Cinnamonキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 白いカーテンを透かすような 朝の太陽が目蓋を引っ剥がして 渇きと頭痛を癒すコーヒー おぉ、ありがとう ところで君はどこの誰? この怠惰が創造的であらんと願う 愛を飾る憎悪と死の予感 あぁ!なんて恐ろしい 僕らは少し不幸せなだけなのにね 湯上がりの首筋から 香った麝香の奥に 少し覚えのある匂いがした 愛をもっとくれないか 苦くても構わないよ ささくれだった心には 甘ったるい一匙のシナモンを 逃してしまった幸福を 他の誰と取り戻せばいいの? あの人の好きなお茶の匂いの 鼻につく甘さをまだ思い出せる 君の髪も声も肌も仕草も全て 見たこともないほど素敵だよ あぁ!なんていじらしい 僕らそれでも幸せとは遠いね 愛をもっとくれないか 苦くても構わないよ ささくれだった心には 甘ったるい一匙のシナモンを 目を瞑っても耳を塞いでも 鼻腔をくすぐるせいで 忘れてしまうことも叶わないんだ 愛をもっとくれないか 苦くても構わないよ あの人と同じように 甘ったるく微笑んでほしいだけ 僕はずっと嫌いだった 遠い国の匂いがした 心がぎゅっと懐かしくて その首をもう一度嗅いでしまう |
修羅に堕としてsajou no hana | sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 空っぽなんだ、僕を満たして。 肌を刺すように纏わりつく気配で、 僕が僕だとわかるような気がした。 僕の内側で囁いた、誰かが歌うように。 それは恐怖ではなく。 研ぎ澄ましたその蛮勇が僕を救う。 柔らかな皮膚のような居場所はないの? 弾かれて流れ着いた似た者同士。 僕を僕たらしめている衝動で傷つけ合う。 僕はずっと空っぽだった。 痛みをもっと求めていた。 誰かがきっと満たしてくれますように。 僕はずっと孤独だった。 あなたがやっと。 心が黒く濡れ、赤を求め出した僕を、 修羅に堕としたんだ。 与えられた悶えるような痛みが、 知らなかった、これほどに温かい。 大切なものを捨て去った、自分に抗うように。 それは狂気ではなく。 ただ自由にこの身を捧げていたいだけ。 幾千幾万の恐怖を切り裂いていくんだ。 この手の震えさえも喜びに染まっていく。 一閃に散ったいくつもの光が綺麗で。 深くまで堕ちてきた祝福として、 繰り返し傷つけ合おう。 僕はずっと空っぽだった。 痛みをもっと求めていた。 誰かがきっと満たしてくれますように。 僕はずっと孤独だった。 あなたがやっと。 心が黒く濡れ、赤を求め出した僕を、 修羅に堕としたんだ。 空っぽなんだ、僕を満たして。 空っぽなんだ。 |
初夏、殺意は街を浸す病のようにキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 青すぎる天井から逃れて、狂ったように冷えた箱の中 煙を喫む蘭服に睨まれて、自分が酷く愚かしく思えた コンクリートの上で気化する想像が、やけに生々しい 今日も渋谷の喧騒が灰に帰す夢で眠りに就く 君のその声が過去になる前に、僕を殺してくれないか 夏に毒されて茹だった頭で、それなりの愛を歌っている コンクリートの上を逃げてくように、 君の背中に渦巻く沈黙と怨恨を見送るとき 君がその声を捨ててしまう前に、僕を殺してくれないか 熱に冒されていかれた頭で、嘘塗れの愛を歌う 六月に溶けた花嫁のように、白が君を連れ去っても 神など要らない 夏の不条理に潰されぬように背を向けて 夏に毒されて茹だった頭で、それなりの愛を歌っている |
白無垢キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 悲しくもなく ただ情けなくて俯いて 轍と足跡で泥まみれの 一昨日の雪に苛ついた 手を繋ぎ歩くような 綺麗なもんじゃないけれど 走馬燈のような思い出 少しだけ滲んだ 別に何も変わることはない 詮無い生活 が続くだけだぜ なんて狐と葡萄みたいなこと 吐き捨てるほど 虚しくなんだな いつかの君が纏った白無垢の雪は 暖かで柔い真綿のようでした いま僕の上に降って脆く崩れてくそれは 重く冷たい涙のようなみぞれでした アスファルトの泥を撥ねて 忙しく駆けずる人の群れの中 失うはずのないものを失い その残滓に縋りついていた 君にそれを告げられた朝 僕の表情は間抜けていただろう 想像しただけで笑えてくるのに 君は少しも笑わなかったな 優しい記憶だけ抱いて眠りたいのに アルコホルじゃこの目は冴えてしまうのだ 街を這いずり回ってただくだ巻いても虚しい 君に触れたい いつかの君が纏った白無垢の雪は 暖かで柔い真綿のようでした いま僕の上に降って痛みをぼかしてくれたのは 重く冷たい涙のようなみぞれでした せわしい街の只中なるしめやかさよ |
次回予告 キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 始業のベルで僕は舞台に立たされる 代わり映えのしない決まった時間、場所で 「いけ、たたかえ、まけないで!」 「せいぎはかつ、まけたらわるもの?」 子供の夢で彩られた大人たちの朝 何故こんなにも許せない? 受け入れたこれまでの日々を (来週の君は負け犬です!) (20年後の君も以下同文です!) ネタバラシでさえ書き換える 幕が上がる また同じオープニングテーマが鳴る 予定調和の今日が始まる それでも続けよう、誰のために? 麻痺るまでループした日々を はみ出して性懲りもなく足掻く 予想を、期待を、裏切ってしまえ 次回予告の僕を また朝が来て僕は舞台に立たされる 代わり映えのしない決まった時間、場所で 「行け、戦え、負けないで?」 「正義は勝つ、負けたら悪者!」 生きてることが偉いなんて嘘は ここじゃあ意味をなさない いつの間にか毎日を安っぽいクリシェで満たして このゲームから降りたふりでやり過ごして、何が幸福? 理由もなくこの世界は在るし 理由もなく僕らを嘲るし 理由もなく生まれ生きたしるしを どこかに置いていかなくちゃ 履き潰した靴の底のように 進めば擦り減る僕らの未来 結末の見えた物語を 少しは愛せるように また同じオープニングテーマが鳴る 予定調和の今日が始まる それでも続けよう、誰のために? 麻痺るまでループした日々を はみ出して性懲りもなく足掻く 予想を、期待を、裏切ってしまえ 次回予告の僕を エンディングの時間が来たよ 今日も楽しんでくれたかな 次回も同じ日々が来るよ 来週もまた乞うご期待 |
スカーキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 青天井はどうしようもなく澄み渡っている 為す術のない僕に芽吹いた焦燥が膨らんでいく どうしたって臆病な僕らを笑うように 幾千の眼が覗いた 何度も何度も折れた魂をただ 抱きしめるだけ いつか灰になるその日まで 飲み込んできた悲しみの全てが僕を 形作った 色で満たした そうして歩いてきたんだろう? 呼吸と同じようにひとつひとつ重ねてきたんだ この掌の 数えきれない 消えなくなった傷跡が僕の 証だ しるしだ 向かい合ったあの恐怖も 刻んで、共にまた歩き出した 青天井はどうしようもなく澄み渡っている 濃く落ちる影法師のように虚しさが懐いてくる どうしたって痛む傷を癒すように 諦めへと僕の手を引いた 何度も何度も後悔を重ねて それでもまだ ちらつく光が眩しくて この目に映った希望の全てがいつか 崩れ去って 黒く濁って 変わり果ててしまっても 歪んだ失望の囁きを掻き消すように 魂の奥で 誰か叫んだ 与えられた明日に意味などないと ただ立ち止まって座り込んで終わりを待つなら 後悔も失望もいらないのに 闇に抗って選び取って明日を強請るあなたの 美しさに憧れてしまった 間違って、幾つ悔やんで、明日が怖くて、傷を背負った 誰にも渡せない 僕だけの痛みだ 飲み込んできた悲しみの全てが僕を 形作った 色で満たした そうして歩いてきたんだろう? 呼吸と同じようにひとつひとつ重ねてきたんだ この掌の 数えきれない 消えなくなった傷跡が僕の 証だ しるしだ 向かい合ったあの恐怖も 刻んで、共にまた歩き出した |
素敵なしゅうまつを!キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Mizore・Tatsuya Kitani | 虚しさ未満の何かがもやついて 鼻が詰まったみたいな朝 四角で彩られた街 何もかもが少しずつずれてったんだ 黙示録はよいこのため 破滅の時には抱き合って、さぁ祈りを! 裸足のまま逃げ出すような お行儀の悪い子から順に摘まれていく どこかで息を潜めている悪意が 目覚めたらもう戻れない あの針が12を指せば終わり のんびり構えて待っていよう? それではみなさまごきげんよう! 天国で会えるといいね 風船に空いた穴のように 前触れもなくやってくるんだ 「素敵なしゅうまつを!」 どっかの誰かが紅茶飲んで待っているのなら 「素敵なしゅうまつを!」 恋人を愛して、大人しくエンドロールを観ていよう 思えば僕らの明日は 端っから決まって不明瞭な見通しでした ヴァルプルギスの夜が来て 誰も彼も騒がしく浮き足立った 終着の駅に着けば徒歩でゆけるよ 諍いのない海まで 巨大な鉄の蛇の巣を お行儀よく苛立つ葬列は進んでいく 水平線に飲まれるほど 空は落ち太陽が溺れてる 祈りの宛先が番外地なら 黙祷に意味はないとおもう それではみなさまごきげんよう! 天国(仮)で会えるといいね 感傷に浸る間もないけど 合言葉は決めといたんだ 「素敵なしゅうまつを!」 どっかの誰かが紅茶飲んで待っているのなら 「素敵なしゅうまつを!」 恋人を愛して、大人しくエンドロールを観ていよう 「素敵なしゅうまつを!」 誰が作った映画か 神への畏怖を失ってしまったら 「素敵なしゅうまつを!」 みんな席を立ってく ポストクレジットは誰も観ていない |
Stoned Childキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 不幸自慢とアルコール 爆弾みたいなチャンポンかまして (tick, tick-tock, tick-tock) 気づいたら知らないベッドの上 絞首台で待っている囚人みたいにビクついてたって (ding, ding-dong, ding-dong) 時間切れのチャイムが鳴った マヒった脳がやらかくなってく! 千鳥みたいにジグザグに踊っている みっともないよな アミグダラとろけだしてしまう! この世の全部を許したくなった まぁ一息つこうぜ ウィーアーストーンドチルドレン 流れていく時間はずっとスロウなままで 感覚だけ尖っていった 「人間なんて辞めちまおうぜ」 ウィーアーストーンドチルドレン かわいそうな私、だなんて ベロベロに酔っ払ってもいいじゃないか 足がもつれて歩けないね 繰り返す同じ話 中身は無しの数時間 ふらつく足踏み出し 疼き出すマンチー そしてまた後悔 チルタイム終わりの合図 「閉店のお時間です」 始発を待つ間に昇る太陽が この無為な生活を照らした バグった脳に警告の痛み グロい夢ん中で絶頂したんだ どうしようもないな また出会ったね ピンクの亡霊 鼓膜を裂くような声で喚いている そうカリカリすんなよ ウィーアーストーンドチルドレン 流れていく時間はずっとスロウなままで 感覚だけ尖っていった 「人間なんて辞めちまおうぜ」 ウィーアーストーンドチルドレン かわいそうな私、だなんて ベロベロに酔っ払ってもいいじゃないか 足がもつれて歩けないね へべれけじゃなきゃ生きれないよ |
聖者の行進緒方恵美 | 緒方恵美 | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 宮崎京一(KEYTONE)・amazuti(KEYTONE) | パッと見綺麗な幸福の偽装 メッキが剥がれ落ちた 一枚の薄皮隔てた先で グロいものがなんか呻(うめ)いていた 人間の間に沈殿した どす黒いものが暴発する日 それにずっと怯える僕達は 緩慢な死の最中(さなか)にあるみたいだ 無力を呪う声と 救いを祈る声が 混ざったような歌が聞こえる 全て飲み込んでしまうように 進んでゆく聖者の行進 弱い僕らさえも赦して 連れ去ってしまう 破壊でもなく救済でもなく 全てを均す聖者の行進 打ちのめされてしまった僕らの 憂いを払ってくれ、なぁ どうして僕たちの幸福の種は 一向に芽吹かないの? 一体どれくらいの暗い闇の底で 泣いてもがいて過ごしたらいい? 山積みの不幸の上に立つ 見せかけの理想、薄ら寒いね 平穏な日々は帰ってこない 熱狂をもたらす僕らのマーチングバンド 産声を上げた日から 悲しみを知った日から 僕らは擦り切れていった 無力を呪う声と 救いを祈る声が 混ざったような歌が聞こえる 全て飲み込んでしまうように 進んでゆく聖者の行進 弱い僕らさえも赦して 連れ去ってしまう 向かう先で待っているのが 楽園だろうが地獄だろうが このパレードは進み続けるだけ 怒りや悲しみの歌を歌いながら 跋扈(ばっこ)する悪魔を踏み潰して 震える心臓が止まってしまうまで |
聖者の行進キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | パッと見綺麗な幸福の偽装 メッキが剥がれ落ちた 一枚の薄皮隔てた先で グロいものがなんか呻いていた 人間の間に沈殿した どす黒いものが暴発する日 それにずっと怯える僕達は 緩慢な死の最中にあるみたいだ 無力を呪う声と 救いを祈る声が 混ざったような歌が聞こえる 全て飲み込んでしまうように 進んでゆく聖者の行進 弱い僕らさえも赦して 連れ去ってしまう 破壊でもなく救済でもなく 全てを均す聖者の行進 打ちのめされてしまった僕らの 憂いを払ってくれ、なぁ どうして僕たちの幸福の種は 一向に芽吹かないの? 一体どれくらいの暗い闇の底で 泣いてもがいて過ごしたらいい? 山積みの不幸の上に立つ 見せかけの理想、薄ら寒いね 平穏な日々は帰ってこない 熱狂をもたらす僕らのマーチングバンド 産声を上げた日から 悲しみを知った日から 僕らは擦り切れていった 無力を呪う声と 救いを祈る声が 混ざったような歌が聞こえる 全て飲み込んでしまうように 進んでゆく聖者の行進 弱い僕らさえも赦して 連れ去ってしまう 向かう先で待っているのが 楽園だろうが地獄だろうが このパレードは進み続けるだけ 怒りや悲しみの歌を歌いながら 跋扈する悪魔を踏み潰して 震える心臓が止まってしまうまで |
セラヴィWEST. | WEST. | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 冬が終わって春が来るように 気づいた時には大人になっていた いつか僕も誰かの思い出の花瓶の中で 枯れてゆくのだろう 空白がいつか君になっていた 君がいつかメロディになっていた そうやっていつか煙になる頃に笑えるように 季節と共に 変わっていく僕を怖がらないで 変わっていく君を責めないで 花は散って、人はさよならを繰り返す C'est la vie, c'est la vie! 笑えないことばかりが増えてしまって 流せない涙が溜まってく 綺麗じゃなくても 伸ばした手を拒まれても うつろいながら続いていく C'est la vie. 冬が終わって春が来るように あの日の僕らを洗った涼風が 花で飾った君を鮮やかに染めてゆく様 あんまり綺麗だから 育った風景が懐かしくなってゆく いくつの思い出を落として来たんだろう? そうやって傷が増えた代わりに君を知れたように 日に日に変わっていく僕も悪くはないと 変わっていく君も素敵だと 少しずつだって受け入れられますように C'est la vie, c'est la vie! 笑えないことばかりが増えてしまって 流せない涙が溜まってく 綺麗じゃなくても 伸ばした手を拒まれても うつろいながら続いていく 雪が泥になるように 人が思い出になるように 僕の心の何もない場所に 君が住み着いてしまったりして 全てがうつろっていく 古い自分が流されていく 先の見えない未来に漕ぎ出すこと 怖がらないで進めばいい C'est la vie. C'est la vie! |
閃光sajou no hana | sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 僕は、僕は、僕は魅かれてしまった。 灰になるほど。 簡単な言葉、ふいに滴って、 全ての歯車が狂った。 単純な事象だ。 僕の過ちは、返上の効かないものだと知る。 君のかたちを愛せるのならば、 幸福ももう要らないな。 誰も、彼も、今はただ迷いの中。 遠くで鳴る閃光に、 僕は、僕は、僕は魅かれてしまった。 灰になるほど。 盲目になるほど、心臓を強く照らすのは。 ねぇ、君の瞳だけだと、わかっている? 簡単な自傷で、僕の過ちの全てを取り消せたらいいのに。 瑠璃色の眼で、僕を見ていて。 幸福はもう要らないから。 誰も、彼も、今はただ迷いの中。 遠くで鳴る閃光に、 僕は、僕は、僕は魅かれてしまった。 灰になるほど。 声が、声が、君にさえ届かなくて、 両の眼は濁っていく。 僕は、僕は、君をまだ夢見ている。 嗚呼。 誰も、彼も、今はただ迷いの中。 遠くで鳴る閃光に、 僕は、僕は、僕は魅かれてしまった。 灰になるほど。 |
それでも僕らの呼吸は止まないキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 立ち止まってしまった日の記憶、回想に意味はないのに 明日への恐怖に目を背けて、救済を願ってしまうな 「答えはどこにも転がっていない」 君は今を見据えているか 「この生に意味を与えるのは」 僕で、君だ 気づいているだろう ただそこで息をしていても、救いなんてないよ、そう 未来に縋って呼吸を繰り返していくこと きっと何十回も何千回もこの人生に失望して、その度自分を嫌うのだろう きっと何百回も何万回も食傷した劣等感に沈んで、 それでもこうして歌っている 僕の凡庸を知った日のこと こんな運命を恨んでも 明日もどうせ変われないまま、感傷に浸っているだけ 「お前の無力さを呪っていても」 神は何も与えてはくれない 「その生に意味があるとすれば」 お前がその目を凝らして探せよ ただそこで息をしていても、救いなんてないよ、そう 未来に縋って命を燃やしてみせてよ きっと何十回も何千回も不甲斐ない僕を嘲笑して、 その度鼓膜を揺らすのだろう きっと何百回も何万回もくだらない生を終えようとしている それでも呼吸は止まらないな いま呼吸をしている君も僕もこの人生に失望して、 それでも命を燃やすのだろう たかが数十年の一生涯に希望が無くても、その命の火は きっと何十回も何千回もこの人生に失望して、その度自分を嫌うのだろう きっと何百回も何万回も食傷した劣等感に沈んで、 それでもこうして生きている |
タナトフォビアキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 日常に開いた傷口 グズグズに膿んだそれ見苦しい のにどうして目が離せない? いたいけな悪魔のよう 死んだ魚の目の奥にコール 胸の中心のヴァニタスに問う 悲しみとはなんだろう? 奈落の底では知り得ないよ ひらりひらり 黒い揚羽が誘うように舞って うつつと極楽が混ざって じわりじわり 気づいていたんだ 地獄がすぐ隣で待っているって 歓べよ! きみの愛した世界も この街の誰も彼も、死に向かう人々 踊れ! その歓び平らげるまで 恐れ、嘆きながら、受け入れればいい 塞がれていた地獄の口が開く音が 鳴き止んだ後に、何が残るというの? 日常に誰かが線を引く 瞬きする間もなく幕を下ろす 赤子さえ時間がない また太陽が沈むよ エンドロールが終わっても業は消えない 徒に過ごした日々は帰らない どんな月曜日も 愛おしいものだと思えてしまうだろう ゆらりゆらり 底のないコールタールの海辺 座礁した顔のない亡霊 どろりどろり 零れていく 憎しみも苦しみも愛も喜びも 日常の続きの永遠の蛇足に きみは目を背けて忘れたふりをした そこで待ち構えるニル・アドミラリ 抜け落ちた何かに渇き飢えるだろう 塞がれていた地獄の口が開く音が 鳴き止んだら、きみはきっと泣けもしないぜ 琥珀に住まう羽虫も、灰になった文明も 時計盤の砂漠を征くキャラバンの中 歓べよ! きみの愛した世界も この街の誰も彼も、死に向かう人々 踊れ! その歓び平らげるまで 恐れ、嘆きながら、受け入れればいい 人間の愛すべき隣人を忘れぬように 今日という日の花を摘んで束ねたブーケを飾って 塞がれていた地獄の口が開く音が 鳴き止んだ後に、ただ青い空があった |
旅にでも出よっかキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | もう頑張りたくなくて お休みした 朝の空気が気持ちいいから 散歩するみたいに 出掛けてみよう 目的地はない むかしの音楽 車輪の音 僕を日々から少しだけ遠ざける ぼさぼさの頭 風のコーム それならおしゃれもしよう 明日のことは明日の僕が うまくやってるでしょう 旅にでも出よっか 遠く遠くのどっか 狭いまちを飛び出して 今日はよそで寝よう 海を見に行こうぜ 美味いめしも食おうぜ 嫌なことは忘れよう やりたいことぜんぶ やりきるまでは帰れない! 流れていく景色 折れた切符 綿のように運ばれたいと、そう思う くしゃくしゃの煙草 鳴る小銭 ポケットは軽くしてある きみのすべきこと 誰かに代わってもらいましょう 旅にでも出よっか 遠く遠くのどっか 狭いまちを飛び出して 今日はよそで寝よう 少し勇気を出して 知らん人と話して 子供に戻ったように わがままも言える 財布が軽くなって 両足は重くなって 心が満ちる時間 家が恋しくなって 遊び疲れて帰ればいい |
ちはる feat. n-buna from ヨルシカ - From THE FIRST TAKEキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 君の髪に冬の残り香があった ほろ苦くて、煙みたいなアイスブルーで 僕の髪に春の花びらがついて 笑い合っていたこと もう随分前のことのように思える あまりに脆くて ただ散りゆく季節の幼い恋を 胸に抱いて雨を待つ 花冷えの日、またひとつ春めいていくから さらさらと頬を撫でる 春の雨にまた君を思い出す 薄桃色に霞んでいく光の束をつかんだら 花便りがもう聞こえる 昼下がりの街はグレイスケールの海 こぬか雨だ 傘をさしたって仕方ないね 笑う君の長いまつ毛を滑った しずくになれたら そんな空想さえ懐かしく思える 僕らの時間は ただ散りゆく季節と共に過ぎていった 気づけば君の背中は春霞の向こう側 逃げ去ってしまった さらさらと頬を撫でる 春の雨にまた君を思い出す アスファルトに滲んでいく 花びらひとつ拾う度 何度も踏みつけられて汚れてもなお鮮やかな桃色が あの日から色のない霧に囚われた 僕の目には眩し過ぎたよ 季節が千巡っても、またここに戻ってこようと思う 花冷えの日 さらさらと頬に伝う しずくはもう溢れてしまって 景色全部が滲んでいく 君の背中が見えた気がした さらさらと頬を撫でる 春の雨にまた君を思い出す 薄桃色に霞んでいく光の束をつかんだら 花便りがもう聞こえる ぬるい風に冬の残り香があった 何度だって 君のいない春を歩いていくよ |
冷たい渦キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 何気なく涙ながれて 寄る辺ない夜に急かされ ざわつく心の奥が 少しだけ痛くて 重なり積もる悲しみが 忘れてしまう喜びが ぐちゃぐちゃになっていく 冷たい渦を巻くんだ もう二度と治らない 不安という病が巣食って 街をゆく誰も皆、黒い羊 指先が触れるたび 何か奪われた気がして 抱き合って尚も疑い合い 花の根が腐るまで水を遣ってた ありふれた愛の温度を 一度知ってしまったせいで 肌を刺す孤独の冷たさだけが 耐えれなくて 枯れるまで流した涙 喜びも悲しみも混ざり合っていく 潰れそうな心の奥 僕を飲み込んだ冷たい渦 台風の目の空っぽに 何もない凪の日暮に ただうずくまっている 誰か僕に触ってよ 季節から僕だけが 弾き出されてしまうような 白昼夢が、僕に映る全てだった 差し伸べた君の手に 辿り着けた時にはきっと あらゆる詩歌も通り過ぎる 空の自分でさえ許してあげるのに ありふれた愛の温度を 一度知ってしまったせいで 肌を刺す孤独の冷たさだけが 耐えれなくて 枯れるまで流した涙 喜びも悲しみも混ざり合っていく 恋焦がれた世界から 僕を遠ざけた冷たい渦 |
天球、彗星は夜を跨いで (Still Still Stellar ver.)星街すいせい | 星街すいせい | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 明かりがひとつ灯った 灯った 天を彩った鋲が綺麗だ 僕の吐いた白い息のように、消してしまえたらな 押し殺して深く沈んだ 泣き声さえ、聞こえているから 君を刺した不安も苦痛も、 僕の青色で塗り潰して 全部涙になって 星の海を流れていった 果てしない闇の中に そっと青を添えたら ほら 彗星が僕の頭上を飛んだ 誰もいない夜の空を染めた 深く寝静まった街の中へ 降り注ぐのは誰の悲しみだろう 星はまた弧を描いて飛んだ もやのかかった思考を晴らして 「いつかまた会える」 なんて言えなかった 星が降ったあとの街、僕はまだ 黒く澄んだがらんどうの空を 箒星が彩るように 君を刺した不安も苦痛も 僕の青色で塗りつぶして 君の涙をそっと、星の海に流し込むんだ 尾を引いたその光が、誰かをまた救うから 彗星が僕を選ぶのなら この空を全部君にあげる 言えなかった言葉の尾を引いて 降り注ぐのは誰の悲しみだろう? 星はまた弧を描いて飛んだ 街の視線を奪い去るように 君とまた会えるのなら僕は、そうだ 星の名前をひとつ受け止めよう 悲しみがあふれそうになること 天球で離ればなれでも 僕らは繋がっているから 彗星が僕の頭上を飛んだ 誰もいない夜の空を染めた 深く寝静まった街の中へ 降り注ぐのは誰の悲しみだろう? 星はまた弧を描いて飛んだ もやのかかった思考を晴らして「いつか また会える」なんて言えなかった 星が 降った後の街 僕はもうずっと君の行方を探してた |
天灯sajou no hana | sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 産声が上がったその日から僕ら皆一様に、 仰向けに転んで、空を仰いでいたっけ。 君の目に映った憧憬の色が深まるほど、 遠のいていく君をずっと見ていた。 夢に描き続けていたものが、 灰になって消えるとしても、 それでも君は進んで征け。 祈っているよ。 赤く赤くいびつに燃えている。 胸の奥底で小さく揺れ動く火が。 空を描いた少年は、憧れのままに羽ばたいた。 数え切れない傷と共に。 産声が上がったその日から僕らの頭上に、 高く青く聳えるような大空があった。 君の目に映った憧憬の色を濁すように、 空を遮る雲はいくつ流れたろう? 夢に描き続けていたものが、 あの月のように逃げるとしても、 満天の空の星が君を照らしてきたんだ。 黒く深い闇を飛んでいく。 風の吹く方へただ進み続けている。 誰の願いも負っていない、 ただ彼のために羽ばたいた。 傷の痛みも忘れていた。 たなびく夢が逸れないよう、 繋いでいた心を、向かい風が襲って。 君はそれでも笑った。 いつもそのままでいい。 どこまでも飛べますように。 赤く赤くいびつに燃えている。 胸の奥底で小さく揺れ動く火が。 空を描いた少年は、憧れのままに羽ばたいた。 数え切れない傷と共に。 |
TEMPLATE星街すいせい | 星街すいせい | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 画面の向こうのそのまた向こうで 放たれた言葉たち、殴っても痛まない透明な拳 満天の星のように散らばっている ガラスの破片の上を、裸足で歩くような痛みだ 僕はずっと苦しかったんだ そうだ 僕にとって「正解」なんてどうだっていい この生が正しいか間違いか 自分で決めるから その手に抱えた大層なテンプレートは持ち帰って 鏡に映った僕の色は全部 僕のためにあったのに、気づいたらこの手を離れていた 名前も顔も隠したアノニマスに 僕の何がわかるの? 輪郭さえぼやけそうな痛みを 僕の全部、取り返さなくちゃ 何度遮ったって五月蝿いほどに鳴るノイズが 好き放題僕を貶し、カテゴライズの檻に縛っても この声の正体に名前をつけれんのは自分だけだろう? もう僕は祈らない この街の頭上を、降り注いだ慈愛を 仰ぎはしない 僕のこの痛みも姿形も 誰に決められることもない そうだ 僕にとって「正解」なんてどうだっていい この生が正しいか間違いか 自分で決めるから あの一等星の輝きにも 幸福が蔓延る理想郷にも 届かなくたって構わない 僕以外、何も要らない |
泥中の蓮キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 生まれた時には終わっていた この悪い夢はいつまで続くのか 油の浮いた水面にボウフラが湧くように 群れを成した 押し付けられた不条理の中 逃げ出すことさえ怖くてただ 微睡んでいる あらゆる悪意を吸い取って生きて 誰一人に愛されず愛すことも無くて 背負った憎しみで僕らはいつから 眠りこけた睡蓮のようだ 生まれた時には終わっていた 泥濘みに足をとられてもがいていた 傍らをふと見遣れば 蓮が笑うように揺れていたんだ ずっと醒めない悪夢の中 いつまでもこの夜の闇が明けないまま あらゆる悪意を吸い取って生きて 誰一人に愛されず愛すことも無くて 濁った泥中で僕らはいつまで 咲き方を知らずにいるんだ 光のない場所で萎えてうなだれた花びら 醜さゆえ疎まれたその種が肥えていく あらゆる悪意を吸い取って生きて 誰一人に愛されず愛すことも無くて それでも暁が僕らを照らして 白く染まる日を待っているんだ |
デッドウェイトキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 誰かに褒められたあの日も 嘲り罵られたあの日も 全て素敵な思い出だよ 嬉しくも悲しくもないけど 何年かが経った今日まで ずっとこびりついてる 足取りは重くなっていく この身に残されたのは、吐き出せない澱だけ どれだけ背負えば終わり? 数えていたらキリが無い程 数多の呪いが纏わりついて 否定も肯定も同じ 真綿で首を絞めるように 少しずつ僕の心臓が軋んでいくみたいだ 愛を契り合ったあの日も 裏切り裏切られたあの日も 全て素敵な思い出だよ 時折恐ろしくなるけど 何十年か経ったとしても 忘れられないんだろう 呪いが僕を縛っていく 全てを抱えていくには、この器じゃ足りない どれだけ背負えば終わり? 数えていたらキリが無い程 数多の呪いが纏わりついて 否定も肯定も同じ 真綿で首を絞めるように 少しずつ僕の心臓が軋んでいく 「優しい人であれ」と明日の僕を見張って 「お前には無理だ」と昨日の僕を見限ってきた 傷口に膿が溜まるような 数多の呪いで心臓が潰されていくんだ |
デマゴーグキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 信じていたものたちがことごとく壊れて 何ひとつわからなくなった 私が私であること、それさえも見失うような 暗い場所に落ちてきたみたいだ 膨らみ続けてく宇宙で、ひどく小さないきものたち みんな何かの奴隷になって 柔らかな夢の中へ逃げてしまった 「度し難い孤独を、痛みを分かちあって生きてゆこう」とか 吐き気がするような嘘に騙された先には 悪い夢のような現実だけが残る 私は一人で歩くよ、この地獄を愛してみる 呼吸をすることその苦しみ全てを抱えて生きる、 美しさに祝福を! 信じていたものたちがことごとく壊れて 何ひとつわからなくなった 生温い痛みの中 母親の腕の中で眠るような錯覚を覚えた 狭まり続けてく視界で、見えたものさえ失ってゆく 遅効性の毒が抜けないまま 抜け殻のように終わってしまうのだろうか 「度し難い孤独を、痛みを分かちあって生きてゆこう」とか 吐き気がするような嘘に騙された先には 悪い夢のような現実だけが残る 私は一人で歩くよ、この地獄を愛してみる あなたも、その汚されてしまった瞳を光で雪いで 醒めない夢はないんだよ 隣にいる誰かを妬ましく思う日々さえ、受け入れられますように その目を覆いたくなるような現実の醜さでさえ、 抱きしめられますように ずっとその苦しみ全てを抱えて生きる、あなたへの祈りを! |
逃走劇キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 逃げようぜ、果ての果てへと 誰もがきっと不安で 痛みに慣れて、麻痺した心で 宛先も無く祈っている 形を成す日は来るだろうか 共犯者になろう カナリヤはとうに鳴き始めてる 映画のようにはいかなくとも 僕らには理解者が必要だ 逃げようぜ、果ての果てへと 破けそうな心臓の鼓動より速く 汚された世界は捨ててしまえ 闇を裂いて息を切らす 僕らの逃走劇さ 正しさが人を殺して 誰一人でさえ悲劇に気付かない 狂ってんだよお前ら全部 怒りに染まる赤い春を征こう 温もりに飢え ぼろぼろになってしまった僕らを 共犯者と呼ぼう 目の前の全部燃やしてしまえばいい 逃げようぜ、果ての果てへと 破けそうな心臓の鼓動より速く 汚された世界は捨ててしまえ 闇を裂いて息を切らす 僕らの逃走劇さ 燃える街を眺めていた 僕らを赦せるのは僕らだけだ 立ち込める暗雲が頭を支配していく 僕らを衝き動かすように 逃げようぜ、果ての果てへと 壊された未来を置き去りにして 永遠に思えた夜の闇 あの満月さえ振りほどく 僕らの逃走劇さ どこまでも行ける気がしていた 水平線の先を目指す 僕らの逃走劇さ |
トリガーハッピーキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | ねぇ、哀れにも人として享けた生に於いて 人を妬み傲って、ナルシシズムに堕して 時に色に溺れ慰めあってる はぁ、それじゃあ天国は遠いね ほら、烏合の衆が何か燃やしている 番った男女が泥塗りあって笑っている Take me out to the heaven I didn't do so bad things Not an angel but I don't do drugs And I won't make you sad Take me out to the heaven If not I'll make my haven here Scared of the enemies I'm so scared that I'm trigger happy ねぇ、惨めにも人として享けた生に於いて 己が不幸嘆いて、メタフィジカに逃れて 悲嘆に暮れてる間に次の春だよ はぁ、まったく天国は遠いね たかが10グラム弱の鉛ひとつで弾け飛ぶような泥人形のせいで、 生まれ来る煩悩の類が ウザったくて仕方がないよな だから全部壊してやんのさ ほら、烏合の衆が何か燃やしている また一つ「正しさ」が彼の亡霊のエサに成り果てる みんな空を仰いでセイブミーと喚いている 煩くてかなわないな 僕は悲しくて引き金を引く Take me out to the heaven I didn't do so bad things Not an angel but I don't do drugs And I won't make you sad Take me out to the heaven If not I'll make my haven here Scared of the enemies I'm so scared that I'm trigger happy |
TorporChroNoiR | ChroNoiR | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 宮川当 | 騒々しい街の中 隠れるように早足で歩いた 第四の壁の向こう 僕らはわかっている 逃げ出したくなるよな きっと誰にもわからないよな 神様の用意に不備があって、うまく生きていけないみたいだ 少しだけ目を瞑って 呼吸が浅くなっていくの さみしい雪の中で 心を凍らせていた 鈍る痛覚、冷えた指先 世界はたった一つでいい 眠る君のまぶたをめくって その眼球にキスをしたいだけ 僕らの国に時計はいらない ねえ起きて! まだ君と遊びたいよ 想像力の逃げ場が どこにもない子供のような君 制裁を下すには 無垢でありすぎたんだ 触れられない愛でも つぐむ唇が冷たくても 神様の領域に手を伸ばして、声と手紙のやりとりをした 暗闇を探るようで 睦言というには幼い 雪は積もりゆくだけ 夜空に還ることはない 生きた分だけ痛みをもらった 僕らはたった二人でいい 飽きるまでこの世界で生きて いつの間にか向こう側に居たんだね 言葉だけが僕らをつないで 心の形がわかるように 眠る君のまぶたをめくって その眼球にキスをしたいだけ 僕らの国に時計はいらない さみしいばっかり増やさないで まぶたの裏には退屈だけ ねえ起きて! まだ君と遊びたいよ |
ナイトルーティーン feat. suis from ヨルシカキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 少し大袈裟に喪失を歌う 音楽に涙を拭われて 退屈な映画のしょうもなさが 背をさする夜 「今日あった出来事を話そう」 「おかえりとただいまはちゃんと言おう」 「夕飯の間テレビは消そう」 なんとなくまだ守ってたいよ 風に洗われた犬ころみたいな ぬるい幸せが 大切だった ぴかぴかのコンビニへ歩く ふかふかの布団で夢見る 意味のないルーティーン 君がいないだけさ ぷかぷかと煙を吐き出す すかすかのレイトショーを観る 何度繰り返せば ひとりに慣れるのかな 悲しみをちょっと脚色した いつまでも覚えていれるように とうてい歌にも映画にもならない なんでもないもの 「明日出すゴミはまとめとこう」 「寝る前にあったかいものを飲もう」 染みついたこの癖が抜けたら 本当に君を失うみたいで つやつやのご飯が炊けたよ ぽかぽかのお風呂が沸いたよ 誰に伝えたらいい? 宛先のない日々 ぴかぴかのコンビニへ歩く ふかふかの布団で夢見る 意味のないルーティーン 君がいないだけさ ぷかぷかと煙を吐き出す すかすかのレイトショーを観る 何度繰り返せば ひとりに慣れるのかな 冬の朝の毛布のような 君の名残から抜け出せないよ 二度寝をしようにも 目は冴えてしまってる 夏の夜は薄明るい ひとりでアイスでも買いに行こうかなぁ ぼやけたコンビニへ歩こう |
99.9MOB CHOIR feat. sajou no hana | MOB CHOIR feat. sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | (Get ready, wake your psyche up, MOB! Get ready, dig your anger up, MOB! Get ready, wake your psyche up, MOB! Get ready!) Coming down, could you fill your satisfaction? You're a MOB. Can't you feel your own frustration? Coming down, could you fill your satisfaction? You're a MOB. What do you want to be? 今、氾濫していく感情を身にまとってbreak it down 限界超え、見える景色は? (99.9! 99.9!) 正体不明のpercentage Cryin' my life, cryin' my psyche, Cryin' my heart in such commonplaces! Is that your ideal? Is that your mind? 100になるとき始まる The MOB is alive. The MOB is high. The MOB is staying frustrated, aren't you? Is that your ideal? Is that your mind? 今すぐ YOUR LIFE IS YOUR OWN. (Get ready, wake your psyche up, MOB! Get ready, dig your anger up, MOB! Get ready, wake your psyche up, MOB! Get ready!) Coming down, could you fill your satisfaction? You're a MOB. Can't you feel your own frustration? Coming down, could you fill your satisfaction? You're a MOB. What do you want to be? この舞台の主役は僕だ Cryin' my life, cryin' my psyche, Cryin' my heart in such commonplaces. Is this my ideal? Is this my mind? まだ答えを探している The MOB is alive. The MOB is high. The MOB is staying frustrated, aren't you? This is the day, this is the time. I'll break through“it”. Cryin' my life, cryin' my psyche, Cryin' my heart in such commonplaces! Is that your ideal? Is that your mind? 100になるとき始まる The MOB is alive. The MOB is high. The MOB is staying frustrated, aren't you? Is that your ideal? Is that your mind? 今すぐ YOUR LIFE IS YOUR OWN. (Get ready, wake your psyche up, MOB! Get ready, dig your anger up, MOB! Get ready, wake your psyche up, MOB! Get ready!) |
波に名前をつけること、僕らの呼吸に終わりがあること。キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | くだらない愛の結果で僕らは生まれ落ちて 呼吸さえ強いられているけど 綺麗な言葉並べて、醜さに蓋をして 自分を愛せないままだな ずっと。 くだらない嘘を言う度青色こぼれ落ちた、ガラスの瞳が綺麗で 君のその瞼のように優しいひとになってさ そんな僕を愛したいんだよ 「わたしの呼吸に終わりがあること」 君の声を覚えている 生まれては消えていくこと、それだけを繰り返している 「僕らがもしまた会えたら」だなんて、思っていた 生まれては消えていくだけの青白い波に名前をつけることに 意味は無かったのか、なんてさ 他愛ない嘘が染みた積み木で遊んでいる 崩れるその日を待っている 澄み切った夜の静寂 君の頬の紅色で もうすぐ桜が咲くんだろう 僕らの呼吸に意味がなくても、二人はまた恋をする 生まれては消えていくこと、それだけを繰り返している そして君も夜の海に還っていくんだろう 生まれては消えていくだけの青白い波に名前をつけることに 囚われている ねぇ、覚えているかな いつかの春の朝に 桜の樹の下で約束したこと 思い出も君の名前も、いつの日か失ってしまって 僕もいつかこの海とひとつになるんだろう 君のいない冬の空気が僕の頬を刺すその痛みさえ 愛していたい 生まれては消えていくこと、それだけを繰り返している 「僕らがもしまた会えたら」だなんて、思っていた 生まれては消えていくだけの青白い波に名前をつけることに 意味は無かったのかな こうして冬が終わって、青い春がくる |
人間みたいねキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | あなたの優しさは涸れてしまって 同じ生き物じゃなくなったみたいだ それでも誰かの代わりで良かったのに どうやらそれも叶わない 悲しみの形がわかっていった あなたに見合うのはもっと奥の、暗く深い地獄だよ 壊れたら元には戻らないこと、わかっているでしょう? あなたまるで人間みたいね けだもののくせにさ 脳の奥がさ、冷えてくのがわかるんだ わたしと同じように誰かを愛せた気になっても それじゃ駄目だよ お揃いの悪夢の中で会える日を待ってるから 夾竹桃の花のように鮮やかな記憶の毒がまわり始めた あなたの優しさが涸れてしまった日が焼きついて離れなくて 誰一人愛せた覚えが無いよ わたしはあの日から知ってしまった 暗く深い孤独を かじかんだ身体を慰めるもの、わかっているでしょう? あなたまるで人間みたいね けだもののくせにさ 脳の奥がさ、冷えてくのがわかるんだ それでもわたしの心がまた満たされてしまうこと 許せないんだよ 犬の骨のようにあなたの玩具で終わってしまった あなたまるで人間みたいね けだもののくせにさ 脳の奥がさ、冷えてくのがわかるんだ わたしと同じように誰かを愛せた気になっても それじゃ駄目だよ お揃いの悪夢の中で会える日を待ってるから |
ハイドアンドシークキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 向こう岸のことやら、くだんないことばかり恐れて ありもしない正しさの奴隷さ チャチな走光性夏の夜の火に身を焦がして 音も立てずに散って逝く、あの羽虫のように終わりたいんだ 追えば追うほどに逃げてしまう あの太陽へと近づいて、羽根の溶ける音を聴く 丸々と肥えた自意識で臆病な僕らが身を隠したって無駄 彼は天井から見ている すぐに見つかってゲームは終いさ 逃げ切れなくなって僕ら 騙されていく騙されていく 見せかけの太陽に皆 喰われちまって壊れちまって 正しさはもうどこにもないんだ どうして天の賜った言葉の導くままに歩めないのか? 為す術なく塔は落ちる、んで馬鹿はいつも悲劇を招く 分断され惑うばかり 孤独な僕らの怯えた眼、白く濁ってたんだ 燃えるピアノ、破られた絵画 四肢を失くした踊り子が喘いでいる 些細な悪意が群がって、蓮のように醜く爛れた国で 息を潜めて 逃げ切れなくなって僕ら 騙されていく騙されていく 見せかけの太陽に皆 喰われちまって壊れちまって 正しさはもうどこにもなくて 上手く隠れたはずなのに 足音がすぐそこに来ている 僕らの頭上にずっと 生温い視線が向いている 一人として逃げれやしないんだ 顔を上げて鬼と目が合って 慈しみの罰が下るまで 向こう岸のことやら、くだんないことばかり恐れて 孤立していく僕らは何に縋って生きてゆくのだろう? |
花の香キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 生ぬるい土の匂い 靄がかった視界の奥に あなたの横顔 鼻先をくすぐる 湿っぽい夜の芳香で くらくらしたんだ 傾げた首、潤んだ目 はだけた肩に刻んだ青 紗幕の奥に潜んだ やわ肌の上を 流れていく赤色に魅入られてしまった 汗ばんだその首筋に指を走らす 濡れそぼった花の香で緩んだくちもとに 垂涎 息を呑んだ 何もかも奪ってしまえたなら 薄闇に紛れて 垣間見た視界の奥に 踊る花一つ 帳を少し上げる ガラスの眼に狼狽の色 壊れそうだった 傾げた首、潤んだ目 はだけた肩に刻んだ青 伸ばした手で触れた髪 かんざしを抜けば その頬には紅色が頼りなげに点した 燻らせた紫煙の行方に不帰の影 ひたに揺れる花の香で誘われた先に 散瞳 目が眩んだ その頬に光った滴一つ 茹だる夏の街灯、虫が集る夜に ほどいた髪、濡れ烏 艶やかに香った |
化け猫 (Leaks From His Laptop)キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 君を撫でて 顔を埋めて 不機嫌な面で睨まれたいな 路地裏に消えてく君の 二股のしっぽも愛おしい 僕のことをじっと見つめるのに カメラを向けたら目を背けるの 烏の濡れ羽と同じ色 足音も立てず夜に溶けた 愛想のない君は化け猫 ガラスの瞳に赤い満月が映った 愛憎渦巻く街の路地裏で 取り殺されても構わないよ |
化け猫キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 君を撫でて 顔を埋めて 不機嫌な面で睨まれたいな 路地裏に消えてく君の 二股のしっぽも愛おしい 僕のことをじっと見つめるのに カメラを向けたら目を背けるの 烏の濡れ羽と同じ色 足音も立てず夜に溶けた 愛想のない君は化け猫 ガラスの瞳に赤い満月が映った 愛憎渦巻く街の路地裏で 取り殺されても構わないよ 振り返らない君の髪 夢中で追いかけて気づかぬ間に 路地裏、ねじれてくリビドー 迷い込んでしまってもう終い 僕は気づく、愛しい割れたしっぽに いつの間に無数にのたうつ蛇 正しく汚れてく君を あいも変わらないままに愛でた 愛想のない君は化け猫 揶揄うみたいに牙を見せて笑って 細胞ひとつさえ残らないように 食い殺されて終わりがいいな 寂しいと猫撫で声で鳴いて 承認と肉を狩る 満たされた後には 白い血と赤いミルクの海だけ 気まぐれに夜と戯れ 灰色の人の群れからはぐれ 誰にも懐かない君の大きなあくび 僕には眩しい 思わせぶりに笑って奪っていった全部 そうやって化かされた 愛想のない君は化け猫 ただの一度も飼い慣らせはしなくて 敗北者として君に隷したい 首輪をつけるのは僕の方だね 愛想のない君は化け猫 ガラスの瞳に赤い満月が映った 愛憎渦巻く街の路地裏で 取り殺されても構わないよ |
パノプティコンキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | どうなってんだよこれ! 鉄柵の奥の道化を笑ってたはずが 目を覚ましたら自分の番なんてさ、笑えないね 斬奸状は後回し 誰も彼も正義を持て余している 青白い顔の群れは怯えた眼をしていた 切り離されて人肌を忘れてしまった僕らの 心がいつか機能不全を起こしてしまった 七十億と少しの孤独が寄り集まって 猜疑心だけが募って、この手は冷え切ってしまった パノプティコンの向こうで歪んだ笑い声が聞こえる気がした 排気ガス塗れの僕らの頭上、救いの糸は無いんだ 善意でできた道がどうやら地獄の方へと続いてた、なんて ずっと前からわかっていたんだ 無邪気さゆえ手がつけれないんだ 孤独を自ら招いて自壊する 致命的なバグを抱えた僕らの業は 百年足らずじゃ清算できないね もつれた足で彷徨うことを止め、地下室へ逃げても テレスクリーンから無数の眼に覗かれているんだ 七十億と少しの孤独が寄り集まって 誰も信じれなくなって、温もりを忘れてしまった パノプティコンの向こうで歪んだ笑い声が聞こえる気がした 蓮の花の上に座した悪意 蜘蛛は潰されていたんだ 正義の奴隷になって些末な悪に火を放っていた彼らもまた、 ガス室へ消えていく どこから見ているの? きっと途方もない悪意を孕んでいるんだろう? 七十億と少しの孤独が寄り集まって 猜疑心だけが募って、この手は冷え切ってしまった パノプティコンの向こうで歪んだ笑い声が聞こえる気がした 誰かがあの蜘蛛を徒に踏み潰したその日から 排気ガス塗れの僕らの頭上、救いの糸は無いんだ |
Hypnosissajou no hana | sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 痛覚は麻痺していく。 誰の妨げもない多幸。 昨日を消して。 曖昧な不安たちは過去に縛りつけて。 瞼の裏、綺麗だった。 そこには安寧があったんだ。 何も見たくないから、 誰もいない寝室で、僕はこうして目を瞑っているんだ。 夜を待ちながら。 I was hypnotized. ねぇどうして、現実なんて陳腐な戯曲で僕は。 最低な台詞を吐いて、自己嫌悪にまみれていく? 逃げ出したくなって、夜を待ちきれなくて。 まどろんだ僕は知った。 幸福は此処に在ったんだ、って。 You told me a story. I fell into a slumber. 優しい映画だった。 エンドロールを遮る曙光。 …また繰り返した。 失望を重ねて、朝が怖くて、眠れなくなってしまった。 現実なんて陳腐な戯曲で僕は。 画蛇添足な悲劇を、一身に強いられている。 幻燈を映す、あなただけの言葉で。 優しい夢が見れたら。 深く深く眠れたら。 あなたの声遠くなって、 少しずつ沈んでいったんだ。 まどろみに誘われ。 瞼の裏、綺麗だった。 もう朝を繰り返しはしないよ。 あなたがいるから。 You hypnotized me. ねぇどうして、現実なんて陳腐な戯曲で僕は。 最低な台詞を吐いて、自己嫌悪にまみれていた? 逃げ出してしまえ、夢の中へ、ふたりで。 まどろんだ僕は知った。 幸福は此処に在った。 ねぇ、催眠は解かないで。 柔らかな安寧に包まれたユーフォリアで。 You told me a story. |
PINKキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | はぁ 嫌味なくらい美しく咲いている 何を食って何を消化しているのか 散らばった愛の吸い殻に舌打ち 花見客はそういや何処に消えてしまった? 肺いっぱいに吸い込んだ 喉が焼けるほどまで 執拗にあんたで痛みたい 樹の下に集る百鬼夜行 夏の灯の羽虫たち 美しさの糧になりたいみたい 異常なんだよ、ほら 気づいていないんだ、だあれも 気が狂いそうなほどの鮮やかさに あの樹の下にはXXXが埋まっている! あんたと同じもん食ってる化け物さ 花冷えの曇り空に赤い血が染み込んだような あどけない薄紅の残酷さに毀たれた日 誰かが歌ってた 神の手はにじむピンク 無数の手指で天を撫でる フラクタルが飲み込む春 肺いっぱいに吸い込んだ 喉が焼けるほどまで 執拗にあんたで痛みたい 生まれる前に戻りたい 長い蛇足の今を 美しさに捧げて終わりたい、あー 異常なんだよ、ほら 気づいていないんだ、だあれも 気が狂いそうなほどの鮮やかさに あの樹の下にはXXXが埋まっている! あんたと同じもん食ってる いったいどれほど失ったんかなあ 不安と憂鬱におはよう これでいい、おれに幸福は似合わない 空っぽの良心で うつろになった目で あんたの中身のピンクを眺めていたい |
振り子の上でキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | あるいは双子のように あるいは愛しあう恋人のように あるいは憎み相争い拒絶するように あるいは僕と君のように まるで 誰の憐れみもうざったいのに ひとりで食べた飯は不味いとか 僕と僕が喧嘩しているような日々 悲しくて笑えてしまうくらい ささやかな幸福の贅肉がついた心を 責め立てるようによろこびのうたを歌う 消えてしまいたいと願う朝が 生きていてよかったと咽ぶ夜に塗り潰され 感情の振り子の上で僕らは暮らす |
プラネテスキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 知らない国に迷い込んだみたいだ 誰もが綺麗な嘘で話してる この手をどこにも繋げないまま、私は もがくようにあなたを探している 死んでしまった誰かのニュースに 涙した優しい人たち 這いつくばって生きる誰かの 生きているざまには舌打ちをした 私はどこにいるの? あのね、 あなたとふたりで息をしていたい あなたとふたりで泳いでゆきたい どこか遠くの果てに流れ着くまで まだ見ぬ世界で笑えるまで ただあなたとだけ手を繋げるなら ただあなたとだけ夜をやり過ごせたら 信じられるものなどひとつもなくても ふたつの寂しさでも 何もない宇宙に放り出されたみたいだ 前後も左右もわからなくなる へその緒を切った赤子のように、私は 覚えたての孤独に噛みついている 海の向こうで起きた悲劇に 慈悲をかけ憐れむ人たち 同じ言葉で話す誰かを 傷つけてどうして笑えてしまうの? それでも生きているの? 誰もが独りで生きてはゆけない 悲しみの重さを受け止めきれない 凍てつくビル風に身を震わせて かじかむ心に息を吹いて 今より少しだけ優しくなれたら 繋がり合うことを恐れずにいられたら 目に見えない悪意に苛まれようとも 正しくあれなくとも あのムーンリバーを渡って 迷いながら進もう 沢山の世界をあなたと見たいよ 道標は要らない 隣にあなたがいて 私はここにいるから あなたとふたりで息をしていたい あなたとふたりで泳いでゆきたい どこか遠くの果てに流れ着くまで まだ見ぬ世界で笑えるまで ただあなたとだけ手を繋げるなら ただあなたとだけ夜をやり過ごせたら 信じられるものなどひとつもなくても ふたつの寂しさでも あなたと生きてゆける |
Hedgehogsajou no hana | sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | 犯した罪は、この背に負うにはあまりに醜悪な、無数の針だった。 君につけた傷の数だけの針が、僕の孤独を色濃くする。 わかっているよ。君に近づくこと、二度と叶わない。それが罰だった。 計算してしまう。僕らの理想の距離は途方も無いほど遠くて。 鈍くなってしまった頭で考えている。 遠くからでいい。知らなくていい。君を守りたい。 So we can't be closer anymore or you will be infected with my darkness Thinking about it drives me crazy My spines have hurt you many times All I can do is stay away from you 'Cause I'm a helpless hedgehog 犯した罪は、この背に負うにはあまりに醜悪な、無数の針だった。 濯ごうとも、錆びついた血の匂いは、こびりついて離れないから。 願わくば、無垢なる祈りを。 白く澄んだ、簡素な言葉で。 いつからこうなってしまった? 自罰の念に潰されそうだ。 その眼で僕を見つめないで。 優しさを見せないでくれ。 僕をずっと拒んでいてよ。 So we can't be closer anymore or you will be infected with my darkness Thinking about it drives me crazy My spines have hurt you many times All I can do is stay away from you 'Cause I'm a helpless hedgehog |
夢遊病者は此岸にてキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 暗い四畳半の隅で同じ過ちを犯し続けている 口から吐いた煙の数だけ醜い自分を忘れてしまえた 夜が今日もこの部屋を喰らい尽くしてしまうから、 幸福な夢の世界に逃げ込むのさ 真っ白の「ひとがた」が僕に光を与えた もう二度と手放せないな この痛みは 「君を殺してしまった今日」でさえも 「明日と変わらない今日」で 僕は今知ってしまった どうして僕が誰も愛せないでいたのか 桃色の亡霊が這いずっている部屋 幻聴は鼓膜を打った 死ぬまで解けない呪いに浸かりきった僕はもう救えないな 暗い四畳半の隅で同じ過ちを犯し続けている 煙を吸って見る夢の中では 明日の不安さえもなくなった いつか僕はこの部屋で孤独を抱いて消えるから、 せめて今だけ未来を忘れたいのさ 真っ白の「ひとがた」が僕に与えた光を もう二度と手放さない 終わりの時まで 「君を殺してしまった今日」でさえも 肉体の糧になって たった今知ってしまった どうして僕の眼球は濁っているのか 桃色の亡霊が這いずっている部屋 全身が海になっていく 死ぬまで解けない呪いが凡庸な僕に救いを与えるんだ 水銀で満ちた浴槽、浸かってしまった僕の軽忽さを そう、誰も彼もが笑っている 抜け出せないんだ ずっと この人生はもうお終いにしよう 僕が僕を許してしまう前にさ 巨大な不安が黒いカーテンのように目の前を遮っている どこかで狂ってしまった僕の生は、あまりに稚拙な悲劇だ 今頃天井で笑っているだろう この人形の終幕を 死ぬまで解けない呪いを、ここで今終わらせてしまおうか |
Moonthiefキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | うーん どうにかなってしまいそうな 僕が僕でなくなっていくような 誰かの人生に変わったとして それはそれで生きてしまえるような 借り物みてーな日々だって愛着も湧いている 神妙な顔して踊っている 夜去、香り立つペトリコール あの月の眩しさが邪魔だった 暗くて甘い夜が好きだった かばんの中で溶けかけた チョコレートみたいな曖昧なベーゼ 愛は死語になる、価値はとうに無く 愛はもう地縛霊、彷徨しだす 放射冷却で凍りついた街をすべる 僕らはMoonthief 月を盗み出してしまおうぜ こわいものばかりの世界の中 ちょっとだけ隠れやすくしたって いいだろMoonthief あいつらの目を騙くらかして 死にたくなるほどの夜だけは ちゃんと生きれてる気がしたんだ 厭世主義者ぶるいけない子 o0(この星の終わりを夢に見ている!) 愛を説こうとも意味がないの? o0(想像もつかないほど綺麗かも…) あの月に祈れども無駄だった 潰れたロードキルが僕だった 群れるビルが墓碑に見えた ピカレスク気取って開き直ろうぜ 僕だけが違う、脳端子の規格 ソーシャルを離脱、勝った気の自虐 情けないくらいに寂しさが埋まらない 僕らはMoonthief 月を盗み出してしまおうぜ こわいものばかりの世界の中 ちょっとだけ隠れやすくしたって いいだろMoonthief あいつらの目を騙くらかして 死にたくなるほどの夜だけは ちゃんと生きれてる気がしたんだ |
夜警キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 真っ赤な眼の高層ビルがまばたきしている 夜をこするように立つ 不出来な世界を腐している 輝きなんてひとつたりとも無い生活が 灯す明かりの群れが綺麗だね 鼓膜の奥の奥の奥まで 浸すぬるい音の無い夜 甘い匂い、誰も幸福に飢えている 凍りつく野生の常夜灯 千日手に陥る世界 引き分ける相手もいないよ 誰もいない 誰もいない みんな眠っている 幹線道路も、恋人の肌も みんな眠っている だらだらと終わっていく最中の景色 僕らは緩い滑り台の上 視界の先の先の先まで ぼかす淡い幸福のベールで 盲いた僕らは可能性を手放した 機能しないアミグダラ、下垂 トーラス都市の放射冷却 どろり粘る風が吹く前に 逃げだしたい 逃げだしたい 鼓膜の奥の奥の奥まで 浸すぬるい音の無い夜 甘い匂い、誰も幸福に飢えている 凍りつく野生の常夜灯 千日手に陥る世界 引き分ける相手もいないよ 誰もいない 誰もいない 悲しくない? 寂しくない? 虚しくない? 途方もない現実の葬列、葬列、葬列、葬列 |
夢の中のぼくらはsajou no hana | sajou no hana | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | きっとふたりで、どこか遠くの方まで飛んでゆけると思っていたんだ。 寝室の窓、カーテンを閉じよう。 瞼の奥でさ、旅をするんだ。 双眸が閉じ、濁りだしたら、終わらない夜が迎えに来る。 白く、ぬるい、夜が、やっと。 夢の中のぼくらは、月の裏側で暮らした。 蒼過ぎた眠りの中、ふたりは寂滅の春を待っている。 また誰かが始まり、終わっていくのを、象牙の塔からずうっと見ている。 温みのある忙しない脈動たち。 きっとどこかで羨んでいた。 ここで見える景色はもう、幻燈のようにくすんでいた。 欠けた月の黒から浮かんだ、現の世界。 ぼやけていく。 夢の中のぼくらは、月の裏側で暮らした。 蒼過ぎた眠りの中、いつまでも幸福の中で、優しい終わりを待っている。 |
夜がこわれるキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 不安なんだ 朝を迎えることが 明日の太陽を剥いでくれ なぁ 枯れていく体温、表皮から僕でなくなっていく アイロンで均された地表、人々はみな退行の一途を辿る 今日のこと 誇大妄想に投与したレクサプロ 社交不安症、示唆的な「エス・エー・ディー」 暗い部屋、深い底、異常 僕の理解者はいなくて 全部、僕のせいだと思った 全部、全部、全部、全部、全部 壊れ出した夜から逃げようにも 左回りの時計が見つかんない 地下シェルターは満員 椅子取りでサリン撒かれる事態に 蜘蛛の糸掴んだ牛建陀多みたいなあんたらを救う神などいないが 不安なんだ 朝を迎えることが 明日の太陽を剥いでくれ なぁ 割れる地平の線の奥、赤黒い錆、巨大な球体だ 全部、僕のせいだと思った 全部、全部、全部、全部、全部 地平線の彼方から罅が入る午前4時の孤独、漏れだす太陽が俺を酷く、打ちのめす それはまるで核シェルターの天井が割れる如く、僕らを真っ白にする光だった 解答の無い問いを前にして僕らは 崩れ壊れ落ちて凍る夜、貪る夜の奥、深い孤独、悟り踊る猿を見る 恒星はまだ光を放っている 誰も彼も腐れ糧は失われて成れの果てに 独り呟く 夜がこわれる When I die you all will love me, i think Rest in peace, Lil Peep I feel empty, too |
よろこびのうたキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 消えてしまえたら よかったのにな 僕らはみんな寂しくて 生きることがへたくそだった 涙がとうに涸れたから 終わる場所を探しているんだ よろこびのうた 抱きしめるように 歌う |
よろこびのうたキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Tatsuya Kitani | 僕だけ言葉が通じないみたいだ 誰のせいかなんてわかっているけど なぜ僕はここまで続いてしまった? 優しい友達がいたからかな 数えきれない痛みたちと 片手で足るよろこびの欠片 続けるか終わるかのどっちかひとつを 選び取る自由に疲れたよ 消えてしまえたら よかったのにな 僕らはみんな寂しくて 生きることがへたくそだった 涙がとうに涸れたから 終わる場所を探しているんだ よろこびのうた 抱きしめるように 歌う |
ラブソング feat. Eveキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | 正しく汚し合っていた僕ら 互いの悲しみに夢中さ 痛くて舐め合った喪失感 散文的な快楽でもいい 生きているのがどうしようもなく恥ずかしい 気のせいだと思いたくて、思えなくて 眠ることすらきみなしじゃ儘ならない 陶器のようで柔いその頬に傷をつけたい 僕らみたいなクズにはそれしかできない 愛だ恋だと腑抜けた歌うたって きみという毒でキマっていたいね 悲しいことばかり考えはじめて終わんないループ ずっと待っていたこのトキシックな逢瀬 きみは有毒で最悪で最愛の、優しい地獄 まだ抜けない離脱症状 果たして、価値観は狂った きみ無しの人生など滑稽さ 片足で立つような現実感 世界の殆どがグレーアウトした バグりだす脳下垂体の暴走 パキるAM4時過ぎの幻聴 「誰もがお前を愛している」と教えてくれる 消えかけの月明かり 夜半の祝福さえ朝に食い尽くされ また息をしづらくなる 誰もが僕を愛していない ひどい悪夢が現実ならきみを服毒していたい 僕らみたいなクズのためのラブソングはどこ? 愛だ恋だと腑抜けた歌うたって きみという毒でキマっていたいね 悲しいことばかりの僕の命、無価値だったみたい 今日も哀願してまたトキシックな逢瀬 きみは有毒で最悪で最愛の、眩しい常闇 まだ抜けない離脱症状 ただ君に渇いている |
Rapportキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | がらんどうの胸に覚えた違和感さえ ひとりきりでは御しきれない この目も鼻も耳も、内側の僕に届かない 茫漠たる灰の海で 痛みさえ忘れていたんだ そんな僕の目の前に現れたあなたに 見えないものを見たんだ あなたと僕の間にあった温度を 僕の弱さを少し預けていられた あなたの言葉が僕の鎖を解いて 空が白んでいくような この手の中の光が、心だと知ったんだ 誰かを傷つけてしまう悪夢で 浅い呼吸を繰り返して その矢印の向きを、この胸の奥に集めて 安寧の孤独の中で 静かな終わりを願って 少しずつ冷えていく何かが寂しかった それでも構わなかった 誰かを愛して、愛されたいと望むこと 同じ数だけ痛みがあるということ そうして鎖した僕の胸の奥まで あなたで満ちてしまったんだ 壁が崩れて橋が架かって、僕は あなたがくれた呼吸で 優しい刃で 見えた形の無いものを この手の中の光を、護りたいと願った |
輪郭キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | | その輪郭をそっとなぞる 君の小さな背に浮かぶ 少し骨ばったような稜線 僕は息を止めている 青く血脈の透けたやわ肌 君の過去を語っているようで それを僕はなぞっていく 君は息を漏らしている 今日で幾度めの夜か 数えきれないほどを越えた でもきっとここでさよならだよ 愛していたこと 忘れてしまえたならよかったな 君のその輪郭は この指先だけが知っているから 僕らいつしか かりそめではいられなくなってしまった 二人で傷つけた互いの首筋から ひとしずくの赤をこぼした 窓に差した薄い明かりで 目を覚ました僕はひとりだった この部屋で目を覚ますのはもう何度目のことだろうって 昼か夕かすらわからなくって 枕に残った君の残り香を 君の吸いさしの煙草に火をつける 愛していたこと 忘れてしまえたならよかったな 君のその輪郭は この指先だけが知っているから 僕らいつしか かりそめではいられなくなってしまった 君が僕を忘れて誰かを愛せたなら こぼれ落ちたひとしずくの青で この夜を染めて眠りたいから |
私が明日死ぬならキタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | キタニタツヤ | Naoki Itai(MUSIC FOR MUSIC)・Tatsuya Kitani | 私が明日死ぬなら、いくつか悔やむことがあるでしょう あの人に冷たくしたこと、死ぬことを恐れすぎたこと 私が明日死ぬなら、誰にどれだけの感謝をしよう 冗談で言う「死ね」の言葉、冗談で済んでくれたこと 私が明日死ぬなら、少し先の未来を夢見よう 新しく生まれる命は、まだ私より尊いでしょう 私が明日死ぬなら、世界を呪う言葉を残そう 今日という日のつまらなさも、音楽にして救われましょう 「私に見向きもしないでいてくれてありがとう!」 約束だよ もしも自分を傷つけたくなってしまったら 約束だよ 私に触れた時のやさしさを思い出してよ もしも、 あなたが明日も生きたら 好きな服を着て出かけてみよう あなたが明日も生きたら 嫌いな色全部塗りつぶそう あなたが明日も生きたら 昨日になる今日さえ愛おしい 地獄の中でたまに笑おう あなたが明日も生きるなら 私が明日死ぬなら、もう写真を眺めるのは止そう 髪を切った日の午後のように、あなたに会いたくなるのでしょう 私が明日死ぬなら、しばらく誰も気づかないでしょう ポストに溜まった不在票が墓標の代わりになるでしょう 私が明日死ぬなら、残されたあなたを惟よう 悲しみだけ花束にして、一緒に燃やしてくれるでしょう 私が明日死ぬなら、明々後日は日々に戻りましょう 動き出す世界の晴れ間に、その綺麗な目を細めるでしょう 例えばいつか にわか雨の寂しさがあなたを襲っても 大丈夫かな こんな歌でも傘にしてどうにかやり過ごすんだよ 約束だよ 呼吸の仕方を上手に思い出せないなら 約束だよ 呟くように、歌うように、涙を吐き出してよ 聴いて、 あなたが明日も生きたら もう明後日も同じことでしょう あなたが明日も生きたら 誕生日のように暮らしましょう あなたが明日も生きたら 変わらず苦しい日々を見つめ この歌と小指を結んで あなたは明日も生きていくんだ 約束だよ |