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  • BRADIO
    愛を、今 ―自分を好きになるきっかけのラブソングを― 後編。
    愛を、今 ―自分を好きになるきっかけのラブソングを― 後編。

    BRADIO

    愛を、今 ―自分を好きになるきっかけのラブソングを― 後編。

     2021年4月21日に“BRADIO”がニューアルバム『Joyful Style』をリリース!Major 2nd Albumにして、これぞBest Album。究極ベストなオリジナルフルアルバムがついに完成。Major 3rd シングル「O・TE・A・GE・DA!」、配信限定シングル「幸せのシャナナ」、先行配信シングル「愛を、今」を含む、魂を込めた全10曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな“BRADIO”の真行寺貴秋による歌詞エッセイを2週連続でお届け。今回はその後編です。綴っていただいたのは、前編に続き、今作の収録曲「 愛を、今 」のお話。早い段階で歌詞のコアは出来たものの、なかなかその先が出来なかったというこの曲。その難関を突破できた理由とは…? 新たな名曲「愛を、今」という“自分へのラブ・ソング”が完成するまでの軌跡を、彼の言葉とともに最後まで歩んでみてください。そして改めてその歌詞を受け取ってください…! ~歌詞エッセイ後編:「 愛を、今 」~ この曲が日に日に愛せなくなっていた。自分の思い描いているストーリーを綴っているのに、自分の元を離れた詩は、周りの人間にはその真意あるいは解釈があまり思い通りには届いてはくれなかった。まるで自分の物語が、止まり木を見失って漂っている渡り鳥のようだった。なぜ鳥達は空を飛ぶのかを歌っている“つもり”なのに、“その詩の説明”がわざわざ必要だったのだ。今思えば“つもり”じゃ届きやしない。 俯瞰で判断できずに、自分の中での完結というフィルターを通してしまっているその物語は、ゆくあてを見失ってしまっていた。聴き手の解釈で思いを巡らせて“私の為の曲だ”と思ってもらえるまでにはほど遠い状態だった。何度も曲と距離をおいては書いて、破壊してはまた離れてを繰り返す。 ここで一つ言いたいのは、物を作ったり歌詞を書いたりする行為は大変、ではないということ。かといって他の言い方が見つからない、形容しがたい行為であることは間違いない。自分はこれを「大変」だとは言いたくないし、思ってないし、好きでやっているので、そう思うこと自体、文字通り“大それて変”なのである。 この長い真っ暗なトンネルを行く先、結びへと向かう物語のパズルは日々の何気ないところにピースが転がっている。自分は毎度のことながら、何気なさすぎて簡単なことすぎてほとんど気がついていない。それはメンバーとの何気ないやりとりだったり、チームの曲に対する想いのヒアリングだったり、はたまたテレビのニュースや街の景色にも、いたるところに息を潜めている。そんな出口が見えなくなった制作過程のさなかでの確かな頼りは、やはりメンバーとチームの声に耳を傾けるに限る。真っ暗なトンネルで唯一の光といってもいいのかもしれない。 あとは歌詞だけ、という状況はレコーディングが始まってからも続いたが、自体は徐々にではあるが好転し始めてきた。後から思えばそれはメンバーやチームがさりげなく献身的に手を差し伸べていてくれてたからだとわかった。彼らのおかげで、ありのままの自分をさらけ出すことに踏み込めた。これが結びへと向けてこの物語が加速していくキッカケになった。 事実は小説より奇なり。自分のうちに秘めたる気持ち、弱音、今思っていること、見つめ直した自分をさらけ出せば出すほどに歌詞に対する周りの反応が良くなっていくのを感じた。もっと詩的にカッコつけたいのに、自分を書けば書くほど曲が歌詞が愛されていくのがわかったし、自分もこの曲と混ざり合っていくような気持ちになるのがわかった。 コミュニケーションを取りながらも、最終段階では歌詞が出来上がるまでメンバーやチームは何も言ってこなかった。何も言ってこなかったと言えば、ずいぶんとそっけなく寂しげに聞こえるが、彼らはゴール手前で待っていてくれたのだ。それはひしひしと伝わってきた。自分にとって言葉以上の励みになった。 この歌詞を書き終えて思った。自分は皆から愛されている。自分で言うかってなるよ。ただ、そう思えてしまうのは“メンバーやチームといる自分が好きだから”に他ならない。意見を否定されれば、自身の存在や人格も否定されているように思えてしまうなんて、大体にして他人と全部意見が合うなんて奇跡中の奇跡。あるわけない。いろんな人がいてよくて、だからこそ分かり合いたいと思うし、そこで生まれるのが愛であるわけで。自尊心の喪失など、瘡蓋みたいなものだ。傷ついたって、強固になって自分にちゃんと返ってくるし、傷跡が残ればそれは乗り越えた証。 それに、コニュニケーションなくして自分はこの歌詞が書けただろうか。答えはノーだ。それは間違いない。自分が書いた歌詞だが、メンバーとの、チームとの、心と会話のコミュニケーションの賜物なのだ。彼らといるとこんな風に思えるような自分がいるのだ。そしてそれは自分のありのままになる。 世界は広い。少し視野を広げるだけで別世界だ、居場所は必ずある。寒い国や暖かい場所、小さなコミュニティに大きな街。愛せる自分でいられる居場所はある。何処へだって飛び立てる。自分は特別な存在でもなんでもないから飛ぶ手段は選ばない、ただ自分の愛する人生を生きたいと思う。 ん? ちょっとまてよ、何気ないメンバーやチームとの会話、、、もしや俺に歌詞をちゃんと書かせるためにわざと誘導していたんじゃ!? いや、そう言えば、歌詞を書き終わるかもって最後の方とか、二進も三進もいかないどんよりした空気出した時も、やけに誰もなんも言ってこないなって。相当気を使われていたのかっ!? 初めからメンバーやチームの手の内だったわけか!? きっと俺のいないとこで口裏あわせて、今は何も言わないほうがいいとか、ちょっと様子見てみようとか企てていたってわけか!? ふぉー!! 歌詞の為とはいえ、いつの間にか自分自身や日々の何気ないことと向き合わされて、結果自分のこと、良い所も嫌な所も知って、そんで好きになってる!!なんてこった全員グルか!やってくれる!!ここまで相当カッコつけて書いてきたのに一枚食わされたー!いやもうこの勢いでエッセイ終わらそうとしている俺!何が言いたかったのかって、人生楽しむぞ、みんなっ!!! おしまい。 <BRADIO・真行寺貴秋> ◆紹介曲「 愛を、今 」 作詞:真行寺貴秋 作曲:BRADIO ◆Major 2nd full Album『Joyful Style』 2021年4月21日発売 初回生産限定盤A WPZL-31859~60 ¥4,800+税 初回生産限定盤B WPZL-31861~62 ¥3,800+税 通常盤 WPCL-13291 ¥3,000+税 <収録曲> 1.Time Flies 2.幸せのシャナナ 3.サバイブレーション 4.Switch 5.Fitness Funk 6.愛を、今 7.ケツイ 8.O・TE・A・GE・DA! 9.Be Bold! 10.アーモンド・アーモンド

    2021/04/23

  • 川村結花
    受け取り方は人それぞれ。
    受け取り方は人それぞれ。

    川村結花

    受け取り方は人それぞれ。

     2020年にCDデビュー25周年を迎えた、シンガーソングライター・川村結花。今日のうたコラムでは、その記念企画として2020年~2021年の2年を通じてのご本人によるスペシャル歌詞エッセイをお届けしてまいります!更新は毎月第4木曜。  シンガーソングライターとして活躍しながら、様々なアーティストへの楽曲提供も行い、ここ数年はピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている彼女。この連載でどんな言葉を綴ってくださるのでしょうか…!今回は第16回をお届けいたします。 第16回歌詞エッセイ:受け取り方は人それぞれ 昨日ぼんやりTVをつけっぱなしにしていたら、1時間くらいのうちに2度、同じ昭和の歌謡曲をCMで耳にしました。しかもそれぞれ別の企業のCMで。当然別のバージョンで。その曲の名は「 黄昏のビギン 」。言わずと知れた永六輔先生作詞&中村八大先生作曲の黄金コンビによる昭和の大名曲であります。わたしも大好きな曲です。 以前、ちあきなおみさん歌唱バージョンを聴いた時、あまりの素晴らしさに意識が遠くなりました。というか、現実を離れて夢の中を漂っているかのような感じがしました。ちあきなおみさんがなぜそこまですごいすごいと言われるのかが、この時本当の意味でわかったのでした。 そんなちあきなおみさんの代表曲「 喝采 」。あの曲はご本人の悲しい経験とも重なるらしい、というエピソードを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。曲中の<あなた>はある説では恋人のこと。ある説ではお父上のこと。など、本当のところは勿論わたしには知る由もありませんが、そんなふうに諸説ある曲は、他にも色々と存在します。 他に有名なところでは「 なごり雪 」。あれは父親目線で巣立ってゆく娘への思いを綴った歌であるという説や、旅立って行く女の子を見送る幼ななじみの男の子の歌であるという説。他にもあるかもしれません。 なににせよ、聴き手によって色々に受け取ることができるのは、歌の醍醐味の一つなのではないかなあと思います。真実はどうであれ、作者の思惑がどうであれ、聴いた人が感じたことがその人にとっての真実であり、その人だけの想いや場面がそこに重なってその人だけの物語を持った歌になるのです。それってなんて素敵なことだろうと思うのです。 わたしが2015年に自分の創業20年記念歌として作った「 五線紙とペン 」という歌の中にも、<わたしの物語が 誰かの物語になる日を夢見て>というフレーズが出て来ます。自分の作った歌を聴いてくださった方が、ご自身の想いや場面を重ねてくださる。それはシンガーソングライターであるわたしにとって、それ以上幸せなことなんてないくらい幸せなことなのです。 などというお話をした後にこんなお話をするのもなんなんですが、昨年世の中を席巻した瑛人さんの「 香水 」。ド~ルチェア~ンドガッバーナ~、の、あの強烈なフレーズに瑛人さんの魅力的な歌声と出だしから最後までフォーキーながら華のあるメロディが相まって、知らない人はいないヒット曲となったあの曲。勿論わたしも大好きな曲で、家事をしながらなどご機嫌に歌っていました。 ただ、初めて聴いた頃、すごいいい歌だなと思いながらも、どうもそのド~ルチェア~ンドガッバーナ~のところでいきなり混乱して脳みそがグニャッとなってしまっていたのでした。 「ドルチェ&ガッバーナの香水、て、あのバブルの頃のあれ? ていうか瑛人さんてハタチそこそこでなんでそんな香水知ってんの? あ、そうかこれはもしや、君、とかいうて昔の彼女のハナシみたくなってるけど、ほんまは離れ離れになってしまったお母さんていう設定なん?」とー。 、、、なに言うてんのこの人、とお思いになられたでしょうか。ですよね。あほですわ、わたし。どういうわけかドルチェ&ガッバーナの香水が脳内でディオールのプワゾンという香水に変換されていたのです。ディオールのプワゾンとは、バブル時代を席巻したかなり個性的な香りの香水で、シリーズ自体はまだあるのかもしれませんが、当時流行った緑のボトルのはもう今は多分販売されていないと思われます(知らんけど)。 その緑のボトルがバーンと頭に浮かんでいたわたし、、、バブルといえばワンレンとボディコンとジュリアナと緑のプワゾンが浮かぶわたしとしては、もう、どえらい「君」が浮かんだわけです。そら混乱するわ。ていうかどんな勘違いやねん。なのですが。だいたいド最後に<僕がフラれるんだ>て言うてはるのに。どう考えても恋愛の歌やのに。ごめんなさい瑛人さん。 ただ、、、世の中にお一人くらいは、わたしと同じ勘違いをされた方もいてはるんちゃうやろかと思うのですがいかがでしょうか。特にバブルの頃、青春だった世代の方。「わかるわー」と思ってくださった方、もしいらっしゃいましたらどうぞご一報ください。 ということでこんど5月3日にはなんと1年3ヶ月ぶりのライブも予定しておりますわたくしです。嗚呼うれしい。もう、1年分の思いを胸にめいっぱい歌って弾いて音楽にまみれたいと思います。それではまた来月、です。 <川村結花> ◆LIVE 2021年5月3日(月)青山 月見ル君想フにて開催される 2PIANO4HANDS「川村結花×斎藤有太」に出演決定! ・会場チケット 前売り ¥4,000 (75名限定) | https://2105032.peatix.com ・配信チケット ¥2,000 | https://www.moonromantic.com/2105032 ◆NEWS 1999年4月1日リリースのアルバム『Lush Life』のミュージック・ビデオ4曲をYouTubeにて公開! 「Every Breath You Take」: https://youtu.be/a1pXqyTJCaw 「ヒマワリ」: https://youtu.be/8WLVFRRaWGc 「home」: https://youtu.be/9p43CoS8zCk 「遠い星と近くの君」: https://youtu.be/DN9JH3-83CA ◆プロフィール 川村結花(シンガー・ソングライター) 大阪府生まれ。東京芸術大学作曲学科卒業。1995年、アルバム「ちょっと計算して泣いた」でシンガーソングライターとしてデビュー。同時に作詞家作曲家として楽曲提供を行い、主な提供楽曲は、夜空ノムコウ(作曲)をはじめ2019年現在までに100曲以上。2010年「あとひとつ」(作詞作曲共作)でレコード大賞作曲賞を受賞。2017年、アルバム「ハレルヤ」をリリース。ここ数年は、提供楽曲の作詞作曲も行いながら、ピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている。 オフィシャルサイト: https://www.kawamurayuka.com ◆歌詞エッセイバックナンバー 【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】 【第6回】 【第7回】 【第8回】 【第9回】 【第10回】 【第11回】 【第12回】 【第13回】 【第14回】 【第15回】

    2021/04/22

  • Kitri
    “さよならより言いたい言葉がある”それはどんな言葉なのだろう。
    “さよならより言いたい言葉がある”それはどんな言葉なのだろう。

    Kitri

    “さよならより言いたい言葉がある”それはどんな言葉なのだろう。

     2021年4月21日に“Kitri”がセカンドフルアルバム『Kitrist II』をリリース!今作には、新曲「未知階段」や3作連続配信シングル「Lily」「人間プログラム」「赤い月」ほか、新曲を含む全10曲が収録。さらに、2019年に行われた『キトリの音楽会#2』東京公演の全曲を収録したライブ映像と昨年末の“キトリのライブ上映会”で限定公開された新曲「君のアルバム」のMVを収録した豪華二枚組となっております。  さて、今日のうたコラムではそんな“Kitri”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第2弾。綴っていただいたのは、アルバムリード曲「 青い春 」のお話です。Mona、Hina、それぞれの視点でこの曲に対する想いを明かしてくださいました。出会いと別れの季節…。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 青い春 」~ <Mona> ただの笑い話だが、私はいつも曲を作り終えるたびに寝込んでしまう。いや、作り終えるたびにというのは大袈裟かもしれない。4曲に1曲くらいのペースだ。この「青い春」もその1曲だった。フルコーラスが完成し、スタッフにデモ音源をメールで送信した直後、安堵感と疲労感から熱を出してしまった。ちょうど1年前の春のことだ。 その頃、1年後に2ndアルバムをリリースすることを目標に動き出していた。過去に作った曲やアルバムに入れるために作った曲、全部合わせると既に6、7曲はある。良いペースで進んでいるはずなのに、私はどこか焦燥感に駆られていた。そう、アルバムの要となる肝心のリード曲が無い。リード曲はアルバムの顔ともいえる大事なポジションで、そのアルバムのイメージや、アルバムを知ってもらうためのきっかけを作ったりもする。 既にある6、7曲の中から決めることもできるかもしれないが、私も誰もそれでいいねとはならない。リード曲として光を放つ曲を全員が期待して待っていた。こうして、まずは自分や周りの人の心を動かせるような渾身の1曲を作ろうという想いで、「青い春」を書くことになった。 いつも春は出会いや別れを一緒に連れてくる。もう少し別れを惜しむ時間が欲しいのに。もう少し新しい場所へ行く心の準備が欲しいのに。卒業、引越し、転校…。終わりへと向かうカウントダウンは、何度経験しても慣れない。お世話になった先生の最後のピアノレッスンの日、引越し前に友達に会いに行く日、続いていた仕事が終わる日、私はこみ上げる思いを我慢するのに精一杯で、言いたいことのほんの一部しか伝えられていない気がした。 「ありがとう、私に出会ってくれて」 「ずっと大切な存在だよ、元気でね」 一人になって初めて、そんな言葉を心の中で唱えている自分がいる。馴染んだ場所から離れ、つい昨日までの日常が思い出に変わった瞬間、それまで当たり前だった光景や街並みや人々が恋しく思えて感謝が溢れ出す。だから寂しくて仕方ない"終わり"は次のステップの始まりとして、私の背中を押してくれるんだと思うことにしている。きっとまた、新しい場所でもかけがえのない出会いが待っているはずだから。 思い出ばかりが舞い上がる青い春よ もうすこしだけ目を閉じていたい また会えたら 今度は間に合って さよならより言いたい言葉がある 「アルバムのリード曲にしましょう」そう決まったのは、寝込んでから数ヶ月後のことだった。Hinaも周りの人も、おそらく全員違う景色やストーリーを浮かべながらも、この曲を良いと言ってくれた。そして今日、ついにアルバムのリリース日を迎えた。どこかでこのアルバムを手にとって聴いてくれる人がいるなんて、信じられないくらい幸せなことだ。この「青い春」が、これから数えきれないくらいのいろんなストーリーを乗せて、どこまでも飛び立っていくことを心から願っている。 <Hina> さよならより言いたい言葉がある それはどんな言葉なのだろう。私には、想いを伝えたい人が沢山いる。感謝や応援、褒め言葉や挨拶、好きという気持ち、謝りたかったことや許したかったこと。生きていると様々な感情が駆け巡るが、それを言葉にできたりできなかったり、満足や後悔を繰り返しながら大人になっていく。 いつになっても、言葉にするというのは、簡単なようで難しい。一つ一つの言葉には重みがあり、相手の気持ちも伴う。言葉にしないと伝わらないこともあれば、言葉だけでは伝えきれないこともある。だから私は、ある曲に自分の気持ちを託そうと思う。 私たちは今日、『Kitrist II』のリリース日を迎えた。この日が来るまで長いようであっという間だった。惜しみない愛をもって、いつもKitriの音楽に期待を寄せてくれている人たちに届けたい。そう思いながら心を込めて作った一枚だ。 冒頭に書いた一行は、その中の「青い春」という曲の歌詞の一部である。この季節にぴったりな曲だ。そして、私の気持ちにもぴったりな一曲である。 ようやく空は春めき、色鮮やかな花々と穏やかな風を愉しむ今日この頃。ゆっくりと夏に向かいつつ、暖かい空気が広がるこの季節が私は一番好きだ。誰かの門出を祝い、何かを新しく始める。緊張と期待が入り混じったこの時期、私は胸の高鳴りを抑えることができないまま日々を過ごしている。 思い返せば、私はいつも春の中にいた。遠足が楽しみで眠れなかったこと。放課後に友達と話をしたこと。転校初日に緊張したこと。真夜中に流星群を見に行ったこと。ノートが真っ黒になるまでがむしゃらに勉強したこと。合唱のコンクールで悔し涙を流したこと。丘の上の運動場から初日の出をみんなで見たこと…。 意味もなく笑い、小さなことに悩み、人間関係や勉強のことで精一杯だった。その頃はそれが全てだった。何気ない日常が、こんなにも眩しくて愛おしいものだったと気づいたのはいつだっただろうか。 これを青春と呼ぶのであれば、私は今もなお、その真っ只中にいるのかもしれない。私たちは毎日、二度とない貴重な時間を過ごしている。だから未来の私にとっては、今がきらめいて見えるのだろう。今の私にとっては、過去がきらめいて見える。 Kitriを通して、色んな人が私の心に春風を贈ってくれている。その風が運んできた種を、私は育てているところだ。いつか木になり、花を咲かせ、多くの人に春を届けたい。感謝の想いと共に。そんな夢を抱きながら、私なりの青い春を過ごしていようと思う。  <Kitri> ◆紹介曲「 青い春 」 作詞:Mona 作曲:Mona ◆セカンドフルアルバム『Kitrist II』 2021年4月21日発売 CD+Blu-ray COZB-1741-2 ¥5,000(税込) <収録曲> 1.未知階段 2.人間プログラム 3.青い春 ※TBS系テレビ「ひるおび!」4月度エンディングテーマ 4.NEW ME 5.羅針鳥(S.A. Rework) 6.小さな決心 7.水とシンフォニア 8.赤い月 9.パルテノン銀座通り 10.Lily 11.君のアルバム

    2021/04/21

  • SAKANAMON
    言葉での対話よりも音での対話に専念した3年間。
    言葉での対話よりも音での対話に専念した3年間。

    SAKANAMON

    言葉での対話よりも音での対話に専念した3年間。

     2021年4月14日に“SAKANAMON”がConcept Mini Album『ことばとおんがく』をリリースしました。今作には、ネクライトーキー・もっさ(Vo&Gt.)が藤森元生との掛け合いで歌唱参加した「かっぽじれーしょん」やNHK みんなのうたに書き下ろした「丘シカ地下イカ坂」など、全8曲が収録。コンセプトである“言葉遊び”と“音楽”を堪能できる1枚となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“SAKANAMON”の藤森元生による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第2弾。綴っていただいたのは、今作『ことばとおんがく』に通ずるお話です。第1弾では、幼少時代から中学時代までを明かしていただきましたが、第2弾は自意識過剰を拗らせつつも、一方で“バンド”を始めた、高校3年間について。是非、楽曲と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第2弾:『ことばとおんがく』(中編)~ 15才。 大学に進学する気どころか、就職する気すらなかった。高校にも行きたくなかったのですが、親に「頼むから行ってくれ」と言われたので「お金の無駄になるだろうけど、良いのね?知らないよ?」といった感じで、僕は普通科目が少ない事を理由に、美術を専攻する私立の高校に入りました。 思春期真っ盛り。僕は持ち前の自意識過剰を拗らせ、女子とは話さなくなりました。 話したとしても「はい」と「いいえ」のみの会話。敬語。僕は女子に話しかけられたくないし、女子も僕に話しかけたくない。両思いが成立。みるみる喋る事が下手になっていきました。 結果、皆から「あの人は何を考えてるか分からない」という個性を与えられます。でも「謎めいてて格好良いな」という中二的思考で自分を鼓舞し、全く直そうとは思わないのです。 このような感じで数少ない友達とぼんやり、学生生活を送るのでした。 一方で僕は中学時代の友達とバンドを始めました。学校から帰って夜中までバンド練習。週5日で練習もザラ。ストイックというより他にする事がないのです。 当時、僕の歌には具体的なメッセージがありませんでした。でも歌いたい、表現したい、褒められたい、そんな気持ちだけだけどとにかく伝えたい。なんだかよく分からない事を歌っていました。 そんな音楽でも、表現を共にしてくれる仲間と場所と時間がある事が、どれだけ自分に存在意義を与えてくれたことか。幸せでした。 ライブしてもお客さんは全然呼べず、ほぼ聴いてくれる人は対バンしてくれる先輩方だけだった。それでも、褒めてくれたりアドバイスしてくれたり、表現と意見をぶつけ合える環境に僕はときめいていました。 こうして言葉での対話よりも音での対話に専念した3年間。甘酸っぱさゼロ。童貞臭い糞餓鬼は、おっさんとタバコと酒の臭いが立ち込めるライブ尽くしの青春を終えるのでした。 上京します。 <SAKANAMON・藤森元生> ◆Concept Mini Album『ことばとおんがく』 2021年4月14日発売 初回限定盤(CD+DLカード) TLTO-30 ¥2,700(税込) 通常盤(CDのみ) TLTO-31 ¥1,800(税込) <収録曲> 1.ことばとおんがく 2.かっぽじれーしょん feat.もっさ(ネクライトーキー) 3.鬼(Album ver.) 4.レ点 feat.仁井 聡子(FM802 DJ) 5.丘シカ地下イカ坂 6.いろはうた 7.OTOTOTOTONOO 8.PACE

    2021/04/20

  • Ms.OOJA
    10年一緒にやってきたマネージャーの目を見て、「やる。」と答えた。
    10年一緒にやってきたマネージャーの目を見て、「やる。」と答えた。

    Ms.OOJA

    10年一緒にやってきたマネージャーの目を見て、「やる。」と答えた。

     メジャーデビュー10周年を迎え、来年3月27日(日)に初の日本武道館単独公演開催を発表した“Ms.OOJA”。その日本武道館公演へのアンセムである新曲「はじまりの時」が、中部電力パワーグリッド「全力の電力。」2021年度のCMソングに起用。楽曲のメッセージと人々の暮らしを全力で支え続ける中部電力パワーグリッドの想いが重なった、ドラマティックな1曲になっております。さらに、7ヶ月連続でデジタルシングルを配信リリースが決定!  さて、今日のうたコラムではそんな“Ms.OOJA”による歌詞エッセイをお届けいたします。今回はその第1弾。綴っていただいたのは、新曲「 はじまりの時 」への想いです。曲の誕生のきっかけは2018年。そこから数年の時が立ち、誰もが想像しなかった世の中に…。そんな今だからこそ、この曲を放つ意味とは。そして歌に込めた強い想いとは。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 はじまりの時 」~  2018年5月、アルバム『PROUD』のアコースティックツアーの初日の新潟公演。ちょうどロシアワールドカップに向けて、ドイツから地元新潟に帰省していた酒井高徳選手が遊びに来てくれた。ライブ後の挨拶では、精悍で爽やか好青年な酒井選手に私もミュージシャンもスタッフも全員メロメロ。 そんな彼が出場するロシアワールドカップなら応援しない手はない!!と、2002年の日韓ワールドカップぶりに、予選リーグの日本戦を見始めたら「日本代表!強い!なにこれ!かっこいい!楽しい!」と感動し、それからというもの集中して観戦するために家で一人、誘いも断り、酒も飲まず、テレビの前で応援した。 日本が1つずつ勝ち進んで行く度に泣きながら歓喜し、気付くと日本戦だけでなく決勝トーナメントのほとんどの試合を観てしまうほどのめり込んでいました。夜中の3時から始まる試合を観終えたら朝の5時、眠たい目に朝日が染みた。ベルギー戦で日本が敗退した時もTVの前でその勇姿を讃え一人泣きながら 「ありがとう!!!」と叫んだ(近所迷惑)。 その後も試合を見続け、決勝戦でフランスに負け準優勝となったクロアチアのイヴァン・ラキティッチとMVPに選ばれたルカ・モドリッチが好きで、その翌日に我が家にやってきた2匹の姉妹保護ネコにラキとルカと名付けた。と、まあそれくらいにワールドカップにドハマリしていた。2018年夏。毎年のように行っている札幌の芸森スタジオでの制作合宿に挑んだ。 盟友・Dr.SAKAIとルンヒャンとのコライト制作初日、まず私は何より日本代表に向けた熱い想いを歌にしたい!と二人にアピールした。 そしてピッチから去ったあとのロッカールームで汗にまみれたユニフォームを投げ捨てる選手達の様子を勝手に想像して作った <汗にまみれた シャツを投げ捨てた> という歌い出しの「はじまりの時」ができた。 それから2年後の2020年、まさかの事態となった。新型コロナウィルスの蔓延だ。人に会えなくなった。ライブが出来なくなった。今までの当たり前は当たり前じゃなくなった。数々のライブが延期になり、中止になり、人を集めることが目的のライブなのにそれが一切出来なくなった時、いかにライブというものに自分が支えられていたんだろうと気づいた人は多かったんじゃないかと思う。ファンもミュージシャン自身も。 配信やできる限りのことをして何かを届けていないと自分の精神も崩壊してしまいそうな日々だった。  そんな中、秋に配信なしの有人のバースデーツアーを行うことを決定した。ことごとく先の見えない情勢の中、何度も何度も協議を重ね、感染症対策のため本来の3分の1の人数しかいれられない、ZEPPライブでは本来ありえない高い金額設定にしなければいけない。そして1日2公演などなど、試練はたくさんあった。はっきりいって、売り切れたとしても赤字にしかならないライブ。みんなが来てくれるかどうかもわからない状態。実際、見送った人もたくさんいたと思う。会場は満席にはならなかった。それでもライブをするからには、観に来てくれる人たちに半端なものは見せられない。  バンドメンバー、スタッフ、照明、衣装、いつも通り今の私が見せられる最高の布陣で挑んだ。私のわがままを叶えてくれたスタッフには本当に感謝している。8月にリリースしたカバーアルバム『流しのOOJA』を中心とした選曲の中、セットリストを考えている時にふと「はじまりの時」を思い出した。 実は2018年に作った時には、ブリッジ部分を作っていなくて未完成の状態だった。もちろんレコーディングもしていなければ、リリースも決まっていない。それでもこの曲を今届けなきゃいけない!と強く思いライブの最後に披露することになった。このライブで感じたことをこのブリッジ部分に入れたいと思ったから、あえて未完成のまま歌うことにした。 ライブで初めて聴くこの曲をファンのみんなは喜んで受け入れてくれた。その反応を目の前で見て、感じながら、メジャーデビュー10年目を迎え、コロナ禍に立ち向かいながらライブをすること、これまでの歌手人生、そしてこれからの歌手人生、様々な思いが2年前サッカー日本代表のために作ったこの曲の歌詞とリンクしていった。  そして、2020年10月28日、38歳の誕生日当日、名古屋ZEPPでの1公演目を終え、2公演目を待っている楽屋で突然マネージャーから、2022年3月27日の武道館公演の打診をされた。しかも今この瞬間に決めないともう押さえられない。という。   大変な挑戦であることは目に見えていた、決して簡単じゃないことも自分が一番良くわかっている。でもこのタイミングでやらないと、きっと一生チャンスは巡って来ないと思った。メジャーデビューから10年一緒にやってきたマネージャーの目を見て、「やる。」と答えた。「よし。」と言って楽屋を出てどこかに連絡をしている様子のマネージャー。もう後戻りは出来ない思った。でもそれで良いと。思った。 いつもどこか逃げながら生きてきたような感覚があった。本当に挑まなきゃならないことから逃げて、自分を守ってきた。失敗したくないから、笑われたくないから。でも本当はそんなこと関係なく、自分が出来ることを納得するまでやりきるかどうか、自分を信じて、失敗したって無様だって、全身全霊で精根尽き果てるまで何かをやりきったのか?歌に向き合ってきたのか? それに気づいた時、私の中で静かに覚悟が決まった。  もしかしたらこの武道館公演が終わった時、私は灰になっているかもしれない。そして歌手をやめてしまうかもしれない。大げさではなく、それくらいの気持ちで挑むべきことだと思っている。 今 手を伸ばせば 繋がる 未来があるだろう 絶望も 希望も連れて行こう 覚悟決めれば それが はじまりの時 そしてそんなバースデーライブを経てブリッジ部分の歌詞が完成した。 逃げない 迷わない 言い訳も後悔もしない 心に誓った あの日の願いを もうごまかしたりなんてしないよ コロナ禍で迎えたメジャーデビュー10周年だったからこそ、持てた覚悟、決断だったかもしれないと今では思っています。そしてそんな10周年にふさわしく今伝えるべき「はじまりの時」は、私の覚悟と決断の歌です。 <Ms.OOJA> ◆紹介曲「 はじまりの時 」 作詞:Ms.OOJA・Rung Hyang・Ryosuke“Dr.R”Sakai 作曲:Ryosuke“Dr.R”Sakai・Ms.OOJA・Rung Hyang

    2021/04/19

  • BRADIO
    愛を、今 ―自分を好きになるきっかけのラブソングを― 前編。
    愛を、今 ―自分を好きになるきっかけのラブソングを― 前編。

    BRADIO

    愛を、今 ―自分を好きになるきっかけのラブソングを― 前編。

     2021年4月21日に“BRADIO”がニューアルバム『Joyful Style』をリリース!Major 2nd Albumにして、これぞBest Album。究極ベストなオリジナルフルアルバムがついに完成。Major 3rd シングル「O・TE・A・GE・DA!」、配信限定シングル「幸せのシャナナ」、先行配信シングル「愛を、今」を含む、魂を込めた全10曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムではそんな“BRADIO”の真行寺貴秋による歌詞エッセイを2週連続でお届け。今回はその前編です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 愛を、今 」のお話。まず、この曲のコアが生まれたきっかけとは…。新たな名曲「愛を、今」という“自分へのラブ・ソング”が完成するまでの軌跡を、彼の言葉とともに最後まで歩んでみてください。 ~歌詞エッセイ前編:「 愛を、今 」~ 自分を愛するってなんだろう。って言っているそばから嫌いな所をあげてみる。意見を否定されれば自身の存在や人格さえも否定されているように思えてしまう可愛くない自分。周りの人と比べては毎日が自尊心の喪失の連続で、もはや「コニュニケーションこそが悩みの根源だ」なんて、きっと人並みには純粋であろう。と、思っているだけの心の中に、口には出さなくとも自身の体の内側では啖呵を切っている。こんな薄暗い気持ちが少量だとしても脈々と全身に染み渡っているのだろうと思うと、なんとも自分がちっぽけに感じられてならない。 まだある、まだまだあるが、冒頭から悲壮感が漂いすぎるのもよくないので手短に。例えばこういう書き物にしてもそうだ。言うなれば瞬間に出た自分の言葉ではない。これが顔を付き合わせたインタビューならば、まごついて何も喋れていないか、核心に触れられない、言葉の上澄みをすくった程度のことしか言えていないのがオチだ。言葉を考え選び、センテンスを雰囲気カッコよく構築して、あたかもイケてる自分がしゃべっているかのように書き綴っているわけだから、もはや自分は自分でありながら媒体である。真にカッコいい人間はその一瞬一瞬に、これまでに刻まれてきた生き様が言葉になって行動になっているものだ。 そんな自分はこのエッセイで何を言いたいのか。結びに何を持ってくるのかを今の段階では何も考えていない。結局、取り繕って考えてせっせと書いたところで、突然自分のスペックを超えることなんてありゃしないし、土臭くとにかく書いてみる。それが自分のモットー。あとは委ねます。 2019年10月、山梨県の山中湖付近に泊まり込みで一週間程度、楽曲制作の合宿をおこなった。バンドは翌年に10周年を控えてのそこに向けたアルバム楽曲の制作とあわせて、今思えばそれまでの海外を挟んだ47都道府県ツアーもひと段落し、ライブ生活からの気分転換や新たな環境を欲していたこともあってだったように思う。 自分たちの音を楽しむ感覚から、充実した時間の中で生まれた数曲の原石達。その一つ一つが我々の“子供”であり、これから磨いていくもの、もうすでに輝き始めているもの。それぞれが持つ個性という音色が産声のように演奏と共に鳴り響く。突如生まれ落ちたこの世界の輝きを、眩しくてまだ受け入れられず、光をまぶた越しに認識しながら、優しく無垢な表情を浮かべるその楽曲達。 「愛を、今」はその中の一曲だった。生まれて間もなく、メンバーしかりチームからも愛されたこの「愛を、今」の原石、この子供をサウンド面はもちろん、どんな言葉で一人前に聴いてくれた人達の心に寄り添える音楽にするのか。ここから「愛を、今」との長い生活の始まりだった。 冒頭でも述べた、今この瞬間にも脈々と全身に染み渡っている薄暗い気持ちが“自分へのラブ・ソング”を書こうと思ったきっかけだったなんて、ただの自己満足であり、もっと格好のつく理由でありたかった。ただその反面、「人間らしくて良いじゃないか」というこれまた諦めにも似た慰めの言葉に、いつからか漢気と色気を感じている自分がいる。言う人が違えばガツンとしたセリフなのだが。 子育てを経験したことはないが、前途多難とはよく言ったものだ。歌詞は早い段階である程度の片鱗はできていたものの、曲の方が先に出来上がって歌詞待ちという状況が2020年の夏ごろまで続いた。時間はたっぷりあった。あったが出てこないものは出てこない、そう言うものだと思いたい。あまえです。サビの部分、この曲で伝えたい“自分へのラブ・ソング”のコアが先に述べた早い段階で出来上がっていた部分で、そこから先が全く進まない。 作詞作曲は十人十色。一行出てくればあとはスラスラ書けるなんて人もいるし、最後の一語が数日たっても出てこないって人もいる。自分も後者だろうな。考えすぎる癖がある。音を楽しむ、何も考えずに感覚の赴くままに。それはもちろん心得ているし、感覚なので意識してしてない。気づいたらすでにそうなっている。 ただいつしか、音楽が趣味の領域を出たところで、プラス“考えないことは恐怖”だとも思えるようになっているんだと思う。そして考えれば考えるほど複雑になっていき、当初の目的を見失いがちになる。そこで一旦の破壊をすることがよく制作では起こるのだ。もう一度まっさらにして、そもそもの歌詞のテーマから練り直すだとか、そのままの形で別の道を探れないかだとか。 しかし、ここで新たに生じるのが、見えない壁を超えなくてはならないということ。初期衝動や最初に作った印象ってのは、なかなかにインパクトを心に根ざす。馴染みの語感なんかは特に、最初に見たものを親だと認識してしまう「刷り込み」と同じで、それがしがらみとなり自身でハードルを上げることになる。前のバージョンより良いものをって。だから壊すんですけどね。見えなかった世界が顔を出す快感がそこにはあるんです。 今回の「愛を、今」はテーマは変えずとも何度も何度も描き直した。最初のバージョンとはもう描いている人が違うくらいに性格の違う言葉達になった。この歌が向かう方、その指針は一つ、「人の心に寄り添えるもの」に向けて。 <BRADIO・真行寺貴秋> ◆紹介曲「 愛を、今 」 作詞:真行寺貴秋 作曲:BRADIO ◆Major 2nd full Album『Joyful Style』 2021年4月21日発売 初回生産限定盤A WPZL-31859~60 ¥4,800+税 初回生産限定盤B WPZL-31861~62 ¥3,800+税 通常盤 WPCL-13291 ¥3,000+税 <収録曲> 1.Time Flies 2.幸せのシャナナ 3.サバイブレーション 4.Switch 5.Fitness Funk 6.愛を、今 7.ケツイ 8.O・TE・A・GE・DA! 9.Be Bold! 10.アーモンド・アーモンド

    2021/04/16

  • SAKANAMON
    努力は無駄にはならないが、報われるとも限らないのです。
    努力は無駄にはならないが、報われるとも限らないのです。

    SAKANAMON

    努力は無駄にはならないが、報われるとも限らないのです。

     2021年4月14日に“SAKANAMON”がConcept Mini Album『ことばとおんがく』をリリースしました。今作には、ネクライトーキー・もっさ(Vo&Gt.)が藤森元生との掛け合いで歌唱参加した「かっぽじれーしょん」やNHK みんなのうたに書き下ろした「丘シカ地下イカ坂」など、全8曲が収録。コンセプトである“言葉遊び”と“音楽”を堪能できる1枚となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“SAKANAMON”の藤森元生による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第1弾です。綴っていただいたのは、今作『ことばとおんがく』に通ずるお話。“ことば”が苦手だった幼少時代、そして、とあることを感じた中学時代。自身の軌跡を遡って明かしてくださいました。是非、楽曲と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾:『ことばとおんがく』(前編)~ 親の話によると、僕は小学一年生に上がる頃になっても滑舌が悪く、上手に言葉を話せなかったらしくて心配したそうです。僕の「ニュアンスが伝われば良い」という漠然としたコミュニケーション方法は当時から培われていたようです。 勉強が出来ない、運動も出来ない、でも努力をしない。僕の小学校生活に必要な能力ステータスは最悪でした。そのくせ自己顕示欲だけは人一倍強いからタチが悪い。 入学当初、名前がゲンキだから「僕元気でしょ?ゲンキ元気!」という持ちネタ一本で存在アピールして頑張っていました。健気でしょ? そんな僕にも好きな授業が出来ました。「図工」です。 皆が僕の作品を見て評価してくれる。解釈してくれる。この行為が、話す事よりも簡単に自分を「表現」して人とコミュニケーション出来る事に気付いたんです。 図工では、人と違う事をするのが悪い事では無く、寧ろ良しとされる。勉強や運動のように人と競わないし争わない。自由で平和で答えの無い世界。 僕は「物を作る事」に魅了され、アイデンティティーになっていきました。 中学校に上がると「歩くのが早いから陸上部に入りなさい」と親に勧められ陸上部に入ります。運動会の徒競走でずっとビリだった僕は、当然陸上部内でも一番遅かったです。 僕は運動会が嫌いです。徒競走が大嫌いです。無理矢理競わされ、沢山の町内の人達の前でビリの自分を晒し者にされ、親に励まされ、豪華なお弁当を惨めに食べるんです。最悪だ!! そんな自分の思い出を払拭すべく、3年間修行の様な辛~い部活動に耐え抜きます。そして3年目の運動会200m走、僕の努力の集大成の日。5人で競います。1位になるぞ! 結果、1位にはなれませんでした。2位。でも、生涯で初めての2位でした。 1位はバスケ部の爽やかTくん。たまに体育館周りをジョギングしてる程度の癖に1位。でもTくんは小学校時代から足早かったから、生まれ持った運動神経、才能です。 この時「報われる努力」と「報われない努力」がある事を同時に学びました。 努力は無駄にはならないが、報われるとも限らないのです。 僕はより一層、競う事から逃げる生活を送り始めるのでした。 <SAKANAMON・藤森元生> ◆Concept Mini Album『ことばとおんがく』 2021年4月14日発売 初回限定盤(CD+DLカード) TLTO-30 ¥2,700(税込) 通常盤(CDのみ) TLTO-31 ¥1,800(税込) <収録曲> 1.ことばとおんがく 2.かっぽじれーしょん feat.もっさ(ネクライトーキー) 3.鬼(Album ver.) 4.レ点 feat.仁井 聡子(FM802 DJ) 5.丘シカ地下イカ坂 6.いろはうた 7.OTOTOTOTONOO 8.PACE

    2021/04/15

  • Kitri
    私の考えを、たった12文字で言い表してくれたのはMonaである。
    私の考えを、たった12文字で言い表してくれたのはMonaである。

    Kitri

    私の考えを、たった12文字で言い表してくれたのはMonaである。

     2021年4月21日に“Kitri”がセカンドフルアルバム『Kitrist II』をリリース!今作には、新曲「未知階段」や3作連続配信シングル「Lily」「人間プログラム」「赤い月」ほか、新曲を含む全10曲が収録。さらに、2019年に行われた『キトリの音楽会#2』東京公演の全曲を収録したライブ映像と昨年末の“キトリのライブ上映会”で限定公開された新曲「君のアルバム」のMVを収録した豪華二枚組となっております。  さて、今日のうたコラムではそんな“Kitri”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第1弾。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 未知階段 」のお話です。Mona、Hina、それぞれの視点でこの曲に対する想いを明かしてくださいました。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 未知階段 」~ <Mona> 自分のこれまでの人生に点数をつけたら、何点くらいになるのだろうか。残念ながら、採点してくれる先生は見当たらない。どこを探しても解答がない。「あの時、ちがう道を選んでいたらどうなっていただろう」と、そんなことを思う瞬間もあるけれど、そればかりでも前に進めない。 人生は、複雑で難解なクイズの連続だ。例えばもし突然歌詞が浮かばなくなったら、私は誰かにアドバイスをもらった方がいいのだろうか、それとも自宅に篭って歌詞が浮かぶのを待つべきだろうか。いやもしくはしばらく作詞をやめるのがいいのだろうか。この1曲が自分の未来を変えるとしたら…。何本にも枝分かれした道の中から、自分なりに答えを選んで探さなければならない。そんな風に歩み進めていく今を「未知階段」と名付けてみた。 小学生の頃までは、まだ“未知階段”が目の前にあることさえ知らなかった。今の自分が遠い未来の自分に繋がっていくなんて考えたこともなく、明日の日課表と給食の献立がその時の人生だった。そしてピアノが好きだった私は、何も疑うことなく毎日ピアノを弾いていた。昨日弾けなかった部分が弾けるようになったり、家族に拍手をもらったり、それが何より嬉しかった。 しかしそんな日々は束の間、私は歳を重ねるにつれて“未知階段”を歩いていることを知る。ピアノを練習すればするほどレッスンも練習内容も本格化する。遊ぶよりピアノ、勉強するよりピアノだった。私はピアノ以外に何をしてきたんだろう。何を得て過ごしてきたんだろう。なんとなくピアノが好きで続けてきただけなのに、知らないうちに、気づけば引き返せないくらい狭くて長い一本道の途中にいることを実感した。 そんな“未知階段”の途中では、想定外なことも起こる。高校生の終わりの頃、ピアノを弾き続ける日々の息抜きに曲作りをはじめ、作曲の楽しさに魅了された。24時間あっても足りないほどピアノの宿題は山ほどあるのに、曲を作って歌詞を書き、こっそり歌を歌う時間があまりに楽しい。ただの趣味だと自分に言い聞かせながら、頭のどこかで、作った曲を多くの人に聴いてもらう将来の自分を想像してしまうようになった。それまで視野にも入れていなかった意外な場所に自分の新しい扉を見つけた感覚だった。 <だから今日を 信じてみるよ> 人生は本当に様々なできごとが起こる。遠回りをした上に引き返すこともある。思わぬ良いニュースが舞い込む。聞きたくない言葉を耳にする。めまぐるしく回る毎日の中で、時に無意識に、時に心を決めて自分の道を進んでいく。この人生の正解を知る人がいないのならば、自分の信じたものを正解にしてしまおうと思った。 これからも、失敗したり間違えたりすることもあるだろう。また時々、自分の選択した道について悩む日がくるかもしれない。Kitriになっていない人生を選び直すことはできないし、想像することも難しい。 それでも、Kitriを結成できて生まれた音楽があり、出会えた人たちがいるんだから。「Kitriの曲に救われました」そんな温かい言葉をかけてもらえるんだから。これもきっと正解なんだろう。 <Hina> お気に入りの本を読み終え、なんとも言えない充足感に包まれた昨日。食後のチョコレート1粒に小さな幸せを感じる今日。明日はどんな出来事が待っているだろうか。 地球上の時間軸で考えた時、誰にも分からないのは明日のことだけである。分からないからこそ、未来は自由だ。自由だからこそ、希望も絶望も抱くことができる。その両者は結果を表しているのではなく、単なる人間の想像に過ぎない。何もかも上手くいかず人生のどん底にいた人も、明日になれば奇跡的なラッキーが待っている可能性だって大いにある。人生は未来が分からないからこそ面白いものだと思う。 私は、過ぎたことを後悔し、分からない明日を心配するより、今の自分を大切にしたいと考えるスタイルで生きている。好きなものに触れ、したいことをして、考えたいことを考える。今を楽しむという単純なことでも、明日に希望を見出すには十分だ。 <だから今日を 信じてみるよ> こうした私の考えを、たった12文字で言い表してくれたのはMonaである。2月24日に配信リリースした「未知階段」という曲の歌詞の最後の一行でこの言葉が出てきてくれて、思わず感謝の気持ちが込み上げてきた程だ。人生をテーマにした壮大なこの曲は、今から遡ること約4年、あの日から始まっていた。 「この動画、すごく魅力的だから見てほしい」と、ある日、Monaから一つの動画を紹介された。それは「就活狂想曲」と題されたアニメーション映像だった。就職活動を通して急速に変わり始める周りと、その変化に戸惑いながらも必死で前に進もうと孤軍奮闘する主人公の姿が描かれている。絵の動きや表情、色合い、音楽、一つ一つの細かな芸術が集まり、個性豊かな作品となっている。世の中を少し斜めから見たエッジの効いたストーリーも多くの人の共感を呼んでおり、私もその一人としてこの動画に魅了された。 それから数ヶ月が経った頃、新しい曲を書いたと言われ、Monaから音を受け取った。それが正に「未知階段」である。前述の動画からインスピレーションを受けて書いたというこの曲は、ドラマチックな展開と、より奇抜で尖ったピアノと歌のメロディが心の奥を素手で掴んでくる。そんな曲だと私は感じた。 その時期、まだ私たちは“Kitriらしい音楽”というものを模索中だった。どんな音楽を届けたいのか、どんな音楽をKitriの代名詞にすれば良いのか、と。出来上がった「未知階段」のデモを何度も聴きながら、これはもしかすると、Kitriの第二章、いや第三章くらいを飾る一曲になるのではないかと考えた。 余談にはなるが、この曲があったからこそ「羅針鳥」という曲が生まれたのだと私は思っている。ある意味でKitriのデビューの第一歩はこの「未知階段」から始まっていたとも言えるかもしれない。そこから何度もブラッシュアップを重ね、温めて温めて温め続けて、ようやくリリースに至ることができる今、期待が私の胸を埋め尽くしている。 それにしても、この曲は私の中で、Kitri史上最も難しいと言える曲かもしれない。ピアノレコーディンクでは、数学の応用問題30問を5分で解きなさいと言われているような緊張感があった。初めて歌いながらピアノを弾いた時は、極小の歯車を噛み合わせなければならないような焦燥感があった。しかし今となっては、そういった難しさも楽しめるほど満足感を得られる曲になってくれている。 自分の人生には様々な人物が登場する。家族、親戚、友人、恩師、仕事仲間、応援してくれる人、見知らぬ誰か…。出会ってきた全ての人の行動が自分の人生に作用し、そしてまた自分も全ての人の人生に作用しているのかと思うと、何となく身の引き締まる思いがする。 私の目標は、人生という未知なる階段を楽しみながら登っていくことだ。そこですれ違う人々と言葉を交わし、縁を紡ぎながら、階段の先にある色々な扉を開けてみたい。希望ある未来を想像しながら、今日も今日の私を信じてみよう。 <Kitri> ◆紹介曲「 未知階段 」 作詞:Mona 作曲:Mona ◆セカンドフルアルバム『Kitrist II』 2021年4月21日発売 CD+Blu-ray COZB-1741-2 ¥5,000(税込) <収録曲> 1.未知階段 2.人間プログラム 3.青い春 ※TBS系テレビ「ひるおび!」4月度エンディングテーマ 4.NEW ME 5.羅針鳥(S.A. Rework) 6.小さな決心 7.水とシンフォニア 8.赤い月 9.パルテノン銀座通り 10.Lily 11.君のアルバム

    2021/04/14

  • Hi Cheers!
    人は前に進むためにちゃんとお別れをするのだ
    人は前に進むためにちゃんとお別れをするのだ

    Hi Cheers!

    人は前に進むためにちゃんとお別れをするのだ

     2021年4月7日に“Hi Cheers!”が新曲「monologue」を配信リリースしました。同曲は、白石聖が主演のドラマ『ガールガンレディ』主題歌、Hi Cheers!としては初の書き下ろし楽曲です。月川玲(Ba&Vo)とChie(Gt&Vo)がメインボーカルを務める、儚くも切ないドラマの世界観とマッチしたミディアムバラード楽曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Hi Cheers!”の高村風太による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「 monologue 」に通ずるお話です。誰にでもいつかは必ず訪れる別れ。だからこそわたしたちが大事にすべきものとは…。是非、大切なひとを思い浮かべながら、このエッセイと歌詞を読んでみてください。 ~歌詞エッセイ:「 monologue 」~ いつの間にか時は過ぎて気付かぬうちに僕らの前を通り過ぎている。ハッと振り返った時には、祭りの後で残り香のようなものだけが漂っている。 人はやたらと別れというものを明確にしたがると僕は思う。いつの時代も失恋のうたがあって、式典としての卒業式のようなものがあったり。また絶対会おうね!!と言って別れるが、果たして本当にまた会えるのだろうか。 正直、いろんな便利なものを使えば、何年も連絡を取っていない人に対してもコミュニケーションをはかれるし、ましてや共通の友人等がいれば、嫌でも何かしらの近況のようなものを小耳に挟む機会は何かとある。 ただひとつ死別というものを除いて。 僕はまだ強烈な体験としての死別というものに対峙したことはない。祖父、祖母との別れは経験として持ち合わせているが、基本的に年長の家族というものは自分より先に旅立ってしまうし、そうあって然るべきだ。 ただ、全く予期せぬ別れというものに遭遇した時、自分の感情はどうなるのであろうか。自分の中に確かにその人というものが存在していた分、ぽっかりと穴が空いてしまい、そして、その穴が二度と埋まることはないのであろう。ましてちゃんとお別れができず、いつの間にか目の前からいなくなってしまうこともあるだろう。さよならとありがとうも伝えられずに。 僕らは生活の中で明確に別れというものを意識すべきなのだと思う。出会った時点で確実にその終着点は別れなのだ。だからこそ、寄りかかりあう心地よさをより一層感じることができ、お互いがお互いをより一層分かろうと努力できるのではないかと。そして、いつの日か、ここから先は一緒には行けないということに気づきお別れをする。その別れの先にまた新しい出会いがある。 あたらしい自分 あたらしい世界 歩んできた道のりに対して、まったくの未練がないといえば嘘になるだろうが、道が切り替わったのではなく、確かに続いている決して途切れることのない道を歩いているのだから。 人は前に進むためにちゃんとお別れをするのだ。もう今までのようにそばにいることはできないかもしれないけれど、そこまで大切に思える人に出逢えたことがなによりも幸せなことだと思って、ただ先の見えない道をこれからも一人歩いていく。 終わってしまうその日まで。 <Hi Cheers!・高村風太> ◆紹介曲「 monologue 」 作詞:高村風太 作曲:高村風太

    2021/04/13

  • FIVE NEW OLD
    アイスが溶け切る前に。
    アイスが溶け切る前に。

    FIVE NEW OLD

    アイスが溶け切る前に。

     2021年4月7日に“FIVE NEW OLD”がニューアルバム『MUSIC WARDROBE』をリリースしました。KOSE『SUNCUT(R)プロディフェンス』CMソング「Summertime」、アサヒ『MINTIA』CMソング「Breathin’」、ECC ジュニア CMソング「Light Of Hope」のタイアップ3曲と、HIROSHI(Vo/Gt)も出演のドラマ『3Bの恋人』主題歌「Hallelujah」他、初めての日本語詞曲「Vent」、coldrain Masato をゲストボーカルに迎えた「Chemical Heart (feat. Masato from coldrain)」など、彼らの今が詰まった、聴き応え十分なアルバムが完成!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“FIVE NEW OLD”のHIROSHI(Vo/Gt)による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、今作『MUSIC WARDROBE』に宿っている実体験のお話です。当たり前だった日常がガラリと変わったコロナ禍。彼は一体どのように過ごし、どのようなことを考えたのでしょうか。是非、楽曲と併せてこのエッセイもお楽しみください。 ~歌詞エッセイ:「アイスが溶け切る前に」~ 仕事帰りにピスタチオアイスを買った。今、机の横で少しずつ食べごろを迎えようとしている。これを書き終えたら、寝る前にそれを口の中で溶かし、甘い余韻を、歯磨き粉で上塗りしてから床に入ろうという算段だ。アイスの食べごろを逃さぬよう、テンポよく筆を進めねば…。 とは言ったものの、さて何を書こうか。エッセイのお話を頂いて、他のアーティストさんのものを拝読してみたが、まぁ、皆さんの文才の凄まじいこと…!「どないなってんねん!? 皆さん前世か、前職で小説家なさってたんですか?」と、レベルの高さに舌を巻きながら、楽しく読ませて頂きました。…なんて事を言って少しでも文章量を増やそうとしている自分の姑息さは、大学のレポートを白目剥きながら書いていた頃からちっとも変わらないみたいです。お母さん。 アイスが溶けてしまいそうなので、本題に入ろう。 2020年、コロナ禍の世界。FIVE NEW OLDは10周年のアニバーサリーライブを皮切りに、オリンピックイヤーの勢いに任せてどんちゃん騒ぎしてやろうと思っていたのだが、そんな計画などお構いなしに、世界はコロナウィルスの脅威に晒され、当たり前だった日常をガラリと変えた。ライブはもちろん、今まで通りの暮らしを送ることも、友達に会うこともままならない日々。 10年続けてきた音楽漬けの毎日からポッと放り出された僕は当初、この状態が長く続くとは思わずにインドアな非日常を楽しんでいた。家事を放棄してオンラインゲームに没頭し、「Uber Eatsありがてえええ!」と運んで頂いた料理で腹を満たす日々。心の片隅、薄眼でこちらを睨む「罪悪感」をやり過ごしながら、「まぁ、こんなん今だけやしな。」と自堕落の沼に埋もれていた。 ところが、ご承知の通り世界は元に戻らなかったのである。なぜ、どこから湧いてくるのか解明できない謎の「罪悪感」はジワジワと膨れ上がり、自堕落な日々にその「価値」を問いかけ始める。 「俺は一体、何してんだ?」と。 こうなってくると心身ともによろしくないので、何か始めなくては行けないのです。 「さよなら、全ての自堕落。」 ようやく自分の本分を思い出し、曲を作り始めた。 「こんな状況の中で、戦っている人がいるんやなぁ。」とか、「きっと俺みたいに、腐りかけてる人おるんやろうなー。」とか、人に会っていないのもあり、いつも以上に人に想いを馳せやすかったのだろう。「ライブも出来ないし、直接ファンの人達に会いに行けないなら、会いに行ける音楽を作ろう。」ふと、心にそんな気持ちが芽生えてきた。 そこから、メンバーと久々に会って想いを交わして、曲を作り始めた。スタジオに入って一緒に音を鳴らす。それだけで幸せが湧き上がってくる。忘れかけていた熱を取り戻したような感覚だった。アルバムの制作に向けて、自分たちのプライベートスタジオを作り、4人でそこに集まって制作をすると、音を紡いでいくのが楽しくて、嬉しくて、おもちゃで遊ぶ子供みたいだった。 腐りかけていた僕は、このアルバムを作る事で救われていった。 その後の暮らしは自堕落でいることは減っていった(たまにはあったけど)。せっかく時間があるからこそ、手間をかけて暮そう。久々にレコードを集めて見つけたフランク・シナトラの「Fly Me to The Moon」は、リビングをラウンジのように優雅にしてくれる。自分でコーヒーを淹れたくなって、初めて豆から挽いてみたら、まさに「月にだって飛んでいけそう」な幸福感だった。 デジタライズされて簡単にできる事に敢えて自分で手間をかけ、その時間を味わう。それだけで人生には贅沢な幸せが山ほど転がっているのだ。日常を音楽はよりドレスアップしてくれるとフランク・シナトラは教えてくれた。 今回生まれた『MUSIC WARDROBE』には僕自身のそんな実体験が宿っている。幸せな時も、辛い時も、音楽を暮らしの中で身に纏えば、心が、人生が動きだす。効率や、必要性だけじゃない大切なものがある。 さて、そろそろアイスは食べごろだろうか? この先ピスタチオアイスを食べる度に、僕はこのエッセイを思い出すだろう。今回のエッセイは僕にとってピスタチオアイスを美味しくいただく為の「ひと手間」なのだから。 それではこの辺で失礼。 <FIVE NEW OLD HIROSHI(Vo/Gt)> ◆ニューアルバム『MUSIC WARDROBE』 2021年4月7日発売 初回限定盤 WPZL-31819/20 ¥4,500+税 通常盤 WPCL-13280 ¥3,000+税 <収録曲> 1 My house 2 Summertime 3 Breathin' 4 Hallelujah 5 Sleep in Till The Afternoon 6 Don't Be Someone Else 7 Oblivion 8 How to Take My Heart Out 9 Nebula 10 Chemical Heart (feat.Masato from coldrain) 11 Knock Me Out 12 Plane Garden 13 Light Of Hope 14 Vent 15 Moment 16 Awakening

    2021/04/12

  • みきなつみ
    「前を向いてこう!」って言葉の呪縛。
    「前を向いてこう!」って言葉の呪縛。

    みきなつみ

    「前を向いてこう!」って言葉の呪縛。

     2021年4月7日に“みきなつみ”がデジタルシングル「ウシロマエ」をリリースしました。周りから見たら後ろ向きに進んでるような日々も、自分にとって前向きであればそれでいい。そんな気持ちが込められている応援ソング。尚、ジャケットは前作に続き、80~90年代のイラストで話題になっているイラストレーター“火曜び”が担当しております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“みきなつみ”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「 ウシロマエ 」のお話です。ステイホーム期間、ひとりきりで考える時間やSNSを見る時間が長くなっているからこそ、どうしても誰かと比べてしまう。自分がダメに思えてしまうあなたへ。この曲とエッセイが届きますように…! ~歌詞エッセイ:「 ウシロマエ 」~ お久しぶりです! みきなつみです。 また、こうやってエッセイを 書かせてもらえること 本当に嬉しいです。 ありがとうございます。 そして、読んでくれてありがとう。 本当に本当にありがとう。 今日は、新曲「ウシロマエ」 に、ついて書いていきます。 この曲はコロナ禍の私のモヤモヤが 原動力となって産まれた言葉たちが つまって一曲となっています。 いきなりですが、皆さん。 自粛期間どうお過ごしでしたか。 私は、と、いいますと、、、 毎日、アニメ、韓ドラ、映画を見まくり 合間(逆だろ)に曲を作り 楽しみといえば、ご飯を食べること。 はい。そうです。単刀直入に言いましょう。 私は高校生のピークに達する手前まで 太りました!!!!!はい!!! 正直に言いましょう!太りました! ちゃんと「コロナ太り」という波に 浮き輪でぷかぷか流されていったとさ。 (何も言うな!!!何も言うでない! 元々丸いのは知ってるよ!!! 心にしまってくれええええ) まあ、そんなこんなでSNSをひらけば メジャーデビューが決まった友達。 (ツアーが延期になった私。) 結婚した友達。(失恋してる私。) コロナ痩せしてる友達。(ちゃんと太った私。) あれ、、、、私、、、 何してんだあああああ ばかばかばかああああ と、絶望していました。 思えば私の人生、 自分だけがダメに思える瞬間が沢山あって、 その度に悔しくなったり、悲しくなったり。 でもそれも「私なんだ!」と 受け止めて動き出す勇気がなかったんです。 「ダメな私」だからと諦めてしまった。 そうやって自分と向き合うことから逃げてしまった。 そんなコロナ禍に 「前を向いてこう!」 「きっと、大丈夫!」 なんて言葉が溢れていたけれど 正直どれもしっくりこなかったんです。 みんなの言ってる「前」って どこなの? 「誰が前を決めるの?」って。 そう考えていた時、 私にとっての「後ろ」が、 誰かにとっては「前」だったり 私にとっての「前」は 誰かにとって「後ろ」なのかも。 って気づいたんです。 そしたら身体がフッと軽くなって 「私が思う"前"に進めてれば いいじゃない。」 と、思えるようになりました。 あの子にならなくてもいいから 私が好きでいられる私になりたい。 自分の為の前を向きたい。 そう思ってできた曲です。 この曲が誰かの前に進む勇気に 寄り添うことができたら 私にとっての前進になります。 P.S 本当に大切な曲が産まれました。 1日1万回聴いてください。 そして痩せます、、。 (真面目です。) ここに私の決意を残しておきます。 最後の最後まで読んでくれて ありがとう。 <みきなつみ> ◆紹介曲「 ウシロマエ 」 作詞:みきなつみ・佐伯youthK 作曲:佐伯youthK

    2021/04/09

  • SPiCYSOL
    ミュージシャンとは縁を好む生き物である。
    ミュージシャンとは縁を好む生き物である。

    SPiCYSOL

    ミュージシャンとは縁を好む生き物である。

     「The Surf Beat Music」を掲げ、Rock、レゲエ、R&B など様々なジャンルの要素が入り混じった新しいサウンドに、CityとSurfが融合する新世代ハイブリッド・バンド“SPiCYSOL”が2021年4月7日にリリース、デジタルEP『ONE-EP』を提げ待望のメジャーデビュー!今作にはメジャー第1弾作品として込められた、それぞれ「ONE」というテーマに基づく全3曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作から、“SPiCYSOL”のボーカル・KENNYによる歌詞エッセイを2週連続でお届け。今回はその第2弾。茅ヶ崎に移住し、メジャーデビューという新たなスタート地点に立ったSPiCYSOLの決意を込めた「 From the C 」ついてのお話です。是非、歌詞と併せてお楽しみください…! ~歌詞エッセイ第2弾:「 From the C 」~ SPiCYSOLは『To the C』というミニアルバムでデビューした。ただの海(Sea)ではなくCaliforniaのビーチにいるようなカラッと気持ちの良いサウンドをみんなに届けられるように、という思いからアルファベットのCを使いそれをミニアルバムのタイトルとした。 今思えばそれは必然だったのかもしれない。デビューから約8年の月日が経ち、僕は今、茅ヶ崎というアルファベットにすると頭にCの付く海沿いの街に住んでいる。 茅ヶ崎に移り住んだ理由は特になかった。海沿いの街に住もうとはしていたが、初めは鎌倉でも逗子でも良かったし、もちろん千葉や他の場所も考えていた。きっかけは、家の解約日に横にいた先輩。これだけ。 ライブ続きで新居が決められないまま解約日を迎えたその日もちょうどライブで、そのライブを観に来てくれた先輩が「家の庭にエアストリーム(お洒落なキャンピングカー)があるから、次の家が決まるまでそこに住んでもいーよ」と冗談半分に言ってくれた言葉を本気にした。アウトドアが好きで、以前からエアストリームにも住んでみたいとずっと思っていた。海沿いにも住めるし一石二鳥じゃんって事で遠慮なくお邪魔させてもらう事にした。 ミュージシャンとは縁を好む生き物である。 家の解約日に現れた先輩が誘ってくれた街、そこが茅ヶ崎というCの付く街だったのだ。住んでみて分かったことは、海や自然に近く、街の雰囲気もよく、個人経営の店が多く皆フレンドリーでかつ味も美味い。 北海道という田舎出身の僕からするととても心地良く、音楽を制作するのにも最高の環境だった。誰とは言えないが仲間のミュージシャンやアーティストも沢山住んでいる(笑)。好きな店で好きな仲間たちとカラオケをしたり、茅ヶ崎の小道やビーチを散歩していると、ふと洋楽好きの両親が唯一聴く邦楽といえばもっぱらサザンオールスターズだったことを思い出す。サザンオールスターズの桑田さんも茅ヶ崎出身のアーティスト。 ミュージシャンとは縁を好む生き物である。 そんな順風満帆な茅ヶ崎ライフを送っている最中、世界がコロナに襲われた。予定してた全国ツアーは全公演中止、他のアーティストもみな活動休止を余儀なくされ、しばらくの間、世界からライブが消えた。 世間が少し落ち着きを見せ始めた時、「ライブが出来るかもしれない」と事務所から連絡が入った。『To the C』リリースからずっと応援してくれてる人達のおかげで無事C(茅ヶ崎)に辿り着いた俺たちは、活動再開の喜びと感謝の思いを込め、“再びここから”という意味で『From the C』というライブタイトルをつけ、さらにメジャーデビューも重なるこのタイミングに「From the C」という曲を書き下ろした。曲中には茅ヶ崎のお世話になってる店やスポットが登場してるので、ぜひ遊びに行ってみてほしい。 2020年、大変な事になった世界だが、見えたことも沢山ある。無くなったものもあるが、それは悲しいことだけじゃない。全てはあなたの目の前から変えられる。今から。ここから。そこから。From the C(See)。 <SPiCYSOL・KENNY(Vo.)> ◆メジャー1stデジタルEP『ONE-EP』 2021年4月7日発売 ◆紹介曲「 From the C 」 作詞:KENNY 作曲:SPiCYSOL

    2021/04/08

  • Panorama Panama Town
    この4曲、あなただったらどんなタイトルをつけますか?
    この4曲、あなただったらどんなタイトルをつけますか?

    Panorama Panama Town

    この4曲、あなただったらどんなタイトルをつけますか?

     2021年4月7日に“Panorama Panama Town”がNEW EP『Rolling』をリリースしました。12月にリリースした「Sad Good Night」、2月リリースの「Rodeo」、そして「SO YOUNG」に新曲「氾濫」を加えた全4曲を収録。すべての楽曲を石毛輝(the telephones、Yap!!!)がプロデュースを手掛けております。彼らの音楽をじっくりとご堪能あれ…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Panorama Panama Town”の岩渕想太による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、NEW EP『Rolling』のタイトルに通ずるお話。今作に収録されている4曲にはどんなテーマが共通しているのか。どんな想いを込めたのか。是非、みなさんも4曲の歌詞を読み、曲を聴いた上で、それぞれのタイトルを想像してみてください。 ~歌詞エッセイ:『Rolling』~ 毎度のことだが、タイトルを考えるのには苦労する。曲のタイトル、アルバムのタイトル、ライブのタイトル。バンドマンってのは、楽器を弾き、歌を歌い、タイトルを考える生き物だ。 曲のタイトルは、作る段階から決まっていたりすることが多いし、比較的決まりやすい。だけど、アルバムやEPのタイトルとなると厄介だ。いくつかの曲の中から共通項を探ったり、それらをまとめあげる言葉がどこかにないか探していく。 そして、大体決まって俺はタイトル決めの過程で、そんな言葉あってたまるかとやけになる。そんな言葉が存在しないから曲を作ったんじゃないか、何が包括だドアホと、思考が一周したところで、「さすがにそろそろタイトル欲しいです」とスタッフに脅されて、渋々決着する。毎回、納得はしてるのだけど。 タイトルを決めるってのは、カメラを置くって行為に似ていると思う。駅前通り、空は青空、キャッチの兄ちゃん、タクシーの運転手、ドラッグストア、手を繋ぐカップル。そのどこに、スポットを当てるか。また、何を見逃すか。言葉にするって行為からしてそうなんだけど、タイトルを決めるってことは即ち、何かを見逃すことだ。いくつかある曲の中から、何かしらの要素を選択し、何かしらの個性を見逃しながら、タイトルをつける。そうか、だから俺はなかなかタイトルがつけれないんだなあ。なんて自己弁護してみる。 今回のタイトル決めも、例によって難航した。速い曲もあれば、ミディアムテンポの曲もある。やかましい曲から、大人しい曲もある。どこにカメラを置き、何を見逃そうか、いつも通り悩みに悩んだ。 結局、1ヶ月に渡る思考合戦(考えてるフリ)の末、辿り着いたタイトルは『Rolling』だった。それは、自分の作詞用ノートブックをパラパラとめくっていたら見つけた言葉だ。去年の秋、全曲が形になりかけたプリプロの時に、「これはなんかRollingっぽい」と思って、メモしていたんだった。 去年1年は、バンドにとって色々あって、転がり続けているような毎日だった。試行錯誤しながら、自分たちにできることを考えていく。でも、転がらなきゃ見えてこないものばかりで、これからも転がり続けようと決意した一年でもあった。 なんて意味合いも、もちろんあるんだけど、『Rolling』にした一番の決め手は文字の形かもしれない。4曲並べて、そこに『Rolling』って言葉を置いた時に、とてもしっくりきた。4曲全てに、通底するテーマのような気がしたし、そこにあるべき言葉のような気がした。こういう感触は大事にしたい。 むしろ、聴いた人によるタイトルも聞いてみたいと思う。この4曲、あなただったらどんなタイトルをつけますか? 何はともあれ、音源は完成した。タイトルがつくってことは、手渡せるってことだ。再始動したPanorama Panama Town、1作目『Rolling』多くの人に聴いて欲しいです。そして、ここまで4本のコラムを書かせてくれた歌ネットの皆さんに感謝しております。 <Panorama Panama Town・岩渕想太> ◆New EP『Rolling』 2021年4月7日発売 AZCS-1098 ¥1,500(tax in) <収録曲> M1.Sad Good Night M2.Rodeo M3.氾濫 M4.SO YOUNG

    2021/04/07

  • いーどぅし
    私たちの音楽を通して、少しでも沖縄を届けられたら。
    私たちの音楽を通して、少しでも沖縄を届けられたら。

    いーどぅし

    私たちの音楽を通して、少しでも沖縄を届けられたら。

     2021年2月10日“いーどぅし”がニューアルバム『HOPE』をリリース!沖縄県出身の“かーなー”と“なみなみ”によるポップス・デュオ。今作には、BEGIN・島袋優をプロデューサーに迎え、Kiroro・金城綾乃や多くのミュージシャンが参加。心揺さぶられるアルバムが誕生いたしました…!是非、彼女たちのあたたかな歌声をご堪能ください。    さて、今日のうたコラムではそんな“いーどぅし”による歌詞エッセイを3ヵ月連続でお届けいたします。今回はその最終回。かーなーとなみなみ、お二人にそれぞれの今の気持ちを綴っていただきました。彼女たちの言葉から、歌声から、音楽から、沖縄の風があなたへ届きますように…! ~歌詞エッセイ最終回~ はいたい!いーどぅしのかーなーです。 はいたいとは沖縄の方言で 「こんにちは」を意味する言葉。 男性は、“はいさい” 女性は、“はいたい”と使われます。 早いもので、歌ネットのコラムも第3弾。 私にとって歌ネットは、日常にある身近な存在で。 なんというか、短編小説の代わりのような。 色々なアーティストさんの歌詞を一つの物語として 日頃から楽しませて頂いています。 1人のアーティストとして、言葉を発信し、 1人の聞き手として、言葉を受け止める。 その時その時の経験、感情から生まれる言葉を 常に大切にしながら、言葉と共に生きていき、 言葉の中で成長して行きたい。 そういった意味でも、 今回発売したアルバム『HOPE』は、 コロナ禍の現状で生まれた曲にこだわり、 強がりを捨て、素直な気持ちを歌にしました。 2021年。25歳の今、伝えたいこと。 きっとこの先、30歳になっても、40歳になった日でも、 同じ歌詞は書けないし、 同じメロディーも浮かばないと思います。 私たちいーどぅしの音楽を 受け止めてくれる人達を大切に、 これからも音楽を発信していきたいです。 かーなー(いーどぅし) はいたい!いーどぅしのなみなみです。 早いことに歌ネットのコラムも第3弾。 皆さん私たちのNEW ALBUM『HOPE』は 聞いていただけたでしょうか? たくさんの反響を頂いてとても驚いております。 本当にありがとうございます。 最近仕事で地元沖縄に帰ることがあり、 那覇行きの飛行機は満席。 羽田への戻りの飛行機も満席で正直驚きました。 私が素直に思ったことは、 皆さんが沖縄を求めるように、 私たちいーどぅしも皆さんに求められる そんなアーティストになりたいということです。 今回沖縄に帰ってライブをしたのですが、 会場いっぱいのお客さんの数、 マイクを通してスピーカーから出る大きな音、 お客さんの目を直接見て歌える幸せ。 今まで当たり前に出来ていたライブは 自分の中でこんなにも大切な、 無くてはならないものなんだと身にしみて感じました。 まだまだコロナは落ち着かないけれど、 私たちの音楽を通して 少しでも沖縄を届けられたらなと思います。 なみなみ(いーどぅし) <いーどぅし> ◆ニューアルバム『HOPE』 2021年2月10日発売 ASCU-6110 ¥2,500 (税込) <収録曲> 1.Hope 2.便座 3.アナタにアイタイ 4.真夜中のウチナーンチューン 5.キミの島 6.かなさんどー(いーどぅしVer.) 7.雄飛 8.エンディングサーサー 9.マタハーリヌ [Bonus track.]世界はおくりもので出来てる(いーどぅし×HoRookies)

    2021/04/06

  • FINLANDS
    戻りたくはないけれど思い出として存在してくれてありがとう。
    戻りたくはないけれど思い出として存在してくれてありがとう。

    FINLANDS

    戻りたくはないけれど思い出として存在してくれてありがとう。

     2021年3月24日に“FINLANDS(フィンランズ)”が3rd Full Album『FLASH』をリリース!これまで年間100本近いライブを行ってきたFINLANDSが、ライブハウスにほぼ立つことすらできなかった2020年。さらにリリースの延期、大規模なツアーの中止を経験する中で込み上げる様々な想いを込めた10曲を12月に都内でレコーディング。CD化を切望されていた「USE」「SILVER」「HEAT」と楽曲を加え、全13曲のフルアルバムが完成しました…!    さて、今日うたコラムではそんな“FINLANDS”の塩入冬湖による歌詞エッセイを3週連続でお届けいたします。今回はその最終回。綴っていただいたのは、収録曲「 ランデヴー 」に通ずるお話。今思えばろくでもないかもしれないけれど、周りから見たら無様だったかもしれないけれど、それでも愛おしく大切な思い出、みなさんにもありませんか…? 是非、歌詞と併せてこのエッセイをご堪能ください。 ~歌詞エッセイ最終回:「 ランデヴー 」~ 取り立ての免許で半同棲の恋人と要らないものを買いに行く深夜25時半のドンキホーテの安い香水の匂い。あぁ、何てノスタルジーなんだろうか。 あの10代の終わりから20代前半の日々は私にとって何よりノスタルジーを具現化した日々だった。 煌びやかな夜も終わりかけた24時過ぎに「要らない物を買いに行く」ただそれが美しかった。 店内では幾つもの香水が混ざり合った独特の匂いが放たれており、激安と張り紙のされた無くてもいいけどあったら素敵。という商品が無数に陳列されている。そこから選んだ幾つかをどうせ自堕落であろう二人の明日の為に購入し黄色いビニール袋に詰め込みR246を走って帰るんだ。 当時、私は一人暮らしをしていて、その家に恋人が転がり込む形で生活をしていた。あの部屋が私達のハリボテのアジトであって、あの部屋は世界中そのものだった。 だからあの世界を彩る事にかけては手を抜かなかったんだろう。どんな些細な欲でも満たせるようにと数の少ない選択肢の中、万全の手段を持っていたような気がする。 お金も無いのに、明日のバイトもどうせ遅刻しちゃうのに、あったら素敵じゃない? 持ちたてのクレジットカード切っちゃおうか? ろくでもないね、でもこの真夜中の逃避行には何者も敵わないのよ。 これが私達の中では言葉に成らずとも常套句として存在していたはずだ。 今思えば人としては大不正解である。迷惑をかけるな、計画的に生活をしろ、金がないなら働け、バイト休むな、そもそも部屋狭いのにカラーボックスばかり買うな、恋人にも家賃払わせろ、馬鹿が。と思う。 ろくでもない生活に何一つ頑張る事もないくせして、身の程知らずな期待を明日にかける二人の構図は無様だった。 だけどあの頃の大失敗の大不正解の毎晩のランデヴーは私の身体の栄養になり、ノスタルジーとなって正解の思い出となっているんだから不思議だ。 先日、仕事が終わってヘトヘトながら洗剤を求め向かった夜中のドンキホーテはしっかりと生活を支える便利なディスカウントショップだった。なんだか、私はドンキホーテの使い方が下手くそになった気にさえなった。 もう戻らないであろうあの無様なランデヴーがなんて、あぁ、なんて愛おしいんだろうか。まぁ、戻りたくはないけれど思い出として存在してくれてありがとう。と思うばかりだ。 ドンキホーテにいる恋人達、そして私のノスタルジーへ歌うランデヴーという歌です。 平塚のドンキホーテ様、本厚木のメガドンキホーテ様、大変世話になりました。 <FINLANDS・塩入冬湖> ◆紹介曲「 ランデヴー 」 作詞:塩入冬湖 作曲:塩入冬湖 ◆3rd Full Album『FLASH』 2021年3月24日発売 <収録曲> 01.HOW 02.ラヴソング 03.HEAT 04.テレパス 05.Stranger 06.ナイトハイ 07.ランデヴー 08.ひかりのうしろ 09.Silver 10.Balk 11.UNDER SONIC 12.USE 13. まどか(FLASH ver. )

    2021/04/05

  • 関取花
    それでいい、それがいいのよ。
    それでいい、それがいいのよ。

    関取花

    それでいい、それがいいのよ。

     2021年3月3日に“関取花”がメジャー1stフルアルバム『新しい花』をリリースしました。今作には、タイトル曲「新しい花」のほか、「太陽の君に」や「逃避行」「今をください」「あなたがいるから」、2014年に発表された「私の葬式」のバンドバージョンなど、ボリュームたっぷりの全13曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“関取花”による歌詞エッセイを4週連続でお届け!今回はその最終回。綴っていただいたのは、収録曲「 私の葬式 」に通ずるお話です。いつかは必ず訪れる、大切なひととの別れの日。そのとき、わたしたちはどんなことを思うのでしょうか。そしてあなたが旅立つとき、どんな景色が見えるのでしょうか。是非、歌詞と併せてこのエッセイを受け取ってください。 ~歌詞エッセイ最終回:「 私の葬式 」~ 私はこれまで30年間生きてきて、数えるほどしか葬式に参列したことがない。大切な人が亡くなるのは、当たり前に悲しい。だからできれば、この先もう二度と行くことがなければいいのにと思う。そうは言っても命には限りがあるので、きっとどんどん機会は増えて行くのだろう。 テレビのニュースで誰かの訃報を目にするにしても、今となっては大抵が知っている名前だ。リアルタイムで見てきた方々の名前が流れるようになったのはいつ頃からだろうか。20代前半までは、まだまだ知らない名前が多かった気がする。自分が年々歳を重ねているということは、当然他のすべての人々も同様に歳を重ねているということだ。時の流れは早い。恐ろしいほどに早い。 最近、時々思うことがある。私は現在都内で一人暮らしをしていて、実家に帰って両親とゆっくり時間を過ごすのは年に数回ほどだ。忙しかったりタイミングが合わなかったりすると、年末年始だけになってしまう時もある。そうなると、現在還暦の両親が100歳まで生きるとして、仮に私が今後一年に一回しか帰れないとしたら、単純計算であと40回しか会えないということになる。おはようもおやすみも、ありがとうもごめんねも、数えるほどしか言えないかもしれない。そう思うと急に不安になる。 あまり悲観的になるのも良くないことはわかっている。でも、考えておくからこそできることもある。もちろん一番はたくさん両親に会ってできるだけ話をすることなのだが、自分には自分の人生があるし、やりたいこと、やらねばならないこともたくさんあるので、そんなに頻繁には実家へ帰れない。じゃあどうするか。少ない回数でも、確実に思い出を残して行けばいい。 少し前から、私は実家に帰る時には必ずフィルムカメラを持って行くようにしている。写真を撮るだけならスマホのカメラでも良いのだが、別にキメ顔を撮りたいわけではないし、何かの記念に写真を残したいというわけでもないので、撮り直しはむしろしたくない。何気ない今の一瞬を、当たり前の表情を、瞳に焼き付けたそのままの温度で残しておきたいだけなのだ。私が欲しい思い出とは、そういうものたちだ。ちなみに色々試した結果、最近は写ルンですを愛用している。他のカメラに比べて相手を構えさせないからとてもいい。 先日カメラを現像に出したら、料理中の母の写真が出てきた。年末年始に実家で撮ったものだと思う。それはもう見事なブレっぷりで、「キッチンという狭い空間でこんなに早く動くことある?」と思わず言いたくなってしまうような写真だった。半端ない躍動感がなんだか面白くてクスッとしてしまうと同時に、母は私たちが思っている以上のスピードと手際で、日々いろんな作業をこなしてくれていることにあらためて気付かされた。まあ、それにしてもなブレっぷりだったけど。風か? ってくらい。 ソファの上でゴロゴロしている父の写真もあった。仰向けになって足を組み、何やらスマホをいじっている。べつになんてことない写真なのだが、見ているうちに普段私が自分の部屋でスマホをいじる時とまったく同じ体勢だということに気が付いた。組む足も角度もまったく一緒。仕事で外に出る時はシャキッとスイッチを入れるくせに、ひとたび家に帰ると途端に気が抜けてしまうところとか、やっぱりそっくりである。写真には残っていないが、いつもの感じだとしたら、このあと立ち上がる時絶対に「イテテテテ……」と言っていたはずである。変な体勢でいるからすぐに足が痺れるのだ。そこらへんも私と同じである。おかしいなあ、実家にいた時はこのだらしない父の姿を見るたびにイライラしていたはずなのに。いやはや、血は争えないものである。 なぜ、これらの瞬間を写真に残そうと思ったのか、どうしてカメラを構えたのか、そんなこと全然覚えていない。特に意味なんてないのだろう。誰に見せるわけでもないから、構図や色味を気にしているわけでもない。絵になっているかと言われたら、なっていない。でもいいのだ。「お母さんってこういうところあったなあ」「お父さんって意外とこうなんだよなあ」と、両親と過ごした何気ない日常に溢れていた小さなエピソードたちが、一枚の写真から溢れ出す。自分の顔がほころんで行くのがわかる。いつか両親とさようならをする時に思い出すことは、結局こういうことたちなんだろうなと思う。そしてもし自分がこの世にさようならをする時が来たとしても、見送る人たちにはやっぱりそういう瞬間を思い出してほしいなと思う。 涙なんていらないわ 青い雲もいらないわ 笑い声を空に飛ばしてよ それでいい それがいいのよ 涙なんていらないわ 白い花もいらないわ むかし話に花を咲かせてよ それでいい それがいいのよ 形式ばった挨拶をするよりも、黒い服をその日のためにわざわざ準備するよりも、そんな時間があるなら、私のどうしようもないエピソードの一つや二つをどうか思い出してほしい。そして思い切り笑ってほしい。小さな話のタネがいずれ枝葉のように広がって、「そういえばあの時も」「よく考えたらあれも」と、私に関するくだらない話で大いに盛り上がってほしい。飲んで歌って空の向こうに聞こえるくらいまで騒いでほしい。そして最後に、「寂しいぞこのバカ野郎!」ってちょっと叱ってほしい。それでいい、それがいいのよ。 <関取花> ◆紹介曲「 私の葬式 」 作詞:関取花 作曲:関取花 ◆ニューアルバム『新しい花』 2021年3月3日発売 1. 新しい花 2. はなればなれ 3. 恋の穴 4. ふたりのサンセット 5. あなたがいるから 6. 逃避行 7. 太陽の君に 8. まるで喜劇 9. 女の子はそうやって 10. 今をください 11. スローモーション 12. 美しいひと 13. 私の葬式(バンドver.)全13曲収録

    2021/04/02

  • SPiCYSOL
    相手を愛しく思う瞬間を書こうと決めた。
    相手を愛しく思う瞬間を書こうと決めた。

    SPiCYSOL

    相手を愛しく思う瞬間を書こうと決めた。

     「The Surf Beat Music」を掲げ、Rock、レゲエ、R&B など様々なジャンルの要素が入り混じった新しいサウンドに、CityとSurfが融合する新世代ハイブリッド・バンド“SPiCYSOL”が2021年4月7日にリリース、デジタルEP『ONE-EP』を提げ待望のメジャーデビュー!今作にはメジャー第1弾作品として込められた、それぞれ「ONE」というテーマに基づく全3曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作から、“SPiCYSOL”のボーカル・KENNYによる歌詞エッセイを2週連続でお届け。今回はその第1弾。TELASA初オリジナルドラマ『主夫メゾン』の主題歌、バンド初となる書き下ろし楽曲「ONLY ONE」についてのお話です。是非、歌詞と併せてお楽しみください…! ~歌詞エッセイ第1弾:「 ONLY ONE 」~ この曲の制作は突然始まった。制作時期はちょうど僕らがメジャーデビューを控え、日夜チームで試行錯誤していた時だった。メジャーデビューのタイミングは大人的な事情はもちろん、デビューする本人にとっては人生をかけた勝負の一つのため、華麗なデビューのエッセンスとしてドラマタイアップはでかい。 そんな中、テラサ初のドラマ『主夫メゾン』の話をいただいた。ドラマならどんなものでも嬉しかったが、一風変わったストーリーに、僕らの制作意欲はより一層湧いた。 ミュージシャンになる上で“自分の曲がドラマに使われるとしたら”と想像しない人はいないだろう。こんなシーンにはこんな曲。こんなセリフの後ろにはこんな音。と、まるで初デートの服選びをする女子のように、新メニューを開発するシェフのように、僕の頭の中には沢山の音やフレーズが鳴っていた。 おそらく5曲ほど(もっとか?)を作った。出来ては違うとボツにしていき、ようやく「ONLY ONE」のサビまで辿り着いた。そして曲全体の歌詞感と始まり方に、僕は立ち往生していた。 "買う"から"聴く"のストリーミング時代において、曲の始まり方、最初に歌うワードが、その後も聴いてもらえるかに大きく左右する。ただ自分の好きな曲や歌いたい事を歌えばいいわけじゃないから余計にプレッシャーがある。そしてそのマインドに入った瞬間から負のスパイラルで良いアイディアなんて生まれない。 悩み疲れて気晴らしに見ていたSNSで、初々しいカップルが出てきた時に、ふと“よく考えたら、結婚もしてない俺が夫婦の苦労や夫婦ならではの喜びが分かるわけねーじゃん”って思った。そう思った瞬間、ふっと力が抜け楽になった。 そして、夫婦だろうが付き合いたてのカップルだろうが変らなく相手を愛しく思う瞬間を書こうと決めた。そこからは早かった。 この曲は愛する人と共にできる時間に幸せを感じる歌。最愛の相手は、こんなにも沢山の人が生きる世界で見つけたONLY ONE。そしてあなたも相手にとってのONLY ONE。 <SPiCYSOL・KENNY(Vo.)> ◆紹介曲「 ONLY ONE 」 作詞:KENNY 作曲:SPiCYSOL ◆メジャー1stデジタルEP『ONE-EP』 2021年4月7日発売

    2021/04/01

  • wacci
    いつだって目を凝らして、その奥にある心に気づいていたい。
    いつだって目を凝らして、その奥にある心に気づいていたい。

    wacci

    いつだって目を凝らして、その奥にある心に気づいていたい。

     2021年3月2日に“wacci”が最新の恋愛ソング「まばたき」と「劇」を2曲同時配信リリースしました。寂しさや悲しみを吐き出せないなか“一人じゃない”と寄り添ってくれる、あったかい楽曲「まばたき」と、叶わない恋愛を“演劇”に例えて歌った極上のバラードソング「劇」という、対照的なテーマを描いた楽曲となっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“wacci”の橋口洋平(Vo.)による歌詞エッセイを2日連続でお届け!今回はその【後編】です。綴っていただいたのは、新曲「 まばたき 」のお話。コロナウイルスが蔓延し、世界が変わった今だからこそ、人と人との物理的な距離が遠ざかっている今だからこそ、大切なひとを想いながら聴いてほしい1曲。是非、エッセイと併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ後編:「 まばたき 」~ 自分のことを 「わかってもらっている」という感覚は とても大事だと思う。 僕らはきっとずっと孤独で、 誰かと一つになどなれない。 心を見せ合うこともできないし、 人生を交換することもできない。 苦しみも、悲しみも、最終的には全て 自分一人で向き合って、抱えて生きていく。 だからこそ、言葉にしていないのに気づいてもらえた時 得体のしれない不安を誰かに整理してもらえた時 そんな奇跡のような出来事に、とても安心するし 何より、人はみんな孤独だということを 誰かと分かち合えること自体が また明日からも一人を頑張って生きようと思える 原動力になると思う。 wacciとしてリリースした今回の新曲「まばたき」は まさにそんな「わかってあげたい」 「わかっていたい」という気持ちを 約5分間とにかく垂れ流しにした歌だ。 長くそばにいるとお互いの色んな事を知っていく。 素直なところ、 素直になれないところ、 強がりや我慢のタイミング、 怒りや笑いの沸点、一度拗ねた時の持続期間などなど だんだんその人のスペシャリストになっていくものだ。 そんな自分だからこそ気づける相手の心がきっとある。 そう信じて、寄り添い、未来を見つめる主人公。 実際やっぱりわからないことだらけだと思う。 前述したとおり、人はみな一人だし、孤独だ。 でも、それでも 「わかりたい」というその想いは伝わるものだと思うし 「好きだ」とか「愛してる」だとかいった言葉と 同じように人と人を繋ぎ、満たし、 結びつきを強くするものなのではないか。 “僕は君を見逃さないよ どんな涙も逃さないよ” いつだって他人に心配かけまいとして笑顔で振る舞い、 大丈夫だと思わせることが上手な その人の、強がりの向こう側。 無理矢理にではなく、 その表向きな笑顔をしっかり受け止めながら でもいつだって目を凝らして、 その奥にある心に気づいていたい。 そんな意識で日々を共に生きることそのものが、 寄り添うということだと信じて。 コロナウイルスが蔓延して 世界中が大変なことになっている今 きっと一人一人がそれぞれに 色んなものを抱えて、吐き出せず生きている。 ただ昼寝して起きるだけの 歌の中の時系列的にも極端に短く、 限定的なシチュエーションの一曲だが、 普通の日常が奇跡だと改めて感じる今、 この歌を通して、 身近にいる人の存在の大きさに気づけたり、 はたまたこの歌自体が、誰かの心の影に そっと寄り添う一曲となることを願っている。 <wacci・橋口洋平> ◆紹介曲「 まばたき 」 作詞:橋口洋平 作曲:橋口洋平 ◆「まばたき」Music Video https://youtu.be/porcdyuEH0E

    2021/03/31

  • wacci
    好きな人の前で、好きじゃない演技をしたことのあるあなた。
    好きな人の前で、好きじゃない演技をしたことのあるあなた。

    wacci

    好きな人の前で、好きじゃない演技をしたことのあるあなた。

     2021年3月2日に“wacci”が最新の恋愛ソング「まばたき」と「劇」を2曲同時配信リリースしました。寂しさや悲しみを吐き出せないなか“一人じゃない”と寄り添ってくれる、あったかい楽曲「まばたき」と、叶わない恋愛を“演劇”に例えて歌った極上のバラードソング「劇」という、対照的なテーマを描いた楽曲となっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“wacci”の橋口洋平(Vo.)による歌詞エッセイを2日連続でお届け!今回はその【前編】です。綴っていただいたのは、新曲「 劇 」のお話。本当はあのひとと“恋人”という関係になりたい、でも、なれない。だから必死に“友達”としての自分で在ろうとする。そうやって今、誰かの前で自分を演じながら生きているあなたに、この歌とエッセイが届きますように。 ~歌詞エッセイ前編:「 劇 」~ たいていの「人と人の繋がり」には名前がついている。 家族、友達、恋人、 同僚、同級生、幼馴染、顔見知りetc... 更にここから「同僚の先輩」や「元同級生」と いったように細分化されていったり、 はたまた単純に一言二言では語れないような関係性も 世の中にはたくさんあるのだろうが、 大まかに分類すると、ある程度限られた中で 説明できるものが多いと思う。 そして、その関係性によって、 人は少なからず自分を演じ分けている。 家族といる時の自分。友達といる時の自分。 恋人といる時の自分。仕事をしている時の自分。 もちろん、まったく表裏がなく、誰に対しても 同じように接せられる人もいるかもしれないが 上下関係や親密度、過ごした時間の長さなど、 それぞれにレベルが異なる中で 全て「同じ自分」で繋がりを持続させていくのは ほぼ不可能なのではないかと思う。 きっと僕らはいくつもの「繋がり」を、 いくつもの「自分」を使い分けながら 作り上げ、維持していく。 さて、そうして割り振って大事にしてきた 人間関係や、自分の役割を大いに揺るがしかねない、 ある意味面倒な感情が一つあるとすれば、 たぶん「恋」だ。 同僚、友達、幼馴染。家族は置いておくとして、 それ以外の多くの繋がりにおいて 恋は、恋人以外ではなかなか両立しない。 そのため、気持ちを抑え込んだり、 逆に関係が壊れる覚悟で想いを伝えたり 逆にそれでも無理矢理 両立させようとして、全てを失ったりと 様々な歪みを起こす、とても厄介なものである。 **************** 今回の新曲「劇」は まさにそんな、恋が生んだ悲劇を歌っている。 つまり関係性としては「友達」なのだが そこに恋という、「友達」のままでは 成立しない感情を抱いてしまった女の子が 「恋人」にはなれない or なろうとしてはいけない とわかっているからと必死に「友達」としての自分を 演じ切ろうとしている歌である。 相手の男には彼女、つまり恋人がいて 自分はなんでも話せる女友達の一人。 “いつだって突然だね あなたが私を誘う時は そんなに暇じゃないんだよ あなたの前で以外は” “大事にしなよって私 あなたを諭しては胸をゆがませて” でも向こうはこちらの好意にきっと少し気づいている。 だからこその、ズルい距離感が、苦しくて愛しい。 “あなたを好きになるわけにはいかないの私” “あくまで主役はあなたとあの子 台詞は間違えないよ” 自分で自分に言い聞かせるように 何度も役割を確認しながら、 あなたを終電で見送った後に、ひとりぼっちになって初めて 悲劇のヒロインという形で主人公になれる。 “ここから先は悲劇のヒロインをやらせて 誰にも知られず終わらせるから” **************** 人は少なからず、 いくつもの自分を演じながら生きている。 関係を守るために、気持ちを抑え込んで 一生懸命に笑ったことはないだろうか。 誰かにとっての自分の「役」に徹するために 心を隠したことはないだろうか。 時にもどかしさや、やりきれない気持ちを 抱かせるそれらの出来事が きっと僕らを成長させると信じている。 好きな人の前で、 好きじゃない演技をしたことのあるあなたが その時の恋を、そっと抱きしめてあげたくなるような そんな歌になれば嬉しい。 <wacci・橋口洋平> ◆紹介曲「 劇 」 作詞:橋口洋平 作曲:橋口洋平 ◆「劇」Music Video https://youtu.be/Aa87MdgHozA

    2021/03/30

  • FINLANDS
    失う可能性を知っているのに永遠さえ信じきる
    失う可能性を知っているのに永遠さえ信じきる

    FINLANDS

    失う可能性を知っているのに永遠さえ信じきる

     2021年3月24日に“FINLANDS(フィンランズ)”が3rd Full Album『FLASH』をリリース!これまで年間100本近いライブを行ってきたFINLANDSが、ライブハウスにほぼ立つことすらできなかった2020年。さらにリリースの延期、大規模なツアーの中止を経験する中で込み上げる様々な想いを込めた10曲を12月に都内でレコーディング。CD化を切望されていた「USE」「SILVER」「HEAT」と楽曲を加え、全13曲のフルアルバムが完成しました…!    さて、今日うたコラムではそんな“FINLANDS”の塩入冬湖による歌詞エッセイを3週連続でお届けいたします。今回はその第2弾。綴っていただいたのは、収録曲「 Stranger 」に通ずるお話です。<喜んで失ってあげる 人は失う事が得意なんだから>。何かを失うことが怖くて、なかなか前に進めないあなたにこそ、このエッセイと歌詞が届きますように。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 Stranger 」~ 小さい頃からワイドショーが時折騒ぐ、婚約指輪の何カラット。に理解が乏しかった。生活する上であんなに大きな指輪は邪魔だろうし、大きければ大きいほど輝けば輝くほどに人は騒ぐ。 凄い事なのだろうか? 何故ここまで騒ぎ立てるのだろう? 大人になればわかるのだろうか? 学校をズル休みして見ていたジャストを見ながら私はずっと疑問に思っていた。ジャストは私の全てだった。メイクの方法もジャストで学んだ。 大人になり、物語の中で小さい女の子が花を摘み「綺麗だからあげる」と言っていた。それを見て、あ、そういう事ね。と、20年越しで理解をした。「綺麗だからあげたい」始まりはそれだったんだな。そんな原始的な理由を繰り返した結果が大きくて高価なダイヤだったんだ。と。 だとしたら人間の繰り返し能力は凄まじい。馬鹿の一つ覚えみたいな感情を未だに形を変えながら持ち続けているなんて凄い。と思った。 「美しきを差し上げます」 「これが私の心の具現です」 だ。変わらないって恐ろしい。人間。失う可能性を知っているのに永遠さえ信じきる。いや、信じ切ったふりをする。 私もそうだ。 愛して、施して、寂しがって、期待して、怒って、どんなに傷ついてもまた同じ人に与えたくなって、与えて欲しいと思って、守ってあげるよと勝手に決めて、特等という高揚感を頂戴したくなって、心の中で行ったり来たりして、それでいて最後、高確率で失う。 なのに失う事に長けているものだから、都度、悲しみ処理のテンプレートさえ作り上げている。こんな繰り返し馬鹿みたいと思うのだけど、人間の本能として繰り返しを続ける生き物なんだな。と思った。 人間は本能からして変だったのか。 失おう。失って尚、失う為に突き進め。 そう思うと安心して私も愛に勤しめます。 <FINLANDS・塩入冬湖> ◆紹介曲「 Stranger 」 作詞:塩入冬湖 作曲:塩入冬湖 ◆3rd Full Album『FLASH』 2021年3月24日発売 <収録曲> 01.HOW 02.ラヴソング 03.HEAT 04.テレパス 05.Stranger 06.ナイトハイ 07.ランデヴー 08.ひかりのうしろ 09.Silver 10.Balk 11.UNDER SONIC 12.USE 13. まどか(FLASH ver. )

    2021/03/29

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