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    二人が見つけたかった“救い”は。
    二人が見つけたかった“救い”は。

    hoge

    二人が見つけたかった“救い”は。

     2025年10月1日に“hoge”が新曲「幽霊」をリリースしました。小説家兼作曲家のnasuo.sinoが送り出す、音楽×短編小説プロジェクト初のリリース作品。同名の小説から生まれた楽曲であり、ボーカルは台頭著しい新進気鋭の歌い手:aixe(アイゼ)をフィーチャリング。唯一無二の歌声で、nasuo.sinoによる「幽霊」の世界を歌い上げております。    さて、今日のうたではそんな“hoge”のnasuo.sinoによる歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 幽霊 」の歌詞へとつながる前日譚です。純粋無垢な愛とは。そして、この物語の二人が見つけたかった“救い”とは何だと思いますか…? こんにちは、nasuo.sinoです。 音楽×短編小説プロジェクト“hoge”で活動しています。 10月1日に新曲「幽霊」をリリースしました。   今回の作品は、期待はずれの世界で、互いの存在を唯一の“救い”とした二人と、その後に待ち受ける喪失の物語です。異常な環境や倫理外の世界でも、純粋無垢な愛があるのではないかと思い、この曲を作りました。   これから綴る短編小説は、「幽霊」の歌詞へとつながる前日譚です。   ____________________________________   「生まれるべきじゃなかった」   彼女は息を吐くように、この言葉を口にする。長い付き合いではないが、聞き慣れたものだ。彼女にとっての日常は、まるで無数に流れる雲のようだ。一見、感じの良い言葉に聞こえるかもしれないが、そうではない。   たまたま自然の摂理によって生まれ、形は今一つはっきりとせず、だらだらと空を泳ぐ。生まれてきたこの姿に仕方なく名前をつけたり、何かに喩えたりする。それが彼女にとっての日常。ただ、その日常は緩やかなものばかりではなく、風が強い日もあれば、雨が降る日もある。というか、晴れた日なんか滅多にないだろう。   消化されない不平不満は、タバコの煙と共に空へ吐き出され、灰皿に積まれた吸い殻が物語っている。それらを踏まえれば、彼女の言葉には何の違和感もない。   その最中、僕の空も絶賛大雨警報中。新調したばかりのスマホを落とし、画面に蜘蛛の巣が住み着いてしまったのだ。悪天候な二人が隣り合わせで歩いていると目の前で大災害でも起きてしまいそうで、ヒヤヒヤとする。この彼女の何とも言えない怠惰に親しみを感じ、惹かれていった。   そんな浮かれたことを考えながら「僕も」と答える。その後は、二人で「早く死にてぇな」そう言うことまでが、僕たちのお決まり。   最近、僕の空に気だるそうな雲一つと晴れが増えた。       彼女と付き合ってから数ヶ月が経った。世間は相も変わらず、不倫や不祥事のネタで賑わっている。そんな中、連続殺人事件ニュースも注目を浴びている。被害者は決まって刃物で腹部を刺され、×印のような切られ方をしている。事件で殺された被害者は、四十代の大手会社員、二十代の風俗店員、七十代の老婦人。   同じような犯行が相次いでるため、連続殺人として予測されている。しかし、殺され方の関連性以外は証拠が掴めず、捜査は難航し、未だ犯人は捕まっていない。不幸なことにその事件は近所で起きている。   「何してんだよ、警察は」   蜘蛛の巣の画面に小さく愚痴を吐く。   夜飯の支度に取り掛かろうと冷蔵庫を開けると、缶ビール一つしか見当たらなかった。仕方なく近所のスーパーへ向かおうとしたが、例のニュースが頭をよぎる。急に誰もいないはずのカーテンから視線を感じる。こんな思いをするなら、もっと早くに買い溜めをしておけば良かったと、今さら後悔する。そうは言っても朝から何も食べていない。静寂の騒音に怯えながら家を出る。   いつもより少し早く足を進ませ、近所のスーパーへ辿り着くと、入口は閉まっていた。   「マジか~」   どうやらこのスーパーは、深夜十二時までが営業時間となっているようだ。スマホで調べたところ、少し離れたスーパーなら、まだ営業していると出てきた。お腹の減りは限界を達しているため、急いで向かった。   無事に買い物を済ませ、スマホを見ながら帰宅していると、ふと扉が開いている一軒家が目に入った。住人が出入りしている様子はないが、灯りはついている。そのまま立ち去ろうとしたが、二階に人影が見えた。連続殺人のニュースを思い出す。検死の結果、推測される犯行時間は、深夜帯であると。呼吸が浅くなる。足は無意識と一軒家へ近づいていた。   恐る恐る玄関を上がると、リビングの扉の近くで、服の上から×印に切り裂かれてる男性が倒れていた。思わず息を呑んだ。不思議なことに声が出ない。まるで犯人に首を絞められているかのようだ。すぐにその場から逃げ出そうとしたその時、階段から人が降りてくる足音が聞こえた。腰が抜けてしまい、声が漏れないよう口を塞いでいると、目の前に刃物を持った女が立っていた。   「何でいるの?」   馴染みある声が耳を通った。ゆっくり目を開けると、そこに立っていたのは、僕の彼女だった。   「えっ?」   思考が停止した。心音がやけに鮮明に聞こえる。茫然と座り込んでいると、   「逃げるよ」   と手を掴まれた。   反射的に手を振り払おうとしたが、その手はいつもの慣れ親しんだ安心感のある手だった。考える間もなく、二人は一軒家をあとにした。   彼女は慣れた手つきで、防犯カメラの死角に隠れ、血のついた服からいつも通りの服へと着替えた。そのあとは、何事もなかったかのように僕の自宅へ向かった。側から見れば、深夜買い出しに行ったカップルのようだろう。しかし、ここにいるのは連続殺人犯とその第一発見者。   自宅に着き、不安な気持ちが駆け巡り、蛇口の水を一気に飲み込んだ。少し落ち着いてから、彼女は話し始めた。   「神様っていると思う? もし存在するなら、きっと酷い人だよ。人を殺したい欲望と才能を与えたりするんだから。生まれてくるなら普通の女の子が良かったな。連続殺人の犯人、あれ、私なんだよね。好きでやってないって言ったら嘘になるけど、これでしか私の生きがいは得られないの。何回も警察に自首しようと思ったけど、なかなか勇気が出なくてさ。人を殺しておいて言うことじゃないけど、ダラダラと生きて命を消費していくのも怖いし、自殺するのも怖いんだよね。ただ、殺してる瞬間は生きてる実感があるの。ごめんね、こんな彼女で。捕まるのは時間の問題だと思う。別れよ。」   これからの人生で、二度と聞くことがないであろう別れ話だった。目の前に座っている彼女が、巷で有名な殺人犯であることは分かっている。けど、どう見たってどこにでもいるような普通の女の子で、いつもの僕の彼女なんだ。   黙り込んで座っていると、彼女は僕の返事も聞かずに、その場から立ち去ろうとした。何の言葉も浮かんでいないまま、彼女の手を掴んだ。   「僕が君を助ける。僕が君を殺すよ」       短かった冬を取り戻すかのように、今日はよく冷えている。空は雲ひとつない快晴だ。空気はカラッとして、手を繋ぐにはちょうどいい気温。朝から買い物をして、昼はお洒落なカフェでパンケーキ。UFOキャッチャーで持ち金の半分を使って、映画を観た。まさに絵に描いたような休日デート。今は居酒屋の個室に入って、映画の感想を語り合っている。一体、誰が気づくと言うのだろうか。ここにいるのがあの連続殺人事件の犯人で、その目の前にいる男は、これからその犯人を殺そうとしているということに。   「僕が君を殺す」   そう伝えた時、彼女は炭酸が吹き出したかのように笑った。   「そんなことできるの?」   馬鹿にした声で聞いてきた。   「そんなのやってみないと分からないよ」   そう言うと、また気が抜けたように笑っていた。呼吸を整えてから彼女は喋り始めた。   「なんか、君らしくていいね。嬉しいよ。いきなり笑っちゃってごめんね。ずっと生きているのも死ぬのも怖かったけど、最後に君に殺されるなら、怖くないかも」   彼女の予想外の反応に戸惑いを隠せなかったが、何故か僕も笑っていた。   「場所はここら辺でいいかな」   人気のない山の奥で彼女がそう呟いた。手の震えが止まらない。人を殺したことなんて一度もないし、ましてや最愛の彼女を殺すことになるなんて。それを察した彼女が   「大丈夫。首の頸動脈を狙えばすぐに終わるから」   刃物を持った僕の手を彼女の手が暖かく包んだ。   「あとは私が死んだら、教えた通りにやれば何も問題ないから」   「ちゃんと最後までやってね」   「約束だよ」   「じゃあ、よろしくね」   意を決して今日を迎えたが、途中で怖くなってしまった。   「やっぱりこんなことやめよう」   「誰もいない遠くに行って、二人だけで生きてこ」   しかし、彼女は僕の気持ちとは裏腹に、覚悟を決めていた。   「それもいいと思うけど、私はこれが最善策だと思う」   「私にとって一番の幸せな終わり方」   涙が止まらない。   「でも、殺すなんてできないよ」   すると彼女は少し笑って   「いい?」   「今から私が言うことちゃんと覚えておいてね」   「これからはあんなカッコつけたこと簡単に言ったりしちゃダメだよ」   彼女の手に力が入る。   「まぁ、君のそんな所が好きなんだけどね」   彼女が勢いよく刃物を引き、首元を切り裂いた。   人が死ぬ瞬間は呆気なかった。彼女が僕に溢れて出てくる。冷えた空気を打ち消すように、彼女は優しく包み込んでくれた。抱きしめれば抱きしめるほど、温かかった。彼女との約束を果たすため、教えてくれた作業に取り掛かかる。   僕は、最後の最後で彼女を裏切ることにした。手に持ったナイフで彼女を×印に切り裂いた。血のついた服のまま、近くの交番へ向かい、自首した。   「僕が連続殺人犯です。全て僕がやりました」   彼女のいない人生なんて考えられない。最後くらいカッコつけたっていいよね。だって、僕にとっての彼女はどこにでもいる普通の女の子なんだから。普通の女の子として、彼女を終わらせてあげたかったんだ。   この日、僕の空から気だるそうな雲一つと晴れが消えた。   ____________________________________     最後まで読んでいただき、ありがとうございます。二人が見つけたかった“救い”は、何だったのか。ぜひ、その答えを曲と共に見つけてください。   <hoge・nasuo.sino> ◆紹介曲「 幽霊 」 作詞:nasuo.sino 作曲:nasuo.sino

    2025/10/03

  • Gaku
    Blue
    Blue

    Gaku

    Blue

     2025年9月24日に“Gaku”がニューシングル「Blue」をリリースしました。自身の生い立ちを背景に、悲しい出来事に直面した日に書き下ろされたエモーショナルなバラード。幼少期から抱えてきた心の痛みや葛藤を“Blue(青)”と表現し、「今夜だけでも世界の主役になりたい」という切実な願いを、ピアノアレンジに乗せて歌い上げております。    さて、今日のうたでは“Gaku”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「Blue」にまつわるお話です。本当の自分を封じ込め、ずっと「自分の言葉」を探していた10代。そんな自身が溢れ出る本心を書くことができたきっかけは…。 “もしも願いが一つだけ叶うなら”   それはきっと誰もが一度は考えたことのあるような、 ありきたりな歌い出しなのかもしれない。   ただ、僕のたった22年の人生の中で、 本当に心からそれを願った瞬間が、1度だけある。   あの日僕は、自分ではどうしようもできない出来事が起きて、 自分の無力さに直面した。     僕は幼少期から家庭環境が複雑で、 自分の意向とは関係なく名前が変わったり、 生活環境が変わったり、 アイデンティティを失うような出来事が多かった。   次第に本当の自分を封じ込めて、 聞き分けの良い優等生な子どもを演じるようになっていたと思う。   そのためか、曲を書き始めた10代の頃は 誰の言葉だかわからない、 教科書に載っているような綺麗な文章しか思いつかず、 「自分の言葉」をずっと探していた。     あの日、 先述した、自分の無力さを痛感した日。   暗い部屋から月を眺めていたら、 書きたい想いが身体中から溢れてきて 初めて一気に曲を書き上げた。   タイトルは「Blue」。 今まで僕を蝕んできた全てに、つけた名前だ。   まだまだ未熟な、拙い歌詞かもしれない。 でもそれで良いと思った。   自分が自分であること、 僕の人生の主人公は僕であること。   そんな当たり前のことを自分に言い聞かせるように、 本当の気持ちを書き殴った。     “もしも願いが一つだけ叶うなら”   僕は自分の痛みを救えるような、 そしてその先に、聴いてくれる人を救っていけるような歌を歌う、 そんなアーティストになりたいと願う。   僕を蝕む過去も全部含めて、僕だから。   胸を張って、これからも ありのままの歌を歌っていけたらと思う。   <Gaku>

    2025/10/02

  • 井上苑子
    私がいつでも力になりたいと思っていることを忘れないでね。
    私がいつでも力になりたいと思っていることを忘れないでね。

    井上苑子

    私がいつでも力になりたいと思っていることを忘れないでね。

     2025年10月1日に“井上苑子”が歌唱活動休止前ラストシングル「ナチュラル」をリリースしました。作詞作曲は、これまでに「ふたり」や「線香花火」など、数々の名曲を手がけてきたSUPER BEAVER・柳沢亮太が担当。8年ぶりの黄金タッグの復活による、井上苑子の“いま”をまっすぐに描き出すエモーショナルなロックソングとなっております。    さて、今日のうたではそんな“井上苑子”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 ナチュラル 」にまつわるお話です。柳沢亮太に楽曲を依頼し、今作をリリースするまでの軌跡。そして今、伝えたい想いは…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 井上苑子です! こうしてエッセイを書かせていただくのがとてもお久しぶりで嬉しいな~、、嬉しい嬉しい。 今回は10月1日にリリースの新曲のお話をさせてください。   8年ぶりにSUPER BEAVER・柳沢亮太さんに曲を提供していただきました。 タイトルは「ナチュラル」。   インディーズの頃に出したミニアルバム『線香花火』の表題曲「線香花火」と「青とオレンジ」を柳沢さんが作ってくださったときから、2017年リリースの「なみだ」までの間で井上苑子が歌う柳沢亮太さんの曲が6曲もあります。 これまでその6曲が大好きで、毎回大事に歌ってきました。   やなぎさんが作ってくださる曲は、私が経験していないことでも頭の中に情景が広がって。その世界の真ん中にいるように感じさせてくれる歌詞、芯が通っている物語、親しい友人と喋っているかのような温度感でスッと入ってきて、最後は胸が熱くなって自然と両手を空に向けてしまいたくなるようなポジティブなパワーを持つメロディ、、えっと、とにかく私は虜だということですね。。   今年は私がメジャーデビューをしてから10年という節目の年で、これまで以上に大事にしたい一年でした。 なので、新曲リリースは絶対にしたかったのですが、どんな曲にするかを考えたとき、一番に浮かだのは、これまでの私を作ってくれたやなぎさんの曲でした。 そして、無理を承知の上、とんでもなくドキドキしながら何度も何度も文章を書き直して、“曲を作っていただけませんか”と連絡させていただきました。   やなぎさんは快く引き受けてくださり、私が伝えたいこと、どんなことを曲にしていただきたいのかを包み隠さずお話しすると、数日でデモを送ってくださいました。 まずはとにかく大興奮で、目を瞑って曲を聴きました。 そりゃもう、これでもかというぐらい一音一音を染み渡らせて噛み締めましたよ。 その後、歌詞もしっかり読みながら聴き、電車の中だということも忘れて爆泣。。。笑   大阪の路上でがむしゃらにひたすらに歌っていたあの日から16年、夢だったメジャーデビューから10年経った今だから歌える曲です。   10年というのは、ただ数字だけ見たらそこまで大きなものではないかもしれないけど、私の中では今後の人生に影響を受けるくらい、悔しくて泣きたくなることや、人の優しさに触れ崩れ落ちそうなぐらいほっとすることもたくさんありました。   今作の歌詞に <変わりたい 変われない で、変わらなかったのが「わたし」> とあるように、選択肢は常にたくさんあったはずなのに、結局は自分の意思で選んできた道だったんだなぁと思います。 エゴかもしれませんが、こんな私の歌や生き方で、何かを感じてくれる人がいてくれると信じて続けていきたいです。   そんな、大好きで時に執着してしまう?ような音楽の世界で、ずっとかっこいい背中を見せてくれているやなぎさんから、まっすぐで自然体でいられる曲をいただけたことで、私はさらに強くなれると自信を持てました。   自分の話ばかりになってしまったけど、 きっと私と同じように、日々苦しんで悔しい気持ちでいる方もいらっしゃるかと思います。 でも、そんな気持ちになるほど、自分は投げ出さずにやってきたんだと、この曲を聴いてる時間は自分のことを誇りましょう。 ここだけの話、あなたは十分やっています。自分が十分やっているなんて大きな声で言えなかったりするよね。 でもこの時間だけは、そう思ってもらえたら。 私がいつでも力になりたいと思っていることを忘れないでね。   <井上苑子> ◆紹介曲「 ナチュラル 」 作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太

    2025/10/01

  • 黒木渚
    亡霊の歌を聴く
    亡霊の歌を聴く

    黒木渚

    亡霊の歌を聴く

     2025年9月3日に“黒木渚”がニューアルバム『ゴーストノート』をリリースしました。「亡霊」というテーマで作品をつくり続けてきた2025年。亡霊とは、失われた面影のことかもしれないし、あるいは果たされなかった約束や、過去の恋愛、青春の残像のことかもしれません。目には見えないけれど、確かにそこに存在している亡霊たちの“声”を音楽としてすくい上げた今作をご堪能ください。    さて、今日のうたではそんな“黒木渚”による歌詞エッセイをお届け。黒木渚の人生にとって、今年のテーマは“亡霊”。このテーマを紐解き、導き出された“亡霊たち”とはどんなものなのか…。ぜひ今作とあわせて、エッセイを受け取ってください。 亡霊のことばかり考えている。   私の人生は1年ごとにコンセプトが変わる。 一昨年は「ロックンロールと量子力学」去年は「耽美」、そして今年は「亡霊」。   正月に掲げたテーマを1年かけてじっくり紐解き、作品にしてゆく。 それが音楽になることもあれば、小説になることもあるし、映像作品やグッズのデザインになることもある。今年、私が集めた亡霊たちは『ゴーストノート』と題したフルアルバムになった。   亡霊とは 初恋であり、 果たせなかった約束であり、 トラウマであり、 自死を選んだ友人であり、 単なる妄想であり、 羨ましいあの子であり、 見つからない無くし物であり、 飢えであり、 白いブラウスであり、 諦めた夢であり、 アナログシンセの揺らぎであり、 忘れられない痛みであり、 原体験であり、 二度と戻らない青春であり、 底のない穴である。   私が導き出した亡霊たちは音や詞に変換され、歌へと生まれ変わった。 これから全国を回って亡霊の歌を歌う。透明で何の音も持たなかった亡霊の物語を私の肉声で歌い聞かせるのだ。 歌を聴いた人の心のなかをすうっと通り抜けて亡霊たちは成仏するかもしれないし、その人の側に留まって寂しさを癒すかもしれない。もしかすると、その人を亡霊そのものにしてしまうかもしれない。   <黒木渚>   ◆ニューアルバム『ゴーストノート』 2025年9月3日発売   <収録曲> 1.アンモナイト 2.ゴーストノート 3.カタルシスかく語りき 4.ONE 5.かたつむりとダリア 6.ブラウスと亡霊 7.Magnolia 8.死んだ文豪に恋をした 9.分裂

    2025/09/30

  • ナナヲアカリ
    たまにちょっとの無理はしつつ、ナナヲアカリらしく。
    たまにちょっとの無理はしつつ、ナナヲアカリらしく。

    ナナヲアカリ

    たまにちょっとの無理はしつつ、ナナヲアカリらしく。

     2025年8月20日に“ナナヲアカリ”がBEST ALBUM『フライングベスト2』をリリースしました。今年、メジャーデビュー7周年を迎えるナナヲアカリの2枚目となるベストアルバム。2枚組で、Disc1は、2nd Album『七転七起』以降セレクト曲を中心に新曲を含10曲+おまけが収録。Disc2は、これまでの全タイアップシングルを収録したCDに。    さて、今日のうたではそんな“ナナヲアカリ”による歌詞エッセイを全3回に渡りお届け。最終回は、今作のDisc2に収録されている後半8曲のセルフライナーノーツを綴っていただきました。そして最後に、ナナヲアカリが今、思うことは…。ぜひ、歌詞とあわせて、エッセイをお楽しみください。 みなさん、こんにちは。 ナナヲアカリです。   歌ネットさんでの歌詞エッセイ、今回は全3回載せていただいておりまして、いよいよ最終回になりました。 8月に発売した7年ぶりのベストアルバム『フライングベスト2』収録曲について一曲ずつ端的に語っておりますので、初めてご覧いただいた方は、第1回から読んでいただくとわかりやすいかなと思います。   第1回: https://www.uta-net.com/user/writer/todaysong.html?id=15840 第2回: https://www.uta-net.com/user/writer/todaysong.html?id=15841   さて、Disc2の後半戦です。 9曲目「陽傘」の紹介から参りたいと思います。   9.陽傘   ようやく秋を感じ始める今日この頃にぴったりの曲です。私はこの曲が大好きです。ナナヲアカリがナナヲアカリ役として出演した短編映画『日曜日とマーメイド』の主題歌でもあります。10代の頃の青さ、危うさ、それゆえの輝きが内包された美しい楽曲。この曲を聴いて思い浮かべた人はあなたにとってとても大切な人だと思います。   10.二度目の花火   こちらは先述した短編映画の挿入歌となっています。聴いているだけで情景が浮かぶ、そんな曲。履きなれない下駄で歩く音や夜を照らす屋台の光、喧騒が聞こえないくらい夢中になるその人の横顔なんかを想像してもらえたらなという気持ちで歌っています。今、うちに秘めた恋をしている人、していた人へ。   11.奇縁ロマンス   ライブでもお馴染みになりつつあるこの曲。軽快なメロ感と散りばめられた和楽器たちが主題歌作品のイメージをばっちり表現しています。うじうじ発展途上の中で、変わりたい、進みたい、君といたいというポジティブなメッセージを歌っています。今見えている世界をちょっと好きになれるような、そんな曲です。   12.FASHION (feat. GaL)   Nintendo Switch用着せ替えファッション&コミュニケーションゲーム『ファッションドリーマー』のCMソングということもありファッションをテーマにした『FASHION』という楽曲(わかりやすくて良い)が誕生。   ナナヲ自身も衣服で自分を表現することが大好きなのでノリノリで歌ってしまいます。MVも本当に大変な撮影でしたがめちゃくちゃ着替えてめちゃくちゃ楽しかったので、まだ見れてない人は見てね。笑   13.正解はいらない   タイアップソングはポップなものが多いナナヲアカリですが、こちらは異質な尖りを魅せる楽曲になりました。久しぶりのNeruさんとのタッグで、色褪せないどころか鋭さと洗練さが増された楽曲でご一緒できて本当に歓喜でした。   改めて、聞き分けが良くなったとはいえ自分の中にはやっぱりずっと鬱屈とした怒りのような諦めのような感情があるんだなと気づけて安心した部分もありました。   14.ブループリント   とてもトリッキーな制作をした思い出。ゆえにおもしろい展開の高難易度ダンジョンみたいな作品になりました。笑   ゲームとか地図とかそういったキーワードからどんどん広げていって、何度もナユタンさんとやり取りして歌詞も書き直して…。本当にこの曲そのものみたいな軌跡を辿って制作したので完成した時のしっくり感がすごかった。アニメの最終回での演出も素敵でありがたかったなあ。   15.明日の私に幸あれ   ここからは今年の話になってくるのでなんだか記憶に新しい!この曲でナナヲアカリを認識してくれた人もたくさんいるのではないでしょうか。主人公のアリナさんとナナヲの共通点を探していたら、それは多くの人の共通点だったみたいです。ゆるくてキャッチーなんだけれど、どんな時代にも響くライフソングになったかなと。本当に沢山の人が踊ってくれていて、なんだかその光景もいいなぁと思いました。   16.ムリムリ進化論 つい先日、最終回をむかえたTVアニメ『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』のオープニングテーマ。主人公のれな子ちゃんの歌すぎる!と言っていただくことが多いのですが、完全にナナヲアカリすぎる歌でもある。つまり「れな子≒ナナヲ」だったということです。   一見、キャラソンみの強い楽曲ですが、後半になるにつれて不思議と泣けてくる展開がお気に入りです。ナナヲアカリの基本姿勢が「頑張りたくない!でも頑張りたい!!」なのですが、それを凝縮した作品。長年やってきたナユタンさんとだから生まれた曲だと思います。     と、まあこんな感じで全3回に分けてアルバムを振り返ってみました!!!   当たり前すぎることだけど、すべての楽曲に本当にいろいろな制作背景や思い出があって、時には発狂するくらい大変なこともあって…。とんでも飽き性でヘタレな私が、それを7年以上つづけてこられたという事実が、音楽の素晴らしさを物語っているなと思いました。   デビュー7周年、そして私は今年で30歳ということもあり、2025年は自分の中でもかなりの転換期で、特別な年になっています。   相変わらず自信なんてないし頑張るのだって苦手だし、でもなんだかそんなことも言ってられなくなってきている感じと、そんな中での楽しみ方みたいなものもわかり始めてきております。スロースターターにもほどがありますが、そんな感じです。   とはいえ、張り切りすぎると空回りしてしまうのも私の常。たまにちょっとの無理はしつつ、ナナヲアカリらしく歌を届けていければいいなと思います。   これからもどうぞよろしく   そして3回にわたる長めのエッセイ読んでくれたあなたへ、どうもありがとうございました。   また会いましょう~   <ナナヲアカリ>   ◆BEST ALBUM『フライングベスト2』 2025年8月20日発売   <収録曲> Disc1[CD] 1.ギミギミ聖域 2.おばけのウケねらい(にゅ~ver.)  3.ヤンキーダンス 4.どうやったって 5.わかんないセブンティーン 6.Jewel 7.POI POI POI  8.Step In The Dark 9.忘れないでベイベー 10.Flying  +シークレットトラック(市販品限定)   Disc2[CD] 1.ワンルームシュガーライフ 2.イエスマンイズデッド 3.チューリングラブfeat. Sou 4.Higher's High 5.魔法 6.雷火 7.アイがあるようでないようである 8.恋愛脳 9.陽傘 10.二度目の花火 11.奇縁ロマンス 12.FASHION feat. GaL 13.正解はいらない 14.ブループリント 15.明日の私に幸あれ 16.ムリムリ進化論  

    2025/09/29

  • プッシュプルポット
    ステージから見える景色はすごく面白い
    ステージから見える景色はすごく面白い

    プッシュプルポット

    ステージから見える景色はすごく面白い

     2025年9月24日に、金沢発4ピースロックバンド“プッシュプルポット”が4th mini album『日々を彩って』をリリースしました。今作には、昨年リリースした楽曲「ゴールドマーチ」「今を生きるあなたへ」、石川テレビ『石川さんパレット』に書き下ろした楽曲「パレット」の3曲と、新曲5曲を含む全8曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“プッシュプルポット”の山口大貴による歌詞エッセイを2日連続でお届け。第2弾は収録曲「 雨上がり 」にまつわるお話です。曲を作るときに思い浮かべたのは、ステージから見える景色と自身の思い。ライブハウスが特別であると感じる理由は…。ぜひ、歌詞と合わせて、エッセイを受け取ってください。 なんかこの曲が出来た時、懐かしい気持ちに包まれた。 同時に、今まで作った曲達を振り返るキッカケをくれたそんな曲。   “THE プッシュプルポット”ぽいよね?   でも今までの自分じゃこの曲は歌いきれなかっただろうな。 少しずつでも前に進んで来ることができたから、こんな曲が今出来たんだろうな。   あの頃はライブで「泣くな」とか言ってたけど、今じゃ「泣いてもいいんだよ」って言うようになった。少しずつ自分の中で変わっていったものもある。   勿論来てくれる人が笑顔になってほしいんだけど、涙の理由を肯定した上で互いに笑えたらいいなって思うようになってきた。きっと俺らにとってライブハウスって逃げ場所みたいなものなんだろうなってずっと思ってる。   ステージから見える景色はすごく面白い。   同じ曲を同じ空間でやってるのに、笑ってる人もいれば、泣いてる人もいる。それってすごく素敵なことだなって思う。だからこそライブハウスが特別で、そんなところが好きだ。   曲を作る時、真っ先にその景色を頭に思い浮かべる。それと同時に、この曲の歌詞は自分が辛い時にこんなこと言われたいなって思いながら書いた。強くて優しい歌が出来た。ぜひ近くに置いて聞いてほしい、そんな曲。   <プッシュプルポット・山口大貴> ◆紹介曲「 雨上がり 」 作詞:山口大貴 作曲:山口大貴 ◆4th mini album『日々を彩って』 2025年9月24日発売 <収録曲> 1 雨上がり 2 ゴールドマーチ 3 ダイブアライブ 4 やってやろうぜ!! 5 パレット 6 今を生きるあなたへ 7 光 8 僕らだけのもの

    2025/09/26

  • プッシュプルポット
    書きたかったことがやっと書けた
    書きたかったことがやっと書けた

    プッシュプルポット

    書きたかったことがやっと書けた

     2025年9月24日に、金沢発4ピースロックバンド“プッシュプルポット”が4th mini album『日々を彩って』をリリースしました。今作には、昨年リリースした楽曲「ゴールドマーチ」「今を生きるあなたへ」、石川テレビ『石川さんパレット』に書き下ろした楽曲「パレット」の3曲と、新曲5曲を含む全8曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“プッシュプルポット”の山口大貴による歌詞エッセイを2日連続でお届け。第1弾は収録曲「 光 」にまつわるお話です。ずっと書きたかったけれど、自身のなかで大切にしすぎて、なかなか書けずにいたこの曲。書き始めようと思えたきっかけは…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 あーやっと書けた ずっとずっと書きたくて書けなかった曲。 よくMCで言ってたからこそ曲になるんだろうなって思ってた。   そう思うのも、高校時代によく出てたライブハウス“Unity”の店長に言われた 「MCでごちゃごちゃ言うことあるんだったらそれを歌にしろ」 今でもその言葉をずっと覚えてるから。 だからこそ書きたかった。 けど自分の中で大切にし過ぎてなかなか作れなかった歌。   アルバムを作る時から、自分に対して曲を書きたいなってずっと思ってた。最近は誰かに対して曲を書いてた気がする。その優しさを自分にも向けてあげたいなって思ってた。   書き始めようと思ったキッカケは、今年の5月に能登半島地震の復興支援へ行ったことが大きい。支援する側の立場から自分の過去や、経験、景色をより思い出すことが出来たから、曲を書き出すとき、なかなか開かなかった引き出しがすんなり開いた感覚があった。   “書きたかったことがやっと書けた” 満足感はとてもあったけれど、早くライブでやりたい気持ちがあった。ラジオを通しても、遠い街まで、必要な人へ、届いてほしいな。この曲が出来て、過去の自分が今までの自分が少しだけ報われた気がする。   <プッシュプルポット・山口大貴> ◆紹介曲「 光 」 作詞:山口大貴 作曲:山口大貴 ◆4th mini album『日々を彩って』 2025年9月24日発売 <収録曲> 1 雨上がり 2 ゴールドマーチ 3 ダイブアライブ 4 やってやろうぜ!! 5 パレット 6 今を生きるあなたへ 7 光 8 僕らだけのもの

    2025/09/25

  • tayori
    日常に潜む魔法
    日常に潜む魔法

    tayori

    日常に潜む魔法

     2025年10月8日に“tayori”が2ndアルバム『magic』をリリース!話題曲「ワンダー」や「月の唄」に加え、完全新作を含む全14曲が収録されております。メジャーシーンでの新たな幕開けにふさわしい、豊かな音楽世界を詰め込んだアルバム作品。進化を続ける3人の表現力とサウンドに、ぜひご注目ください。    さて、今日のうたではそんな“tayori”による歌詞エッセイをお届け。今作に込めた想いを綴っていただきました。私たちの日常に潜んでいるたくさんの小さな魔法とは…。また、今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。 それは、俯き歩いた先に見つけた木漏れ日。 あるいは、夕暮れの帰り道に香るどこか懐かしい夕食の匂い。   そよ風のようにそっと心に吹き込んで、 私たちの日々を灯す小さな魔法。   名前をつけなければ つい見過ごしてしまうようなそんな瞬間が、 私たちの日常にはたくさん潜んでいます。   何気なく選んだ道。ふと交わした言葉。 そんな、自分でも気づかないほど些細な行動もまた、 誰かの世界に小さな風を吹かせている。   例えば、私たちの作った一曲が、 今日のあなたにふと寄り添うことができたのなら。 それもまた、ひとつの魔法なんだと思います。   同じように、あなたが日々していること。 生活、仕事。 誰かにかけた言葉、手渡した優しさ、静かに流した涙。 そういったものたちの全てが巡り巡って、 顔も知らない誰かの明日を明るく灯しているかもしれません。   そんな風にこの世界には、目には見えないけれど確かに息づく魔法がたくさん存在しているのだと思います。   『magic』というこのアルバムが、あなたの日々を彩る存在になれたなら。 そして、あなたが日常の中にささやかな光を見出すきっかけになれたなら。 それは私たちにとって、この上なく幸せな魔法です。   <tayori>   ◆2ndアルバム『magic』 2025年10月8日発売

    2025/09/24

  • 松室政哉
    夢の跡
    夢の跡

    松室政哉

    夢の跡

     2025年9月3日に“松室政哉”が4th Album『Singin’in the Yellow』をリリースしました。今作は松室が2025年の音楽活動の指針としている「ハッピー・多幸感」をテーマに、編曲から演奏・歌唱に至るまでのほとんどの作業を自身で行う“DIYスタイル”で制作。荒々しさもありながら、松室のポップネスがこれまで以上に前面に押し出されたカラフルなアルバムとなっております。    さて、今日のうたではそんな“松室政哉”による歌詞エッセイをお届け。最終回は収録曲「 夢の跡 」にまつわるお話です。アルバムの最後を彩る、自身に今までなかったタイプのバラードが生まれたきっかけは…。ぜひ楽曲とあわせて、エッセイをお楽しみください。 この曲は、石田玄紀くんのスタジオで制作した。 最初から「アルバムの曲を作ろう」と決めていたわけじゃなくて、なんとなく「良いのができたらいいよね」くらいの軽い気持ちで、彼のスタジオに遊びに行ったのがきっかけだった。   5月のはじめ。まだ夏が来る前の、よく晴れた気持ちいい日だった。彼のスタジオには大きな窓があって、そこから差し込む日差しが柔らかくて、空気も穏やかだった。その空気感に引っ張られるように、玄紀くんがピアノでふとコードの流れを弾いてくれた。シンプルなのに、優しさをまとった進行だった。   そこからは、あーだこーだ言いながら他のトラックを重ねていく。その間に、僕の中でメロディーが少しずつ浮かんできた。 サビはロングトーンにしたいなと思って、その場でエセ英語(意味のない音だけの仮歌)でメロディーを入れてみた。コーラスワークも、同じタイミングで自然に乗っけていく。   このあたりで、「これはアルバムの最後に入る曲かもしれない」と直感していた。 次の日、できたばかりの仮デモをスタッフに聴いてもらったら、概ね評判がよくて、そのまま完成に向けて動き出した。   歌詞は金木和也にお願いした。僕が伝えたのは、「何か大きな冒険を終えた後の帰り道のような、夕暮れの道を、少し疲れた主人公が歩いている感じ」。かなりぼんやりしたイメージだったのに、彼はその空気をちゃんと受け取って、時の流れの残酷さと美しさが共存する、美しい言葉にしてくれた。   「風とは呼べないほど 穏やかな風」──それはたしかに、あの日スタジオに吹いていた風だった。デモのサウンドを聴いて、それを言葉にしてくれた金木はやっぱり頼もしいなと思った。   出来上がったこの曲は、松室には今までなかったタイプのバラード。 玩具箱のようににぎやかなアルバムの最後を、優しくまとめあげるエンドロールのような一曲になったと思う。   <松室政哉> ◆紹介曲「 夢の跡 」 作詞:金木和也 作曲:松室政哉・石田玄紀 ◆4th Album『Singin’in the Yellow』 2025年9月3日発売   <収録曲> 1.未来ある馬鹿者からのセイハロー 2.渚のメイキャップ 3.ふたりよがり feat.金木和也 4.コンバート 5.うるう 6.人生はロマネスクさ 7.ゆとりましょう 8.Singin’ in the Yellow 9.世界中を敵に回しちゃうな 10.夢の跡

    2025/09/23

  • トンボコープ
    それぞれの普通
    それぞれの普通

    トンボコープ

    それぞれの普通

     2025年9月17日に“トンボコープ”がMajor 1st Full Album『FANDOM』をリリースしました。Spotify週間バイラルチャートで2週連続1位を獲得し、Apple Music総合TOP200にもランクインした「Now is the best!!!」、ドラマ『やわ男とカタ子』OPテーマ曲「過呼吸愛」、Apple Music「Up Next Japan」に選出された楽曲「HEART BEAT」など、話題曲に加え、多数の未発表曲も収録。全19曲収録のフルアルバムとなっております。    さて、今日のうたではそんな“トンボコープ”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け。最終回はそらサンダーが収録曲「 鼾 」、でかそが「 レインコート 」にまつわるお話を執筆。それぞれの想いを、歌詞とあわせて受け取ってください。   トンボコープ結成初期から存在していた「鼾」。 時を経て形を変え『FANDOM』に収録することになりました。 詞とサウンドが収録曲の中で1番マッチしていると個人的に思っています。   終始、夢の中みたいなフワフワしたサウンドの中に<おとぎ話に描かれていた平和>や<クジラみたいな君の鼾>など、壮大で絶対的な優しさみたいな詞が散りばめられていて。   心が穏やかでない時や気持ちの整理ができない時、どうしたらいいのかわからない人ってたくさんいると思うし僕もそうなんですよ。 そんな時、心を落ち着かせるお薬みたいな感じで聴いてほしいですね。   <トンボコープ・そらサンダー>   ==   普通って難しい。小さい頃からみんなが普通に出来ること、やっていること、そういうものがみんなみたいには出来なかった。忘れ物したり、物を無くしたりは毎日のことだし、時間通りにとか、計画通りにとかがすごく苦手だ。   当たり前だけど、世の中はそれらが普通に出来る前提で設計されている。そうじゃなきゃ回らないから仕方ないけど、俺はハイパー生き辛い。   今も財布を無くしてそれを探し回った後にこの文章を書いている。結局、4時間前に行ったコンビニのレジに開けっ放しで置き忘れていたらしい。   これを読んでる人からは、俺のパーソナルな部分は見えていないだろう。だから表に出て大勢の人の前に立つことや、そこでベースを演奏することを、「自分には出来ないことをしているからすごいな」と思っているかもしれない。でも、俺からすればそれらは、忘れ物をしないとか時間を守るとかより遥かに簡単で、普通に出来ることだったりする。   決まった時間に出社して、課されている仕事を期限内にこなす。そういう普通が出来る人や、そういう普通が出来る前提の中で生きている人の方が、俺にはすごい人に見える。俺には出来そうもない。   だから普通って人によって全然違うし、金輪際、普通で悩むの禁止にしませんか? 自分の人生普通すぎるなーとか、みんなの普通が出来ないなーとか。誰かに出来ることが出来なくても、誰かに出来ないことが出来るんだからそれを誇りに生きていくことにしませんか?   俺と似てる性質を持っている人、多くの人の普通が簡単に出来る人、俺と似てるのに普通の中で必死にもがいてる人、いろいろいることでしょう。でも宣言します、俺らは全員誰かから見たすごい人です。   それぞれの普通で俺らは今日も生きていこう。   <トンボコープ・でかそ> ◆紹介曲「 鼾 」 作詞:雪村りん 作曲:雪村りん 「 レインコート 」 作詞:雪村りん 作曲:雪村りん   ◆Major 1st Full Album『FANDOM』 2025年9月17日発売   <収録曲> 01.FANDOM 02.アイデンティティ 03.HEART BEAT 04.MUNSELL 05.囚人 06.daratto 07.風の噂 08.Freeedom! 09.レインコート 10.喜怒哀楽 11.地獄でいいから 12.彗星 13.フラッシュバック 14.過呼吸愛 15.Now is the best!!! 16.あとがき 17.鼾 18.VISION 19.始まりの合図

    2025/09/22

  • トンボコープ
    ヒーローよりもヒーロー
    ヒーローよりもヒーロー

    トンボコープ

    ヒーローよりもヒーロー

     2025年9月17日に“トンボコープ”がMajor 1st Full Album『FANDOM』をリリースしました。Spotify週間バイラルチャートで2週連続1位を獲得し、Apple Music総合TOP200にもランクインした「Now is the best!!!」、ドラマ『やわ男とカタ子』OPテーマ曲「過呼吸愛」、Apple Music「Up Next Japan」に選出された楽曲「HEART BEAT」など、話題曲に加え、多数の未発表曲も収録。全19曲収録のフルアルバムとなっております。    さて、今日のうたではそんな“トンボコープ”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け。第2弾はメンバーの林龍之介が執筆。綴っていただいたのは、収録曲「 MUNSELL 」にまつわるお話です。自分がいなくても世界はまわるし、自分はいつも脇役であるように感じているあなたへ。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 家でダラダラ過ごしているのに、淡々と日々が過ぎ去っていくのを眺めていると、自分がいなくても世界は不具合なくまわるんだなと思い知らされる。   自分の得意分野で更に輝く人や、ニュースで活躍する人を見ると、まるで彼らが主人公で自分は脇役なのか?と感じることだってある。   でもどうだ。 そんなヒーローは、今君の目の前にいる人を救えるのだろうか。   答えはNOだ。   世界の裏側にいるヒーローは、君を取り巻く職場や学校の人間関係について理解してあげることは出来ないし、困っている誰かも、どこぞのヒーローに相談するくらいなら君を頼るだろう。   つまり君は誰かにとってヒーローよりもヒーローなのだ。 君にしか救えない人がいるからこそ君には救えない人がいるのだ。   君のそばで困っている人がBLUEな時に光になれる人は沢山いる。 君のそばで困っている人がBLUEな時に同じBLUEになってあげられる人は君だけだ。   君はこの世界にとって必要な一色。 その色でこの地球という画用紙を書き殴れ。   <トンボコープ・林龍之介> ◆紹介曲「 MUNSELL 」 作詞:林龍之介 作曲:林龍之介   ◆Major 1st Full Album『FANDOM』 2025年9月17日発売   <収録曲> 01.FANDOM 02.アイデンティティ 03.HEART BEAT 04.MUNSELL 05.囚人 06.daratto 07.風の噂 08.Freeedom! 09.レインコート 10.喜怒哀楽 11.地獄でいいから 12.彗星 13.フラッシュバック 14.過呼吸愛 15.Now is the best!!! 16.あとがき 17.鼾 18.VISION 19.始まりの合図

    2025/09/19

  • トンボコープ
    “自分への愛”というものを一体どこへ忘れてしまったのだろう。
    “自分への愛”というものを一体どこへ忘れてしまったのだろう。

    トンボコープ

    “自分への愛”というものを一体どこへ忘れてしまったのだろう。

     2025年9月17日に“トンボコープ”がMajor 1st Full Album『FANDOM』をリリースしました。Spotify週間バイラルチャートで2週連続1位を獲得し、Apple Music総合TOP200にもランクインした「Now is the best!!!」、ドラマ『やわ男とカタ子』OPテーマ曲「過呼吸愛」、Apple Music「Up Next Japan」に選出された楽曲「HEART BEAT」など、話題曲に加え、多数の未発表曲も収録。全19曲収録のフルアルバムとなっております。    さて、今日のうたでは“トンボコープ”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け。第1弾は雪村りんが執筆。綴っていただいたのは収録曲「 アイデンティティ 」にまつわるお話です。傷つけたり傷ついたりすることを恐れすぎて、いつしか忘れかけていた自分への愛。そんな自身を見つめ直し、決意したことは…。 “自分への愛”というものを一体どこへ忘れてしまったのだろう。   “自分への愛”とは、そもそも忘れるようなものなのか?   いや、意図的にどこかへ置いてきてしまったのか?   白黒ハッキリするような経験も記憶も無いから分からないけれど、俺のことだからきっと落ち込んだり、傷ついたり、はたまた誰かを傷つけてしまったりする度に少しずつ捨ててきたのだろう。   捨て切って何も無くなってからは、自分への愛が芽生えても気づかないフリをして踏みつけてきた。   “恥ずかしい”とか“バカにされるのが怖い”とか、そういう不安に抗おうとすることが無かった。自分が弱いと思って生きるのはちょっと窮屈で退屈だけど、それが当たり前だと思い込んでここまで生きてきた。   ある日、音楽をやっている中で損をすることが多くなっていると気づいた。   色々あるけれど、一番大きいのは伝えたいことを思いついても、否定されるのが怖くて曲にできなかったりすることだ。当たり前だから仕方ないと思いたいところだけれど、こればかりはずっと引っかかっていた。   “トンボコープ”というバンドをやっている意味が確実に薄れるし、自分の曲を楽しみにしている人に失礼だし、何よりも自分の可能性を潰している。   そんな中で、豊洲PITのワンマンライブが無くなった時に改めて“自分”を見つめ直すことになった。   そして得たひとつの決意。   「このままトンボコープを続けていくなら自分を改めよう」   生きていれば嫌なことは起こるのだから、“トンボコープの雪村りん”で居る限りは、ちょっとくらい傷ついたって自分のことは大事にしなきゃダメだ。   今こそ、ありのまま叫ぶんだ。   <トンボコープ・雪村りん> ◆紹介曲「 アイデンティティ 」 作詞:雪村りん 作曲:雪村りん ◆Major 1st Full Album『FANDOM』 2025年9月17日発売   <収録曲> 01.FANDOM 02.アイデンティティ 03.HEART BEAT 04.MUNSELL 05.囚人 06.daratto 07.風の噂 08.Freeedom! 09.レインコート 10.喜怒哀楽 11.地獄でいいから 12.彗星 13.フラッシュバック 14.過呼吸愛 15.Now is the best!!! 16.あとがき 17.鼾 18.VISION 19.始まりの合図

    2025/09/18

  • Bye-Bye-Handの方程式
    焦らさず、待っていてね
    焦らさず、待っていてね

    Bye-Bye-Handの方程式

    焦らさず、待っていてね

     2025年8月20日に“Bye-Bye-Handの方程式”が新曲「夢夏」(読み:ゆめか)を配信リリースしました。どこか懐かしさを感じるメロディーと爽快なJ-POPサウンドが心地いいサマーチューン。明るくキラキラした清夏の爽やかさを凝縮したポップなサウンドで、夏を存分に感じられるナンバーとなっております。    さて、今日のうたではそんな“Bye-Bye-Handの方程式”の汐田泰輝(Vo&Gt.)による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 夢夏 」にまつわるお話です。今の時代だからこそ、唄いたかった“あの頃みたいな夏”を描いた歌。楽曲誕生のきっかけは…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 2025年8月20日「夢夏」という楽曲を世に放つことが出来ました。 自分たちとしては、これまでも色んな節目やターニングポイントを楽曲と共に作ってきたが、未来に先回りすれば、今もまたそのうちの一つになっている気がする。   この曲が出来たキッカケは、とあるコンペに出すための楽曲制作を始めて、 いつも通り限られた期間の中、今からゼロイチを作り出すのか、 はたまた数あるストックの中から可能性のありそうなものを探るのか。 その2択に迫られた時だった。   しかし、その2つに当てはまるものはなく、どうしようかと考えていた時に、 ボツ曲のファイルをふと思い出した。 その中に入っている、タイトルもない楽曲と初めて目が合う瞬間だった。   楽曲のカケラは、カケラで終わる時もあれば、 思いもよらぬカタチで完成までこじつける、成り上がりスタイルも存在する。   その上で「夢夏」 は今までのどの楽曲よりも、 地底から地上まで這い上がった距離としては長く、 けれども速いスピードで完成した。   このタイミングで何を出すのか、どんな楽曲リリースするのかは、 その少し先の未来の自分を示すもの。   いつも曲は自分よりも1歩、2歩先回りして、 時にリアルタイムの自分とフィットしない時だってある。 そんな中、ここに辿り着いたのは何かのキッカケだと、心から思う。   楽曲の中では夏の心地よい瞬間を集めたかった。 夏は暑くても、涼しい場所にいても、なぜか夏だと感じられる季節な気がする。   昨今の温暖化でとても例年の様に軽々しく乗り越えられない猛暑の中、 それでも何処かで誰かが恋に落ちたり 結ばれたり 不本意に背中を押されてしまったり その恋が本物なのかどうかを浮き彫りにしてしまう夏には、 いつもその隣に ピッタリな音楽があったんじゃないかなと思ったりもして。   そんな今の時代に、あの頃みたいな夏を僕らは歌として唄いたくて、この楽曲をリリースすることを決めました。   大切なものはその時、大切にしながら生きていれば、その大切の見え方も基準も変わっていく。 でもそれは寂しいことではなくて、いつか時間が経てば全てを愛せるためにしている、屈伸運動みたいなものなんじゃないかなと思ったりもする。 焦らさず、焦らず、その時を待っていればその瞬間はきっと訪れる。 楽曲のカケラはいつでもそこに舞っている。 それといつかまた目が合う時に、 また新しい何かが僕らを巡り合わせてくれる気がする。そんな気がする   <Bye-Bye-Handの方程式・汐田泰輝> ◆紹介曲「 夢夏 」 作詞:汐田泰輝 作曲:汐田泰輝   

    2025/09/17

  • ナナヲアカリ
    ある程度のナナヲアカリの軌跡がわかってしまう優れもの。
    ある程度のナナヲアカリの軌跡がわかってしまう優れもの。

    ナナヲアカリ

    ある程度のナナヲアカリの軌跡がわかってしまう優れもの。

     2025年8月20日に“ナナヲアカリ”がBEST ALBUM『フライングベスト2』をリリースしました。今年、メジャーデビュー7周年を迎えるナナヲアカリの2枚目となるベストアルバム。2枚組で、Disc1は、2nd Album『七転七起』以降セレクト曲を中心に新曲を含10曲+おまけが収録。Disc2は、これまでの全タイアップシングルを収録したCDに。    さて、今日のうたではそんな“ナナヲアカリ”による歌詞エッセイを全3回に渡りお届け。第2弾は、今作のDisc2に収録されている前半8曲のセルフライナーノーツを綴っていただきました。ぜひ、歌詞とあわせて、エッセイをお楽しみください。 みなさん、こんにちは。 ナナヲアカリです。   前回は8月20日に発売されたメジャーデビュー7周年記念ベストアルバム『フライングベスト2』Disc1収録曲をざざざっとセルフライナーノーツ的な感じで紹介しました。着々と今、回っているツアーの中で新曲たちも育ってきていて良い感じです。   そして、今回は、Disc2ですね。   Disc2には、デビュー以降のすべてのタイアップ曲が時系列順に収録されております。つまりこれを聴くだけである程度のナナヲアカリの軌跡がわかってしまう優れもの、ということ。   16曲収録されておりますので8曲ずつ思い出語りも含めなどして紹介していこうかなと。   1.ワンルームシュガーライフ   ナナヲアカリのデビュー曲。もともと原作を読んでいてめちゃくちゃ好きだったのですが、ある日、「あかりん、『ハッピーシュガーライフ』って知ってる?」と、アニメ化することとOP主題歌どうですかということを聞いて宇宙猫になりました。   作品の持つ二面性をとても良いバランスで表現できている曲でありながら、今では“この部屋”はライブハウスだったり、私の歌が届くこの空間のことを指している気もして。そんな気持ちも込めて歌っています。   2.イエスマンイズデッド   この曲がタイアップ2作品目なんだと、驚き。なんだかそんな感じがしない気もする。この曲は『DAMELEON』というミニアルバムに収録されている楽曲で、シングルカットはしていないのです。   というのも、こちらは作品への書き下ろしではなく、ドラマ側から「この曲が合うと思います」と選んでいただいたものであるため。自分の楽曲が、誰かの作る別の世界ともリンクするというのは嬉しいことです。当時、東京という大都会の波に呑まれ、もがき倒していた自分から生まれた切実な歌詞、気に入ってます。   3.チューリングラブ feat. Sou   TikTokというSNSが普及しはじめた頃かなあ。『理系が恋に落ちたので証明してみた。』のアニメ面白かったですよね。ここで初めて、「自分やアニメファンの人々以外に楽曲がリーチする」という経験をしましたが、今でもよくインタビューで言っているけど本当に実感が湧かないです。笑   コロナ禍真っ只中の時期だったので、みんなで声を出して『チューリングラブ』をできない時期が続いていたのが悲しかった思い出として印象的です。   4.Higher's High   メジャーデビューしてから初の実写MVを撮ることになったこの楽曲。早朝から都内のいろんな階段を登って、昼は灼熱の屋上でみんなでふらふらになりながら撮影したことをものすごく覚えています。この撮影で、今でもずっとお世話になってるスタイリストさんと出会えたので、監督にとても感謝しています。笑   戦闘機が出てくるアニメだったから高い場所へ、空へ、みたいな表現が多いこの曲。だけれど、これもアニメの曲というよりかは、完全にナナヲとファンのみんな(Nanattic)との曲になっている。ライブで初めて歌った時にナユタセイジ(ナユタン星人)という男のすごさを痛感しました。   5.魔法   漫画×音楽の企画でのタイアップソング。DECO*27さんの楽曲は、テーマやコンセプトがどれもはっきりしていてそれの表現力が凄まじいなと思っているのですが、この曲でもそのテーマをキャッチーにする力に脱帽いたしました。   それぞれの主人公サイドからの目線で切り替わる歌詞がお気に入り。MVも寺田てらちゃんの絵柄で主人公たちを描いてもらって、ありがたいコラボ楽曲になりました。   6.雷火   この辺りから、ナナヲアカリのキーがトップG#という物語が始まったようにも思います。「Higher's High」も高かったですが、「雷火」はまさかのトップロングトーン連発高速ソングで、当初は食らいつくのに精一杯でした。   今ではライブでもかなり安定してきて自分の技術的な成長を一番感じる楽曲かなと。てにをはさんの遊び心前回の歌詞も、TAKU INOUEさん全開のドロップ部分とか、めちゃ楽しくて好き。   7.アイがあるようでないようである   ドラマのED主題歌で、出演者のみなさんが踊ってくださるという経験をした楽曲。この曲大好きで、すごくコミカルなサウンドに乗せてめちゃくちゃ真理をついている構造がドツボ。   資本主義に踊らされ、SNS戦国時代という枠組みで踊らされている私たち世代にクリティカルヒットする曲だなと思います。常に多面的に物事を捉えているピノキオピーさんだからこその歌詞だなと、感激します。   8.恋愛脳   ヤンデレピンク髪主人公アニメ『Engage Kiss』のED主題歌。「OPがかっこいい系なので、ラブコメ感あるミドルテンポのEDを」とのオーダーがあった記憶。これは完全に主人公を含め、恋する女の子の歌ではあるものの、"推し活"の歌とも捉えられる内容になっています。   ナユタセイジという作家は常にたくさんの人を救ってくれるというか、同じ歌詞でも見方を変えると違った意味が浮き出てくるような仕掛けを作っている。本当にすごい。わたしもめんどくさい拗らせ恋愛をしまくっていた時代があるので、この歌詞を紐解けば紐解くほど小っ恥ずかしい気持ちになります。     と、こんな感じで前半8曲を紹介しました。     次回は今回のエッセイ最終回、残り8曲の紹介をしていきたいと思います。   ではまた次回。   <ナナヲアカリ> ◆BEST ALBUM『フライングベスト2』 2025年8月20日発売   <収録曲> Disc1[CD] 1.ギミギミ聖域 2.おばけのウケねらい(にゅ~ver.)  3.ヤンキーダンス 4.どうやったって 5.わかんないセブンティーン 6.Jewel 7.POI POI POI  8.Step In The Dark 9.忘れないでベイベー 10.Flying  +シークレットトラック(市販品限定)   Disc2[CD] 1.ワンルームシュガーライフ 2.イエスマンイズデッド 3.チューリングラブfeat. Sou 4.Higher's High 5.魔法 6.雷火 7.アイがあるようでないようである 8.恋愛脳 9.陽傘 10.二度目の花火 11.奇縁ロマンス 12.FASHION feat. GaL 13.正解はいらない 14.ブループリント 15.明日の私に幸あれ 16.ムリムリ進化論  

    2025/09/16

  • 松室政哉
    渚のメイキャップ
    渚のメイキャップ

    松室政哉

    渚のメイキャップ

     2025年9月3日に“松室政哉”が4th Album『Singin’in the Yellow』をリリースしました。今作は松室が2025年の音楽活動の指針としている「ハッピー・多幸感」をテーマに、編曲から演奏・歌唱に至るまでのほとんどの作業を自身で行う“DIYスタイル”で制作。荒々しさもありながら、松室のポップネスがこれまで以上に前面に押し出されたカラフルなアルバムとなっております。    さて、今日のうたではそんな“松室政哉”による歌詞エッセイをお届け。第2弾は収録曲「 渚のメイキャップ 」にまつわるお話です。自身にとって珍しい“夏の曲”であり、新たな挑戦となったこの歌。楽曲内の様々なこだわりは…。ぜひ楽曲とあわせて、エッセイをお楽しみください。 アルバムに先行して配信したこの楽曲は、松室にとっても少し珍しい“夏の曲”だ。 きっかけは今年の初めに打ち合わせをしていたときの、スタッフのふとしたひと言だった。「80年代のシティポップっぽい、キラキラした夏曲のサウンドって、松室にも絶対似合うと思うんだよね」。確かに自分の好きな枠の中にあったサウンド感ではあったが、あまりやってこなかった。これは一度挑戦してみる価値はあるな、と。   そこからすぐ制作に入った。当初の仮タイトルは「マリーナ」。どこか懐かしく、少し気取った響きが気に入っていた。そもそもマリーナって何なんだ!?   せっかく作るなら中途半端なオマージュにはしたくない。そう思って、あの時代の名曲たちを改めて聴き返しながら、サウンドの質感、構成、楽器の選び方など細かいところまで、できる限り丁寧に作り込んだ。例えば、明るいサビの雰囲気とは裏腹にイントロはマイナー調が多いとか…。頭の中を80年代で埋めていく時間はとても楽しかった。   ベースはかれこれ10年以上の付き合いになる佐藤慎之介(ZION)。的確かつ柔軟なグルーヴで、楽曲の芯を支えてくれた。録り終えた後に、「これ、むずかしかった~!」とコメントが来たのが印象的だったが、そんなことは感じさせない仕上がり。ギターはぞのさん(外園一馬)。潮風のような軽やかなフレーズで楽曲に透明感を添えてくれた。やっぱりこの二人には圧倒的信頼を置いている。   さらにミックスやマスタリングでは、80年代特有の空気感をどう現代に落とし込むか、非常に迷ったところだ。楽曲に漂う“懐かしさと新しさのあいだ”をどう表現できるか。それが今回一番こだわった部分かもしれない。ちなみに単曲配信用とアルバム用ではマスタリングを変えている。聞き比べてもらうと結構違うので面白いと思う。   この曲は、自分にとっても思い切った挑戦だったし、だからこそ愛着がある。背中を押してくれたスタッフ達には、改めて感謝を伝えたい。 <松室政哉> ◆紹介曲「 渚のメイキャップ 」 作詞:金木和也 作曲:松室政哉  ◆4th Album『Singin’in the Yellow』 2025年9月3日発売   <収録曲> 1.未来ある馬鹿者からのセイハロー 2.渚のメイキャップ 3.ふたりよがり feat.金木和也 4.コンバート 5.うるう 6.人生はロマネスクさ 7.ゆとりましょう 8.Singin’ in the Yellow 9.世界中を敵に回しちゃうな 10.夢の跡

    2025/09/12

  • 有華
    渋谷駅のホームに立ちつくしたある日。
    渋谷駅のホームに立ちつくしたある日。

    有華

    渋谷駅のホームに立ちつくしたある日。

     2025年9月3日に“有華”が新曲「bad ending」をデジタルリリースしました。四季をめぐる思い出を描いた、誰もが共感できるエモーショナルな失恋ソング。聴くひとそれぞれの記憶を呼び起こし、切なさの中に温かさを残す1曲となっております。    さて、今日のうたではそんな“有華”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 bad ending 」にまつわるお話です。半年ぶりのリリースとなる今作。リリースに至るまでの半年間、自身が過ごしていた時間とは。そして、たどりついた気持ちとは…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。 お久しぶりです! シンガーソングライターの有華です。   半年ぶりに新曲「bad ending」をリリースしました。   この半年間何してたの?という話ですが 2枚目のフルアルバムを3月にリリースした後 今の自分を出し切った私は、一度立ち止まって周りを見渡し、改めて自分を探す。 そんな半年間を過ごしていました。   上京してから4年、 私の人生の中で色々なことが駆け抜けていきました。   「いつか」と思っていた出来事が目の前に現れたり 初めてをたくさん経験したり、もがき苦しんだり ほとんどの喜怒哀楽の感情に出会ったと思います。   そんな中でも私は、「喜」や「楽」ではなく「怒」「哀」ばかりを口にし、口から一番近い自分の耳に向かって入れたくない言葉をたくさん入れていました。   自分自身を、「なんでそんな人間なの? 本当にダメな人。」と責め続け、渋谷駅のホームに立ちつくしたある日。2024年12月に作っていた曲を思い出し聞いた後、「あ、私このまま終われない。まだまだ歌いたい。」そんな気持ちになって、自分を信じてみたくなりました。その曲こそ、今回の新曲「bad ending」です。   湧き出た感情をそのまま歌にすることは簡単なようで私にとっては難しく、だからこそ、宝物のように手元に置いておきたい気持ちがあります。でも今は支えてくれる人達がいて、一つの曲となり大きく羽ばたかせることができる。そんな居場所に感謝をしてこれからも楽曲を届けていきたいです。   心を込めて作りました。ぜひ、じっくり聴いてください。   <有華> ◆紹介曲「 bad ending 」 作詞:有華 作曲:有華・鹿3  

    2025/09/11

  • Cody・Lee(李)
    あの日、上野で感じた匂いがした。
    あの日、上野で感じた匂いがした。

    Cody・Lee(李)

    あの日、上野で感じた匂いがした。

     2025年9月10日に“Cody・Lee(李)”がMajor 2nd EP『SILVER』をリリースしました。今作には、台湾のアーティスト洪佩瑜(Pei-Yu Hung)をゲストボーカルに迎え、今年2月に配信リリースした楽曲「Ghost feat. 洪佩瑜」や、6月に配信リリースした「ダンスする惑星」など計6曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“Cody・Lee(李)”の高橋響による歌詞エッセイをお届け。「都会的な夜」というコンセプトで制作した今作『SILVER』。自身にとっての“夜の東京”とは…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイをお楽しみください。 コラムで書く内容がなんとなく決まったので、パソコンを開き、キーボードに指を乗せた。すると犬がうんちをし始めた。 「早く片付けて」という視線に負け、犬のトイレの掃除をした。洗面所で手を洗って再びパソコンの前に座った時、なんとなく決まっていたコラムの内容はとっくに忘れていた。   中学生の頃、母と妹と上野に旅行に来た事があった。それが自分にとって初めての東京だった。 不忍改札、アメヤ横丁、ヨドバシカメラで買ってもらったDS、首都高速が見えるビジネスホテル…それらの光景は、上京して9年が経った今でも鮮明に覚えている。まるでタトゥーの様に消えない記憶となって内側にこびりついていた。 タイのバンコクで見た野良犬、カオサン通りの喧騒、ナイトマーケットも、香港で見た目が眩むような夜景、ビクトリアハーバーを走る船、雲呑麺も、この記憶には敵わなかった。   『SILVER』というEPを作った。「夜」それも「都会的な夜」というテーマで作ったコンセプチュアルな作品である。 作品が出来上がって聴いた時、あの日、上野で感じた匂いがした。   「自分の考える夜の東京は、あの日の事だったんだ」   田舎で育って、東京に憧れていた自分が見た東京、それが『SILVER』なんだと思います。   さっきまで「早く片付けて」の視線を送っていた犬は、ソファで呑気に寝てる。でも、元々書こうと思っていた内容よりも良いものが書けた気がする。   <Cody・Lee(李) 高橋響>   ◆Major 2nd EP『SILVER』 2025年9月10日発売   <収録曲> 01. ダンスする惑星 02. 未知 03. Ghost feat. 洪佩瑜 04. Chérie 05. 夜の東京 06. 月面接吻 

    2025/09/10

  • Conton Candy
    一瞬香った花のように枯れないもの
    一瞬香った花のように枯れないもの

    Conton Candy

    一瞬香った花のように枯れないもの

     2025年9月10日に“Conton Candy”がニューシングル「スノウドロップ」をリリース! タイトル曲は、アニメ『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』のオープニング・テーマとして書き下ろされたもの。MVは白を基調としたスタジオでのエネルギッシュ且つストイックな演奏シーンを中心に構成。様々なカメラ・アングルと映像機材で撮影された映像が、楽曲の持つ疾走感を鮮やかに表現されております。    さて、今日のうたではそんな“Conton Candy”の紬衣による歌詞エッセイをお届け。新曲「 スノウドロップ 」に込めた想いに通ずる、“待雪草”の持つふたつの花言葉とは…。ぜひ、歌詞とあわせて、エッセイをお楽しみください。 『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』という作品に書き下ろさせていただいた「 スノウドロップ 」という楽曲。   その語源はスノードロップという花から来ています。スノードロップは春を告げる花と言われていて、別名に待雪草とも呼ばれます。そして、花言葉は“逆境の中の希望”。この花言葉がアニメのテーマの1つである思春期症候群とリンクすると思いました。   思春期は特に心がモヤモヤしたり、他者と比べて自分自身と向き合うことが多くなったりする時期だと思います。その中で、もがき苦しみながらも自分が生きる道を探していく。まさに逆境の中から一筋の希望を見出していくことで、自分自身に秘められた新たな可能性と出会える。そうして人は子から大人へと成長していく。   そして、このスノードロップにはもう1つ花言葉があります。それは「あなたの死を望む」というものです。自分の中にある子どもの要素が死んで大人に生まれ変わることで思春期というものが終わると私は考えます。新たな自分に生まれ変わることで、さらに豊かで彩りのある人生を送ることができる。一見ネガティブに捉えられてしまうようなこの花言葉にも深いメッセージ性があると私は強く感じたのです。   誰しも経験するであろう思春期。 でもその時期があったからこそ今の自分は確かに此処に存在している。 がむしゃらにでも生きて生きて生き続ける。 そうして可能性を見出していくことこそ、人間冥利に尽きるんじゃないかな、と。   きっとそれこそが幸せであり、一瞬香ったスノードロップのように枯れないものです。   また、今回のカップリング曲には「虹色の羽虫」という楽曲を収録しました。 夏の終わりの寂しい気持ちを落とし込んだ、ノスタルジックかつConton Candyらしいミドルバラードになっています。 モノクロだった世界に記憶という色彩が足されていく。歌詞にも注目してみてほしいです。みんなの夏の記憶を優しく包み込めるような楽曲になりますように。   <Conton Candy・紬衣> ◆ニューシングル「スノウドロップ」 2025年9月10日発売

    2025/09/09

  • SARUKANI
    言葉・リズム・踊り、人類が古来から愛してきた表現を凝縮。
    言葉・リズム・踊り、人類が古来から愛してきた表現を凝縮。

    SARUKANI

    言葉・リズム・踊り、人類が古来から愛してきた表現を凝縮。

     2025年8月20日に、ビートボックスクルー“SARUKANI”がNew Single「ZUN CHA」をリリースしました。サウンドには、今注目を集めるバイレファンキのリズムを、基本の4つ打ちビートの中に融合。意味なんてなくてもバカみたいにノれる、この夏にぴったりのアッパーチューンとなっております。    さて、今日のうたではそんな“SARUKANI”のKAJIによる歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 ZUN-CHA 」にまつわるお話です。ヒューマンビートボックスを愛しているからこそ、作詞の際に意識していること。そして、新曲に凝縮されている思いは…。ぜひ歌詞とあわせて、エッセイをお楽しみください。 日本、そして世界において、ヒューマンビートボックス(以下、ビートボックス)という音楽は、まだまだその魅力が十分に評価されていないと感じています。   僕自身もビートボックスを愛し、その可能性を信じる一人として、音楽マーケットの現状にはもどかしさを感じることがあります。ビートボックスは歴史が浅く、多くの人に知られているとはいえないのが現状です。そんな中で、僕はなぜこれほどまでにビートボックスに惹かれるのかを考えました。そして、それは「自己実現の欲求」を強く満たしてくれる音楽だからだと気づいたのです。僕にとっての自己実現とは、心から好きで、楽しいと思えるものを誰かに伝える喜びです。そして、この「 ZUN-CHA 」という楽曲には、その思いが凝縮されています。   僕の作詞のモットーは、「ビートボックスをしているような歌詞」を書くことです。「Like a ○、△、□」や「そこのけそこのけお馬がDance」のように、言葉のリズムを意識していて、少し無理をすればビートボックスに聞こえるような、口当たりの良いワードを積極的に選ぶようにしています。   これは、僕たちビートボクサーのことを知らない人たちに、一番のアイデンティティであるビートボックスを「得体の知れないもの」として敬遠されることがあった経験が元になっています。このジレンマを抱えていた時、あるラッパーの方に「KAJIのラップはビートボックスみたいだ」と言っていただいたことが、僕のスタイルを確立するきっかけとなりました。   ですから、僕の歌詞には、言葉、リズム、そして踊りといった、ビートボックスが持つプリミティブな古来から人間が好んできた表現が詰まっていると思います。ビートボックスによって生まれる、人から人へと伝わっていく熱狂が僕は大好きです。その熱狂が大きなムーブメントとなり、ビートボックスへの「理解の壁」を打ち破ってくれると信じています。   僕は何度でも言います。ビートボックスという音楽は、人や世界を少しだけハッピーにできる可能性を秘めていると。このどこか不安を煽られる令和という時代を生き抜くための「Magic Sound」になることを祈ってやみません。   あなたにとって、僕らSARUKANIの曲「ZUN CHA」が、そしてこの言葉が、あなたの少し先の未来を明るく照らすものになりますように。   <SARUKANI・KAJI> ◆紹介曲「 ZUN-CHA 」 作詞:KAJI・RUSY 作曲:Kohey

    2025/09/08

  • ポンツクピーヤ
    恋愛はいつだって単純ではありません。
    恋愛はいつだって単純ではありません。

    ポンツクピーヤ

    恋愛はいつだって単純ではありません。

     京都在住の3人組バンド“ポンツクピーヤ”が3ヶ月連続でデジタルシングルをリリース! 2025年9月3日に第1弾となる新曲『それだけ』が各種音楽サービスにて配信スタートしました。さらに、第2弾は10月リリース『センチメンタル・ジャーニー』、第3弾は11月リリース『らふらぶ!』が決定しております。    さて、今日のうたではそんな“ポンツクピーヤ”の大石(Vo.&Gt)による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け! 第1弾は新曲「 それだけ 」にまつわるお話です。片方の思いが強いけれど、片思いとは言い切れない。シンプルな好き・嫌いには収まらない。少し面倒な恋の歌をぜひ、エッセイとあわせてお楽しみください。 以前、働いていた会社にて、名刺交換の際に「お世話になっております。ポンツクピーヤです」と言ってしまい大恥をかいたことや、 バイト先の上司や、遠い親戚など、そういった微妙な関係性の人にバンド名を聞かれた際に「ポンツクピーヤというバンドです、、」と言うと変な空気になることや、 そういったことを除けばこのバンド名に誇りを持っております。 ですので、ここは声を大にして言っておこうと思います。   ポンツクピーヤというバンドをしている大石と申します。   今回、3ヶ月連続新曲リリースに伴い、3ヶ月連続でコラムを書かせていただくことになりました。 コラムという響き、いいですね。 響きがかっこよくて「コラムの掲載締め切りが迫っててさ~」と友人にアピールしてしまうくらいには浮ついております。 そして、何度も書いてはボツを繰り返し、締め切りの前日に焦って長々と前段を書いているわけであります。   さて、先日リリースした『それだけ』という楽曲は、僕にとっては久しぶりの恋愛曲で、自分ぽい歌詞が書けたなと思います。 ただし、前作アルバムの『涙がキラリ』という楽曲で「恋愛しか絶望ないんすか?」と煽りのように歌ってしまったことによるハードルの上昇と、小難しい感情をテーマにしてしまったことに、かなり苦戦を強いられたわけですが、、   恋愛には様々な形があると思います。 片思い、両思い、両思わない、、など その中でいえば『それだけ』は片思いに入ると思います。   女は男を変わらず好きでいるが、男は女に対しての気持ちが離れていっている。 ただし、ここでややこしいのは、男は女のことをそれなりには好きで、なんなら「ちょっとだけ愛してた」なんて情けないセリフまで残しているところで、単純な片思いとは違います。   恋愛はいつだって単純ではありません。 本当は単純なのに僕らが勝手に難しくしているのかもしれません。 顔は好きだけど性格は嫌いとか、 性格は好きだけど体の相性が最悪とか、 好きだけど金がないとか、 好きだけど、街中ですれ違っただけの美女も好きになってしまったりとか、 そんな様々な理由から、好きが、まあ好きに変わり、ついには嫌いにまで発展することも多々あります。   難しく考えずに、セックスマシーンの楽曲『サルでもわかるラブソング』のように「おれ、おまえ、好き!」と言ってしまいたいところですが、我々のような人種は何でもかんでも難しく考えて自らの体を雁字搦めに縛ってしまう人間ですので、厳しい話です。   『それだけ』は、単純な好きとか嫌いとかそういうところとは少し違う楽曲です。   恋愛経験がある人は、今までで1番めんどくさかった恋愛を思い出しながら、 経験がない人はこれから来るはずのめんどくさい恋愛を妄想しながら、 この楽曲を聴いていただければと思います。   <ポンツクピーヤ・大石(Vo.&Gt)> ◆紹介曲「 それだけ 」 作詞:大石哲平 作曲:大石哲平

    2025/09/06

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