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  • polly
    この曲が今のpollyの答えであり未来であると。
    この曲が今のpollyの答えであり未来であると。

    polly

    この曲が今のpollyの答えであり未来であると。

     2023年5月10日に“polly”がEP『Heavenly Heavenly』をリリースしました。昨年メンバーチェンジを経て新体制となったpolly。Keyboad/Chorusの志水美日を迎えて初の作品となります。そして、今作のリリースを記念して東名阪リリースツアーの開催が決定。各公演ゲストを迎え、6月7日東京WWW Xには“KOTORI”の出演も決定!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“polly”の越雲龍馬による歌詞エッセイをお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは今作の収録曲「 MORNINGRISE 」と「 ごめんね 」にまつわるお話。それぞれの楽曲に込めた想いとこだわりを明かしてくださいました。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 今回はHeavenly Heavenlyの曲について。   M1.「 MORNINGRISE 」   過去、別れ、後悔を受け入れ未来を観る為の曲。   pollyは昨年4月に2人の脱退を経験しました。きっとpollyを好きでいてくれている(もしくは好きでいてくれていた)多くの方は、色々な背景を想像し考え、腑に落ちなかったりしたと思う。自分もそうなっていた時期もある。というより怒りや苛立ちを抱えていた。   でも彼らと過ごした長い時間には多くの喜びがあったと思い返した時、そんな身にもならない感情は薄くなり、彼らの行く未来を肯定できるようになった。 それと同時に自分の行く先を考え、前を向く事や思い描いている未来を見る事ができた。   今、pollyを作ってくれているメンバーはそれぞれバンドでの別れを経験している。 それが一番ピュアで隠すことの出来ない事実であり、原動力でもあるのかもしれない。   だから自分は、pollyのメンバーチェンジなどで悲しませてしまった皆や、メンバーやスタッフ、サポートメンバー、チームが安心して未来を観れるものを作った。   この曲が今のpollyの答えであり未来であると。   いつか大きな会場で多くの歓声と喜びを共有する為の曲。     実はこの曲、これまでリリースしてきた数曲からフレーズやメロディを引っ張って来ています。過去や別れなどを背負って未来を観る曲にしたいというテーマがあり、聴いてくれてる方にも歌詞以外でそういった意志を感じてもらえたらなと思ったからです。     M2.「 ごめんね 」   ひとり言というか、ふとした時に頭の中で呟くというか、なんだかそんな曲です。   普段はオケを作ってからメロディを作り、その後に歌詞を書くのだけど、この曲は珍しく歌詞を先に書きました。   ど頭と最後が同じ構成になっているのだけど、時系列的に何処が始まりなのか探してみると面白いかも。 実は曲の通りじゃなかったりして… 各ブロックを並び替えてみたりして貰えるとしっくりくるかも。   この曲について多くを語るのはなんだか違う気がするのでこの辺で。   ps. ラブソングでもあり後悔の歌でもあるのかな。悲しいような温かいようなそんな雰囲気を纏っているように感じてなんだか好きです。 <polly・越雲龍馬> ◆紹介曲 「 MORNINGRISE 」 作詞:越雲龍馬 作曲:越雲龍馬 「 ごめんね 」 作詞:越雲龍馬 作曲:越雲龍馬 ◆EP『Heavenly Heavenly』 2023年5月10日発売   <収録曲> 01.MORNINGRISE 02.ごめんね 03.Snow/Sunset  04.K 05.Kikoeru

    2023/05/19

  • レトロリロン
    眠れない夜だけが僕の味方だ
    眠れない夜だけが僕の味方だ

    レトロリロン

    眠れない夜だけが僕の味方だ

     2023年4月19日に“レトロリロン”が1st EP『インナーダイアログ』をリリースしました。既発曲3曲+新曲3曲を収録した今作。インナー(内側)+ダイアログ(対話) という単語をつなげて“自分自身との対話”という意味になっており、このEPが自分自身と対話するきっかけになってほしいという思いが込められている作品です。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“レトロリロン”の涼音による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 深夜6時 」にまつわるお話。ある日突然、眠れなくなってしまった理由とは。そしてその先で気づいたこととは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 ―眠れない夜だけが僕の味方だ―   ある日突然、僕は眠ることができなくなった。 正確には眠り方が分からなくなった。   原因はシンプルで明白だった。生きることへのプレッシャーだ。前に進めば進むほど、完璧でいなくてはいけないと思い込んでしまっていた。   誰かに必要とされること、それは幸せなことでもあるが、僕にとって一番苦しいことでもあった。自分の為に、生きていたかったのだ。     僕はいつもうまく生きることができない。   全てに対してリスクを考えてしまうし、一度スイッチが切れると何もしない時間をひたすら過ごしてしまう。そしてとうとう夜眠ること自体が怖くなってしまったのだ。   毎晩自分の何がいけないのか、どうしてこうなってしまったのかを考えては眠れないという日々を繰り返していた。そうしている内に、1日の境目がわからなくなるほど時間感覚が無くなっていった。     でもこの眠れない時間は僕が僕でいるための大切な時間でもあった。   真っ暗な部屋の中、天井を眺めながら自分自身とひたすらに向き合った。 生きるとは何か、幸せとは何か。 でも答えが出ることはなかった。 どれだけ夜にしがみついても、朝はやってくる。 太陽は昇ってしまう。 何だか悩めば悩むほど、馬鹿馬鹿しくなってしまった。答えなどなくてもいい。     きっと僕は日々に、そして自分自身に"意味"を求めていたのかもしれない。   夜と向き合っていた僕は、夜と同じ方向を向いてみることにした。 夜を味方にして僕はまだまだ成長できる。その衝動に駆られた僕は曲を書いていた。   気づけば、時計は6時を回っていた。   <レトロリロン・涼音> ◆紹介曲「 深夜6時 」 作詞:涼音 作曲:涼音 ◆1st EP『インナーダイアログ』 2023年4月19日発売   <収録曲> 1.カウントダウン・ラグ 2.Restart? 3.Document  4.Don’t stop 5.きれいなもの 6.深夜6時  

    2023/05/18

  • クジラ夜の街
    時間旅行について
    時間旅行について

    クジラ夜の街

    時間旅行について

     2023年5月10日に“クジラ夜の街”がメジャーデビュー1st EP『春めく私小説』をリリースしました。今作には、ライブでもすでにファンからも 大反響のダークファンタジーな世界観を描いたEPリード曲「BOOGIE MAN RADIO」を含む全6曲が収録!    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイを3回に渡りお届け!第1弾は今作の収録曲「 時間旅行少女 」にまつわるお話です。ありふれた日常をファンタジックにする、とあるアイテムとは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 時間旅行少女という曲名を考えついた日、例えば『時空を超えた大冒険活劇!』だとか『タイムマシンが登場するSF物語!』なんかを歌詞に起こすんじゃなくて、あくまで日常の中の、ささやかな“経過”と“回想”に光を当ててみたい、と俺は思いました。   クジラ夜の街はファンタジーを創るバンドです。空飛ぶ少年、囚われのプリンセス、魔法使い、そんなお伽話のような世界を、これまでずっと歌ってきたのですが、この曲では、なんでもないシーン、ありふれた情景を幻想的に映し出すことで、クジラを再定義というか、アップデートというか、、、そんなんをしてみたかったのです。挑戦ですね。挑戦。要は   真の「ファンタジーを創るバンド」ならば 元がファンタジーでないモノでも ファンタジーに昇華して然るべきなのでは!? と、思ったわけです。多いですね。ファンタジーが。   “子どもの頃に書いた日記を大人になって読み返す”。時間旅行少女はたったそれだけの歌です。劇的な展開や魔法の様なやりとりは、歌詞中で一切起きません。   ただ、俺は。日記っていうのは、未来へ宛てた手紙で、一種のタイムトラベルなんじゃないかと思っているフシがあります。過去の自分の思念が、時を超えて届き、感情に影響を与える。同じ「自分」なのに、日記に書かれた言葉はどこか他人のようで、友人のようで。それは一方通行だけど、時空を超えた邂逅。立派な時間旅行なんじゃないかと。   ファンタジーでないモノをファンタジックにする、このテーマに、日記というアイテムはもってこいだったわけです。   とまー、やいのやいの書いてきましたが、時間旅行少女、俺は大好きです。形があるならば、毎晩抱きしめたくなるようなメロディだと思います。我ながら。いや素晴らしい。素直な感想、大事。   この曲もいつか日記のようになっていくのかな。どれだけ時が経っても、歌うたびに、記憶が蘇ったりして。それはとても素敵だな。進むべき未来で、ガッツポーズをしている自分に会うために、俺はこれからもステージに立ちます。よと。これも、そんな、未来への書き置き。   <クジラ夜の街・宮崎一晴> ◆紹介曲「 時間旅行少女 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴  ◆メジャーデビュー1st EP『春めく私小説』 2023年5月10日発売   <収録曲> 1. 時間旅行 (Prelude) 2. 時間旅行少女 3. BOOGIE MAN RADIO 4. 浮遊 (Interlude) 5. ハナガサクラゲ 6. 踊ろう命ある限り

    2023/05/17

  • nolala
    最も細かくて、最も深い愛。
    最も細かくて、最も深い愛。

    nolala

    最も細かくて、最も深い愛。

     2023年5月3日に“nolala”が1st Full Album『i my me mine』をリリース。今作には、すでに配信リリースされている「明日が最後でもいいと思えるように」を始め、全12曲を収録。収録曲の中には1st mini Album『harmony』に収録されている「ハルカゼ」を新たにリアレンジされたものも収録されており、さまざまなnolalaを楽しめる一枚となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“nolala”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回。執筆を担当したのはメンバーの美寿々(Ba.Vo.)です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「細愛」にまつわるお話。フレーズをピックアップしながら、歌詞に込めた想いをより深くまで明かしてくださいました。今作と併せて、エッセイをお楽しみください。 はじめに   どうしましょう。 こういう話を周りにしようとすると、 “何言ってんだ? おバカ?”ってなられて 聞くのを、理解するのを、やめられるので もしかしたらあなたも…泣。   そうなられるのは悲しいですが、 今回はコラムということと 目の前に皆さんが居ないことをいいことに 開き直り!自分の脳内を思う存分書きました!     「細愛」 【1番】   目が覚めて一番に あなたのこと思っている 二度寝をしよう いいことなどない 気のせいだと閉じ込めた     多くない画が何度も繰り返し 走馬灯のように流れる。 そのひとつひとつを捉え ゆっくりと丁寧に味わう。   そう無意識にあなたを思っていると 意識が親友のような冷静な判断で 思いに蓋をし現実へ呼び戻す。     目を瞑り落ちるまでも あなたのこと思っている 三度目の正直も過ぎたし 向いてないと押し込めた     いつの間にか 無意識に押しのけられた蓋は もう閉じられなくなっていた。 溢れ出ていた思いは 親友によって冷静に押し込められる。     怖いけれど嬉しい 人を愛おしいと思う細胞は生きていた   あたしの全てがあなたを求めてる 追う瞳も 澄ました耳も 探る指先さえも あなたの全てを感じていたいの 視線も 声も吐息も ぬくもりさえも そばで     意識が無意識を 自分(人格)が細胞を そう脳内で客観視して気付いたこと。   無意識にあたしの全てが(各々の細胞が) あなたを求めてる ↓ 好き     *1番はあなたに出会い 好きになった(気付いた) 恋愛の始まりを書きました。     【2番】   寝ても覚めても一番に あなたのこと想っている 二度と味わいたくないと殺した 気持ちもあなたとなら     目が覚めて一番に思っていた、 今ではあなたを一番想っている。 始めは無意識だった思いも あなたとならと意識したうえであなたを想う。     怖いけれど嬉しい 人を愛おしいと思う細胞は生きていた ドキドキしていた   あたしの全てがあなたを求めてる 追う瞳も 澄ました耳も 探る指先さえも あなたの全てを感じていたいの 視線も 声も吐息も ぬくもりさえも そばで   怖いけれど幸せ 人を愛おしいと思う細胞は生きている     *2番で 1番の無意識な(細胞の)思いに 意識した想いが合わさった     最も細かくて 最も深い愛   さいあい 「細愛」 <nolala・美寿々> ◆1st Full Album『i my me mine』 2023年5月3日発売 NCJD-10009 ¥3,000(税込)   <収録曲> 1.明日が最後でもいいと思えるように 2.marrie 3.煙草と珈琲 4.恋、はじめ、誓約書 5.ハルカゼ(Album ver.) 6.ピアス 7.細愛 8.メイプル渡辺201 9.しあわせの跡味 10.アイユエ 11.ごめん、ありがとう。 12.6畳1Kとジャズマスター

    2023/05/16

  • 吉田山田
    焼き魚
    焼き魚

    吉田山田

    焼き魚

     2023年5月17日に“吉田山田”が9枚目のオリジナルアルバム『備忘録音』をリリース!2021年12月発売の『愛された記憶』以来、およそ1年5カ月ぶり。交流あるアーティストたちを迎えることで多様なコラボ曲を収録した前作と異なり、今作は吉田山田の2人が主体となってさまざまな表現に挑戦した意欲的な内容のアルバムに仕上がっております。    さて、今日のコラムではそんな最新作を放った“吉田山田”による歌詞エッセイをお届け。今回は第1弾です。吉田結威と山田義孝にそれぞれ今作の収録曲「 焼き魚 」にまつわるお話を綴っていただきました。さらに今回は音声版もございます。おふたりの朗読でもエッセイをお楽しみください…! 初めてこの曲を聴いた時に、一番最初に思ったことは「あゝ、咀嚼音を注意されたことも、箸の持ち方を正されたことも、山田はそんなに嫌だったのか…」ということでした。   高校で山田と出逢ってから二十数年。「常識」とは少し外れたところで生きている山田に、今まで幾度となく僕が話してきたことでした。時には上から目線で、時には説教のように言ってしまったこともあったでしょう。それがこんなかたちで返ってくるとは思いもよりませんでした。申し訳ないと思うのと同時に、これは魂のこもったいい曲になるだろうという予感がありました。   曲を作る時、その物語がフィクションなことももちろんありますが、必ずどこかにリアルを入れ込まないといい曲にはなりづらいと思っていて。ある意味愚痴から始まるこの曲には山田の本音が感じられ、可能性を感じ二人で制作を進めていきました。   あとになってこの曲は「近未来のプロポーズ」をテーマにしていることを知りましたが、僕個人は冒頭の一節でもう心を掴まれてしまいました。   今回のアルバムは幡宮航太さんにアレンジをお願いした曲が多数あるのですが、この曲もその中のひとつです。以前からライブは一緒にやっていて、フィーリングが合うことは分かっていたので、とても刺激的で、いいリズムでアレンジは進んでいきました。   2コーラス目の直前にコンロに火をつける時の「チチチチチ」という効果音が入っていますが、あれは実際の幡宮家のガスコンロの音です。実験的にあの音を入れてきてくれたアレンジを聴いた時は、本当にハタップ(幡宮航太さんの愛称)にアレンジをお願いしてよかったなと思いました。作者の込めた思いの邪魔はせず、言葉やメロディにさらに磨きをかけ、輝かせてくれた、絶妙なアレンジだったと思います。   アレンジを進めていくうちに「この曲はレコーディングの時に何回も歌って録るような曲ではないな」という思いが沸々と湧いてきて、実際にレコーディングでは数テイクしか録らず、「上手さ」よりも「勢い」を大切にしました。   レコーディング当日に山田にそれを伝えたのですが、かなり難しいメロディラインの曲だったので、「ウソでしょ?」と焦っていましたが、無事に納得のいく疾走感溢れた仕上がりになったので良かったです。   <吉田結威> 「焼き魚」   30年後の、2053年の事を想像してみる。   携帯電話はもう携帯するものじゃなく、 脳に埋め込まれたチップによって相手に想いを伝送するようなシステムに。 自動車や電車は名前を変えて空中を移動し、あらゆる店という店は店舗という形をやめて欲しいものがその場ですぐ手に入る状態に。 食べる物は全ての栄養が入ったサプリ一つで充分かもしれない。 もしかしたら生活の拠点は地球じゃなくなっているかもしれない。   そんな風に何かの映画で観たことあるような無いような未来を想像してみたらなんかしっくりこなかった。   最近よく思う事がある。 無性に「焼き魚」が食べたい。 部屋に付く匂いと後片付けの面倒くささ、そして箸を器用に使って細かい骨まで取り除きながら身を食べるという工程も込みで「近いうち食べたい」と先送りにしながらずっとボンヤリと頭の片隅で焼き魚の事を考えている。 だからと言って「レンジで簡単!煙も出ない!小骨まで処理済み!」と謳われた「冷凍の焼き魚パック」が売られていてもなんの魅力も感じない。 面倒くささと手間を省いては辿り着けない旨さが「焼き魚」にはあるのかもしれない。   もしかしたら30年後、人間が当たり前に宇宙船の中で生活する時代が来たとしても食卓には地球で獲れた秋刀魚の「焼き魚」が並んでいるんじゃないかと想像してみた。 凄いしっくりくる。   2人用の小さな宇宙船の中の4畳半の畳の部屋に丸いチャブ台。破れた襖の一部から透明なガラス窓が見えていて真っ暗い宇宙が広がっている。 軽い宇宙服を着た男女が神妙な面持ちで見つめ合っている。 地球時間で言うと2人は付き合い初めてもうすぐ6年。 もういい頃合い。 男が意を決して 「毎日僕の味噌汁を作ってくれないですか?」 みたいな言い方で 「宇宙の果てでも焼き魚焼いてくれないですか?」 とプロポーズをする。 女は返した 「は?」   <山田義孝> ◆紹介曲「 焼き魚 」 作詞:吉田山田 作曲:山田義孝   ◆9th ALBUM『備忘録音』 2023年5月17日発売 【ボーナストラック盤】¥3,300(税込)   <収録曲> 1. Monster 2. YADANA 3. 人間 4. 東京 5. こんな夏はいやだ 6. 日曜日 7. 焼き魚 8. 裸 9. 夜な夜な 10. もしもの話 11. 音楽 ボーナストラック. 最後の歌

    2023/05/15

  • Wakana
    君が今一番、欲しいものは何?
    君が今一番、欲しいものは何?

    Wakana

    君が今一番、欲しいものは何?

     2023年5月31日に“Wakana”がオリジナル3rdアルバム『そのさきへ』をリリース。プロデューサーに武部聡志を迎え、シンガーソングライター・半﨑美子提供の「標」、すでにライブでも披露され好評を博している作詞:Wakana、作編曲:武部聡志の「明日を夢見て歌う」、ゲームアプリ『メメントモリ』フローレンスキャラクター専用曲「Flag」を含む全11曲が収録。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Wakana”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け!今回は第1弾です。自身の軌跡、コロナ禍で改めて向き合った“歌うこと”について、そして今作の1曲目「 Butterfly Dream 」のお話を綴っていただきました。また今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。 皆さんこんにちは。 初めてお会いする方は、初めまして。Wakanaです。   今回、初めてこの歌詞エッセイを書かせていただけることとなりました。   此処で出逢えたあなたに少しでも、Wakanaのこと、そして私が歌う音楽のことについて知ってもらえたら、嬉しいです。   まずは今までの私自身のことについて、お話しさせてください。   2018年まで10年間、Kalafinaというグループで活動をさせていただき、その後ソロ活動をスタートさせてから、早4年が経ちます。   ソロデビュー当時は、それまで自分一人では経験したことのないことばかりで、全てが新しく感じ、輝いている反面、まるで何も知らない場所にやって来てしまったかのような不安に駆られる日々でもありました。   今までの経験も、見てきた景色も、全部自分の中に大切に仕舞ってあるはずなのに、上手く取り出すことが出来ず、それを活かすことも出来ませんでした。   そんな悩みを抱えながら、2020年のコロナ禍で私は、自分に出来ることについて改めてじっくりと考えることになります。   そう、歌うことについてです。   歌うという行為は、一体どうして私をここまで夢中にさせるのか?   そうかと思えば、何故どん底まで突き落とされるのか?   満足する音楽とは、歌声とは、一体なんだろう?   個人的に言えば、誰かの音楽を聴く上でそこで奏でられる歌の中でも、その人の持つ「声」にとても興味があります。   何故その歌声に至ったのか。   どうしてそういう表現が出来るのか。   一体どうしたらそんな技術を駆使出来るのか。   その「声」に辿り着くまでの葛藤や喜びが、きっとあったに違いない。   そう考えれば考えるほど、その人の持つ声に魅了されていくのです。   そして、自分の声をもっと研究してみたくなる。   緊急事態宣言の中で、私は家でひたすらに歌い続け、当時リリースしたばかりだった2ndアルバム『magic moment』と向き合い、叶わなかったライブへと思いを馳せていました。   限界を決めてしまうのはいつも自分自身。   出来ないことを確認しながら生きていても仕方がない。出来ることを増やせる自分でいたい。   その思いから3年。今回のオリジナル3rdアルバム『そのさきへ』の完成へと繋がっていくのです。   このアルバムの1曲目に収録している「Butterfly Dream」は、きっと3年前の私だったならば、歌うことは出来なかったであろう1曲。   楽しげで軽やかで、時に寂しげな不穏さを隠し持ったメロディーは、まるで希望と焦燥感が入り混じったあの頃の私の心のようだとも感じました。   恐れや不安が憧れに変わっていくとき、人は輝きを放ちます。   この曲をいただいた時に抱いたのは憧れそのもの。 その感情をそのままに、歌詞にしました。   ファンタジックで可愛いけれど、本当は小さな怖さを秘めたストーリー。   このアルバムの始まりに託したのは、この言葉でした。     <君が今一番、欲しいものは何?>     いつも憧れを胸に持ち続け、自問自答を繰り返しながら、これからも歌を追いかけていきたい。   そこには必ず、打ちのめされて泣いていた、あの頃の私がいる。   それを決して忘れずに、これからもそのままの私を連れて行ってあげたいと思います。       歌詞エッセイ、第一回目はこの辺で。   それではまた、次回にお逢いしましょう。     <Wakana> ◆紹介曲「 Butterfly Dream 」 作詞:Wakana 作曲:岸田勇気  ◆「Butterfly Dream」配信サービス一覧: https://jvcmusic.lnk.to/Wakana_ButterflyDream ◆オリジナル3rdアルバム『そのさきへ』 2023年5月31日発売 プロデュース:武部聡志 <収録曲> M1. Butterfly Dream  作詞:Wakana 作曲・編曲:岸田勇気 M2. Rapa Nui  作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ 編曲:武部聡志 M3. 標  作詞・作曲:半﨑美子 編曲:武部聡志 M4. 希望  作詞:岩里祐穂 作曲:村松崇継 編曲:鳥山雄司 M5. 殻  作詞:松井五郎 作曲:武部聡志 編曲:鳥山雄司 M6. そのさきへ~Interlude~  作曲:松本俊明 編曲:武部聡志 M7. KEMONO feat.清塚信也  作詞:鯨庭、Wakana 作曲:清塚信也 編曲:鳥山雄司 M8. 明日を夢見て歌う  作詞:Wakana 作曲・編曲:武部聡志 M9. Flag  作詞・作曲:BOI 編曲:高木龍一(Dream Monster) M10. そのさきへ 作詞:Wakana 作曲:松本俊明 編曲:岸田勇気 M11. あとひとつ 作詞:Wakana 作曲・編曲:武部聡志   ※商品詳細はこちら ⇒ https://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A026394.html      

    2023/05/13

  • レトロリロン
    好きなことで生きていく
    好きなことで生きていく

    レトロリロン

    好きなことで生きていく

     2023年4月19日に“レトロリロン”が1st EP『インナーダイアログ』をリリースしました。既発曲3曲+新曲3曲を収録した今作。インナー(内側)+ダイアログ(対話) という単語をつなげて“自分自身との対話”という意味になっており、このEPが自分自身と対話するきっかけになってほしいという思いが込められている作品です。    さて、今日のうたコラムでは最新作を放った“レトロリロン”の涼音による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 きれいなもの 」にまつわるお話。なぜ、音楽を始めたのか。そしてなぜ、音楽を続けているのか。そんな夢の軌跡と今の想いを明かしてくださいました。 ―好きなことで生きていく―     将来は宇宙飛行士になることが僕の小学校の頃の夢だった。   物心ついた時から何事も1番でないと気が済まなかった僕は、ほとんどの人が行くことのできない宇宙を夢に描いたのだ。しかし、いつしかそんな夢は消え去り今は曲を書いて歌を歌っている。     時は遡り、中学2年生になった頃、僕は人と関わることに初めて恐怖を覚えた。   全ての人が自分の敵に見え、少しずつ歯車が噛み合わなくなり、僕は晴れて一人ぼっちになった。塞ぎ込む日々の中、自分の不甲斐なさに幾度となく追い込まれ、途方に暮れていた。   そんな時だ。音楽に救われてしまった。 救われてしまったのだ。     この衝動は簡単には抑えることができず、気づけばギターを手にしていた。 そして溜まりに溜まった自己承認欲求を、思い切り音楽にぶつける。 これが自分の天職なんだと本気で思っていた。   しかし、好きだけで“続ける”ということは簡単ではなかった。 10年間歌い続けたが、結果は一つも出ない。何度も辞めようと考えた。 けれど何故か辞めることが出来なかった。全てを捧げてきたつもりだったのに、全然思い描いたそれには届かないのだ。     とてもきれいだった夢はいつからか重荷となり、僕を水の中に引き摺り込んでくる。 それでも一筋の光がきれいだったから僕は息をすることを諦められなかった。     どれだけ苦しくても、どれだけもがいても僕は音楽を手放せない。 救われてしまった。魅了されてしまった。一体何故そうなったのかを知りたい。 そうやって這った先にある答えを見るのが僕の夢だ。   そんな夢を叶えるため、僕は曲を書いて歌を歌っている。   <レトロリロン・涼音> ◆紹介曲「 きれいなもの 」 作詞:涼音 作曲:涼音 ◆1st EP『インナーダイアログ』 2023年4月19日発売   <収録曲> 1.カウントダウン・ラグ 2.Restart? 3.Document  4.Don’t stop 5.きれいなもの 6.深夜6時

    2023/05/11

  • polly
    これまでリリースしてきた曲を聴きハッとした。
    これまでリリースしてきた曲を聴きハッとした。

    polly

    これまでリリースしてきた曲を聴きハッとした。

     2023年5月10日に“polly”がEP『Heavenly Heavenly』をリリースしました。昨年メンバーチェンジを経て新体制となったpolly。Keyboad/Chorusの志水美日を迎えて初の作品となります。そして、今作のリリースを記念して東名阪リリースツアーの開催が決定。各公演ゲストを迎え、6月7日東京WWW Xには“KOTORI”の出演も決定!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“polly”の越雲龍馬による歌詞エッセイをお届け。今回は第1弾です。今作『Heavenly Heavenly』に収録される全5曲がどのような想いで誕生したのか。制作中の悩みと、たどりついたひとつの答えを綴っていただきました。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 pollyは5月10日に『Heavenly Heavenly』という5曲入りの作品をリリースしました。   新体制になり初の作品という事で、どんな作品にしたいのか、するべきなのか長期間悩んでいたのを今では懐かしく愛おしくも思う。   今までのpollyがやってきた事を一度破壊して再構築していくという選択肢も実はあって、この作品を手がける初期の頃はそのような曲を作っては悩みを繰り返していました。“新しいバンドを始める”といった意思に近いような気持ちでいたのだと思う。   悩みすぎて何がベストなのか分からないと頭を抱えていた時に、これまでリリースしてきた曲を聴きハッとしたのは今でも鮮明におぼえている。 こんなに良い曲達があるのだから、それらを自分で肯定しないのは馬鹿だと。 それからは、肩肘張らずに制作がスムーズになった。   僕にとって譲れない美学があって、それらを貫いてここまで来た。周りの人達から“どう売って良いのか分からない”とか“売れてからやりたい事やりなさい”とか散々言われて来たけど、美学を崩す事は僕にとって終わりであり、音楽を続ける理由を無くす事とイコールになるんだと思う。   今作『Heavenly Heavenly』は今まで以上に美学が詰まっており、尚且つ人懐っこい作品になったなぁと。 チーム全員が前を向き完成した作品。 僕にとってこの作品が今後、polly、音楽を続けるにあたって御守りのような作品になりました。この作品があれば大丈夫。振り返る先で未来を肯定してくれるような、そんな大事な作品です。聴いてくれるあなたにとってもそんな存在になれたらなと心底思います。   pollyはまだ始まったばかり。 というより、ちゃんと過去を肯定し再スタートしたのかなと。   そんな作品を共に作ってくれたメンバー、スタッフ、エンジニアさんに大きな感謝を。 そしてpollyを好きでいてくれてるあなたにも。   ps.今の時代、曲順ってあまり重要視されてないように思うが、出来れば一度曲順の通りに聴いて頂けたら嬉しい。 なぜEPという形でリリースをしたのかが見えてくるんじゃないかな。   次回は曲ごとに少しずつ掘っていけたらと思っています。   <polly・越雲龍馬> ◆EP『Heavenly Heavenly』 2023年5月10日発売   <収録曲> 01.MORNINGRISE 02.ごめんね 03.Snow/Sunset 04.K 05.Kikoeru

    2023/05/10

  • nolala
    心が壊れてくほど知らない私になっていく気がした。
    心が壊れてくほど知らない私になっていく気がした。

    nolala

    心が壊れてくほど知らない私になっていく気がした。

     2023年5月3日に“nolala”が1st Full Album『i my me mine』をリリース。今作には、すでに配信リリースされている「明日が最後でもいいと思えるように」を始め、全12曲を収録。収録曲の中には1st mini Album『harmony』に収録されている「ハルカゼ」を新たにリアレンジされたものも収録されており、さまざまなnolalaを楽しめる一枚となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“nolala”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾。執筆を担当したのはメンバーのひな(Dr.)です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「メイプル渡辺201」にまつわるお話。この歌詞を読んだとき、彼女が感じた想いは…。 声を荒げて重ねた別れる/別れない   普通電車で時間をかけて帰った日   狂ったように吸ったタバコ   眠らずに遊んだ店   霞んで見えなくなったフロントガラス   通話履歴しか無くなったLINE   さすがに私もそこまでバカじゃない     郵便ポストに入った合鍵     “心が壊れてくほど 知らない私になっていく気がした”     Gt.Vo.千陽が、 まるで私の全てを知っているかのようだった       猛スピードで過ぎ去って行ったこの日常は、     きっとどこにでも落ちていると思う       『i my me mine』 より 「メイプル渡辺201」 < nolala・ひな>   ◆1st Full Album『i my me mine』 2023年5月3日発売 NCJD-10009 ¥3,000(税込)   <収録曲> 1.明日が最後でもいいと思えるように 2.marrie 3.煙草と珈琲 4.恋、はじめ、誓約書 5.ハルカゼ(Album ver.) 6.ピアス 7.細愛 8.メイプル渡辺201 9.しあわせの跡味 10.アイユエ 11.ごめん、ありがとう。 12.6畳1Kとジャズマスター

    2023/05/09

  • 挫・人間
    下川ちゃんに出会えて良かった!
    下川ちゃんに出会えて良かった!

    挫・人間

    下川ちゃんに出会えて良かった!

     2023年4月5日に“挫・人間”が新曲「下川くんにであえてよかった」を配信リリースしました。下川リヲ(Vo, G)とマジル声児(B, Cho)の2人体制になってから初となる新曲。ゴスペルやスポーツの応援を彷彿とさせるコーラスが特徴的な1曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“挫・人間”の下川リヲ(Vo,Gt)による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは新曲「 下川くんにであえてよかった 」にまつわるお話です。「下川って一体誰なの?」。そう彼女に問い詰められている<僕>の物語の行方は…? ぜひ歌詞と併せて、お楽しみください。 「下川って一体誰なの?」   涙目でこちらを睨みつけながら、彼女はスマホの画面を僕に突きつけた。 そこには、昨日自分で書いた『下川ちゃんに出会えて良かった!』と題した、挫・人間への愛を綴ったブログが表示されている。   「どういうことなの? もう意味わかんないよ」   意味など、もう誰にも分からなかった。 挫・人間というバンドは、何を叫んでいるのかも、行動原理も分からない。僕もどうしてこんなブログを書いたのか分からなかったが、人生を損なっていることだけは確かだった。   「こんなの、もう嫌。別れたほうがいいのかもね」   「そんなこと……」   「下川って誰? 何?! もう疲れた……一緒にいられないよ」   ついに泣き出した彼女を前に、現実逃避をするように「下川ちゃんもこういう気持ちだったのだろうか」と僕は考えていた。   挫・人間も次々とメンバーがいなくなっていった。 失踪、行方不明、神隠し、誘拐、キャトルミューティレーション……あらゆる不吉な噂が絶えないせいで、下川ちゃんはさながらバンド界のバミューダ・トライアングルといった扱いを受けていた。   「何度も私をこんな気持ちにして楽しい? そうでもしないと安心できないですか?」   「勝手にスマホ見る奴が悪いだろ……」   「最低……いつも不安にさせるから見るんじゃん」   「お前さあ、もうマジでうるさいよ。大体僕が下川ちゃんに夢中なことの何が悪いっていうの」   「嫌に決まってるよ! 彼氏がそんな訳の分からないバンド聴いてるとか、恥ずかしくて友達にも言ったことないよ」   「お前!!!」   頭に血が上った僕が彼女に掴み掛かろうとした瞬間、部屋の壁を突き破りながら猛スピードで直進する大型トラックが僕の躰を跳ね飛ばす。   その刹那――走馬灯。   静寂―― そして悲鳴。   不思議と痛みはなかった。茫漠とした時間の感覚だけがひたすらに弛んでゆき、0.1秒すら長い、とても長いトンネルを抜けるような感じがした――。   トンネルを抜けると雪国だった。   北方前線防衛巨大国家――ガンス・ヴェン・ヴァンタル。   貴族中心の政治が行われるこの国は貧富の差が激しく、僕はこの国の貧民街で、貧乏ながらも幸せな農民の子として転生していた。   生憎、僕には魔法の才能はなかったが、ファンタジーの世界でスローライフを送っていくのも悪くない。幼馴染同然に育ったハーフエルフのミサーキーの笑顔を見ていると、自然とそんなことを思うようになっていた。   でも……   そんな日々は…… 呆気なく壊されるんだ…………。   月夜……ゴブリンの襲撃。 低級モンスターでも、ただの農民には脅威だ。家族が襲われているのに、僕は部屋の隅で怯えていることしか出来なかった。その時。   「キャッ……!ゴブリン?!」   ……?! 怯えたミサーキーの声……。   まずい、ゴブリンに気付かれる……! ミサーキーだけは……僕の命に替えても守らなくちゃ……!   意を決して飛び出した僕の目の前に広がる景色は…… 撤退してゆくゴブリンたちと、尻餅をついているミサーキー……。 そして……剣と、それを構える、美しい少女の横顔……。 それは、剣と言うには、あまりにも大きすぎた、大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。   「怪我はないかニャ?」   月明かりに照らされ、少女が振り返る。 彼女は真紅のビキニアーマーを纏い、それと同じ瞳の色をしていた。長い髪に猫耳型のカチューシャを付けた彼女の微笑む口元には、大きすぎる剣に似つかわしくない可愛らしい八重歯が覗いていた。   そして僕は……その姿に見覚えがあった。   「下川ちゃん……?」   「はにゃ? どうしてわっちの真名をぬしは知っているのかニャ」   「だって、いくらなんでも別人にしては似過ぎて……」   「ふむ…… もしかして、ぬしもまた“挫・人間”なのかニャ」   「えっ?」   それから下川ちゃんは、この世界に転生してきた人間が僕だけでないことを教えてくれた。そして彼らの共通点は、“挫・人間”に深く関わっていたこと……どうやら脱退したと思われていたメンバーも皆この世界に転生しているらしい。   あと、どうやら僕が彼女の真名を呼んでしまったことで、僕らは離れらない契約を結んでしまったらしく、これから僕は彼女の主人“マスター”として共に戦わなければならないらしい、やれやれ。   「多分……そっちの世界の“下川ちゃん”が特異点になって、ぬしさまたちを転生させているんだニャ」   “挫・人間”……そして下川ちゃん。僕がブログを書いた直後に転生したことはきっと偶然じゃないんだろう。この先に何が待っているのかも全くわからない。   「上等だぜ!」   僕は拳を握り締め、顔を上げた。この先何が待っていたとしても、楽しみでしかない。僕はこの転生した世界を思いっきり楽しむと決めているからだ。何が起こるかわからないから、人生は面白い。それを教えてくれた下川ちゃんに、いや挫・人間にであえてよかった。文字通り、僕の世界を変えてくれたのだから。 僕は今、不確かだが希望もある未来への第一歩を踏み出した――。     こういう曲です。聴いてください。 < 挫・人間  下川リヲ> ◆紹介曲「 下川くんにであえてよかった 」 作詞:下川リヲ 作曲:下川リヲ・マジル声児

    2023/05/08

  • レトロリロン
    人生はやり直せるのだろうか?
    人生はやり直せるのだろうか?

    レトロリロン

    人生はやり直せるのだろうか?

     2023年4月19日に“レトロリロン”が1st EP『インナーダイアログ』をリリースしました。既発曲3曲+新曲3曲を収録した今作。インナー(内側)+ダイアログ(対話) という単語をつなげて“自分自身との対話”という意味になっており、このEPが自分自身と対話するきっかけになってほしいという思いが込められている作品です。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“レトロリロン”の涼音による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 Restart? 」にまつわるお話。選択の連続である人生のなか、“選択の失敗”が怖くて、待つだけの自分になってしまっているあなたへ。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 ―人生はやり直せるのだろうか?―   生きていくということは様々な選択の連続だ。 あの時こうしておけばと思うことがほとんどの中、何をもって正解なのだろうか。   既に過ぎ去ってしまった結果を変えることはもう出来ない。 であれば、先々の選択を慎重にするしかないのか。 しかし、そう思って気を付けていたとしても僕らは失敗をし続けてしまうのだ。 もはやそこに意味があるのかもしれない。 意味を見出したいとさえ思ってしまう。     例に漏れず、僕はよく選択を間違える。 些細なことから大きなことまで様々だが、選択を間違えるたびに頭をよぎる言葉がある。 それは“もうやり直せない”という言葉だ。 この言葉を何度も頭の中で反芻(はんすう)する。   気づけば僕は選択による失敗を恐れて、チャンスが来るのを待ちぼうける日々を送っていた。 しかし、そのチャンスとやらはいくら待ってもやってこない。 チャンスは自ら掴みに行かない限りは生まれないことに気づいてしまった。 その時から僕は“いつか”を待つことをやめた。     結局のところ、結果が出るまでは、失敗だったかどうかの判断などつかないのだ。   僕たちは、失敗したことばかりを数えてしまうけれど、知らないところでたくさん良い選択をしている。凄まじい速度で判断を迫られる現代で、正解を弾き出すことは極めて難しいが、自分自身の納得が最も大切なのかもしれない。     人生はいつでもやり直すことが出来る、という言葉をよく耳にするが僕はそんなことはないと思っている。今までの全てがこれからに繋がっている。だからこそいつでもスタートは切れるのだ。   これまでの失敗をただの失敗にしない為に、これからも選択し続けることを僕は辞めない。   <レトロリロン・涼音> ◆紹介曲「 Restart? 」 作詞:涼音 作曲:涼音   ◆1st EP『インナーダイアログ』 2023年4月19日発売   <収録曲> 1.カウントダウン・ラグ 2.Restart? 3.Document  4.Don’t stop 5.きれいなもの 6.深夜6時  

    2023/05/05

  • THE BEAT GARDEN
    言葉が降ってくるなどという才能が僕にはない。残念!
    言葉が降ってくるなどという才能が僕にはない。残念!

    THE BEAT GARDEN

    言葉が降ってくるなどという才能が僕にはない。残念!

     2023年6月14日に“THE BEAT GARDEN”がフルアルバム『Bell』をリリース! 前作『余光』から約2年ぶりとなる4枚目のオリジナルアルバムとなる今作。大ヒットを記録したドラマ『六本木クラス』挿入歌「Start Over」をはじめ、初CD化となるデジタルシングル曲(「ROMANCE」「それなのにねぇなんで?」「初めて恋をするように」)に加え、新曲5曲を含む全9曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“THE BEAT GARDEN”のUによる歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け! 今回はその第1弾です。綴っていただいたのは、「歌詞を書く」ことにまつわるお話。言葉が降ってくることなんてない。でも、だからこそいっそう大切で愛おしい歌詞への想いを明かしてくださいました。 まずはじめに 何かの縁でここへ来てくれて ありがとうございます   いいね一つにしても 正直減るものではないけれど、   目に入るもの全てに押すかと言ったら 僕も全然そうじゃないから。   きっと URLをクリックしたり   こんな風に“文章を読む”なんていうのは 時間だったり色んなものを割いて   僕に渡してくれてるのだと思うので 心から嬉しいです。     為になることはないかもしれませんが!   良かったらなんとか根性で 読み切ってもらえたらとてもとても幸いです。   ―――   「言葉が降ってくる などという才能が僕にはない。残念!」     寝ている間に一曲出来てて。とか   ぼーっと待っていたら突然目の前に現れて   聞いたこともない言い回しが浮かんで。   なんてことも残念ながら経験がない。     そんな僕がモタモタしてる間に   時代を掴んだミュージシャンの新曲達が   颯爽と口笛を吹いて 僕の横を通り過ぎていく。     一方、 追い抜かれて置いていかれても   冬に雑巾を絞るみたいに ぎゅっと痛いけど何とか 一言こぼれ落ちる   みたいな自分がいやになる。     彼らの 出演番組とか観たくないし 歌詞とか読みたくないけど ちゃんとめっちゃ気になるし     本当は 耳にタコができるほど 曲聴いてほしいし   タコがダメならイカになって スルメイカみたいに噛めば噛むほど 良い!Uくんすごい!ってなりたい。     でもやっぱり カリスマみたいに書けなくて   それでも 自分だから見つけられた言葉は やっぱり可愛くて。     そんな手間ひまかけて育てた愛着は 長持ちして ずっとかわいい。   だからいいんだ。 時代の最先端に立てなくても 君の大好きの最先端に立っていられるなら かまわないぜ           ダサいー。   ―――   アルバムがでます 6月14日です   何の日か調べてみたら 手羽先記念日でした 手羽先には特に思い入れは無いです (美味しいよね!)     『Bell』というアルバムです。     約半年間、毎日カフェへ行き   一つのカフェに行きすぎると   あの人 一体毎日何をボーッとしてるの?と   視線が徐々に痛くなるので   いい具合に店舗を散らしながら   歌詞を書いていました。     歌詞を書くのは   青春時代みたいだなって言おうと思ったけど   “青春時代”ってなんぞ? まいいか     あのー、初恋とかそのあたりの感じ。   あの子との話し方 自然な手の繋ぎ方   これ送って大丈夫かな?の夕方 毎日おはよって送れる!の嬉しい朝   でも返って来なくて愕然とする夜。     なんで急に冷めた?の冬   もう二度と恋なんてしない!の夏   のあの感じを頭の中で繰り返す。       眠れなくなって 寝不足で 鼻の下にニキビができて   そんな時に限って 君は話しかけてくる。     あの日々に 歌詞を書く感覚は似てるかもしれない。     でもね? あれは、 二人でやるから。いいのよ。       若かりし青い春を 一人で夜中まで毎日続けるおじさんは ハゲちゃうよ?   おれ   ね?   ――   メロディを聞いて そこに出会える言葉を うーっと考えてると おでこの真ん中が重たい。     僕の気持ちに僕が質問をして、 僕が解答するわけだから   全部ベストアンサーだし 誰かにとっては全部間違ってる。     他の天才達はこんな感じで書くのだろうと   月を見上げにベランダへ出たら 寒くて秒で部屋に戻る。     よし。 チャリ漕いで書こう。と思ったら   下り坂の途中で 小さい虫の大群に襲われる。   2時間後に その黒い虫が目の端っこからカムバック。     “星の数ほどある人と虫の中で 眼球に飛び込んだ君から目が離せないよ”     みたいな歌詞を歌える曲などない。   ってか二度と会いたくない。     話は逸れましたが、 きっと   春と夏の分かれ目みたいに 薄味と濃い味の境目みたいに   ぜったいこうだ! なんてものもないし   人それぞれ 違う目盛りがあるのが音楽だし歌詞だと思う。     正解を決めるものでも 探すものでもない。     どんなに切なくて苦しい曲だって   わたしに比べたら あなたの悲しみなんて 決して悲しみじゃないんだと 言われてしまえば   その歌詞では もうその人に関われないわけだし   思ってもいないところで 思ってた以上にブッ刺さってくれたりする。   だから。   誰かの目や耳に あの虫のように 奇跡的に飛び込めて   放り出されずに 大事にしてもらえるなんて   それは泣けるほど 嬉しいこと。     です。     虫より。   ―――     歌ネットさん。 コラムを依頼して下さってほんとにありがとうございます。   言葉が降ってくる などという才能がない僕でも   曲を書いたり ライブで歌ったりすることで   時々、誰かの人生に寄り添える瞬間があって   このコラムもそう。   あ、俺も書けるかも!とか 私この人よりいける。。とか 何かの一歩になってくれたりしたら すっごく嬉しい   さらに THE BEAT GARDENにも 興味を持ってくれたりなんてした時には 飛び上がります。     つらつらと自由に書かせてもらいましたが     次回の6月のコラムでは 「恋」をテーマに 多分、書かせていただきます。   長かったよね。 文。   ごめんね。   読んでくれてありがとうございます。   また 歌ネットさんで、ライブで、会いましょう   THE BEAT GARDENのUでした!   <THE BEAT GARDEN・U> ◆4th FULL ALBUM『BELL』 2023年6月14日発売   <収録曲> 1.Start Over 2.心音 3.あかり 4.初めて恋をするように 5.夏の三角関係 6.High Again 7.それなのにねぇなんで? 8.ROMANCE 9.ラブレター  

    2023/05/04

  • nolala
    ごめん、ありがとう。
    ごめん、ありがとう。

    nolala

    ごめん、ありがとう。

     2023年5月3日に“nolala”が1st Full Album『i my me mine』をリリース。今作には、すでに配信リリースされている「明日が最後でもいいと思えるように」を始め、全12曲を収録。収録曲の中には1st mini Album『harmony』に収録されている「ハルカゼ」を新たにリアレンジされたものも収録されており、さまざまなnolalaを楽しめる一枚となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“nolala”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾。執筆を担当したのは、メンバーの千陽( Gt.&Vo.)です。綴っていただいたのは、今作の収録曲 「ごめん、ありがとう。」にまつわるお話。6年かけてやっと完成したこの曲。時間をかけても隅々まで納得できる曲にしたかった理由は…。あなたにとっての大切なひとを思い浮かべながら、歌詞とエッセイを受け取ってください。 「大切な人をちゃんと大切にしよう」 と思った。   それだけのこと?   そう、それだけのこと。   そんなことさえもできていなかった。 当たり前になっていた。 大切な人が側に居ること。     保証された明日なんてない。 誰にでも起こりうること。 「明日は我が身」 きっと誰もが理解していて理解できていない。   「まさか自分が」 「まさか自分の大切な人が」   そう思うことさえないほど 「死」という言葉が程遠いと 誰もが思っているのだろう。   私もそうだったから。   ―――――   代わり映えのない日々だった。 好きな先輩を見るために髪を整え学校へ行く。 退屈な授業。 空を眺めていると時間が過ぎるのが早かった。   学校終わりは塾かバイトかバンド。 それを辿る日々。   特に夢はなかった。卒業後の進路も未定。   なんとなく卒業して大学に行って どこかで働くんだろうな   なんとなくでできた未来 なんとでもなると思っていた未来     ある日家に帰ると その未来は真っ黒になった。   世界が変わった気がした。 同じ街に居るのにまるで別の世界のような       もうこの場所にあの人はいない         「まさか自分が」 「まさか自分の大切な人が」   やっと理解した「誰にでも起こりうること」   遅かった。もう戻らない。どうすることもできない。     振り返っても後悔ばかりだ。   もっと優しくすればよかった 「ありがとう」って伝えればよかった たくさん話をすればよかった   居なくなってしまったら 何もしてあげられないよ 伝えられないよ 当たり前に私の未来に存在してくれると そう思ってしまって   当たり前なんてないのに 今なら分かるのに 今分かっても遅いのに   もう同じ後悔を重ねないように 今居る大切な人たちをちゃんと大切にする。     あなたが教えてくれたこと 忘れないよ       ごめん、そして最大限のありがとう。   私の大切な人   ―――――   誰にでも起こりうること。 それを分かっていてほしい。   私が身をもって経験したこと。 同じ後悔を誰にも経験してほしくない。   そう思って作った曲   どこも妥協したくなくて 時間をかけてでも隅々まで納得できる曲にしたかった。   そして6年かけてやっと完成しました。   大切な人が居るすべての人に届きますように   <千陽> ◆紹介曲「ごめん、ありがとう。」 ◆1st Full Album『i my me mine』 2023年5月3日発売 NCJD-10009 ¥3,000(税込)   <収録曲> 1.明日が最後でもいいと思えるように 2.marrie 3.煙草と珈琲 4.恋、はじめ、誓約書 5.ハルカゼ(Album ver.) 6.ピアス 7.細愛 8.メイプル渡辺201 9.しあわせの跡味 10.アイユエ 11.ごめん、ありがとう。 12.6畳1Kとジャズマスター

    2023/05/02

  • 琴音
    本曲制作にまつわるパンドラの箱を開けてしまおうと思います。
    本曲制作にまつわるパンドラの箱を開けてしまおうと思います。

    琴音

    本曲制作にまつわるパンドラの箱を開けてしまおうと思います。

     2023年4月19日に“琴音”がEP盤『君にEP』をリリースしました。前作ミニアルバム『君は生きてますか』以来約1年7か月ぶりとなるこのEPには、「君に」のほかに未発表の新曲2曲、今年1月に公開されたアニメ映画『金の国 水の国』の劇中歌として話題になった「Brand New World」「優しい予感」「Love Birds」3曲の全6曲が収録されます。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“琴音”による歌詞エッセイをお届け。今回は【後編】です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 ライト 」にまつわるお話です。EP唯一の自作曲。これまで話してこなかったという、この曲の秘密を明かしてくださいました。さらに今回も音声版がございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。 皆さんいかがお過ごしでしょうか。 4月19日『君にEP』リリースにつき、第2弾を書かせていただく運びとなりました。 以前、1stアルバム『キョウソウカ』リリースの際は3つ書かせていただいているのですが、先日久しぶりに見返し、ほのかに香るあどけなさと今も変わらぬ前段のくだらない小話にしみじみしました。 ということで、今日も今日とて書いてまいります。 琴音です。     さて、今回の題材となるのはEP唯一の自作曲「ライト」です。   本曲以外の提供曲5曲もそれはそれで大変思い出深いのですが、自作となると制作段階でのドラマは一層沢山うまれるものです。   とはいえ今回も第2弾を書かせていただけるとは思っておらず、この曲の制作話は取材などで洗いざらい話してしまったと頭を抱えておりました。   ですが、実はまだどこにも話していない秘密中の秘密がひとつあったのです。   今回はこの場をお借りし、本曲制作にまつわるパンドラの箱を開けてしまおうと思います。     昨年に全6曲構成に決まり走り出したEP制作。   しかしこの曲自体が完成したのは今年の3月初旬です。   つまり、EPの中では1番最後に完成した出来たてホヤホヤの曲になります。   当時、映画『金の国 水の国』劇中歌の3曲はとうに出来上がり、「君に」や「波と海」も徐々に仕上がっていく中、残り1曲の所在はなかなか決まらずにいました。   そしてやはり最後の曲は自作でやるべきと決まった時には、実質1ヶ月程の日数で0から全てを完成させなくてはならない状態でした。   そもそも何かと工程の多い制作です。   このようなギリギリな状況で本当に完成させられるのか、私自身にも一抹の不安がありました。   現になかなかタイトなスケジュールではありましたが、幾つかデモを作り選定をし、「ライト」プロデューサーの若菜拓馬さんの助言や編曲をいただきと、思いのほか作曲は順調に進んでいました。   ですが、一難去ってまた一難。本当に苦しむことになるのはその先の作詞作業だったのです。   というのも、私の歌詞は内省的な内容が多く、拘るほど時間がかかりがちです。   短期間で納得できる歌詞を書くには今までのやり方ではだめなのだろうと思いつつ、ならばどうすればいいのかと困惑していました。   自作曲完成のための重要な局面、時間も迫る中で折れるわけにもいきません。   とにかく打開策を見出さなくてはと思い悩んでおりました。   そんな折、ふとタイミング良く、とあるブログに出会ったのです。   初めて見た方のものでしたが、作詞方法の一案としてテーマを2つ決めるというやり方が紹介されていました。   例えば恋愛モノの歌詞を書く、という大枠のテーマだけではなくその中にもう1つ、「雨」や「カプチーノ」など具体的なテーマを決めておくと歌詞が書きやすくなるという内容でした。   それを読んだとき、確かに考えてみればそういう曲は多いのかもしれない、と言語化されることで気がつきました。   ここまで書いてみて、そんな大事な時にネットに助けを求めるなよと自分でも呆れますが、出会ってしまったのですから仕方がありません。   実際これを機に、今までの内省に潜っていく作詞方法とは違う新しいやり方も試してみようと思い立っていきます。   当時、作曲から作詞に移っていく際に出ていた「ささやかな幸せ」という大枠テーマのもと、ブログ通りもう一つのテーマを考えてみました。   そこで思いついたのが、本曲の題名にもなっている「ライト」です。   日々を過ごしていく中、灯りという存在は当たり前のように、ひっそりと色々な場面を彩っています。   灯りのなかで生まれる取り留めのない毎日、そんな小さな幸せが続いていく様子を書いてみたいと思いました。   結果、新しい試みをやってみた感想としては、何となく作詞家さんみたいだなと感じました。   確かに明確なテーマが決まっていると関連することは思い出しやすいですし、実体験として経験がなくとも誰かから聞いたり想像でお話を作ってしまったり、他の既成曲からヒントを得たりと色々な策がとれます。   ここだけの話、本当に作詞期間中はあらゆるプレイリストが恋愛曲や家族曲で埋まっていました。   実体験を派生させて書いた部分もあれば、一方で自分では感じたこともないことを書いた部分もあり、言ってみれば自分なのにどこか自分じゃない、でも自分の歌詞という奇妙なものができた感覚です。   自分が思っていないことを書くなんて初めてで新鮮でしたが、それが自分の書きたいことと喧嘩していないというのがなにより驚きでした。   普遍の中に自分のこだわりや工夫を詰め込む感覚。   何とも言い表しにくいですが、ともかく一段成長できた気分です。   今回この話を書く上で、お世話になった例のブログをもう一度読みたいと探したのですが、残念ながら見つけられませんでした。   どこのどなた様かも存じませんが、自分の窮地を助け成長させてくださったこと、大変感謝しております。   正直たまたま見たものに影響されてやってみたなんて、何だか恥ずかしいような情けないようなで無かったことにしたかったのですが、まあ私に嘘は似合わないということで書いてみました。   これからも色々な刺激に出会って成長していきたいなと思うこの頃です。     っはい!! いかがでしたでしょうか。 今回はこの辺で終わります。 またどこかでお会いしましょう。 ご清覧ありがとうございました!   <琴音> ◆紹介曲「 ライト 」 作詞:琴音 作曲:琴音・若菜拓馬  ◆『君にEP』 2023年4月19日発売 配信サービス一覧: https://jvcmusic.lnk.to/kimini_ep   <収録曲> 1. 君に 2. ライト 3. 波と海 4. 優しい予感 5. Brand New World 6. Love Birds

    2023/05/01

  • 新山詩織
    何者
    何者

    新山詩織

    何者

     聞くひとの心を捉えて離さない、染み入る歌声と歌詞が多くのリスナーを惹きつけるシンガーソングライター・新山詩織。そんな彼女が2023年4月17日にメジャーデビュー10周年を迎えました! そして来たる7月5日には10周年記念アルバム『何者 ~十年十色~』のリリースが決定!    さて、今日のうたコラムでは、メモリアルイヤーを記念して“新山詩織”による歌詞エッセイを1年を通じ、12ヶ月連続でお届け!その第5弾です。綴っていただいたのは、アルバム『何者 ~十年十色~』のテーマに通ずるお話。自分は“何者”なのか。その問いに向き合ってみて、わかったことは…。 自分は果たして、何者なんだろうか。   もちろん新山詩織である でも、しおり、でもある   もしかしたら他の別人がいたりして...?   ただ意識はしていないだけで 日常のなかにはいろんな自分が潜んでる   でも   グズったり ヘラヘラしたり イライラしたり だらしなかったり 寂しかったり 緊張したり   いつも分かりやすく見えるのは マイナスな部分ばっかり   受け止めきれなくなって いっぱいになって どうしようもなくなって   負のループ。   結局、年齢も、過ぎた年月も関係ない その時の自分をどう立て直していくか 変えていくかなんだと、分かった。   誰かに身を委ねたり、甘えたり 助けを求めたり   そんな感情も全部、自然なことだから 自分で自分を無理に振り払わなくていい   大丈夫、大丈夫だから。行っちゃおうよ。     そんな想いをギュッと詰め込んだ新たなアルバム 『何者~十年十色~』7月5日にリリースします!   <詩織> ◆10周年記念アルバム『何者 ~十年十色~』 2023年7月5日リリース

    2023/04/28

  • コレサワ
    夕方のファミレス。
    夕方のファミレス。

    コレサワ

    夕方のファミレス。

     2023年4月5日に“コレサワ”がミニアルバム『かわいくしながら待ってるね』をリリースしました。2月2日の猫の日に配信リリースした「にゃんにゃんにゃん」や、インディーズ時代にライブで披露されていた楽曲で初の音源化となる「真っ赤な爪と牛乳」の他、“ペーパードライバーの彼氏”を応援する楽曲や、コレサワの人生観を歌った楽曲等、魅力がたっぷり詰まった全7曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“コレサワ”による歌詞エッセイをお届け。深夜とは違う、夕方のファミレスの光景を眺めながら思い出したことは…。今作『かわいくしながら待ってるね』の歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください…! 夕方、家で仕事するのに飽きてファミレスに来てみました。でも私の知ってるファミレスじゃない。私は深夜のファミレスしか知らない。PCを広げて作業しているお兄さんや、勉強中の人、地元のヤンキー、会話のないカップルたちが過ごしている深夜のファミレスしか知らない。   夕方はこんなに賑やかなの?! 子供達が駆け回り、小さい女の子が両手に二つ、溢れそうなコップを抱えてドリンクバーから席へ移動している。可愛い。ロボットが料理を運んでくる時の音楽、いつもなら恥ずかしいくらい店内に響き渡るけど、今はちょうどいい。むしろ小さいと感じる。そんな華やかなファミレスからお送りしています。   どうして顔を隠しているの? と聞かれる度に「すきぴとデートしたいから」と答えているけど、それはよそ行きの回答で、本音はこういうなんてことない夕方のファミレスに溶け込みたくて隠してたんだってことを思い出した。   隣のテーブルの女子高生はコレサワを聞いたことがあるのかな? もしファミレスでポテトのケチャップを2回くらいおかわりしている人がいたら、それが私です笑。   4月5日にミニアルバム『かわいくしながら待ってるね』をリリースしました。どの曲の主人公も愛おしい作品です。今回はCDを作ってないです。でも歌詞はちゃんと読んで楽しんでもらいたいので、ツアーグッズで歌詞ブックを販売することにしました。全曲のライナーノーツも読めるので、いつもの歌詞カードより読み応えがあると思います。まだ聞いてないなら、是非聞いてほしいな。   2年ぶりに全国ツアーも決まりました。タイトルは“らぶ、出張ツアー”です! 全国出張だーーっ。各地の美味しいものを食べるためにダイエットしたい。20ヶ所も回れることが嬉しいです。いつも来てもらってばっかりだったからね。近くまで行くので、よかったら遊びに来てください!待ってるねっ。   そろそろポテトが胃にもたれかかってきたので、甘いものでスッキリしたいと思います。それではまた!   <コレサワ> ◆New Mini Album『かわいくしながら待ってるね』 2023年4月5日配信 配信リンク: https://lnk.to/Ill_BeCute_WhenYouSeeMe <収録曲> 1. 真っ赤な爪と牛乳 2. 最後の行ってきます    3. ペーパードライバー 4. にゃんにゃんにゃん    5. さよなら恋人 6. 君が帰った後には       7.  ♡ 人生 ♡ ◆ LIVE コレサワ LIVE TOUR 2023 らぶ、出張ツアー   【岩手】 5/3(水)  盛岡CHANGE WAVE   OPEN/ START  16:30 / 17:00  (問)GIP 0570-01-9999(24時間自動音声案内) https://www.gip-web.co.jp/t/info 【宮城】 5/4(木)  仙台Darwin    OPEN/ START  16:30 / 17:00  (問)GIP 0570-01-9999(24時間自動音声案内) https://www.gip-web.co.jp/t/info 【兵庫】 5/13(土) 神戸VARIT.     OPEN/ START  16:30 / 17:00   (問)清水音泉 06-6357-3666(平日12:00?17:00) info@shimizuonsen.com 【岡山】 5/20(土) 岡山MO:GLA    OPEN/ START  16:30 / 17:00    (問)キャンディープロモーション岡山  086-221-8151(平日11:00~18:30) 【広島】 5/21(日) 広島Live space Reed    OPEN/ START  16:30 / 17:00   (問)キャンディ?プロモーション広島 082?249?8334(平日11:00?18:30) 【静岡】 5/28(日) LiveHouse浜松窓枠     OPEN/ START  16:30 / 17:00   (問)サンデーフォークプロモーション静岡 054-284-9999 (月~土12:00~18:00) 【宮崎】 6/4(日)  宮崎FLOOR      OPEN/ START  16:30 / 17:00   (問)GAKUONユニティ・フェイス 0985-20-7111 (平日 11:00~18:00)            【熊本】 6/10(土) 熊本ぺいあのPLUS   OPEN/ START  16:30 / 17:00   (問)キョードー西日本 0570-09-2424(月?土11:00?15:00) 【福岡】 6/11(日) 福岡ROOMS   OPEN/ START  16:30 / 17:00   (問)キョードー西日本 0570-09-2424(月?土11:00?15:00) 【京都】 6/17(土) KYOTO MUSE      OPEN/ START  16:30 / 17:00   (問)清水音泉 06-6357-3666(平日12:00?17:00) info@shimizuonsen.com 【新潟】 6/25(日) 新潟ジョイアミーア     OPEN/ START  16:30 / 17:00   (問)新潟ジョイアミーア 025-224-2588 【愛媛】 7/1(土)   松山キティホール       OPEN/ START  16:30 / 17:00     (問)デューク高松 087-822-2520(平日 11:00~18:00) 【香川】 7/2(日)  高松DiME        OPEN/ START  16:30 / 17:00    (問)デューク高松 087-822-2520(平日 11:00~18:00)                 【山梨】 7/8(土)  甲府KAZOO HALL    OPEN/ START  16:30 / 17:00   (問)DISK GARAGE 050-5533-0888(平日 12:00~19:00)        【栃木】 7/9(日)  HEAVEN'S ROCK Utsunomiya(VJ-2)   OPEN/ START  16:30 / 17:00  (問)DISK GARAGE 050-5533-0888(平日 12:00~19:00) 【石川】 7/16(日) 金沢EIGHT HALL  OPEN/ START  16:30 / 17:00    (問)金沢EIGHT HALL 076-223-1577 【愛知】 7/17(月) 名古屋ボトムライン  OPEN/ START  16:30 / 17:00  (問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(12:00~18:00) 【北海道】 7/23(日) 札幌 cube garden  OPEN/ START  16:30 / 17:00    (問)WESS  info@wess.co.jp   【大阪】 7/28(金) 心斎橋BIGCAT       OPEN/ START  17:15 / 18:00  (問)清水音泉 06-6357-3666(平日12:00?17:00) info@shimizuonsen.com 【東京】 8/4(金)  Zepp Haneda  OPEN/ START  17:00 / 18:00  (問)DISK GARAGE 050-5533-0888(平日 12:00~19:00)              東京公演以外全会場弾語り公演、東京公演のみバンド編成公演   チケット代:¥5,500税込(別途ドリンク代必要) チケット代(学生):4,500円税込(別途ドリンク代必要) 購入制限:2枚 券種(東京以外):全自由席 ※チケット整理番号順での入場になります。 券種(東京のみ):全席指定 ※東京公演(バンド編成)、他地区(弾き語り)となります。 入場制限:未就学児童入場不可 入場制限:学生割引チケットに関しては高校生以下のみ入場可能(入場時要学生証提示/※販売数制限あり)   一般発売日:4月8日(土)10:00   企画:RECO RECORDS 制作:ハンズオン・エンタテインメント

    2023/04/27

  • 藤川千愛
    ちゃんとした人不適合者
    ちゃんとした人不適合者

    藤川千愛

    ちゃんとした人不適合者

     2023年4月12日に“藤川千愛”がミニアルバム『嬉しい声をほんのちょっと』をリリースしました。今作には、4月スタートのTVアニメ『マイホームヒーロー』オープニングテーマの「愛の歌」の他、全7曲が収録。初回限定盤には1月7日に行われたワンマンライブの映像が収録されたBlu-rayが付属され、12曲のライブ映像を堪能することができます。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“藤川千愛”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 ちゃんとした人不適合者 」にまつわるお話です。あなたも誰かに「ちゃんとして!」と言われたことはありませんか…? 『ピコん』 通路を挟んだ左前方の席から、聞き覚えのある確認音が鳴った。   この音は…間違いない。翌日の朝が早い夜に限って、見透かしたように中毒性を上げてくるパズルゲームに課金した時の確認音だ。私は心の中で『ファイナルアンサー』と唱えて、ゆっくりと顔を上げた。   <NO SAUNA NO LIFE>とプリントされたTシャツを着た男性の手に握られたスマートフォン、その画面には思ったとおり例のパズルゲームが表示されていた。ひとりクイズに勝利し、ほんのり上機嫌になった私は、男のテーブルに目をやった。   テーブルにはコーヒーとB5サイズのキャンパスノート、消せるタイプのボールペンが並べられていた…。『小説家!ファイナルアンサー』。調子に乗った私は、たまたま隣の席に座って、たまたま自分と同じパズルゲームにハマっているだけの男の職業を、安直にも小説家と推理し心の中で叫んだ。   原稿の〆切が迫っているこの小説家の男は、アイデアが浮かばずにほとほと困り果て、ならばと気分転換に喫茶店に来てみたものの、ついつい一回だけのつもりと始めたパズルゲームにハマって課金までしまったのだ。   『ファイナルアンサー』 私の妄想が正解かどうかなんて最早どうでもいい、平日の昼間に喫茶店でパズルゲームにハマり、Tシャツの文言に反してちっとも整っていない、このちゃんとしていない男に私は勝手に親近感を感じた。   かく言う私も来月に発表しなくていけない楽曲の締め切りに追われ、喫茶店に逃げ込んだ口だったのだ。   自慢じゃないが、私はちゃんとしていない。   思い返せば、子供のころから親に『ちゃんとしてや』と散々言われて育ち、大人になった今でもマネージャーに『ちゃんとしてください』と年中諭されている。そんなわけで、ちゃんとしなきゃ、ちゃんとしなきゃと日々思い、この世界に少々窮屈さを感じながら生きてきた。   しかしながら、ある日、『あれ?あれれ?ちゃんとしてるってなんなんさ!?』と至極、当たり前の疑問が生じた。   たまに取り出すアイロンの 温度はいつだって最強 焦がして溶かして気付く あたしホントちゃんとしてない   そもそも説明書の類を 読んだことない…その発想ない 生真面目な君はきっと呆れる  ベーコンならカリカリでいいのに   明日も早いとかいう君の その口をふさいであげようか 背徳感に勝るスパイス 君は知らない…教えてあげるよ   あたし感情で生きているから 論理的じゃないなんてむしろ誉め言葉 あたし感情に支配されてんの 冷静に!なんて反吐が出ちゃうよ あたしちゃんとしていないから きみに面倒かけちゃうかもよ あたしちゃんとした人不適合だから 毎日なんだか楽しくやってます   ちゃんとしろってなんなんさ そんなんあたし知らんがな ちゃんとした世界の水は あたしの肌によう合わんけ ちゃんとしろってなんなんさ そんなん知らんがな知らんがな 真夜中に食べるアイスクリーム ちゃんとしてなくて良かった良かった   あたし感情で生きているから あたし感情で生きているから   誰かの基準に合わせて、ちゃんとすることってそんなに大事なのかな、そんなんを無視して私ちゃんとしてないよって言葉にすることで、生き辛かった世界は薄れ、急に楽になれた。   だから、私にとって、『私ちゃんとしていない』は世界を広げてくれる魔法の言葉なのかも。   あたしちゃんとした人不適合だから毎日なんだか楽しくやってます。   <藤川千愛> ◆紹介曲「 ちゃんとした人不適合者 」 作詞:藤川千愛 作曲:近藤世真(Elements Garden) ◆ミニアルバム『嬉しい声をほんのちょっと』 2023年4月12日発売   <収録曲> 1. 愛の歌 2. 君の匂いは鎮静剤 3. リゲル 4. ちゃんとした人不適合者 5. 面倒な女 6. スローモーション 7. なにも忘れるわけじゃない  

    2023/04/26

  • 井上苑子
    過去があって、今がある。
    過去があって、今がある。

    井上苑子

    過去があって、今がある。

     2023年3月31日に“井上苑子”がEP『23.3.31』をリリースしました。2022年2月に単発ドラマとして放送された前作の見逃し配信では異例の200万回超えの再生数を記録した作品。「ABEMA」・「ABCテレビ」連動スペシャルドラマ『今夜、わたしはカラダで恋をする。』そのSeason2の第1話と第3話の主題歌の書き下ろしを担当し、2023年2月25日に先行配信したシングル「かさぶた」を含めた全4曲が収録されたEPとなっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“井上苑子”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、今作『23.3.31』にたどり着くまでの心の軌跡のお話です。自分の長所にも短所にも向き合って、もっと自分を知って。そうやって出来上がった今の井上苑子の言葉を、歌詞と併せて受け取ってください。 生活の一部を切り取った歌が好きで 誰もが想像できる歌詞が好き。 頭を捻って難しい言葉を並べても 私らしくなくて嘘になる。 そんな“らしさ”に すぐに評価をつける世の中には見向きもせず 今は自分の道をただまっすぐ歩いている途中。   私にはいくつかのトラウマがあって まだ青臭いニキビ面のころ言われた言葉がいちばん大きいものになった。 今思えばあの頃はとてつもなく敏感だったから、とにかく全部に反論をして“天邪鬼だね”って言われた(今も変わっていないところもあるけど)。 反論するときの言葉は多分、支離滅裂で説得力に欠ける言葉だったが、その行動だけで自分を守っていた。 私が放ったガタガタで切るにも切れないような刃は、磨きがかかって洗練された強烈な刃に変わって自分に返ってきて、それが今でも跡に残っている。 ブーメランってやつ。 自分の行いの結果である。   そもそもの性格的にはとてもポジティブなタイプなのにネガティブになってしまっていた思春期だったが、 その頃は根拠のない自信もあって、 自分なら大丈夫だと自己暗示したり、 人に頼ったりもして、なんとかやっていたし 楽しかったことも沢山あった。   だから、そのときのことを悔やんでいないし、 私がああでなければ、今がないから。 今周りにいる大切な人に出会えてないと思うと そのときの私を否定しないし、なんなら愛おしくさえ思う。   酷かったなぁと思う自分の細々とした性格に気づいた先で、どんな言葉や行動をとってみるか。 それが大事だと思った。   自分の長所ってなんだろう。 どうしたらそこを強みにして戦えるのか。 弱点ももちろん考えた。自分と向き合った。自分を知った。 そんなことを日々気にしていたら ポジティブな今の私が出来上がった。   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   「23.3.31」は今の私を詰め込んでいます。 恋の曲ばかりですが、 考え方が変わると、もちろん書く曲も変わっていくと思います。 昔の自分を掘り起こして書いた箇所も、 今の自分と向き合って出てきた言葉もあります。 今は今の私。 過去があって、今がある。 きっとこの先、また新たに目標ができて、 “なりたい自分”に向かって変わっていくと思うので 「23.3.31」で 今の井上苑子を感じていただきたいです。 <井上苑子> ◆EP『23.3.31』 2023年3月31日発売 <収録曲> 1 かさぶた 2 陽だまり 3 シアワセ 4 となりあい  

    2023/04/25

  • パン野実々美
    私になるってなんだろう?
    私になるってなんだろう?

    パン野実々美

    私になるってなんだろう?

     2023年4月26日に“パン野実々美”が配信シングル「私になれ」をリリース!高校卒業後、アーティストとして新たな第一歩を踏み出す、2023年第一弾楽曲。10代ならではの青春の瑞々しさと熱量を秘めたバンドサウンドで、新たな挑戦を迎える自身とあなたの背中を押す楽曲に仕上がっております。共に数々のアーティストや作品を手掛ける人気ボカロ Pである“buzzG× ナノウ”の豪華タッグによる楽曲提供!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“パン野実々美”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「 私になれ 」にまつわるお話です。歌活動を始めてから、今にいたるまで軌跡と気持ちの変化を明かしてくださいました。今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください…! 高校を卒業してから1ヶ月半くらいが経った。 卒業したことにまだまだ全然実感が湧かないし、今でも心は高校生のまま。 校則に縛られてた生活が終わり、制服を着ることもなくなって、ずっと憧れてた東京での一人暮らしを始めた。生まれて初めて環境が変わり、こんなにも外の世界は広いのかと実感した。   歌活動を始めたのは、コロナ禍でやることもなく手持ち無沙汰だった高校1年生の春休みだった。最初は暇つぶし程度に思っていたが、歌を聴いてくれる人が日に日に増え、だんだん活動に対して本気で向き合うようになっていった。 そんな日々を経て、卒業という大きな節目を控えた時期にスタートしたのがこの楽曲「私になれ」の制作だった。   私になるってなんだろう? 私がなりたい私ってなんだろう?   誰かと比べ続けて仕舞い込んだ 心からの歓び もう一度、あなたにあげる   という歌詞は、密かに抱いてた劣等感で、心から歌うことを楽しめてなかった活動初期の時から、ありのままの自分で良いんだって気づいて振り切ることが出来るようになった今への変化を表している。   あの頃の自分を超えるまで   という歌詞は、理想を夢みてばかりだった子供の頃の私とはお別れをして、その夢を追いかける私になりたいという想いが詰まっている。   小さい頃からずっと歌うことが好きだった。 将来の夢について聞かれると、なんの疑いもなく胸を張って「絶対歌手になる」と答えていた。 何も知らなかった子供の頃の私と今、初めて外の世界に出た私。   これから知ること、出会う人、見る光景、 すべてがこれからの私を作っているのだと日々感じる。   今はまだ、なりたい私を探す旅がはじまったばかりかもしれない。 でも、ここからが私の人生の本当のスタートだと思っている。 この楽曲と共に、新しい「パン野実々美」としての第1歩を踏み出していきたい。   <パン野実々美> ◆紹介曲「 私になれ 」 2023年4月26日リリース 作詞:buzzG 作曲:buzzG 編曲:ナノウ ◆配信サービス一覧 ※4/26(水)0:00~アクセス可能となります。 https://PannoMimimi.lnk.to/watashininare ◆MUSIC VIDEO ※4/26(水)21:00~プレミア公開 

    2023/04/24

  • 琴音
    実はつい最近まで聞かれると悩んでしまう質問がありました。
    実はつい最近まで聞かれると悩んでしまう質問がありました。

    琴音

    実はつい最近まで聞かれると悩んでしまう質問がありました。

     2023年4月19日に“琴音”がEP盤『君にEP』をリリースしました。前作ミニアルバム『君は生きてますか』以来約1年7か月ぶりとなるこのEPには、「君に」のほかに未発表の新曲2曲、今年1月に公開されたアニメ映画『金の国 水の国』の劇中歌として話題になった「Brand New World」「優しい予感」「Love Birds」3曲の全6曲が収録されます。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“琴音”による歌詞エッセイをお届け。今回は【前編】です。綴っていただいたのは、今作のタイトル曲「 君に 」にまつわるお話です。つい最近まで聞かれると悩んでしまう質問があったという彼女。その悩みを和らげることになったとある気づきとは…。今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください…! 皆さんいかがお過ごしでしょうか。 この度、久しぶりに歌ネットさんで歌詞エッセイを書かせていただくことになりました。 実は私のブログ(すみっこ目せん)開設のきっかけにもなっている歌詞エッセイ、一方的に恩義を感じたりしております。 この頃は書いたものを音読するという新しい試みも始まったとのこと。 気の赴くままに書き連ねている身としては何だか小っ恥ずかしいところもありますが、何卒お付き合いいただければ幸いです。 琴音です。     さてそんな私ですが、先日4月19日に『君にEP』をリリースいたしました。   私自身言われるまで気づかなかったのですが、実に約1年7ヶ月ぶりのリリースとなるそう。   前作ミニアルバム『君は生きてますか』の時は19歳だった私も、いつの間にか21歳になっておりました。   思っていた以上の時間経過に驚きますが、その分多くの経験とただならぬ思いの詰まった作品に仕上がっています。   特に表題にもなっている「君に」という楽曲。   リリースが決まってからは色々な場でお話しさせていただく機会があり、話すことも何となく定まってきました。   資生堂アネッサのCMに使用されており、CMサイズとフルサイズの2パターンを録音している、なんて秘話めいた要素も今では言い慣れたものです。   ですが、実はつい最近まで聞かれると悩んでしまう質問がありました。   「特に気に入っている歌詞はどこですか?」という質問です。   もっと言えばこの曲に関わらず、提供いただいた曲について話す時は割と悩みがちです。   サラッと聞かれる質問なのですが、どうも引っかかってしまい無難に答えられません。   歌詞から思い起こされる情景もありますし、何ならレコーディングの際は一言一句歌い方やイメージを固めて臨むほどなのですが、いざ特にどこがと歌詞に言及されると呆けてしまいます。   提供曲である以上、歌詞の真意までは知れないにせよ、毎度その質問を投げられると自分の中になにも思い入れがないようで、(あんなに考えていたはずなのに…)と虚しくなっておりました。   そんな中とある取材を機に、「君に」の詞曲を担当された澤田かおりさんとの会話を思い出しました。   澤田さんご本人とは一度だけ直接お会いできる機会があったのですが、その時は曲の話よりほぼ雑談をしていました。   私からは専門学校を卒業し、志のあった友人達が次々と音楽家とは違う道に進んでいったこと。 今では連絡を取れる友人もごくわずかになってしまったことなどを話しました。   澤田さんは頷きながら、自分もそんな時があった、自分も音楽から離れていった人たちを悪く思っていたけど、大人になったら少しずつ考えが変わっていったと応えてくださいました。   些細な会話の中からも大人として経験を積まれた前向きさや優しさが垣間見え、澤田さんだからこそあの歌詞が書けたのだと感じました。   それらを思い出した時、私は誰かにこの曲を届ける側なのだと思っていた自身の間違いに気づきました。   思えば歌詞を書く作業は無の状態から言葉を紡いでおり、その根底には自身の体感した要素が根付いているのです。   ならば歌詞を見れば思い当たる節がある、までの私では真の意味で届ける側になることはできないのです。   その時から私は、この曲を通して教えてもらっている、という気持ちでいようと思い直しました。   自分から周りに向けて歌いつつ、自分自身もこの曲に教えられ、少しずつ大人になっていく。   そう考えると、冒頭の悩みも少し癒されました。   この話、エッセイを書き始めるつい1週間ほど前からのことです。   制作が終わってからも曲に対する気づきは得られるようです。   さて積もる話もございますが、最後に少し「君に」Music Videoのお話を。   そもそも私の楽曲は物語風MVが少なく、個人的には待望の作品でした。   更に贅沢にも菊池日菜子さんを始めとする役者の方々に出演していただき、その演技力を間近に体感することができました。   一方で歌唱パート撮影はというと、太陽光が大変強い上、花粉が飛びまくり潮風が四方から吹き荒れと、暗所大好きな花粉症ロングヘアには過酷な時間が流れました。   本編MVをご覧いただく際は役者さん方の演技力に感嘆しつつ、環境への恨めしさをひた隠す私も楽しんでいただければと思います。   いかがでしたでしょうか。 何かと思い出深いこの楽曲。 まだ聴いていないという方は是非、もう聴いたという方も是非、沢山聴いていただければ幸いです。     っはい! ということで今回はこの辺で終わります。 またどこかでお会いしましょう。 ご清覧ありがとうございました!   <琴音> ◆紹介曲「 君に 」 作詞:澤田かおり 作曲:澤田かおり  ◆『君にEP』 2023年4月19日発売 配信サービス一覧: https://jvcmusic.lnk.to/kimini_ep   <収録曲> 1. 君に 2. ライト 3. 波と海 4. 優しい予感 5. Brand New World 6. Love Birds

    2023/04/21

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