こどもの頃はいつでも お日さまが出るだけで嬉しくて
宝物探すような毎日だった Oh Happy days
背中を丸めて歩く こんな未来を想像もしない
あれからどれくらい諦めてきただろう
時を重ねて
正義がいつも勝つわけじゃないと知ってしまった
知らない方が幸せなこと 溢れ過ぎてるけど
なるようにしかならないこの世界でも
ガムシャラに前に進んでいけば
少しずつ景色は変わり始める
自分を信じる気持ちを恐れないで
「Keep on trying」/黒川沙良
彼女はこの曲について『どんなことが自分の身に降りかかっても、腐らず、前を向いて生きよう!そんな気持ちをこの曲にぶつけて作りました』とコメント。大人になればなるほど“諦め”が上手になっていくことも、知らない方が幸せな“現実”を飲み込む場面が増えてゆくことも、生きていく上では仕方ないことなのかもしれません。でも、それでも、サビには“あなたにとって一番大切なことだけは譲らないでほしい、負けないでほしい”という力強いメッセージが溢れております。聴くだけで黒川沙良の強さと明るさのパワーを分けてもらったような気持ちになる…!そんな1曲です。
また、アルバムタイトルの『Prelude』=『プレリュード』とはご存知ですか?これはまず『前奏曲』という意味の言葉。さらに『準備行為』や『前ぶれ・前兆』という意味もあるんです。そして、今作の収録曲にはどの曲にもどこかそのテーマが通じているように感じます。たとえば前述した「Keep on trying」は、夢を叶えるための『準備行為』として聴ける楽曲ですね!しかし一方で、このアルバムには“悲しみ”への危うい『前ぶれ・前兆』を描いた歌も立て続きに収録されております。
昔の女の香りが付いてる
そんなベッドに誘わないで
あなたはなんにも気づかないのね
私が感じるもどかしさも
「その光を私に射して」/黒川沙良
本当はとっくに気付いていたんだ
あなたが最後に選ぶのはきっと
私じゃないよね 当たり前だよね
これ以上の嘘で悲しませないで
「Goodbye」/黒川沙良
目に映る全てに あなたがいたから I miss you
一人きりの部屋で 私は迷子になる
立ち止まればいつも
想い出は笑ってる 揺れる瞳のまま
最後の横顔 あの後ろ姿 今更届かない想い
この街の全てが 二人で見た空が まだ忘れられないよ
奇跡信じて待ち続けたまま 今 歩き出せなくて
「I Think Of You」/黒川沙良
この切ない3曲が、アルバムのラストを飾る楽曲なんです。なんだか主人公の“私”はすべて同一人物で、3曲で1つの物語のようにも感じられます。「その光を私に射して」では、まだ<昔の女の香りが付いてる>ベッドに誘ってくるような男性に光を感じてしまった彼女。しかし、月日を経て「Goodbye」では<あなたが最後に選ぶのはきっと 私じゃない>と、他にも女性の影があることに気がついてしまいます。そして別れを告げるのです。ただ、「I Think Of You」の冒頭では<この街の全てが 二人で見た空が まだ忘れられないよ>と、失くした恋の残像の前で立ち尽くしてしまっている姿が伝わってきますね…。
あんなに好きだった
あなたの温もりも忘れかけてゆく
時が過ぎたから もう泣いたりしない 前を向きたいから
あの頃の涙を 傷ついた心を 今は抱きしめられる
いつかあなたを思い出す時は
笑ってI think of you
「I Think Of You」/黒川沙良
しかし、この曲の幕はそんなフレーズで幕を閉じてゆきます。不安になって、疑って、哀しんで、苦しんで、寂しくて、いろんな“涙”を味わった彼女ですが、<時が過ぎたから もう泣いたりしない 前を向きたいから>と、最後にやっと“希望”の『前ぶれ・前兆』が見えてくるのです。まさに『Prelude』というアルバムを締めるに相応しいフレーズですよね!このように、サウンドのみならず、描かれている物語にもじっくり浸れるアルバムとなっておりますので、まずは是非是非、その“歌詞”をチェックしてみてくださいませ。
◆1st Full Album『Prelude』
2016年11月23日発売
<収録曲>
1 Embrace
2 Keep on trying
3 Blue
4 Allnight
5 Now Best One
6 Find out〜One Thing〜
7 Appreciate
8 17さい
9 その光を私に射して
10 Goodbye
11 I Think Of You