Hypnosissajou no hana | sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 痛覚は麻痺していく。 誰の妨げもない多幸。 昨日を消して。 曖昧な不安たちは過去に縛りつけて。 瞼の裏、綺麗だった。 そこには安寧があったんだ。 何も見たくないから、 誰もいない寝室で、僕はこうして目を瞑っているんだ。 夜を待ちながら。 I was hypnotized. ねぇどうして、現実なんて陳腐な戯曲で僕は。 最低な台詞を吐いて、自己嫌悪にまみれていく? 逃げ出したくなって、夜を待ちきれなくて。 まどろんだ僕は知った。 幸福は此処に在ったんだ、って。 You told me a story. I fell into a slumber. 優しい映画だった。 エンドロールを遮る曙光。 …また繰り返した。 失望を重ねて、朝が怖くて、眠れなくなってしまった。 現実なんて陳腐な戯曲で僕は。 画蛇添足な悲劇を、一身に強いられている。 幻燈を映す、あなただけの言葉で。 優しい夢が見れたら。 深く深く眠れたら。 あなたの声遠くなって、 少しずつ沈んでいったんだ。 まどろみに誘われ。 瞼の裏、綺麗だった。 もう朝を繰り返しはしないよ。 あなたがいるから。 You hypnotized me. ねぇどうして、現実なんて陳腐な戯曲で僕は。 最低な台詞を吐いて、自己嫌悪にまみれていた? 逃げ出してしまえ、夢の中へ、ふたりで。 まどろんだ僕は知った。 幸福は此処に在った。 ねぇ、催眠は解かないで。 柔らかな安寧に包まれたユーフォリアで。 You told me a story. |
泥中の蓮キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 生まれた時には終わっていた この悪い夢はいつまで続くのか 油の浮いた水面にボウフラが湧くように 群れを成した 押し付けられた不条理の中 逃げ出すことさえ怖くてただ 微睡んでいる あらゆる悪意を吸い取って生きて 誰一人に愛されず愛すことも無くて 背負った憎しみで僕らはいつから 眠りこけた睡蓮のようだ 生まれた時には終わっていた 泥濘みに足をとられてもがいていた 傍らをふと見遣れば 蓮が笑うように揺れていたんだ ずっと醒めない悪夢の中 いつまでもこの夜の闇が明けないまま あらゆる悪意を吸い取って生きて 誰一人に愛されず愛すことも無くて 濁った泥中で僕らはいつまで 咲き方を知らずにいるんだ 光のない場所で萎えてうなだれた花びら 醜さゆえ疎まれたその種が肥えていく あらゆる悪意を吸い取って生きて 誰一人に愛されず愛すことも無くて それでも暁が僕らを照らして 白く染まる日を待っているんだ |
デマゴーグキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 信じていたものたちがことごとく壊れて 何ひとつわからなくなった 私が私であること、それさえも見失うような 暗い場所に落ちてきたみたいだ 膨らみ続けてく宇宙で、ひどく小さないきものたち みんな何かの奴隷になって 柔らかな夢の中へ逃げてしまった 「度し難い孤独を、痛みを分かちあって生きてゆこう」とか 吐き気がするような嘘に騙された先には 悪い夢のような現実だけが残る 私は一人で歩くよ、この地獄を愛してみる 呼吸をすることその苦しみ全てを抱えて生きる、 美しさに祝福を! 信じていたものたちがことごとく壊れて 何ひとつわからなくなった 生温い痛みの中 母親の腕の中で眠るような錯覚を覚えた 狭まり続けてく視界で、見えたものさえ失ってゆく 遅効性の毒が抜けないまま 抜け殻のように終わってしまうのだろうか 「度し難い孤独を、痛みを分かちあって生きてゆこう」とか 吐き気がするような嘘に騙された先には 悪い夢のような現実だけが残る 私は一人で歩くよ、この地獄を愛してみる あなたも、その汚されてしまった瞳を光で雪いで 醒めない夢はないんだよ 隣にいる誰かを妬ましく思う日々さえ、受け入れられますように その目を覆いたくなるような現実の醜さでさえ、 抱きしめられますように ずっとその苦しみ全てを抱えて生きる、あなたへの祈りを! |
悪夢キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 現実か夢かわからないままの歪んだ視界 四つ這いで呻く 濡れたコンクリート 時間の感覚が無い 見苦しくも嘔吐いて 腑溢れ出した なぁ、ここはどこで俺は何をしてる? 萎びた草として時が経つのを待った 無意味に晴れる空 まだ俺は動けないんだ 「止まない雨など無い」? まだ終わらない悪夢を見てんだよ ご覧の通り、救いが無い 背にアスファルトこの様は何だ? あーあ 畜生も食わない末枯れの生が腐れていく 燦々と注ぐ太陽の光さえも 得てして平等じゃない 燃える火に包まって 焼ける肺に喘いで この苦しみから未だ逃れられず 雨降りに凍えて 自分すらも憎んで 無意味で無秩序な悲劇を生きろと強いられてる 「止まない雨など無い」? まだ終わらない悪夢を見てんだよ ご覧の通り、救いが無い 背にアスファルトこの様は何だ? ねぇ 「明けない夜など無い」? ならこの俺を今すぐにでも照らしておくれよ |
人間みたいねキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | あなたの優しさは涸れてしまって 同じ生き物じゃなくなったみたいだ それでも誰かの代わりで良かったのに どうやらそれも叶わない 悲しみの形がわかっていった あなたに見合うのはもっと奥の、暗く深い地獄だよ 壊れたら元には戻らないこと、わかっているでしょう? あなたまるで人間みたいね けだもののくせにさ 脳の奥がさ、冷えてくのがわかるんだ わたしと同じように誰かを愛せた気になっても それじゃ駄目だよ お揃いの悪夢の中で会える日を待ってるから 夾竹桃の花のように鮮やかな記憶の毒がまわり始めた あなたの優しさが涸れてしまった日が焼きついて離れなくて 誰一人愛せた覚えが無いよ わたしはあの日から知ってしまった 暗く深い孤独を かじかんだ身体を慰めるもの、わかっているでしょう? あなたまるで人間みたいね けだもののくせにさ 脳の奥がさ、冷えてくのがわかるんだ それでもわたしの心がまた満たされてしまうこと 許せないんだよ 犬の骨のようにあなたの玩具で終わってしまった あなたまるで人間みたいね けだもののくせにさ 脳の奥がさ、冷えてくのがわかるんだ わたしと同じように誰かを愛せた気になっても それじゃ駄目だよ お揃いの悪夢の中で会える日を待ってるから |
デッドウェイトキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 誰かに褒められたあの日も 嘲り罵られたあの日も 全て素敵な思い出だよ 嬉しくも悲しくもないけど 何年かが経った今日まで ずっとこびりついてる 足取りは重くなっていく この身に残されたのは、吐き出せない澱だけ どれだけ背負えば終わり? 数えていたらキリが無い程 数多の呪いが纏わりついて 否定も肯定も同じ 真綿で首を絞めるように 少しずつ僕の心臓が軋んでいくみたいだ 愛を契り合ったあの日も 裏切り裏切られたあの日も 全て素敵な思い出だよ 時折恐ろしくなるけど 何十年か経ったとしても 忘れられないんだろう 呪いが僕を縛っていく 全てを抱えていくには、この器じゃ足りない どれだけ背負えば終わり? 数えていたらキリが無い程 数多の呪いが纏わりついて 否定も肯定も同じ 真綿で首を絞めるように 少しずつ僕の心臓が軋んでいく 「優しい人であれ」と明日の僕を見張って 「お前には無理だ」と昨日の僕を見限ってきた 傷口に膿が溜まるような 数多の呪いで心臓が潰されていくんだ |
パノプティコンキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | どうなってんだよこれ! 鉄柵の奥の道化を笑ってたはずが 目を覚ましたら自分の番なんてさ、笑えないね 斬奸状は後回し 誰も彼も正義を持て余している 青白い顔の群れは怯えた眼をしていた 切り離されて人肌を忘れてしまった僕らの 心がいつか機能不全を起こしてしまった 七十億と少しの孤独が寄り集まって 猜疑心だけが募って、この手は冷え切ってしまった パノプティコンの向こうで歪んだ笑い声が聞こえる気がした 排気ガス塗れの僕らの頭上、救いの糸は無いんだ 善意でできた道がどうやら地獄の方へと続いてた、なんて ずっと前からわかっていたんだ 無邪気さゆえ手がつけれないんだ 孤独を自ら招いて自壊する 致命的なバグを抱えた僕らの業は 百年足らずじゃ清算できないね もつれた足で彷徨うことを止め、地下室へ逃げても テレスクリーンから無数の眼に覗かれているんだ 七十億と少しの孤独が寄り集まって 誰も信じれなくなって、温もりを忘れてしまった パノプティコンの向こうで歪んだ笑い声が聞こえる気がした 蓮の花の上に座した悪意 蜘蛛は潰されていたんだ 正義の奴隷になって些末な悪に火を放っていた彼らもまた、 ガス室へ消えていく どこから見ているの? きっと途方もない悪意を孕んでいるんだろう? 七十億と少しの孤独が寄り集まって 猜疑心だけが募って、この手は冷え切ってしまった パノプティコンの向こうで歪んだ笑い声が聞こえる気がした 誰かがあの蜘蛛を徒に踏み潰したその日から 排気ガス塗れの僕らの頭上、救いの糸は無いんだ |
ハイドアンドシークキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 向こう岸のことやら、くだんないことばかり恐れて ありもしない正しさの奴隷さ チャチな走光性夏の夜の火に身を焦がして 音も立てずに散って逝く、あの羽虫のように終わりたいんだ 追えば追うほどに逃げてしまう あの太陽へと近づいて、羽根の溶ける音を聴く 丸々と肥えた自意識で臆病な僕らが身を隠したって無駄 彼は天井から見ている すぐに見つかってゲームは終いさ 逃げ切れなくなって僕ら 騙されていく騙されていく 見せかけの太陽に皆 喰われちまって壊れちまって 正しさはもうどこにもないんだ どうして天の賜った言葉の導くままに歩めないのか? 為す術なく塔は落ちる、んで馬鹿はいつも悲劇を招く 分断され惑うばかり 孤独な僕らの怯えた眼、白く濁ってたんだ 燃えるピアノ、破られた絵画 四肢を失くした踊り子が喘いでいる 些細な悪意が群がって、蓮のように醜く爛れた国で 息を潜めて 逃げ切れなくなって僕ら 騙されていく騙されていく 見せかけの太陽に皆 喰われちまって壊れちまって 正しさはもうどこにもなくて 上手く隠れたはずなのに 足音がすぐそこに来ている 僕らの頭上にずっと 生温い視線が向いている 一人として逃げれやしないんだ 顔を上げて鬼と目が合って 慈しみの罰が下るまで 向こう岸のことやら、くだんないことばかり恐れて 孤立していく僕らは何に縋って生きてゆくのだろう? |
極夜sajou no hana | sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | ふたつの手のひらが重なる時にだけ生まれる温もりを、 あなたに差し出せたら。 ひとすじでもいい、光は灯るのかな。 極夜の空、雲間にぼやけた星空。 答えが見つからない闇の中で、 もがくように瞬いていた。 あなたの痛みを知りたいと願った。 風が頬を刺すような、冷たい夜の中でも。 瞳の天球に散らばった光と、重なる手のひら。 静かに燃えている。 ひとつの悲しみが人知れず凍えて白に染まる夜に、 あの雲が晴れたなら。 一張のカーテン、空に引いて眠ろう。 翡翠の色、闇夜に溶け出すオーロラ。 音のない静止した時間の中で、 心臓の音だけ聞こえた。 今まで落とした涙滴の数だけ、 遥か彼方でまた、星が生まれているんだろう。 小さく見えた光が近づいている。 重なる手のひら。 あなたの痛みを知りたいと願った。 風が頬を刺すような、冷たい夜の中でも。 瞳の天球に散らばった光と、重なる手のひら。 静かに燃えている。 差し出された手を握って。 生まれた温もりを抱いて生きて。 見て、夜が明けるよ。 ほら、朝ぼらけの空、静かに燃えていく。 |
白無垢キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 悲しくもなく ただ情けなくて俯いて 轍と足跡で泥まみれの 一昨日の雪に苛ついた 手を繋ぎ歩くような 綺麗なもんじゃないけれど 走馬燈のような思い出 少しだけ滲んだ 別に何も変わることはない 詮無い生活 が続くだけだぜ なんて狐と葡萄みたいなこと 吐き捨てるほど 虚しくなんだな いつかの君が纏った白無垢の雪は 暖かで柔い真綿のようでした いま僕の上に降って脆く崩れてくそれは 重く冷たい涙のようなみぞれでした アスファルトの泥を撥ねて 忙しく駆けずる人の群れの中 失うはずのないものを失い その残滓に縋りついていた 君にそれを告げられた朝 僕の表情は間抜けていただろう 想像しただけで笑えてくるのに 君は少しも笑わなかったな 優しい記憶だけ抱いて眠りたいのに アルコホルじゃこの目は冴えてしまうのだ 街を這いずり回ってただくだ巻いても虚しい 君に触れたい いつかの君が纏った白無垢の雪は 暖かで柔い真綿のようでした いま僕の上に降って痛みをぼかしてくれたのは 重く冷たい涙のようなみぞれでした せわしい街の只中なるしめやかさよ |
Cinnamonキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 白いカーテンを透かすような 朝の太陽が目蓋を引っ剥がして 渇きと頭痛を癒すコーヒー おぉ、ありがとう ところで君はどこの誰? この怠惰が創造的であらんと願う 愛を飾る憎悪と死の予感 あぁ!なんて恐ろしい 僕らは少し不幸せなだけなのにね 湯上がりの首筋から 香った麝香の奥に 少し覚えのある匂いがした 愛をもっとくれないか 苦くても構わないよ ささくれだった心には 甘ったるい一匙のシナモンを 逃してしまった幸福を 他の誰と取り戻せばいいの? あの人の好きなお茶の匂いの 鼻につく甘さをまだ思い出せる 君の髪も声も肌も仕草も全て 見たこともないほど素敵だよ あぁ!なんていじらしい 僕らそれでも幸せとは遠いね 愛をもっとくれないか 苦くても構わないよ ささくれだった心には 甘ったるい一匙のシナモンを 目を瞑っても耳を塞いでも 鼻腔をくすぐるせいで 忘れてしまうことも叶わないんだ 愛をもっとくれないか 苦くても構わないよ あの人と同じように 甘ったるく微笑んでほしいだけ 僕はずっと嫌いだった 遠い国の匂いがした 心がぎゅっと懐かしくて その首をもう一度嗅いでしまう |
逃走劇キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 逃げようぜ、果ての果てへと 誰もがきっと不安で 痛みに慣れて、麻痺した心で 宛先も無く祈っている 形を成す日は来るだろうか 共犯者になろう カナリヤはとうに鳴き始めてる 映画のようにはいかなくとも 僕らには理解者が必要だ 逃げようぜ、果ての果てへと 破けそうな心臓の鼓動より速く 汚された世界は捨ててしまえ 闇を裂いて息を切らす 僕らの逃走劇さ 正しさが人を殺して 誰一人でさえ悲劇に気付かない 狂ってんだよお前ら全部 怒りに染まる赤い春を征こう 温もりに飢え ぼろぼろになってしまった僕らを 共犯者と呼ぼう 目の前の全部燃やしてしまえばいい 逃げようぜ、果ての果てへと 破けそうな心臓の鼓動より速く 汚された世界は捨ててしまえ 闇を裂いて息を切らす 僕らの逃走劇さ 燃える街を眺めていた 僕らを赦せるのは僕らだけだ 立ち込める暗雲が頭を支配していく 僕らを衝き動かすように 逃げようぜ、果ての果てへと 壊された未来を置き去りにして 永遠に思えた夜の闇 あの満月さえ振りほどく 僕らの逃走劇さ どこまでも行ける気がしていた 水平線の先を目指す 僕らの逃走劇さ |
Ghost!?キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 絶望的な希望の中 永遠のトンネルの中 ただ緩やかに死ぬために息をしているだけ 低俗な愛の連鎖で、擦り減り靄がかった脳には 不健全な栄養が必要になるだろう? 世界がアニメーションになっていく 君の仕業だろう、フィンセント? 賑やかだなぁ! バラバラの頭ん中で鳴った 指揮者のいないオーケストラ 全部抱き締めたい 生も、死も、愛も、憎も! ぶっ壊れた色彩の中で踊っていたいのに 現実から来たお化けに引き戻されてしまうよ 流動的な紋様の中 俺を観察する俺をまた俺が眺めている 意識のマトリョーシカ 脳内はEsたちのパレード 止まない独り言の奥から 自己否定が水面に頭をもたげてくる どうしたんだ、サイコシスなど気取って? 違う、俺は子供のように無垢でありたいだけ! バラバラの頭ん中で鳴った 指揮者のいないオーケストラ 開きっぱなしの瞳孔 全部が光って見えた ドロドロの眼球から飛び出し 踊り出したハルシネーション なんだこれは?おれは誰でここは何処なのかさえ わかる必要もないぜ 低俗な愛の連鎖なんて比較にもなんないくらいのさ 高潔な快楽の渦で目を回していたいんだ 喜びに震えている世界を 包み込むプネウマの その全てを見つけた ユーリカ! |
聖者の行進キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | パッと見綺麗な幸福の偽装 メッキが剥がれ落ちた 一枚の薄皮隔てた先で グロいものがなんか呻いていた 人間の間に沈殿した どす黒いものが暴発する日 それにずっと怯える僕達は 緩慢な死の最中にあるみたいだ 無力を呪う声と 救いを祈る声が 混ざったような歌が聞こえる 全て飲み込んでしまうように 進んでゆく聖者の行進 弱い僕らさえも赦して 連れ去ってしまう 破壊でもなく救済でもなく 全てを均す聖者の行進 打ちのめされてしまった僕らの 憂いを払ってくれ、なぁ どうして僕たちの幸福の種は 一向に芽吹かないの? 一体どれくらいの暗い闇の底で 泣いてもがいて過ごしたらいい? 山積みの不幸の上に立つ 見せかけの理想、薄ら寒いね 平穏な日々は帰ってこない 熱狂をもたらす僕らのマーチングバンド 産声を上げた日から 悲しみを知った日から 僕らは擦り切れていった 無力を呪う声と 救いを祈る声が 混ざったような歌が聞こえる 全て飲み込んでしまうように 進んでゆく聖者の行進 弱い僕らさえも赦して 連れ去ってしまう 向かう先で待っているのが 楽園だろうが地獄だろうが このパレードは進み続けるだけ 怒りや悲しみの歌を歌いながら 跋扈する悪魔を踏み潰して 震える心臓が止まってしまうまで |
天球、彗星は夜を跨いで (Still Still Stellar ver.)星街すいせい | 星街すいせい | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 明かりがひとつ灯った 灯った 天を彩った鋲が綺麗だ 僕の吐いた白い息のように、消してしまえたらな 押し殺して深く沈んだ 泣き声さえ、聞こえているから 君を刺した不安も苦痛も、 僕の青色で塗り潰して 全部涙になって 星の海を流れていった 果てしない闇の中に そっと青を添えたら ほら 彗星が僕の頭上を飛んだ 誰もいない夜の空を染めた 深く寝静まった街の中へ 降り注ぐのは誰の悲しみだろう 星はまた弧を描いて飛んだ もやのかかった思考を晴らして 「いつかまた会える」 なんて言えなかった 星が降ったあとの街、僕はまだ 黒く澄んだがらんどうの空を 箒星が彩るように 君を刺した不安も苦痛も 僕の青色で塗りつぶして 君の涙をそっと、星の海に流し込むんだ 尾を引いたその光が、誰かをまた救うから 彗星が僕を選ぶのなら この空を全部君にあげる 言えなかった言葉の尾を引いて 降り注ぐのは誰の悲しみだろう? 星はまた弧を描いて飛んだ 街の視線を奪い去るように 君とまた会えるのなら僕は、そうだ 星の名前をひとつ受け止めよう 悲しみがあふれそうになること 天球で離ればなれでも 僕らは繋がっているから 彗星が僕の頭上を飛んだ 誰もいない夜の空を染めた 深く寝静まった街の中へ 降り注ぐのは誰の悲しみだろう? 星はまた弧を描いて飛んだ もやのかかった思考を晴らして「いつか また会える」なんて言えなかった 星が 降った後の街 僕はもうずっと君の行方を探してた |
Rapportキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | がらんどうの胸に覚えた違和感さえ ひとりきりでは御しきれない この目も鼻も耳も、内側の僕に届かない 茫漠たる灰の海で 痛みさえ忘れていたんだ そんな僕の目の前に現れたあなたに 見えないものを見たんだ あなたと僕の間にあった温度を 僕の弱さを少し預けていられた あなたの言葉が僕の鎖を解いて 空が白んでいくような この手の中の光が、心だと知ったんだ 誰かを傷つけてしまう悪夢で 浅い呼吸を繰り返して その矢印の向きを、この胸の奥に集めて 安寧の孤独の中で 静かな終わりを願って 少しずつ冷えていく何かが寂しかった それでも構わなかった 誰かを愛して、愛されたいと望むこと 同じ数だけ痛みがあるということ そうして鎖した僕の胸の奥まで あなたで満ちてしまったんだ 壁が崩れて橋が架かって、僕は あなたがくれた呼吸で 優しい刃で 見えた形の無いものを この手の中の光を、護りたいと願った |
タナトフォビアキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 日常に開いた傷口 グズグズに膿んだそれ見苦しい のにどうして目が離せない? いたいけな悪魔のよう 死んだ魚の目の奥にコール 胸の中心のヴァニタスに問う 悲しみとはなんだろう? 奈落の底では知り得ないよ ひらりひらり 黒い揚羽が誘うように舞って うつつと極楽が混ざって じわりじわり 気づいていたんだ 地獄がすぐ隣で待っているって 歓べよ! きみの愛した世界も この街の誰も彼も、死に向かう人々 踊れ! その歓び平らげるまで 恐れ、嘆きながら、受け入れればいい 塞がれていた地獄の口が開く音が 鳴き止んだ後に、何が残るというの? 日常に誰かが線を引く 瞬きする間もなく幕を下ろす 赤子さえ時間がない また太陽が沈むよ エンドロールが終わっても業は消えない 徒に過ごした日々は帰らない どんな月曜日も 愛おしいものだと思えてしまうだろう ゆらりゆらり 底のないコールタールの海辺 座礁した顔のない亡霊 どろりどろり 零れていく 憎しみも苦しみも愛も喜びも 日常の続きの永遠の蛇足に きみは目を背けて忘れたふりをした そこで待ち構えるニル・アドミラリ 抜け落ちた何かに渇き飢えるだろう 塞がれていた地獄の口が開く音が 鳴き止んだら、きみはきっと泣けもしないぜ 琥珀に住まう羽虫も、灰になった文明も 時計盤の砂漠を征くキャラバンの中 歓べよ! きみの愛した世界も この街の誰も彼も、死に向かう人々 踊れ! その歓び平らげるまで 恐れ、嘆きながら、受け入れればいい 人間の愛すべき隣人を忘れぬように 今日という日の花を摘んで束ねたブーケを飾って 塞がれていた地獄の口が開く音が 鳴き止んだ後に、ただ青い空があった |
よろこびのうたキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 消えてしまえたら よかったのにな 僕らはみんな寂しくて 生きることがへたくそだった 涙がとうに涸れたから 終わる場所を探しているんだ よろこびのうた 抱きしめるように 歌う |
化け猫 (Leaks From His Laptop)キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 君を撫でて 顔を埋めて 不機嫌な面で睨まれたいな 路地裏に消えてく君の 二股のしっぽも愛おしい 僕のことをじっと見つめるのに カメラを向けたら目を背けるの 烏の濡れ羽と同じ色 足音も立てず夜に溶けた 愛想のない君は化け猫 ガラスの瞳に赤い満月が映った 愛憎渦巻く街の路地裏で 取り殺されても構わないよ |
冷たい渦キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 何気なく涙ながれて 寄る辺ない夜に急かされ ざわつく心の奥が 少しだけ痛くて 重なり積もる悲しみが 忘れてしまう喜びが ぐちゃぐちゃになっていく 冷たい渦を巻くんだ もう二度と治らない 不安という病が巣食って 街をゆく誰も皆、黒い羊 指先が触れるたび 何か奪われた気がして 抱き合って尚も疑い合い 花の根が腐るまで水を遣ってた ありふれた愛の温度を 一度知ってしまったせいで 肌を刺す孤独の冷たさだけが 耐えれなくて 枯れるまで流した涙 喜びも悲しみも混ざり合っていく 潰れそうな心の奥 僕を飲み込んだ冷たい渦 台風の目の空っぽに 何もない凪の日暮に ただうずくまっている 誰か僕に触ってよ 季節から僕だけが 弾き出されてしまうような 白昼夢が、僕に映る全てだった 差し伸べた君の手に 辿り着けた時にはきっと あらゆる詩歌も通り過ぎる 空の自分でさえ許してあげるのに ありふれた愛の温度を 一度知ってしまったせいで 肌を刺す孤独の冷たさだけが 耐えれなくて 枯れるまで流した涙 喜びも悲しみも混ざり合っていく 恋焦がれた世界から 僕を遠ざけた冷たい渦 |
プラネテスキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 知らない国に迷い込んだみたいだ 誰もが綺麗な嘘で話してる この手をどこにも繋げないまま、私は もがくようにあなたを探している 死んでしまった誰かのニュースに 涙した優しい人たち 這いつくばって生きる誰かの 生きているざまには舌打ちをした 私はどこにいるの? あのね、 あなたとふたりで息をしていたい あなたとふたりで泳いでゆきたい どこか遠くの果てに流れ着くまで まだ見ぬ世界で笑えるまで ただあなたとだけ手を繋げるなら ただあなたとだけ夜をやり過ごせたら 信じられるものなどひとつもなくても ふたつの寂しさでも 何もない宇宙に放り出されたみたいだ 前後も左右もわからなくなる へその緒を切った赤子のように、私は 覚えたての孤独に噛みついている 海の向こうで起きた悲劇に 慈悲をかけ憐れむ人たち 同じ言葉で話す誰かを 傷つけてどうして笑えてしまうの? それでも生きているの? 誰もが独りで生きてはゆけない 悲しみの重さを受け止めきれない 凍てつくビル風に身を震わせて かじかむ心に息を吹いて 今より少しだけ優しくなれたら 繋がり合うことを恐れずにいられたら 目に見えない悪意に苛まれようとも 正しくあれなくとも あのムーンリバーを渡って 迷いながら進もう 沢山の世界をあなたと見たいよ 道標は要らない 隣にあなたがいて 私はここにいるから あなたとふたりで息をしていたい あなたとふたりで泳いでゆきたい どこか遠くの果てに流れ着くまで まだ見ぬ世界で笑えるまで ただあなたとだけ手を繋げるなら ただあなたとだけ夜をやり過ごせたら 信じられるものなどひとつもなくても ふたつの寂しさでも あなたと生きてゆける |
セラヴィWEST. | WEST. | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 冬が終わって春が来るように 気づいた時には大人になっていた いつか僕も誰かの思い出の花瓶の中で 枯れてゆくのだろう 空白がいつか君になっていた 君がいつかメロディになっていた そうやっていつか煙になる頃に笑えるように 季節と共に 変わっていく僕を怖がらないで 変わっていく君を責めないで 花は散って、人はさよならを繰り返す C'est la vie, c'est la vie! 笑えないことばかりが増えてしまって 流せない涙が溜まってく 綺麗じゃなくても 伸ばした手を拒まれても うつろいながら続いていく C'est la vie. 冬が終わって春が来るように あの日の僕らを洗った涼風が 花で飾った君を鮮やかに染めてゆく様 あんまり綺麗だから 育った風景が懐かしくなってゆく いくつの思い出を落として来たんだろう? そうやって傷が増えた代わりに君を知れたように 日に日に変わっていく僕も悪くはないと 変わっていく君も素敵だと 少しずつだって受け入れられますように C'est la vie, c'est la vie! 笑えないことばかりが増えてしまって 流せない涙が溜まってく 綺麗じゃなくても 伸ばした手を拒まれても うつろいながら続いていく 雪が泥になるように 人が思い出になるように 僕の心の何もない場所に 君が住み着いてしまったりして 全てがうつろっていく 古い自分が流されていく 先の見えない未来に漕ぎ出すこと 怖がらないで進めばいい C'est la vie. C'est la vie! |
ちはる feat. n-buna from ヨルシカ - From THE FIRST TAKEキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 君の髪に冬の残り香があった ほろ苦くて、煙みたいなアイスブルーで 僕の髪に春の花びらがついて 笑い合っていたこと もう随分前のことのように思える あまりに脆くて ただ散りゆく季節の幼い恋を 胸に抱いて雨を待つ 花冷えの日、またひとつ春めいていくから さらさらと頬を撫でる 春の雨にまた君を思い出す 薄桃色に霞んでいく光の束をつかんだら 花便りがもう聞こえる 昼下がりの街はグレイスケールの海 こぬか雨だ 傘をさしたって仕方ないね 笑う君の長いまつ毛を滑った しずくになれたら そんな空想さえ懐かしく思える 僕らの時間は ただ散りゆく季節と共に過ぎていった 気づけば君の背中は春霞の向こう側 逃げ去ってしまった さらさらと頬を撫でる 春の雨にまた君を思い出す アスファルトに滲んでいく 花びらひとつ拾う度 何度も踏みつけられて汚れてもなお鮮やかな桃色が あの日から色のない霧に囚われた 僕の目には眩し過ぎたよ 季節が千巡っても、またここに戻ってこようと思う 花冷えの日 さらさらと頬に伝う しずくはもう溢れてしまって 景色全部が滲んでいく 君の背中が見えた気がした さらさらと頬を撫でる 春の雨にまた君を思い出す 薄桃色に霞んでいく光の束をつかんだら 花便りがもう聞こえる ぬるい風に冬の残り香があった 何度だって 君のいない春を歩いていくよ |
宇宙は砂時計私立恵比寿中学 | 私立恵比寿中学 | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ・笹川真生 | 簡単なことだ ここに神様はいない 僕らがいるだけ まぁ空っぽよりはいいか いつか見た夢よ ずいぶん小さくなったね 戻らない日々を嘆くのは 僕が大きくなった証拠かな 宇宙の黒色が 海まで下りたら またたく砂が降る この星の全部が砂に埋もれてしまったら なにもかも逆さまにしたあとで やりなおせたりしないかな ガラス張りの空の外に届かない声も 僕のような誰かには気づいて欲しい 単純なことさ 完璧な透明はない 少しの希望で 過去の傷を隠していいよ いつか見た夢とはなればなれになっても またどこかで出会えたりして それまで忘れないでおくよ 誰も僕を知らない場所 過去も未来も白紙なら 僕の中でいじけてる君に もう一度かまってあげたい この星の全部が砂に埋もれてしまったら なにもかも逆さまにしたあとで やりなおせたりしないかな 意味のない空想を 僕はまだ描けたんだな 海の向こう 遥か未来 どこへもゆける 宇宙という砂時計を眺めていよう |
TEMPLATE星街すいせい | 星街すいせい | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 画面の向こうのそのまた向こうで 放たれた言葉たち、殴っても痛まない透明な拳 満天の星のように散らばっている ガラスの破片の上を、裸足で歩くような痛みだ 僕はずっと苦しかったんだ そうだ 僕にとって「正解」なんてどうだっていい この生が正しいか間違いか 自分で決めるから その手に抱えた大層なテンプレートは持ち帰って 鏡に映った僕の色は全部 僕のためにあったのに、気づいたらこの手を離れていた 名前も顔も隠したアノニマスに 僕の何がわかるの? 輪郭さえぼやけそうな痛みを 僕の全部、取り返さなくちゃ 何度遮ったって五月蝿いほどに鳴るノイズが 好き放題僕を貶し、カテゴライズの檻に縛っても この声の正体に名前をつけれんのは自分だけだろう? もう僕は祈らない この街の頭上を、降り注いだ慈愛を 仰ぎはしない 僕のこの痛みも姿形も 誰に決められることもない そうだ 僕にとって「正解」なんてどうだっていい この生が正しいか間違いか 自分で決めるから あの一等星の輝きにも 幸福が蔓延る理想郷にも 届かなくたって構わない 僕以外、何も要らない |
夜警キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 真っ赤な眼の高層ビルがまばたきしている 夜をこするように立つ 不出来な世界を腐している 輝きなんてひとつたりとも無い生活が 灯す明かりの群れが綺麗だね 鼓膜の奥の奥の奥まで 浸すぬるい音の無い夜 甘い匂い、誰も幸福に飢えている 凍りつく野生の常夜灯 千日手に陥る世界 引き分ける相手もいないよ 誰もいない 誰もいない みんな眠っている 幹線道路も、恋人の肌も みんな眠っている だらだらと終わっていく最中の景色 僕らは緩い滑り台の上 視界の先の先の先まで ぼかす淡い幸福のベールで 盲いた僕らは可能性を手放した 機能しないアミグダラ、下垂 トーラス都市の放射冷却 どろり粘る風が吹く前に 逃げだしたい 逃げだしたい 鼓膜の奥の奥の奥まで 浸すぬるい音の無い夜 甘い匂い、誰も幸福に飢えている 凍りつく野生の常夜灯 千日手に陥る世界 引き分ける相手もいないよ 誰もいない 誰もいない 悲しくない? 寂しくない? 虚しくない? 途方もない現実の葬列、葬列、葬列、葬列 |
PINKキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | はぁ 嫌味なくらい美しく咲いている 何を食って何を消化しているのか 散らばった愛の吸い殻に舌打ち 花見客はそういや何処に消えてしまった? 肺いっぱいに吸い込んだ 喉が焼けるほどまで 執拗にあんたで痛みたい 樹の下に集る百鬼夜行 夏の灯の羽虫たち 美しさの糧になりたいみたい 異常なんだよ、ほら 気づいていないんだ、だあれも 気が狂いそうなほどの鮮やかさに あの樹の下にはXXXが埋まっている! あんたと同じもん食ってる化け物さ 花冷えの曇り空に赤い血が染み込んだような あどけない薄紅の残酷さに毀たれた日 誰かが歌ってた 神の手はにじむピンク 無数の手指で天を撫でる フラクタルが飲み込む春 肺いっぱいに吸い込んだ 喉が焼けるほどまで 執拗にあんたで痛みたい 生まれる前に戻りたい 長い蛇足の今を 美しさに捧げて終わりたい、あー 異常なんだよ、ほら 気づいていないんだ、だあれも 気が狂いそうなほどの鮮やかさに あの樹の下にはXXXが埋まっている! あんたと同じもん食ってる いったいどれほど失ったんかなあ 不安と憂鬱におはよう これでいい、おれに幸福は似合わない 空っぽの良心で うつろになった目で あんたの中身のピンクを眺めていたい |
振り子の上でキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | あるいは双子のように あるいは愛しあう恋人のように あるいは憎み相争い拒絶するように あるいは僕と君のように まるで 誰の憐れみもうざったいのに ひとりで食べた飯は不味いとか 僕と僕が喧嘩しているような日々 悲しくて笑えてしまうくらい ささやかな幸福の贅肉がついた心を 責め立てるようによろこびのうたを歌う 消えてしまいたいと願う朝が 生きていてよかったと咽ぶ夜に塗り潰され 感情の振り子の上で僕らは暮らす |
よろこびのうたキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 僕だけ言葉が通じないみたいだ 誰のせいかなんてわかっているけど なぜ僕はここまで続いてしまった? 優しい友達がいたからかな 数えきれない痛みたちと 片手で足るよろこびの欠片 続けるか終わるかのどっちかひとつを 選び取る自由に疲れたよ 消えてしまえたら よかったのにな 僕らはみんな寂しくて 生きることがへたくそだった 涙がとうに涸れたから 終わる場所を探しているんだ よろこびのうた 抱きしめるように 歌う |
悪魔の踊り方Vivid BAD SQUAD | Vivid BAD SQUAD | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 感情なんてもんはどうしても無駄だって悪魔は言った 「何もかも捨てちまえよ」 嗚呼、快不快も、喜怒哀楽さえも! どうしようもない事実、ヒトは終焉から逃れられない 「誰も抗えない欲望に従え」 思考を休めるな 脳ミソを回せ 「誰もお前のことなど見ちゃいないさ」 おかしくなってしまうことをどうして恥じる? お前らに完璧で間違った踊り方を教えてやるから いっせーので捨てちまえ、そんな命ならば 何十何百何千何万回学習しなさいな どうしたってさ、空っぽの頭蓋骨だろ わかっているのかい? 感情なんていつ何時でも邪魔だって悪魔は言った 「反論の余地などない」 嗚呼、人生に意味を与えておくれ! 420でさえも救えない終焉があると知った 「誰も疑わない神様を疑え」 思考を休めるな 脳ミソを回せ 「誰もお前のことなど見ちゃいないさ」 躊躇っている数秒の無益さを知れ お前らに完璧で間違った踊り方を教えてやるから いっせーので捨てちまえ、そんな命ならば 何十何百何千何万回学習しなさいな どうしたってさ、頭ん中空っぽなこと わかっていないようだ 承認欲にレイプされ、死んだ花をぶら下げている女 何かを愛すことすら、ままならないまま餌を待つだけ 踊り方を知らない、芸術の価値などわからないやつらに 堕落していれば 何も見えないまま 真善美に背いた踊り方を教えてやるから いっせーので狂っちまえ、惨めな姿で 何十何百何千何万何億人の中でさぁ、 そうして埋もれていたっていいと どうして言えるのだろう? ねぇ、世界が患っている狂信は 健常者でさえ目が眩むような光を放っている 今夜、悪魔がお前らにこう云うぜ 「神とやらに惑わされるなよ」 |
天灯sajou no hana | sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 産声が上がったその日から僕ら皆一様に、 仰向けに転んで、空を仰いでいたっけ。 君の目に映った憧憬の色が深まるほど、 遠のいていく君をずっと見ていた。 夢に描き続けていたものが、 灰になって消えるとしても、 それでも君は進んで征け。 祈っているよ。 赤く赤くいびつに燃えている。 胸の奥底で小さく揺れ動く火が。 空を描いた少年は、憧れのままに羽ばたいた。 数え切れない傷と共に。 産声が上がったその日から僕らの頭上に、 高く青く聳えるような大空があった。 君の目に映った憧憬の色を濁すように、 空を遮る雲はいくつ流れたろう? 夢に描き続けていたものが、 あの月のように逃げるとしても、 満天の空の星が君を照らしてきたんだ。 黒く深い闇を飛んでいく。 風の吹く方へただ進み続けている。 誰の願いも負っていない、 ただ彼のために羽ばたいた。 傷の痛みも忘れていた。 たなびく夢が逸れないよう、 繋いでいた心を、向かい風が襲って。 君はそれでも笑った。 いつもそのままでいい。 どこまでも飛べますように。 赤く赤くいびつに燃えている。 胸の奥底で小さく揺れ動く火が。 空を描いた少年は、憧れのままに羽ばたいた。 数え切れない傷と共に。 |
スカーキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 青天井はどうしようもなく澄み渡っている 為す術のない僕に芽吹いた焦燥が膨らんでいく どうしたって臆病な僕らを笑うように 幾千の眼が覗いた 何度も何度も折れた魂をただ 抱きしめるだけ いつか灰になるその日まで 飲み込んできた悲しみの全てが僕を 形作った 色で満たした そうして歩いてきたんだろう? 呼吸と同じようにひとつひとつ重ねてきたんだ この掌の 数えきれない 消えなくなった傷跡が僕の 証だ しるしだ 向かい合ったあの恐怖も 刻んで、共にまた歩き出した 青天井はどうしようもなく澄み渡っている 濃く落ちる影法師のように虚しさが懐いてくる どうしたって痛む傷を癒すように 諦めへと僕の手を引いた 何度も何度も後悔を重ねて それでもまだ ちらつく光が眩しくて この目に映った希望の全てがいつか 崩れ去って 黒く濁って 変わり果ててしまっても 歪んだ失望の囁きを掻き消すように 魂の奥で 誰か叫んだ 与えられた明日に意味などないと ただ立ち止まって座り込んで終わりを待つなら 後悔も失望もいらないのに 闇に抗って選び取って明日を強請るあなたの 美しさに憧れてしまった 間違って、幾つ悔やんで、明日が怖くて、傷を背負った 誰にも渡せない 僕だけの痛みだ 飲み込んできた悲しみの全てが僕を 形作った 色で満たした そうして歩いてきたんだろう? 呼吸と同じようにひとつひとつ重ねてきたんだ この掌の 数えきれない 消えなくなった傷跡が僕の 証だ しるしだ 向かい合ったあの恐怖も 刻んで、共にまた歩き出した |
永遠キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 喪失を、過ちを 幾度となく重ねてきた 自分という輪郭の 怯えた線が愛しい 恐怖が染みついた世界で いつかは閉じるこの命で 希望を探して歩く姿は美しい 心の奥で揺らめいている未来の 灯火が燃え尽きるまで 僕が愛したこの世界に、永遠など望みはしない この手が震えようとも、変わっていく未来を 今日が最期だって構わない 一秒先を見つめていたい 呪いのような運命さえ 抗い続けよう、永遠に 忘れること、失うこと 傷と恐怖と歩むこと 消えてゆく隣人の重みを背負いながら 「もしかして絶望している?」 いくつもの足跡、 「いつになれば完璧を得るの?」 全部どこかで途切れている 誰かが辿り着けずにいた この地をまた後にして 僕が愛したこの世界に、永遠など望みはしない この手が震えようとも、変わっていく未来を 今日が最期だって構わない 一秒先を見つめていたい 呪いのような運命さえ 抗い続けよう だから、永遠なんていらない |
化け猫キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 君を撫でて 顔を埋めて 不機嫌な面で睨まれたいな 路地裏に消えてく君の 二股のしっぽも愛おしい 僕のことをじっと見つめるのに カメラを向けたら目を背けるの 烏の濡れ羽と同じ色 足音も立てず夜に溶けた 愛想のない君は化け猫 ガラスの瞳に赤い満月が映った 愛憎渦巻く街の路地裏で 取り殺されても構わないよ 振り返らない君の髪 夢中で追いかけて気づかぬ間に 路地裏、ねじれてくリビドー 迷い込んでしまってもう終い 僕は気づく、愛しい割れたしっぽに いつの間に無数にのたうつ蛇 正しく汚れてく君を あいも変わらないままに愛でた 愛想のない君は化け猫 揶揄うみたいに牙を見せて笑って 細胞ひとつさえ残らないように 食い殺されて終わりがいいな 寂しいと猫撫で声で鳴いて 承認と肉を狩る 満たされた後には 白い血と赤いミルクの海だけ 気まぐれに夜と戯れ 灰色の人の群れからはぐれ 誰にも懐かない君の大きなあくび 僕には眩しい 思わせぶりに笑って奪っていった全部 そうやって化かされた 愛想のない君は化け猫 ただの一度も飼い慣らせはしなくて 敗北者として君に隷したい 首輪をつけるのは僕の方だね 愛想のない君は化け猫 ガラスの瞳に赤い満月が映った 愛憎渦巻く街の路地裏で 取り殺されても構わないよ |
聖者の行進緒方恵美 | 緒方恵美 | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 宮崎京一(KEYTONE)・amazuti(KEYTONE) | パッと見綺麗な幸福の偽装 メッキが剥がれ落ちた 一枚の薄皮隔てた先で グロいものがなんか呻(うめ)いていた 人間の間に沈殿した どす黒いものが暴発する日 それにずっと怯える僕達は 緩慢な死の最中(さなか)にあるみたいだ 無力を呪う声と 救いを祈る声が 混ざったような歌が聞こえる 全て飲み込んでしまうように 進んでゆく聖者の行進 弱い僕らさえも赦して 連れ去ってしまう 破壊でもなく救済でもなく 全てを均す聖者の行進 打ちのめされてしまった僕らの 憂いを払ってくれ、なぁ どうして僕たちの幸福の種は 一向に芽吹かないの? 一体どれくらいの暗い闇の底で 泣いてもがいて過ごしたらいい? 山積みの不幸の上に立つ 見せかけの理想、薄ら寒いね 平穏な日々は帰ってこない 熱狂をもたらす僕らのマーチングバンド 産声を上げた日から 悲しみを知った日から 僕らは擦り切れていった 無力を呪う声と 救いを祈る声が 混ざったような歌が聞こえる 全て飲み込んでしまうように 進んでゆく聖者の行進 弱い僕らさえも赦して 連れ去ってしまう 向かう先で待っているのが 楽園だろうが地獄だろうが このパレードは進み続けるだけ 怒りや悲しみの歌を歌いながら 跋扈(ばっこ)する悪魔を踏み潰して 震える心臓が止まってしまうまで |
切り傷sajou no hana | sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 知らないものばかりの世界で、 物音一つにもおびえるのに。 この目を塞いでも、瞼の裏に 浮かんでしまうほどの、君だ。 数えきれないほどの切り傷がついて 透明じゃなくなったガラスみたいな僕の、 下手くそな笑顔さえ受け入れてくれた。 君の傘になろう。 その手で、その指で、ふれて。 僕の目を見ていて。 ふたりで、この世界が振るった ナイフの雨を越えられるように。 傷だらけだね、って 君がさすってくれた肌の もっと奥まで、ふれて。 誰にも委ねられないでいた、 ひとりじゃ持て余してしまうものを。 喜びや痛みを分けあえるように、 居場所を僕にくれた。 知らないものばかりの世界で、 物音一つにもおびえるのに。 この目を塞いでも、瞼の裏に 仄かに光が見えた気がした。 一緒に帰ろうって決めた。 優しい陽だまりへ。 この手で、この指で、ふれたい。 その肌の奥のこころまで。 その手で、その指で、ふれて。 僕の目を見ていて。 ふたりで、この世界が振るった ナイフの雨を越えられるように。 傷だらけだね、って 君がさすってくれた肌の もっと奥まで、ふれて。 |
ナイトルーティーン feat. suis from ヨルシカキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 少し大袈裟に喪失を歌う 音楽に涙を拭われて 退屈な映画のしょうもなさが 背をさする夜 「今日あった出来事を話そう」 「おかえりとただいまはちゃんと言おう」 「夕飯の間テレビは消そう」 なんとなくまだ守ってたいよ 風に洗われた犬ころみたいな ぬるい幸せが 大切だった ぴかぴかのコンビニへ歩く ふかふかの布団で夢見る 意味のないルーティーン 君がいないだけさ ぷかぷかと煙を吐き出す すかすかのレイトショーを観る 何度繰り返せば ひとりに慣れるのかな 悲しみをちょっと脚色した いつまでも覚えていれるように とうてい歌にも映画にもならない なんでもないもの 「明日出すゴミはまとめとこう」 「寝る前にあったかいものを飲もう」 染みついたこの癖が抜けたら 本当に君を失うみたいで つやつやのご飯が炊けたよ ぽかぽかのお風呂が沸いたよ 誰に伝えたらいい? 宛先のない日々 ぴかぴかのコンビニへ歩く ふかふかの布団で夢見る 意味のないルーティーン 君がいないだけさ ぷかぷかと煙を吐き出す すかすかのレイトショーを観る 何度繰り返せば ひとりに慣れるのかな 冬の朝の毛布のような 君の名残から抜け出せないよ 二度寝をしようにも 目は冴えてしまってる 夏の夜は薄明るい ひとりでアイスでも買いに行こうかなぁ ぼやけたコンビニへ歩こう |
ラブソング feat. Eveキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 正しく汚し合っていた僕ら 互いの悲しみに夢中さ 痛くて舐め合った喪失感 散文的な快楽でもいい 生きているのがどうしようもなく恥ずかしい 気のせいだと思いたくて、思えなくて 眠ることすらきみなしじゃ儘ならない 陶器のようで柔いその頬に傷をつけたい 僕らみたいなクズにはそれしかできない 愛だ恋だと腑抜けた歌うたって きみという毒でキマっていたいね 悲しいことばかり考えはじめて終わんないループ ずっと待っていたこのトキシックな逢瀬 きみは有毒で最悪で最愛の、優しい地獄 まだ抜けない離脱症状 果たして、価値観は狂った きみ無しの人生など滑稽さ 片足で立つような現実感 世界の殆どがグレーアウトした バグりだす脳下垂体の暴走 パキるAM4時過ぎの幻聴 「誰もがお前を愛している」と教えてくれる 消えかけの月明かり 夜半の祝福さえ朝に食い尽くされ また息をしづらくなる 誰もが僕を愛していない ひどい悪夢が現実ならきみを服毒していたい 僕らみたいなクズのためのラブソングはどこ? 愛だ恋だと腑抜けた歌うたって きみという毒でキマっていたいね 悲しいことばかりの僕の命、無価値だったみたい 今日も哀願してまたトキシックな逢瀬 きみは有毒で最悪で最愛の、眩しい常闇 まだ抜けない離脱症状 ただ君に渇いている |
青のすみかキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | どこまでも続くような青の季節は 四つ並ぶ眼の前を遮るものは何もない アスファルト、蝉時雨を反射して きみという沈黙が聞こえなくなる この日々が色褪せる 僕と違うきみの匂いを知ってしまっても 置き忘れてきた永遠の底に 今でも青が棲んでいる 今でも青は澄んでいる どんな祈りも言葉も 近づけるのに、届かなかった まるで、静かな恋のような 頬を伝った夏のような色のなか きみを呪う言葉がずっと喉の奥につかえてる 「また会えるよね」って、声にならない声 昼下がり、じめつく風の季節は 想い馳せる、まだ何者でもなかった僕らの肖像 何もかも分かち合えたはずだった あの日から少しずつ きみと違う僕という呪いが肥っていく きみの笑顔の奥の憂いを 見落としたこと、悔やみ尽くして 徒花と咲いて散っていくきみに さよなら 今でも青が棲んでいる 今でも青は澄んでいる どんな祈りも言葉も 近づけるのに、届かなかった まるで、静かな恋のような 頬を伝った夏のような色のなか きみを呪う言葉がずっと喉の奥につかえてる 「また会えるよね」って、声にならない声 無限に膨張する銀河の星の粒のように 指の隙間を零れた |
素敵なしゅうまつを!キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Mizore・Tatsuya Kitani | 虚しさ未満の何かがもやついて 鼻が詰まったみたいな朝 四角で彩られた街 何もかもが少しずつずれてったんだ 黙示録はよいこのため 破滅の時には抱き合って、さぁ祈りを! 裸足のまま逃げ出すような お行儀の悪い子から順に摘まれていく どこかで息を潜めている悪意が 目覚めたらもう戻れない あの針が12を指せば終わり のんびり構えて待っていよう? それではみなさまごきげんよう! 天国で会えるといいね 風船に空いた穴のように 前触れもなくやってくるんだ 「素敵なしゅうまつを!」 どっかの誰かが紅茶飲んで待っているのなら 「素敵なしゅうまつを!」 恋人を愛して、大人しくエンドロールを観ていよう 思えば僕らの明日は 端っから決まって不明瞭な見通しでした ヴァルプルギスの夜が来て 誰も彼も騒がしく浮き足立った 終着の駅に着けば徒歩でゆけるよ 諍いのない海まで 巨大な鉄の蛇の巣を お行儀よく苛立つ葬列は進んでいく 水平線に飲まれるほど 空は落ち太陽が溺れてる 祈りの宛先が番外地なら 黙祷に意味はないとおもう それではみなさまごきげんよう! 天国(仮)で会えるといいね 感傷に浸る間もないけど 合言葉は決めといたんだ 「素敵なしゅうまつを!」 どっかの誰かが紅茶飲んで待っているのなら 「素敵なしゅうまつを!」 恋人を愛して、大人しくエンドロールを観ていよう 「素敵なしゅうまつを!」 誰が作った映画か 神への畏怖を失ってしまったら 「素敵なしゅうまつを!」 みんな席を立ってく ポストクレジットは誰も観ていない |
憧れのままにyama × キタニタツヤ | yama × キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani・Nobuaki Tanaka | ただ悠然と掴んだ吊り革とダンスして 次の駅で降りてったブレザー 眩しくて仕方ないな いま、不安定な宇宙を歩いてかなくちゃね 船から離れないためのロープ 僕も握り直すよ 子供みたいに拾い集めてきた空想 心の骨 探している 星の海で 僕らがずっと抱いてきたあこがれのままに 鳥は翔び、猫はねむる 人はただ夢を見てる 恋に恋をした天使みたいに、君を見つめてる 億光年先の光 ただ僕は、僕のときめきだけ 最終電車の前で涙を拭っている 別れを知った少女の開花 今が一番きれいだ ただ漫然と噛んだ又聞きの神話も 詩人の声で詠われたように 僕の背骨になった 僕らがずっと抱いてきたあこがれのままに たったひとつだけ見つめてきたあこがれのままに 僕らがずっと抱いてきたあこがれのままに 鳥は翔び、猫はねむる 人はただ夢を見てる 恋に恋をした天使みたいに、君を見つめてる 背が伸びて少し近づける まだ遠い、遠い最終話へ |
サッドマンズランド伊東健人 | 伊東健人 | キタニタツヤ | キタニタツヤ | ZEROKU・キタニタツヤ | あぁ、怒りのひとつも湧かないよ この醜悪な世界の片隅で (なぜ皆笑っているんだ?) 暴走した善意が、ほら 君を見ている 赤く響くサイレンで僕の ズレた頭のネジを直してくれ (なぜ楽になりたいんだ?) 列からはみ出すことは恐ろしいからさ 正義をがなり立てる旗 憎しみの矛先を探す 誰も正気じゃいられないみたいだ 心を囲うように閉ざしきった場所 僕を脅かす全てを拒絶して 明かりを灯そう ここはサッドマンズランド、誰もいない世界 13の階段の先 心の外側のパンデモニウムが 道徳を犯している 暗いサッドマンズランド、僕の安寧の地に 君もおいでよ あぁ呆れてものも言えないよ この均質な世界の中心で なぜ皆嘆いているんだ? 小さな悪意がまた見つかるから 誰もがかたちを失って 見る夢も同じような色で (なぜ辛くありたいんだ?) 正義にまわるために皆必死だった 心を囲うように閉ざしきった場所 僕を脅かす全てを拒絶して 明かりを灯そう ここはサッドマンズランド、誰もいない世界 相対で交わせない言葉 顔のない板の向こうから聴こえた 耳を塞いだら ここはサッドマンズランド、誰もいない世界 99の眩しい光 はみ出した1の悲しみは見放され 独りで塞いでいた 暗いサッドマンズランド、僕の安寧の地に 君もおいでよ |
修羅に堕としてsajou no hana | sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 空っぽなんだ、僕を満たして。 肌を刺すように纏わりつく気配で、 僕が僕だとわかるような気がした。 僕の内側で囁いた、誰かが歌うように。 それは恐怖ではなく。 研ぎ澄ましたその蛮勇が僕を救う。 柔らかな皮膚のような居場所はないの? 弾かれて流れ着いた似た者同士。 僕を僕たらしめている衝動で傷つけ合う。 僕はずっと空っぽだった。 痛みをもっと求めていた。 誰かがきっと満たしてくれますように。 僕はずっと孤独だった。 あなたがやっと。 心が黒く濡れ、赤を求め出した僕を、 修羅に堕としたんだ。 与えられた悶えるような痛みが、 知らなかった、これほどに温かい。 大切なものを捨て去った、自分に抗うように。 それは狂気ではなく。 ただ自由にこの身を捧げていたいだけ。 幾千幾万の恐怖を切り裂いていくんだ。 この手の震えさえも喜びに染まっていく。 一閃に散ったいくつもの光が綺麗で。 深くまで堕ちてきた祝福として、 繰り返し傷つけ合おう。 僕はずっと空っぽだった。 痛みをもっと求めていた。 誰かがきっと満たしてくれますように。 僕はずっと孤独だった。 あなたがやっと。 心が黒く濡れ、赤を求め出した僕を、 修羅に堕としたんだ。 空っぽなんだ、僕を満たして。 空っぽなんだ。 |
Moonthiefキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | うーん どうにかなってしまいそうな 僕が僕でなくなっていくような 誰かの人生に変わったとして それはそれで生きてしまえるような 借り物みてーな日々だって愛着も湧いている 神妙な顔して踊っている 夜去、香り立つペトリコール あの月の眩しさが邪魔だった 暗くて甘い夜が好きだった かばんの中で溶けかけた チョコレートみたいな曖昧なベーゼ 愛は死語になる、価値はとうに無く 愛はもう地縛霊、彷徨しだす 放射冷却で凍りついた街をすべる 僕らはMoonthief 月を盗み出してしまおうぜ こわいものばかりの世界の中 ちょっとだけ隠れやすくしたって いいだろMoonthief あいつらの目を騙くらかして 死にたくなるほどの夜だけは ちゃんと生きれてる気がしたんだ 厭世主義者ぶるいけない子 o0(この星の終わりを夢に見ている!) 愛を説こうとも意味がないの? o0(想像もつかないほど綺麗かも…) あの月に祈れども無駄だった 潰れたロードキルが僕だった 群れるビルが墓碑に見えた ピカレスク気取って開き直ろうぜ 僕だけが違う、脳端子の規格 ソーシャルを離脱、勝った気の自虐 情けないくらいに寂しさが埋まらない 僕らはMoonthief 月を盗み出してしまおうぜ こわいものばかりの世界の中 ちょっとだけ隠れやすくしたって いいだろMoonthief あいつらの目を騙くらかして 死にたくなるほどの夜だけは ちゃんと生きれてる気がしたんだ |
大人になってもキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 大人になっても 泥みたいなコーヒーはまだ苦いままだし 大人になっても クロモソームの違いがまだ恐ろしいし 大人になっても あの日を思い出して眠れなくなるし 大人になっても 伝えたいことをちゃんと伝えられないまま 夕焼けが綺麗すぎて死にたくなる 大人になっても この心に、何か一枚、羽織るものが欲しい 人肌ではもう誤魔化せない なぜだか寒くて 正しく傷つくための方法を 正しく学びとる前に学校を出ました 社会に不時着して、借り物の言葉で ああ、間に合わせの人生だ 大人になっても 誰かに依存するのが不安でたまらないし 大人になっても 愛を向けると愛を向けられるのが怖い 大人になっても 砂糖菓子の甘さで心は満ちるし 大人になっても 正しい教科書の言葉聞いてりゃ楽だし 大人になっても 冬の気配にちゃんと寂しくもなるし 大人になっても 人生の意味を知るため死ぬ選択肢はある 君のその苦しみはずっとあるよ 大人になっても 嫌な歌を聴かせちゃったけど 不安にならないで なんとなくで幸せに生きてる 滑稽だろ、笑えよ |
旅にでも出よっかキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | もう頑張りたくなくて お休みした 朝の空気が気持ちいいから 散歩するみたいに 出掛けてみよう 目的地はない むかしの音楽 車輪の音 僕を日々から少しだけ遠ざける ぼさぼさの頭 風のコーム それならおしゃれもしよう 明日のことは明日の僕が うまくやってるでしょう 旅にでも出よっか 遠く遠くのどっか 狭いまちを飛び出して 今日はよそで寝よう 海を見に行こうぜ 美味いめしも食おうぜ 嫌なことは忘れよう やりたいことぜんぶ やりきるまでは帰れない! 流れていく景色 折れた切符 綿のように運ばれたいと、そう思う くしゃくしゃの煙草 鳴る小銭 ポケットは軽くしてある きみのすべきこと 誰かに代わってもらいましょう 旅にでも出よっか 遠く遠くのどっか 狭いまちを飛び出して 今日はよそで寝よう 少し勇気を出して 知らん人と話して 子供に戻ったように わがままも言える 財布が軽くなって 両足は重くなって 心が満ちる時間 家が恋しくなって 遊び疲れて帰ればいい |
キュートアグレッションキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 他人の痛みには鈍感で 自分の痛みには敏感な僕ら 思春期に壊れちゃって 直せなくなった 止まない春の狂躁で 蓋してられない衝動がリークしていく 僕も壊したいなあ 君の心のやわいとこ 好き勝手噛みついてしまいたくなって 容易く折れそうな細い首 少しだけ苦しめたくなって やっぱり欲しくなっちゃうな 君の全てを この街が眠る前に、連れ去りたいよ 36度あまりの 君の首筋に 少し跡が残ったって、構わないでしょう? だから今は許して こんな化け物にだって 親がいたりするんだ 無責任な人もいるね 可哀想って言葉に沿って 日々を装ってりゃ満足そうで カメリアコンプレックスをくすぐる為に 愛を浪費している 一見してみれば寛容で はみ出す僕らには狭量な世界は hocus-pocusって言うんだ 大人はみんなペテン師さ! 殖えたいという本能と 征服したいという劣情を隠している 僕にはできないなあ 忘れたいほどの過去など 忘れられるほどの痛みと呪いで 上書きしたいよ 同情の余地もないほど 気味の悪い 君の張り付けた泣き顔を 踏み躙ってみたいな 君の心のやわいとこ 好き勝手噛みついてしまいたくなって 容易く折れそうな細い首 少しだけ苦しめたくなって かったりいアイミスユーとか いらない、僕たちは ルサンチマンが煮凝ったドス黒い愛を 八つ当たりみたいに ぶつけて、毟り合う くだらない泥試合に夢中になった やっぱり欲しくなっちゃうな 君の全てを この街が眠る前に、連れ去りたいよ 36度あまりの 君の首筋に 少し跡が残ったって、構わないでしょう? だから今は許して |
私が明日死ぬならキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Naoki Itai(MUSIC FOR MUSIC)・Tatsuya Kitani | 私が明日死ぬなら、いくつか悔やむことがあるでしょう あの人に冷たくしたこと、死ぬことを恐れすぎたこと 私が明日死ぬなら、誰にどれだけの感謝をしよう 冗談で言う「死ね」の言葉、冗談で済んでくれたこと 私が明日死ぬなら、少し先の未来を夢見よう 新しく生まれる命は、まだ私より尊いでしょう 私が明日死ぬなら、世界を呪う言葉を残そう 今日という日のつまらなさも、音楽にして救われましょう 「私に見向きもしないでいてくれてありがとう!」 約束だよ もしも自分を傷つけたくなってしまったら 約束だよ 私に触れた時のやさしさを思い出してよ もしも、 あなたが明日も生きたら 好きな服を着て出かけてみよう あなたが明日も生きたら 嫌いな色全部塗りつぶそう あなたが明日も生きたら 昨日になる今日さえ愛おしい 地獄の中でたまに笑おう あなたが明日も生きるなら 私が明日死ぬなら、もう写真を眺めるのは止そう 髪を切った日の午後のように、あなたに会いたくなるのでしょう 私が明日死ぬなら、しばらく誰も気づかないでしょう ポストに溜まった不在票が墓標の代わりになるでしょう 私が明日死ぬなら、残されたあなたを惟よう 悲しみだけ花束にして、一緒に燃やしてくれるでしょう 私が明日死ぬなら、明々後日は日々に戻りましょう 動き出す世界の晴れ間に、その綺麗な目を細めるでしょう 例えばいつか にわか雨の寂しさがあなたを襲っても 大丈夫かな こんな歌でも傘にしてどうにかやり過ごすんだよ 約束だよ 呼吸の仕方を上手に思い出せないなら 約束だよ 呟くように、歌うように、涙を吐き出してよ 聴いて、 あなたが明日も生きたら もう明後日も同じことでしょう あなたが明日も生きたら 誕生日のように暮らしましょう あなたが明日も生きたら 変わらず苦しい日々を見つめ この歌と小指を結んで あなたは明日も生きていくんだ 約束だよ |
アンスロポスSUPER EIGHT | SUPER EIGHT | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Diz | 崩れそうな足元を見つめていた 闇を掻いて抗うように叫んだ 悲しみに、苦しみに 呑み込まれそうになっても 青く燃ゆる命の火 涙で消えぬように あたたかな光で 瞳を満たした君に会いに行くよ さぁ顔を上げて、愛しい人 僕らは涙を拭い去って さぁ手を握って、離れないで 見上げた色、ずっと覚えていて 振り返って轍を眺めていた よろけながらここまで辿り着いた 悲しみに、苦しみに 道を違(たが)えそうになっても 青く燃ゆる命の火 行き先しめすように 遠くからかすかに 歌う声がして、また前を向いた ありふれた言葉を 両手に抱えて君に会いに行くよ さぁ顔を上げて、弱い僕よ かつての敗北と手を繋いで さぁ昨日を捨て、明日を征け 見上げた色、双脚(そうぼう)に刻んで 決して忘れないでいたい 一生を終えるまで ねぇ、聞こえている?僕らの声 ねぇ、あの火はまだ青く燃えているよ さぁ顔を上げて、愛しい人 僕らは涙を拭い去って さぁ手を握って、離れないで 見上げた色、ずっと覚えていて 高く飛べなくても 固く大地を踏み締めろ 遠く思えた空に 触れられるような気がした |
TorporChroNoiR | ChroNoiR | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 宮川当 | 騒々しい街の中 隠れるように早足で歩いた 第四の壁の向こう 僕らはわかっている 逃げ出したくなるよな きっと誰にもわからないよな 神様の用意に不備があって、うまく生きていけないみたいだ 少しだけ目を瞑って 呼吸が浅くなっていくの さみしい雪の中で 心を凍らせていた 鈍る痛覚、冷えた指先 世界はたった一つでいい 眠る君のまぶたをめくって その眼球にキスをしたいだけ 僕らの国に時計はいらない ねえ起きて! まだ君と遊びたいよ 想像力の逃げ場が どこにもない子供のような君 制裁を下すには 無垢でありすぎたんだ 触れられない愛でも つぐむ唇が冷たくても 神様の領域に手を伸ばして、声と手紙のやりとりをした 暗闇を探るようで 睦言というには幼い 雪は積もりゆくだけ 夜空に還ることはない 生きた分だけ痛みをもらった 僕らはたった二人でいい 飽きるまでこの世界で生きて いつの間にか向こう側に居たんだね 言葉だけが僕らをつないで 心の形がわかるように 眠る君のまぶたをめくって その眼球にキスをしたいだけ 僕らの国に時計はいらない さみしいばっかり増やさないで まぶたの裏には退屈だけ ねえ起きて! まだ君と遊びたいよ |
次回予告 キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 始業のベルで僕は舞台に立たされる 代わり映えのしない決まった時間、場所で 「いけ、たたかえ、まけないで!」 「せいぎはかつ、まけたらわるもの?」 子供の夢で彩られた大人たちの朝 何故こんなにも許せない? 受け入れたこれまでの日々を (来週の君は負け犬です!) (20年後の君も以下同文です!) ネタバラシでさえ書き換える 幕が上がる また同じオープニングテーマが鳴る 予定調和の今日が始まる それでも続けよう、誰のために? 麻痺るまでループした日々を はみ出して性懲りもなく足掻く 予想を、期待を、裏切ってしまえ 次回予告の僕を また朝が来て僕は舞台に立たされる 代わり映えのしない決まった時間、場所で 「行け、戦え、負けないで?」 「正義は勝つ、負けたら悪者!」 生きてることが偉いなんて嘘は ここじゃあ意味をなさない いつの間にか毎日を安っぽいクリシェで満たして このゲームから降りたふりでやり過ごして、何が幸福? 理由もなくこの世界は在るし 理由もなく僕らを嘲るし 理由もなく生まれ生きたしるしを どこかに置いていかなくちゃ 履き潰した靴の底のように 進めば擦り減る僕らの未来 結末の見えた物語を 少しは愛せるように また同じオープニングテーマが鳴る 予定調和の今日が始まる それでも続けよう、誰のために? 麻痺るまでループした日々を はみ出して性懲りもなく足掻く 予想を、期待を、裏切ってしまえ 次回予告の僕を エンディングの時間が来たよ 今日も楽しんでくれたかな 次回も同じ日々が来るよ 来週もまた乞うご期待 |