ホンモノのありがとうをファンの皆さんに!

 2023年9月3日に“ソナーポケット”が新作EP『Sonar Pocket ~15th Anniversary~』をリリースしました。2010年発表「好きだよ。~100回の後悔~」、2012年発表「365日のラブストーリー。」セルフカバー、2016年発表「願い星」、2013年発表「花」リマスタリングバージョンの全4曲が収録。なお、ソナーポケットがセルフカバー曲を発表するのはこれが初となります。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ソナーポケット”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、今作に収録されている彼らの代表曲「好きだよ。~100回の後悔~」の歌詞のお話。オリジナルリリース当時のお話。そして15周年を迎えた今の想いです。メンバー3人によるエッセイを受け取ってください。



<ko-dai:歌詞について>
 
どうも、ソナーポケットのボーカル・ko-daiです。「好きだよ。~100回の後悔~」という、僕らの楽曲について書かせていただきます。
 
最初のデモを作ったのは、上京したてに住んでいた殺風景な六畳一間の自宅でした。深夜0時過ぎに作り始め、気づいたら朝日が昇っていたのを思い出します。
 
この楽曲の原型が出来て聴き直した早朝、ゾゾっと鳥肌が立ち「絶対に、この曲は沢山の人に聴いてもらえるぞ!ソナーポケットの未来が変わる一曲だ!」と、根拠のない自信に満ち溢れていました。
 
この楽曲を作るまでは、失恋をテーマに曲を書いても、どうもカッコつけてしまっていて「別れてもカッコいい男の姿。」みたいなものを歌っていましたが、実際に大切な人を失った時には、そんな余裕も無いし、きっとカッコ悪くもなるし女々しくもなる。そんなリアルな姿を包み隠さず歌おうというのが、「好きだよ。~100回の後悔~」のテーマだったりします。
 
根拠のない自信の裏で、「本当に、世の中の人は受け入れてくれるのだろうか?」という、いささかの不安もありましたが、リリースして2011年に年間ダウンロードランキング1位を取らせてもらうなど、この楽曲が転機となり、ソナーポケットが沢山の人と出会うことが出来ました。
 
「この楽曲の歌詞に救われた。」「この楽曲を聴いて、よりを戻した。」「こうならないように、今の相手を大切にしようと思った。」など、本当に沢山の人から嬉しい声が届きました。もちろん賛否両論あったので、この楽曲が苦手という人も現れましたが、それだけ世の中へ届いているんだなと前向きに捉えてました。
 
そんな大切な楽曲だからこそ、今回メジャーデビュー15周年を機にセルフカバーしました。オリジナルを超えられるか? というプレッシャーもありましたが、リリースしてからの経験や、この曲に対する想いが比べ物にならないほど多かったので、深みと情感を乗せた歌声でレコーディング出来ました。
 
前作よりも、自分は気に入った作品にアップデート出来たと思ってます。歌詞と共に、オリジナルと15th Anniversary Ver.聴き比べてくれたら嬉しいです。そして、15周年イヤーの全国ツアーも周るので、この楽曲を一緒に歌えたら嬉しいです。
 

<matty:当時について>
 
「好きだよ。~100回の後悔~」がたくさんの人に届くようになってから僕たちを取り巻く環境はたくさん変わりました。
 
例えばそれまでは、各地のインストアライブで、一曲目で某栄養ドリンクのCMで使っていただいていた「あなたのうた」を演ってお客さんの耳を惹きつけて、MCなどで「ソナーポケットという名前だけでも覚えて帰って下さい!」と言って必死にお客さんを集めていた記憶があります。
 
それが「好きだよ。~100回の後悔~」や「365日のラブストーリー。」リリース以降はステージに登場する前から僕たちの曲を待っている人が会場に集まるようになりました。僕達の曲が多くの人に届くようになって、出演させていただくイベントの数もとても増えました。
 
「あなたのうた」は大きなヒットとまではいかなかったけれど、一つのきっかけになって、「好きだよ。~100回の後悔~」、「365日のラブストーリー。」でグループ名と曲が一致するようになったかなと思います。グループが大きくなっていくのは積み重ねなんだなと思いました。この3曲が一つ一つのドアを開けていってくれたようで、楽曲の持つ力も感じました。
 
あと、その時に見た今でも印象に残っている景色があります。セカンドアルバム『ソナポケイズム② ~あなたのうた~』をリリースした頃、ある取材を受けていた時に速報でスタッフさんの電話に「オリコンチャート初登場10位が確定した」と連絡が入ったんです。その瞬間、レーベルのスタッフさんが思わずガッツポーズをしたのが今でも忘れられません。
 
僕たち3人で始めたグループだけど、たくさんのスタッフさんが僕たちの背中を押してくれて、ソナーポケットというグループが大きくなっていきました。それをその時実感しました。そのシーンを思い出すと今でも目頭が熱くなります。
 
あの時期は見えない階段を着実に登り始めたのが空気感で分かるくらい、取り巻く環境の変化も速く感じましたね。
 

<eyeron:15周年について>
 
アーティストとして15年も音楽を続けてこられたことは嬉しいけど、正直びっくりの方が大きい。遊びから始まったソナーポケットが職業になり、今は誰かの笑顔に繋がっている。人生とは本当に不思議だ。
 
振り返るとたくさんの思い出がある。良い思い出に隠れたつらい思い出もある。
 
デビュー前に抱いた夢は無知だったから叶えられたのかもしれない。いい意味で「馬鹿」でいられる勇気こそが夢への近道だったと今は理解している。分かりやすく調子こいてた時期もあったかな!?w 欲張った結果、叶わなかった夢もあった。足るを知ることの大切さですね。
 
山あり谷あり人生の面白さはソナーポケットの活動から教えてもらいました。4人目のメンバーのファンの存在に助けられ、たくさんのスタッフの皆さんにも支えられ、ベタかもしれないが「有難う」の言葉じゃ足りないくらい、感謝の日々でした。
 
自分自身、完璧には程遠い人間だから、足りないところを埋めてくれたメンバー。この15年解散を考えるような大きなトラブルや喧嘩もなく、真っ直ぐ勤勉に闘い続けた同志たちに改めてリスペクト。この気持ちがなきゃ15年も続けて来れなかったね。
 
忙しさから笑顔になれない日もあったし、若さ故に天邪鬼な態度でスタッフさんを困らせてしまったこともあった。生放送や大舞台、逃げたいくらいのプレッシャーを感じる場面だって多々あったけど、今日まで何とか頑張ってこれました。
 
覚悟を決めたあの日から大変な人生になることは分かっていたけど、アーティストほど刺激的で気の抜けない職業もなかなかない。だから好き。改めて音楽に出会えたこと、遊びから本気にさせてくれたソナーポケットというグループにただただ感謝。
 
15周年ツアーが終わった先にまた何かが待っていると信じ、ソナーポケットを楽しんでいきます。デビューして何年か経ったとき、音楽ではなく音を学ぶ「音学」に変わってしまったときも正直あった。今はまた音学から音を楽しむ「音楽」に戻ってきているので、感情のままに楽しさを追いかけていきます。拗らせた思春期、ワクワクは嘘つかないしね。
 
この機会に15年を振り返りながらエモい気持ちで文字を打っています。キャリアがなければ振り返ることもできないので、長く続けていくのも悪くないですねw ソナーポケットとして初○○みたいなこともなくなってきて少し寂しい思いもある。だけど好奇心を忘れず挑戦していきたい。きっとその挑戦の一つが15周年ツアー。「歌を聞かす!」そんなテーマもあるのでしっかり心に届けます。
 
15年前に使う「ありがとう」と今使う「ありがとう」では同じ言葉でも全く違う。濃くて深い、ホンモノのありがとうをファンの皆さんに!いつも応援してくれてありがとう。これからも宜しくね!


◆紹介曲「好きだよ。~100回の後悔~
作詞:Sonar Pocket
作曲:Sonar Pocket・KAY

◆EP『Sonar Pocket ~15th Anniversary~』
2023年9月3日発売
 
<収録曲>
01. 好きだよ。~100回の後悔~(15th Anniversary ver.)
02. 365日のラブストーリー。(15th Anniversary ver.)
03. 願い星(23' Remastering)
04. 花(23' Remastering)