2025年 夏、フランスへ

GLIM SPANKY
2025年 夏、フランスへ
2026年3月25日に“GLIM SPANKY”がニューアルバム『 É clore』をリリースしました。今作には全10曲中8曲が新曲として収録され、全曲GLIM SPANKYのみで作詞・作曲・編曲すべてを担い、GLIM SPANKYならではのロックと向き合い、音楽を通じて伝えるメッセージを探求。GLIM SPANKY純度100%といえる新曲たちが、新境地の扉を開きます。 さて、今日のうたではそんな“GLIM SPANKY”の松尾レミによる歌詞エッセイをお届け。初めて過ごした夏のフランス、9泊11日の旅。そこで見た景色、得たもの感じたもの、そして改めて思ったことは…。ぜひ、今作とあわせて、エッセイをお楽しみください。 アルバムができた。タイトルはフランス語で É clore(読み方:エクロール)。 孵化する、花が開く、才能が開花するという意味です。 今の季節にもぴったりでしょ!? このアルバム制作期間中にはいろいろなことがあった。 出会いもあったし、別れ、家族の死、環境と心境の変化、旅、病気、 20年前の自分から手紙が届く、、、などなど 酸いも甘いも盛りだくさんの目まぐるしい期間だった。 しかし!満身創痍だったのにも関わらず 心はとっても穏やかで安心と刺激に満ち溢れていた。 とにかくわたしは変わりたかったし、何か行動したい時期だった。 そしていつでも恐れずに生きることを心がけた。なるようになるはず。 この文章を書くにあたって、 前回のコラム(2024.11) で自分は何を書いたかな、と読み返してみたら 「穏やかな海の近くで絵を描きたい」&「南仏の田舎でバカンスしたい」 と書いてあった。なんとそれ、2025年に達成してたよ! コラムを書いていたときはそんな予定も何もなかったのに、 この歌ネットの記事が予言になっていたなんてっっ、、、! 昨年、7年ぶりくらいにフランスへ行くことができた。 8月12日に出発して、21日に日本に戻る、9泊11日。 パリは人生で3回目、初めての夏のフランス(今まで2回とも真冬だった) ついにわたしは憧れの夏を、手に入れたのです! エッフェル塔や凱旋門など特別有名な観光名所にはいかず、 いろいろなカフェでパンの食べ比べをしたり 古着屋や文房具屋に行って、ゆるりと穏やかに過ごした。 そしてフランス4日目にして、特急列車で数時間、初めての南仏へ。 夏の南仏はわたしの長年の夢でした。 3泊4日のトゥーロン、滞在させてもらう友達カップルの家は海のすぐ近くにあり、 毎日海に入った。朝起きたら、すぐに海へ向かった。 海のない長野県で育った自分にとってこんな生活ルーティーンは信じられないこと! 地中海は穏やかで波が無く、海初心者のわたしを優しく迎え入れてくれた。 泳ぎ(浮かび)疲れて眠たい昼下がり、友達が淹れてくれるエスプレッソと 新鮮な果物を齧りながら、キラキラ揺れる波を横目にゆるりと絵を描いたり、 歌詞や次のライブのセトリを考えながら、庭でぼーっとした。 このひとときは、なんの不安も感じず、太陽に守られている感じがした。 生き生きと風に揺れる植物のアーチや、どこまでも足にくっついてくる砂粒(海のおみやげ) ほそーく天に伸びる絵画のような糸杉、パチパチとウインクするかのように輝く海 それらに触れて、都会より深く息を吸えていることに気付き、自分は生き物だなと感じる。 夏のフランスは午後がとっても長い。 陽が落ちて、暗くなり始めるのはなんと夜8時すぎ! 美しいマジックアワーが長時間続くので、ずっと庭で過ごした。 夜ご飯を食べてお酒を飲んでいい感じになったら海を見下ろせるベランダへ行き 音楽を流しながらまったりおしゃべりをする。 夜の海風が心地よくてうとうとしていると友達はブランケットを掛けてくれて まるで自分たちだけの為の、秘密の国にいるみたいだった。 (きっとわたしが甘やかされている!優しくしてくれてありがとう。) パリに戻る日、駅にいく前に街のカフェに寄ってもらった。 その店の隣に、小さいけれど立派で美しい教会があって 神父さんやシスターさん、信仰している街の人々がレモネードを配っていた。 わたしがひょこっと覗きにいくと、「初めて日本人が来た!」とザワザワ人が集まってきて 親切に教会を案内してくれたり、 「あなたの旅が良い旅になりますように、日本に帰ってもたまにここを思い出してね。」 と言って可愛いプラスチックのロザリオと、メダイをお土産にくれた。 知らない街で人の温かさを感じると本当に嬉しい。 こういう時に、国籍とか国境とか関係ないな、世界中の争いがなくなってほしいな、 全ての人が幸せであったらいいなと、心から思う。 そしてわたしはまた、特急列車に数時間揺られパリに戻り、 次の日にはシャルル・ド・ゴール空港から東京行きの帰路につくのでした。 夏のフランスがわたしにくれた何にも変え難いときめき、 今回アルバムのタイトルをフランス語にしたのは この旅が自分の殻を破るとっておきの経験になったからです。 『 É clore』制作途中、秋頃に喘息が悪化してしまい2ヶ月間療養しました。 その中でギターの亀本が、制作や活動を滞らせることなく できることを全て進めてくれたり、 マネージャーやディレクター、イベンターをはじめとするスタッフのみんなが スケジュールを支えてくれたり 身近な人々も生活をケアしてくれて、とうとう完成させることができました。 自分と時代とGLIMと音楽に向き合って、殻も破って、できた1枚です。 このアルバムが蝶々のようにひらひらと遠いところまで飛んでいって 出会ってくれたあなたの心の奥に、そーっと寄り添えたらいいなあと思います。 少しでも多くの人に、知って・聴いてもらえたら嬉しいです。 <GLIM SPANKY・松尾レミ> ◆ニューアルバム『 É clore』 2026年3月25日発売 <収録曲> 1.第六感 2.大天使 3.春色ベイビーブルー 4.あたらしい物語 5.麗らかな国 6.衝動 7.わたしはあなた 8.FLY HIGH 9.カメラ アイロニー 10.エクロール















