あなたは今まで以上に、強く在れる、鎧を持たずとして。

俺は「この男がいやになつた」と云つて
自分から離れてしまいたい。
(尾形亀之助『愚かしき月日』より引用)

 詩人・尾形亀之助さんの作品にそんな一節がありますが、みなさんも時々、自分から離れてしまいたいと思うことはありませんか? 他の輝かしい「誰か」になりたいと願うことはありませんか? そんな気持ちを抱いたことがあるすべての方に聴いていただきたい、新曲が届きました。2017年11月29日に“[Alexandros]”がリリースするニューシングル『明日、また』です!

明け方になって
僕らはそれぞれの道へ
進もうとすればするほど
遠く、遠く、遠のく

無我夢中になって
報われると信じたけど
叶えようとすればするほど
淡く、淡く、泡になって

Ah
誰しも自分から逃げたくなって
Fu
新しい居場所を探してる
「明日、また」/[Alexandros]

 歌ネットでは、リリースに先がけて歌詞先行公開がスタートしており、注目度ランキングの首位も記録。尚、岡田将生さん出演の『クロレッツ』CMソングとしても流れている話題の新曲です。まず「明日、また」というタイトルは、心の持ち様によって、いろんな受け取り方ができる言葉である気がします。たとえば、前述した詩のように【自分から離れてしまいたい】と思っている人なら、「明日」にも「また」にもウンザリすることでしょう。

 【自分から離れてしまいたい】と思うのは、歌詞のとおり<進もうとすればするほど 遠く、遠く、遠のく>現実や<叶えようとすればするほど 淡く、淡く、泡になって>ゆく夢を思い知ってしまったから。そんな冴えない自分がいやになったから。それゆえに<自分から逃げたくなって>、今とは違う<新しい居場所を探してる>のです。【変わりたい】と願っているのです。一方で、2番の歌詞は次のように綴られております。

泣き方を知って
僕らは生まれてきたけど
大人になればなるほど
乾く、乾く、乾いて

怒りまかせで言った
誰かへの誹謗中傷も
悔もうとすればするほど
憎い、憎い、醜くなって

Ah
誰しも自分自身守りたいくせして
Uh
いつしか自分で傷つけた
「明日、また」/[Alexandros]

 こちらで描かれているのは【変わってしまう】ことですね。無意識だけど<大人になればなるほど 乾く、乾く、乾いて>変わってしまう。自分の意志とは反対に<悔もうとすればするほど 憎い、憎い、醜くなって>変わってしまう。【変わりたい】と願って<新しい居場所>を探すのは、悪いことじゃないはずなのに、どうしてネガティブな方向にだけ変わってしまい<いつしか自分で傷つけ>てしまうのでしょうか…。ただ、その答えまでちゃんと教えてくれるのが「明日、また」という楽曲なんです。

I'd always wanted to be “someone”else
「明日、また」/[Alexandros]

 日本語では<私はいつの日も「誰か」になりたがっていた>という意味の英詞。これこそが【変わりたい】気持ちがネガティブなベクトルになっていた原因です。自分が自分であることは絶対に変わらないのに、なれるはずない“違う「誰か」”になろうとして、何度も自分を傷つけていたのです。そして、そのことに気づいたとき、やっと少しずつベクトルは動き出します。<I gave up and chose to stick with me To overcome that“someone”>=<諦めて 自分自身に人生に留まりながら その「誰か」を越えることにする>と…。

明日、また
泣きじゃくる時が来たとして
怯まず笑えば
あなたは今まで以上に
強く在れる
鎧を持たずとして
「明日、また」/[Alexandros]

 自分自身に人生に留まりながら、その「誰か」を越える。そんな意志を持ったとき、「明日、また」という言葉の受け取り方も変わってきます。明日、また自分として生きていこう。明日、また何があろうと自分を信じて意思を貫いてゆこう。やっと「明日」や「また」が“希望的”なワードに聞こえるのです。「明日、また」とは“次がある”と思わせてくれる言葉。この言葉を味方にできれば<鎧を持たずとして>私たちは自ら<今まで以上に 強く在れる>んです。では今、あなたなら「明日、また」というタイトルにどんな言葉を続けますか…?

◆ニューシングル「明日、また」
2017年11月29日発売
【完全生産限定盤】 UPCH-7379 ¥1700(税抜)
【通常盤】 UPCH-5929 ¥1200(税抜)

<収録楽曲>
1.明日、また
2.Come Closer
3.I Don't Believe In You