36℃

鈴木実貴子ズ
36℃
2025年1月29日に“鈴木実貴子ズ”がメジャー1stアルバム『あばら』をリリース! 今作には、すでに配信済みの「違和感と窮屈」「暁」を含む全12曲が収録されております。アートワークは、メジャー2nd 配信シングル「暁」のMVを手掛けたクリエーターの大川直也が担当し、アルバムのコンセプトを"骨"で表現したポップで目を引くデザインに。 さて、今日のうたではそんな“鈴木実貴子ズ”の鈴木実貴子による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第2弾です。綴っていただいたのは、収録曲「 36℃ 」にまつわるお話。特別なあのひとと自分は一体、何が違うのか…。他人と比べがち、惨めさ感じがちなあなたへ。ぜひ楽曲と併せて、エッセイを受け取ってください。 特別な人間、特別なようにうつる人間。 たとえば、実家が太い、才能がある、顔が万人受け、頭の回転が速い、器用、愛想がいい、だはは!人生イージーモードってか!前世なんの徳積んだ?すげえなあ!いいのぅ~、、って私は、横目でみる。 いやでも考えてみれば、あんなに愛されて死んだあの人、火葬場で会ったらカスカスの骨になっとったなあ、憎まれた人もきっと同じ骨かあ。なんなら犬も似たような骨になっとったな。 生きている人間はだいたい36度、ぬるい、やわらかなかたまり。 死んだ人間はキンキンの冷たさでも無い、常温のコンニャクみたいな感触。 何もかも恵まれていて、何もかもを、最初から持ってそうな人らを、いいのぅ~、、って横目で見てたけど、そりゃ羨ましいけど、それだけの話か。 特別っぽいあの人も、凡人の私も、火葬場入って出てきた姿は同じやんけ。 なんなんやろ、人生、欲、財産、情けないなあーと思う心、みじめやなーって思う心、誰かと価値観揃えて、その物差しの中で生きるという事。 なんなんやろなあ、おなじ骨になるのに、、。 最終的にみんな骨! つまり特別な人間なんていなくて、結果は皆おなじなんや! この考えでいくと、「なら生きてても仕方ない」とか「頑張ってもどうせ死ぬし、もう頑張らん!」ってなりそうやけど、それをぐいっと裏返せば「何やっても大丈夫」「もはや無敵では」(社会は集合体やで犯罪はだめやし規則やルールは、当たり前に大事ね。何やっても大丈夫、の意味を上っ面の言葉でとられる可能性あるから文字と現代って怖いわ)、「誰かに価値観を合わせる必要なんてない」し「小さな失敗は、ほんと点みたいなもの」「他人と自分は比べるもんじゃないよ、だって一緒だもん」等、生きるステップが、なんだか軽くなる気持ちが生まれてきた。 所詮36度人間、もがきまわり、転がり、行き先は一つ、例外は無い。 私のような、他人と比べがち、惨めさ感じがちの人間には、おまじないのような、お守りになれるうたです。 <鈴木実貴子ズ・鈴木実貴子> ◆紹介曲「 36℃ 」 作詞:鈴木実貴子 作曲:鈴木実貴子 ◆メジャー1stアルバム『あばら』 2025年1月29日発売 配信リンク: https://lnk.to/abara <収録曲> 1. かかってこいよバッドエンド 2. 暁 3. 違和感と窮屈 4. ファッキンミュージック 5. 36℃ 6. ベランダ 7. ヘイヘイユー 8. チャイム 9. あか 10. ベイベー 11. 壊してしまいたい 12. 私、天使だっけな