錆びたナイフ杉良太郎 | 杉良太郎 | 萩原四朗 | 上原賢六 | | 砂山の砂を 指で掘ってたら まっかに錆びた ジャックナイフが 出て来たよ どこのどいつが 埋めたか 胸にじんとくる 小島の秋だ 薄情な女(やつ)を 思い切ろうと ここまで来たか 男泣きした マドロスが 恋のなきがら 埋めたか そんな気がする 小島の磯だ 海鳴りはしても 何も言わない まっかに錆びた ジャックナイフが いとしいよ 俺もここまで 泣きに来た 同じおもいの 旅路の果てだ |
明日は明日の風が吹く杉良太郎 | 杉良太郎 | 井上梅次 | 大森盛太郎 | | 風はきままに吹いている 鳥はきままに鳴いている どうせ男と生まれたからにゃ 胸の炎はきままに燃やそ 意気と度胸の人生だ ままよなげくな いとしいお前 明日は 明日の風が吹く 雲はきままに飛んでいる 月はきままに笑っている 後へはひけぬ男の意地だ 濡れた瞳は夜霧のせいよ 別れ惜しんでいる内に 男心に 傷がつく 明日は 明日の風が吹かア |
赤いハンカチ杉良太郎 | 杉良太郎 | 萩原四朗 | 上原賢六 | 竜崎孝路 | アカシヤの 花の下で あの娘が窃っと 瞼を拭いた 赤いハンカチよ 怨みに濡れた 目がしらに それでも泪は こぼれて落ちた 北国の 春も逝く日 俺たちだけが しょんぼり見てた 遠い浮雲よ 死ぬ気になれば ふたりとも 霞の彼方に 行かれたものを アカシヤの 花も散って あの娘はどこか 俤(おもかげ)匂う 赤いハンカチよ 背広の胸に この俺の こころに遺(のこ)るよ 切ない影が |
俺はお前に弱いんだ杉良太郎 | 杉良太郎 | 石巻宗一郎 | バッキー白片 | | つれないそぶり したけれど 俺の胸は 燃えている 好きだと云えぬ 何故云えぬ 古い傷あと あるからさ ただそれだけ いつも別れる さよならと 暗い露地の 曲り角 やさしく抱いて 何故やれぬ うぶなお前を みつめたら ただ泣けるぜ 今日も明日も あえるのに 無理を云って 困らせる 叱ってやれぬ 何故だろう 俺はお前に 弱いんだ ただそれだけ |
泣かせるぜ杉良太郎 | 杉良太郎 | 滝田順 | 鶴岡雅義 | | 離さない もう離さない すがりつく あの娘の 長いまつげが 濡れている それ程までに 愛してくれる 初心(うぶ)なあの娘の 純情が ああ 俺を泣かせるぜ 貴方だけ ただ貴方だけ なにもかも 貴方に 云ってはじらう 白い顔 夜更けの星が 見つめていても 抱いてやりたい いじらしさ ああ 俺を泣かせるぜ 帰さない もう帰さない いつまでも このまま 胸に抱かれて いたいのに 無情の風が 別れの時刻(とき)を 告げるせつない 夜の道 ああ 俺を泣かせるぜ |
夜霧の慕情杉良太郎 | 杉良太郎 | 大高ひさを | 野崎真一 | | 愛しても 愛しても 愛しきれない 君だった 夜霧の中に 泣いてかくれて 消えたまま 帰らぬ面かげ あゝ 泪の瞳 さよならの さよならの 声も哀しく かすれてた あの夜の別れ こんなやくざな 俺のため つくした真心 あゝ 忘れはしない いつの日か いつの日か 逢えるあてない 恋だけど せめても祈る 君の倖せ そればかり 夜霧に咽ぶよ あゝ 男の慕情 |
俺は待ってるぜ杉良太郎 | 杉良太郎 | 石崎正美 | 上原賢六 | | 霧が流れて むせぶよな波止場 思い出させてヨー また泣ける 海を渡って それきり逢えぬ 昔馴染の こゝろと心 帰りくる日を たゞそれだけを 俺は待ってるぜ どらの響きも やるせなく消えて 泣いて未練をヨー 告げるのに かわいお前にゃ 何時また逢える 無事でいるなら せめての便り 海のカモメに 託してお呉れ 俺は待ってるぜ |
夕陽の丘杉良太郎 | 杉良太郎 | 萩原四朗 | 上原賢六 | | 夕陽の丘の ふもと行く バスの車掌の 襟ぼくろ わかれた人に 生き写し なごりが辛い たびごころ かえらぬ人の 面影を 遠い他国で 忘れたさ いくつか越えた 北の町 目頭うるむ たびごころ 真菰(まこも)の葦は 風にゆれ 落葉くるくる 水に舞う この世の秋の あわれさを しみじみ胸に バスは行く 夕陽の丘を 見上げても 湖(うみ)の畔りを 訪ねても かいなき命 あるかぎり こころの傷は また疼く 人の子ゆえに 恋ゆえに 落ちる夕陽が 瞳(め)にいたい さよなら丘の たそがれよ また呼ぶ秋は ないものを |
二人の世界杉良太郎 | 杉良太郎 | 池田充男 | 鶴岡雅義 | | 君の横顔 素敵だぜ すねたその瞳(め)が 好きなのさ もっとお寄りよ 離れずに踊ろうよ 小さなフロアーの ナイトクラブ 夢の世界さ 僕の今夜の ネクタイを 嫉妬(や)いているのは おかしいぜ 君は可愛い 僕だけのものなのさ ギターが酔わせる ナイトクラブ 影も寄り添う 逢えば短かい 夜だから 何も云わずに 踊ろうよ 淡い灯りが 又ひとつ消えてゆく 別れが切ない ナイトクラブ 恋のクラブよ |
夜霧よ今夜も有難う杉良太郎 | 杉良太郎 | 浜口庫之助 | 浜口庫之助 | | しのび会う恋を つつむ夜霧よ 知っているのか ふたりの仲を 晴れて会える その日まで かくしておくれ 夜霧 夜霧 僕等はいつも そっと云うのさ 夜霧よ今夜も有難う 夜更けの街に うるむ夜霧よ 知っているのか 別れのつらさ いつか二人で つかむ幸せ 祈っておくれ 夜霧 夜霧 僕等はいつも そっと云うのさ 夜霧よ今夜も有難う |
粋な別れ杉良太郎 | 杉良太郎 | 浜口庫之助 | 浜口庫之助 | | 生命に終りがある 恋にも終りがくる 秋には枯葉が 小枝と別れ 夕べには太陽が 空と別れる 誰も涙なんか 流しはしない 泣かないで 泣かないで 粋な別れをしようぜ 生命に終りがある 恋にも終りがくる はかない生命は 切なくもえて どこか消えてゆく 煙草の煙 恋の行方なんか わかりはしない 追わないで 追わないで 粋な別れをしようぜ |
ブランデーグラス杉良太郎 | 杉良太郎 | 山口洋子 | 小谷充 | | これでおよしよ そんなに強くないのに 酔えば酔うほど 淋しくなってしまう 涙ぐんで そっと時計をかくした 女ごころ 痛いほどわかる 指で包んだ まるいグラスの底にも 残り少ない 夢がゆれている よせばよかった よせばよかったけれど 恋は知らずに 炎えてしまうものだよ 白い小指 ためらいながらからませ 未練ごころ 打ちあけたおまえ 雨はふるふる 部屋の中にも胸にも いつか来そうな 別離を告げて こころひとつ 傘はふたつにはなれて 逢えば夜は つかの間に過ぎる 雨はふるふる 遠く消えてく背中と いつか来そうな 別離を濡らす |
北の旅人杉良太郎 | 杉良太郎 | 山口洋子 | 弦哲也 | | たどりついたら 岬のはずれ 赤い灯が点く ぽつりとひとつ いまでもあなたを 待ってると いとしいおまえの 呼ぶ声が 俺の背中で 潮風(かぜ)になる 夜の釧路は 雨になるだろう ふるい酒場で 噂をきいた 窓のむこうは 木枯まじり 半年まえまで 居たという 泣きぐせ 酒ぐせ 泪ぐせ どこへ去(い)ったか 細い影 夜の函館 霧がつらすぎる 空でちぎれる あの汽笛さえ 泣いて別れる さい果て港 いちどはこの手に 抱きしめて 泣かせてやりたい 思いきり 消えぬ面影 たずねびと 夜の小樽は 雪が肩に舞う |
恋の町札幌杉良太郎 | 杉良太郎 | 浜口庫之助 | 浜口庫之助 | | 時計台の 下で逢って 私の恋は はじまりました だまってあなたに ついてくだけで 私はとても 幸せだった 夢のような 恋のはじめ 忘れはしない 恋の町札幌 はじめて恋を 知った私 やさしい空を 見上げて泣いたの 女になる日 だれかの愛が 見知らぬ夜の 扉を開く 私だけの 心の町 アカシヤも散った 恋の町札幌 淋しい時 むなしい時 私はいつも この町に来るの どこかちがうの この町だけは なぜか私に やさしくするの 恋人なのね 故里なのね ありがとう私の 恋の町札幌 |
港町 涙町 別れ町杉良太郎 | 杉良太郎 | 浜口庫之助 | 浜口庫之助 | 竜崎孝路 | 港町 別れ町 未練に けむる町 明日は離れて 行く男 今日を限りに 飲む女 残してく 残されてゆく みんなこの町 なみだ町 港町 別れ町 涙に ぬれる町 夜霧に消えて 行く男 汽笛のかげに 泣く女 捨ててゆく 捨てられてゆく それもこの町 なみだ町 |
わが人生に悔いなし杉良太郎 | 杉良太郎 | なかにし礼 | 加藤登紀子 | | 鏡に映る わが顔に グラスをあげて 乾杯を たった一つの 星をたよりに はるばる遠くへ 来たもんだ 長かろうと 短かろうと わが人生に 悔いはない この世に歌が あればこそ こらえた涙 いくたびか 親にもらった 体一つで 戦い続けた 気持よさ 右だろうと 左だろうと わが人生に 悔いはない 桜の花の 下で見る 夢にも似てる 人生さ 純で行こうぜ 愛で行こうぜ 生きてるかぎりは 青春だ 夢だろうと 現実(うつつ)だろうと わが人生に 悔いはない わが人生に 悔いはない |