前はもっとオシャレしよって、ちゃんと張り切ってくれてたよ。

ましのみ
前はもっとオシャレしよって、ちゃんと張り切ってくれてたよ。
2019年2月20日に“ましのみ”がニューアルバム『ぺっとぼとレセプション』をリリースします。今日のうたコラムでは、今作の収録曲であり、1月21日から先行配信シングルとしてリリースされている「フリーズドライplease」をご紹介。みなさんは、恋人と月日を重ねてゆくにつれ、理想と現実の矛盾が生じ、モヤモヤしたことはありませんか…? 僕たち ムードなんてあってないようなものじゃん って笑ってた君と いつぶりの DVD じゃない映画館でみる映画デート 涼めるから って理由で説得されてくれたけど それもそれで 「フリーズドライplease」/ましのみ 恋愛の絶頂期を過ぎて、もはや<ムードなんてあってないようなもの>だと笑う恋人。主人公だって、自宅でDVDを一緒にまったり観る時間などが嫌なわけではないのでしょう。望んでいた安定の心地良さもあるはずです。それでも<君>を久々の<映画デート>に誘ったのは、まだ<ムードなんてあってないようなもの>を“なくしたくない”から。 率直に「たまには映画館デートしたい!」と言っても、しぶったであろう恋人。なんとか<説得されて>くれても、主人公の胸中には(二人のトキメキを維持したいのは私だけ?)(めんどくささの方が勝るの?)(もう愛は薄れたの?)とボンヤリした不満が広がります。その言葉にし尽くせない想いが<それもそれで>…というワードから伝わってきます。 サンダルに覗く お揃いのアンクレットで 思い出したのは 多分もっと 今よりもっと ちゃんと愛してくれてた頃 フリーズドライ please フリーズしないピーク 効きすぎたクーラー 膝掛けの下 繋いだ手 フリーズドライ please フリーズしないピーク 紛れたどさくさ 暗闇 塩っけのあるキス 瞬間を あの時のあの瞬間を 乾かして新鮮なままとっておけたなら いつまでも乾くことない2人でいれたかな なんて 「フリーズドライplease」/ましのみ お揃いのアンクレットを買ったり、膝掛けの下で手を繋いだり、暗闇のなかでキスをしたり。あの頃は<今よりもっと ちゃんと愛してくれてた>のになぁ…と、かつてのわかりやすい愛情表現と比較すると、どうしても今を味気なく感じてしまいます。やるせなくもなってしまいます。だからといって、自分だけ浮き足立っているのも嫌ですし…。 それゆえに、二人の絶頂期だった<あの時のあの瞬間を>フリーズドライできていたら、なんて無理な“たられば”も想像してしまうのです。フリーズドライとは、食品を凍結させ、真空状態に置き、乾燥させる技術のこと。そうやって凍結乾燥させたピークの感情を、いつでも溶かして食べることができたら、たしかにずっと新鮮な二人でいられるのかもしれませんね。 安く済むから ってドリンクも躊躇いなくペアセットで頼んで 上映時間ギリギリまで別々の用事済ませたり 何気ない惰性が悪くないこともわかってはいるよ 心地は良いし ふらっとコンビニに 出かけるような服も 似合っているけど 前はもっと オシャレしよって ちゃんと張り切ってくれてたよ 「フリーズドライplease」/ましのみ ただし、この歌で主人公は終始どこか不満を匂わせながらも、はっきり「嫌」とか「悲しい」とか「空しい」といったネガティブなワードを口にすることは控えているように思えませんか? 逆に“今を肯定する言葉”は必ず言葉にしております。理由はともあれ、説得されてくれたこと、ペアセットで頼んでくれたこと。何気ない惰性が悪くないこと。心地は良いこと。ふらっとコンビニに出かけるような服も似合っていること。 過ぎないピークも 落ちない鮮度もないけど 成長していく恋ならいつでも新しい ピークを ハートを ステージを 迎え続けられる 「フリーズドライplease」/ましのみ フリーズドライ please フリーズしないピーク 過去は綺麗なままにして今を見てればいい フリーズドライ please フリーズしないピーク 寒がりだからと 買っといてくれた ホットティー フリーズドライ please フリーズしないピーク ほら意識ひとつで目の前に顔を出す幸せ かくれんぼは止めにして 乾いた思い出を溶かさずいられるように だってお湯に入れたってせいぜい残るのは 即席インスタントのトキメキくらいでしょう なんて 「フリーズドライplease」/ましのみ そんな“今を肯定する言葉”の数々は、歌の終盤、前向きな結論へとたどり着くのです。成長していく恋ならいつでも新しい。過去は綺麗なままにして今を見てればいい。そう意識を変えて、今を見つめたとき<寒がりだからと 買っといてくれた ホットティー>に、今日もちゃんと込められている“愛”を感じたのではないでしょうか。 もう手は繋がないし、キスもしないかもしれない。けれど、伝えなくても<寒がり>なことや<ホットティー>が好きなことを当たり前に知っていて、自然と思いやって行動してくれる。それが成長した“今の愛の形”なのだと思います。それは<即席インスタントのトキメキ>よりもきっとずっと強いもの…! 今、恋人とマンネリ期で悩んでいるというあなた。是非、ましのみの「フリーズドライplease」を聴いてみてください。 ◆紹介曲「 フリーズドライplease 」 作詞:ましのみ 作曲:ましのみ ◆ニューアルバム『ぺっとぼとレセプション』 2019年2月20日発売 初回限定盤 PCCA-04748 ¥3,500(tax incl) 通常盤 PCCA-04749 ¥3,000(tax incl.) <収録曲> M-1. フリーズドライplease M-2. ’s M-3. タイムリー M-4. 美化されちゃって大変です M-5. Q.E.D. M-6. どうせ夏ならバテてみない? M-7. 錯覚 M-8. コピペライター M-9. ターニングポイント M-10. ゼログラビティのキス M-11. 凸凹 M-12.AKA=CHAN Bonus. 夢ノート
























