自分の人生の英雄は自分自身なんだ!

 2025年11月8日に“相川七瀬”がミニアルバム『FIREWORKS』をリリースしました。今作は相川にとって久々となるコラボレーション作品となっております。つるの剛士、土屋アンナ、Micro(Def Tech)、KENJI03(BACK-ON)といった個性豊かなアーティストたちとの作品や、今年の全国ツアーを通じてファンと共に育んできた織田哲郎による「明日へ」など、カラフルで力強い作品が収録。
 
 さて、今日のうたではそんな“相川七瀬”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け。最終回は、デビュー30周年イヤーにリリースされた三部作のアルバムから第一弾『SPARKLE』全収録曲のセルフライナーノーツを綴っていただきました。ぜひ作品とあわせて、それぞれの楽曲に込めた思いを受け取ってください。



デビュー30周年イヤー、第一弾として発表した『SPARKLE』は、“輝いている人を応援する”という世界観で紡がれた曲たちの集合体です。
 
この曲たちを作った頃の自分の状況が、自分が大学生になった時期でもあったので、何かの目標に向かって走る、走り切るということが、裏テーマとしてあったのかもしれません。
 
このアルバムに収録された曲たちは、野球や陸上、バスケットボール、柔道などたくさんのスポーツを見たことが影響しています。それを支える監督や家族、チア、応援団など様々な人たちが、その瞬間にかけている思いがあり、重なり合っているのだという気持ちがベースになっています。
 
 
「英雄譚」
この曲は夢を追いかける全ての人がモチーフになっています。
「無理だ、無駄だ、やめておけ」と周りの人が、人の夢に口を出すことはよくあることですが、そういう外のノイズを跳ねのけて自分の人生の英雄は自分自身なんだ!!というメッセージを込めました。
 
「BLUE STAR」
TVKのベイスターズの中継ソングになったこの曲。
私は、野球ファンなので野球をテーマにした曲を作りたいと思っていました。
地方に野球の応援にいった時に、この歌詞が浮かびました。ホームとビジターの違いなどを感じて、選手の人たちは様々なプレッシャーと戦っているのだという思いを歌詞に込めました。ちなみに、歌詞の中の<もっとその向こうに連れていって>は、クライマックスシリーズの、もっとその向こうだ!!という意味でもあったので、この年の日本一は、ファンとしてとても嬉しかったです。
 
「DOUBLE CALL」
頑張っている人を応援したいという意識が「BLUE STAR」「襷を繋げ」「英雄譚」という曲に繋がったのですが、よく考えたら自分も応援されている職業だなと(笑)。ファンの人たちからのアンコールの声は、楽屋までもちろん聞こえており、感動の気持ちでいつもいっぱいになるので、そんなファンの人たちの視点に立った曲を作ろうと思いたちました。客席からの声で、袖の中にいる自分で引っ張り出してもらっている、ファンの人たちの大合唱というイメージで、この曲が出来上がりました。いつか本当にその大合唱を実現したいと切に願っている、とても気に入っている1曲です。
 
「襷を繋げ」
箱根駅伝が大好きで、チームで走る彼らの姿を歌にしました。
走る人を支えている様々な人を襷に感じて走っている、箱根路にかける彼らの思いを歌詞に込めています。デモテープだったこの曲を、大学時代にチアや応援団と共に、キャンパスで演奏したことがきっかけで、レコーディングをすることになりました。
コーラスは、同級生のチアと応援団にも参加してもらい、私にとっては特別な思い出が詰まった曲です。
 
「無限の棘」
この歌は、何度も歌詞を書き直し、世界観を固定するのに一番悩んだ曲でもあります。ロックバラードが久しぶりだったので、物語というよりは大人の等身大の自分を描こうとして向き合いました。レコーディングでは、マイクを何本も試し、声質にこだわった作品でもあります。
 
「エンドロール」
ライブのエンドロールを作るようなイメージで書いた曲です。
ツアー後の寂しさは私自身が一番感じているのですが、ファイナルを迎えた時、もう水面下に次のツアーが始まっているというループを、ファンの皆さんと歌で共有したいという思いを込めています。究極は、そのループを共に生きているという瞬間がライブなのだと思います。
 
 
三回に分けてお送りしたこのコラム、ご覧いただいてありがとうございました。
まだまだ30周年イヤーは続きますので、これからも応援よろしくお願いします。
 
<相川七瀬>



◆ミニアルバム『SPARKLE』
2024年11月6日発売

<収録曲>
1 英雄譚
2 Blue Star
3 DOUBLE CALL
4 襷をつなげ
5 無限の棘
6 エンドロール

◆ミニアルバム『FIREWORKS』
2025年11月8日発売
 
<収録曲>
1.何度でも~Rebirth~ feat. つるの剛士
2.Victory Anthem
3.sweet revenge feat. ANNA TSUCHIYA
4.カミナリ祭 feat. Micro from Def Tech
5.いつも隣で
6.明日へ
7.So what? feat. KENJI03(BACK-ON)
8.ワッショイ!