冬枯れのヴィオラ山内惠介 | 山内惠介 | 松井五郎 | 水森英夫 | 伊戸のりお | 木枯らしに襟を立て 街角でひとり 鈍色(にびいろ)の空の果て 心を誘う 国境を越えるのは 明日になるだろう 思い出は黄昏に 燃やしてゆくさ 孤独は卑怯の 言い訳なんだよ 許してくれとは 言わないさ 恨(うら)んでもかまわない 泣けば泣いただけ 冬枯れのヴィオラ 胸を破(やぶ)いて 響くさみしさ 耳を塞(ふさ)いで 星が降る石畳 声のない広場 懐かしいDoor(ドア)の色 すべてが夢か 慰めのくちづけじゃ 幸せもつらい 行き止まる 若さだけ 責めればいいさ 涙は心の 逃げ道なんだよ 愛していたとは 言わないさ さよならも残さない 泣けば泣いただけ 冬枯れのヴィオラ 胸を破(やぶ)いて 響くさみしさ 恋の終わりに 過去など未来の 足枷(あしかせ)なんだよ 本気だったかは 訊(き)かないさ ぬくもりも褪(さ)めてゆく 泣けば泣いただけ 冬枯れのヴィオラ 胸を破(やぶ)いて 響くさみしさ 君はまぼろし |
涙くれないか山内惠介 | 山内惠介 | 松井五郎 | 水森英夫 | 伊戸のりお | そうさ夜風を振り切って あの日この街 捨てたんだ わざとそらしたまなざしには 月がさみしく濡れていた 深く慕(おも)いを伏せるほど 忘れられない女(ひと)だった 涙くれないか 俺にくれないか もう一度 おまえしか おまえだけしか 愛せやしない もしも誰かがそばにいて 別の暮らしをしていても どこか 残り火 まだあるなら きっと奪ってみせるから 時の流れを遡(さかのぼ)り そっと思い出抱きしめて 涙くれないか 傷が痛むなら もう一度 おまえしか おまえだけしか 俺にはいない なにもできずに逃げていた いまはあの日の俺じゃない 涙くれないか 俺にくれないか もう一度 おまえしか おまえだけしか 愛せやしない |
釧路空港山内惠介 | 山内惠介 | 鈴木紀代 | 水森英夫 | 伊戸のりお | 風の噂に 聞いたんだ 君が酒場で 泣いてたと 逢いたさに居ても立っても いられない 歯止めを失(な)くした この心 あの日に戻る 道はないのか 一人降り立つ 釧路空港 目には見えない 紅い糸 たぐり寄せたい もう一度 倖せに今は誰かと いるのなら このまま帰ろう 逢わないで 幣舞(ぬさまい)橋で 君の背中を 追えばよかった 悔(く)やみ切れない 縁もゆかりも ない街で 君と暮らした 二年半 思い出はどこの誰にも 奪(うば)えない 愛した証(あかし)と 夢の跡 あの日と同じ 君に逢えたら 連れて帰るよ 釧路空港 |
恋の手本山内惠介 | 山内惠介 | 岡本さとる | 水森英夫 | 新田高史 | 切ない夢に ゆり起こされて 眠れぬ夜が続いても そこにお前の 寝顔があれば 愛しの日々は過ぎてゆく ただひとすじに ただひとすじに 恋を重ねた二人だから 振り返ることなど なにもない 見上げる空は 真夏の月夜 こころ浮かれて…… あゝ 離れずにいよう 花は散りゆき 草木は枯れて 空しさばかりがつのっても そばに寄りそう ぬくもりあれば 愛しの日々は過ぎてゆく ただひとすじに ただひとすじに 恋をつらぬく二人だから 確かめることなど なにもない 凍てつく風に 真冬の小雪 胸がいたんで…… あゝ 離れずにいよう ただひとすじに ただひとすじに 恋を重ねた二人だから 振り返ることなど なにもない 見上げる空は 真夏の月夜 こころ浮かれて…… あゝ 離れずにいよう あゝ 離れずにいよう |
スポットライト山内惠介 | 山内惠介 | 喜多條忠 | 水森英夫 | 伊戸のりお | 若さという名の 舞台には スポットライトが ふたつ点(つ)く 君のさびしさ 僕の夢 都会の隅の アパートに 最終電車の 音がする みつめ愛 抱きしめ愛 みつめ愛 抱きしめ愛 失うものなど 何もない 君のいなくなる日がこわい 涙という字の 右側に 戻るという字が 隠れてる 君の涙は 僕が拭(ふ)く 何度もあるよ 迷い道 戻っておいでよ この胸に みつめ愛 抱きしめ愛 みつめ愛 抱きしめ愛 もうすぐ眠る この街で 生きるぬくもり探すふたり みつめ愛 抱きしめ愛 みつめ愛 抱きしめ愛 失うものなど 何もない 君のいなくなる日がこわい |
流転の波止場山内惠介 | 山内惠介 | 仁井谷俊也 | 水森英夫 | 伊戸のりお | 恨(うら)みつらみは さらさらないが あの娘泣かせて 郷里(くに)をでた 北の海鳴り 背中で叫(さけ)ぶ 『夢は捨てるな 捨てるな夢は』 小樽 函館 流転の波止場 好(す)いて好かれて 結んだ糸も 遠く離れりゃ 梨(ナシ)の花 シャイで不器用な 男の真情(まこと) 『恋は苦手さ 苦手さ恋は』 酒田 仙台 流転の波止場 がんじがらめの 人生海峡 浮き藻(も) 浮き草(ぐさ) 浮寝鳥 西へ流れて 今日また暮れて 『明日(あす)に賭けるさ 賭けるさ明日に』 博多 長崎 流転の波止場 |
愛が信じられないなら山内惠介 | 山内惠介 | 松尾潔 | 水森英夫 | 馬飼野俊一 | ため息のみ込む あなたの背中 うしろから抱いて 好きだよと言った 泣いている顔を 見せたくないから 灯りはつけずに このまま帰るよ 愛が信じられないなら 愛さなければいい 人が信じられないなら ひとりになればいい あなたと出会えて 歓びを知り あなたを愛して 悲しみを知った 夜が深いほど おしゃべりになるね 朝が近いほど 臆病になるね 愛が信じられないなら 愛さなければいい 誰か信じていたいなら 片意地捨てりゃいい もし今ふたりが 手を取りあって 地上の果てまで たどり着いたって 罪の痛みから 逃げられないから 僕たちはそれを しあわせと呼ぼう 愛が信じられないなら 愛さなければいい 愛のあかし欲しいなら 相手は僕がいい 愛が信じられないなら 愛さなければいい 人が信じられないなら ひとりになればいい |
さらせ冬の嵐山内惠介 | 山内惠介 | 松井五郎 | 水森英夫 | 馬飼野俊一 | ここで身を投げれば 海は泣きますか ゆうべ書いた手紙 風に散る岬 ろくでなしを好いただけ ひと思いの恋でした 百年先も 千年先も 悔いは無いけれど さらせ冬の嵐よ さらせこの涙を 私は 私は 死にはしない 駅へいま戻れば どこか行けますね 生きていればいつか 花もまた咲いて いくじなしに懲りただけ 踏み違えた夢でした 一寸先も 余程の先も 道は続くもの さらせ冬の嵐よ さらせこの涙を 私は 私は 死にはしない さらせ冬の嵐よ さらせこの涙を 私は 私は 死にはしない |
唇スカーレット山内惠介 | 山内惠介 | 松井五郎 | 水森英夫 | 馬飼野俊一 | 抱きしめていたいんだ… これが たとえ嘘でも くちづけは 覚えていたい いつか消える夢ほど 強く指を絡め合い なにも いらない なにも 今夜 このまま 今夜 恋の色はスカーレット 唇スカーレット 君にあげるから どこか 連れて行ってと 耳もとで 囁(ささや)くけれど 遠く ばかり見ていたら たぶん道に迷うもの もしも 二人が もしも 今夜 このまま 今夜 恋の色はスカーレット 唇スカーレット 君にあげるから 蜜の甘さばかりを 幸せと思いたがるよ 棘の痛み忘れれば 花はどうせ枯れるのに なにも いらない なにも 今夜 このまま 今夜 恋の色はスカーレット 唇スカーレット 君にあげるから きっとあげるから |
残照山内惠介 | 山内惠介 | 松井五郎 | 水森英夫 | 馬飼野俊一 | どんな夢にも 涯(はて)がある ならば二人で 行くもいい なのにどうして すだれ雨 ふいに二人を引き裂いた 行くな 行くな 行かないで 花の彩(いろ)は 散らせない いまも ここに いまも あなたは いのちが涸れても 心を灯して 決してひとりに しないよと 固く結んだ 指と指 あの日 誓ったはずなのに 時は無情に 線を引く なぜだ なぜだ なぜなんだ 抱いた からだ 儚くて 涙ばかり 後を追うのか いのちが涸れても 心を残して 何度名前を 叫んでも そこに応える 声はない 思い一途に 辿るほど 人は戻れる場所がない 行くな 行くな 行かないで こんな 別れ 許せない いまも 深く 残るぬくもり いのちが涸れても 心を灯して |