Blue

 2025年9月24日に“Gaku”がニューシングル「Blue」をリリースしました。自身の生い立ちを背景に、悲しい出来事に直面した日に書き下ろされたエモーショナルなバラード。幼少期から抱えてきた心の痛みや葛藤を“Blue(青)”と表現し、「今夜だけでも世界の主役になりたい」という切実な願いを、ピアノアレンジに乗せて歌い上げております。
 
 さて、今日のうたでは“Gaku”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「Blue」にまつわるお話です。本当の自分を封じ込め、ずっと「自分の言葉」を探していた10代。そんな自身が溢れ出る本心を書くことができたきっかけは…。



“もしも願いが一つだけ叶うなら”
 
それはきっと誰もが一度は考えたことのあるような、
ありきたりな歌い出しなのかもしれない。
 
ただ、僕のたった22年の人生の中で、
本当に心からそれを願った瞬間が、1度だけある。
 
あの日僕は、自分ではどうしようもできない出来事が起きて、
自分の無力さに直面した。
 
 
僕は幼少期から家庭環境が複雑で、
自分の意向とは関係なく名前が変わったり、
生活環境が変わったり、
アイデンティティを失うような出来事が多かった。
 
次第に本当の自分を封じ込めて、
聞き分けの良い優等生な子どもを演じるようになっていたと思う。
 
そのためか、曲を書き始めた10代の頃は
誰の言葉だかわからない、
教科書に載っているような綺麗な文章しか思いつかず、
「自分の言葉」をずっと探していた。
 
 
あの日、
先述した、自分の無力さを痛感した日。
 
暗い部屋から月を眺めていたら、
書きたい想いが身体中から溢れてきて
初めて一気に曲を書き上げた。
 
タイトルは「Blue」。
今まで僕を蝕んできた全てに、つけた名前だ。
 
まだまだ未熟な、拙い歌詞かもしれない。
でもそれで良いと思った。
 
自分が自分であること、
僕の人生の主人公は僕であること。
 
そんな当たり前のことを自分に言い聞かせるように、
本当の気持ちを書き殴った。
 
 
“もしも願いが一つだけ叶うなら”
 
僕は自分の痛みを救えるような、
そしてその先に、聴いてくれる人を救っていけるような歌を歌う、
そんなアーティストになりたいと願う。
 
僕を蝕む過去も全部含めて、僕だから。
 
胸を張って、これからも
ありのままの歌を歌っていけたらと思う。
 
<Gaku>