美しいものばかりで幸せは作れないこと。

 2018年1月24日に“須澤紀信”が2ndシングル「ノイズ」をリリースします。歌ネットでは、ひと足早く歌詞先行掲載中!今作のタイトル曲は、切なくほろ苦い物語を描いた失恋ソングです。みなさんは、大切な人と一緒にいるとき、会話を交わしているとき、心の耳にちょっとした【ノイズ】が聴こえたことってありませんか? そしてその違和感に気づかないフリをし続けてはいませんか…?

君の声がして 僕は耳を塞いだ
置き去りにしてきたメロディーにそっと
蓋をするように
僕の唄は一瞬を 君の絵は永遠を
二人で作った料理は創造から
破壊までのプロセスを謳った
「ノイズ」/須澤紀信

 
 この歌の<僕>と<君>もまた、お互いそんな【ノイズ】に<蓋をするように>進んでしまった二人です。その結果、一緒に紡いできたはずの愛は、いつのまにか<創造から破壊までのプロセスを>謳う皮肉なものになってしまいました。では【ノイズ】とは一体、何を表しているのでしょうか。なぜ、生じるものなのでしょうか。まず【ノイズ】は【すれ違い】と言い換えることができるものだと思います。つまり、それぞれの価値観がすれ違い擦れ合うときの音が【ノイズ】なのです。

 たとえば<僕の唄は一瞬を 君の絵は永遠を>というフレーズがありますね。これはおそらく、二人が“求める何かの違い”を意味しているのです。もう少し具体的に言えば<僕>の方は「今が楽しければいい」「今こそがすべて」という価値観。一方の<君>は「一生一緒にいるためには…」「将来も見据えて…」と、そういったことに重点を置いていたのではないでしょうか。どちらも根本に“愛”があることは共通しておりますが、視線の先が異なっているのです。

幸せって美しいもの
そこに誤解はなかったけれど
美しいものばかりで幸せは作れないこと
想像もできずに

僕は僕の最高級のラブソングを
君は君の最大限の風景画を
互いに見せつけ合って紛らわしてた
その陰にある儚さを
離れてしまえばもう戻れない
二人の未来は所詮幻想だと
自分に嘘をついて飲み込んでも
僕はこの先平然と生きていけそうもない
「ノイズ」/須澤紀信

 きっとお互い“求める何かの違い”=【すれ違いのノイズ】には、うすうす気がついていたはず。だけど<幸せって美しいもの>だという意識が強すぎて<美しいものばかりで幸せは作れないこと>を想像できなかったからこそ、その耳障りな【ノイズ】をなかったことにしたかったのでしょう。なかったことにするために無理な努力をしたのでしょう。それが<僕は僕の最高級のラブソングを 君は君の最大限の風景画を 互いに見せつけ合って紛らわしてた>というフレーズに表れております。

 しかし、同じものを見つめていると思い込んだまま、それぞれの価値観で愛を“見せつけ合うこと”は【すれ違いのノイズ】をさらに悪化させるだけなのです。本来、そんな<僕>と<君>に必要なことが二つありました。一つは、相手の見つめているものは何なのかを“知る”こと。そしてもう一つは【すれ違いのノイズ】に、愛情のズレに、気がついたのならそのまま進まずに、面倒でも“一度戻ってちゃんと向かい合う”こと。そのどちらかが出来ていたなら、また違う未来が待っていたのかもしれません…。


君が僕の心に入り込んで
裏表ない優しさに縋った時から
例え決まっていたことだとしても
僕は君に出会えてよかった

僕は僕の最高級のラブソングを
君は君の最大限の風景画を
互いに押し付け合ってはぐらかしてた
その先にある別れ道を
君の姿をこの街が包み込むまで
僕の耳が君の声を離してしまうまで
鳴り続けていた小さなノイズを
僕はこの先忘れることはないんだろう
「ノイズ」/須澤紀信

 ただし、この歌は“後悔”だけで終わってゆくものではありません。<美しいものばかりで幸せは作れない>ということ。<互いに押し付け合ってはぐらかして>はいけないこと。これまで“気づけなかったこと”に“気づけたこと”に感謝をしているのです。主人公の<僕>はひとつ恋を失ったけれど、同時に、本当の意味での“愛すること”を思い知った。それを忘れずに生きてゆくことは<この先>の<僕>にとって、とても大切なことですよね。だからこそ、歌の終盤には<僕は君に出会えてよかった>という言葉が綴られているのでしょう。

 今、まさに【ノイズ】に気づかないフリをしているというあなた。または、かつての失敗を引きずって恋愛に臆病になっているというあなた。是非、須澤紀信「ノイズ」を聴いてみてください。美しいものばかりで幸せは作れない。だけど、ちゃんと【ノイズ】を聞き逃さずに相手と向き合ってみたとき、その先にあるのはやっぱり<幸せって美しい>という実感なのだと思います…!

◆紹介曲「ノイズ
作詞:須澤紀信
作曲:須澤紀信

◆2nd Single『ノイズ』
2018年1月24日発売

<収録曲>
1.ノイズ
2.ハミングバード
3.だって
4.愛がカタチになったなら
5.ノイズ(instrumental)