未来なんてもうなくてもいい、降り続けるただ悲しみと涙雪。

 2017年11月29日に“Sonar Pocket”がニューシングル『涙雪』をリリースします。歌ネットでは現在、歌詞先行公開中!この冬、彼らが贈るのは、忘れられない、けれどもう叶わない、苦しい想いが綴られた失恋バラードです。今年の冬もあの人と過ごしたかった…。どうして別れてしまったんだろう…。そんな後悔を抱え続けている方、いらっしゃいませんか? 是非、その気持ちを歌詞に重ねながら読んでみてください。

去年ならここで君と待ち合わせていたねwinter day
いつも5分待たせるから息を切らしていた

咳をした僕のおでこそっと手を
顔を覗き込んだ君の優しさが
溶けないまま 僕の心にまだ突き刺さってる
切なく冷たく
「涙雪」/Sonar Pocket


 まず、冒頭に綴られているのは一年前の冬の情景。ふたり一緒に過ごしていた<winter day>が、昨日のことのように伝わってきますね。それは<僕>の心が、別れた日で止まってしまっているからです。待ち合わせ場所。いつも5分待たせること。<咳をした僕のおでこそっと手を>当てて、体調を気にしてくれた君。彼は、頭の中で何度も何度もその思い出を再生して、ただ毎日に流されているのだと思います。

 一方で、フレーズは月日の流れの皮肉さも表しております。本当なら、君の<手>の温度も<優しさ>も“あたたかい”ものだったはず。だけどそのすべてが今は、まるで“氷柱(つらら)”のように、切なく冷たく<溶けないまま 僕の心にまだ突き刺さってる>のです。きっと、幸せな日々を思い出せば出すほど溢れる涙が、凍えそうな孤独によって、心に突き刺さる氷柱に変わってしまったのではないでしょうか…。

いっそのこと このままかじかんだままでいよう
そうすれば もう泣いたり笑ったりしなくて済むでしょ…
朝まで鳴り止むことがなかった
このトークに君はいなくなった
見たくなかった最後の通知
重ねた履歴 僕らのmemories
心に耳を添えてみた
恥ずかしいくらいに 君への想いが
まだ漏れて聞こえてる 「好きだよ…」と
「涙雪」/Sonar Pocket

時が経つほど痛みは薄れて消えるのかな
忘れると決めた恋を
抱きしめて立ち尽くしてるpavement
「涙雪」/Sonar Pocket

 さらに切ないことに<僕>は、立ち直ることではなく、もはや<いっそのこと このままかじかんだままでいよう>と、永遠の凍結を願っております。最初は<忘れると決めた>けれど、やっぱり大切な<君>がいない毎日には<もう泣いたり笑ったり>することにさえ、意味を見出せない。しんどい。だから<恋を 抱きしめて立ち尽くして>いるんです。自ら、痛みが薄れて消えてしまわぬようにしているんです。

 また、本当なら【LINE】とは、やり取りがないとその人との<トーク>ルームはどんどん下の方へと下がってゆくものですよね。でも、これは想像ですが、おそらく彼は“ピン機能”で<君>とのトークを一番上に固定しているような気がします。そしてやはり何度も何度も<朝まで鳴り止むことがなかったこのトーク>を、<見たくなかった最後の通知>の言葉を、<重ねた履歴>を、読み返してしまっているのでしょう。痛みを確認するために…。

モノクロの冬snowflakes 溢れる孤独が
君の姿を探してる
未来なんてもうなくてもいい
降り続けるただ悲しみと涙雪

モノクロの冬snowflakes 今も左手が
君の右手を 探してる
もしもできるならただもう一度
君に逢いたい もう叶わない涙雪
「涙雪」/Sonar Pocket

 こうして「涙雪」は最後の最後まで、ほんの少しの希望さえ見えることなく幕を閉じてゆきます。冷たい雪が次から次へと降り続けて、世界を真っ白に包んで、地面を見えなくするように、悲しい涙によって<僕>は<未来なんてもうなくてもいい>と思うほど、現在もこの先も見えない状態。ただ<今も左手が 君の右手を 探して>、<もう一度 君に逢いたい>と叶わぬ願いを抱き、心はまた過去へと戻ってゆくのです。

 雪は春になれば必ず溶けますが、彼の「涙雪」が溶ける日はやってくるのでしょうか…。それでも、どうか<僕>にも、<僕>と同じような心境である方にも、いつかは「あの恋をしてよかった」と<泣いたり笑ったり>できる日が戻ってきますように…!

◆紹介曲「涙雪
作詞:Sonar Pocket・山本成美
作曲:Sonar Pocket・佐川紘樹

◆ニューシングル「涙雪」
2017年11月29日発売
通常盤 PCL-12812 ¥1111(税抜)
初回盤A WPZL-31395 ¥1296(税抜)
初回盤B WPZL-31397 ¥1296(税抜)