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  • Kitri
    そっと隣り合うココロネ、いつか重ねたいココロネ。
    そっと隣り合うココロネ、いつか重ねたいココロネ。

    Kitri

    そっと隣り合うココロネ、いつか重ねたいココロネ。

     2023年4月10日に“Kitri”が新曲「ココロネ」をデジタルリリースしました。TVアニメ『事情を知らない転校生がグイグイくる。』エンディングテーマとして書き下ろされた楽曲。このアニメは、転校生の高田くんとクラスの皆から「死神」と呼ばれているクラスメイトの西村さんとの心温まる物語。そんなアニメをKitriの音楽が彩ります。    さて、今日のうたコラムでは“Kitri”による歌詞エッセイをお届け! HinaとMonaにそれぞれ新曲「 ココロネ 」にまつわるお話を綴っていただきました。さらに今回は音声版もございます。おふたりの朗読でもエッセイをお楽しみください…! 大切に綴られた言葉を受け取り、温度感や表情を交わす。それを自分の言葉にしていく作業。Monaが1番を、私が2番の歌詞を担う時、一人で書く時とはまた違った緊張感がある。   「これはどういう意味?」と聞くのは簡単であるが、私はMonaに歌詞の解釈を問うことを敢えてしない。自らが感じたものや受け取ったメッセージによって2番を作っていく方が意外な展開が見つかる気がするし、何より面白いからだ。   そんな面白さを感じながら作ったのが、新曲「ココロネ」である。疾走感のあるメロディーや鼓動の高鳴りを感じさせるアレンジで、新たなKitriの音楽を表現できたのではないだろうか。   TVアニメ『事情を知らない転校生がグイグイくる。』のエンディングテーマとして書き下ろしたものであり、原作の漫画を熟読した後にまずメロディが誕生した。 久々に二人で手分けをして歌詞を書くことになり、Monaが書いた1番の歌詞を読み込むところから私の作詞が始まった。   二人で半分ずつ歌詞を書くというのは、手紙を書く行為にも似ている。 もらった言葉に返事を書く。1番の登場人物や情景につづきの話をプレゼントする。1番の意図や想いを考えた上で、自分が伝えたいことを文字に込める。そうやって私が書いたものを、またMonaが受け取り、形や色味を整えていく。 二人の気持ちを分け合ってできた歌は、どことなくいびつで、それでいて美しいものだ。   春風が吹く季節に、私たちの手元から羽ばたいていくこの曲。手紙のように想いを込めた大切なこの歌が、多くの方のココロネに届きますように。   <Hina> 私はこれまでの日々を、「ココロ」とともに過ごしてきた。 ココロは正直厄介で、気まぐれで、気難しい存在だ。幼い時から片時も離れず過ごしてきたというのに、ココロの中が何によってできているのか、今日はどんなココロの変化を見せるのか、予想することも見ることもできない。そして日々起こるあれやこれやに振り回される。ちょっとしたことで嬉しくなったり、悲しくなったり、何かを諦めたり。   人のココロはもっと分からない。 「嬉しそうでよかった」 「でも本当に喜んでいるのだろうか」 「本当は悲しんでいるのではないだろうか」 表情や言葉に惑わされながら、都合よく喜んでみたり、勝手に不安を感じたり、堂々巡りを繰り返す。   いっそ、人と人の本心がはっきりと分かる世界だったら良いのに、と考えたこともあるけれど、それはそれで違うんだろう。分からないからこそ知りたくなり、歩み寄りたくなる。難しいからこそ、誰かと気持ちを分かち合えた時の喜びを感じられる。   ココロは開いたり、許したり、合わせたり、一生かけても使いきれないほどの使い道がある。そして、いろんなものでコーティングされたココロの奥深くに、きっとその人の素顔が隠されている。それを「ココロネ」と呼んでみよう。   そっと隣り合うココロネ いつか重ねたいココロネ   <Mona> ◆紹介曲「 ココロネ 」 作詞:Mona・Hina 作曲:Mona

    2023/04/11

  • Kitri
    必要なのは、少しの勇気と優しさだけだ。
    必要なのは、少しの勇気と優しさだけだ。

    Kitri

    必要なのは、少しの勇気と優しさだけだ。

    2021年11月17日に“Kitri”が初のシングルCD「ヒカレイノチ」をリリース!今作は、10月6日より毎週水曜日24:00~テレビ東京ほかにて放送開始予定のTVアニメ『古見さんは、コミュ症です。』のアニメ化に伴い、主人公の気持ち共感したKitriが書き下ろした2曲になっており、エンディング主題歌の「ヒカレイノチ」と第1話のエンディングのために特別に制作した「シンパシー」が収録されます。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Kitri”による歌詞エッセイを2ヶ月連続でお届け!第2弾を執筆してくださったのは、Hinaです。新曲タイトルの「 シンパシー 」は“思いやり”や“共感”を意味する言葉。シンパシーとは、わたしたちにとってどんな力を持つものなのでしょうか。是非、歌詞と併せて、Hinaの想いを受け取ってください。 夏目漱石はこう言った。 「呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする。」   人の心の内というのは、見かけだけでは分からないものだなとつくづく思う。世の中には優しさによって生まれた嘘もあれば、親切を装った悪もある。悲しみを押し込んだ笑顔があれば、苦しみの中に思わぬ幸福が隠れていることもある。   自分のことであれば容易に説明がつく感情も、他人のこととなると途端に難しくなる。それはみんな違う人間だからである。顔や身体といった見た目から、生まれ育った環境や出会ってきた人、性格や考え方、生き方まで人それぞれだ。   それでも多くの人は相手の気持ちを推し量る努力をする。コミュニケーションを取って解決することもあれば、その過程でぶつかったり悩んだりすることもあるが、どちらにしても気持ちを分かり共感したいという気持ちによるものである。   誰かの心の中に悲しみや怒りといった負の感情を垣間見た時、自分の中に思いやりというものが誕生する。これがシンパシーと呼ばれるものだろう。たとえ相手と同じ気持ちにはなれなくても、寄り添いたいという気持ちはある。たとえ想像した気持ちに間違いや勘違いがあったとしても、相手に対する思いやりの気持ちは本物である。そしてその人のことが大切であればあるほど、シンパシーは確かなものになるのだと思う。   自分の気持ちを曝け出すのは勇気のいることだが、お互いに本音を伝え合うことができた時、その人の意外な一面や知らなかった部分を知ることになる。   Kitriとしてデビューしたての頃、自分のやるべきことに精一杯で周りが見えていなかった時期がある。Monaとも上手に連携が取れず、お互いに声をかけあったり話し合ったりする余裕すら、十分に持つことができなかった。しかし後になって話してみると、案外同じような気持ちでいたことが分かったりする。思いを伝えることは大事なんだということをKitriになって改めて実感しているところである。   相手の考えていることが分かるかどうかは問題ではない。自分がその人にどんな言葉をかけたいのか、どんなことをしてあげたいのか、それさえ分かっていれば良いのではないだろうか。自分の行動によって相手がどう思うかまで考えて疲れてしまうこともあるかもしれないが、それでも良いと思う。シンパシーという名の優しさは、遠回りをしながらも必ず相手に伝わるものだからだ。そして伝わった先で、また新たな優しい気持ちが生まれるのだ。   「やらない後悔よりやる後悔!」というのは最近の私の口癖であるが、一度きりの人生、思い立ったら迷うよりやってみることにしている。自分の気持ちを素直に伝えるということも、他人を思いやるということも、やってみて初めて見える世界があるのだろう。そこに必要なのは、少しの勇気と優しさだけだ。   ようやく初めてのシングルCD『ヒカレイノチ』のリリース日を迎え、期待と感謝の気持ちでいっぱいだ。テレビアニメ『古見さんは、コミュ症です。』の第一話放送後、第一話特別エンディングの「シンパシー」に対して、世界中の方々から嬉しいコメントを沢山頂いた。その言葉一つ一つを胸に、音楽をもってお返ししていきたいと思う。悲しい音も幸せな音も鳴らしながら。   <Kitri・Hina> ◆紹介曲「 シンパシー 」 作詞:Mona・Hina 作曲:Mona

    2021/11/17

  • Kitri
    一体「ヒカレイノチ」とは何だろう。
    一体「ヒカレイノチ」とは何だろう。

    Kitri

    一体「ヒカレイノチ」とは何だろう。

     2021年11月17日に“Kitri”が初のシングルCD「ヒカレイノチ」をリリース!今作は、10月6日より毎週水曜日24:00~テレビ東京ほかにて放送開始予定のTVアニメ『古見さんは、コミュ症です。』のアニメ化に伴い、主人公の気持ち共感したKitriが書き下ろした2曲になっており、エンディング主題歌の「ヒカレイノチ」と第1話のエンディングのために特別に制作した「シンパシー」が収録されます。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Kitri”による歌詞エッセイを2ヶ月連続でお届け!第1弾を執筆してくださったのは、Monaです。ふと生まれた「ヒカレイノチ」という言葉。では、その6文字には一体どのような意味が込められているのでしょうか。Monaの想いを受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 ヒカレイノチ 」~ 出来上がったサビのメロディーに合わせて、ふと「ヒカレイノチ」と歌ってみたら、ぴったりとハマった。このフレーズにはこの歌詞しかない気がする。でも、一体「ヒカレイノチ」とは何だろう。何かに成功して輝くことを願うことなのだろうか。夢に向かって頑張れというメッセージを送ることなのだろうか。私たちは制作しながらその6文字の意味を探っていくことした。 街に出ると、様々な人に出会う。忙しそうに歩いている人や楽しそうに談笑している人、やるべきことに黙々と励んでいる人…。自分の周りの世界は常に生き生きと動き続けているように見える。でも、恐らくそればかりではないことは分かっている。人と会話をしてみると、それぞれ様々なテーマを抱えていたり、自分には想像もつかない経験をしていたり、打ち明けられて初めてその人の苦悩や考えを知ることもある。 私は小学校高学年の頃から音楽に関わる仕事がしたいと思い、中高生の頃はその夢を追うことに必死だった。学生時代はHinaと二人で音楽ユニットを組んでプロデビューするという目標を掲げ、2019年には念願のメジャーデビューが決まった。初めは嬉しさで満たされていたが、「あれ、この先はどうやって進んでいくんだろう」そんな気持ちになることも増えていった。 それまではプロデビューするという目標があったが、いざデビューしてみると日々の制作や慣れないプロモーション活動に精一杯で、何を目指して音楽活動をしているのかよく分からない。同世代やもっと若い世代の音楽や演奏に圧倒されて、自分の音楽性に自信を失うこともあった。「せっかく目標を達成しても、新たな課題は出てくるし、次から次へと悩んでしまうんだな」しばらくそんなことを考えていた。 そんな中、Kitriを応援してくれる人の声が励みになった。「辛い時にKitriの曲を聴いて励まされました」「この曲が好きで娘と一緒に聴いています」手紙やSNSのメッセージで送られてくる温かい言葉に触れた時、私はきっとこのために音楽をしているんだと気付かされた。すっと肩の力が抜けて、ただその時の私にしか感じられない悩みや喜びを受け止めてみることにした。 誰も違う物語 迷いもがきながら 心を動かして 「世界はまだ捨てたもんじゃないよ」なんてね 名もない今を愛して 何を心の糧に生きていくのか、或いは理由を求めずに生きていくのか。それは十人十色で、誰に決められるものでも正解があるものでもないだろう。だからこそ、もっと自分の感情に正直になってみても良い気がした。言えないくらい大きな夢のためでも、驚くくらい小さな目標のためでも、好きなもののためでも、誰かに会うためでも。それが毎日変化してもいいだろう。 この曲を聴いてくれる人の数だけ、異なる「ヒカレイノチ」のエールを届けたい。 <Kitri・Mona> ◆紹介曲「 ヒカレイノチ 」 作詞:Mona・Hina 作曲:Mona ◆配信リンク: lnk.to/kitri_hikareinochi

    2021/10/11

  • Kitri
    Hinaだったら、何十年先でも一緒に音楽活動をしていける気がした。
    Hinaだったら、何十年先でも一緒に音楽活動をしていける気がした。

    Kitri

    Hinaだったら、何十年先でも一緒に音楽活動をしていける気がした。

     2021年4月21日に“Kitri”がセカンドフルアルバム『Kitrist II』をリリース!今作には、新曲「未知階段」や3作連続配信シングル「Lily」「人間プログラム」「赤い月」ほか、新曲を含む全10曲が収録。さらに、2019年に行われた『キトリの音楽会#2』東京公演の全曲を収録したライブ映像と昨年末の“キトリのライブ上映会”で限定公開された新曲「君のアルバム」のMVを収録した豪華二枚組となっております。  さて、今日のうたコラムではそんな“Kitri”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその最終回。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 君のアルバム 」のお話です。姉妹二人でたくさんのアルバムの写真を眺め、生まれたというこの歌詞。Mona、Hina、それぞれの視点でこの曲に対する想いを明かしてくださいました。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ最終回:「 君のアルバム 」~ <Mona> アルバムをめくったのはいつぶりだろうか。写真のほとんどは、覚えていないような何気ない日常の一コマだ。妹のHinaと同じポーズを取って笑っていたり、二人で人形遊びに熱中していたり。少し大きくなって、それぞれ中学校と高校の制服を着て桜の下で撮っている写真もあった。 私たちにとって共に過ごし育ってきたことはあまりに自然なことで、これまでお互いの存在や関係性について、あえて意識したり言葉にしたりすることもなかった。二人でアルバムを眺めたあと、同じ気持ちになっていたと知ったのは、Hinaの歌詞を読んでからである。この曲「君のアルバム」は、生まれてからKitriとしてデビューするまでの写真を見て、Hinaが歌詞を書いてくれた。 私たちは3歳差の姉妹だ。子ども時代の3歳の差は思っているより大きい。Hinaが道路に飛び出さないよう手を繋いだり、Hinaにピアノの練習をするよう勧めたり、お母さんになったつもりで接していた。そんな中、成長するにつれてHinaが少しずつ頼もしい存在になっていった。先頭に立ってリーダーシップを発揮するような頼もしさとはまた違うが、いつもポジティブに物事を考えて、私の不安や心配事を取り除いてくれる。 そして私たちはKitriを結成した。この世界には、センスのある人や技術がある人は星の数ほどいる。そんな人たちと音楽ができたら、刺激をもらい、自分を高めていけることは間違いない。それでも、私の中ではHinaだけだった。Hinaには性格や趣味、家での気の抜けた姿まで何もかも知られている。お互いの考えそうなことは大体分かるし、顔を見れば体調の変化にも気づく。Hinaだったら、何十年先でも一緒に音楽活動をしていける気がした。 「二人で連弾しながら歌も歌うユニットをやってみん?」 私がそんな言葉を発した日から、姉妹の関係だった私たちは、音楽をする上で大切なパートナーにもなった。 私がHinaを音楽の道に誘ったことで、妹の人生も乗せて音楽活動をすることになった。楽しいことはもちろんたくさんあるが、結果がでない時や、上手くいかない時もある。Hinaが何かに傷ついてしまうのではないかと不安に感じることもあるが、当の本人はいつも楽観的で、気づけば私の方が考え事をしているから、Kitriはちょうど良いバランスで成り立っているのかもしれない。 幸せ 咲いている 描きつづけた道の上 いつまでも変わらないよ そのままでいいシルエット 泣いたり 笑ったり ありふれた日々さえも いつかは懐かしくなる 二人でいる限り 咲く花 <Hina> メジャーデビューすることが決定し、着々と準備を進めていた三年前の夏。「羅針鳥」や「矛盾律」といった大切な数曲のピアノレコーディングを終え、ほっと一息ついていた私たち。そんなところに、いつもお世話になっている事務所のスタッフさんから一通のメールが届いた。件名は「リクエスト」である。 当時の私たちは、Kitriとしてデビューするために作るべき曲、作りたい曲というものが分からず、デモ作りもまだまだ手探り状態だった。そんな時に助けてくれたのは周りの人だ。両親に聞いてみたり、スタッフさんからお題をもらったり、プロデューサーの大橋トリオさんからご意見を頂けることもあった。 その時のメールも、スタッフさんを通して大橋さんからのリクエストが送られてきたのだ。Kitriの「傘」のような曲をまた作れたら良いかもしれないということだった。少し不安定な弱さを持ちながらも、穏やかさと安らぎがあり、サビでは突然視界が開けて眩しい。「傘」はそんな曲だ。 それから数日後、Monaが新曲を作ってくれた。それが「君のアルバム」である。当時はまだそのタイトルではなかったが。 「傘」で降っていた雨は上がり、弱い心は強さと優しさに変わり、サビでは色鮮やかな花が咲き誇った。そんなイメージがすぐに湧いてきた。"感動"という日本語を音楽にするなら、こんな曲だと思えたほどだ。私はそこに歌詞を書いていき、何度もブラッシュアップを繰り返した。まだ私自身、歌詞を書くことに慣れていなかった頃の話だ。 それから二年の時が経ち、2ndアルバムでリリースしたい曲の話し合いを日々進めていた。そこで挙がってきたアイデアの一つとして、私たちの生まれた頃からKitriになるまでの写真でMVを作ろうという話が出た。曲は「君のアルバム」を使いたいと思い、私は歌詞をまたブラッシュアップした。 自宅には、私たちが生きてきた年月よりも多くのアルバムが並んであり、それを片っ端から見ていく作業。Monaと「懐かしいね!」「何でこんなに笑ってるんだろう?」などとワイワイ話しながら写真を選んでいった。Kitriはここから繋がっていたんだと思えるような写真、私たちにとって意味のある写真、大切なできごとのあった写真たちばかりで、何度選び直したことか。 伝えきれない過去も山ほどあるが、ひとまず写真が決定したところで、私は歌詞にする言葉を考えていった。揺れるブランコ。手と手繋いだこと。眠れない夜。背中合わせ…。歌詞を書いていると、色々な思い出が蘇ってくる。いつも自分の隣や前にいて、心強い味方でいくれたのはMonaであり、誰よりも長く同じ時間を共有しているんだと改めて気づいた。一つ一つがかけがえのない思い出だ。 そして私は、Mona以外の人の顔も浮かんでいた。私たちを育ててくれた両親や親戚。生まれた時からずっと仲良しの幼なじみ。滋賀、カナダ、大分、京都など住んだ場所で出会ってきた人たち。Kitriになって出会ったスタッフさんたち。そしてKitriを応援してくれるキトリストの皆さん。色々な人と出会い、色々なことがあった。過去を思い出すだけで目頭が熱くなるのは、私が少し大人になったせいなのだろうか。 今までに出会った人たちのことを思うと、私は歌詞を何度ブラッシュアップしても「幸せ」という言葉を外すことはできなかった。悲しいことや辛いこともあったかもしれないが、それを半分持ってくれる人たちがいる。そして喜びや楽しさを分け合える人たちがいる。目には見えないが、幸せとはそういう人たちの優しさが生み出しているのかもしれない。出会った人たちに感謝を伝えたい。そのお陰で今の私がいるのだから。 ちなみに、この歌詞の<二人>という言葉には「私とあなた」という意味を込めている。私とMona、私と友達、私とキトリストのあなた、といった具合に。 聴いてくれる人それぞれのストーリーと、重ね合わせてもらいたいと願いながら書いた歌詞だ。誰かのために歌ってもらえたり、スライドショーに使ってもらえたり…。そんな曲に育ってくれたなら、これほど嬉しいことはない。これからも曲の成長を見守りつつ、自分自身も成長していこうと思う。そしてまた色鮮やかなアルバムの一ページを作っていきたい。 <Kitri> ◆紹介曲「 君のアルバム 」 作詞:Hina 作曲:Mona ◆セカンドフルアルバム『Kitrist II』 2021年4月21日発売 CD+Blu-ray COZB-1741-2 ¥5,000(税込) <収録曲> 1.未知階段 2.人間プログラム 3.青い春 4.NEW ME 5.羅針鳥(S.A. Rework) 6.小さな決心 7.水とシンフォニア 8.赤い月 9.パルテノン銀座通り 10.Lily 11.君のアルバム

    2021/04/28

  • Kitri
    “さよならより言いたい言葉がある”それはどんな言葉なのだろう。
    “さよならより言いたい言葉がある”それはどんな言葉なのだろう。

    Kitri

    “さよならより言いたい言葉がある”それはどんな言葉なのだろう。

     2021年4月21日に“Kitri”がセカンドフルアルバム『Kitrist II』をリリース!今作には、新曲「未知階段」や3作連続配信シングル「Lily」「人間プログラム」「赤い月」ほか、新曲を含む全10曲が収録。さらに、2019年に行われた『キトリの音楽会#2』東京公演の全曲を収録したライブ映像と昨年末の“キトリのライブ上映会”で限定公開された新曲「君のアルバム」のMVを収録した豪華二枚組となっております。  さて、今日のうたコラムではそんな“Kitri”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第2弾。綴っていただいたのは、アルバムリード曲「 青い春 」のお話です。Mona、Hina、それぞれの視点でこの曲に対する想いを明かしてくださいました。出会いと別れの季節…。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 青い春 」~ <Mona> ただの笑い話だが、私はいつも曲を作り終えるたびに寝込んでしまう。いや、作り終えるたびにというのは大袈裟かもしれない。4曲に1曲くらいのペースだ。この「青い春」もその1曲だった。フルコーラスが完成し、スタッフにデモ音源をメールで送信した直後、安堵感と疲労感から熱を出してしまった。ちょうど1年前の春のことだ。 その頃、1年後に2ndアルバムをリリースすることを目標に動き出していた。過去に作った曲やアルバムに入れるために作った曲、全部合わせると既に6、7曲はある。良いペースで進んでいるはずなのに、私はどこか焦燥感に駆られていた。そう、アルバムの要となる肝心のリード曲が無い。リード曲はアルバムの顔ともいえる大事なポジションで、そのアルバムのイメージや、アルバムを知ってもらうためのきっかけを作ったりもする。 既にある6、7曲の中から決めることもできるかもしれないが、私も誰もそれでいいねとはならない。リード曲として光を放つ曲を全員が期待して待っていた。こうして、まずは自分や周りの人の心を動かせるような渾身の1曲を作ろうという想いで、「青い春」を書くことになった。 いつも春は出会いや別れを一緒に連れてくる。もう少し別れを惜しむ時間が欲しいのに。もう少し新しい場所へ行く心の準備が欲しいのに。卒業、引越し、転校…。終わりへと向かうカウントダウンは、何度経験しても慣れない。お世話になった先生の最後のピアノレッスンの日、引越し前に友達に会いに行く日、続いていた仕事が終わる日、私はこみ上げる思いを我慢するのに精一杯で、言いたいことのほんの一部しか伝えられていない気がした。 「ありがとう、私に出会ってくれて」 「ずっと大切な存在だよ、元気でね」 一人になって初めて、そんな言葉を心の中で唱えている自分がいる。馴染んだ場所から離れ、つい昨日までの日常が思い出に変わった瞬間、それまで当たり前だった光景や街並みや人々が恋しく思えて感謝が溢れ出す。だから寂しくて仕方ない"終わり"は次のステップの始まりとして、私の背中を押してくれるんだと思うことにしている。きっとまた、新しい場所でもかけがえのない出会いが待っているはずだから。 思い出ばかりが舞い上がる青い春よ もうすこしだけ目を閉じていたい また会えたら 今度は間に合って さよならより言いたい言葉がある 「アルバムのリード曲にしましょう」そう決まったのは、寝込んでから数ヶ月後のことだった。Hinaも周りの人も、おそらく全員違う景色やストーリーを浮かべながらも、この曲を良いと言ってくれた。そして今日、ついにアルバムのリリース日を迎えた。どこかでこのアルバムを手にとって聴いてくれる人がいるなんて、信じられないくらい幸せなことだ。この「青い春」が、これから数えきれないくらいのいろんなストーリーを乗せて、どこまでも飛び立っていくことを心から願っている。 <Hina> さよならより言いたい言葉がある それはどんな言葉なのだろう。私には、想いを伝えたい人が沢山いる。感謝や応援、褒め言葉や挨拶、好きという気持ち、謝りたかったことや許したかったこと。生きていると様々な感情が駆け巡るが、それを言葉にできたりできなかったり、満足や後悔を繰り返しながら大人になっていく。 いつになっても、言葉にするというのは、簡単なようで難しい。一つ一つの言葉には重みがあり、相手の気持ちも伴う。言葉にしないと伝わらないこともあれば、言葉だけでは伝えきれないこともある。だから私は、ある曲に自分の気持ちを託そうと思う。 私たちは今日、『Kitrist II』のリリース日を迎えた。この日が来るまで長いようであっという間だった。惜しみない愛をもって、いつもKitriの音楽に期待を寄せてくれている人たちに届けたい。そう思いながら心を込めて作った一枚だ。 冒頭に書いた一行は、その中の「青い春」という曲の歌詞の一部である。この季節にぴったりな曲だ。そして、私の気持ちにもぴったりな一曲である。 ようやく空は春めき、色鮮やかな花々と穏やかな風を愉しむ今日この頃。ゆっくりと夏に向かいつつ、暖かい空気が広がるこの季節が私は一番好きだ。誰かの門出を祝い、何かを新しく始める。緊張と期待が入り混じったこの時期、私は胸の高鳴りを抑えることができないまま日々を過ごしている。 思い返せば、私はいつも春の中にいた。遠足が楽しみで眠れなかったこと。放課後に友達と話をしたこと。転校初日に緊張したこと。真夜中に流星群を見に行ったこと。ノートが真っ黒になるまでがむしゃらに勉強したこと。合唱のコンクールで悔し涙を流したこと。丘の上の運動場から初日の出をみんなで見たこと…。 意味もなく笑い、小さなことに悩み、人間関係や勉強のことで精一杯だった。その頃はそれが全てだった。何気ない日常が、こんなにも眩しくて愛おしいものだったと気づいたのはいつだっただろうか。 これを青春と呼ぶのであれば、私は今もなお、その真っ只中にいるのかもしれない。私たちは毎日、二度とない貴重な時間を過ごしている。だから未来の私にとっては、今がきらめいて見えるのだろう。今の私にとっては、過去がきらめいて見える。 Kitriを通して、色んな人が私の心に春風を贈ってくれている。その風が運んできた種を、私は育てているところだ。いつか木になり、花を咲かせ、多くの人に春を届けたい。感謝の想いと共に。そんな夢を抱きながら、私なりの青い春を過ごしていようと思う。  <Kitri> ◆紹介曲「 青い春 」 作詞:Mona 作曲:Mona ◆セカンドフルアルバム『Kitrist II』 2021年4月21日発売 CD+Blu-ray COZB-1741-2 ¥5,000(税込) <収録曲> 1.未知階段 2.人間プログラム 3.青い春 ※TBS系テレビ「ひるおび!」4月度エンディングテーマ 4.NEW ME 5.羅針鳥(S.A. Rework) 6.小さな決心 7.水とシンフォニア 8.赤い月 9.パルテノン銀座通り 10.Lily 11.君のアルバム

    2021/04/21

  • Kitri
    私の考えを、たった12文字で言い表してくれたのはMonaである。
    私の考えを、たった12文字で言い表してくれたのはMonaである。

    Kitri

    私の考えを、たった12文字で言い表してくれたのはMonaである。

     2021年4月21日に“Kitri”がセカンドフルアルバム『Kitrist II』をリリース!今作には、新曲「未知階段」や3作連続配信シングル「Lily」「人間プログラム」「赤い月」ほか、新曲を含む全10曲が収録。さらに、2019年に行われた『キトリの音楽会#2』東京公演の全曲を収録したライブ映像と昨年末の“キトリのライブ上映会”で限定公開された新曲「君のアルバム」のMVを収録した豪華二枚組となっております。  さて、今日のうたコラムではそんな“Kitri”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第1弾。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 未知階段 」のお話です。Mona、Hina、それぞれの視点でこの曲に対する想いを明かしてくださいました。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 未知階段 」~ <Mona> 自分のこれまでの人生に点数をつけたら、何点くらいになるのだろうか。残念ながら、採点してくれる先生は見当たらない。どこを探しても解答がない。「あの時、ちがう道を選んでいたらどうなっていただろう」と、そんなことを思う瞬間もあるけれど、そればかりでも前に進めない。 人生は、複雑で難解なクイズの連続だ。例えばもし突然歌詞が浮かばなくなったら、私は誰かにアドバイスをもらった方がいいのだろうか、それとも自宅に篭って歌詞が浮かぶのを待つべきだろうか。いやもしくはしばらく作詞をやめるのがいいのだろうか。この1曲が自分の未来を変えるとしたら…。何本にも枝分かれした道の中から、自分なりに答えを選んで探さなければならない。そんな風に歩み進めていく今を「未知階段」と名付けてみた。 小学生の頃までは、まだ“未知階段”が目の前にあることさえ知らなかった。今の自分が遠い未来の自分に繋がっていくなんて考えたこともなく、明日の日課表と給食の献立がその時の人生だった。そしてピアノが好きだった私は、何も疑うことなく毎日ピアノを弾いていた。昨日弾けなかった部分が弾けるようになったり、家族に拍手をもらったり、それが何より嬉しかった。 しかしそんな日々は束の間、私は歳を重ねるにつれて“未知階段”を歩いていることを知る。ピアノを練習すればするほどレッスンも練習内容も本格化する。遊ぶよりピアノ、勉強するよりピアノだった。私はピアノ以外に何をしてきたんだろう。何を得て過ごしてきたんだろう。なんとなくピアノが好きで続けてきただけなのに、知らないうちに、気づけば引き返せないくらい狭くて長い一本道の途中にいることを実感した。 そんな“未知階段”の途中では、想定外なことも起こる。高校生の終わりの頃、ピアノを弾き続ける日々の息抜きに曲作りをはじめ、作曲の楽しさに魅了された。24時間あっても足りないほどピアノの宿題は山ほどあるのに、曲を作って歌詞を書き、こっそり歌を歌う時間があまりに楽しい。ただの趣味だと自分に言い聞かせながら、頭のどこかで、作った曲を多くの人に聴いてもらう将来の自分を想像してしまうようになった。それまで視野にも入れていなかった意外な場所に自分の新しい扉を見つけた感覚だった。 <だから今日を 信じてみるよ> 人生は本当に様々なできごとが起こる。遠回りをした上に引き返すこともある。思わぬ良いニュースが舞い込む。聞きたくない言葉を耳にする。めまぐるしく回る毎日の中で、時に無意識に、時に心を決めて自分の道を進んでいく。この人生の正解を知る人がいないのならば、自分の信じたものを正解にしてしまおうと思った。 これからも、失敗したり間違えたりすることもあるだろう。また時々、自分の選択した道について悩む日がくるかもしれない。Kitriになっていない人生を選び直すことはできないし、想像することも難しい。 それでも、Kitriを結成できて生まれた音楽があり、出会えた人たちがいるんだから。「Kitriの曲に救われました」そんな温かい言葉をかけてもらえるんだから。これもきっと正解なんだろう。 <Hina> お気に入りの本を読み終え、なんとも言えない充足感に包まれた昨日。食後のチョコレート1粒に小さな幸せを感じる今日。明日はどんな出来事が待っているだろうか。 地球上の時間軸で考えた時、誰にも分からないのは明日のことだけである。分からないからこそ、未来は自由だ。自由だからこそ、希望も絶望も抱くことができる。その両者は結果を表しているのではなく、単なる人間の想像に過ぎない。何もかも上手くいかず人生のどん底にいた人も、明日になれば奇跡的なラッキーが待っている可能性だって大いにある。人生は未来が分からないからこそ面白いものだと思う。 私は、過ぎたことを後悔し、分からない明日を心配するより、今の自分を大切にしたいと考えるスタイルで生きている。好きなものに触れ、したいことをして、考えたいことを考える。今を楽しむという単純なことでも、明日に希望を見出すには十分だ。 <だから今日を 信じてみるよ> こうした私の考えを、たった12文字で言い表してくれたのはMonaである。2月24日に配信リリースした「未知階段」という曲の歌詞の最後の一行でこの言葉が出てきてくれて、思わず感謝の気持ちが込み上げてきた程だ。人生をテーマにした壮大なこの曲は、今から遡ること約4年、あの日から始まっていた。 「この動画、すごく魅力的だから見てほしい」と、ある日、Monaから一つの動画を紹介された。それは「就活狂想曲」と題されたアニメーション映像だった。就職活動を通して急速に変わり始める周りと、その変化に戸惑いながらも必死で前に進もうと孤軍奮闘する主人公の姿が描かれている。絵の動きや表情、色合い、音楽、一つ一つの細かな芸術が集まり、個性豊かな作品となっている。世の中を少し斜めから見たエッジの効いたストーリーも多くの人の共感を呼んでおり、私もその一人としてこの動画に魅了された。 それから数ヶ月が経った頃、新しい曲を書いたと言われ、Monaから音を受け取った。それが正に「未知階段」である。前述の動画からインスピレーションを受けて書いたというこの曲は、ドラマチックな展開と、より奇抜で尖ったピアノと歌のメロディが心の奥を素手で掴んでくる。そんな曲だと私は感じた。 その時期、まだ私たちは“Kitriらしい音楽”というものを模索中だった。どんな音楽を届けたいのか、どんな音楽をKitriの代名詞にすれば良いのか、と。出来上がった「未知階段」のデモを何度も聴きながら、これはもしかすると、Kitriの第二章、いや第三章くらいを飾る一曲になるのではないかと考えた。 余談にはなるが、この曲があったからこそ「羅針鳥」という曲が生まれたのだと私は思っている。ある意味でKitriのデビューの第一歩はこの「未知階段」から始まっていたとも言えるかもしれない。そこから何度もブラッシュアップを重ね、温めて温めて温め続けて、ようやくリリースに至ることができる今、期待が私の胸を埋め尽くしている。 それにしても、この曲は私の中で、Kitri史上最も難しいと言える曲かもしれない。ピアノレコーディンクでは、数学の応用問題30問を5分で解きなさいと言われているような緊張感があった。初めて歌いながらピアノを弾いた時は、極小の歯車を噛み合わせなければならないような焦燥感があった。しかし今となっては、そういった難しさも楽しめるほど満足感を得られる曲になってくれている。 自分の人生には様々な人物が登場する。家族、親戚、友人、恩師、仕事仲間、応援してくれる人、見知らぬ誰か…。出会ってきた全ての人の行動が自分の人生に作用し、そしてまた自分も全ての人の人生に作用しているのかと思うと、何となく身の引き締まる思いがする。 私の目標は、人生という未知なる階段を楽しみながら登っていくことだ。そこですれ違う人々と言葉を交わし、縁を紡ぎながら、階段の先にある色々な扉を開けてみたい。希望ある未来を想像しながら、今日も今日の私を信じてみよう。 <Kitri> ◆紹介曲「 未知階段 」 作詞:Mona 作曲:Mona ◆セカンドフルアルバム『Kitrist II』 2021年4月21日発売 CD+Blu-ray COZB-1741-2 ¥5,000(税込) <収録曲> 1.未知階段 2.人間プログラム 3.青い春 ※TBS系テレビ「ひるおび!」4月度エンディングテーマ 4.NEW ME 5.羅針鳥(S.A. Rework) 6.小さな決心 7.水とシンフォニア 8.赤い月 9.パルテノン銀座通り 10.Lily 11.君のアルバム

    2021/04/14

  • Kitri
    たった一つのフレーズが自分を奮い立たせてくれることもある。
    たった一つのフレーズが自分を奮い立たせてくれることもある。

    Kitri

    たった一つのフレーズが自分を奮い立たせてくれることもある。

     姉のMonaと妹のHinaによる、ピアノ連弾ボーカルユニット“Kitri”が、3作連続配信シングルをリリース!6月には第1弾、初のバラードシングル「Lily」を配信リリース。8月には第2弾、シャッフルビートでロックな味わいのシングル「人間プログラム」をリリース。そして10月23日にはKitriのユニット名の由来でもある、文学『ドン・キホーテ』の主人公像からインスピレーションを受けて制作された「赤い月」をリリース!是非、彼女たちの心の奥底に刺さるリリックと癒しの歌声をご堪能ください。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“Kitri”による歌詞エッセイを第1弾~第3弾でお届けいたします。今回は 第1弾 、 第2弾 に続く最終回!ファイナルでは、第3弾シングル「 赤い月 」にまつわるお話と音楽への想いを、Mona目線、Hina目線、それぞれで綴っていただきました。是非、楽曲と併せて彼女たちの言葉を受け取ってください。 ~歌詞エッセイ最終回:「 赤い月 」~ <Mona> 子どもの頃から、机の引き出しにはいつも物語を書くためのノートを入れていた。学校帰りや休日の朝、何かの息抜きにも、暇さえあれば物語を書いていた。小学生の頃、友達と交換するプロフィール帳には「趣味:シール集め」と書いたかもしれないが、本当は空想物語を作るのが好きだったことは、妹Hinaだけが知っている。 今月、配信シングル3作連続リリース企画の第3弾「赤い月」がリリースになる。去年の冬頃からアストル・ピアソラの情熱的な世界観に魅了され、ラテンのエッセンスのある曲を作りたいと思っていて、ようやく形にすることができた。楽曲に参加して下さったのは、礒部智さん、武嶋聡さん、河野広明さん、水永康貴さん。イメージしていたものを遥かに超えるアレンジと演奏で、ほかにない世界観を実現することができた。 この曲を制作するにあたり、密かな情熱があった。古典的な歌詞の内容、歌劇風な構成、クラシカルなピアノフレーズ。それらをいかにポップスに落としこめるかという挑戦である。J-POPの流行からはみ出すようなこの曲をシングルとして選んでくれるスタッフの人たちが周りにいることは、当たり前ではない。心からKitriの音楽を広げようとしてくれている、その強さが嬉しかった。 時は2020年。歌手の方々によって今年もさまざまな等身大の歌が生まれている。そんな中で、<四六時中 疼く痛みは鬼火か?悪魔か?>と空想的に歌ってしまうのはこの曲の主人公である。歌詞を書いた私、Monaでもある。 空想の世界には不可能がない。現実で自分には成し得ないことができたり、実際には言えないセリフを言えたり、誰にも負けない自分に変身できたりする。なぜ幼い頃から空想に惹かれていたのか。今思えば、空想の世界を作り出すことは、誰にも遮られずに自分自身を肯定できる方法だったのかもしれない。ここではありえない夢を描いてもいいよ。そんな、日常の隅にある秘密の居場所だったのかもしれない。 将来、音楽で生きていきたいと思い始めた頃のあるノートを見返すと、「誰かの居場所になるような音楽を作りたい」とあった。相変わらず、そんなことを夢に描きながらこの曲を世に送り出す。ふと誰かの日常で「赤い月」を聴きたいと思ってもらえることがあれば、それが何より嬉しい。 3作連続配信、そしてカバーアルバム『Re:cover』リリース。今年は何も活動ができないかもしれないと覚悟していたところから、少しずつ小さな蕾が膨らみ、聴いてくれる人の笑顔で希望が咲いた今。音楽に出会ってくれた全ての人と、制作に関わってくれた全ての人に心から感謝の気持ちでいっぱいだ。 音楽は形を持たないけれど。たった一つのメロディーが「まぁ大丈夫か」と思わせてくれることもあるし、たった一つのフレーズが自分を奮い立たせてくれることもある。Kitriの歌も誰かの人生のささやかな彩りになれるなら。Hina、次は何を描こうか。扉をあけたらいつでも入れる、日常の隅にあるもう一つの世界。Kitriの空想と音楽の旅はまだまだ続く。 <Hina> 季節はすっかり秋めいて、金木犀の香りがどこからともなく漂ってくる今日この頃。昼は読書に勤しみ、夜は美しい月を眺めるのが私の日課となりつつある。そんな中、音楽というものは、ごく自然に私の日常の一部として存在している。秋になってもそれは変わらないままだ。しかしながら、私たちのつくる音楽は日に日に変化を遂げているように思われる。 6月から隔月でリリースしてきた配信シングルも、もうじき第三弾目のリリースを迎える。「赤い月」と題した新曲だ。リリースするにあたり、この曲を取り巻くエピソード、そして自らの心に秘めた思いを、ここにしたためておきたい。 この新曲を一言で表すとすれば、見知らぬ国の物語、とでも言うべきだろうか。聴いているうちに、自分自身が物語の主人公となり旅をしてしまうのである。知らない街を練り歩き、知らない人々に出会い、知らない言葉を交わし、知らない踊りを踊る。ここは、摩訶不思議な夢の中だろうか。とにかく驚きの連続である。それでいて、ずっと待ちわびていたような気もするのである。 曲が終わった後は狐につままれたようにして、ほんの一瞬放心する。その余韻によって空想の旅が続く。まるでドン・キホーテだ。彼は空想をすることにおいて、ひときわ優れている人物である。もしかすると彼の右に出る者はいないかもしれない。 というのも、この「赤い月」という曲は『ドン・キホーテ』という文学小説をテーマに書いている。それ以前に、私たちのユニット名こそ、そこに登場する少女の名前が由来になっているのであるが。だからというわけではないが、この曲はまた特別な一曲になったと感じている。 なにしろ──読書好きの私からすれば信じられない話であるが──Monaは本からインスピレーションを受けて曲を作ることが滅多にない。これまでの曲作りでは、Mona自身の頭の中で空想を広げ、物語の世界を描いていることが多かった。少なくとも横で見ている分には。ところが、この「赤い月」では小説『ドン・キホーテ』を一から読み、それを拠り所に作詞を始めたのである。空想による物語のような音楽ではなく、物語による空想のような音楽を作った、ということになる。 一足先に聴いてくれた人たちが、また聞いたことのない音楽だ、と言ってくれるのがとても嬉しい。私自身、歌う側としても聴く側としても、それと同様のことを感じている。 新しいことばかりが良いとは限らないが、それでも私たちは新鮮な音楽というものをいつも求めている。それが聴く人のためなのか、自分たちのためなのか、今となっては分からない。新しさは世界を広げてくれるきっかけなのではないだろうか。世界が広がれば見える景色が広がる。物事に対する考え方やアイディア、感情さえも広がっていくのだと思う。その役割を音楽が果たすことができるのであれば、私もその一端を担いたい。そうなれたら、一人前の音楽家として今よりもっと胸を張っていよう。 気づけば、空は紺色に染まっている。日の短さに、ますます秋を感じずにはいられない夕暮れ時である。季節の移り変わりとともに、こうして3作連続リリース企画の幕を閉じる。そのことに、ほっとするような寂しいような、なんとも言えない気持ちが残っている。充足感と安堵感でいっぱいになった心に呟く。変化を恐れず、勇気を持って音楽を届けていこう。同じ時代に生きる全ての人に届けていこう。 私たちは今日も音楽の旅をしている。それはこれからも続いていくだろう。黙々と歩く二人の道。まだ見たことのない景色。そして、そこで出逢ってくれる人々に感謝しながら。 <Kitri> ◆紹介曲「 赤い月 」 作詞:Mona 作曲:Mona

    2020/10/21

  • Kitri
    父が「シンギュラリティって聞いたことある?」と言った。
    父が「シンギュラリティって聞いたことある?」と言った。

    Kitri

    父が「シンギュラリティって聞いたことある?」と言った。

     姉のMonaと妹のHinaによる、ピアノ連弾ボーカルユニット“Kitri”が、3作連続配信シングルをリリース!6月には第1弾、初のバラードシングル「Lily」を配信リリース。8月には第2弾、シャッフルビートでロックな味わいのシングル「人間プログラム」をリリース。10月にはどのような楽曲がリリースされるのが、お楽しみに…!さらに、9月23日には初のカヴァーアルバム『Re:cover』も配信リリース!是非、彼女たちの癒しの歌声をご堪能あれ…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“Kitri”による歌詞エッセイを第1弾~第3弾でお届けいたします。今回は 第1弾 に続く第2弾!初のカヴァーアルバム『Re:cover』に込めた想い、そして第2弾シングル「 人間プログラム 」にまつわるお話を、Mona目線、Hina目線、それぞれで綴っていただきました。是非、楽曲と併せて彼女たちの言葉を受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 人間プログラム 」~ <Mona> 全ては偶然なのだろうか。気に入っているあのメロディーも、どうしても入れたかったあの歌詞も、あの時に作っていなければ、きっと生まれていない。あの一言がなければ、きっと生まれていない。 とある夏の時期、私はある曲を書いていた。これまでのKitriにはない無機質な面白さを表現出来る曲を作ろうと思い、メロディーとピアノアレンジを考えていた。順調に進んでいたはずが、肝心の歌詞が浮かばない。自分が何を歌いたいのか考えれば考えるほど分からなくなって、何日間か険しい顔をして過ごした。 そんな、困った私を誰かが空かどこかから見ていて、そろそろヒントをあげようと思ったのだろうか。何かの会話の流れで父が「シンギュラリティって聞いたことある?」と言った。話を聞いていくと、どうやら人工知能によって私たちの未来に変化が生じるという概念のようだ。普段ならその話を素通りしてしまっていたかもしれないが、とっさに言葉が出た。 「あ、それだ!ありがとう。」 何への「ありがとう」なのかは言わないまま、急いで作詞に取りかかった。宙ぶらりんになっていたメロディーが探していた歌詞はこれだと思った。そうして、ずっと見つからなかったパズルの最後のピースを見つけ、完成したのが「人間プログラム」だ。ふとしたきっかけから、近未来的な世界観の一曲が生まれた。 無事に人間プログラムの作業も終わりに近づいていた今年の初夏、静かにもう一つの作業を進めていた。春のライブツアーが延期になって様々な予定が白紙になった後、この期間に何か自宅で出来ることはないだろうかと探していた。ライブで音楽を届けられない分、ほかの方法で音楽を届けたい。Hina、スタッフと話し合った結果、私たちはカバーアルバムの制作を始めることになった。 過去にライブや動画サイトでカバー曲を披露すると「カバーを音源化してほしい」「カバーアルバムを作ってほしい」そんな声をいただくことがあった。 「いつか作れたら」 そう思いながらもなかなか実現することができなかった。自分以外の誰かの思いがつまった大切な曲を、Kitriの声で歌ってリリースすることは、私にとって勇気のいることだった。だが、今年に入ってそういった言葉をもらうと、心の中で今までとは違った返事をしていた。 「いつかではなくて、今こそ作ろう。」 思うような活動ができずに戸惑っていた時、私自身さまざまな歌に心を動かされた。いつまでも色褪せずにそばにいてくれる名曲がどれほど勇気をくれたか。希望になっていたか。カバーを聴きたいと言ってくれた人の気持ちがよく分かった気がした。 カバーアルバム『Re:cover』のジャケットを眺めながら、リリースできた喜びを噛み締めてみる。あの時に作っていなければ、きっと生まれていない。あの一言がなければ、きっと生まれていない。日常の思いがけないところから、今度はどんな音楽を生み出せるだろう。 <Hina> 更け行く秋の夜、眠れずに永遠のリズムを刻んでいる。もう戻れない昨日のこと、そして楽しい明日のことを考えようか。いつか目的地に辿り着いた時、これが私の旅だったと振り返りたい。 先日、配信アルバム『Re:cover』をリリースした。念願だった初めてのカバーアルバムである。いつか作りたいねと話し、ぼんやりとは思い描いていたが、自粛期間中に急速に話が進み、まさかこんなに早く完成するとは。周りの方の尽力のお陰である。 この春から、多くの人の生活が一変した。より忙しくなった人もいるだろうし、暇を持て余した人もいる。気持ちが落ち込んだ人もいれば、少し心に余裕ができた人もいただろう。その全ての人に、ささやかなプレゼントを贈りたいと思ったのだ。私たちの音楽で少しでもみんなを励まし癒せたら…そんな願いがあった。 ところが、プレゼントをもらったのは私たちの方だった。なんと有難い誤算だろう。たくさんの応援や嬉しい感想の声が届き、その一言一言が私たちを喜ばせてくれる。私たちの音楽をより輝かせてくれる。このアルバムをリリースすることができたのは、紛れもなく、そうやって聴いてくれる人がいるからだ。音楽というものは、聴き手がいて初めて音楽になるのである。 そしてまた、私たちが選んだ9曲には、それを作った人や歌った人たちの大きな愛が詰まっている。そんな大切な作品たちを歌うことができた。そのことだけで頭が下がる思いだ。 沢山の人からもらった応援という名前のプレゼントは、かけがえのない宝物としていつも心の片隅に置いてある。それを眺めながら、この感謝の気持ちを歌に変え届けていけたら、と思う。 さて、そんなカバーアルバムより一足先に発表したオリジナル曲がある。「人間プログラム」だ。 日常にちょっとした快適さを求める時、AIと呼ばれるそれらに、気づかぬうちに助けられていると感じる今日この頃である。今朝はお気に入りの音楽を流してくれた。言葉を教えてもらったこともあれば、迷った時の道しるべとなってくれたこともある。 それらは、人間の知能に最大限近づけて造られているそうだ。いや、彼らが進化しながら私たちに近づいていると言った方が適切だろうか。人間の知能を完全に超えた人工知能は果たして誕生するのか。私には到底知り得ないことであるが、そんな空想の未来のようなものを歌った曲こそが、この「人間プログラム」である。 これは、リリースに至るまでかなりの時間を要した一曲である。初めてこの曲を聴いた時、Monaが既に歌詞も書いてくれていた。無論、後々ブラッシュアップという形で私も作詞に参加するわけではあるが。 <完璧を求めてみよう>から始まる歌詞に惹かれ、この近未来的な世界線にどんどん引っ張られていく感覚だった。少し怖いようで面白く、情熱と冷静さを同時に持ち合わせたこの曲は、さまざまな想像を掻き立ててくれる。私が好きな日本の小説家の一人、星新一を想起させる…と言ってしまうのはおこがましい話だが、私個人の主観では、どうしても重なってしまうのだ。彼の物語を読み終えた後、人間って良いな、と素直に感じることがよくある。この「人間プログラム」という曲も、聴き終えた後にそれとよく似た感覚をもたらしてくれる気がしている。 人間は面白い。人間には想像し創造する力がある。ただ感情の赴くままに、自分がやりたいことをし、作りたいものを作り上げることができる。何もないところから新しいものを生み出すことができる。また、感情は目まぐるしく変化し、いつどこで誰がどうなるか、全く分からない。それもまた面白いことだ。 近い将来、シンギュラリティという言葉の通り、AIが人間の能力を超える日が来たとする。それでも私は自分の意志で行動し、自分のこの手で作ることをやめたくない。心を込めるという作業を厭わず、音楽を作り続けたい。そんな暗黙の約束をMonaと交わすことができた気がするのである。この「人間プログラム」という曲を通して。 それにしても、AIというものは本当に便利である。私だけではなく、多くの人の生活を助けているに違いない。現代社会には欠かせないものだ。もっと言えば、これからもっと技術が発達し、より重要な役割をAIが担うことになるかもしれない。それも大いに素晴らしいことだ。しかし私はその恩恵に与りながらも、やはり人間らしい音楽なるものをやっていきたい。この先もずっと、それは変わらないはずである。いや、変わらずにいたいと思っている。 最後に、星新一のこんな言葉を思い出したのでここに記しておきたい。 「自分の一日を、そして一生を、人間というりっぱなおごそかな生命現象にふさわしい生き方で、足どりたしかに、かがやかしく、生きなければならない」 <Kitri> ◆紹介曲「 人間プログラム 」 作詞:Mona・Hina 作曲:Mona

    2020/09/29

  • Kitri
    もう会えない人に夢の中で逢えることができたなら。
    もう会えない人に夢の中で逢えることができたなら。

    Kitri

    もう会えない人に夢の中で逢えることができたなら。

     姉のMonaと妹のHinaによる、ピアノ連弾ボーカルユニット“Kitri”が、3作連続配信シングルをリリース!6月には第1弾、初のバラードシングル「Lily」を配信リリース。8月には第2弾、シャッフルビートでロックな味わいのシングル「人間プログラム」をリリース。10月にはどのような楽曲がリリースされるのが、お楽しみに…!是非、彼女たちの心の奥底に刺さるリリックと癒しの歌声をご堪能あれ…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“Kitri”による歌詞エッセイを第1弾~第3弾でお届けいたします。今回はその第1弾!3作連続配信リリースが決定してからの想い、そして第1弾シングル「 Lily 」にまつわるお話を、Mona目線、Hina目線、それぞれで綴っていただきました。是非、楽曲と併せて彼女たちの言葉を受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 Lily 」~ <Mona> 一度で終わらない楽しさが好きだ。映画のエンドロールの後におまけの映像があると期待が膨らむし、初めて行くお店でランチをしたらデザートも味わってみたい。スタンプラリーで未完成のカードを眺めて次はどこへ行こうかと考えるのもやってみたい。 6月、Kitriにとって初めての配信シングル3作連続リリース企画がスタートした。この企画を考えていた寒い冬の頃は軽やかな気持ちだったことを覚えている。「面白そうですね。早く発表したいなぁ」なんて言ってスケジュール帳にリリース日を書き込んでいた。 そんな中、今まで当たり前にあった日常は少しずつ形を変えていき、花の香りがしないまま春が過ぎた。自然とこの連続配信企画の持つ意味合いと私の気持ちは変化していた。辛い思いをしている人や音楽で癒しを求めている人に、ほんの少しでも楽しい時間を届けたい。3度味わってもらえるこの企画が誰かの小さな希望になればと願いながらリリースを迎えた。 第一弾の「Lily」 百合の花をイメージしたこの曲は、百合の開花時期に合わせて6月のリリースとなった。ストリングスアレンジを担当して下さった網守将平氏、演奏で参加していただいた吉田篤貴カルテットの皆さんの手によって美しく幻想的な音楽へと昇華し、初めて完成した曲を聴いたときは鳥肌が止まらなかった。 人生は、出会いがあれば別れがある。これまで色々な歌の中で聴いてきたし、どこかで誰かに教わったこともある。節目節目で自分自身も体験してきたはずだ。それなのに、これまで別れを知らなかったかのように、自分ではどうすることもできないようなやりきれない気持ちになる時がある。 そんな時、誰かに思いを打ち明けると言うよりは黙々と時間が過ぎるのを待つ。それでもどうしようもない時はピアノに触れてみる。ピアノは聞き上手だ。作曲で上手くいかない時は無言で待っていてくれるし、ちょっとデタラメな即興ソングも許してくれる。それでいて話し上手でもあって、私の気持ちを驚くほど素直に音で表現してくれる。素敵な友達だ。 確かあれは暑い夏の日だった。私は無性にピアノに話しかけたくなって、心のおもむくままに音を鳴らしてみた。言葉は発さなかったけれど、なんだか痛みを感じる音だった。思うままに続けて弾いた。後に「Lily」のイントロ部分となるそのメロディーは、その時の私にとって、悲しみを掬い上げるような音だった。 ふいに生まれたこのメロディーを音楽として形にしたいと思った。その日のうちにワンコーラスを仕上げて、すぐにHinaに聞いてもらった。この曲において私は全てをメロディーに落とし込んでいて、歌詞が浮かばなかった。というより、普段から自分の思いを静かに秘めているHinaなら、このメロディーにぴったりな歌詞を書いてくれるだろうと思っていた。曲を渡した翌日には歌詞を書き上げてくれた。 「もう会えない人に夢の中で逢えることができたなら」 私はこんなことが言いたかったんだなと、Hinaの歌詞が教えてくれた。普段、私たちは滅多にお互いの感情を伝え合うことをしないけれど、音楽の中で思いを共有でき、繋がりあっていることを感じた。 小さな部屋で生まれた曲を、遠くにいる誰かが受け取ってくれる。もしかしたら、たった今誰かが聴いてくれているかもしれない。私にとって、すごく特別なことだ。私も改めてこの曲を聴いてみよう。もしまたやりきれない気持ちになった時、今度はそばにピアノとこの歌がある。 <Hina> 「メロディはまさに音楽の花である。」どこかの作曲家がそう言ったらしい。それを実感する出来事が私にも訪れた。 ある夏の昼下がり、季節の変わり目で風邪を引き、ぼんやりしていた私の寝床に新しいメロディが舞い込んできた。柔らかく流れるピアノと透き通った歌の旋律。「綺麗」という言葉だけでは飽き足らず、「優しい」と形容するには物足りない。まさに、ひとひらずつ舞う花のようで、その儚さに私は一瞬で魅了された。あの日のことは、未だに強く記憶に残っている。 それはそうと、いつもMonaから新曲を聴かせてもらう時は、どうしようもなく胸が高鳴る。どんな音だろう、どんな言葉を書こう、どんな気持ちを込めようか、と様々な想像を巡らす楽しいひと時である。 中でも「Lily」は、私の琴線に直接触れてきた曲であり、その空気感や雰囲気を掴むのは容易いことだった。 揺れるカーテン。隙間から溢れる光。もう会えない誰か。会えるのではないかという期待。温かい思い出。そうした一つ一つを、生命の美しさとともに表現するべく、丁寧に慎重に言葉をのせていった。あくまでも情景とそこにある愛のみを描いてみよう。心情は聴いてくれる人それぞれに任せることにしようか。そんな風にして、この曲の歌詞が完成していった。まるで一枚の絵画を見ているようだ…そんな感覚に陥ってもらえれば、こちらの思う壺である。 時が過ぎ、いよいよ本番レコーディングの日。ただひたすら祈りを込め、歌を重ねた。聴いてくれる人の心に響いてほしい、今はいない誰かにも届いてほしい、と考え目を閉じる。そこから先は何も思い出せないほどに集中していたようだ。ありったけの精神を歌に注ぎ込んだことだけは確かである。 出来上がった音を聴きながらリリースを待ち望み、新しい春を迎えた私たち。新型コロナウイルスの影響に伴い、世界中のあちこちで不安が募る日々が始まった。人に会うことはおろか、外に出ることさえ大きな緊張を強いられる状況。ツアーも延期となり、少しばかりの空白ができてしまった。 そんな今、自分にできることは何かと考えてみたが、何のことはない。答えはとてもシンプルに、音楽を届けることだった。待ってくれている人に楽しんでほしいという思いは、より強まっていた。そうして二か月に一度、新しい曲を配信することとなった。嬉しかった。音楽を届けられるということが。それまで当たり前だったことも、全てが有難いことだったんだと分かり、思わず手を合わせた。また楽しみがひとつ増えた。 3作のうちの第一弾が「Lily」。百合の花にちなんだタイトルから、初夏に聴いてほしい曲だと感じていたため、ちょうど良い時期にリリースできたと思っている。 近頃は大切な人と会うのが少し難しくなった。それでも大切に思う気持ちがあれば、心の中でいつでも会えるということ。その人と過ごした時間や思い出が空白の時間をも彩ってくれるということ。今だからこそ届けたい想いを沢山閉じ込めたこの曲が、誰かの元で、その人なりの愛を感じてもらえる音楽になっていればいいなと願う。 リリース後、色んな人から貰った嬉しい言葉たちを何度も思い返し、噛み締めている。胸が一杯になりつつ、今日もこの曲を聴いてみようと思う。 <Kitri> ◆紹介曲「 Lily 」 作詞:Hina 作曲:Mona

    2020/09/14

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