2022年10月26日“SAKANAMON”がフルアルバム『HAKKOH』をリリース!今年11月で結成15周年を迎えるSAKANAMON。同アルバムは「発光」をテーマに、15周年経った今でも自らが輝き続ける「発光」と、続け末長く愛される「発酵」の意味が込められております。初回限定盤は、今回のタイトルをテーマに蓄光を施した暗闇などで光る特殊仕様となり、収録曲は15周年にちなんで全15曲を収録する豪華な内容に。
さて、今日のうたコラムではそんな“SAKANAMON”の藤森元生による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第2弾。綴っていただいたのは、今作の収録曲「裏鬼門の羊」のお話です。気になるタイトルの由来に紐づいているのは、昔話「桃太郎」の豆知識…! ぜひ楽曲と併せて、エッセイをお楽しみください。
皆さんは「鬼門」と言うものをご存知でしょうか。
物件探しの際に気にする人もいますよね?
方角、方位で言う北東の事であり、鬼の入り口、縁起の悪い方角とされています。
そして逆側の南西が鬼の出口、「裏鬼門」と呼ばれています。こちらも鬼の通り道なので縁起が悪いとされています。
それを踏まえてもらった上で急に昔話「桃太郎」の豆知識を語らせてもらいます。
何故、桃太郎のお供は猿、犬、雉だったのか、有力な説が干支との関係性です。
干支には方角、方位があり鬼門の位置を照らし合わせた場合、北東は牛と虎の間になります。
なので鬼は牛の角があり、虎柄のパンツを履いた姿でよく描かれていますね。
そして裏鬼門側の南西は猿と羊の間になります。
つまり鬼(丑寅)の方角の逆サイドにいる裏鬼門(未申)から時計回りで猿、鳥、犬、が鬼退治に適していると考えられ、お供としてあてがわれたとされているのです。
ここで皆さんお気付きの通り、「あれ?羊は??」
本来、鬼と真逆の性質を持つ羊と猿、何故羊は省かれたのか。
諸説ありますが、そもそも干支という文化は古代中国から日本へ入ってきたものだったので、桃太郎のお話が作られた頃まだ日本に羊がいなかったという説が有力です。あと角があり鬼を連想するから、とも言われています。
斯くして猿は裏鬼門の門番とされ、鬼を退治する生き物として言い伝えられていますが、羊には一切スポットライトが当たる事が無かったのでした。
選ばれなかった羊。可哀想な羊。
そんな羊がもし桃太郎の世界に実在していたとしたら。
鬼退治に参加していたとしたら。
そんな世界を想像して作ったのがこの曲です。
この曲を書こうと思った経緯は自分でも本当に分かりません。別に風水とかに興味がある訳でもありません。降りて来たのだからしょうがないのです。
言葉で伝えた方が分かりやすいと
思った事を書かせてもらいました。
自由に羊の行末を想像してあげて下さい。
そして可愛がってあげて下さい。
<SAKANAMON・藤森元生>
2022年10月26日発売
<収録曲>
01.発光
02.MAD BALLER
03.JUNK IN MY HEAD
04.ふれあい(prelude)
05.つつうららか
06.1988feat.たかはしほのか(リーガルリリー)
07.ディスタンス(HAKKOHVer.)
08.南の島のハメハメハ大王
09.幸せな生活
10.FEST
11.ベクトル
12.裏鬼門の羊
13.ZITABATA(サカなもん Ver.)
14.妄想 DRIVER(2022 Ver.)
15.ふれあい