卒業サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 街のウワサをもう君は聞いた? ちょうど同じ事私も思いついてたところよ やられたわ 一歩遅かったわ 一歩遅かったわなんてさ 肩たたき合ってさ 気に入ってるのよこの毎日が 笑ってばかりいられるわけじゃないけど ポケットにコイン 頭の上に太陽 もしくは月 時々雲 星空 いつまで私達こうしていられるのかしら? ずっとこのままいたいけど そういうことにしてくれないかな 花屋の店先であの人の好きな花が咲いてる 顔なんて随分おぼろげになったけど 妙なことだけ覚えてるものさ 大人達は子供に夢中 子供達は猫に夢中 猫は鳩に気を取られていて 鳩はポップコーンに夢中 永遠に一方通行 ぐるぐる廻って溶けてバターになって それはお伽話だっけね それはお伽話だっけね いつまで私達こうしていられるのかしら? ずっとこのままいたいけど きっとそうもいかないよね 君のバイクの後ろに乗せてってくれないか? 東京湾の暗闇に何を 何を捨てたのかって 訊かないでね 後ろ向いててね これが初めてじゃないわ マボロシみたいに光る橋の上 君にしがみついて 好きなのも嫌いなのも行き過ぎると無感覚に近い 人々はもしかしてこれを潮時って呼ぶのですか? ずっとこのままいたいけど きっとそうもいかないね |
Solitudeサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 嘘をついたらレモネード 私なんかに騙されちゃって 寄せては返すリグレット 夏の思い出 貝殻ひとつ ステレオは今も恋の歌ばかり歌っているわ そろそろ君に電話したいの 今夜どちらの片想い? 雨の降る日はソリチュード 私の心どこで濡れているのか 鏡にうつるセミヌード 夏の記憶は小麦の肌に もしかして君は思っていたより意地悪かしら そろそろ君に電話したいの 今夜どちらの片想い? |
太陽サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 最近の私にはまるで珍しいことでもなくて 覚えきれない記念日がまたカレンダー上で破裂した 身を守る本能として私が課した単純なルール 肩越しに聞いた爆発音に振り返ることもない 真っ赤な果実に歯を立てる この部屋によく似合う 時おりそのかすかな香り むしょうに恋しくなる 真っ赤な果実に歯を立てる 傷口が血を流す 手首を伝う冷たい水滴がどうしてこんなに愛しいんだろう? 熱帯性低気圧に弱いできそこないのアンテナが 意味のない拾ってほしくない情報をただたれ流す とうの昔離れた人の消息は知らない方がいい 甲州街道のその先をあの人が思うことだってないさ 真っ赤な果実に歯を立てる この部屋によく似合う 聞き分けのない子供みたいに 誰かのかわりのように 真っ赤な果実に歯を立てる 傷口が血を流す 手首を伝う冷たい水滴がどうしてこんなに愛しいんだろう? |
チェルシーサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | 森俊之 | チェルシー トルコブルーの小鳥 この曇り空に一際輝いて チェルシー くだらない事でぐしゃぐしゃの私は その凛とした姿をひたすら愛してる いつか私の書き留めた言葉は 羽飾りの付いた美しいシャトルになって おまえを撃ち落すのだろう チェルシー トルコブルーの小鳥 まだ暗い空に夜明けを連れてきて チェルシー お別れだらけの旅は続くから 目印の翼をいつでも見上げてる いつか私の言い損ねた言葉は 鉛色に光った美しい弾丸になって おまえを撃ち落すのだろう おまえのその首に口づけをするよ チェルシー |
DEAD OR ALIVEサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 灯りを消しては眠れない 静かなワルツじゃ眠れない あいつをここへ連れてきて DEAD OR ALIVE 洗い髪がまだ乾かない こんな時泣く人は嫌い あいつはどこか突き止めて DEAD OR ALIVE DEAD OR ALIVE 夜はその柔らかい両腕を差し出し 罪深い人さえ匿うだろう 君はまるで泳げない子供のように 夜の岸辺に佇んで DEAD OR ALIVE DEAD OR ALIVE |
鶏頭のブルースサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | サンタラ | 余程の悪事をはたらいたのでしょう 罪の色をした冠をかぶって 鶏頭の花が咲いている 昨日の熱帯夜を吸いとったのでしょう ふてぶてしいほどしなやかな素振りで 鶏頭の花が咲いている もう早朝がゆるい坂道を転がり落ちてくる いっそこのまま誰かに咎められたいような秘密 時間が経つのを忘れた悪い子は 人目につかぬようにお家に帰りなさい 交差点でブルースが立っている もう夕べまで一人じゃ何もできなかったくせに いっそ正体を見破られてしまいたいような秘密 主を待ってた私の寝室で ほら振り返った鏡の向こうには 鶏頭の花が咲いている |
ハイヌーン (きんぐだむ Ver.)サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ | | 高台の 4階の マンションの この部屋も 路地裏の ビルの合間の 猫のいる あのアパートにも 国道沿い 崩れかけた ツタのからまった あのもとホテルにも 罪人も 善人も 勤め人も 遊び人も 平等に ハイヌーン ハイヌーン ハイヌーン ハイヌーン ハイヌーン 地下鉄の ごう音と 突風の すき間にも 教室の ノートの隅の 書きかけの あの化学式にも 海岸沿い コンビナート トンネルくぐって あの果樹園にも 恋人も 旅人も 尋ね人も 待ち人も 平等に ハイヌーン なりゆきも 思い出も 後悔も 明日の予定も 平等に ハイヌーン |
Backseatサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | On your backseat, backseat 私はバックシートにころがって On your backseat, backseat せわしないワイパーと遠い稲妻と冷めたコーヒーとロードノイズ、 ニール・ヤング On your backseat, backseat 憂鬱はバックシートにお似合いで On your backseat, backseat のぼせたように何か喋ってないとつまんないことで ほら泣きたくなるから きっとこんな時だね 小さな秘密が秘密のままでいられなくなるのは 十年前の心に十年は長すぎた 十年後の今日が来るとどうしても思えなかった On your backseat, backseat 今夜はターコイズで着飾って On your backseat, backseat 花の香り纏って伝説みたいに生贄になってしまえたらそれもいい On your backseat, backseat ねえ ひとつ訊いてもいいかしら? On your backseat, backseat 君の胸ポケットにいつものペン その紙切れに一体何を書き留める? 君の拾い集めた言葉はちゃんと君の歴史を語っているのかしら? いつの間に私達はこんなにも遠くまで バックミラーに映った過去なんてもう曖昧ね On your backseat, backseat 私はフロントシートに乗り出して On your backseat, backseat 次の街まであとどれくらいあるの? 今度は私がハンドル握るから 罪深い唇がつまんないことこれ以上喋ってしまわないように |
バリトンギターと科学博物館のためにサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 信号渡れば 都会の森は今みどり 誰だか知らない人 称えた記念碑 光のその奥の その奥の ミュージアムが目当てさ あなたは知っている? 大理石の柱に眠る大きなアンモナイト この世に垂直に 音もなく 時間が降り積もってゆく やがて水は枯れ果て 喜びも涙も遥か遠く 忘れる 静かに 静かに 耳を澄ましているの 無口な化石と この世に時間が降る |
バースデイブルースサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | とても暑い日に 暑い日に 私は生まれたの 路地裏にさえ陽炎が踊った昼下がり 夏は何度も巡り来て その度脱ぎ捨てる 抜け殻達はいつの間に消えていったのだろう 時が経つのはいいわ だんだん賢くなるわ でも時が経つのは嫌ね もうこの背中に翼が生えることはないでしょう 記念日に 記念日に リボンを飾るのは きっと誰もが嬉しくて少し悲しいから 粉雪の舞う寒い夜 私は生まれたの そうよ大人達 空を見上げ私を名付けたの 時が経つのはいいわ 愛を信じているわ でも時が経つのは嫌ね 愛は時々私の両目を塞ぐのだもの 記念日に 記念日に リボンを飾るのは きっと誰もが嬉しくて少し悲しいから 記念日は嬉しくて少し悲しいもの |
Perfect Happinessサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 南へと続く坂道のその上の 空は金色に光ってる もうすぐ雨は止むでしょう ずぶ濡れの僕らは声上げてはしゃいでる 子供のようにシャツを絞っては笑う それは Perfect Happiness そうさ Perfect Happiness 君の手の平に小さな奇跡 Perfect Happiness ほんの少しだけ痛みを忘れるような 僕が僕であることを忘れるような 背中を抱きしめるような ねえ いつか僕らにお別れの時が来る その後も君を笑わせるような そんな それは Perfect Happiness そうさ Perfect Happiness この世界は ほら喜びに満ちて Perfect Happiness そうさ Perfect Happiness 君の手の平に 奇跡はそこに 真冬の朝のコーヒーとミルクと新聞の香り 覚えたばかりの花の名前 その色 フェンス越しの校舎 小さな制服の群れ 夜道を彩るネオン グラスとグラスの触れ合う音 スタジアム揺らす大歓声とボールが描く放物線 昔々の英雄のストーリー 歌い継がれる恋のメロディ 遥か上空から見たこの国の形 Perfect Happiness Perfect Happiness Perfect Happiness |
非情の街サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 「あの街を覚えているかって? さぁな、ずいぶん昔のことだ。 いられなくなったのよ。 トラブル起こしちまってね。 おいらもまだ若かった。 まだ… ちょうどあんたくらいの年だったかな。 あれからずっと流れ者よ…。 そうかい。 あんた… あの街へ行ったのかい。」 偽物の赤い石 胸に光らせている テーブルの小説はずっと閉じられたままに サルビアの横に立ち 遠くを見つめている 旅人の作り話まだ信じているままに この街はいつからか 太陽ばかりが強くなり 乾いた風が通り抜けて 誰かの夢の色を盗む 「This is a news breakin' out. The early morning of 23rd, on the street of Los Almos. A new information has been disclosed on the case of man murdered. The midnight of 22nd, a local male who was meeting his wife, is known missing. The male is approximately 5 foot 8 tall, and has brown eyes and hair. He called himself “Jack”, but his real name is unknown.」 どうかここから連れ出して 私が化石になる前に 乾いた風が通り抜けて 誰かの言葉をかき消した |
Big Riverサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | サンタラ | 遠くに投げた 音をたてて割れた ジャマイカのラムの小瓶 街灯が照らした 忘れかけた名前を呼んだ 小指の爪ピスタチオグリーン 背中に忍び寄る霧にもうすぐ飲まれてしまう ただ肩をすくめるだけ 怖いものがまた一つ消えてゆく 踵のリズムが右にそれてゆく 「予想よりずっとぼくは平気」 生彩を欠いた声 君に追いついて 横たわるBig River ひとしきり泣いた 疲れて眠った クラクション 先頭はリンカーン 浅い眠りは今夜も同じ夢を強いる 物分かりのいいぼくは黙ったままステラ座の席に着く 踵のリズムが右にそれてゆく 「予想よりずっとぼくは平気」 生彩を欠いた声 君に追いついて 横たわるBig River これは嘘や想像なんかじゃないんだ 紛れもない事実だ さぁ、目をそらさないで 漆黒の静寂と横たわるBig River |
Peaceを一本サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | あの娘はおかしな目をしてるの きっとこの街にいられなくなるの 路地裏 この狭い路地裏が 死んだような午後 それを狙ってるの 汗に濡れたワンピースが早熟な背中にはりついて 帽子もない 傘もないまま あの娘は彼と逢ってたのよ 今言った事は忘れてね 作り話だと思ってね それで私にPeaceをわけて Peaceを一本わけてちょうだい 私はじっと覗いてたの 鍵盤を走る白くて細い指 醜い昆虫によく似てる 泡立ち騒ぎ立つ私の心臓 あの美しい薬指に全て盗まれてしまったのね 毛足の長いカーペットにこぼれるピアノとサンダルウッド 今言った事は忘れてね 作り話だと思ってね それで私にPeaceをわけて Peaceを一本わけてちょうだい いつまでも沈まない太陽のせいで泣けもしないし 律儀な君のまなざしもこんな気分じゃ白々しい 今言ったことに火をつけて 灰になるまで見送ったら それで私にPeaceをわけて Peaceを一本わけてちょうだい |
Feb.Songサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | ああ 空は雫の形になって ああ 街路樹の枝先で膨らんでる Winter won't be long Winter won't be long ああ いつの間にか僕らは大人になって 重いコートの奥 隠してるのさ ためらってるのさ 小さな嵐 わがまま Winter won't be long Winter won't be long ああ こんな日は名前を呼んでもらいたい ねえ あなたは名前を呼ぶのがとてもとても上手だね |
フラッグサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 手の平に昨日落ちた星が 小さな痛みと残した跡は 長く長く待たされた末に来る幸福の印だ ほの暗い蛍光灯の光が 容赦なく現実を計算する それなら人肌の夕立へ裸足で駆けてゆく 最近の君はどんな気持ち? 遠い西の空で何をしてる? あと死ぬまで何度君に会えるんだろう 私達悲しいほどに賢くもなく とりたて残酷なほど鈍くもない それでも甘いカラメルのような時間を知っている 最近の君はどんな気持ち? 遠い西の空で何をしてる? 口にしたらひどく安っぽくて幻滅するけど 例えばもし君が泣いたりしてたらすごく困るのさ 多分君もきっと同じ気持ちでいるんだろうと思うからせめて 泣いてないふりするのさ |
ブラックワゴンサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | サンタラ | バイパス沿いの薄緑色のフェンス からみついた下品なバラの大輪 「あんたはきっと私以下だわ」 よくある景色だ シンクにかさばるグラスもそのまま置いてきたの 終わりを決めなくちゃ 永遠に追いかけっこだもん 太陽がオレンジに燻って 青い青い夜を急かしている ブラックワゴンは振り向かない 今の環境全部処分して私と暮らさない? ブラックワゴンは振り向かない 生まれつきその二の腕にある印に 君はまだ気付いていない 相変わらずで薬はちっとも効いてくれないし 少しだけ賢くなって 引き換えにほしい物なんてないもん 幸運が私に残っているのなら 今全部使ってもいいんだ ブラックワゴンは振り向かない 今の環境全部処分して私と暮らさない? ブラックワゴンは振り向かない 生まれつきその二の腕にある印に 君はまだ気付いていない その足元にばら撒かれたベクトル 気軽に選んだら? ベンディングマシーンのボタン押すように どれ一つハズレはないはず ブラックワゴンは振り向かない 今の環境全部処分して私と暮らさない? ブラックワゴンは振り向かない 生まれつきその二の腕にある印に 君はまだ気付いていない |
Vegaサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊 | | そうではなかった ひと時のものだった そうではなかった 幻のようだった 長い長いこの街の冬をやり過ごすには 手袋 街灯 チョコレイト 緩い坂道は身体を温めた 長い長いこの街の冬はこれからだから 手袋 街灯 チョコレイト 寒い国の映画には ほら私に似た誰か 悲しい気持ちは 白い吐息になって 低く垂れこめた雲に 溶けてゆく |
Homeサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ | | できるだけ幸せになると約束したのは遠い春の日 不器用な別れの景色は188号線のあのカーブ 旅立つ意味さえ知らずに離れた 五月の雨に煙る朝は通い慣れたJRの一両目 人波に紛れて少しずつ変わってく街の匂い感じてた 思えばあの日がこの旅のルーツ Home ここにいる私はあの街の優しさでできている 繰り返す波の音 この身体のリズム Home ここにいる私はあの人の優しさでできている 繰り返す波の音 この身体のリズム 河沿いの大きな楠の木 今も不思議な力を信じてる 太い幹に触れたこの両手 掴めないものなど何ひとつない 導かれるように西に背を向けた 思えばあの日がこの旅のルーツ Home ここにいる私はあの街の優しさでできている 繰り返す波の音 この身体のリズム Home ここにいる私はあの人の優しさでできている 繰り返す波の音 この身体のリズム Home 絶え間なく生まれく悲しみは あの街に許される そうきっと永遠に流れゆくこのリズム この身体のリズム |
僕と詩人とメール街でサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | あの夜 僕らふと目が合って 賑やかな店 その片隅で 空っぽのワイングラス いくつも並べて 何故だか君は僕を選んだ それからずっと それからたまに 僕と詩人はメール街で 切り過ぎた爪 熱い指先 まだ見ぬ人を焦がれるような瞳 いつでも彼はそんな調子で 僕と詩人はメール街で 隣の席の誰かが今夜も 知らん顔して僕らの話 聴いている いつか失くした遠い記憶や宛てのない手紙 治ったはずの悪い癖 切なくて胸が痛むようで ずっとこうしていたいようで ねぇ 君ならうまく言えるだろう? ねぇ 誰もがどうしてこんなに孤独なんだ? ねぇ 僕らはどこへ帰りたいんだい? ここではないどこかへ 小さな路地の空は狭くて 君はいつでも先を歩いた 右と左に別れた後で 君は振り向いて言った 「それを探してる。ずっとそれを探してる。」 枯葉を踏んで背中が遠ざかる 時間のトンネル抜けてまたここで会おう 自由はここにある 僕と詩人はメール街で 僕と詩人とメール街で |
ポートフォリオサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | ほら人差し指で切り取った まだ君の知らない君を見せてあげたい 信号待ちのあごのライン 火照る耳たぶ ふせた瞼 見知らぬ誰かと楽しげに 通り過ぎてく 遠ざかる後ろ姿 ああ 君の色 ポートフォリオ ただ少し心が急ぐんだ いつか風に吹かれて 人は変わるものだって 夕暮れの街 五時のチャイム テールランプの波の向こう 手を振りもせず君のシルエット 眺めてるんだ 交差点で逢いましょう ああ 偶然のふりをして 君の色 ポートフォリオ |
My name is Boogieサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 少しくらいのジャンキーなら この両腕に抱えてあげるわ ろくでなしにもわりと縁があるの 夢見の悪いファドは丸めて 健康なあの娘に預けておいで 病んでいる君には刺激が強いみたい 太陽が睨んでいる 万能のスパイみたいに 首筋に追いつきそうなブルーより速く手を引いてよ バックビートでどこにでも行ける どこにだって行けるさ 日没を越えたら私を呼んで My name is Boogie なるべくいい子でいようとするから 面倒は起こさないわ 約束をするわ カーニバルには日常が必要よ 太陽が睨んでいる 万能のスパイみたいに ほんの少し賢くやって それで君はもっと楽しめるから バックビートでどこにでも行ける どこにだって行けるさ 日没を越えたら私を呼んで My name is Boogie バックビートでどこにでも行ける どこにだって行けるさ ヒール壊したって損はない My name is Boogie |
Moneyサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 愛の言葉は安くなって ダイヤモンドの方がずっとすてき 何千年もの時を越えて 私に会うのを待っていたのね Money… 私を駆り立てるMoney 幸せの正体は何かしら? 愛されたらそれで幸せかしら? 狩人に幸せはあるかしら? 光る石 そして私 Money 爪が伸びゆく速度で 時が流れるのを知って 朝陽の当たるこの部屋で 週末からずっとコーヒーを切らして Money… 私を悩ませるMoney 満たされることってあるかしら? いつも少し足りないの なぜかしら? 双眼鏡をのぞくその先に 手を伸ばして 空を切って Money 冬には花咲く季節を 春にはぎらつく太陽を 夏には色づく木の葉を 秋には炎のぬくもりを まだ見ぬ人 まだ見ぬ人 待ち焦がれる 待ち焦がれて 私とMoney |
真夜中の虹サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 宝物を全部大きな木にぶらさげる 不思議な果実が人知れず実ったようさ どれでも好きなの さらっていってほしい この願いとひきかえに 潮が満ちたら引いてゆく この身体がよく知っている 輝く星さえいつかは枯れてしまうのだと言う 始まりはいつも終わりを連れてくる 誰でも皆知っているのに どうかこの夢が醒めぬように どうかあの人が消えないように まだ心の何処かで信じている そんな私は少し愚かでしょうか? でも胸の奥底で信じている 手を伸ばしたら届く 真夜中の虹 あの頃の私と鏡の中で会えたなら あぁどんな言葉でこの気持ち伝えたらいい? 運命がそこまで迎えに来てるよ 怖れずに歩いておいで 美しいままで愛されるように つないだ手と手が離れぬように まだ心の何処かで信じている そんな私は少し愚かでしょうか? でも胸の奥底で信じている 手を伸ばしたら届く 真夜中の虹 約束したこと果たされるように 全て終わっても忘れぬように まだ心の何処かで信じている 人は夢見がちだと笑うでしょうか? でも胸の奥底で信じている 手を伸ばしたら届く 真夜中の虹 |
真夜中を追いこしてサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | ダークシルバーの古いフォード 人気のないガソリンスタンド これから迎えにゆくよ 起きてろよ 雨上がりの水たまりと 点滅の信号達を くぐりぬけ無理にはしゃいだ 誰かの体温みたいな 夜にはとてもやりきれない ひとりじゃいられない Uhu hu hu hu 何度も 何度でも 真夜中を追いこした どこにも いつまでも 辿り着くことのない Uhu hu hu hu 青い鳥とか星のように 幸運が目に見えるなら 捕まえてみせるのに 言葉にならない気持ちなら リアウィンドウから捨てちまえよ 僕ら共犯者 Uhu hu hu hu 誰も教えてはくれなかったよね こんな夜のこと こんな夜があること 何度も 何度でも 真夜中を追いこした どこにも いつまでも 辿り着くことのない それでも 何度でも 真夜中を追いこした 兆しを 兆しを 真夜中のその先を |
密会サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | サンタラ | 日没は今猫の足取り 忙しい人は今日も階段越し そして重いドアを押して 別れる時にはきっと 「ああ すっかり外は暗いね」なんて笑う 君に会うなら鞄に一つか二つ 新しいブルースを忍ばせてくるんだ 先週の新聞で巻いたスミレみたいにそっと 恋人に差し出す花束のように 誰かの干渉を上手にかわしておいで 許される範囲で 当たりさわりのないやり方で 時間潰し 手にとる個展のフライヤー ふと懐かしい気持ちはただ思い違いか? 君の選んだ言葉は何気ないくせにいつも 思いがけないほどにセンスがいい |
夜明けのKingdomサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ | | 夜明けまであと少し 昨日の抜け殻がそこかしこに 裏通り この世界は広すぎて 時々は出会うはずのない二人 出会ってしまうよ いつか私達 風の強い日に 車を奪って 銀行に押し入ってしまうのかもしれない そして私達 小さな入り江まで追い詰められて 蜂の巣みたいに 撃ち抜かれ 倒れこんで 見つめ合ったままで とぅ とぅる とぅるるるるる… 夜明けまであと少し 欲しいのはただ一杯の珈琲 熱い珈琲 この世界は退屈で 時々は出会うはずのない二人 誰かが噂する いつか私達 夢と現実の境い目なんて 手に手を取って 越えてしまうでしょう 小さなつむじ風 枯葉巻き上げて 踊っているわ 残り火みたいに 胸騒いで 不安になって つま先で 慌てて 消した とぅ とぅる とぅるるるるる… |
より道サンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | 長い階段をのぼる 息を切らして鳥居をくぐる 蝉の声が夕立のように降る ここから小さな町の生活が見渡せる ここからは河沿いのあなたのお家も見えます 冷たいレモン水が一杯飲みたいわ 慣れない靴が私の小指をいじめるのです あなたの家の庭で風にゆれる白いシーツは 幸せの印 それは生活を選んだ幸せの旗 冷たいレモン水が一杯飲みたいわ 歩き過ぎて私はのぼせてしまったのです 子供の頃と同じ場所に今立ってみても 思い出すことはあまりない あれは遠い遠い昔の事 |
ラジオが鳴ってるサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | ラジオが鳴ってる 一日が始まる 窓を開けたからやっと一人きりじゃない 強い悲しみが君の手を引いて 朝靄の街駆け抜けてゆく その逃げ足はとても速いので とうとう僕はその姿を見失った ラジオが鳴ってる 君の名前を呼ぶ 窓を開けてみても君のいない春 ある晴れた朝 僕のドアを開け 帰ってきたのはボロボロの君 僕は急いでバスタブに湯を張って 君をつっこんでブラシで髪をとかした 思っていたよりも君は手強いんだね ごめんねのかわりに二人 声をあげて笑った ラジオが鳴ってる 一日が始まる 僕らが欲しいのは今日にふさわしいミュージック |
Little Freakサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | ここから出ておゆき Little Freak 君を愛していた 何一つ残さずに消えておしまい Get out of my life! 銀の針を突き刺して まぼろしは弾け飛んだ 長い長い夢から覚めただけさ Little Freak & Me ここから出ておゆき Little Freak 君を愛していた 何一つ残さずに消えておしまい Get out of my life! 新しいベッドなら きっとすぐに見つかるさ 淋しがりやの隣りはいつだって君のためにある ここから出ておゆき Little Freak 空は荒れるだろう 思い出は渦を巻き空へ帰るだろう ここから出ておゆき Little Freak 君を愛していた 何一つ残さずに消えておしまい |
六月のブルースサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 砂田和俊・田村キョウコ | | その履き慣れた薄汚いブーツを今脱げたなら どこまでだってつきまとうこの影もきっと外せるさ そしたら君の青い車を月夜の晩に盗んで 誰も知らない街に着いたら電話してさよならだけ言うんだ Me and My shadow クリーム状の夕暮れの街 Me and My shadow 逆立ちしても今にも負けそう こんな子供じみた発想など失くしたと思っていた 見知らぬ人の幸せと不幸の電波が飛び交っている 何万本のリボンがこの指の隙間をすり抜けていく 今ならそっと私が消えて雨が足跡消しても 誰もがそうさ 気付かないままうまくいきそうな気がする Me and My shadow ゼブラ模様の夕暮れの街 Me and My shadow 不意打ちされて上手に転びたい 泥だらけの私の爪先が踏み出す所はどこだろう? 踏み出す所へついて行こう |
ロージーサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | お行儀いいねって言われたいの だって私は女だし とりかえっこはできないし 賢い人って言われたいの だっていつか陽は沈むんだし たいしてお金も持ってないし Oh ロージー 憎めないのよ 鈍感な君の ロージー 小鹿みたいなその瞳も でも私のものに手を出さないで! 月並みの良さを知りかけてるの 身体にいいこと知ってるし リビングルームは暇じゃないし ドラマはドラマと割り切りたいの 空高く光る星座達 眺めてるだけで満足よ Oh ロージー わからないのよ年下の君は ロージー 他の誰かになりたいの? でも私の後ろつけてこないで! uh baby, you must be joking… oh ロージー憎めないのよ 寂しがり屋ね ロージーひとり遊びが苦手な子 でも私のものに手を出さないでね |
WORK SONGサンタラ | サンタラ | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | | 小雨がぱらつく公園通り 男は今朝もバスを待つ 右手で広げたペーパーバックから何度か顔を上げる 男の働くマーケットまで渋滞の列は続く ゆるいブレーキに身体揺らして いつもの道のり ああ心が離れてゆく 今や彼はマフィアになって 20年代の路地裏を颯爽と駆け抜けている こんな日々も悪くない 彼とすれ違えば分かる こんな日々も本当悪くない 口ずさむのはWORK SONG 髪を撫でつけてエプロン被り 広いフロア 午前9時 大きなカートに缶詰積んだら あとは慣れたもんさ ああ心が離れてゆく 今度のバカンスには 割とタフなあの子を連れて さあどこへ旅に出よう こんな日々も悪くない 彼とすれ違えば分かる こんな日々も本当悪くない 口ずさむのはWORK SONG 口ずさむのはWORK SONG |
蜜蜂三浦透子 | 三浦透子 | 田村キョウコ | 田村キョウコ・砂田和俊 | サンタラ | テーブルの下で交わす約束は 誰にも知られることのない二匹の蜜蜂 あの角曲がれば街灯も絶える 暗がりでは誰より二人きりになる 悲しいか 悲しくないわ 私の恋人 淋しいか 淋しくないわ 秘密の恋人 そのくちびるに真っ赤な花を その瞼に宵越しの夢を 心はいつも君を探すから いっそこの身体爪の先まで邪魔で憎らしい 人影まばらな駅のホームでは 軽はずみな台詞のひとつも無理矢理探し出す 優しいか 優しくないわ 私の恋人 空しいか 空しくないわ 秘密の恋人 愛しいか それとも違うわ 裸足の恋人 気持ちいいか 悪くはないわ 九月の恋人 耳たぶに白夜の歌を その指先に今日の印を |