LIVE REPORT

THE PINBALLS ライヴレポート

THE PINBALLS ライヴレポート

【THE PINBALLS ライヴレポート】 『end of the days tour』 2019年3月22日 at 恵比寿LIQUIDROOM

2019年03月22日@恵比寿LIQUIDROOM

撮影:白石達也/取材:山口智男

2019.03.29

昨年11月にリリースしたメジャー1stアルバム『時の肋骨』を引っ提げ、全国10カ所を回った『end of the days tour』が、3月22日に恵比寿LIQUIDROOMでファイナルを迎えた。バンドの人気上昇を物語るように自身史上最大規模となったライヴは見事ソールドアウト。バンドは満員のフロアーを揺らしながら、1時間半に渡って熱演を繰り広げた。

ここ数年でバンドが掴んだライヴのスタイルを、激しい照明とともにTHE PINBALLS史上最大規模のツアーファイナルに相応しいスケールで見せ付けた。この日、彼らが演奏したのは『時の肋骨』の全曲を軸にした全22曲。R&Bの影響が滲むガレージロックナンバーを畳み掛けて満員の観客の胸を熱くした序盤から一転、The Kinksを連想させる「BEAUTIFUL DAY」が印象的だった中盤では牧歌的なポップセンスをアピール。

そして、後半戦はポストパンクなダンスビートで観客を踊らせると、フリーキーなギターワークとともにバンドが表現する世界観の広がりを印象付けた本編最後の「銀河の風」まで一気に駆け抜けた。バンドの魅力をギュッと凝縮した1時間半。その中盤、“ソールドアウトしました!”とその歓びと感謝を語る一方で、古川貴之(Vo&Gu)は“それだけじゃ物足りない! 俺とお前しかいないような歌を歌いたいんだ!”と胸の中に芽生えた想いを口にした。バンドの人気上昇を物語るようにツアーをするたび、会場のキャパを上げてきたこのタイミングで、そこに気付いたことは大きい。なぜ音楽に取り組むのか、その根源を今一度見つめ直したような言葉を聞き、THE PINBALLSは大丈夫。もっともっと行けると確信。

予定になかった3度目のアンコールに「真夏のシューメイカー」で応えたメンバーたちは最後の最後にふっ切れた演奏を見せてくれた。その感覚を求め、僕らはまたTHE PINBALLSのライヴに足を運ぶ。

撮影:白石達也/取材:山口智男

THE PINBALLS

ザ・ピンボールズ:2006年埼玉で結成された4人組ロックバンド。『SUMMER SONIC』など数々のフェスやイベントにも出演し、アニメ『ニンジャスレイヤーフロムアニメイシヨン』第3話エンディングテーマ『劇場支配人のテーマ』が大きな話題に。17 年12 月6 日のミニアルバム『NUMBER SEVEN』をもってメジャー進出。収録曲「七転八倒のブルース」はTV アニメ『伊藤潤二『コレクション』』オープニングテーマとして抜擢。11月14日には待望のメジャー1stフルアルバム『時の肋骨』をリリースし、全国10カ所のワンマンツアー『end of the days tour』を敢行することが決定。荒々しくも唄心あふれる古川貴之のハスキーヴォイスとキャッチーで勢いのあるメロディー、物語のようなファンタジックで印象的な詩世界でロックシーンを揺らす。