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さくらしめじ ライヴレポート

さくらしめじ ライヴレポート

【さくらしめじ ライヴレポート】 『さくらしめじ東京の街から ライヴしまーす!!』 2020年8月1日 at 配信ライヴ

2020年08月01日@配信ライヴ

撮影:鈴木友莉/取材:土屋恵介

2020.08.06

今年の6月14日に結成6周年を迎え、7年目に突入したフォークデュオ・さくらしめじが、8月1日(土)事前に内容が明かされないという謎に包まれた配信ライヴ『さくらしめじ東京の街からライヴしまーす!!』を開催した。果たしてどんなライヴを観せてくれるのか? きのこりあん(ファンの呼称)の期待高まる中、ライヴがスタートしたーー。

オープニング映像が流れ、画面に田中雅功と髙田彪我が映り「朝が来る前に」で開演。ふたりがいるのは、なんとミニスタジオ化したバスの中! 走る車内からライヴを生配信していこうというのだ。窓から渋谷の公園通りを下っていく様子が見える。外の人たちからもふたりのライヴ姿が見え、さらに演奏やトークが外にも聴こえている様子。のっけから、この路上ライヴを越えた道路上ライヴという画期的なスタイルに驚かされた。まずは彪我が“配信でライヴを観てくれてるみなさん、そして渋谷の街のみなさん! こんにちは、フォークデュオ・さくらしめじです! ライヴバスでライヴをしてます!”と挨拶し、爽快感あふれる「My Sunshine」を歌唱。街行く人と配信を見守る全国のきのこりあんに向けて力強いハーモニーを届けた。

東京の街自体がステージというこれまでにないライヴ環境で、雅功と彪我は興奮気味にMCを進める。ファンとは“#さくらしめじ東京2020”のツイートでコミュニケーションをとり、外の信号待ちをしてる人たちにも“聴こえてますか? さくらしめじと申します”と手を振る。なんとも斬新すぎる光景だ。また、今回のライヴには3組のゲストが登場し、それぞれのリクエスト曲を2人が歌っていくというコーナーも用意されていた。“僕らも誰か知らないんですよ”と雅功と彪我がソワソワする中、VTRで登場したのは永野芽郁。永野は“初めて一緒にお仕事できた曲「ひだりむね」(永野はMVに出演)をリクエストしたいです。笑顔で元気に歌ってください”とリクエストする。画面に向かって “永野芽郁先輩!”“姉さん!”と声をあげるふたりは、初恋のドキドキ感が詰まったさわやかポップチューン「ひだりむね」を、永野のリクエスト通り笑顔で元気に歌い上げた。

バスが進む中、やさしいメロディーのミディアムチューン「かぜだより」が披露される。曲中に彪我は“今、右手にあるのが原宿駅です。わっ、変わってる! 新しくなってる!”と新手の観光案内を展開。続いて「てぃーけーじー」を勢いたっぷりに歌い、しかもサビの“てぃーけーじー”を“さくらしめじ東京2020”に変えて歌唱。間奏では彪我が“東京とたまごかけごはんを使って、和歌を作りたいと思います”といきなりの提案し、“東京の 景色はまるで てぃーけーじー 知れば知るほど味が出る出る”という絶妙な和歌を即興で読み上げる。そして、最後のサビでふたりは“さくらしめじ東京2020”を画面越しのファンとともにシャウトするのだった。

表参道を通過した頃、2組目のゲストでとして3ピースガールズバンドのthe peggiesが電話で登場。the peggiesファンを公言する雅功は、突然のサプライズに動揺し、うろたえながらも“めちゃ聴いてます。iTunesで初めて買ったアーティストがthe peggiesさんなんです!”としっかりアピール。ふたりがthe peggiesに東京で思い出深い場所を訊くと、彼女たちは“初ライヴをやったのが高校1年の時で、学芸大学のライヴハウスでした。the peggiesの始まりの場所なので、思い出深い場所です”と回答。そして、the peggiesからは「さんきゅう」がリクエストされる。まだまだ動揺の続く雅功だったがしっかりと気合いを入れ直し、ふたりは「さんきゅう」を熱唱。大人になっていく期待と不安を、穏やかなメロディーでしっかりと届けた。

バスは六本木を抜け、正面には東京タワーが見える。ここで3組目のゲストである大石昌良が電話で登場。さくらしめじとは2マンライヴを行なったこともあり、普段も交流のある大石。先日、結婚を発表した彼に、ふたりは“おめでとうございます!”とお祝い。続けて大石に東京の思い出を訊くと、大石は“昔の事務所が目黒にあって、レコーディングがうまくいかなさすぎて大鳥神社でよく泣いていた”という若き日の経験を語った。すると雅功は“大石さんでもそういう経験をして今があるんですね!? その話を聞いて、僕も元気もらいました!”と、今の自分と重ね合わせて先輩の経験談を噛み締めた。そんな大石からのリクエストは「スタートダッシュ」。雅功と彪我はギターの掛け合いから疾走感たっぷりのナンバーを爽快にプレイした。

走り続けるバスの中で、彼らは“いいことも悪いことも全部含めて青春だ”という想いを込めた「青春の唄」を披露。さらにレインボーブリッジを渡りながら、つらいことがあっても自分のペースで生きていく大事さを伝える「同じ雲の下」を歌っていく。バスがお台場に入ると、「靴底メモリー」でさわやかなメロディーを響かせたふたり。特殊な状況のライヴに終始楽しげで、ファンの“東京観光してるみたい”などのコメントにも“僕らも楽しい!”と笑顔で応える。そして、さくらしめじとしてのこれからの想いを語った。

雅功は“今日はとても感慨深いです。1年前に、まさか自分がバスの中でよろめきながら歌ってると思ってないですから(笑)。今回、あえて事前に内容を言わなかったのも、みんなをびっくりさせたいのもあったし、一種の決意表明でもあったんです。これからも僕らは想像だにしてないことをどんどんやっていきたい。不可能を可能に変えるフォークデュオ・さくらしめじでこれからやっていきたいと思ってるんです”と話し、それに彪我も“有言実行、不可能を可能にするフォークデュオだね”と追従。そして、雅功が“これから先も、もっともっとみんなでびっくりして楽しいって言えることをやっていきたいので、楽しみにしててください!”と不可能を可能に変えるフォークデュオ宣言をする。

その後、友情の想いが詰まった「合言葉」、これから起こるワクワクとドキドキの思いを歌う「えそらごと」をきのこりあんにしっかりと届けて本公演を締め括った。ファンの熱いコメントに応えて、画面に戻ると雅功は“バスでライヴをやってたくさんコメントをもらってありがたいし、改めていろんな人に感謝だなと思いました。やりたいこともまだまだあるし、一個ずつ現実にしてもっと大きくなれたらと思います”と、彪我は“バスライヴが実現できてほんとに嬉しいです。移動するバスでどう歌うんだろう?と思ったけど、ドキドキを超える楽しさがありました!”とライヴの感想を語った。

アンコールのナンバーは「風とあるがままに今を歩こう」。まだまだこれからの自分たちだけど、恐れずに未来に進んでいこうという想いを力強い歌で伝えていく。気がつけば、外は陽も暮れて光る東京タワーが見える。ふたりは笑顔でアイコンタクトを取りながら歌唱し、移動するバスからの配信ライヴは終了となった。

外の景色がどんどん変わっていく移動型のミニライヴハウス兼はとバスのような空間でのライヴは、かなりインパクト大! 陽が暮れていく感じは野外ライヴを思い出させる感覚もあり、配信ライヴならではの面白さ、いろんな街でのライヴの可能性など、これからのいい予感も感じさせた。まさに不可能を可能に変えるフォークデュオ・さくらしめじの今後に期待したい。

撮影:鈴木友莉/取材:土屋恵介

さくらしめじ

さくらしめじ:田中雅功と髙田彪我による、フォークデュオユニット。2015年3月に両A面シングル「いくじなし / きのうのゆめ」にてデビュー。フリーライヴで全国47都道府県を回る“菌活”の遂行など、精力的な活動を展開! 17年夏より1年をかけて月に1回、日本各地のライヴハウスでライヴを行なっていく『菌育 in the 家(はうす)』を実施し、18年4月には待望の1stアルバム『ハルシメジ』をリリースした。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

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    5.てぃーけーじー(#さくらしめじ東京2020 ver.)

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