性が、ひとりの男性を神のように崇めて、周りが見えなくなるほど依存している姿をイメージしました。まぁ僕自身もやっぱりサラッとはしていないですからねぇ。性根がジメジメ、ネバネバしております。すごく引きずるし、基本ネガティブなんですよね。そうじゃないとこういう歌を書かないですもん(笑)。 【後編】に続く!

    2020/04/01

  • イチオシ!
    この春にぴったりな“出会いと別れ”の歌を一挙ご紹介…!
    この春にぴったりな“出会いと別れ”の歌を一挙ご紹介…!

    イチオシ!

    この春にぴったりな“出会いと別れ”の歌を一挙ご紹介…!

    後悔が残るくらいがちょうどいい春あわゆきのほかほかきえる (東直子)  いよいよ3月が終わり、4月が始まりますね。とはいえ今年は、コロナウイルスの感染拡大予防のための自粛により、卒業式や卒業旅行、送別会が中止になったりと、最後の思い出づくりが出来ず、気持ちに終止符を打てないまま、新生活に突入しなければならない方が多いのではないでしょうか。なかにはまだ心に何か“後悔”が残っている方も…。  でも、それでもわたしたちは、新たなはじまりに向かって進んでいかなければいけません。そんなとき、冒頭でご紹介した歌人・東直子さんの短歌が、ほんの少し救いになるような気がしませんか? 後悔が残るくらいがちょうどいい。今はそう自分に言い聞かせ、あわゆきが消える、ほかほかした春のなかをゆくのです。  そして、今日のうたコラムでも、後悔や寂しさを抱える心が少しでも上向きになり、歩き出す力が湧いてくるような、春にぴったりな“出会いと別れ”の歌を一挙ご紹介…! いろんな思い出を振り返りながら、大切な人を思い浮かべながら、未来への希望を描きながら、フレーズや歌詞を読んでみてください! 【春にぴったりな“出会いと別れ”の歌15選!】 恋い焦がれたこと 夢に起きてまた夢見たこと これまでを切り取るように 頭の中を巡る 明日が来ることは解る 昨日が戻らないのも知ってる できれば やり直したいけれど 「 さよならの今日に 」/あいみょん また会おうね 元気でいて 雪深い朝も 星のない夜も 笑いながら 泣きながら 僕らは大人になったね 「 北極星 」/藤巻亮太 あの日君は一瞬で 世界の色を変えてくれた 春が連れてくる あの日の君を もう会えないと知ってるの 春が連れてくる 笑ってる君は あの日と同じまま 「 sakura 」/藤原さくら 青春のフィルター見返して 約束もなしに会えたこと なんでもない日々が特別なんだって 今更気づいた ありがとう、いつかまたね 「 青春のフィルター 」/みきなつみ GOOD BYE MY SCHOOL DAYS たくさんの思い出かかえて GOOD BYE MY SCHOOL DAYS 新しい暮らしが始まっても GOOD BYE MY SCHOOL DAYS きっとみんな忘れたりしない GOOD BYE MY SCHOOL DAYS 今度会う時まで元気でいて もしもさびしさに負けそうな時 もう一度そのままのやさしさで抱いて 「 GOOD BYE MY SCHOOL DAYS 」/DREAMS COME TRUE いまでもまだね 君が好きで 言えるはずもなくて その微笑(ほほえみ)も 寂しさも 強がりも 受け止めてくれる人がいますように 「 車窓 」/flumpool さよなら わたしは忘れはしないでしょう 世界でいちばんあなたのことが好きだったよ もう泣かない もう振り向かない わたしは 明日を生きていく 生きていく 「 さよなら 」/大原櫻子 今 消えてゆく この風景を いつまでも思い出せるように 焼き付けようとしても 瞬きする度に こぼれてしまう 喧嘩の理由が君の優しさだったと 気付けなかった あの日の涙 「 卒業 」/コブクロ やさしい人にしかやさしくできないなんて うそばっか だってわたしは違うから お別れのあとの届かない「ありがとう」 なんでわたし涙が出たんだろうか 「 3 3 4 1 」/坂口有望 君とみた空 君といた季節 戻れない日々ばっかり 輝いてしまう 夢のように浮かぶ 真夜中の虹を 君も見てるかな 真夜中の2時 「 真夜中の虹 」/スガシカオ サクラ 舞い上がれ いま 繰り返す悲しみは もういらない 明日の空へ 幾千もの想いを ずっと この胸に 手を伸ばして掴んだ 空にひとひら 桜ひとひら 「 桜ひとひら 」/MISIA 桜散る桜散る ひらひら舞う文字が綺麗 「今ならまだやり直せるよ」が風に舞う 嘘だよ ごめんね 新しい街にいっても元気でね 桜散る桜散る お別れの時間がきて 「ちょっといたい もっといたい ずっといたいのにな」 うつむいてるくらいがちょうどいい 地面に咲いてる 「 栞 」/クリープハイプ その背中 優しさを忘れない 夢にだけ見た景色が 色褪せてなくなっても この涙 枯れるまで泣きたいの いつか この恋 口笛にかわるまで 今は この恋 口笛にできなくて この恋 口笛にかえるから 「 口笛にかわるまで 」/いきものがかり Blue Daisy Good Morning Happy Day Blue Daisy 大好きだった 哀しみは運命のカーテン 新しい朝 迎えようよ 朝が来ない 夜はないわ 「 Good Morning~ブルー・デイジー feat. aiko 」/東京スカパラダイスオーケストラ だけど僕等一人じゃ生きれずに 愛探し彷徨う旅人で 巡り会い別れを繰り返し 何処へ向ってゆく 涙涙押し寄せないで もう笑って生きていたいから 「 はじまりの唄 」/大橋トリオ  みなさんが新年度、笑って生きていけますように。また、あなたにとってのイチオシのフレーズは、是非 【コトバのキモチ】 コーナーへのご投稿くださいませ。さらに、歌ネットでは現在 『#春は必ず来る~今、あなたに贈りたい“心の免疫力UP”ソング特集』 も掲載中です。こちらもチェックしてみてください…!

    2020/03/31

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