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  • SCANDAL
    そんな話を聞くたびに、心の奥がジュワッとした。
    そんな話を聞くたびに、心の奥がジュワッとした。

    SCANDAL

    そんな話を聞くたびに、心の奥がジュワッとした。

     結成15周年を迎えた“SCANDAL”が、2022年1月26日にオリジナル・アルバム『MIRROR』をリリース!昨年リリースした「eternal」「アイボリー」「one more time」のほか、新曲7曲を追加した全10曲が収録。今作はメンバーそれぞれが作詞作曲を手掛けた楽曲も収録されております。アルバムならではの楽曲が多数収録されているのでお楽しみに…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“SCANDAL”による歌詞エッセイを4回に渡りお届け。今回は第3弾。執筆を担当したのは、ベースのTOMOMIです。綴っていただいたのは、自身が作詞を手掛けた今作の収録曲「 愛の正体 」に通ずるお話。大人になると気づく、“尊いもの”とは…。あなたにとっての大切なひとを思い浮かべながら、この歌詞とエッセイを受け取ってください。 「 愛の正体 」   20代から30代になった瞬間はひとりで家にいた。1回目の緊急事態宣言が数日前に解除されたばかりで、とは言え外に出る気分にはとてもなれず、毎日テレビのニュースを垂れ流しにしながら初めての事態に困惑していた。約2年前のことだ。5月で私は32歳になる。   相も変わらず夜明けまで起きているし、買ってきたばかりの卵を落とすし、iPhoneは水没させるし、あの頃想像していたアラウンドサーティとはずいぶんとかけ離れた自分に笑ったり呆れたりする毎日だが、最近になって年を重ねたと実感する瞬間が増えた。   周りの環境が大きく変わったのだ。   結婚したり、出産したり、同性を好きになったり、病気を患ったり、家族や友達を亡くしたり、大人になると色んなことがある。   そんな話を聞くたびに、心の奥がジュワッとした。   私は昔から周りに恵まれてきたという自負がある。優しくて温かい人に囲まれ、たくさんの愛を与えてもらった。悩み事はあるけれど、いつも誰かが傍にいてくれた。貰ってばかりの日々を当たり前のように過ごしてきたのだ。   だけど今その幸せと同じくらい、もしかしたらそれ以上に、尊いものがあるのではないかと感じている。   それは、与える側になるということ。   ある友人は「この人を一生笑わせたい」と言い、またある友人は「娘が命に関わる病を患った時、どうして代わってあげられないんだろうと何度も思った」と言う。   心の奥でジュワッとしたのは、こういった言葉が強烈に突き刺さったからだ。   私にも心の底から大切に想う人たちがいる。年を重ねて気付いたが、私もその人たちに“与えたい”と思っている。   そう、大人になると気付く。 多くの人が気付いているはずだ。   2022年になっても尚、世界は問題が山積みで争いも絶えない。だけど争っている両者に、心の底から大切に想う人、いつまでも笑っていてほしい人が存在する。   小さな世界には愛が溢れているのに、大きな世界にはミサイルが飛んでいる。   愛を与える喜びを知っている大人が、わざわざ傷つけ合うのはなぜなのか。   考えても考えてもわからないが、わからないなりに向き合いたい。ほつれた糸は直したい。   そして、本来全人類が持って生まれたはずの慈愛の心を社会の波に攫われないようしっかり抱き締めていたい。認め合い、許し合いたい。   そんな事を思いながら、今日も夜明けまで起きている。 今、30代を生きている。 <SCANDAL・TOMOMI> ◆紹介曲「 愛の正体 」 作詞:TOMOMI 作曲:TOMOMI ◆10th ALBUM『MIRROR』 2022年1月26日発売 【配信】 https://jvcmusic.lnk.to/MIRROR 【通常盤】CD VICL-65653 ¥3,300(税込) 【初回限定盤A】CD+DVD VIZL-2001 ¥4, 400(税込) 【初回限定盤B】CD+雑誌 VIZL-2002 ¥4, 400(税込) 【完全生産限定盤】CD+DVD+GOODS ※豪華 BOX 仕様 VIZL-2003 ¥11,000(税込)   <収録曲> 1. MIRROR 2. eternal 3. 愛にならなかったのさ 4. 彼女はWave 5. 愛の正体 6. アイボリー 7. 夕暮れ、溶ける 8. 蒼の鳴る夜の隙間で 9. プリズム 10. one more time   bonus track 1. Living in the city 2. SPICE ◆10th Album『MIRROR』予約特設サイト https://www.her-label.com/ MIRROR/

    2022/01/31

  • SCANDAL
    “なんだかわからないけどすごく好き”で十分伝わる気持ちがある。
    “なんだかわからないけどすごく好き”で十分伝わる気持ちがある。

    SCANDAL

    “なんだかわからないけどすごく好き”で十分伝わる気持ちがある。

     結成15周年を迎えた“SCANDAL”が、2022年1月26日にオリジナル・アルバム『MIRROR』をリリース!昨年リリースした「eternal」「アイボリー」「one more time」のほか、新曲7曲を追加した全10曲が収録。今作はメンバーそれぞれが作詞作曲を手掛けた楽曲も収録されております。アルバムならではの楽曲が多数収録されているのでお楽しみに…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“SCANDAL”による歌詞エッセイを4回に渡りお届け。今回は第2弾。執筆を担当したのは、ボーカルのHARUNAです。綴っていただいたのは、自身が作詞作曲を手掛けた今作の収録曲「 夕暮れ、溶ける 」のお話。コロナ禍の秋、とある夕暮れに曲の欠片が生まれたというこの歌。どんな思いで制作を進め、完成して何を感じたのか…。是非、歌詞と併せてエッセイをお楽しみください。 「 夕暮れ、溶ける 」 今回のアルバムで私が作詞作曲している楽曲は、コロナ禍の2020年秋、夕方犬の散歩中に「夕暮れ、溶ける」というワードを思いついたところから始まった。   コロナ禍になり予定していたライブが延期・中止になり、日常生活さえも制限されてしまったことで、ミュージシャンとしての生きがいを奪われ気分が落ち込んでしまい、なかなか制作に取り掛かかることができなかった。   そんな時もあったが、ずっとそうしているわけにもいかず、少しずつ状況を受け入れて、今やれることを自分なりにやっていかなきゃなと沸々と湧いてきた前向きな気持ちと、その時に見た夕日が妙にマッチして、ストンと胸に落ちた。夕暮れが溶けるなんて、言葉としては変だけど“なんかいい”と思い、その感覚を信じて作り始めることにした。   これまで自分が作詞してきた曲は、詞を読めばすぐに景色や状況が想像できたり、気持ちを説明するようなものが多く、20代の時はそれで良かったのだが、30代になりその直接的な表現のバリエーションに少し限界を感じることもあった。   なので今回のような、風景や気持ちに名前を付けるようにして生まれた、抽象的で曖昧な詞ができたときに、改めて音楽や表現の自由さに触れられた気がした。作詞においての可能性を見出すことができてなんだかとても嬉しかった。   生きていると、何かと好きな理由などを問われたり、言語化しなきゃいけない場面がたくさんあって、上手く話せなかった時に、これじゃ伝わってないのではないかと落ち込むこともある。けれど、“なんだかわからないけどすごく好き”で十分伝わる気持ちがあると信じたいし、そう思えることをたくさん肯定して、もっともっと自分の世界を広げていきたい。   自分らしく生きて、自分らしく表現する。そんなミュージシャンとしての本質を改めて感じられたこの曲を大切にして、これからもたくさんの人の人生を音楽で救っていきたいと、今強く感じている。 <SCANDAL・HARUNA> ◆紹介曲「 夕暮れ、溶ける 」 作詞:HARUNA 作曲:HARUNA ◆10th ALBUM『MIRROR』 2022年1月26日発売 【配信】 https://jvcmusic.lnk.to/MIRROR 【通常盤】CD VICL-65653 ¥3,300(税込) 【初回限定盤A】CD+DVD VIZL-2001 ¥4, 400(税込) 【初回限定盤B】CD+雑誌 VIZL-2002 ¥4, 400(税込) 【完全生産限定盤】CD+DVD+GOODS ※豪華 BOX 仕様 VIZL-2003 ¥11,000(税込)   <収録曲> 1. MIRROR 2. eternal 3. 愛にならなかったのさ 4. 彼女はWave 5. 愛の正体 6. アイボリー 7. 夕暮れ、溶ける 8. 蒼の鳴る夜の隙間で 9. プリズム 10. one more time   bonus track 1. Living in the city 2. SPICE ◆10th Album『MIRROR』予約特設サイト https://www.her-label.com/ MIRROR/  

    2022/01/28

  • ヒトリエ
    こんなん聴いてんのお前だけ。
    こんなん聴いてんのお前だけ。

    ヒトリエ

    こんなん聴いてんのお前だけ。

     激動の活動を続けてきた“ヒトリエ”が2022年1月22日に8周年を迎えました。このメモリアルなタイミングに2週連続で新作をリリース!1月19日にライブアルバム『Amplified Tour 2021 at OSAKA』をリリース。そして、1月26日に新曲「ステレオジュブナイル」をリリース。同曲は、新章へと歩みを進めたヒトリエの初期衝動すら感じさせるバンドイズム満載の音楽への高い純度とエネルギーに溢れた快作となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ヒトリエ”のシノダによる歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「 ステレオジュブナイル 」についてのお話です。歌の核となる<こんなん聴いてんのお前だけ>というワンフレーズ。その言葉に込められた想いとは…。是非、歌詞と併せてこのエッセイを受け取ってください。 <こんなん聴いてんのお前だけ>   この一節が浮かんだので、あーもうこの曲は大丈夫だわ、と根拠の無い確信を得ました。それ以外の歌詞は全部まやかしだと思って頂いて結構、「ステレオジュブナイル」の完成です。   昨年開催されたフジロックに関する記事で、「最近の若者はロックを聴かない」みたいなことが書いてあり、それを読んだわたしは驚愕しました。最近どころか20年くらい前から、それこそわたしがクソ田舎の高校生だった頃からロックなんて誰も聴いてなかったからです。   勿論みんな聴いてるロックも余裕であったんですけど何かそういうものは10代特有の排斥エンジンにより一旦無かったことにされいつの間にか「俺しか聴いてない音楽こそロックである」という最悪の認知に到達しがちなのがまたロックの恐ろしいところでもありますね。   学力、スポーツ、人間性という3つの大きな風穴を空けたわたしが高校時代をサバイブするには誰よりもヤバい音楽を聴いて、自意識を増幅させ続けるしかなかったのです。   勿論、ロックを聴く友人、コミュニティはわたしの周りにもありましたがその中でも細かな食い違いを感じ続けたわたしは最終的に「俺よりロックを聴いている人間は存在しない」と思い込む最悪の生物に変身して教室から姿を消し、戻ってくることはありませんでした。   あなたが普段足を運んでいるライブ会場は上記のような生物の集まりである可能性が高いみたいなことを想像したら何か嫌ですね。そうでないことを祈ります。   ここまで読んで、「何言ってんだこいつ」と思う人と「わかるなー」って人とで大きく二分化されると思うんですけど、人生なんてマジでそんなことの連続で生きていく過程で様々なものを間引いたり間引かれたりした挙句最終的に残ったカードでデッキを形成していくしか無いわけで何言ってんだこいつって思う人に徹底的に理解してもらおうなんて気力は流石にもうそんなに湧かないんですよね。この世には争っても仕方の無いことの方が多い。   それよりも、より剥き出しのわたしを言葉にした方がより多くの共鳴を得られるのではないか~等と最近は考えており、それが何故かというと自分が自分のことをオンリーワンなどという戯けた考えなんて徹底的に排斥した方がよくて、むしろ1匹いたら30匹、くらいのノリで考えてないとマジでやってられないというかわたしみたいなやつが本当にわたししか居なかった場合の方が圧倒的に寂しいし恐ろしいし、わたしみたいなやつがもっと居てくれないとこの先マジで困るんですよね。   わたしみたいなやつにしかわからない救難信号を出すような気持ちで日々、歌詞を綴っています。救難信号なので、なるべくノイズが乗らないように気をつけては居ますが…ただ10代の頃、こんなん聴いてんの俺だけだと思って観に行った、ナンバーガールのライブ会場が押し寄せる人波で爆裂したあの時の余波で今を生きているのでヒトリエもそうなったらいいなあというおまじないのような意味も込められた「こんなん聴いてんのお前だけ」。我ながらなかなか勇気づけられる言葉を書くじゃないの、と満足しています。   <ヒトリエ・シノダ> ◆紹介曲「 ステレオジュブナイル 」 作詞:シノダ 作曲:ゆーまお ◆新曲「ステレオジュブナイル」 2022年1月26日発売 

    2022/01/27

  • カノエラナ
    これはきっと、自分自身を救う為の歌なんだと思う。
    これはきっと、自分自身を救う為の歌なんだと思う。

    カノエラナ

    これはきっと、自分自身を救う為の歌なんだと思う。

     “カノエラナ”が2022年デジタルシングル3作連続リリース決定!その第1弾シングル「キンギョバチ」が1月26日にリリースされました。同曲は、WOWOW開局30周年記念 新作長編アニメ『永遠の831』オープニングテーマとして書き下ろした楽曲。アニメファンであり、かねてからアニソンを歌うことが夢だった彼女の念願のアニメタイアップソングとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“カノエラナ”による歌詞エッセイをお届け。今回は第1弾。綴っていただいたのは、新曲「 キンギョバチ 」に通ずるお話です。金魚にまつわる遠い記憶。答えを出すことから逃げたあの頃。そして今も抱え続けている怒り…。是非、歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 「お母さん、金魚すくいがあるよ!」 「本当だね。でもうちに水槽は無いし…死んじゃったら可哀想だよ?」 「○○ちゃんが昔使ってた金魚鉢が裏庭にあるよ!泥遊びした後に、もう要らないって置いていっちゃった。だから一回やってもいい?お願い!」 「仕方ないなぁ…じゃあ一回だけね?」 「やった!ありがとう!」     「全然金魚掬えなかったねぇ…」 「でも屋台のおじさんが1匹おまけでくれたからよかったじゃん。家に帰ったらすぐ金魚鉢に入れてあげなね。それからちゃんと餌もあげること。いい?責任持ってね?」 「うん!大丈夫、任せて!」     ペットがいたことがない家に、家族が増えた気がした。握りしめた水巾着の感触が面白くて、何度もつっついて遊んだ。中の水をこぼさない様に。遊びながらぼんやりと、この手の中にいる小さな生き物の命を自分だけが握っている、ということに子どもながらに高揚感と緊張感、そして少しの罪悪感を覚えた。   帰宅後、綺麗に洗った透明の鉢の中でユラユラとキョトンとした顔をしながら水に身を任せている赤いヒラヒラ。そこに世界を隔てる確かな壁があることを知ってか知らずか、ぶち当たりながら泳ぎ回っている様を飽きる事なくただ呆然と眺めていた。   その日の夜の食卓に、煮魚が出てきた。ふと、顔を歪めてしまう。この煮魚と赤いヒラヒラに何の違いがあってこんなにも差ができてしまったのかと考えてしまった。片やヒトに食べられ死に、片やヒトに鑑賞されて生きる。見た目に多少の差はあれど、同じサカナなのにどうして???   …幼い自分は考えるのをやめた。平たく言えば逃げた。怖かった。認めたくなかった。この先を知るのはもっと大人になってからでもいいやと、まだ見ぬ自分に答えを無責任に押し付けた。   それからずっと前に進めずに、大人になることを先延ばしにしながら∞を漂っている。おぼつかない照明の中、誰も教えてくれない社会の仕組みや人間関係ヒエラルキーに頭ごなしに演説を浴びる毎日。幼い頃にあった正義感も、今ではすっかり箱に閉まって鍵をかけてある。   「もうウンザリだ」   だけどこの怒りは一体何処にぶつければいいんだろう? 言って何かが変わるものなのか? 誰に物申せばいいのか? 手で掬える大きさの赤いヒラヒラでさえも何も出来ずに死なせてしまったのに?   ― セイレーン 嗚呼僕は 一体何処に向かってんだい?―   これはきっと、自分自身を救う為の歌なんだと思う。   <カノエラナ> ◆紹介曲「 キンギョバチ 」 作詞:カノエラナ 作曲:カノエラナ

    2022/01/26

  • ハク。
    『若者日記』ができるまで 【前編】
    『若者日記』ができるまで 【前編】

    ハク。

    『若者日記』ができるまで 【前編】

     平均年齢19歳の4人組バンド“ハク。”が、2022年1月19日にミニアルバム『若者日記』をリリースしました。2021年3月に初のデジタルシングル「BLUE GIRL」のリリース以降、5曲のデジタルシングルをリリース。そのデジタルシングルはもちろん。音楽サイトにて人気を博し、現在もライブで人気の楽曲「アップルパイ」を含む全8曲収録となります。   さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ハク。”のあい(Gt.&Vo.)による歌詞エッセイをお届け。【前編】で綴っていただいたのは、まず「ハク。を組むまで」の軌跡。そして「若者日記が出来るまで」のお話です。高校時代の自身のリアルがギュッと詰まっている今作。是非、歌詞と併せてエッセイをお楽しみください…! 「若者日記が出来るまで」の前に「ハク。を組むまで」も話そうと思う。高校1年の冬、私は、今も仲の良い男の子に「あいあい~音楽サークル行ってみーひん??めっちゃ勉強なるで」と声をかけられた。すってんころりん、それが音楽人生の起点となる一言。私がハク。を組むきっかけを作ってくれた友達。   いざサークルへ行ってみると、緊張と人見知りのダブルパンチ。周りは今まで自分が関わったことのないようなタイプの人ばかりでした(派手だったり、 ギャルっぽかったり、とにかく勢いがある感じ)。私は端っこに座ってる組だったけど、それでも刺激を求めここに通おうと決めたのです。   そして半年ほど「弾き語りの女の子」として生活していた。そんなある日、私と同じ高校の友達、まゆを誘ってサークルへ行くと、本当にたまたま、カノとなずなもサークルへ来ていたのだ。   眺めていると、サークルの先生が口を開く。「そこさ、4人で組んでみれば?バンドバンド…」今思い出すとスローモーションみたいな加工かけちゃうくらいの私的凄イベントだったと思う。初対面同士、2人組ペアは高校2年の春、ハク。というバンドを組むこととなる。ここからが『若者日記』の始まり。   このアルバムには、高校生の時に生まれた楽曲が詰まりに詰まっている。ハク。が初めて作った楽曲は「ワタシ」。次に「本物」。この2つは特に私自身のリアルタイムを歌ったもので素直さを感じる。メンバーに聴いてもらった時、スっと曲を受け入れて貰えたのがとても嬉しかった。   作るのに時間がかかった曲は「アップルパイ」と「BLUE GIRL」。アップルパイはテンポ感や間奏のベースラインをどうするかで悩み、初めてスタジオ内がピリピリしたのを覚えている。私の心にピリピリの刺激をくれた記念日だと思うことにしている。ありがとうアップルパイ。BLUE GIRLはメンバーと曲のイメージを共有したり、曲のノリが難しく時間がかかった。その頃から私が聴いてる曲をメンバーにシェアするようになる。その行為がいかに大事な事か!と気づかせてくれたBLUE GIRL。   逆にあまり時間がかからなかった曲は「カランコエ」。曲のイメージが掴みやすかったのかなと思う。コロナの時期に作った曲で、そう思って歌詞を見ると、そんな感じもするというか。この時代を曲にして残したかった。コーラスが多くてカノを悩ませてしまった代表曲。それが無きゃこの曲の良さは出ないのよ!って歌う度思う。   これが曲になるのか…と不安になった「ame.」。恐る恐るLINEに投げたのだけどレスも早く、いいと思う、やってみよう、と言ってくれた。BLUE GIRLとはまた違ったノリの難しさがこの曲の壁だったと思う。スタジオで演奏する時は、なずなは目を瞑り、カノは床を見つめ、まゆは眉間にシワを寄せ、演奏。そんな3人を見てまた不安になったけど、今ではそれぞれのノリ方で前を向いている。   曲ができた後にテンション上がったのが「ふたり基地」と「hitonatsu」。ふたり基地はスタジオで録音した後すぐスピーカーで流し皆で踊った。こんなに嬉しいと思ってくれるんやワイワーイ!いい時間だと思った。後半は私1人しか踊ってなかったのにそこだけカメラロールに残っている。hitonatsuは、詩が良いねとよく言ってくれて、よく口ずさんでくれて嬉しかった。自分たちの音の位置を、正解なのかは分からないけど沢山考え作った曲で、楽しかったけどヘロヘロになって作った曲でもある。   こんな8曲が揃った『若者日記』。自分たちが若者じゃなくなった時に、これを聴いて、また違った記憶を思い出すかもと思ったら、ワクワクせずには居られないのです。 <ハク。あい(Gt.&Vo.)> ◆1st Mini Album『若者日記』 2022年1月19日発売 PECF-3265 ¥1,980(税込) <収録曲> 1.ワタシ 2.BLUE GIRL 3.本物 4.カランコエ 5.ame. 6.hitonatsu 7.アップルパイ 8.ふたり基地

    2022/01/25

  • SCANDAL
    私が個人的に恋愛において大事だな~と思うことは…。
    私が個人的に恋愛において大事だな~と思うことは…。

    SCANDAL

    私が個人的に恋愛において大事だな~と思うことは…。

     結成15周年を迎えた“SCANDAL”が、2022年1月26日にオリジナル・アルバム『MIRROR』をリリース!昨年リリースした「eternal」「アイボリー」「one more time」のほか、新曲7曲を追加した全10曲が収録。今作はメンバーそれぞれが作詞作曲を手掛けた楽曲も収録されております。アルバムならではの楽曲が多数収録されているのでお楽しみに…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“SCANDAL”による歌詞エッセイを4回に渡りお届け。今回は第1弾。執筆を担当したのは、ギターのMAMIです。綴っていただいたのは、自身が作詞作曲を手掛けた収録曲「 愛にならなかったのさ 」のお話。みなさんが恋愛において大事だと思うことは何ですか? 是非、自分なりの“恋とは、愛とは”を考えながら、この歌詞とエッセイをお楽しみください。 「 愛にならなかったのさ 」 この曲は「アイボリー」という曲と同時期くらいにメロディーが浮かんで、どっちに先に歌詞をつけるか考えていたところ、たまたまアイボリーの方が先に書けたからボイスメモ(新規録音#58)として眠っていた一曲。   その時はまだどんな歌詞がついてどんなアレンジになるのかも全くの未定で、なんなら世に出ない(メンバーさえ聴いてない)私の中での所謂お蔵入りという形になっていました。   2021年にリリースしたシングル3曲を作っている間にアルバム制作の話が出て、やばい!ストックがない!今からスピードを上げて作らなきゃ!となっていた時にふと思い出したのがこのボイスメモのこと。あれ、使えるかな? とボイスメモを聴き直して、とりあえず弾き語りのデモを作ることにしました(正直これしかまともなメロがなかったというのもある笑)。   このメロが出来た時のことを思い出して、ただアイボリーとは違う内容にしたかったからもうちょっと何かに限定した内容がいいかなーとか考えて。あー、この時期、恋愛に悩んでる友達が多かったなーなんて記憶もあって。しかもその悩みも複雑だったなー、もし私が同じ状況だったらどうしてるかなー、てか私の過去の恋愛どんなだったっけー。とかとかとか…、色々思い返してたらこの歌詞に辿り着きました。   愛とは、じゃないけどそういうのって価値観がそれぞれ違って、どんな時も一緒にいることが大事だって人もいれば、一緒にいられなくても愛情表現が大事だって人もいると思うし、何もなくたって心は繋がっているって思える人もいると思う(その他もたくさんあると思う、報告連絡相談は大事!とか)。   私が個人的に恋愛において大事だな~と思うことは『見返りを求めない、過度に期待しない、思いやりを忘れない』の3つ。もうこれは無償の愛だと思う、私にはできない笑。相手のことを思うなら好き同士別れる理由なんてない。好きな人ができたわけでもないのに。でも見返りを求めるから、期待しちゃうから、なんか物足りないって思うんだろうね。   これを読んでいるあなたは何が大事だと思うのだろう。 私が無償の愛に近づく日はまだまだ遠いな~。。 <SCANDAL・MAMI> ◆紹介曲「 愛にならなかったのさ 」 作詞:MAMI 作曲:MAMI ◆ 先行配信Single「愛にならなかったのさ」  https://jvcmusic.lnk.to/MIRROR   ◆10th ALBUM『MIRROR』 2022年1月26日発売 【通常盤】CD VICL-65653 ¥3,300(税込) 【初回限定盤A】CD+DVD VIZL-2001 ¥4, 400(税込) 【初回限定盤B】CD+雑誌 VIZL-2002 ¥4, 400(税込) 【完全生産限定盤】CD+DVD+GOODS ※豪華 BOX 仕様 VIZL-2003 ¥11,000(税込)     <収録曲> 1. MIRROR 2. eternal 3. 愛にならなかったのさ 4. 彼女はWave 5. 愛の正体 6. アイボリー 7. 夕暮れ、溶ける 8. 蒼の鳴る夜の隙間で 9. プリズム 10. one more time     bonus track 1. Living in the city 2. SPICE ◆10th Album『MIRROR』予約特設サイト https://www.her-label.com/ MIRROR/

    2022/01/24

  • angela
    がむしゃらに足掻いた先にも、息だけして過ごした日々の先にも。
    がむしゃらに足掻いた先にも、息だけして過ごした日々の先にも。

    angela

    がむしゃらに足掻いた先にも、息だけして過ごした日々の先にも。

     2022年1月21日に“angela”がデジタルシングル「ひとひらの未来」をリリースしました。同曲は長編アニメ作品『永遠の831』主題歌。自分は何者で何処に行くのか。葛藤や不安という誰もが持つ感情や、決断し未来を掴んでいく情動が、オリエンタルなサウンドにより深みのある楽曲に仕上がっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“angela”のatsukoによる歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「ひとひらの未来」に通ずるお話。同曲が主題歌のアニメ『永遠の831』の主人公と自分自身がリンクした部分とは…? 今、夢を追いかけている方。なかなか未来に希望を抱けない方。是非、このエッセイと歌詞を受け取ってください。 未来は必ずやってくる。それはがむしゃらに足掻いた先にも、 息だけして過ごした日々の先にも。 私は18歳で上京し、就職した。そうしたかったわけではなく、歌手になりたいがためにお金をかけず上京し、音楽活動をするための手段として選んだのが就職だったのだ。   angelaの新曲「ひとひらの未来」は、神山健治監督・脚本の新作長編アニメ『永遠の831』の主題歌である。この作品の主人公も同じように上京し、働きながら大学に通っている。自分が何者であるのか? 何のために生きているのか? 誰もが何度も自問自答したであろうこの難問を抱えて、日々生きている。   今思い返しても、十代、二十代は常に不安を抱えながら自分を探していた気がする。そこがこのアニメの主人公に、私が言葉を重ね合わせた核の部分かもしれない。   日本には四季がある。桜が咲けば新年度とともにいつの間にか始まりの場所に立たされ、そしてあっという間に季節は変わる。花はいつでも勝手に咲き季節を進め、散り際、ほのかな切なさを振りまいていく。   私は、未来に希望を抱けない時間をとても長く過ごしてきた気がする。「歌手になる」なんて夢みたいな夢を追いかけたせいもある。ただ、最後のチャンスだと思った「ひとひら」の出会いを繋いでいけたおかげで今もこうして歌っていられるのだ。   未来に希望を抱けなかった時、そこに色はなかったが、未来に希望を抱いたとき、突如として世界が鮮やかさを増す感覚を覚えた。不安はどんな時でも消えることなく心に住み続けているものの、それを包み隠してくれるのが希望なのかもしれない。   東の方向からやってくる明日は、まだ誰のものでもない。ならば自分のものにもできるはずと信じ、そして動く。全ての未来は、選択と行動の先にあることを大人になっていく段階で少しずつ理解してきた。   選択し、行動することで様々な道が開けていくと、例えテレビやネットで言っていても、その事実をまっすぐに受け入れられなかった若い時代。経験していかないと分からないことは、言葉だけでは伝えるのは難しい。   しかし、音楽は違う。少ない言葉でもメロディーにのせることで、スッと入っていく。耳から、心に。   この「ひとひらの未来」も、やわらかな風のように心にそっと寄り添えたら嬉しい。そして「一歩を踏み出してみようかな」と思ってもらえたならば、この曲を生み出した意味があるのかもしれない。 <angela・atsuko>

    2022/01/21

  • nolala
    この曲がきっと、12月に出すアルバムの代表曲になると思った。
    この曲がきっと、12月に出すアルバムの代表曲になると思った。

    nolala

    この曲がきっと、12月に出すアルバムの代表曲になると思った。

     京都発・スリーピースガールズバンド“nolala”が2021年12月15日に1st EP『sequence』をリリースしました。今作には9月に配信リリースされた「生き辛い世の中だ」を含む全5曲を収録。“私の居場所は音楽のあるこの場所だ”。“人生”を感じさせられる1枚となっております。現在は今作を引っ提げたリリースツアーを全国で開催中!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“nolala”による歌詞エッセイを3日連続でお届け。今回が最終回。執筆を担当したのは、メンバーのひな( Dr.Cho.)です。綴っていただいたのは、今作の収録曲 「 生き辛い世の中だ 」のお話。体調もメンタルも最悪だったある日のこと。曲が誕生するまでのエピソードを是非、歌詞と併せてお楽しみください。 確かしんどかったと思う。 朝早いし。 引越し後で部屋汚いし。 生理2日目やし。 結構、何もかもどうでもよかった。 情緒終わってた。 頑張るけど。   機材を抱えて家を出る。 リハーサルスタジオに3人で入った。 千陽ちゃんが新曲を1曲持ってきた。 スマホ画面を見ながら懸命に歌う。 下を向きながら目を瞑って聴く自分に 反して、凝視して聴く美寿々さん。いつも。   やっぱり、この人天才かも。 って曲を持ってくるたびに思ってしまう。   「自分の好き」ぐらい自分で決めるから、 好きじゃなかったら嫌いって言うし、 伝わって欲しいのに、 千陽ちゃんは、「ほんまに言うてる?」って言う。   白か黒。0か100。 ひなの性格なんて知ってるくせに。 それとなく合わせて見るが 何となく上手く行かない。 もっとこうしたら、 みたいなのもこれといって浮かばない。   この部分があのバンドに似ている。 いつもこの構成、コード進行。   この日は、2nd Single "ルームメイト"Relese Tour 2021、奈良編で、奈良NEVERLANDに出演が決まっていたから、ライブのセットリストを一連の流れで通して終了。   結局 曲はボツになった。 てか、した。千陽ちゃんが。 自分が作った曲をボツにできるのも才能だと思う。   時間割いて、 当時の心情を思い出しながら、メロディに乗せて、 それが全部ボツになるって。   自分は、歌うたいじゃないから分からないけど、 組み立てたチャリが誰にも使われずに、 最終廃車になってしまう、的な感覚? まあ、、、、ちがうか   「嘘はつきたくないしな」 口癖のように言ってるから、 何か引っかかる部分があったのかも。 知らんけど。   奈良へ出発する時は、 身体が重かった。 大袈裟に、産まれる?と思った。 こんな情緒で、 お姫様2人の命を預かって、 安全運転出来る自信がなかった。 カメラマン山本寛太に運転を頼んだ。情けない。   一瞬で奈良NEVERLANDにワープして 入りしてすぐにライブのリハーサル。 オープンの時間までの自由時間。 最高のヤニ休憩。 ちなみに、山本寛太には、お礼で水奢った。 水、、、、   「車の中来て」 急に千陽ちゃんからラインで招集され、車へ向かう。 「曲出来たわ!聴いて!」 スマホ画面を見ながら懸命に歌う。 下を向きながら目を瞑って聴く自分に 反して、凝視して聴く美寿々さん。   車の中で20分程度で仕上げてきた曲。 天才なん?やっぱ。 ボツにした曲とは全く違う曲で しかもリハ後に。這い上がる精神、えぐい。   この曲がきっと、 12月に出すアルバムの代表曲になると思った。 し、メンバーも思っていたはず。 いつの間にか自分の情緒は通常運転に。   この情勢のこと、 努力しているのに認めて貰えない、 やりたいことが出来ない、 パワハラ、セクハラ、モラハラ、 障害、セクシャルマイノリティ、外国人 など きっと全人類が感じたことのある気持ちや、生き辛さ。 結論、自分次第なんだ、ということ。   音楽だけで、 人の生活や世界を救うことは出来ない、 だからこそ、生活に寄り添える音楽でありたい。   nolalaの音楽が、あなたの生活の一部になりますように。 「 生き辛い世の中だ 」 生理痛にも効きます。 <nolala・ひな> ◆紹介曲「 生き辛い世の中だ 」 作詞:千陽 作曲:千陽 ◆1st EP『sequence』 2021年12月15日発売 NCJD-10008  ¥1,650(tax in) <収録曲> 1 生き辛い世の中だ 2 天秤 3 piece of 4 大人になったら 5 結び目

    2022/01/20

  • nolala
    誰かのことを分かってあげたい、孤独にさせたくない、味方でいたい。
    誰かのことを分かってあげたい、孤独にさせたくない、味方でいたい。

    nolala

    誰かのことを分かってあげたい、孤独にさせたくない、味方でいたい。

     京都発・スリーピースガールズバンド“nolala”が2021年12月15日に1st EP『sequence』をリリースしました。今作には9月に配信リリースされた「生き辛い世の中だ」を含む全5曲を収録。“私の居場所は音楽のあるこの場所だ”。“人生”を感じさせられる1枚となっております。現在は今作を引っ提げたリリースツアーを全国で開催中!    さて、今日のうたコラムでは最新作を放った“nolala”による歌詞エッセイを3日連続でお届け。今回は第2弾。執筆を担当したのは、メンバーの美寿々( Ba.&Vo.)です。綴っていただいたのは、自身が初の作詞作曲を手掛けた今作の収録曲 「 結び目 」に通ずるお話。傷ついたとき、孤独なとき、たったひとりでも自分のことをわかってくれるひとがいたら…。そんな思いを抱えているあなたに、このエッセイと歌詞が届きますように。 “ちゃんと仕事しています”“しっかり見ています”とアピールするために指示・指導の声が飛ぶような場。どこの職場もそうなんかな? 人の入れ替わりが多いせいでたった数ヶ月で、勤務歴が長い人=ベテランになってしまった。なりたくもない全体を仕切る立場になり、試行錯誤しながらこなす日々。そんな立場になると、できて当たり前。その日その時で状況が違う+次々といろんなことを上から追加され厳しい時ですら、できて当たり前。   ある日、あきらかに無理な時があって、できなくて、叱られた。割ときつめに(全然重要なミスでもないし、過去と同じミスをしたわけでもない)。ご指導を受けたとかそんなありがたい感じではなく、いやーな圧をかけられた感じで。こうすれば良かっただの、こうするべきだっただの。外で見てるだけやからそんなん言えんねん。うち1人が悪いみたいに言ってさあ。   同じ立場の人がいない。1人で抱え込む。 ぐるぐるぐる。 もやもやもや。 ぐさぐさぐさ。 この出来事が私に傷をつける。   ここの長は、私には言ってこないものの、上司に対してきつく荒い言葉 ・嫌味・大きな声を頻繁に飛ばしている。その度に職場全体が縮こまる。今時そんな口調で怒鳴るやついるんやって感じ。 マジでパワ◯ラ。 この環境が私の傷に塩を塗ってくる。   ポジティブな私ですらさすがに気が落ちに落ちきって、心が砂まみれの石に。今にも粉砕しそうな状態だった。   それがある日、私が傷を負った あの日のことを知っている1人がひとこと。   「あれはできなくて仕方なかった」   その言葉を聞いた瞬間、急にどばどば涙が溢れ出てきた。職場の事務所で。大人やから うっ… と抑えて静かに涙してたけど、   「うあああん!そうやんなあああ…!うち、うちが、、!うちが悪いみたいな感じで、、!めっちゃ責められてさああああ…!うあああああん…!!!泣泣泣」   って感じで内心は号泣。 水を得た魚みたいな。使い方違うな笑。   たった1人でも分かってくれる人がいたら、たったひとことでも声をかけてもらえれば、こんなにも救われるんやって。気付いた。実感した。あの日のことを綺麗に消化できたというだけでなく、一瞬にして何かに包まれた感じがした。   仕方なかったよね。 頑張ったね。 今日もお疲れ様。 応援してるよ。   そう想われているというだけで、自分自身はなにもしていないけどHPを保っていられる。自分も誰かのことを分かってあげたい、孤独にさせたくない、味方でいたい。   1st EP『sequence』を作るにあたって、nolalaの美寿々として初めて作詞作曲をすることになったわけですが、どんな曲を書こうか考える間もなく自然とこの気持ちが溢れ出てきて歌詞にしました。   ライブでみんなに歌いたい。 曲を聴いて、心に、御守りにでもしてほしい。   タイムリーに今感じている想いと、そもそも私がなんで音楽をしているのかという核心部分の想いをも同時に詰め込むことができた、初めての作品に相応しい曲になったと思います。   「 結び目 」/nolala   <nolala・美寿々> ◆紹介曲「 結び目 」 作詞:美寿々 作曲:美寿々 ◆1st EP『sequence』 2021年12月15日発売 NCJD-10008  ¥1,650(tax in) <収録曲> 1 生き辛い世の中だ 2 天秤 3 piece of 4 大人になったら 5 結び目

    2022/01/19

  • nolala
    バンド人生の終幕まで残り4ヶ月となったところで急に光が差した。
    バンド人生の終幕まで残り4ヶ月となったところで急に光が差した。

    nolala

    バンド人生の終幕まで残り4ヶ月となったところで急に光が差した。

     京都発・スリーピースガールズバンド“nolala”が2021年12月15日に1st EP『sequence』をリリースしました。今作には9月に配信リリースされた「生き辛い世の中だ」を含む全5曲を収録。“私の居場所は音楽のあるこの場所だ”。“人生”を感じさせられる1枚となっております。現在は今作を引っ提げたリリースツアーを全国で開催中!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“nolala”による歌詞エッセイを3日連続でお届け。今回は第1弾。執筆を担当したのは、メンバーの千陽( Gt.&Vo.)です。綴っていただいたのは、バンドを辞めようと思っていた頃から、今作 『sequence』にたどり着くまでの想い。そしてこれからへの意志。是非、歌詞と併せてこのエッセイを受け取ってください。 バンドは、もう辞めようと思っていた。 いつからだろう、ここ最近の話ではなく もう2年くらい前からかなぁ。   好きな人を追いかけてギターをはじめ 元彼を見返すために曲を書き ずっとバンドに夢中だった。 特にここ数年は特別ハードなスケジュールで日々を過ごし 自分なりに精一杯、本当に精一杯頑張っているつもりだった。   でも売れていく後輩、 それと反するように評価されなくなっていく自分の曲。 正直、恥ずかしかった。 プライドはもうズタボロだった。   バンドを辞めない私に痺れを切らした親に家を追い出され 自分の気持ちを伝えられずメンバーとも距離ができ 曲が書けなくなり心が限界に達した時 「バンドを辞めたい」 そうメンバーに伝えた。   了承は得られなかったものの、 自分の中では終わるための活動が始まる。 「私にはもう何も残らない」 「頑張ってきたものが全て無になる」 そんなことを思いながら バンド人生の終幕まで残り4ヶ月となったところで 急に光が差した。   「私たちの事務所と一緒に頑張っていきませんか」   すぐに受け入れることが出来ず 私はとにかく辞めるための理由を探す。   自分の年齢 自信 親の反対 環境 辞める理由は十分に集まった。   でも ここまで頑張ってきたこと メンバーの想い 支えてくれた沢山の人の言葉 そして自分の夢 全てが気持ちを引っ張っていく。   四六時中考えた。 悩んだ。 食事が喉を通らない というかそもそも食事という存在を忘れるほど とにかく悩み、悩んだ。   本当にこれでいいのか ここで終わってもいいのか 辞めようと思った直前に事務所から声がかかるなんて そんな奇跡のようなことが起きているのに。 続けられる方法はあるんじゃないか そもそも 自分が辞めたい理由って本当はどれなんだろう? ひとつひとつ洗い出した。   そして結局 「言いたいことが言えない」 それにより心に溜まった沢山の石を 抱えられなくなったからだ ということに気づいた。   全ては自分自身の問題で それを隠すために環境や親のせいにして 辞めようとしていたんだ。 メンバーや支えてくれたみんなの気持ちも考えずに。   私はもう一度この光を背に 夢を追いかけることにした。 メンバー一人一人に気持ちを伝え 前より一層固い絆になったことを確信した。   待たせてごめん。 もう一度頑張ってみたい。   そこから、再スタートに向けて曲作りが始まる。 『sequence』 ここから私たちは再び出発します。 親にはまだ、言えていない。 < nolala・ 千陽> ◆1st EP『sequence』 2021年12月15日発売 NCJD-10008  ¥1,650(tax in) <収録曲> 1 生き辛い世の中だ 2 天秤 3 piece of 4 大人になったら 5 結び目

    2022/01/18

  • Ms.OOJA
    心のドアをひらいていれば、会えない人にもきっと会える。
    心のドアをひらいていれば、会えない人にもきっと会える。

    Ms.OOJA

    心のドアをひらいていれば、会えない人にもきっと会える。

     メジャーデビュー10周年を迎え、2022年3月27日(日)に初の日本武道館単独公演開催を発表した“Ms.OOJA”が、2月16日にベストアルバム『10th Anniversary Best ~私たちの主題歌~』をリリース!1月16日には先行配信シングルとなる新曲「Open door」をリリースしました。ドラマティックでどこか懐かしさを感じさせるサウンドに、Ms.OOJAの伸びやかでエモーショナルなヴォーカルが印象的な楽曲で、これまでとこれからの決意を感じるメッセージが込められた1曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな“Ms.OOJA”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 Open door 」のお話です。Dr.R Sakaiと麦野優衣とのコライトによって制作され、歌詞ははるか遠い宇宙をさまようような感覚で生まれたという楽曲。あなたにとってのたくさんの愛を、もう会えない誰かを、思い浮かべながらこのエッセイを受け取ってください…! みなさま、こんにちは。Ms.OOJAです。2022年ですね、、、ついに2022年になってしまいました。未来は必ず今になってそして過去になる。そうはわかってはいても、ついに来てしまったか、、、と身が引き締まる思いで2022年を迎えました。   そうです、3月27日(日)、Ms.OOJA初の日本武道館単独公演がついに迫ってきたからです。ゲストも続々と発表になり、具体的にいろんなことが進んで来て、さらに頑張っていこうという気概に満ちた思いであります。   そんな中、1月16日にリリースされたのがMs.OOJA連続配信第12弾の新曲「Open door」です。10周年企画ということで昨年の2月16日から毎月様々な弾を打ち続けて来たMs.OOJAですが、この曲はまさに今、そしてこれからの私を表現した曲になりました。   昨年12月にリリースされた「Who Are You」と同時期に制作をしたんですが、「Who Are You」がコンセプチュアルな楽曲だったのに対して、「Open door」は本能的に書いた曲と言えます。   今作は数々の曲を生み出して来たDr.R Sakaiと麦野優衣とのコライト。制作時、スタジオに入るまでに「こんな曲作りたい!」というイメージをして入る時もあれば、全くノープランでスタートする時もあって、「Open door」は後者でした。   近年の制作は「普遍的である」ということを大切にしています。しかし普遍的と言ってもその感覚は人それぞれ。あくまでも自分の中の普遍性というものを軸にしながら、決してひとりよがりにならない音楽を目指しています。 その軸がピタッと合うこのお二方との制作はいつも楽しく、その能力の高さと音楽に対する情熱に助けられてばかりです。   そんな信頼できる二人との制作だったこともあってか、私の意識はこの時はるか遠い宇宙をさまよっていたような感覚があります(笑)。歌詞を書いていると、思考より先に無意識が言葉を紡ぐことがあって、この時もメロディーが出来上がる前に冒頭の<立ち止まり足元を見れば 曲がりくねった道の上 守れなかったものたちとも どこかでまた会えると>、 <冷たい水の中を泳いで 感覚さえなくしたまま 見つけたぬくもりに生きていく 強さを感じていた>の部分を、宇宙をさまよいながら(笑)、自身のPCに打ち込んでいました。それが酒井さんの作ったトラックと麦野ちゃんが生み出したメロディーにピタリとハマったのです。なにか運命的なものを感じました。   2021年9月に長年一緒に暮らしていた愛猫が天に召されました。私のすべてのような存在でしたから、深い悲しみに暮れ、大人になって初めて声を上げて泣きました。その深い悲しみの底まで落ちたときに、何かあたたかなものに触れた気がしました。   それは今までその子がくれたたくさんの愛でした。姿形はなくても数え切れないほどの場面が私の中で生き続けていました。そして悲しみは幸せだったことの証なのだと気付きました。たくさんの愛が私の人生には満ちていて、まさに消えない歌のように響き続けている。愛猫が残した悲しみはそう優しく教えてくれました。   心のドアをひらいていれば、会えない人にもきっと会える。無意識が紡いだ言葉が私の思考を越えて未来に繋がっていく。その扉の向こうはきっと光で満ち溢れている。   「Open door」一人でも多くの方の心の支えになれたら嬉しいです。 <Ms.OOJA> ◆紹介曲「 Open door 」 作詞:Ms.OOJA・Yui Mugino・Ryosuke“Dr.R”Sakai 作曲:Ryosuke“Dr.R”Sakai・Ms.OOJA・Yui Mugino

    2022/01/17

  • LACCO TOWER
    優しくて痛くて意味のある嘘を。
    優しくて痛くて意味のある嘘を。

    LACCO TOWER

    優しくて痛くて意味のある嘘を。

     2021年12月8日に“LACCO TOWER”がニューアルバム『青春』をリリースしました。すでに発表されている「閃光」「無戦無敗」「罪」「化物」「約束」をはじめ、タイトル曲「青春」を含む新曲7曲が加わった全12曲が収録。レコ発全国ワンマンツアー<青春旅行>も開催!2022年1月15日、ホームの群馬・高崎clubFLEEZ公演を皮切りにスタート!    さて、今日のうたコラムでは最新作をリリースした“LACCO TOWER”の松川ケイスケによる歌詞エッセイをお届け!今回が最終回。今作の収録曲「 嘘 」に通ずるお話です。彼がずっと後悔しているあの日の嘘。みなさんは誰かのために嘘をついたことはありますか? 一体それはどんな意味を持ちましたか…? 是非、そんな記憶も思い浮かべながら、このエッセイと歌詞を受け取ってください。 吐息が形を作る冬。この季節になると思い出す。 あの時をずっと後悔している。   私は学生時代、バスケットボール部に所属していた。当時、流行真っただ中にあった『SLAM DUNK』の影響をもろに受けた我々世代の8割強の男子は、中学に上がると同時に「流川になりたい」という夢を思い描いたに違いない。私もその一人だった。   新1年生部員は皆仲が良かった。初めての先輩、初めての後輩、初めての練習試合、初めての遠征、勝利、敗北。その全てが純粋で無垢できらきらと輝いていたかのように思う。   皆小学生に毛が生えた程度の年齢だ。仲の良いメンバーでも当時からちょっとした喧嘩や、なんとなく話さなくなる事はちらほらあった。ただやはり皆仲は良かったように思う。そんな学生生活を1年ほど送っていたある日、何がきっかけかは分からないが、バスケットボール部でいつもつるんでいたメンバーの一人が顔を見せなくなった。次第に放課後会う事もなくなり、皆連れ立って買い物に行く事もなくなり、次第に彼の悪い話が耳に入るようになった。しかも何か悪い事をした話ではない。なんとなく「うっとうしい」と思われているようなのだ。   中学校から少し歩いた所に、我々がよく溜まっていた公園があった。マンションのふもとにあるその場所は、この辺りでは珍しくネットの張られたバスケットゴールを有するハーフコートと、そのネットをハーフラインから見つめるようにトーテムポールが立っている奇妙な場所だった。その公園のあるマンションに、彼は住んでいた。   いつからだろうか、そういえば彼がコートに来る事はなくなり、その場所に彼がいた事を噂で聞くようになり、その頃にはほとんど彼とは話さなくなっていた。そんな折、たまたま彼と出くわす機会があった。冬休み直前、私は彼女と待ち合わせをして下校した。その帰り道だった。彼はおもむろに   「、、なぁ、みんなからなんか聞いてる?」   と私に話しかけた。   今思えば、彼の「なんか」には恐らく色んな意味が含まれていただろう。 「俺の事悪く言ってる?」 「皆どんなかんじなの?」 「何かした?俺」。   でも私は   「んー、、。知らんよ?」   と適当な返答をした。恐ろしく曖昧で意味のない保身に溢れた嘘を。   あの日からこのコラムを書く今日現在まで、正直彼の事は忘れていた。ただ今になって、あの時の嘘が酷く恥ずかしい。何と無責任に酷い事を言ったのだろうと。   自分自身が痛みを伴い、相手に優しさを与え、それが何かの意味になる嘘を、私は今までいくつついてきたのだろう。消えると知って燃やすマッチは、それでも一瞬の暖かさを与えてくれる。真冬の空の下で、私は彼にマッチどころか毛布を掛ける事さえしなかった。自分自身が凍えてしまうような気がしていたから。   誰かの為につく嘘は、果たしてただの嘘なのだろうか。それとも一筋の光を見せる励ましや優しさなのだろうか。願わくば、どうかこれから先は、私自身、後者のような嘘をつけるようになりたいと思うのだ。     全3回の「青春」コラム。乱文駄文にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。皆様の青春が素晴らしいものである事を心から願っています。 <LACCO TOWER・松川ケイスケ> ◆紹介曲「 嘘 」 作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER ◆ニューアルバム『青春』 2021年12月8日発売 <収録曲> 1 青春 2 化物 3 証明 4 嘘 5 閃光 6 独白 7 口紅 8 罪 9 渦巻 10 約束 11 無戦無敗 12 雪

    2022/01/14

  • 古川本舗
    曲を作るときの作詞の段取りについて話してみようと思います。
    曲を作るときの作詞の段取りについて話してみようと思います。

    古川本舗

    曲を作るときの作詞の段取りについて話してみようと思います。

      2021年11月24日に“古川本舗”が新曲「Ordinaries feat.古川亮」を配信リリース。楽曲制作、MV制作、ジャケット制作など多岐にわたる創作活動をするマルチクリエイター・フルカワリョウによる音楽プロジェクト・古川本舗。5年の沈黙を破り、活動再開した古川本舗の復帰後3曲目となる「Ordinaries feat.古川亮」は、何気ない、いつもの日常を“古川亮”自身の声で奏でる1曲となっております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“古川本舗”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、今作「 Ordinaries feat.古川亮 」に込めた想いと、自身の作詞工程についてのお話です。歌詞が完成するまでの9つの手順を是非、今作と併せて、お楽しみください。 あけましておめでとうございます。古川です。   昨年6年ぶりに活動を再開しました。活動を再開してから早1年。個人事務所を立ち上げ悪戦苦闘しつつ、今日もドタバタしてます。   昨年11月の終わりに、復帰後三曲目となる楽曲「 Ordinaries feat.古川亮 」をリリースしました。活動再開前は割と歌詞に関しては、曲の世界の中で完結するのが望ましいと思って作っていましたが、この曲あたりから、少しずつ、「どう日常や普段の生活と接点を持たせるか」みたいなことを考えるようになりました。なんとなく古川の曲としても不思議な立ち位置な曲になった気がしています。是非聞いてみてください。     さて、今日は歌詞エッセイということで、何について書こうかなあと思ったのですが、普段曲を作るときの作詞の段取りについて話してみようと思います。     作詞に関しては、通常まず、譜割りに合っている気持ち良さを担保するところから始まります。譜割りに無理がある曲ってどうしても聞いてても歌ってても「?」と思う瞬間があります。   例えば、どうしても4文字(4音)必要な歌詞があったとして、そこに3文字の歌詞を詰め込むような場合です。   ◎おにぎり ×うどおん   どんな歌詞やねんと思われそうですがたとえ話です。この場合どうしても「うどん」というワードを使いたい場合、母音を無理やり伸ばして譜割りに合わせるのですが、基本的にはこういうことにならないように作詞する、ということが大事だ。ということです。   とはいえ、最初からそんなことを考えるわけではありませんし、そううまくもいきません。ので、自分では作詞の際、ある程度作業をフォーマット化して行っています。僕は曲と詞だと完全に曲が先なので、以下のような手順で作詞をしています。   1.ある程度、弾き語れるところまで曲を作る。 2.英語とも日本語とも取れないような謎言語で弾き語り、録音。 3.②の中で意味が通る文章、単語をピック 4.そこから膨らませて文章作成。この時点では譜割りは一切無視。 5.譜割りに当てはまるように修正。 6.特徴的な文言などを言い換えたり、置き換えたりして修正。 7.文章として成立するように感嘆符、句読点などを追加。 8.再度弾き語り、録音して違和感なければOKとする。 9.次の日聞き返して捨てる。   ⑨にたどり着かないようにゴールするのが望ましいですが、そんな甘い話はなかなかないですね。   上の手順の中でポイントになるのは③の工程です。適当な言葉で唄いながらメロディをなぞることを何回か繰り返す。1ワードくらいはメロと歌詞が劇的にハマる単語や文章が出てくるものです。僕はこれを「曲が呼んでいるワード」ととらえていて、基本的にそこから膨らませて歌詞を作る、ということをしています。なので、テーマを決めて書く、とか対象を決めて書く、ということはあまりありません。   話が前後しますが、1つずつ説明しますと、   1.ある程度弾き語れるところまで曲を作る。   言うまでもありませんが、作っているものは詩ではなく歌詞なので、最終的に曲にならないと話になりません。まずは歌メロを仮でもいいので確定させ、歌える状態にする。というところから始まります。最終的に歌詞を優先してメロを変えることもたまにあります。   2.英語とも日本語とも取れないような謎言語で弾き語り、録音。   歌詞エッセイでいうようなことではないですが、基本的に英語だろうが日本語だろうがどっちでもいいと思っています。重要なのは歌として発声した時の気持ち良さ、みたいなのが最上位のプライオリティだ、ということです。   たまに一部、英語歌詞はかっちょよくない、というような話を出してくる人もいたりします。作詞をしている方全般にお伝えしたいのですが、そういう手合いは一切無視でOKです。ただ、英語なら英語、日本語なら日本語で統一されている方が、歌のリズム的には正しくなり、気持ち良さ的には上がるのではとは思います。   3.②の中で意味が通る文章、単語をピック   上で書いている項目です。これが出てこなかったら①に戻ります。どうしても出てこない場合はお蔵になることが多いです。   4.そこから膨らませて文章作成。この時点では譜割りは一切無視。   この時点で譜割りを考えだすと、所謂「ダサい歌詞」になりがちな気がします。この工程で作るのが「世界観」と呼ばれるものの正体かなあと思っています。世界観、というとらえ方とはあまり好きではないので、そこの良し悪しについて特別気にすることはないですが、曲の雰囲気と、この段階での文章の雰囲気が一致しているか、は気にします。   5.譜割りに当てはまるように修正。   ここは割と機械的にやります。文字数を数えてあってるかどうか、母音伸ばしてみたいなのをやってないか、みたいなことをチェックして潰す作業です。ただ、全くなければそれでよいというわけでもないので、ワードのハマり的に問題なければ残したりもします。   6.特徴的な文言などを言い換えたり、置き換えたりして修正。   ここには割と時間をかけます。歌詞の個性を作るパートだと思っています。「Ordinaries」で言えば<溜息を燃やす>などの表現ですが、あえてダサいワード(ブラリと歩いた等)なんかを入れたりもします。読んだ時に「ん!」か「ん?」と思わせたら勝ちです。   7.文章として成立するように感嘆符、句読点などを追加。   ここは僕の個性となるところなような気がしますが、歌詞ができたら必ずこれはします。文章としての美しさ、みたいなものが生まれているかどうかを確認するための句読点と、音だけで表現しきれない歌詞の感情みたいなものを表現するための感嘆符の位置づけです。   音だけで表現すればよいのでは、と思われそうですが、自分の中では音は音として表現する領域があり、歌詞は文章として表現する領域があって、その二つは必ずしも一致している必要はないと思っています。一致していてもしていなくても別の深みの出方がある、という認識です。   8.再度弾き語り、録音して違和感なければOKとする。   本当はここに最終工程として「一度歌詞カードを作る」があるのですが、それはどちらかというと個人的な趣味みたいなものなので省きます。文章としてレイアウトした時にカッコいいかどうかを見ます。何が基準で良し悪しが決まるのかは自分でもよくわからないです。     9.次の日読み返して捨てる。   8割こうなります。こうならないように頑張ります。       というような段取りで古川の歌詞はできております。ポイントとなるのは「表現したい内容」が先にある、というわけではなく、ぼんやりと「表現しようとしていることに形をつけていく」作業工程だ、ということでしょうか。   その結果、出来上がったものが何を表現するものと呼ぶのがふさわしいか、みたいなことを考えて、修正したり加筆したりするようにしています。   そして今回、11月にリリースした曲「Ordinaries」が表現したのは「日常」でした。なんでもない一日が素晴らしい、というような含蓄のあるような話でなく、「きょうは なんか ふつうの ふつうの ひ でした。」というだけの曲です。それを素晴らしいと思うか退屈だと思うかはわからないですが、少なくとも悪い日ではなさそうです。そういう一日に少しだけ光と色を添える楽曲であればと願います。 <古川本舗> ◆紹介曲「 Ordinaries feat.古川亮 」 作詞:古川本舗 作曲:古川本舗 

    2022/01/13

  • reGretGirl
    悲しいかな、離れてしまっても生活も人生も終わらない。
    悲しいかな、離れてしまっても生活も人生も終わらない。

    reGretGirl

    悲しいかな、離れてしまっても生活も人生も終わらない。

     2021年12月29日に“reGretGirl”が1st EP『生活e.p.』をリリースしました。作詞・曲を手掛ける平部(Vo.)が得意とする「リアリティのある失恋ソング」を追求した全4曲を収録。楽曲世界の舞台は、アートワークでも写っている平部の地元、大阪・和泉府中です。この地で起こった“一つの恋の終わり”を追体験できるような内容となっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“reGretGirl”の平部雅洋による歌詞エッセイを2週連続でお届け。今回は【後編】です。綴っていただいたのは、3曲目「 LDK 」と4曲目「 オールディーズ 」のお話。それぞれの歌の“生活”がより鮮やかにくっきりと見えてくる歌詞エッセイ。是非、歌詞と併せてお楽しみください。 ―「生活e.p.」後編   ~M.3「 LDK 」~   “できる時にできる人がやる”制度で行う家事も気がつけば家にいる事が多い僕の仕事になっていた。メイク道具を前に朝の顔から昼の顔へ変わっていく様子を眺めていると、今日の天気予報がテレビから聞こえてくる。午後から雨が降るらしい。   バタバタと家を飛び出していく姿を見送り、洗濯物を部屋に干しはじめた頃、「傘忘れた…(泣)」と連絡が入る。「また?(笑) 帰り駅まで迎えにいくから今日も仕事がんばっといで」と機嫌を取るような日々を送っていた。   ふたり同じリズムで過ごしていくうちに、見えるようになったものと、見えなくなっていくものがあった。顔には出さない不安は部屋の彼方此方に隠れていて、共に暮らす様になるまで気が付かず、全てを曝け出せない君の思いやりの様なものは、毎日一緒にいるのに遠くにいるように感じさせた。   美味しくできあがった日も美味しくできなかった日もその料理の愛情を食べているのだと思えば、それだけで毎日が満たされていたはずだったのに。     ~M.4「 オールディーズ 」~   新しい靴を買った。帰り道に見た夕焼けが綺麗だった。誰かに見せるわけでもない写真を撮ってしまうのは、以前は見せる相手がいたからで、今は写真を撮る癖だけが残っている。   「アナタは本当優しいから」と言った君の優しさが、耳元を飛び回る羽虫のブーンという音の様に鬱陶しく頭の中で鳴り続ける。見上げた夜空は雲ひとつなく澄んでいて、半分に欠けた月明かりが窓から差し込む。眠れない夜は美しい光を浴びても報われはしない。“取り戻す”という救われる唯一の方法は有るはずなのに無いに等しいからだ。   色褪せるしかない記憶の干渉に浸っているのもどうせ僕だけなのだろう。同じ時間を同じだけ過ごして来たのに、どうしてひとりで打ち拉がれているのだろうか。いくら足掻いても無かった事にはできないのに、どうして僕を置いていったのだろうか。     生活は都合良く変貌しなかった。お互いの人生を委ね合う覚悟と責任から逃れようと、必死で抱き合った日々には虚無が待ち構えていて、臆病な愛情は日常の上で静かに崩壊していく。か細い一本の糸でしか繋がれないふたりは、「ずっと一緒にいられる」と己に嘘をつき、薄っすら遠くに見え続ける終わりに向かって歩いていた。“あの時つき合った嘘”とは互いが自分についた嘘だったのだ。   悲しいかな、離れてしまっても生活も人生も終わらない。“Life goes on”ふたりの人生は交わらない別の所で続いてゆく。   <reGretGirl Vo./Gt 平部雅洋> ◆紹介曲 「 LDK 」 作詞:Masahiro Hirabe 作曲:Masahiro Hirabe 「 オールディーズ 」 作詞:Masahiro Hirabe 作曲:Masahiro Hirabe ◆1st EP『生活e.p.』 2021年12月29日発売 完全限定生産盤 COCP-41654 ¥3,850(税込)   <収録曲> 1.ロードイン 2.シャンプー 3.LDK 4.オールディーズ

    2022/01/12

  • Tani Yuuki
    似ているからこそぶつかり合う、違うからこそわかることもある。
    似ているからこそぶつかり合う、違うからこそわかることもある。

    Tani Yuuki

    似ているからこそぶつかり合う、違うからこそわかることもある。

     YouTubeやTikTokでの活動を軸にストリーミング再生累計1億回超えを果たした、23歳のシンガー・ソングライター“Tani Yuuki”。2021年12月8日に1stアルバム『Memories』をリリースしました。今作には、シングル曲「Myra」「Unreachable love song」「W/X/Y」や新曲を含む全14曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな“Tani Yuuki”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、今作の収録曲「 W/X/Y 」のお話です。タイトルは、染色体の女性WX(XX)と男性(XY)が掛け合わされていて、細胞レベルの恋を歌うこの曲。描かれている<僕>と<君>の物語や感情がより鮮明に見えてくる歌詞エッセイを是非、歌詞と併せてお楽しみください…!   朝、香ばしく温かい匂いで目が覚めた。大きなあくびをしながら「おはよう」と僕が言うと、視界の外から山彦のように「おはよう」と返ってきた。寝癖と寝巻きで着飾った君が2人分のトーストを焼いている。僕はその横で2人分のコーヒーを淹れた。   机の前に並んで腰を下ろし、かったるい口で「いただきます。」垂れ流しのテレビからはニュースが聞こえている。それを右から左へ聞き流しながら朝食を頬張り、開かない喉にコーヒーで流し込んだ。食事が終わると君の食べっぱなしの食器を片付け、一週間たっぷり溜め込んだ洗濯物をやっつけようと風呂場へ向かう。   その途中ふと、目をやると、脱ぎ散らかした寝巻きが足跡のようにクローゼットへ続いていた。ため息を一つ落とし、一歩一歩辿るように拾い集め洗濯機にダンクシュートを決める。その不意をついて後ろから君が抱きついてくるまでがいつもの流れだ。   家事がひと段落するとガラッと空いた予定に胸が高まった。君も同じだった。なんでもできる、なにをしようか? 今日は休日、晴れ、あえて外に出ないなんてのもありだ。ゆっくりと時間は流れ、陽が昇っていく。2人で買った置き時計と日陰の向きが正午を知らせていた。   映えないスナックとアルコールを傍に、映画を見る。贅沢な時間だ。膝にかけたブランケットからは君の体温が伝わってくる。初めは感情を揺さぶってきた光るお伽話も、いつしか心地よい子守唄に変わり、まどろみを抱く中、ひとときの特別を噛み締めていた。   何かに気づいたようにハッと目を覚ますと映画は終わり、陽は傾き、半分こしていたブランケットはいつの間にか君の胸元までかぶさっていた。夜が冷やした部屋の空気に身震いをし、はだけたブランケットをそっと君の肩まで戻す。   僕らは似ているようで全然違う、全然違うようでどこか似ている。君の寝顔を見つめながら幸せと、あらぬ不安を抱き涙が出た。   この先、最高と呼べる瞬間も、最悪と言える瞬間も幾度となく繰り返すだろう。その度に拳は開いてあいこでしょ、酸いも甘いも半分こしよう。似ているからこそぶつかり合う、違うからこそわかることもある。噛み合わないのなら一歩ずつ寄り添ってみよう。それでもダメなら割り切っていこう。至らない僕でごめんね、いつもありがとう。2人対の細胞、ずっと一緒にいよう。W/X/Y <Tani Yuuki> ◆紹介曲「 W/X/Y 」 作詞:Tani Yuuki 作曲:Tani Yuuki  ◆1stアルバム『Memories』 2021年12月8日デジタルリリース   <収録曲> 01決別の唄 02.W/X/Y 03.おかえり 04.Myra 05.非lie心 06.Unreachable love song 07.Night Butterfly 08.油性マジック 09.百鬼夜行 10.曖昧ミーマイン 11.愛言葉 12.記憶 13.We are free 14.Life is beautiful  

    2022/01/11

  • reGretGirl
    生活の上に成り立つのが恋愛で、恋愛に振り回されるのが生活だ。
    生活の上に成り立つのが恋愛で、恋愛に振り回されるのが生活だ。

    reGretGirl

    生活の上に成り立つのが恋愛で、恋愛に振り回されるのが生活だ。

     2021年12月29日に“reGretGirl”が1st EP『生活e.p.』をリリースしました。作詞・曲を手掛ける平部(Vo.)が得意とする「リアリティのある失恋ソング」を追求した全4曲を収録。楽曲世界の舞台は、アートワークでも写っている平部の地元、大阪・和泉府中です。この地で起こった“一つの恋の終わり”を追体験できるような内容となっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“reGretGirl”の平部雅洋による歌詞エッセイを2週連続でお届け。今回は【前編】です。綴っていただいたのは、1曲目「 ロードイン 」と2曲目「 シャンプー 」のお話。それぞれの歌の“生活”がより鮮やかにくっきりと見えてくる歌詞エッセイ。是非、歌詞と併せてお楽しみください。 ―「生活e.p.」前編   はじめに、「生活e.p.」をリリースし、歌ネットでこの歌詞エッセイを二回に渡り掲載させていただける事に感謝を述べたいと思います。エッセイやセルフライナーノーツのように作品の解説を行なっている感じはないのですが、「生活e.p.」を聴くにあたり、作品をより良い方向に掘り下げられる文章になっているかと思います。     生活の上に成り立つのが恋愛で、恋愛に振り回されるのが生活だ。切っても切れない関係は、身がすくむ程心地よく、その尊さに怖気付いてしまいそうになるのだ。   ~M.1「 ロードイン 」~   「―まもなく2番線に20時9分発、関空紀州路快速、関西空港、和歌山方面行きが8両で参ります。危ないですのでホーム黄色の線より内側にお下がりください。電車の到着が遅れました事を深くお詫び申し上げます―」   JR阪和線は数分遅延し、仕事帰りの君を乗せ2番ホームに到着した。改札の向こう側から僕を見つけ、パッと表情に華が咲く。小走りで駆け寄り、「今日はどうする!?どこ行く!?何食べる!?」と息をつく間も無く投げつけてくる言葉が、この瞬間をいかに待ち望んでいたかを思わせ頬が緩んだ。主人に飛びつく子犬の様なその姿を肴に一杯飲めてしまえそうで、これから深くなるであろう夜への期待は高まった。   「金曜の夜は最強」らしい。調子良く飲み進めるのに付いて行くのがやっとで、よく二軒目に利用する店に入る頃、僕はかなり酔っ払っていた。「ひとりで酔うと虚しくなるのに一緒に酔うと本当に楽しいよな」と毎回言ってしまう。「わかった、わかった」と軽くあしらいながらも、目尻が下がりニヤニヤしている顔を見ると、君も酔っているのだなと思えて嬉しかった。皿に溜まっていくピスタチオの殻は、帰る時間を知らせているようで「続きは家で飲むか」と席を立ち上がった。アーケードをフラフラ歩く僕らの手はしっかり繋がっていた。     ~M.2「 シャンプー 」~   風呂上がり、君の髪を乾かす事が僕の一日で一番重要な仕事だった。   「あとでまた使うから」とコードを繋いだままのドライヤーは、会社のビンゴ大会で当てた高級なものだ。鏡の前の椅子に座らせ「お客さん今日はどんな感じでヤっちゃいます?ちょっと冒険しちゃう?」と鼻に付く話し方をするといつも笑ってくれた。   櫛を片手に丁寧に。ワンレンボブヘアーの毛先は内巻きに。ドライヤーの騒々しい風音の中、「なんて??」「なんも言ってないで!!」的なふたりしか笑えないお決まりのやりとり。コンタクトを外した目はどんどん眠たそうになっていく。永遠に続くかの様にゆっくり流れる夜の時間を贅沢に使い、髪が乾く頃には半分眠っていた。   “きっと明日も”がドライヤーの風と共に舞い上がる、ふたりは同じ髪の匂いがしていた。   <reGretGirl Vo./Gt 平部雅洋> ◆紹介曲 「 ロードイン 」 作詞:Masahiro Hirabe 作曲:Masahiro Hirabe 「 シャンプー 」 作詞:Masahiro Hirabe 作曲:Masahiro Hirabe ◆1st EP『生活e.p.』 2021年12月29日発売 完全限定生産盤 COCP-41654 ¥3,850(税込) <収録曲> 1.ロードイン 2.シャンプー 3.LDK 4.オールディーズ

    2022/01/07

  • LACCO TOWER
    指から湧き出る刃物をもって。
    指から湧き出る刃物をもって。

    LACCO TOWER

    指から湧き出る刃物をもって。

     2021年12月8日に“LACCO TOWER”がニューアルバム『青春』をリリースしました。すでに発表されている「閃光」「無戦無敗」「罪」「化物」「約束」をはじめ、タイトル曲「青春」を含む新曲7曲が加わった全12曲が収録。レコ発全国ワンマンツアー<青春旅行>も開催!2022年1月15日、ホームの群馬・高崎clubFLEEZ公演を皮切りにスタート!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“LACCO TOWER”の松川ケイスケによる歌詞エッセイをお届け!今回は第2弾。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 罪 」に通ずるお話です。わたしたちのすぐそばにある「インターネットくん」のおかげで出来るようになったこと、そして、使い方によって生まれる罪とは。是非、歌詞と併せてこのエッセイを受け取ってください。 皆さん、今は携帯電話を見ているだろうか。それともパソコンの画面を見つめているだろうか。どちらにせよ、この記事は「インターネット」を介して皆さんに届けられているかと思う。   インターネットの起源は米国から。主に大学・研究機関間を接続するネットワークの構築から始まり、そこでの論文や研究データの交換という非営利用途を主として作られた。今現在、衣食住と並ぶほど必要不可欠になったネット。人間という人生を歩む中で、切っても切れないものになってしまった事は言うまでもない。   我々はちょうどこの「インターネットくん」をデビューから見守ってきた世代だ。もてはやされ、重宝され、可愛がられ、応援され、いつしかその使い方が多様化し大人になっていく様を一緒に歩んできた。   大人になっていく中で、沢山の経験をした。誰かにフラれ、誰かに恋し、誰かとぶつかり、誰かに裏切られる。その全てが自分の目の前だけではなく、画面の中で行われ始めた(まさに始まった)事も、我々世代特有の経験値の一つだろう。   我々は言葉で、力で、何かを壊す事が出来る。同様に何かを愛し、慈しむ事が出来る。人によってその大きさは違い、それが恋人だったり、家庭だったり、会社だったり、国だったりする。   その言葉や力に「指」という刃物が加わった。「インターネットくん」の魔法のおかげで、我々は指だけでカンタンに誰かの背中に刃物を突き刺す事が出来るようになった。使い方を守るだけで温かい料理を提供する事だって出来るようになった。   誰かに傷つけられた時、「なぜ自分だけこんなに傷つかないといけないのだろう」と思う。でももしかしたら、傷つけた人は「何で私の痛みをあなたは分かってくれないの」と思うのかもしれない。所詮傷は結果である。その道程を知り合い分かち合う事が重要であり、そして困難なのではないだろうか。かくいう自分も、知らず知らずのうちにその双方を繰り返しているのではないかと思うから。   だからこそ自分のこの指一つが傷つける事、傷つけられる事の起点になりうる事は忘れずにいたいと思う。起こった結果より一体何が罪だったのか。それを常に頭に思い描き、出来る事なら悲しみではなく喜びのサンドウィッチを腹いっぱい頬張れるように、この刃物を使いたい。   この文章を「インターネットくん」が運ぶ事により、誰かが少しでも楽に、そして幸せになる事を願って。   <LACCO TOWER・松川ケイスケ> ◆紹介曲「 罪 」 作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER ◆ニューアルバム『青春』 2021年12月8日発売 <収録曲> 1 青春 2 化物 3 証明 4 嘘 5 閃光 6 独白 7 口紅 8 罪 9 渦巻 10 約束 11 無戦無敗 12 雪

    2022/01/06

  • 空想委員会
    空想委員会は誰かにとっての全速力ガールになれるのか。
    空想委員会は誰かにとっての全速力ガールになれるのか。

    空想委員会

    空想委員会は誰かにとっての全速力ガールになれるのか。

     2021年12月29日に“空想委員会”がニューアルバム『世渡り下手の愛し方』をリリース!2年間の活動休止を経て、今年4月から活動を再開した彼らの再スタートを飾る今作。三浦隆一(Vo.&Gt.)の作品を中心に、佐々木直也(Gt.)、岡田典之(Ba)が制作した楽曲も含め、全12曲が収録。デビュー当時から“恋愛弱者”たちの思いを歌う曲が人気だった彼らですが、今作には、社会人の日々の葛藤や恋愛をテーマにした楽曲も…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“空想委員会”の三浦隆一(Vo.&Gt.)による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回が最終回となります。彼らにとって大切な“ガールシリーズ”の楽曲。今回、ニューアルバムの入り口を飾ったのも「 全速力ガール 」という新たなガールシリーズ楽曲です。では、その楽曲を世に出したことでどんな影響があったのでしょうか。今の想いを明かしてくださいました。是非、最後までお楽しみください。 2021年の4月に活動を再開した空想委員会は、12月28日にデビュー10周年を迎えることができました。そして12月29日には新しいアルバム『世渡り下手の愛し方』をリリースしました。前回のエッセイでは「 全速力ガール 」に込めた想いを書かせていただきました。今回はその曲を世に出したことが私個人、そして空想委員会にどのような影響を及ぼすのかについて書きたいと思います。   「全速力ガール」を世に出したことにより、私の中に生まれた感情は「私自身が誰かにとっての全速力ガール」になりたいという想いでした。曲を聞いてくれた方に私個人やバンドとしての活動を観ていただき、その姿によって誰かを勇気付け、励まし、引っ張りたいという欲が出てきたのです。   バンドを始めた頃の私は音楽の力を信じていました。自分が音楽から沢山のものをもらい、日々の暮らしの中で支えてもらってきた実感があったからです。   しかし、空想委員会でデビューし、音楽活動を続けていくうちにだんだんと音楽の力を信じられなくなってきました。仕事として音楽をやるうちに、音楽を好きだと心から言えなくなっていたのです。   バンドの活動を休止した時は、音楽を聴くことすらも嫌になっていた私ですが、音楽と距離を置いた生活をしているうちにだんだんと音楽への苦手意識も薄れ、昔好きだった曲を聴くようになりました。それはバンドを始めるずっと前、学生の頃に聴いていた曲たちです。それを聴いていくうちに「やっぱり音楽は素晴らしいし、私は音楽が好きだ」と思えるようになりました。音楽を聴くと力をもらうし、前向きになれる自分に気付きました。   いつの間にか私はまた音楽に救われ、音楽の力を信じるようになっていました。     「全速力ガール」という曲を世に出した今、私は音楽の力を信じています。そして自分は誰かにとっての「全速力ガール」になれると本気で思っています。2年間の活動休止があったからこそ、また今新たな気持ちで音楽に向き合えているし、デビューから10年も活動を続けられてきたという事実が自信となり背中を押してくれています。   やっと私はステージの真ん中に立って、100%音楽の力を信じて歌を歌えるようになったのです。長い時間がかかり、力を貸してくれたスタッフの皆さんにも応援し続けてくれたファンの方にも心配をかけ、お待たせすることになってしまいましたが、ここからの活動を是非見ていただきたいです。   音楽の力を信じ、歌い続けることで関わってくださる全ての人を牽引できるように頑張りたいと思います。空想委員会は誰かにとっての「全速力ガール」に必ずなると約束します。 <空想委員会・三浦隆一> ◆紹介曲「 全速力ガール 」 作詞:三浦隆一 作曲:三浦隆一 ◆4th Full Album『世渡り下手の愛し方』 2021年12月29日発売 BZCS-1195 ¥3,000(税込)   <収録曲> 1.全速力ガール 2.縋る蜃気楼 3.愛しき地獄 4.トリガー 5.Dodo 6.コイアイ 7.大河の一滴 8.1783 9.Re:gain 10.ラブソングゾンビ 11.will 12.積み木遊び

    2022/01/05

  • イチオシ!
    迎春!あなたの恋に効く楽曲を6つのテーマ別にピックアップ!
    迎春!あなたの恋に効く楽曲を6つのテーマ別にピックアップ!

    イチオシ!

    迎春!あなたの恋に効く楽曲を6つのテーマ別にピックアップ!

     みなさま、明けましておめでとうございます。年末年始は『第63回 輝く!日本レコード大賞』や『第72回NHK紅白歌合戦』など様々な音楽番組をご堪能されましたでしょうか。2022年はほんの少しでも去年より前に前に。マスクなしでお喋りできて、ライブで歌って叫んではしゃげる日に希望を抱きながら、進んでいきたいですね…!    さて、新年初となる『今日のうたコラム』では、あなたの恋を応援いたします。その恋に効く楽曲のフレーズを、【あなたの理想になりたくて】、【本音が言えなくなった恋】、【抜け出せない沼恋…】、【恋の脇役…】、【ただ会いたい、逢いたい。】、【死ぬほど愛して…】、6つのテーマ別にピックアップしてご紹介。今、恋をしているあなたに寄り添う1曲と出逢えますように。 【 あなたの理想になりたくて 】 ~もっと見てほしいから、好きになってほしいから、背伸びをしているあなたへ。~   二人でいられる 今この瞬間が いつまでも続くものだったら 叶わない恋でも 叶えられるように 理想の女の子になりたいよ いつかはあなたに 想いが届いて 「好きだよ」と言ってもらえたらなぁ 「 恋する気持ち 」/足立佳奈    今日のために切った髪も あなた好みの色の服も 気付いてくれるといいな 今夜だけ ヒロインは私一人 「 冬のプレゼント 」/もさを。     変われ 変われって 何度も唱えていた something new 動きだす 大事な君に似合うような私になれるように 君色に染まる 「 リュネット 」/瀬川あやか    恋愛なんて詳しくないし 経験とか微塵もないから あなたの理想に 近づきたいな どうすればいいんですか 「 サニー 」/まるりとりゅうが    ダッシュしたって 今更遅すぎかも? 立ち止まっては作戦を練り直して やっぱりアタシはまだ諦めたくないから 毎晩ちっぽけな一歩 理想に近づけて アナタの心を射止められるように頑張るから まだ頑張るから 見ていてね 「 アシアトコンパス 」/LiSA  【 本音が言えなくなった恋 】 ~言えないからすれ違う。好きだけど好きだから、本音を口にできないあなたへ。~   どうして? 向き合っているのに伝わらないの 暗い部屋ひとりで待っていたのは私の方 「 リスポーン 」/Saucy Dog   「もっと早く帰ってきて」 その一言が言えないのは 君のお荷物になりたくないから 「もっと早く帰ってきて」 その一言が言えないから 今晩のシチューに溶かしておくね 「 明日の夜は何が食べたい? 」/SHISHAMO   何も知らないくせに、って 知らせなかっただけなのにね ずるいんだ わたしもきみも 「 キラキラ 」/緑黄色社会   こんなに一緒にいるんだし 当たり前のようにそばにいてくれるから ありがとうもごめんなさいも僕は言わなくなってた   追いかけながら少し僕は泣いてて だけどもしかしたらあなたも泣いていて どうしてこんなふうに最初から思いやれなかったのか 「 おまえさん 」/back number   特別なことなどひとつだってないと思っている 君があの日 本当に食べたいと思ったものとか そういうちょっとしたレベルでゆっくりと戻れなくなって 僕たちはすれ違ってきて 君はすり減らしすぎてしまった 今じゃもう何の意味もないことだけが残ったなあ 僕らは何になれたらよかったのだろうとか もう君は居ないよ 「 独り 」/odol 【 抜け出せない沼恋… 】 ~堕ちたら最後。抜け出したくても抜け出せない、恋の沼でもがいているあなたへ。~   いつだって手の平の上で 踊らされてる気がしてさ ただの遊びだったのなら もっと早くに捨てて欲しかった 「 ピアス 」/あたらよ   私の頬には赤く残った左手の跡 右利きのあなたの最初で最後の優しさだった 「死ぬまでお前と一緒にいるのが俺の夢なんだ」 もうやだ あの日にもどって もどって もどって 「 棘 」/BLUE ENCOUNT  「君に会いたい」って言葉 君には痛いと聞こえてしまうかな もういっそ もう一生 言わない方がいいかもな 「 いやいいや 」/當山みれい 君は思わせぶりがうまいから 沼から抜け出せないまま沈んで 勝手にハッピーエンド描いてさ ずっと 君しか嫌だ 「 私じゃなかったんだね。 」/りりあ。 キャンセル待ちしてるような恋だけど 私は懲りずにまだここにいるから あの子に飽きたらこっちきて 都合がいいなんて知ってます 「 キャンセル待ちの恋 」/Anly 【 恋の脇役… 】 ~ヒロインにはなれないから…。恋の脇役を演じてしまっているあなたへ。~   あなたを好きになるわけにはいかないの私 恋に落ちるわけにはいかないの私 どうやらここでは 脇役だから だけど気づけば またあなたを浮かべてる私 会いたいなんて思ってしまってる私 あくまで主役はあなたとあの子 台詞は間違えないよ 「 劇 」/wacci    物語の主人公は 報われないことなんてなくて この物語の続きは 私の目線じゃない   そうやって見切りをつけて 歩くほど強くないから 思えば思うほど 溢れて 落ちてゆく 「 エンドロール 」/川崎鷹也    泣きたい時にいつだって 夕暮れ時だとは限らない 大体いつも一人だけ 浮いているような気がする ガラスの靴も履けなければ 悲劇のヒロインにもなりきれず 村人A か Bあたり か弱いセリフなんてない 「 赤を塗って 」/SUPER BEAVER    Remember me もうすぐ あなたはあの娘と結婚するけれど ときには思い出して 夢の中のわき役でいいから 「 わき役でいいから 」/松任谷由実    「一緒にいたいの」重くないように 他の女(ヒト)より上手に言うわ   「今度いつ逢える?」約束なんて 自信がない女(ヒト)がすること   この身体ごと夜をあげるわ だから心をちょうだい 「 ミスキャスト 」/福山雅治   【 ただ会いたい、逢いたい。 】 ~自分の本当の気持ちと向き合えば向き合うほど、恋しくなってゆくあなたへ。~   会いたくて 会いたくて 溢れ出す想いに絶対値はなくて 世界は愛につつまれた 相乗りして伝えよう 「 会いたくて 」/Ado    今、君に恋してるみたい 気のないふりはもうできない だって、溢れそうなんだもん 夏空の下、2人で会いたいの 「 今、君に恋してるみたい 」/ひらめ     会いたくて仕方ないのは あたしだけなのかな 説明してください   だんだん薄れていく愛の狭間に 隠された暗号は解読不可能で さよならか 「 ランドマーク 」/佐藤千亜妃  あと数秒だけでもいい あと数回だけでもいい ただ聞きたいだけなのに ただ会いたいだけなのに   ただ会いたい 「 残響 」/映秀。     探してた欠片が 何かは知っていた ただ過ぎる日々は 気づけばなくなった 支えたい 頼りたい 会いたいな 寂しいんだ 溢れ出す想いは一言でいうよ 君がほしい 「 Spell On Me 」/SHE'S       【 死ぬほど愛して… 】 ~この命をかけてもいいぐらいに愛している、本気で死ぬ気で愛してほしいあなたへ。~   あたしが死んでも彼女はつくらないでね 恋をしないで あたし以外と あたし以外とは あたしが死んでも日記は開かないでね 時々ね あなたの悪口書いているの それもまぁ だけどまぁ 許して 「 あたしが死んでも 」/コレサワ  言えない 言えないよ 今君が死んでしまっても 構わないと思っているのは 言えない 言えないよ ほんとは小さなその胸の 中に僕がいつまでも生きてたいと 願うからで 「 いえない 」/RADWIMPS あなたの髪を切らなきゃ 真っ黒な其の眼があたしの眼に光を射てば呼吸が出来る いまは還らない影など全く厭だけれど あなたには殺されても良いわ 「 シドと白昼夢 」/椎名林檎      わたしの最後はあなたがいい あなたとこのままおサラバするより 死ぬのがいいわ 死ぬのがいいわ 三度の飯よりあんたがいいのよ あんたとこのままおサラバするよか 死ぬのがいいわ 死ぬのがいいわ 「 死ぬのがいいわ 」/藤井風     もっと抱いてもっと このまま死んでもいいから$ わたしをわたしを 月と飲み干して   あなたの血に流れて 記憶の細胞を壊して   生まれ変わりたくなどない この生であなたと終わりたい 生まれ変わりたくなどない この生であなたと終わりたい 「 月光 」/DREAMS COME TRUE どんな恋をしているときでも、きっとその心のお守りになる音楽があります。是非、今のご自身の味方になってくれる歌を探してみてください。尚、『LINE MUSIC』で掲載中の 【 歌ネットプレイリスト 】 では、今回ご紹介した楽曲をはじめ、様々なテーマをもとにオススメの楽曲をセレクトしております。こちらも併せてチェックを!    また、あなたのイチオシフレーズは、是非 【 コトバのキモチ 】 コーナーへのご投稿くださいませ…!では、2022年も歌ネットを何卒よろしくお願いいたします。

    2022/01/01

  • イチオシ!
    コロナ禍での音楽への想い…。10組のアーティストの言葉をご紹介!
    コロナ禍での音楽への想い…。10組のアーティストの言葉をご紹介!

    イチオシ!

    コロナ禍での音楽への想い…。10組のアーティストの言葉をご紹介!

     2021年『今日のうたコラム』年内ラスト更新です。今年も様々なアーティストに執筆いただいた歌詞エッセイ。さらに、インタビューや特集、ピックアップ記事などなど、ユーザーのみなさま、ご愛読いただき誠にありがとうございます。そして、様々な形で音楽や言葉を届け続けてくださっているアーティストのみなさま、心より感謝申し上げます。    新型コロナが収束したとは言い難い2021年。それでも、感染症対策を行いながら少しずつライブもできるようになり、2020年よりは光が見えてきた気がしますね。歌ネットのインタビューでは、アーティストのみなさまがコロナ禍にどんなことを感じていたのか、どうやって曲を生み出したのか、語っていただく機会も多くございました。今回は今年のまとめとして、その言葉たちを一挙ご紹介いたします…! < 石崎ひゅーい > コロナ禍になって、生活だったり、音楽を作る環境だったり、演奏する環境だったりが変わっていって。そうなったときに、ひとと会えない分、音楽とすごく密になったなと。とにかく音楽のことを考えざるを得ないし、音楽ってどんなときも苦楽をともにするパートナーなんだって思ったんですよ。どんな時代になっても、音楽はそばにいてくれるし、そばにある。要するに音楽と結婚しているみたいなことなのかなって思えたんですよね。 ― コロナ禍は、歌詞の言葉選びにも影響がありましたか?   めちゃくちゃありました。すごく混とんとしていたし、いろんな弊害がみんなの生活のなかにあったから、そんなときに届けたい歌、届けなきゃいけない歌っていうのは、シンプルなものだろうなと思って。寄り道しないで、まっすぐ心に届くようなものを作らなきゃという意識は強くありましたね。 < 足立佳奈 > とくにコロナ禍は、自分を見つめ直す時間が多くなり、かなり大きな転機になったと思います。しかも20歳になって、2020年にアルバム『I』をリリースしてすぐ、というタイミングとも重なったので。ツアーもできなかったりして、あのときは何をしていいかわかりませんでした。みなさんもお仕事や活動が止まってしまっていたはずなんですけど、自分と同じことを誰もが思っているとは思えずに、「私だけが止まっているんだろうな」って不安に感じてしまって。でも、自分の過去を振り返る機会ができたことは大きかったです。だからこそ今回のアルバムは、私が過去に出会ったいろんな<あなた>に向けて1曲1曲を作ることができました。     < sumika・片岡健太 > 会えないからこそ、想像するしかないというか。「名前がついてないこの気持ちを、どういう言葉にしたら正しく伝わるんだろう」ということをすごく考えていました。あとニュースとかSNSとか、言葉尻ひとつで揚げ足を取られるような風潮もありましたし。失言が許されない。だから作品だけではなく、自分が発信するすべての言葉に対してセンシティブになっていた時期でもありましたね。     < 大原櫻子 > いちばんショックが大きかったのは『ミス・サイゴン』という舞台が中止になったことでしたね。この作品は、1年間オーディションをやって勝ち取った役だったんです。だからもう…積み上げてきたつみきをバーンッ!って払いのけられた感じ。でも誰のことも責められないじゃないですか。なんか、こんなことってあるんだなぁ…って。でもだからこそ「 チューリップ 」という歌を書こうと思えたんです。ただ生きているって、素晴らしいことなんだなって気づけたから、それを歌にしたくて。     < ビッケブランカ > 気落ちしたって言ったほうがアーティスティックですけど、それがまったくなかったんですよね。曲が書けなくなって困っているひとも多いじゃないですか。でも僕は「こんな情勢ごときで曲作りに影響なんてあってたまるか!」って気持ちがありました。   ― コロナ禍だからこその歌詞を意識されることもなく。   全然なかった。そんなんやったら終わりだと思った。そこを気にされるアーティストもいるんですけど、柔道にたとえると、そっち側の方は柔道選手で、僕は柔道家なんですよ。点を取るため、勝つために頭で考えて試合をするのが柔道選手。試合で勝つ負ける以前に、礼節の問題や相手への敬意を重視するのが柔道家。だから僕としては「コロナ禍だから夏の歌を書いてもみんなに受け入れてもらえない」みたいなことを考えるのは違うわけです。そこを創造するのが僕らの仕事というか。だからいつもどおりの自分で今回のアルバムも作りました。     < 吉澤嘉代子 > 自分の歌を聴いてくれるひとと会えなくなったことで「自分の仕事ってなんだったっけ?」と思ってきて。作ったものはすごく好きなんですけど、自分そのものをどう抱きしめて生きていったらいいかわからないのが日頃の悩みだったので、ますます自分にできることがよくわからなくなりましたね。だけど、向き合う時間が多かったからこそ、子どもの頃から解消できなかった悩みとか、こう…ラスボスみたいな存在と対峙する1年でした。それはそれで大切な時間だったんじゃないかなと思います。   対峙できたからといって、すべてが解決するわけではないんですけど。でもとくにライブって、個人的なことで感情が振り回されているとやりづらいというか。主人公のなかに没頭していきたいと思うので、多分なるべくそのこと以外を考えないようにフィルターをかけてきたんですね。だからライブがなくなったことで、自分のなかに降りていく時間になった気がします。     < 平井大 > 僕はそもそもあんまり人に会うのが好きじゃないから、逆にすごく楽でした(笑)。家からラジオ出演もできるし、出張のときの品川駅の人混みも味わわなくていいし、平和な一年だったんですよね。それに、意外と向き合ってみると、日々の感情って違って。天気によっても大きく左右されますし、飼っている犬と散歩に行くときの気持ちも違う。ちゃんと心にフォーカスしていくと気づくんです。そういう感情の変化は、生まれてくる曲に繋がっていたと思いますね。     < wacci・橋口洋平 > 最初は、(コロナ禍を)切り離して作ろうと思っていたんですよね。でも一昨日なんかも、夏の歌を書こうと思って書きはじめたんですけど…。たとえば、みんなでビーチに集まってキャッキャッ的なシーンを描きたくても、「いやコロナだしな…」って。ちょっと制限されている感覚がありますね。どうなるかもわからないし。もしかしたらずっとこのままかもしれないじゃないですか。だからタイトルに「~コロナ終息後~」とか入れようかなとか考えます(笑)。   あとつい最近、コロナ禍だからこそ遠距離恋愛をテーマにした歌を書いてほしいという依頼もいただいて。そのときは“離れていても繋がっている方法”みたいなものを歌詞に取り入れましたね。「付き合いたてでまだ写真も少ないから、寂しいときはLINEのトーク画面を見返している」みたいな。そういう“会えないあるある”をたくさん考えて。それもまたコロナ禍に寄り添っているのかなって思います。     < Uru > 私の曲は、心の中のジクジクと湿っていて痛い部分に手で触れて撫でるような歌詞が多いですが、素直に涙を流せるような曲も良いけれど、この状況だからこそ、心の底から元気が湧いてくるような前向きな曲も届けたいと思い、作ったりしていました。   人と会うことで得ていた自分の感情の気づきみたいものは確かに少なくなっています。でも、毎日のニュースやSNS、自分の元に届くメッセージなどで目や耳に入ってくる、自分とは違う場所でも一生懸命に毎日を過ごしている方の苦しみや痛みを知ると、胸がギュっと狭くなって絞られていくような感覚になります。   昨年、悲しいニュースが続いた時期には、ちょうど前回のシングル「 振り子 」をリリースする事が決まっていて、取材の時にその想いを話していると涙が止まらなくなってしまうほどに、自分の届ける音楽や歌詞のあり方について真剣に考えました。     < 竹原ピストル > このコロナ禍で変な意味じゃなく「のし上がってやる!」とか「俺が天下を取ってやるんだ!」みたいな気持ちが自然とスッと落ち着いて。そして、自分を応援してくれているひとたちが現状、コロナ禍で暮らしをしていて、ひょっとしたら同じようにイライラもやもやしているかもしれないから、何か楽しませることをしてあげられないものだろうかって。これまでの恩返しというか。どうにか全力でみんなの暇つぶしになることはできないだろうかって。そういう意識になっているんですよね。   内には向かなかった気がします。とにかく喜んでもらえそうなことを思いついたらやって。無観客配信ライブもその延長線上にあるものだし。だけれども、別に生演奏だろうが、画面越しだろうが、ひとに何か出し物を観てもらうってことへの執着という意味でのギラギラは色褪せなかったかもしれません。常に「何か楽しんでもらおう」という気持ちではずっとギラギラしていましたね。    以上、10組のアーティストの言葉をピックアップさせていただきました。それぞれに異なる想いはありますが、誰もがただただ真っすぐに誠実に音楽と向き合っていたことは同じですね。そんなアーティストたちが2022年はどんな歌詞を届けてくれるのか、今から楽しみです…!それではみなさま、よいお年を。くれぐれもお身体にはお気をつけて。そして来年も何卒、よろしくお願いいたします!  

    2021/12/29

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