行き着く先はいつも同じ、愛してるなんて、歯痒い言葉だけ。

LAMP IN TERREN
行き着く先はいつも同じ、愛してるなんて、歯痒い言葉だけ。
「こんな曲を書いてみよう」と思った時、 同時に「自分は不器用なんだ」と感じました。 全部そのまま言えばいいのに、 なかなか口にできなかった自分がいます。 こっぱずかしい言葉は、もしかしたら、 1番伝わる言葉なのかなぁと思いました。 この曲を歌って知りました。 (LAMP IN TERREN・松本大 コメントより) 2018年1月19日に“LAMP IN TERREN”が新曲『花と詩人』を配信リリースしました。ボーカルの松本大さんが「自分は不器用なんだ」ということを感じた、と語るこの歌は“君と僕”の世界をまさに“不器用”に綴ったラブバラードです。寒い日が続く今の季節に、そして、バレンタインデーも近づいているこの時期に、ピッタリ。今日のうたコラムではそんな心温まる1曲をご紹介いたします。 空白だらけの部屋を埋めるように 君は笑った 差し込む光も まるでドレスのように綺麗に纏って 僕は眺めているだけで 何も言えずにいた それが積まれて 穴だらけになった日々を見ていた 「花と詩人」/LAMP IN TERREN まず<空白だらけの部屋>とは誰の部屋なのでしょうか。もし<君>の部屋なら、無駄な物がないスッキリとしたスペースが浮かび、その純潔なイメージは<君>自身に繋がりそうです。また<僕>の部屋なら、たとえ物がゴチャゴチャしていたとしても、その場にいる<君>以外は、ほとんど意味をなさないものだったのでしょう。さらに<君>と<僕>二人の部屋という可能性も考えられます。これから一緒に暮らすから、まだ物も少なくて<空白だらけ>というわけです。 こうして様々な捉え方ができそうですが、いずれにせよ<空白だらけの部屋>に<差し込む光>はこれからの希望を表しているかのよう…!そしてそれは<僕>にとって<まるでドレスのように綺麗に>纏う<君>がいるからこそ美しく感じられる風景です。だけど、その美しく、愛おしく、幸福な“今”を<眺めているだけで 何も言えずにいた>僕。おそらく、伝えたいことをうまく言葉に出来ないもどかしさの分だけ、日々は<穴だらけに>なっていったのだと思います。 言葉にするには まだ程遠くて 想いばかりを募らせていく 行き着く先はいつも同じ 愛してるなんて 歯痒い言葉だけ 「花と詩人」/LAMP IN TERREN ただし<何も言えずにいた>のは<僕>が“詩人”であるからでしょう。詩人は、自分の心に最も近い言葉を、相手の心に最も伝わる言葉を、探して探して、なんとかその想いをまるごと届けようとするものです。大切な<君>へ伝えるものだからこそ、適当ではなく丁寧に、唯一無二の言葉を届けたいのです。でも、冒頭のコメントにもあるように「1番伝わる言葉」というのは、ただ一言<愛してる>なんて歯痒くて、こっぱずかしいくて、シンプルな言葉なのかもしれませんね…。 愛は水のよう 君は花のよう いずれ枯れるとしても 時計の針を 戻しはしないよ 君のいない日々は もう僕じゃないから 「花と詩人」/LAMP IN TERREN そして、続く歌詞では“詩人”である<僕>に対して<君は花のよう>だと綴られております。花である<君>は<いずれ枯れる>かもしれない儚さを含みながらも、笑顔を咲かせるだけで<僕>の心を癒し、その場にポッとあたたかな幸せを生み出す存在。また、花は“愛”に関する花言葉を持つものが非常に多いので、どこか<君>の“愛”もふわりと<僕>に届いている気がします。つまり詩人である<僕>は“愛”を水のように<君>へ注ぎ、花である<君>は“愛”を香りのように<僕>へ届けているのです。 一言では語りたくなくて また足掻いては 積み上げていく 狂おしいほどいつも同じ 愛してるなんて 呆れる言葉だけ 空白だらけの僕を埋めるように 君は笑った 足りない言葉の その余白すらも埋めて笑った 「花と詩人」/LAMP IN TERREN このように幕を閉じてゆく歌。詩人は<一言では語りたくなくて また足掻いては 積み上げていく>ものの、行き着く言葉はやはり<愛してる>の一言なんですね。でも、自分自身は<空白だらけ>だと思っている<僕>の<足りない言葉>でも、きっと伝えた言葉だけが伝わったすべてではないのでしょう。愛はちゃんと届いている。それは最後の“君の笑顔”が証明していますね…! 僕の想いだけではなく、 この曲を聴いた全ての人の想いが 届くべき場所に届きますように。 (LAMP IN TERREN・松本大 コメントより)
























