さて、今日のうたコラムではそんなお話にも関係のある新曲の歌詞をご紹介いたします。今年1月に再結成したロックバンド・イエモンこと“THE YELLOW MONKEY”が10月19日、15年ぶりにリリースした通算25枚目のニューシングル「砂の塔」です!カップリングには、2月に発表した再結成後初の新曲「ALRIGHT」が収録。タイトル曲は、現在放送中のドラマ『砂の塔〜知りすぎた隣人』の主題歌となっております。尚、ヒロインは菅野美穂、謎に包まれた不気味な“隣人”は松嶋菜々子です。
そこに住めばどんな願いも叶うと言われる愛の城
だけどなぜかみんな笑顔はハロウィンのパンプキン
早く寝なさいとママの爪が光る
あなたは今どこにいて私を見ているの?
探しても 探しても 目の前は砂嵐
積み上げた喜びもすぐにうずもれた
幸せも裏切りもいつもそばにあるよ
上に行くほど傾いた塔
安定はしない
「砂の塔」/THE YELLOW MONKEY
歌詞は、ドラマで描かれている世界をピタリと表現したもの…。『砂の塔〜知りすぎた隣人』の舞台は、安全で清潔で“子育てに最高の環境”であるはずのタワーマンション=<愛の城>です。しかし実際、その場所に満ちているのはセレブな主婦たちの醜い虚栄心や度を越えた悪意…。表面上は仲良く見せておきながら、心は黒い闇でいっぱいの人々の笑顔は、本当に<ハロウィンのパンプキン>のような不気味な笑みなんです。それは、冒頭でご紹介したように“悪霊を追い払うため”=“自分に都合の悪い人間を追い払うため”の仮面とも言えるのかもしれません。
探しても 探しても すぐにまた砂嵐
暖かい母の手を いつか握りしめ
オレンジの馬車に積んだ黄色いカーネーション
上に行くほど傾いた塔
安定はしない
太陽に近い
天国に近い
「砂の塔」/THE YELLOW MONKEY
曲はこのように幕を閉じてゆきます。<黄色いカーネーション>という言葉もまた、ドラマに登場する大切なキーワード。花言葉は“軽蔑”です。自分のことしか考えない人々への“軽蔑”が<上に行くほど傾いた塔>の住人達をますます追い込んでいきそうな予感…。また<探しても 探しても すぐにまた砂嵐>、ずっと<安定はしない>その姿は、魂の安住の地を求めて放浪するハメになった悪人“ジャック”にも重なるような気がします。果たして、タワマンの母親たちは“安住の地”を築き上げることができるのでしょうか。
そして、今週10月28日に放送される『砂の塔〜知りすぎた隣人』の第3話では、まさに“ハロウィンイベント”がテーマになっている模様。早くも第一章のクライマックスとも言われるこの回、お見逃しなく。きっとエンディングではよりいっそう、THE YELLOW MONKEY「砂の塔」の歌詞がザクザクと刺さるハズ…!
◆NEW SINGLE「砂の塔」
2016年10月19日発売
初回限定盤 COCA-17240 ¥1,296(tax in)
通常盤 COCA-17241 ¥1,080(tax in)
<収録曲>
1.砂の塔
2.ALRIGHT
3.砂の塔 -Instrumental-
4.ALRIGHT -Instrumental-