どんなに遠く暗い場所にいても、輝き続けることを選んで生きていく。

vivid undress
どんなに遠く暗い場所にいても、輝き続けることを選んで生きていく。
2019年12月4日に“vivid undress”が1stアルバム『混在ニューウェーブ』をリリースし、徳間ジャパンコミュニケーションズからメジャーデビュー!今作は【生まれも育ちも音楽のルーツも全く違うメンバーが集まり、新たな波を作っていく】という意味が込められた、全員が楽曲制作できるからこその多彩な才能が詰まった内容となっております。 さて、そんな注目のアルバムをリリースしたvivid undressの作詞を手がけている、ボーカル・kiilaがスペシャル歌詞エッセイを執筆!今日のうたコラムで、3週に渡りお届けしてまいります。 第1弾 に続く、第2弾は今作のラストに収録されている 「 まるで夜 」 にまつわるお話。この歌詞に込められた想いがより深く、あなたに届きますように。 ~第2回歌詞エッセイ:晴れの日の夜にしか見えない星たち~ 私は、私に生まれて、私として生きる。そして、私として死んでいく。どんなに望んだとしても、私は私以外の誰にもなれない。家族や恋人と長い時間を共にしたって、私は家族や恋人の人生を、半分も知ることが出来ないし、私の人生も同じく、半分も知られることなく終わっていく。 私から見る、私以外の人は、私が見る“その人”にすぎない。例え“その人”が、長い年月をかけて懸命に自分の半生を説明してくれたとしても、私の経験から分析した、私の主観で見る“その人”であって、“その人”の、本当の思いまで知ることは出来ない。何故なら私は“その人”になることが出来ないから。永遠に。 “本当のことはいつだって 目に見えない” 私の唯一輝ける場所、ステージの上。ライブ。ステージに立つ私を見て、感動してくれて、好きだと思いを伝えてくれる人もいる反面、お構いなく陰で悪く言う人もいる。人様に見せる、見られるお仕事をしているのだからそんなの当たり前。私の言葉、行動、表情、機嫌。全てを含めた私が、誰かの主観でみる私として、誰かの人生の中に存在している。 だがしかし、本当の私を誰も知らない。 眠れない夜も、だらしない朝も、くだらない思考も、劣等も、孤独も、嫌いな人も、好きな人も…。 “私はまるで夜みたい” 誰にも見せない私の一面を知らない人々は、ステージで輝くその瞬間のみ、私を見て感動し、喜ぶ。所詮そんな私など、たかがステージ上の私でしかない。人生から換算すると、物凄く、物っ凄~く刹那だ。生まれてきて積み重ねた、たくさんの間違いや迷いは、ステージに立つ私を見る人にとっては、嘘みたいにキラキラして見えているのだろう。 “ねぇ私はまるで夜みたい 暗闇は多くを隠して 頑張って輝いた星は 涙の数だ それを見つけてくれた人が 綺麗だと言うのであれば 暗闇も流した涙も 悪くないような そんな気がした” ベランダから夜空を眺めている時に、懸命に輝く星を見ながら、こう思った。「あの綺麗な星の周りにも、見えない星が沢山ある。でもきっとあの星は、どの星よりも頑張って生き抜いてきたからこそ、あんなにも綺麗に輝くことが出来るのだろうな。そして、遠くから見ている人々に、計り知れないほどの感動やドラマを与えているのだろうな…」と。 『頑張る』って、きっと誰にでも出来ることじゃない。って思う。晴れた日の夜にしか輝くことが出来ない星のように、私は24時間ずっと綺麗でいられるわけじゃない。見せられないほどボロボロな日だってある。短い時間しか輝くことが出来ない夜の世界にて、暗闇の中に孤独や苦しみをたくさん隠している。 だけど、この一瞬の輝きを「綺麗だ」と喜んでくれる人がいるのであれば、私がこっそり所持している孤独や悲しみはこのまま夜の闇に隠しておこう。だって私は、人を悲しませるために生まれてきたわけじゃないのだから。 私の放つ一瞬の輝きで、誰かの心を潤すことが出来るのであれば、悲しいことも苦しいことも、意味があったのかもしれないな。私の経験や体験が、誰かの人生の中で生きている。それが悲しみではなく、喜びや幸せでありたいな。 誰も、人を悲しませるために生まれてきたわけじゃない。例え生まれてきた意味がなかったとしても、人に幸せを与えられる私になっていけたら、それが生きていく理由になる。そう信じて私は、どんなに遠く暗い場所にいても、輝き続けることを選んで生きていく。 ちゃんと見えていますように…。 <kiila> ◆紹介曲「 まるで夜 」 作詞:kiila 作曲:kiila ◆major1st album『混在ニューウェーブ』 2019年12月4日発売 TKCA-74820 ¥2,182+税 <収録曲> 1. ラストスタート 2. グリーン・ステップ・グリーン 3. コンキスタドールの現実闘争 4. 出会えたんだ 5. HOT 6. アブラカタブラ 7. チョコレートシンドローム 8. another world 9. 例えばもしも私が今死んだとしても 10. まるで夜