夢は死んじゃうんだね。
(狗飼恭子『薔薇の花の下』より引用)
この言葉は、裏を返せば“現在進行形で話すことができる限り、夢は生き続ける”ということでもありますよね。来たる2016年11月19日、一度たりとも夢を<過去形にして>話すことなく、最期の最期まで夢と生き続けた男の生涯を描いた映画が公開されます。松山ケンイチ主演の『聖の青春』という作品です。今作の主人公は、弱冠29歳の若さで亡くなった実在の棋士・村山聖という人物。100年に1人と言われるほどの天才だったそう…。
“難病”に侵され、余命が短いことを覚悟した彼が「どう死ぬか、どう生きるか」に向き合った最期の4年間。映画では、将棋に全人生を懸け全力で駆け抜けた【怪童】の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描かれております。そして、そんなノンフィクション作『聖の青春』の主題歌を手がけたのが、シンガーソングライターの“秦基博”です!タイトルは「終わりのない空」。10月19日に両A面シングルとしてリリースされました。
ガラスケースの中 まだ どこか 遠い夢
ふるえる衝動 焦燥 たたきつけた
砕けた欠片で 傷つくんだとしても
それでも きっと 手を伸ばすのだろう
この胸の高鳴り 歓びか 怖れか
わけなんてどうでもいい 「たぎれ」と叫んだ
「終わりのない空」/秦基博
主題歌を手がけるにあたり、完成直前の映像を観た上で、原作の小説も読み込んだという秦基博。フレーズから衝動、焦燥、胸の高鳴り、歓び、怖れ、主人公の中に生まれる様々な感情が熱を帯びて伝わってきます。また、歌詞の中に「たぎれ」という単語がありますが、これは“水がさかまいて激しく流れる様子”や“煮え立つ様子”、“激する気持ちが湧きあがる様子”を意味するもの。この叫び一つにも、命を懸けた村山聖の壮烈な情熱を感じますね…!
生きるほど 僕ら 悲しみを重ねる
踏み出すこと ためらうくらいに
だけど それさえも ここにいる証しだ
絶望だって 抱きしめながら
明日へと向かおう
痛いほど 僕ら 瞬間を生きてる
もう 何も残らないくらいに
閉ざされた今に 風穴を開けよう
どこまでだって 自由になれる
そう 信じてる
「終わりのない空」/秦基博
そしてサビでは秦基博の歌声が、“悲しみ”や“痛み”を含みながらも伸びやかに放たれるのです。尚、彼はこの曲について『サビには聖のその瞬間、瞬間にいのちを燃やし、全身全霊ぶつかっていくさま、そして、彼が手記に遺した「人間は悲しみ、苦しむために生まれた。それが人間の宿命であり、幸せだ。」という言葉から汲み取った想いを込めています。』とコメント。そんな気持ちで綴られた歌詞だからこそ、聴き終わった時、リスナーにもどこか開放感を与えてくれ、ふっと前を向けるような気がします。
映画『聖の青春』のエンディングでは是非、すぐに席を立たずに、物語の最後を彩るこの「終わりのない空」のメッセージを受け取ってみてください。きっとみなさんの“夢”もまだまだ、まだまだ、生き続けるハズです…!
◆21st Single「70億のピース/終わりのない空」
2016年10月19日発売
初回生産限定盤A(CD+Blu-ray) AUCL-207〜8 ¥6,000+税
初回生産限定盤B(CD+DVD) AUCL-209〜10 ¥5,000+税 /
通常盤(CD) AUCL-211 ¥1,204+税
<収録曲>
M1「70億のピース」
M2「終わりのない空」
M3「聖なる夜の贈り物 (2016 ver.)」
M4「70億のピース」 (backing track)
M5「終わりのない空 」(backing track)