一体「ヒカレイノチ」とは何だろう。

 2021年11月17日に“Kitri”が初のシングルCD「ヒカレイノチ」をリリース!今作は、10月6日より毎週水曜日24:00~テレビ東京ほかにて放送開始予定のTVアニメ『古見さんは、コミュ症です。』のアニメ化に伴い、主人公の気持ち共感したKitriが書き下ろした2曲になっており、エンディング主題歌の「ヒカレイノチ」と第1話のエンディングのために特別に制作した「シンパシー」が収録されます。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Kitri”による歌詞エッセイを2ヶ月連続でお届け!第1弾を執筆してくださったのは、Monaです。ふと生まれた「ヒカレイノチ」という言葉。では、その6文字には一体どのような意味が込められているのでしょうか。Monaの想いを受け取ってください。

~歌詞エッセイ第1弾:「ヒカレイノチ」~

出来上がったサビのメロディーに合わせて、ふと「ヒカレイノチ」と歌ってみたら、ぴったりとハマった。このフレーズにはこの歌詞しかない気がする。でも、一体「ヒカレイノチ」とは何だろう。何かに成功して輝くことを願うことなのだろうか。夢に向かって頑張れというメッセージを送ることなのだろうか。私たちは制作しながらその6文字の意味を探っていくことした。

街に出ると、様々な人に出会う。忙しそうに歩いている人や楽しそうに談笑している人、やるべきことに黙々と励んでいる人…。自分の周りの世界は常に生き生きと動き続けているように見える。でも、恐らくそればかりではないことは分かっている。人と会話をしてみると、それぞれ様々なテーマを抱えていたり、自分には想像もつかない経験をしていたり、打ち明けられて初めてその人の苦悩や考えを知ることもある。

私は小学校高学年の頃から音楽に関わる仕事がしたいと思い、中高生の頃はその夢を追うことに必死だった。学生時代はHinaと二人で音楽ユニットを組んでプロデビューするという目標を掲げ、2019年には念願のメジャーデビューが決まった。初めは嬉しさで満たされていたが、「あれ、この先はどうやって進んでいくんだろう」そんな気持ちになることも増えていった。

それまではプロデビューするという目標があったが、いざデビューしてみると日々の制作や慣れないプロモーション活動に精一杯で、何を目指して音楽活動をしているのかよく分からない。同世代やもっと若い世代の音楽や演奏に圧倒されて、自分の音楽性に自信を失うこともあった。「せっかく目標を達成しても、新たな課題は出てくるし、次から次へと悩んでしまうんだな」しばらくそんなことを考えていた。

そんな中、Kitriを応援してくれる人の声が励みになった。「辛い時にKitriの曲を聴いて励まされました」「この曲が好きで娘と一緒に聴いています」手紙やSNSのメッセージで送られてくる温かい言葉に触れた時、私はきっとこのために音楽をしているんだと気付かされた。すっと肩の力が抜けて、ただその時の私にしか感じられない悩みや喜びを受け止めてみることにした。

誰も違う物語 迷いもがきながら 心を動かして
「世界はまだ捨てたもんじゃないよ」なんてね
名もない今を愛して


何を心の糧に生きていくのか、或いは理由を求めずに生きていくのか。それは十人十色で、誰に決められるものでも正解があるものでもないだろう。だからこそ、もっと自分の感情に正直になってみても良い気がした。言えないくらい大きな夢のためでも、驚くくらい小さな目標のためでも、好きなもののためでも、誰かに会うためでも。それが毎日変化してもいいだろう。

この曲を聴いてくれる人の数だけ、異なる「ヒカレイノチ」のエールを届けたい。

<Kitri・Mona>

◆紹介曲「ヒカレイノチ
作詞:Mona・Hina
作曲:Mona

◆配信リンク:lnk.to/kitri_hikareinochi