こんな歌を置いていって、ほんとにごめんね…。

HOWL BE QUIET
こんな歌を置いていって、ほんとにごめんね…。
みなさんは“サネカズラ”という植物をご存知ですか?夏に可愛らしいうすい黄色の花が咲き、やがて緑の実がなります。そして秋に木苺のような真っ赤な果実へと変化し、その美しさは格別なんだそう。鮮やかで、美味しそうに膨らんでおり、冬までよく目立つんだとか…。さて、今日のうたコラムでは、そんなサネカズラがタイトルの新曲をご紹介いたします。神奈川県出身の4人組ピアノロックバンド“HOWL BE QUIET”が12月14日にリリースする3rdシングル「サネカズラ」です。 最後の夜になったね いつもと変わらない君がいて 僕はなんだか これからさよならすることがもう夢みたいで もう二度と交わらずに 別の誰かさんと出会いに行くんだね それじゃ僕は 君より可愛くてチャーミングな子と恋に落ちよう 君のことなんか思い返さないよう 恋は恋で蓋をしよう そんな風に言っていたら 楽になるかな 忘れるのかな 「サネカズラ」/HOWL BE QUIET HOWL BE QUIETのメジャーデビュー以降、初のバラードということで大きな期待を集めているこの曲。付き合っていた二人が別れる<最後の夜>が男性目線から描かれております。今日でもう終わりだということがどこか信じられず、<君より可愛くてチャーミングな子と恋に落ちよう>、<恋は恋で蓋をしよう>と精一杯、強がろうとしていますが、そんな言葉じゃ楽になれないことも、忘れられないことも、彼自身が一番よくわかっているのだと伝わってきますね。さらに歌詞を読み進めていくと、どうやらこのカップルは長いこと同棲をしていたようです。 どうすれば君のことを 傷付けられるか考えて 君の“僕”を幻にすることで 自分を遺すことにするよ 君とお揃いのもんは捨てておこう 僕の痕跡をなくそう そうして晴れて君の一人暮らしの部屋が出来たよ 「サネカズラ」/HOWL BE QUIET “僕”の方が一緒に暮らしていた部屋から出て行く側なんですね…。ここで彼は、物質的には自分の痕跡をなくそうと言っておきながら、彼女を傷つけることで心に自分を刻みつけようとしております。やはりまだ“未練”があるように感じられます。ところで、何故この曲のタイトルが「サネカズラ」なのでしょうか。その答えは、次のフレーズから明かされていくのです。 君の誕生日の花が「再会」って ずるいよな まるでまたどこかで 会えてしまうみたいでさ 全部最後だったね キスもハグも好きだよも 止まらない涙を 笑ってごまかして ドア越し 見送った 君の笑顔 覚えてるからね 今までありがとう ずっとそばにいてくれて どんな時でも 救い出してくれて こんな歌を置いていって ほんとにごめんね 二度ともう出会えない君への遺言を 「幸せになってね」 またね 「サネカズラ」/HOWL BE QUIET そう、“サネカズラ”は、彼女の誕生花を意味していました。花言葉は、歌詞にもあるように【再会・また逢いましょう】。ちなみに、9月15日と11月6日の誕生花だと言われておりますが、サネカズラは赤い実が冬までよく目立つとのことなので、<君>はおそらく11月6日生まれ…であるような気がしませんか…?そして、別れ際にこの花言葉をふいに思い出してしまった彼は、強がっていた言葉や彼女を傷つけようとしていた気持ちなど放り投げ、歌の中に次々と素直な気持ちが溢れてゆくのです。 <こんな歌を置いていって ほんとにごめんね>…本当に、こんな歌を残されてしまったら彼女だってなかなか忘れられませんよね。でもそれこそが、彼の願いなのかもしれません。つまり、<二度ともう出会えない君への遺言>と言ってはいるものの、この歌に託されているのは彼女の誕生花“サネカズラ”の持つ花言葉と同じ<再会>の気持ち。だからこそ、最後のフレーズは<さよなら>ではなく<またね>なのです。果たして二人は、この先また逢うことができるのでしょうか…。いつか、HOWL BE QUIETには「サネカズラ」の続編を書いていただきたいですね…! ◆紹介曲「 サネカズラ 」 作詞:竹縄航太 作曲:竹縄航太 ◆3rd single「サネカズラ」 2016年12月14日発売 通常盤 PCCA-04458 ¥1,200+税 DAYS盤 PCCA-04459 ¥1,200+税 <収録曲> 収録楽曲 M1.「Higher Climber」 M2.「サネカズラ」 M3.「Dousite」