SAKANAMON

言葉での対話よりも音での対話に専念した3年間。

 2021年4月14日に“SAKANAMON”がConcept Mini Album『ことばとおんがく』をリリースしました。今作には、ネクライトーキー・もっさ(Vo&Gt.)が藤森元生との掛け合いで歌唱参加した「かっぽじれーしょん」やNHK みんなのうたに書き下ろした「丘シカ地下イカ坂」など、全8曲が収録。コンセプトである“言葉遊び”と“音楽”を堪能できる1枚となっております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“SAKANAMON”の藤森元生による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第2弾。綴っていただいたのは、今作『ことばとおんがく』に通ずるお話です。第1弾では、幼少時代から中学時代までを明かしていただきましたが、第2弾は自意識過剰を拗らせつつも、一方で“バンド”を始めた、高校3年間について。是非、楽曲と併せて受け取ってください。

~歌詞エッセイ第2弾:『ことばとおんがく』(中編)~

15才。

大学に進学する気どころか、就職する気すらなかった。高校にも行きたくなかったのですが、親に「頼むから行ってくれ」と言われたので「お金の無駄になるだろうけど、良いのね?知らないよ?」といった感じで、僕は普通科目が少ない事を理由に、美術を専攻する私立の高校に入りました。

思春期真っ盛り。僕は持ち前の自意識過剰を拗らせ、女子とは話さなくなりました。

話したとしても「はい」と「いいえ」のみの会話。敬語。僕は女子に話しかけられたくないし、女子も僕に話しかけたくない。両思いが成立。みるみる喋る事が下手になっていきました。

結果、皆から「あの人は何を考えてるか分からない」という個性を与えられます。でも「謎めいてて格好良いな」という中二的思考で自分を鼓舞し、全く直そうとは思わないのです。

このような感じで数少ない友達とぼんやり、学生生活を送るのでした。

一方で僕は中学時代の友達とバンドを始めました。学校から帰って夜中までバンド練習。週5日で練習もザラ。ストイックというより他にする事がないのです。

当時、僕の歌には具体的なメッセージがありませんでした。でも歌いたい、表現したい、褒められたい、そんな気持ちだけだけどとにかく伝えたい。なんだかよく分からない事を歌っていました。

そんな音楽でも、表現を共にしてくれる仲間と場所と時間がある事が、どれだけ自分に存在意義を与えてくれたことか。幸せでした。

ライブしてもお客さんは全然呼べず、ほぼ聴いてくれる人は対バンしてくれる先輩方だけだった。それでも、褒めてくれたりアドバイスしてくれたり、表現と意見をぶつけ合える環境に僕はときめいていました。

こうして言葉での対話よりも音での対話に専念した3年間。甘酸っぱさゼロ。童貞臭い糞餓鬼は、おっさんとタバコと酒の臭いが立ち込めるライブ尽くしの青春を終えるのでした。

上京します。

<SAKANAMON・藤森元生>

◆Concept Mini Album『ことばとおんがく』
2021年4月14日発売
初回限定盤(CD+DLカード) TLTO-30 ¥2,700(税込)
通常盤(CDのみ) TLTO-31 ¥1,800(税込)

<収録曲>
1.ことばとおんがく
2.かっぽじれーしょん feat.もっさ(ネクライトーキー)
3.鬼(Album ver.)
4.レ点 feat.仁井 聡子(FM802 DJ)
5.丘シカ地下イカ坂
6.いろはうた
7.OTOTOTOTONOO
8.PACE
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