自分の価値は、自分で決めろ。

鈴華ゆう子
自分の価値は、自分で決めろ。
2025年10月29日に“鈴華ゆう子”がニューアルバム『SAMURAI DIVA』をリリースしました。今作には、先行シングルとして配信中の「ケサラバサラ」「パピヨン」「うたいびと」のほか、ライブで披露されており今回初音源化となる「泥棒猫」や陰陽座のカバー「甲賀忍法帖」、アルバムオリジナルの新曲など計15曲が収録されております。 さて、今日のうたではそんな“鈴華ゆう子”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは今作の収録曲から、今を生きるすべての人への応援歌「 Incubation 」と、人生の記憶をそっと撫でるように流れていく「 うたいびと 」のお話です。ぜひ、歌詞とあわせてエッセイを受け取ってください。 「 Incubation 」 今を生きるすべての人への応援歌。 人は生きる中で、正しさや強さの定義が常に揺らぎ続けます。 たとえ半世紀を生き抜いたとしても、人生の「判断」は依然として未知のまま。 この歌詞は、そんな“生きることそのものの不確かさ”を前提にしつつ、揺れ動く心にそっと火を灯したい、そんな思いで書いた応援歌です。 SNSの炎上、陰謀論、情報の隠蔽……。 現代社会が抱える混沌の中で、私たち全員に共通して突きつけられているテーマがあります。 “自分の価値は、自分で決めろ。” 反骨精神とは、ただ誰かに反発することではありません。 それは、自分の生き方を自分自身に対して裏切らないこと。 たとえ弱さや迷いを抱えていても、プライドを守り、真っ直ぐに進む意志こそが、本当に必要な強さだと私は思います。 変化の速い今の時代を生きる私たちにとって、 自分の核となる価値観を信じ抜くこと。 それが、迷いの多い世界を突破するために欠かせない姿勢なのだと、この曲を通して問いかけています。 「 うたいびと 」 人生の記憶をそっと撫でるように流れていく曲です。 失ったもの、抱きしめた日々、そして受け継がれていく想い。 まるで人生そのものをたどる物語のようでもあります。 この曲の1番は、コロナ禍の自粛期間中に誕生しました。 会いたくても会えない人がいて、触れることもできない。 それでも、“歌は距離を超えて届く力がある”と私は信じていました。 あなたの「うたいびと」であり続けたいという決意も、この曲には込めています。 歌詞には<私はいつも うたいびと>という言葉が繰り返し登場します。 これは私自身を指すだけでなく、もう一つの意味があります。 “歌を生きる人” “人生を歌で刻む人” “想いを誰かに届ける人” そのすべてを「うたいびと」と呼びたいのです。 必ずしもプロの歌手だけを指す言葉ではありません。 母がくれたわらべうた、誰かを励ますための小さな鼻歌、 大切な人へそっと贈る一節。 そうした歌は、人生のどこかで誰かを救ったり、支えたりしている。 人はみな、誰かのために歌い、 そして誰かの声に救われながら生きているのだと思います。 「うたいびと」とは、 人生そのものを抱きしめながら歩く人の姿です。 <鈴華ゆう子> ◆紹介曲「 Incubation 」 作詞:鈴華ゆう子 作曲:鈴華ゆう子 「 うたいびと 」 作詞:鈴華ゆう子 作曲:鈴華ゆう子 ◆ニューアルバム『SAMURAI DIVA』 2025年10月29日発売 <収録曲> 01. SAMURAI DIVA 02. ケサラバサラ 03. Incubation 04. 泥棒猫 05. ミトコンドリア 06. Bloody Waltz 07. SHIGIN BEATS-大楠公- 08. うたいびと 09. 百年夜行 10. 甲賀忍法帖 11. 巡り巡る 12. The Battle of the Monkey and the Crab 13. パピヨン 14. 月の兎 15. サムライハート(Bonus track / CDのみ収録)



















