ボロボロの靴にしみる雨のように、君の優しさに溺れていた僕の心。

Shiggy Jr.
ボロボロの靴にしみる雨のように、君の優しさに溺れていた僕の心。
追いかけても 追いかけても 離れていく君の後ろ姿 名前を呼ぶ声が消されていく 土砂降りの雨 「僕は雨のなか」/Shiggy Jr. 2017年11月22日、4人組シティポップバンド“Shiggy Jr.”が移籍第一弾作品『SHUFFLE!! E.P.』をリリースしました。今作のタイトルである【SHUFFLE(シャッフル)】という言葉は【混ぜる】の他に【引きずる、引きずって歩く】という意味も持っております。今日のうたコラムでは、収録曲からまさに“想いを引きずって”必死な主人公の姿が描かれている新曲「僕は雨のなか」をご紹介! 二人のクライマックスは、土砂降りの雨のなか。冒頭のサビからは、何度も名前を呼びながら<君>を追いかける<僕>と、虚しくも<離れていく君の後ろ姿>が、映画のワンシーンのように想像できますね。また、この激しい雨はお互いの心模様も表したものでもあるのでしょう。大切な人を失う哀しみで<僕>の心は大雨。一方の<君>も<名前を呼ぶ声>なんて聞こえないくらいに傷ついて、同じく心は大雨なのです。 いつも悪いのは君じゃないよ僕なんだ Ah… 並んだ歯ブラシを勢い任せに投げつけた 背中越しに扉の音を聞いて 二度と君には会えない事に気が付いた 「僕は雨のなか」/Shiggy Jr. 君の匂いがする部屋には戻れない Ah… 壁の傷すらも君を思い出す理由になる ボロボロの靴にしみる雨のように 君の優しさに溺れていた僕の心 「僕は雨のなか」/Shiggy Jr. よく、人は失ってみてはじめて大事なことに気がつくと言います。とくに失恋したときにありがちですよね。それは、別れた時にまず「どうしてこんなことになったのか…」と必死に答えを考えるからでしょう。この歌の<僕>もまた然り。よく思い出してみると、喧嘩をしたとき<いつも悪いのは君じゃ>なかったこと。ずっと<君の優しさに溺れていた>こと。でも<二度と君には会えない事に気が付いた>ときには、すでに遅しです。 喧嘩ばかりの日々も それでいいと思えた 今になっては後悔ばかり 予報外れの雨が 皮肉にも隠していく 頬を伝う涙の跡 君のいない明日ヘと 続く道を走る 「僕は雨のなか」/Shiggy Jr. この<喧嘩ばかりの日々も それでいいと思えた>というのも<君の優しさに溺れていた>甘さの証。そんな、なんだかんだ大丈夫だろうという能天気さに<予報外れの雨が>降り注いだのです。さらに、きっと<君の匂いがする部屋>だけではなく、いつものスーパー、駅、公園、日常にはどこもかしこも<壁の傷すらも君を思い出す理由になる>ような思い出が刻まれているはず。それでも<君のいない明日ヘと 続く道を>走らなければならない哀しみが、やはり雨のように現実に降り注ぎます。 追いかけても 追いかけても 離れていく君の後ろ姿 名前を呼ぶ声が消されていく 土砂降りの雨 振り向いてよ そう願っても 小さくなっていく君の背中 アスファルトを叩く音超えて 君に届け この記憶も この気持ちも 永遠に忘れられないだろう 消えない想いを今叫ぶよ 君に届け この声よ 「僕は雨のなか」/Shiggy Jr. そして、止まない雨のように何度も繰り返される<追いかけても 追いかけても 離れていく君の後ろ姿>というフレーズ。歌が進めば進むほど<君の後ろ姿>は離れ、小さくなり、叫ぶ声も徐々に掠れてゆくのでしょう。ただ<消えない想い>だけが反比例するように強く強く伝わってきます。雨は必ず止むものですが、この<僕>にとっての晴れとは<君>とやり直せることなのでしょうか。それとも忘れて前へ進むことなのでしょうか…。 聴く人それぞれ、いろんな続きを考えることができるのも「僕は雨のなか」という歌の面白さだと思います。みなさんなら、このサッドエンドの先にどんな物語を描きますか? ◆『SHUFFLE!! E.P.』 2017年11月22日発売 初回限定盤(CD+DVD) VIZL-1265 ¥2,300+税 通常盤(CD) VICL-64882 ¥1,500+税 <収録曲> M1.誘惑のパーティー M2.僕は雨のなか M3.二人のストーリー M4.Juuuump!! M5.約束
























