元祖ラヂヲ焼あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | YEA YEA YEA!! GWANSOW!! RADIO YAKI GWA DEKITA! RADIO YAKI GWA YAKETA! AMATO NO OKATA WA TABEYANSE! KARATO NO OKATA MO TABEYANSE! TAISHO YAKI YORI OISHIYO YEA YEA RASHE RASHE OSHEYE OSHEYE BOY OICHAN!! RADIO YAKI 3 KO CHODAI GUY OOOH!! YAKITATE 3CHO!! BOY OH!! UMASO! MUSH CUCH MSHA!! GUY UMMM BOY ACH OKANE WA? BOY YE? OKANE DATTE OICHAN!! RADIO WA MUSEN DARO? GUY SWAMP! YEA YEA GWANSOW!! RADIO YAKI GWA DEKITA!! RADIO YAKI GWA DEKITA!! |
君のことすきなんだあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | きみのこと すきだった とおくからみつめても きがつくと そばにいた 秘密のよな まばゆさに わけしらずひきづられ ゆびにさえ ふれてさえ きみのことすきだった もしもきみがしんだなら 約束はただひとつ みずうみになきがらを だきしめて 泳いでく みずうみにかすむまで きみのこえ きいてさえ きみのことすきだった しろい頬てをそえて みずうみになきがらを だきしめて およいでく みずうみにねむるまで だきしめて およいでく みずうみにかすむまで ゆびにさえ ふれてさえ きみのことすきなんだ |
君はハートのクィーンだよあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | ぽっけに石鹸一個入れ 軽石手拭頚に下げ 君のほそい影踏めば おふろあがりのさむい径 街ではどかどかチンドン屋 年末特別大バーゲン 僕らのお城は長屋裏 石炭ストーヴない夜は ラヂヲで大雪注意報 君と僕とで静かに聴けば まるで大英帝国の 僕は勲功し王子様 君は麗わし王女様 君のおつとめ喫茶店 今夜も帰りは終電車 駅までおむかえ雪の径 マフラと駆けっこ白い息 ジングルジャングル街あかり 繭玉お飾り歳の市 僕らのお城も除夜の鐘 窓べで粉雪おにごっこ 僕らのお雑煮たべたそう よい年来てねとそっと祈れば そうさ(明日は)大英帝国の 僕は勲功し王子様 君は麗わし王女様 |
霧のステーション・デパートあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚・鈴木惣一朗 | | 街はビロードで たおれかかってる看板の映画館 フィルムのニュースは 霧のかかっているSCENE 夜行列車の停車時間に 夜毎おきてる事件 駅の地下室に人が消えていくSCENE プラットホームの屋根に登ってごらん 鏡の海峡を機関車が突き進む イケナイヨ!! 鏡の向こうなんて《非道ヒヨ!! 非道ヒヨ!!》 アエナイヨ そんな遠くては 《ステーション・デパートをご案内いたします》 海の底には 水族館 青紫色や赤紫色の揺れる水底 彼等は戦艦 沈みかかってるフィルムの夜を見る セーラー着たまま海のさらわれるSCENE 駅長室ではカーテン隙間で 朝まで改札中 霧の麻酔で記念館の消えかかるSCENE プラットホームの夜を走ってごらん 鏡の海峡で機関車があばれてる 逢イタイヨ!! ころげまわるほど 《入レテヨ!! 入レテヨ!!》 抱キタイヨ!! 空にぬけるほど 《ステーションデパートをご案内いたします》 海の底には海賊船 リオデジャネイロやマダガスカル沖の しかばねや宝箱 思い出してる海の域 いたずら好き達やフィロソフィアの 石ころたちの波の泡 「僕は人を傷つけたり殺したりするのは嫌だ」 「バカを言うな。おまえのおかげで風船男や影男がやられちまった。 早撃ちで勝負だ」 「あれ?これは本物の銀だ。おかげで助かった」 「おれは今までの奴とはちがうぞ」 「くそ」 「絶体絶命だな。これでもくらえ!」 「ここも回転扉だったのか。何とか助かった あれ?体が動かない」 そんな映画を観た帰りに雨と風の強い夜の… |
喧嘩のあとでALPHABETあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚・鈴木惣一朗 | | この話の続きは また明日にしよう また明日が来てしまえば 涙の意味も わかるだろう 今両腕でまるく肩をつつみ込んで まあるい胸のうちの吐息をなでれば 唇の中で少しとんがってた あなたの本当のALPHABETならんでいる だからこの続きは また明日にしよう 泣きたいだけ泣いて気が晴れたのなら 胸のうちに望む希望をそっと告げて 二人が一つにつらなって夜をみつめ 唇からふきこぼれるるALPHABETおしえて だからこの続きはまた明日にしよう 僕らの失敗のわけや傷つけあった意味もわかるだろう 見えなくなってしまった二人をつなげた あまくてせつなくてはげしいあの日をさがし出そう からだを空に向け望遠鏡覗こう ここから空に続くALPHABET並んで また明日が来てしまえば 涙の意味もわかるだろ |
焦げ茶色の国のアリスあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 「終っちゃったね…」 「うん、終っちゃった…もっと活躍したかったろうにな…」 「でも映画良かった。『パラレルイヴニング』で二人は夫婦だったのかも しれませんねって台詞、私好きだな。」 「明日からハンマーキットシリーズが始まるんだ。時代も変わってね。」 metarica silverにまたがり cobalt空を飛ばした児 peppermint blueの声して 細長いまつげでしゃべった児 「明日からハンマーキットシリーズが始まるんだ。時代も変わってね、 VTRなんだ」 「ふーん、V、T、R?」 「さあもう寝よ。こないだのオオサンショウウオいるかな。 水族館に行く約束だろ。」 「ああ、新富町の淡水水族館。」 「たしか五郎って名前だったな。」 chocolataかおりの顔して 胸元で口笛吹いた児 beret帽かぶりの上手な 細長い影曳いて歩いた児 metarica silverにまたがり cobalt空を飛ばした児 peppermint blueの声して 細長いまつげでしゃべった児 夕繰れ時はね chocotto ほらさがしているよ chocoretto ほらあっちにも chocotto 男爵好みの chocoretto あう~お 気をつけて chocotto 気をつけないと chocoretto 誘惑されちゃうよ chocotto 月の光で働くやつ chocoretto 青白い光に chocotto あっドアが閉じてしまった |
午後4時のアメジストあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 午後4時の アメジスト 空向いて風に咲く まだやみがたき かなたへの まだ鳴りやまぬ 胸騒ぎ 今たそがれる おもかげが 今燃え上がる かの島の うすむらさきの おくりもの 午後9時にあじさいは うつむいて雨に咲く まだやみがたき あなたへの まだ鳴りやまぬ しおざいは うすむらさきに けぶってく まだ消えがたき 思い出に さようなら さようなら まだやみがたき あなたへの まだ鳴りやまぬ しおざいの うすむらさきの おくりもの まだたそがれぬ かの島に うすむらさきの おくりもの やがて消え行く かの島に さようなら 手を振って さようなら 手を振れば uh uh |
最后のダンスステップあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 私の名は朝子です。 齢は十八、身長は百六十三センチです。 自分では綺麗な方だと想っています。 今、髪は短いですが、ぢき長くなると想います。 お酒はまだあまりのめませんが、 ブルースとタンゴぐらいは踊れます。 今宵限りのダンスホール あなたのリードでステップ踏めば お別れするのに夜会服が 何とか明日もくうるくると おいらめとろのつむぢ旋風 ソフトハットをなびかせて シベリア・ケーキにお茶でも飲んで ギンザのキネマに行きたいナァ 踊ろうか 踊りましょう せめて 今宵かぎりでも あなたなんだかおセンチね もうすぐ外地へお出征しね あたしも最後のパアマネント この髪乱して踊りたい 踊ろうか 踊りましょう せめて 今宵かぎりでも 今宵かぎりのダンスホール 扉閉ざせば あすしれぬ 今風立ちぬ いざ征かん あすは 異邦のつむぢ旋風 踊ろうか 踊りましょう どうせ 今宵かぎりぢゃない |
サブマリンあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | ホテル花屋 カフェシアターニ 床屋燈カリ 灯シダスコロ 茶色い星の カフェ幻しか ファンタジアが鳴り出す頃は こうもり傘のまぶたも潤む 波の朝顔 夜のグラモフォン ホテル花屋 カフェシアターニ 床屋燈カリ 灯シダスコロ チャイナクォーター 隠れカジノで 美女は衣を 脱いだり着たり サブマリンのウロコが踊る 天体望遠鏡のよな目で ごらんよ いかづちの屋根の上 デコレイション ケイクの屋根の窓 ホテル花屋 カフェシアターニ 床屋燈カリ 灯シダスコロ 黄色い煙 小瓶が舞って モロッコ模様 カクテルバーで 氷雨の紳士 ハマナス博士 艦隊分かれ 大海戦中 ごらんよ いかづちの屋根の上 デコレイション ケイクの屋根の窓 ホテル花屋 カフェシアターニ 床屋燈カリ 灯シダスコロ 路地から屋根への 怪盗紳士 並みいる敵を 横目でチラリ スペインラザァの逆なでうけてヒステリックハンカチ震え止む ごらんよ いかづちの屋根の上 デコレイション ケイクの屋根の窓 ホテル花屋 カフェシアターニ 床屋燈カリ 灯シダスコロ 茶色い星のカフェ幻しか ファンタジアが鳴り止む頃は サブマリンの 連続艦隊 海底ケーブル 噛んだよな歯で ホテル花屋 カフェシアターニ 床屋燈カリ 灯シダスコロ |
珊瑚魔術師の弟子あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 谷口博史・OTO・丸尾めぐみ | | 寝静まる サンゴの森で サンゴの魔術で サンゴ叩け ぼやぼやしてると夜が明ける サンゴの魔術で サンゴ叩け つきあげる サンゴの腕で サンゴ達よ ボンゴ叩け わきあがる サンゴの声で サンゴ達よ サンゴ建てよ さがし続けていた 言葉がそこにあったけど 禁じられてしまった 言葉もそこにあったけど キラメク宝石に似た 言葉がそこにあったけど 静かに横たわってる 言葉もそこにあったけど どうしても聞こえなかった サンゴ魔術師の 言葉さえ どうしても聞こえなかった 僕は君とそこにいたのに 水底 玉手箱 水夫の歌声もなく ガイコツ船長さん ただゆらめく指の骨 愛してた 誰を 何を 誰を つきあげる サンゴの腕で サンゴ達よ ボンゴ叩け わきあがる サンゴの声で サンゴ達よ サンゴ建てよ サンゴの森の 最後の墓場 亡霊船乗り みな底に眠る サンゴの裏の 最後の金銀 ルビーの財産 サンゴ墓場に やっと見つけだした 言葉がそこにあったけど 本当に言いたかった 言葉もそこにあったけど 君にだけ言いたかった 言葉がそこにあったけど 静かに伝えたかった 言葉もそこにあったけど どうしても言えなかった 地の涯てまでも叫んだけど どうしても言えなかった 僕は君の前にいたのに あのときささやいた言葉の意味 また ひとつ ひとつ おもいだして あのときささやいた言葉の意味 また ひとつ ひとつ おもいだして |
七面鳥のパパたちへあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚・鈴木惣一朗 | | みんな船室に住んでいる 可愛らしい船室で遊んでる 一人一人小さな船室でみんな楽しく 遊んでいるみたいだ 船はみんなを乗せてどんどん進んでいる 誰も彼も乗せて進んでいるはず ここから先は僕らにはもう視えない ここから後もう僕らには遠いところ 船窓からは長い旅のかわあいい二十世紀の子供たち 歌は夢の中から次々と紡ぎ出されるけど あの日摘んだ彼等の花達はどこへ行ってしまったのお! みんな星に住んでた ちょっとつかれた星に住んでた だあれもだいすきな 歌や映画の溢れ返ってた星だったんだ 船はみんなを乗せてどんどん進んでいる 誰も彼も乗せて進んでいるはず ここから先は僕らにはまだ視えない ここから後もう僕らには遠いところ 歌は夢の中から次々と紡ぎ出されたけど あの日住んだ彼等の星々はどこへ行ってしまったのお! ここから先は僕らにはもう視えない ここから後もう僕らには遠いところ みんなみんな一人の旅は心細いのかい みんなみんな叫びながら船室にいるだけかい 船はみんなを乗せてどんどん進んでいる 誰も彼も乗せて進んでいるけどお! |
シャドウレス・ア・ポカリプスあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | Choppiring Kawwaick 0.15 Picogram dk Choppiring Kayuuick 0.15 Picogram zt 枯葉を歌えば朽ちる葉芳れり 病ら葉繁えれば若葉は萎れり Rock'nRoll は苔むす時まで 輝く理想は地球儀回して ひばりの雲間に未来を降り蒔いて 空中(そら)には中庭 彼等は一列 真昼に影をとられて並んでる.....誰もが 眠くなるまで 肩ヲクッツケテ 暗くなるまで 視ッツメアッテタ 枯葉を歌えば朽ちる葉芳れり Rock'nRoll 苔むす時まで 僕らはさあ フラミンゴ並ぶ日に 僕は君 君は僕といっしょ いつ いつ いつだっていっしょで 永遠に一緒に だったね 若さと希望は地球儀回して 嵐の雲間にはじき飛ばされて 空中(そら)では中庭 誰もが一度は 真夏に影をとられて並んでた.....誰かと 眠くなれなくて 抱キシメアッテタ 暗くなっても 視ッツメアッテタ 病ら葉繁えれば若葉はしおれり Rock'nRoll 苔むす時まで 僕らはさあ フラミンゴ踊る日に 僕は君 君は僕といっしょ いつ いつ いつだっていっしょで 永遠は一瞬 だったね 眠くなるまで肩ヲクッツケテ 暗くなるまで視ッツメアッテタ 眠くなれなくて抱キシメアッテタ 暗くなっても視ッツメアッテタ 眠くなるまでヒトツメノ星ヲ 暗くなるまでフタツノ永遠カラ |
ジブラ流樽ワルツあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 安達昌宣 | | あぶくの上でうみがめ眠る キャビアのマフラーでちょうざめ踊る 航海日誌は羅針盤めぐり 七つの海底(なかにわ) 船酔う船長(キャプテン) 取舵一杯千鳥足踊り 七つの魔の海うろつきやつれてさぁ さあ、おどりだせ 波におどりだせ さあ、おどりましょ 波におどりましょ 錨をしずめて あなたの腕で 錨をしずめて あなたの胸で あてすらない海の果て まぁるい夕陽だぁけは あなたの笑顔になる 月夜の海でじゅごんは歌う 海へび並んで ファゴット鳴らす 交換日誌は希望峰(ケープタウン)めぐり 七つの智恵の輪 解けない船長(キャプテン) 面舵一杯面影よぎり 七つの魔の港都(おか) うろつきやつれてさぁ さあ、おどりだせ 波におどりだせ さあ、おどりましょ 波におどりましょ 錨をしずめて あなたの腕で 錨をしずめて あなたの胸で あてすらない海の果て まぁるい夕陽抱けば あなたの笑顔になる さあ、おどりだせ 波におどりだせ さあ、おどりましょ 波におどりましょ |
水晶になりたいあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 水晶になりたい 地面の中から顔をのぞかせて 歌をうたっていたい 時々とおる旅人たちに 歌をうたっていたい ひろがる大空いっぱい 水晶になりたい 地面の中から顔をのぞかせて 水晶になりたい 地面の中 体もぐりこませ 歌をうたっていたい 時々とおる旅人たちに 歌をうたっていたい ひろがる大空いっぱい 水晶になりたい 地面の中 体もぐりこませ どうしてあんなに 青い空の上 ウォウォウォ ウォウォウォ |
清怨夜曲あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 汝が綺髪 かき抱き 吾が綺夢 見果てぬとも 添うて踊ろ 僕と一緒 君は仕合せに眠くなれ 素敵よ夜の曲片 あなたの肩でるりるら踊れたら だから踊ろ 僕と一緒 君は仕合せに眠くなれ でも怖いの ほらあんなに 明日も淋しそキラキラお星さま はなすもんか明日こそは 大きな海を見つけに行くんだぜ きっとよ お日さま照って 遠くまで仕合せが見えるのね 泣くなよ そんな泣いたら 僕だって悲しくなっちゃうよ だから踊ろ 僕と一緒 君は仕合せに眠くなれ 海も踊ろどんどんあれろ 天の神鳴りさまも 何にもかにもこわれてしまえ もう明日なんて怖くはないし だから踊ろ僕と一緒 君は仕合せに眠くなれ |
赤色エレジー あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 八洲秀章 | | 愛は愛とて何になる 男一郎 まこととて 幸子の幸は何処にある 男一郎ままよとて 昭和余年は春も宵 桜吹雪けば情も舞う さみしかったわどうしたの おかあさまのゆめみたね おふとんもひとつほしいよね いえいえこうしていられたら あなたの口からさよならは 言えないことと想ってた はだか電燈舞踏会 おどりし日々は走馬燈 幸子の幸は何処にある 愛は愛とて何になる 男一郎まこととて 幸子の幸は何処にある 男一郎ままよとて 幸子と一郎の物語 お泪頂戴ありがとう |
太陽がいっぱいあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 初めて 都会へ 出て来た年の夏 友達に さそわれて 海を見にいった 磯部は 若い 男や女の子達で 何もかもが 眩ぶしすぎた 友達のヨットの上で 友達の彼女が ヨットよりも白い手で 麦藁帽子を 海にむけて涼しげに 振っていたけど 俺にもやさしいひとが欲しかっただけさ その日の 海は 青く深く澄んでいたけど 俺のナイフは 海の底に沈んでいた 友達の彼女とふたりだけで泳いだ日 砂浜の上でくちづけをした 昼下りの磯辺は 風と波と砂とばかりで ふたりが離れたら 海猫が 泣いていた 彼女は微笑むけど 何んだか口惜しくなって 口びるを噛みしめて ぬぐっても ぬぐっても ナイフで裏切った 傷口が赤すぎた 俺にも やさしいひとが欲しかっただけさ その日の 空は 白く高くぬけていたけど 俺のナイフは 海の底に錆びていただろうか |
たそがれる海の城あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚・セロニアスモンキース | | 砂だらけの腕で抱きついて 笑ってるほおにゆらゆらゆられながら もいちど 肩に抱きついて 涙ふくほおにゆらゆらゆられながら あの時 僕らは 屋根の上 ふたりで並んで 屋根の上 真昼に燃え出す 海の屋根 ひろがる空いっぱいの秘密さ秘密さ 誰あれも知らずに わきたつ砂の城 宇宙の秘密さ つかのまの秘密さ海の城で たそがれる 海の城 みんな揃って波にゆらゆられながら 砂だらけの腕で抱きついて 笑ってるほおにゆらゆらゆられながら 桃色珊瑚 紅珊瑚 白い珊瑚 腕かざし 桃色珊瑚 紅珊瑚 白い珊瑚 腕かざし 腕飾り 耳飾り 桃色珊瑚 耳触り 首飾り 指輪にも 桃色珊瑚 指輪にも あの時 僕らは 波の上 ふたりではしゃいで 波の上 真昼に燃え出す 波の船 ひろがる空いっぱいの秘密さ秘密さ 誰あれも知らずに 消えてく砂の城 宇宙の秘密さ つかのまの秘密さ海の城で 宇宙の秘密さ つかのまの秘密さ海の城で 砂だらけの腕で抱きついて 笑ってるほおにゆらゆらゆられながら もいちど 肩に抱きついて 涙ふくほおにゆらゆらゆられながら たそがれる 海の城 みんな揃って波にゆらゆらゆられながら 砂だらけの腕で抱きついて 笑ってるほおにゆらゆらゆられながら もいちど 肩に抱きついて 涙ふくほおにゆらゆらゆられながら |
第七東映アワーあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚・鈴木惣一朗 | | 「あっ!ねえねえ走ってる。ほら汽車だよ!」 「あっ!あったあそこほら、私たちの学校」 「あっ!みっちゃんちの隣のおふろ屋さんのエントツ!」 「うん。ここからだと何でも見えるね…」 「でももうすぐ引っ越しちゃうんだろう…じゃ、ここからの景色見るのも これがおしまいか…」 「でも汽車に乗ってるだけなんだけどね」 「さあ七色のロマンと虹色のスペクタクル 映画新時代を拓く第七東映、第七東映アワー」 |
一寸とそこまであがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 矢野誠・あがた森魚 | | 夢みる街角 少年たちの リリリと口笛吹く音色 ほら あれだよ るり色稲妻かきわけ見上げてごらん 僕らの地球でまたたくや 宇宙の窓辺にニューヨーク リオデジヤネイロ照らす月 糸すぎ萌える 丘の国 泉を渉る愛の曲 ほら素敵だよ いつか二人で歩いたよ嘘みたい みつめてごらんあなたの生まれた星がささやくよ 宇宙のラジオにエッフェル塔 微笑返すはスヒンクス あのこは 今日も 夢みているか このこも泣かずに歌えるだろか ほらうみだよ 宇宙の朝潮波こえ つかんでみたいな 二人の生れた素適な星を わたってみたいな絹街道 お江戸の柳の日本橋 |
ヂパングボーイあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 海鳴りも雷様も怒りたけって 海を越えろ 雨も越えろ 天地 くつがえせ いつか出会った旅人たちよ よい旅 つづくように 鶏鳴臥薪の朝やけ時を 嵐でやってこい いつか出会った旅人たちの よい旅 続くように 日本の浜辺で 遠いみなさん 幸せ 祈りましょう |
電気ブランあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 浅草六区に行くんだったら電気ブラン たった五十銭 神谷バアの電気ブラン 一口天国二杯で地獄 三杯呑んだらあの世行き あの娘のようにシビレてしまうぜ 電気ブラン おさかなうまいね神谷バアの電気ブラン |
トリカゴの街あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 今ここにいる自分と 好きな人といた海の 町を見渡していると 急に時間は溶け出し 揺れてる島影 夏が来ると水しぶき 色リボンのムギワラで 海の町に触れていた 海の丘 すべてが見たくて 二人っきりじゃなく すべてが見たくて 丘の上 一番に登った 一人だけのときも 一番に登った 懐かしいからじゃなくて 帰りたいからでもなく そこで僕らが見ていた 今はたそがれゆく場所 もう一度街の影 夕凪ぎに陽は走る 二人だけで耳澄まし 地球の街にさわってた 海の丘 すべてが続いている 二人っきりじゃなく すべてが続いている 丘の上 一番に登った 一人だけのときも 一番に登った もう一度街の影 夕凪ぎに陽は走る 追いかけても逃げていく 夕凪ぎに陽は走る 海の丘 すべてに続いている 二人っきりじゃなく すべてに続いている 丘の上 一番に登った 一人だけのときも 一番に登った 消えていく砂の丘 夕凪ぎに陽は走る 追いかけても逃げていく 夕凪ぎに陽は走る 消えていく砂の丘 夕凪ぎに陽は走る 二人だけで耳澄まし 地球の街にさわってた 海の丘 すべてに続いている 二人っきりじゃなく すべてに続いている 丘の上 一番に登った 一人だけのときも 一番に登った |
24時の惑星あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 高浪敬太郎 | | 電線の切れた夜明けのビルディングに口づけをする 明けの明星 コートの襟を立ててエレベーターを下る 青い冷気 パジャマの脱げた波止場裏の酒場から聞こえる地球の裏のカーニバル そんな夜明けの景色に さっきそこにいたのかもしれない君の残り香で 言葉にならない微睡みを ありがとう 「サヨッナラ」サエアノ時 言ワナカッタノハ 「サヨッナラ」ッテ終リガ ゼッタイウソ ダカラ 誰カノ指ト誰カサンノ指ハ 離レ離レニナラナイハズダヨ 7時のニュースで目が覚めてしまって うとうとしてたらもう9時も過ぎて あなたからの電話が来ないままお昼も過ぎた 途方に暮れたまま天気予報は当たってしまって 雨の午後になる 宵の北の地平線すれすれにかかっているカシオペアも見えない そこは古代エチオピアのお姫様が住む星だけど 何故だか 「サヨッナラ」サエアノ時 言ワナカッタノハ 「サヨッナラ」ッテ終リガ ゼッタイウソ ダカラ 誰カノ指ト誰カサンノ指ハ 離レ離レニナラナイハズダヨ 勇士ペルセウスがメドウサの首を獲って その赤い血の中から高く嘶き 真っ白なペガサスは 羽撃き上がる 誰かの窓からアンドロメダ大星雲 たったさっき数百万光年の輝きを 今、見る驚き 「サヨッナラ」サエアノ時 言ワナカッタノハ 「サヨッナラ」ッテ終リガ ゼッタイウソ ダカラ 誰カノ指ト誰カサンノ指ハ 離レ離レニナラナイハズダヨ 「サヨッナラ」サエアノ時 言ワナカッタノハ 「サヨッナラ」ッテ終リガ ゼッタイウソ ダカラ 誰カノ指ト誰カサンノ指ハ 離レ離レニナラナイハズダヨ 「サヨッナラ」サエアノ時 言ワナカッタノハ 「サヨッナラ」ッテ終リガ ゼッタイウソ ダカラ 誰カノ指ト誰カサンノ指ハ 離レ離レニナラナイハズダヨ もう「サヨッナラ」は絶対に言わない このことは終りにしたくない 君の言葉の 君の声の 君の唇の 君の言葉の 君の声の 君の唇の たった独りの夜に コダマになってまだ聞こえている たった今夜 たった独りの夜に コダマになってまだ聞こえている たった今夜 |
ノワールの唇あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 擦りつけられて 飛び跳ねながら RADIOで わめいてる奴の RYTHMに乗せられ 夜を飛びぬけ RAILに噛みつく 車輪の上で ころげるままに 千切れ続けて 車窓から投げた あなたへの歌 凍りつきながら とり残されていく プラットホームだけが 見つめていた 走りだして 空を抱きしめ 千切れる街に 歌った歌 抱きしめて 追いかけて 抱きしめて 置去りにして 口ずさめ 唇さけるほどに 誰にうたう わけもなく コートのエリで 唇かくして 口ずさめ 唇さけるほどに 誰にうたう わけもなく コートのエリで 歌をひそめて 抱きしめて 追いかけて 抱きしめて 置去りにして 走り去って 空を抱きしめ 千切れる街に 歌った歌 口ずさめ 唇さけるほどに 誰にうたう わけもなく コートのエリで 唇かくして 口ずさめ 唇さけるほどに 誰にうたう わけもなく コートのエリで 歌をひそめて |
春の嵐の夜の手品師あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | むかし私はバレリーナ だから心のドレスが今も揺れてる 今はひとりいつもあてなし 春の嵐の夜の手品師 私の心の誰にも見せない青い小筺 だから今は何も言わず 私を抱きしめて 明日は全てが変わるもの あなたが夢見た全てのものが もちろん今でもあなたが好きだわ だから胸のフリルが今も震えるわ いつかは誰もが全ての謎明かし 春の明朝に色あせていくのね 私の心の誰にも見せない青い小筺さえ だから今は何も言わず私を許してね 明日は全てが判るもの あなたが夢見た全てのものが だから今は何も言わず あなたの思いを じっと抱きしめて 明日は全てが判るもの あなたが夢見た全てのものが だから今は何も言わず あなたの思いを じっと抱きしめて 明日は全てが変わるもの あなたが夢見た全てのものが |
バンブー・ジャングルあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚・鈴木惣一朗 | | モウソーリンボーバンブージャングル 銀座の裏にはカジノのランプ モウソーリンボーバンブージャングル 波止場の裏にもバンブージャングル 消防自動車の はしごの上から パノラマセットを 見渡してごらん パノラマセットの 誰も住んでいない ペラペラの街角で スタァは生まれる 「彼等生きる街」の働く労働者 「異国の熱血漢」の丘の上の墓地も、みんな (もちろん第七東映撮影所にございます) 「緑かぐわし夜」の路上電車の恋、 「この世の果てに発つ」の夕陽の大砂漠も、 みんな (もちろん第七東映撮影所にございます) モウソーリンボーバンブージャングル 展望台から 理髪店のネオン テレビ塔から 映画館のネオン モウソーリンボーバンブージャングル お屋敷裏にもバンブージャングル 向う島(の)裏にもバンブージャングル パノラマセットの通勤電車でスタァはたびする 「機関士大暴走」の深夜の大鉄橋 「ピロスマ号SOS」の龍巻の衛星基地も、 みんな (もちろん第七東映撮影所にございます) 赤ちゃんうばぐるま 哺乳瓶の中から パノラマセットを 覗いてごらん パノラマの街角で スタァは育む 「若様旅道中」の朝焼け東海道 「白鷲城下町」の真白き天守閣も、みんな (もちろん第七東映撮影所にございます) (どうぞ存分にご賞味下さい) |
パタゴニア・パンタンゴ1999あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 岡田徹 | | かなりの悪党 カナロにコクトー コルトを構えて海中庭園サスペンション Patagonia Patang Patagonia Patango (MUI PICARIO!) わるいやっちゃ かなりの悪党 カナロにコクトー コルトが沈んで海中庭園サスペンション Patagonia Patang Patagonia Patango (MUI PICART!) わるいやっちゃ ひどいやっちゃ 南へ廻る入江たそがれかけ ゆれる 密航路の窓 地図を照らす男たち 海に酔っちゃ波に口づけするシルエット マストの上で見張り番をするのは 海のノマド 海まるごと網にさらわれる 天国みたいな浮かぶ城塞(とりで) 港に入るともう暗くなって うるむ 吃水線は 霧をかきわけてやっとかえる 非道い奴らにまけてすさむ男たち 灯台守と流氷のおたけび 海のノマド 夜いっぱい波にあらわれて 海からよみがえる浮かぶ城塞(とりで) マストの上でも煙突の上でも 酔わずには生きられないさ もう帰れないこの地の果てで バラを咲かせて 羊育てて パタゴニアで見る夢 街に入る よろい戸くたびれたか きしむ 熱帯樹の蔭で月から隠れ 遊んで 夜に酔っちゃ海にまた戻る男たち 煙突の上から帰る船を見守る 街のマノン 島まるごと波にさらわれる 天国みたいな浮かぶ城塞(とりで) マストの上でも煙突の上でも 酔わずには生きられないさ もう帰れないこの地の果てで バラを咲かせて 羊育てて パタゴニアで見る夢 パタゴニアの見る夢 パタゴニアで見る夢 |
パラレル・イヴニングあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | ククククビックに オオオオレマガリ 飛びゆく彼方 飛びゆくアナタ オオオオレマガル イヴイヴイヴイヴニングタイム あなたとわたし 向き合う彼方 鏡 りびんぐるーむの昼下り 宇宙の裏側のひるさがり りびんぐるーむな昼下り 宇宙の裏庭で待ちぼうけ りびんぐるーむを地下さがり 宇宙の裏庭に抜け出して (パラレル・パール パラレル・パーラ) キキキ キエユク アアアナタトワタシ 飛びゆく彼方 とどかぬアナタ キキキキオクノ キキキエユク イヴイヴイヴ イヴニングタイム 彼方とどかぬ とどかぬアナタ りびんぐるーむの昼下り 宇宙の裏窓雨上がり あなたと私とが いれちがうア あなたと彼方(と)が いきちがう りびんぐるーむな昼下り 宇宙の裏庭で待ちぼうけ こがれ ぶせる りびんぐるーむを地下さがり 宇宙の裏庭に出る出口 宇宙の裏庭にぬけだした 宇宙の裏庭でしのびあい 宇宙の裏庭に出発つ日 スリーピング・ウォーキングタイム スリーピング・イヴニングタイム スリーピング・パラレルタイム |
パール・デコレーションの庭あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 矢野顕子 | | 父さんの絵葉書の少し読めない文字 に・じ・ん・で・る この真珠飾りの庭の都市 百合を飾った蓄音機 黒い悪魔の音の函 だだだだ だだだだ 進みます 父さんはね この海の底が大好きだ 今こちらでは大博覧会 もうすぐ二十世紀も終わるからね こちらもやたらに忙しい KUN......KUN...... つぶやくように あわ吹いて ぶあついレンズに現れて うろこの紳士も洗われて ヤッボー ヤッボーと エンジンも 父さんの絵葉書…ところどころ読めない も・う・み・え・な・い 真珠飾りのケーキの庭は サリガニ銜へた潜望鏡 黒い怪しい音の函 だだだだ だだだだ 走ったもんさ 広場ではエッフェルタワーや ケーブルカー 凱旋門をくぐりぬけ もうすぐ海の旅も終わるからね こちらもやたらに忙がしい KUN......KUN...... 泪をふいたら あわ喰って ぶあついレンズで見つめあい うろこの紳士も遠ざかる ヤッボー ヤッボーと おさらばと ヤッボー ヤッボーと おさらばと |
びわの実パレードあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚・谷口博史 | | びわの実とあじさいの頃の僕と君とは びわの実とあじさいの街で僕と君とは ねぼけてこごえながら 夏だよって 笑ったら おどけてこごえながら 夏だねって 笑ってた かぼそい小枝の びわの実 もいでは 窓辺の木陰で びわの実 ほおばった おぼえているだろうか 深みどりの色の 波の上でねむった日 ゆれて あなたにくちづけ なみだで 海も潮風も 不思議だな あなたの言葉だけは おぼえてる 何故だろう あなたの声だけは 潮騒の上 ねぼけてこごえながら 夏だよって 笑ったら おどけてこごえながら 夏だねって 笑ってた まばたく路地裏 はばたくしあわせ しわくちゃ 夜明けに あじさいが首振る朝焼け おぼえているだろうか 深みどりの色の 波の上でねむった日 ゆれて あなたにくちづけ なみだで 海も潮風も 不思議だな あなたの言葉だけは おぼえてる 何故だろう あなたの声だけは 潮騒の上 夏の絵ハガキかけば あなたがそばで寝息たて 不思議だな遠い銀河(そら) びわの実パレードがゆくよ 不思議だな あなたの言葉だけは おぼえてる 何故だろう あなたの声だけは 潮騒の上 夏の絵ハガキかけば あなたがそばで寝息たて 不思議だな遠い銀河 びわの実パレードがゆくよ |
ふもれすくあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 例えば 雨にずぶ濡れ野良犬にも 空を流れる雲を眺める木樵達の悲しみは 判らない時もあるだろう あるいは 昨日見た映画の砂漠のお月様にも 暗い御空のむこうの喜び悲しみは 判らない時もあるだろう 僕にも こんな日々に 明日におののきうめき喜びなげいてる 乙女達の胸の内はおそらく判るまい だけども この僕が どんなにおののきうめき喜びなげかい あなたを待っているかは あなたには判るまい 打ち上げられた 酔いどれ破れ船の夢の様に 明日の磯辺に 真砂と砕ける様に この僕のこのふたつの手で あなたをどんなに強く抱きしめても あなたもいつか死んで行くだろうか 崩れていった男や女達の夢のように 明日の御空にあてなくさまようように この僕のこのふたつの手で あなたをどんなに強く抱きしめても あなたもいつか帰ってゆくだろうか |
冬のサナトリウムあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | ほんの少しだけれど 陽が射し始めた 雪明り 誘蛾燈 誰が来るもんか 独人 荒野から山径へ 邂逅はまぼろし 弄びし夏もや 何が視えたんだろか 抱擁て 十九歳十月 窓からたびたち 壁でザビエルも ベッドで千代紙も 涕泣いた |
北極月報第一面の大見出しあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 鈴木惣一朗 | | 「北極月報大一面の大見出し」 「北極熊は北極星に向かって吠えよ!」 「北極熊は北極星に向かって吠えたい!そう想っているはずです。 だから、北極熊には北極星を与えよ!北極の曲芸台を与えよ! そう叫びたいのです。」 それによると次のようです。 「北極月報 4コマ漫画家歌手 北極熊朗に激動の40年」 「一家離散 片耳健忘症 右肩失望 股関節凍傷 四重苦をのりこえてここに 堂々北極点踏破! 踏歌! 大踏歌!」 「続報です 悲惨北極踏破の北極熊朗北極星指向の半世紀 北極星を宙から落とす オオロラのカアテンちぎれてもげる 白熊が招く運命のイタズラか?識者は識る 右前足のせた氷山がポロリを欠けた瞬間 おとなしく多摩動物センターにしておけば良かったと思ったはずです。」 「北極星が宙からポトリと落ちた瞬間 まだしも東武動物公園にしておけばよかったと~思ったはずです」 「続報です 20世紀一コマ漫画家歌手 北極熊朗ついに瀕死と思いきや 10年凍傷に突入す 俺はクマだクマローと言い続けて 3650日 今だに 右足親指モゲたまんま」 「北極歴980年 うろつき続けた歌う北極熊の遺骸 遂に完全な氷と化す 北極観測センター所長は語ってる コホン! 真っ白な北極の一点で最後にフッと消えたとき ちょっぴり胸部ギアが空まわりした気分でしたと」 「そおいつを! 北極熊と呼ばないのか 思うんなら北極曲芸台を置いて帰れ!」 |
港のロキシーあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 夏の終わる頃が近づいてくると つかの間の楽しみが消えていくみたいで 笑顔は寝顔へとさざ波立って 寝顔は笑顔へとまた寄せかえし 渚づたいに誰かの笑顔と 並んで重なってどこまで歩いてく 窓辺にまどろんだ夏の寝顔さえ ゆらいでもかすんでも それでも続いてた 夏の終わる頃が近づいてくると 映画で遊んだ友達も帰るのだろう 夏雲は映画館の屋根の上から 秋風のプラットホームに手を振りながら 渚づたいに誰かの笑顔と 並んで重なってどこまで歩いてく 窓辺にはにかんだ夏の素顔さえ はなれてもかすんでも ずぅっと憶えて |
弥勒あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 日本の言葉には あえかな人々の 諸国(くにぐに)がありました と聞く 日本の弥勒さま 小夜う児の現身(うつしみ)が 百済(くだら)から降りてきた と聞く 日本の言葉には 彷徨う児の空蝉(うつせみ)の 諸国(くにぐに)がありました と聞く |
MEZCAL(はじめに歌ありて)あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | この歌は はじめから あなたへの つのる思いで はち切れる歌 夜明けには 霧の中 生まれ出す 水晶のように きらめき くだけて 涙さえ 振り切って 背中には うぶ毛だつ 翼を広げ 幾とせ ちとせまで 飛び越え 歌い また飛び上がり 歌って この歌は はじめから あなたへと 暖め続けた 愛のことです 夜道には 空じゅうの 星くずの神々が きらめき さざめき歌う 刃(やいば)さえ 振り切って 背中には うぶ毛だつ 翼を広げ 幾とせ ちとせまで 飛び越え 歌い また飛び上がり 歌って |
雪男あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | ひとりさみしい夜には 星を眺めていることもあるんだよ 星は僕に何にも教えてくれはしないけど そして、どんなに泣こうとも |
百合コレクションあがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | | 夜毎夜毎 夢に咲く百合の君 百合から百合へ ささやく花言葉 高原の停車場の汽笛ふるわせて ゆめうつつのまま 閉じたるつぼみを抱きしめて オペラホールの丸屋根の上で 視つめていましたね 砕けてしまった土星のように 淋しい星でした それでもあなたと歩いた星ですね サヨナラは It's only モウイイノサ 百合Collection それでもあなたがほほえみ咲くかと サヨナラは It's only モウイイノサ 百合Collection ふりむけば 秋空に昇る君 一秒一秒毎に変わる君 一雨一雨毎にそよぐ百合 マッチ・ボックスに灯る夜の影 ゆめうつつのまま 触れたる口唇抱きしめて ラスト・シーンにくるくる踊る 北極星を視た シネマが終われば街灯りもない 淋しい星でした 旅の果てに訪ねた星ですね サヨナラは It's only モウイイノサ 百合Collection それでもあなたがほほえみ咲くかと サヨナラは It's only モウイイノサ 百合Collection ふりむけば 秋空に沈む君 |
ラム酒の大楽隊あがた森魚 | あがた森魚 | あがた森魚 | 鈴木慶一 | | ヒカウキ ブンブン ヒカウキ ブンブン ヘリコプ タプタプ ヘリコプ タプタプ |