この世の花島倉千代子 | 島倉千代子 | 西条八十 | 万城目正 | | あかく咲く花 青い花 この世に咲く花 数々あれど 涙にぬれて 蕾のまゝに 散るは乙女の 初恋の花 想うひとには 嫁がれず 想わぬひとの 言うまま 気まま 悲しさこらえ 笑顔を見せて 散るもいじらし 初恋の花 君のみ胸に 黒髪を うずめたたのしい 想い出月夜 よろこび去りて 涙はのこる 夢は返らぬ 初恋の花 |
りんどう峠島倉千代子 | 島倉千代子 | 西条八十 | 古賀政男 | | りんりんりんどうの 花咲くころサ 姉サは馬コで お嫁に行った りんりんりんどうは 濃むらさき 姉サの小袖も 濃むらさき濃むらさき ハイノ ハイノ ハイ りんりんりんどうの 花咲く峠 姉サは馬コで あとふりかえる 姉サに行かれて なんとしよう いっしょに柴刈る ひとも無いひとも無い ハイノ ハイノ ハイ りんりんりんどうは 小雨にぬれる わたしゃ別れの 涙でぬれる りんりん鳴るのは 馬の鈴 姉サは峠に 消えてゆく消えてゆく ハイノ ハイノ ハイ |
東京の人さようなら島倉千代子 | 島倉千代子 | 石本美由起 | 竹岡信幸 | | 海は夕焼け 港は小焼け 涙まじりの 汽笛がひゞく アンコ椿の 恋の花 風も吹かぬに 泣いてちる 東京の人よ さようなら 君の情けに 咲く花ならば 君と別れりゃ 涙の花よ 島のアンコの 黒髪を 忘れないでね また来てね 東京の人よ さようなら 岬廻って 消えゆく船を 泣いて見送る 日暮れの波止場 アンコ椿の 花びらに にじむ狭霧よ かなしみよ 東京の人よ さようなら |
逢いたいなァあの人に島倉千代子 | 島倉千代子 | 石本美由起 | 上原げんと | | 島の日暮れの 段々畑 紺のモンペに 涙がホロリ ホロホロリ 逢いたいなァ あの人に 子供の昔に 二人して 一番星を エー 探したね 風が泣いてる 夕風夜風 姉さんかむりに 花びらホロリ ホロホロリ 逢いたいなァ あの人に つばめは今年も 来たけれど 私は一人 エー 待ちぼうけ たばこ畑の 石ころ小道 はいた草履に 夜露がホロリ ホロホロリ 逢いたいなァ あの人に 今夜もこっそり 裏山に 出てみりゃ淋し エー おぼろ月 |
東京だョおっ母さん(セリフ入り)島倉千代子 | 島倉千代子 | 野村俊夫 | 船村徹 | | おっ母さん ねえ おっ母さん 久しぶりに こうして手をつないで おっ母さんと一緒に 東京見物出来るなんて あーとっても嬉しいわ ホラおっ母さん見てごらんなさい ここが宮城 二重橋よ 久しぶりに 手を引いて 親子で歩ける 嬉しさに 小さい頃が 浮んで来ますよ おっ母さん こゝが こゝが 二重橋 記念の写真を とりましょね ねえ おっ母さん 戦争でなくなった兄さん ここに眠ってるのよ やさしかった 兄さんが 田舎の話を 聞きたいと 桜の下で さぞかし待つだろ おっ母さん あれが あれが 九段坂 逢ったら泣くでしょ 兄さんも ねえ お兄ちゃん お兄ちゃんが登って遊んだ庭の柿の木もそのままよ 見せてあげたいわ さあさ着いた 着きました 達者で永生き するように お参りしましょよ 観音様です おっ母さん こゝが こゝが 浅草よ お祭りみたいに 賑かね |
思い出さん今日は島倉千代子 | 島倉千代子 | 星野哲郎 | 古賀政男 | | 目隠しした手を 優しくつねり あたしの名前を 呼んだのね 雨のベンチで ぬれている 思い出さん 今日は たまんないのよ 恋しくて あの指あの手 あの声が 笑ってごらんと 肩抱きよせて 涙を拭って くれたのね 雨の舗道で 泣いている 思い出さん 今日は こちらお向きよ 逃げないで お話しましょ いつまでも 誰かの真似して 小石を投げた ポチャンと淋しい 音がした 雨の小川に ゆれている 思い出さん 今日は つまんないのよ 何もかも あの日は遠い 夢だもの |
からたち日記島倉千代子 | 島倉千代子 | 西沢爽 | 遠藤実 | | こころで好きと 叫んでも 口では言えず たゞあの人と 小さな傘を かたむけた あゝ あの日は雨 雨の小径に 白い仄かな からたち からたち からたちの花 「幸せになろうね あの人は言いました わたしは 小さくうなずいただけで 胸がいっぱいでした」 くちづけすらの 想い出も のこしてくれず 去りゆく影よ 単衣(ひとえ)の袖を かみしめた あゝ あの夜は霧 霧の小径に 泣いて散る散る からたち からたち からたちの花 このまま 別れてしまってもいいの でもあの人は さみしそうに目をふせて それから 思いきるように 霧の中へ消えてゆきました さよなら初恋 からたちの花が散る夜でした からたちの実が みのっても 別れた人は もう帰らない 乙女の胸の 奥ふかく あゝ 過ぎゆく風 風の小径に いまは遥かな からたち からたち からたちの花 いつか秋になり からたちには黄色の実が たくさんみのりました 今日もまた 私はひとりこの道を歩くのです きっとあの人が帰ってきそうな そんな気がして |
哀愁のからまつ林島倉千代子 | 島倉千代子 | 西沢爽 | 船村徹 | 船村徹 | 涙あふれて はり裂けそうな 胸を両手で 抱きしめる みえないの みえないの 背のびをしても あゝ あの人は 行ってしまった からまつ林 せめてもいちど 恋しい人の 腕に甘えて 縋れたら それだけで それだけで 死んでもいいの あゝ 弱虫と 風が叱るわ 日暮の風が あとも見ないで 別れていった 男らしさが 哀しさが 燃えるよな 燃えるよな 夕やけ小焼け あゝ 帰りましょう 影を踏み踏み 落葉の道を |
花散る下田島倉千代子 | 島倉千代子 | 青山圭男 | 古賀政男 | 古賀政男 | 二すじに 道もわかれて 去り行く人の 姿も淋し 吹く風に 赤い椿が ホロリ散る 心に秘めた 折鶴も 翼破れて 片羽鳥 「鶴さん!下田の浜で、 心も身体も一緒に育ったあなたとあたし、 別れ別れになったとて悲しい時はお互いに、 見えない遠いところからでも、 夢の中でも手を取り合って、生きて行こうね…… さようなら……」 冴えかえる 月のしずくが 冷たく濡らす 磯馴れの松の うしろかげ 呼んではならぬ 人の名を 心に抱いて 夜もすがら 月も泣いたか 明烏 |
襟裳岬島倉千代子 | 島倉千代子 | 丘灯至夫 | 遠藤実 | | 風はひゅるひゅる 波はざんぶりこ 誰か私を 呼んでるような 襟裳岬の 風と波 にくいにくいと 怨んだけれど いまじゃ恋しい あの人が 風はひゅるひゅる 波はざんぶりこ 浜の日暮れは淋しいものよ たった一人は なおさらに こんぶとる手に ほろりと涙 背のびしてみる 遠い空 風はひゅるひゅる 波はざんぶりこ 春はいつくる 燈台守と 襟裳岬の女の子 泣いてみたいな 霧笛のように 泣けば思いも 晴れるのに |
恋しているんだもん島倉千代子 | 島倉千代子 | 西沢爽 | 市川昭介 | | 小指と小指 からませて あなたと見ていた 星の夜 地球も小っちゃな 星だけど 幸福いっぱい 空いっぱい だって だって 私は 恋しているんだもん 仲よしゲンカ して通る いつもは楽しい 散歩道 ごめんなさいねと 言えないで 涙がいっぱい 胸いっぱい だって だって あなたに 恋しているんだもん デイトのたびに ひとつずつ 思っていたこと 思うこと 素敵な言葉の 寄せ書も ノートにいっぱい 夢いっぱい だって だって ふたりは 恋しているんだもん |
夕月島倉千代子 | 島倉千代子 | 菊田一夫 | 小関裕而 | 松尾健司 | 鴎が啼いてる 磯浜に ほのかに浮んだ 夕月が あなたと私の 別離(わかれ)の影を じっと黙って 見ていたの 月は雲間に 隠れても 別れの涙は 波まに残る 東京恋しや あの空に ほのかに浮んだ 夕月よ 山脈(やまなみ)越えて 都へゆこか ゆけば会えるか しあわせに 月にきいても おぼろ夜の 雲にきけよと 答えるばかり 見知らぬ都の 日暮れ時 流れの岸の 夕月が あなたと私の ならんだ影を じっと黙って 見ているの 会ってみたけど しあわせは 雲間にかくれて 消えていたのよ |
七夕おどり島倉千代子 | 島倉千代子 | 丘灯至夫 | 遠藤実 | 松尾健司 | 晴れて楽しい 星空みれば 青葉城から 笛太鼓 笛太鼓 年に一度の 七夕まつり キンキン キラ キラ お星さまも 嬉しそう 笹に花咲く 街かざり 広瀬川さえ ネオンに染まる 染まる掛橋 いそいそと いそいそと 急ぐお方は 織姫さまか キンキン キラ キラ お星さまも 嬉しそう 団扇 片手に しのびあい 蛍とるとて 出かけたあの娘 見れば踊りの 仲間入り 仲間入り 無理もないでしょ 一年一度 キンキン キラ キラ お星さまも 嬉しそう ごらん 明るい 天の川 願いかけたは 去年の今夜 やがて この秋 お嫁入り お嫁入り 仕立ておろしの そろいの浴衣 キンキン キラ キラ お星さまも 嬉しそう かわい妹と 着て踊る |
星空に両手を島倉千代子・守屋浩 | 島倉千代子・守屋浩 | 西沢爽 | 神津善行 | | 星空に 両手をあげて この指を 星で飾ろう 君に可愛い あの星を あなたに青い あの星を 宝石なんて なくっても こころは夢の エメラルド 星空に 両手をあげて この指を 星で飾ろうよ 星空に 両手をあげて 想い出を そっとさがそう 消えた花火か あの星は 母さんの歌 あの星は 幼い頃が ひとつずつ あんなに遠く 光ってる 星空に 両手をあげて 想い出を そっとさがそうよ 星空に 両手をあげて 思ってる ことを話そう 二人のことを あの星に 未来のことを あの星に あの星空が しあわせな あしたをきっと つれてくる 星空に 両手をあげて 思ってる ことを話そうよ |
ほんきかしら島倉千代子 | 島倉千代子 | 岩谷時子 | 土田啓四郎 | | ほんきかしら 好きさ 大好きさ 世界で君が いちばん好きさ うれしいわ うれしいわ この喜びを どうしましょう 許してね 疑ったりして たのしいひとこと ききたかったのよ ほんきかしら 好きさ 大好きさ 知ってる くせに 好きと あなたから いってほしい 女ごころ じっと瞳をみて くちびる重ねましょう ほんきかしら 好きさ 大好きさ 世界で君が いちばん好きさ 昼も夜も おもかげを しのびながら 胸はずむわ 許してね こぼれる涙を やさしい言葉で 泣きたかったのよ ほんきかしら 好きさ 大好きさ 知ってる くせに いつも 愛を たしかめたい 女ごころ そっと瞳をとじ くちびる重ねましょう 許してね困らせたりして ときどき淋しい これが恋なのよ ほんきかしら 好きさ 大好きさ 知ってる くせに 夢のはかなさに ふるえている 女ごころ かたく手をとり くちびる重ねましょう |
涙の谷間に太陽を島倉千代子 | 島倉千代子 | 西沢爽 | 和田香苗 | 森岡賢一郎 | ながれる涙 あるかぎり まだ悲しみに 耐えられる あなたよ 心に燃えている 若いいのちを 信じよう 呼ぼうよ 呼ぼうよ 太陽を 涙の谷間に 太陽を 愛されないと 泣くよりも 愛してゆこう どこまでも あなたよ この世を嘆くまい 空の青さは 誰のもの 呼ぼうよ 呼ぼうよ 太陽を 涙の谷間に 太陽を こがらしの道 つらくても ひとりじゃないぞ 負けないぞ あなたよ 明日の幸福は 結ぶこの手に 花ひらく 呼ぼうよ 呼ぼうよ 太陽を 涙の谷間に 太陽を 涙の谷間に 太陽を |
ほれているのに島倉千代子 | 島倉千代子 | くるみ広影 | くるみ敏弘 | くるみ敏弘 | ボンボンボン ボンボンボン ボンボンボーン チャッチャチャ ボンボンボン ボンボンボン ボンボンボーン チャッチャチャ ひと目でほれた 「ヤンヤヤーン」 あなたに首ったけ 「ヤンヤヤーン」 愛してほしいのよ 「ヤンヤヤーン」 私の恋心 だけどあの人は つれないの 人の気持も 人の気持も 知らないで ボンボンボン ボンボンボン ボンボンボーン チャッチャチャ ボンボンボン ボンボンボン ボンボンボーン チャッチャチャ 逢いたい顔見たい 「ヤンヤヤーン」 ハートを抱きしめて 「ヤンヤヤーン」 いつでも思うこと 「ヤンヤヤーン」 あなたのことばかり だけどなぜかしら泣けてくる これが本当の これが本当の 恋かしら ボンボンボン ボンボンボン ボンボンボーン チャッチャチャ ボンボンボン ボンボンボン ボンボンボーン チャッチャチャ モシモシあなたでしょ 「ヤンヤヤーン」 ハイハイ私です 「ヤンヤヤーン」 デイトの約束を 「ヤンヤヤーン」 信じていいかしら だけどいつまでも待ちました 雨が降るのに 雨が降るのに 濡れながら ボンボンボン ボンボンボン ボンボンボーン チャッチャチャ ボンボンボン ボンボンボン ボンボンボーン チャッチャチャ 私が嫌いなの 「ヤンヤヤーン」 およばぬ恋かしら 「ヤンヤヤーン」 そんなことないさ 「ヤンヤヤーン」 あなたを信じてる だけどしあわせになれないの ほれているのに ほれているのに かなしくて ほれているのに ほれているのに かなしくて |
愛のさざなみ島倉千代子 | 島倉千代子 | なかにし礼 | 浜口庫之助 | | この世に神様が 本当にいるなら あなたに抱かれて 私は死にたい ああ湖に 小舟がただひとつ やさしくやさしく くちづけしてね くり返すくり返す さざ波のように あなたが私を きらいになったら 静かに静かに いなくなってほしい ああ湖に 小舟がただひとつ 別れを思うと 涙があふれる くり返すくり返す さざ波のように どんなに遠くに 離れていたって あなたのふるさとは 私ひとりなの ああ湖に 小舟がただひとつ いつでもいつでも 思い出してね くり返すくり返す さざ波のように さざ波のように |