2025年10月1日に“パーカーズ”が3rd mini Album『HUG』をリリースしました。ストレートな歌詞と、どこか懐かしく口ずさんでしまうメロディが持ち味のロックバンド。POPSを届ける勢いが止まらない彼らの今を詰め込んだ一作となっております。リリースに伴い、11月から全国11箇所を巡るワンマンツアー「Hug me!! TOUR」の開催も決定!
さて、今日のうたではそんな“パーカーズ”による歌詞エッセイを2回に渡りお届け! 第2弾はねたろ(Gt.&Cho.)が執筆。綴っていただいたのは、収録曲「おやすみのキス」にまつわるお話です。何かが“本当の終わり”を迎えることが怖い。だけど、ツラい感情が心に刺さったままでは前に進めないから…。ぜひ、歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。
◆紹介曲「おやすみのキス」
作詞:ねたろ
作曲:ねたろ
◆3rd mini Album『HUG』
2025年10月1日発売
「おやすみのキス」という曲を書き上げたとき、僕の心の中でひとつの物語が幕を閉じるような感覚があった。完成させた達成感よりもむしろ、どこか絶望に似た寂しさが胸を占めていった。曲を作ることで、これまで自分の中で生き続けていた感情や記憶が、音楽という形になって外へ出てしまう。その瞬間に「終わってしまう」という怖さをどうしても感じてしまうのだ。
僕の夢に知っている人が出てくるとき、それはたいてい今はもう僕のそばにいない人だ。現実では二度と会えなくても、夢の中だけにはその人が現れてくれる。けれど、いつか夢にさえ現れなくなる日が来るのかもしれない。記憶の奥底からも、気づかぬうちに少しずつ薄れていって、本当に消えてしまうのかもしれない。僕にとってそれが「本当の終わり」であり、何よりも恐ろしいことだった。
だけど、僕たちは、悲しみや痛みでさえ曲にしてしまう残酷な生き物だと思う。心に刺さったままでは前に進めない感情を、作品という形に閉じ込め、歌い、鳴らすことで昇華させる。そしてまた、新しい景色を見ようと前を向く。音楽はそのためにあるのかもしれない。
幸せじゃないときほど、人は強く幸せを夢見ることができる。僕はその営み自体がすでに幸せなのだと信じている。だからこそ、この曲を聴いてくれる人が、もし今ツラい状況にいるなら、どうかそれを乗り越えてほしい。そして、僕たちの音楽がほんの少しでもその背中を押せるなら、自分なりの「幸せの答え」を見つけてもらえたらと願っている。
<パーカーズ・ねたろ(Gt.&Cho.)>
◆紹介曲「おやすみのキス」
作詞:ねたろ
作曲:ねたろ
◆3rd mini Album『HUG』
2025年10月1日発売