The Giving Tree石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 蘇らせたはずの土を踏みしめた 踵に響くのは朽ち果てた笛の音のようだ 重ねられた断層に無数の物語 ノートからこぼれ落ちた 自己満足なんじゃないか 歴史から抹消されたものほど きっと 本当の事しか歌わなかったはずだ 100年前に遡ろうと 100年後の扉を開けても 生きることを必要以上に学ばなくていい 人の涙どれだけ体で感じられるかどうかだけでいい 大いなる存在から 僕らは何をもがく必要があるの? 継ぎはぎだらけの言葉 積み木のようにして 今 探しているものは賢者の額にあるものだ 対岸に漕ぎ着けた小舟が揺れてる 泥で埋められてく心ない思想に 100年前のため息の色 100年後の孤独の姿は 手触りも違うものに引き合うのなぜだろう? 今 河の流れを塞き止めて 誰かが嘆き誰かが笑う 時代ごとさらっていいの? 覚悟してもどこか怖いんだいつも あなたは惜しげもなく この手のひらに 大切な金の鎖を握らせて それはピアニシモ 気高く小さな祈り ありがとうなんて言わなくていいと 100年前に遡ろうと 100年後の扉を開けても 生きることを必要以上に学ばなくていい 人の涙どれだけ体で感じられるかどうかだけでいい 大いなる存在から 僕らは何をもがく必要があるの? |
シャーベットスノウ石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | オルゴールが途切れても どこかでまだ音が鳴ってる気がしていた 物語は続いてる 羅針盤はこの手の中にあるの 午後の太陽の大きさに すぐに崩れそうになるのは この街に降る雪だけじゃないと歌いたい シャーベットスノウ ほら古い宝石箱を開くとき 横顔が窓に映る その先にはシャーベットスノウ どうしようもないことだけで 夜を全部終わらせないように 緑の絨毯 寝転んで並べたボタンには 誰かの温かい手の気配を感じることがある シャーベットスノウ ほら幼い頃に泣いたあの部屋を コートの中抱きしめよう 手に触れたらシャーベットスノウ シャーベットスノウ ほら肩に手を置くように降りてくる コートの中抱きしめよう 雨に変わるシャーベットスノウ |
Shylpeed~シルフィード~石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 柔らかな後れ毛は 日溜まりのように金色に 輝いて少女の時を刻んでいくよ このまま消えることができたなら 小さな傘さして あるはずもない水たまりに白い翼を映すよ Shylpeed 幻のように一日が終ればいい 赤色の日差し唇に触れる前に あなたに会いたい この羽が欲しいなら大事なものを差し出せと 「私はこの季節しか咲かない花です」 手紙を約束の木の下埋めた時には もう私は少女ではなく自分さえなくなっていた Shylpeed 黒髪をほどき階段を駆け上がった この街を見渡せる高い場所から あなたを探すよ 手を広げて たとえばあの錆びれた廃屋で 美しい歌を彼女は歌うよ ねえ自分であること誰かが言うほど そんなに大事なものなんだろうかって Shylpeed 幻のように一日が終ればいい 赤色の日差し唇に触れる前に あなたに会いたい |
水槽の中のテトラ石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 部屋の明かりもつけずに 青白く光る水槽だけを ただじっと見つめてる夜は 僕の領域に誰も来て欲しくない ただぼんやり飽きるほど 流れてく君を見ていた 今日はいつもの僕を取り戻そうとあがいて 少しだけ意気込んでしまったよ 今気づいた 最初は一番弱かった 青いテトラ 思いもかけず一番長く生き続けてる そんなことで気持ちが嫌でも動くのは きっとどこかで僕が望んでたことなんだと思うよ ガラスに映る自分が揺らいでいるのが 嫌になってコツンと指ではじいたら 行き場を失うように僕から逃げてく 悲しみを引き受けて欲しいとは思わないから 誰の背中も追わずに泳いでいるあのテトラ どこまでも僕の先を行く 今気づいた 僕がいなきゃ生きられないよ 青いテトラ 狭い場所で何も出来ないのは僕の方 フィルターの音 目をつぶると海の中へ誘われてく 今 僕の前で生きてる 生きてる 今気づいた 最初は一番弱かった 青いテトラ 思いもかけず一番長く生き続けてる そんなことで気持ちが嫌でも動くのは きっとどこかで僕が望んでたことなんだと思うよ |
スイッチが入ったら石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | スイッチが入ったら 世界の裏側を転がり落ちてくる あの橋の下の掃き溜めのように キレイゴトですまされない 1から10までパーツ全部揃えても 今の私じゃ何も使えないよ 手の腹を伝うてんとう虫の赤い点から 思わぬ火が点くこと恐れてる スイッチが入ったら 止まる思考回路 手を引っ込めた途端 暗闇に逆に噛まれるような 濃すぎる景色がある アクリルガラスの冷たいドームの中は 膝を抱えて座る静けさだけ この手で増やした瓦礫の中に 置き去りにした感情は絶えず点滅してる スイッチが入ったら 最大の強みは自分を知らないこと 心ごと全部乗っ取るくらいの 誰かのウィルスになる 初めて抱きしめた人形に息を吹きかけては 私の分身につぶやいてきたものを探そう 向こう見ずな風が髪を揺らしていく そのきっかけを探している スイッチが入ったら 止まる思考回路 手を引っ込めた途端 暗闇に逆に噛まれるような スイッチが入ったら 最大の強みは自分を知らないこと 心ごと全部乗っ取るくらいの 誰かのウィルスになる |
数字石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 君が微笑った時 弾けた粒子がカウントし始めてく それは素朴な自然数で片付けられない 限界を持たない景色 その縁どりを形にしたら もうそれは効力を失うのだから 数字の渦のなかに身を寄せ合っている 雑多な世界に何をもとらわれない 隠し立てのない列をなしてくから 色が不揃いな感情のままでいられる 言葉が途切れた後は 曖昧な記号が浮かんでいる 愛想のない顔した時間を作り出す 本を積みあげた分だけ いやそれ以上に増えていくもの 数字に置きかえていいのだろうか 数字が敷き詰めた絨毯の上を 複雑な感情 脇に抱え走る 割り切れず足されることもない午後は うやむやな返事をすることは許してくれる こんなにも遠くにきたことがわかる こんなにも大きくなったことがわかる 数字の渦のなかに身を寄せ合っている 雑多な世界に何をもとらわれない 隠し立てのない列をなしてくから 色が不揃いな感情のままでいられる |
squall石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | どこからか拾ってきた 細長い枝で自分を囲むように線をかいた 誰も入って来ないで ここは静寂の樹海 長い雨ひたすら待つ 向こう側 向日葵のの群衆 毒々しいものをどこまで避けて 世界を語るつもりなんだろう? 待ちわびた squall 震えるほど圧倒されたいんだ 通り一遍等の言葉と温度はもう効かない あの日の砂場に打ちまけた 白く潔いフラグメンツに深く染み込む 悲しい自伝を喜ぶ花たち なんて単純になびく風よ この世の正しいこと鼻歌に変わってく 平然と咲き誇る 黄色の花の愛想笑い 乾き切った種をぼろぼろ落として 苦い味がする季節の連鎖を 深い霧の中 狂おしいほど完成されたいんだ 太陽が指差したものだけの価値の中で 微笑んでいられるものかと叫ぶ 鳥肌がたつように空が騒ぎだす 雨の前兆は壊れやすくって 両手で体をそっと抱きしめる 汗ばむ首筋が緊張を誘って そう誰もが上がって行ける訳じゃない squall‥‥ 震えるほど圧倒されたいんだ 通り一遍等の言葉と温度はもう効かない あの日の砂場に打ちまけた 白く潔いフラグメンツに深く染み込む |
砂の上のドルフィン石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 枯れ葉がまだらに浮かんで プールの底が見えない 錆びた金網を乗り越えた 海岸に迷い込んだドルフィン いるはずのないキミが今 泳いでるような 幻を見た マテリアルワールド この世界は 選ばれた者ばかりが作った訳じゃない なのにいつしか道の真ん中を 歩く瞳を失ってた気がする 誠実であろうとするほど まるで 漂流する大木のように 力なく流されていく 打ちあげられたキミは砂の上で 続く群れから外れても 何かを見つけた訳じゃなかった マテリアルワールド 外れたままの小さなネジ ベンチの影 転がってるけれど 拾いあげたら意外に重くて 世界はこんな風を欲しがっている マテリアルワールド この世界は 選ばれた者ばかりが作った訳じゃない なのにいつしか道の真ん中を 歩く瞳を失ってた気がする マテリアルワールド 外れたままの小さなネジ ベンチの影 転がってるけれど 拾いあげたら意外に重くて 世界は今 水を欲しがっている |
前夜石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | それは瑪瑙の瞳 重なる気配を消して すべてが本物じゃないなら 体温がすぐに伝わってしまう 始まれば終わる その熱のようなモノだけで繰り返し綴る本を 誰かの祈りの中で情熱と呼ぶのだろう 湿った空に 雪が降る 雪が降って 帰る場所などない蹄の音がする ただ寄り添うだけの静かな雪が似合う そんな朝が来るなら 月と夜の呼吸に今更恐れはしない 過ぎてみればみんな夢だと 今はまだ瞼とじる気もなくて 白一色の彼方 雪鳥の足跡だけ言葉を残していくと 脇道を歩くものが一生触れないものに会える気がする 雪が降る 雪のように 尚もこの視界が研ぎ澄まされていく 繋がりを消したら どれだけ強くあろうとそんなものは要らない 雪が降る 雪が泣けば 胸に奥深くしまわれてた鈴がわずかに震えだす この手が示すものを許そう この前夜なら 雪がふる 雪がふって 帰る場所などない蹄の音がする ただ寄り添うだけの静かな雪が似合う そんな朝が来るなら |
その逆石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 土屋学 | 愛されたいと望んでいるヒトほど かたくなに向こう側でドアを締めてる その逆 逆にあるもの その逆 逆に恐れているもの 上っ面な優しさ 月夜に陶酔するだけの 半分嘘だろうと言われても 救われたいために誰か助けようとする 走ってる時ほど失速した時のこと考えてる その逆にある感情こそ 歩きたい道を繋ぐ 隣合わせのビルに空室が笑いなくしても 賑やかしい街で息をする その逆 逆にある姿を その逆 逆に見えてこないもの 君の手を握り 列車の窓眺めてた春景色 もう1人の空は仰げない その逆から身勝手なほど喜びを知る この車輪が回らなくなれば 別の手が逃避行する その逆が全て満たす訳じゃないからいいの 「その逆」 走ってる時ほど失速した時のこと考えてる その逆にある感情こそ 歩きたい道を繋ぐ その逆 逆にあるもの その逆 逆に恐れているもの その逆 逆にある姿を その逆 逆に見えてこないもの |
それは紛れもなく~選ばれし者のソリチュード~石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | それは紛れもなく 選ばれし者のソリチュード 立て膝ついて顔を映す To the flow of water To the flow of water あなたの横顔が東の空を向けば 瞼の先から綻び拡がっていく 今さら黒い裾の尾をつかんでみても 両手を恐れるのはもうおやめなさい 右と左に引き離された核心 むせるように 咳をしても 根をはりめぐらせた大杉は 夜風に揺れるのを許さないでしょう それは紛れもなく 選ばれし者のソリチュード 惜しみなく与えられた自我 そこに翻弄されたいの 膝下にまとわりつく世情 高みに登らされて その悲しい代償こそが あなたを本物にさせていくから そういうもの そういうものなのです あなたに触れた者は 美しい言葉を なぜこの世に残したいと思うのだろう 燃やすつもりで書いた手紙 ひとりでにその姿を変えていく それは消えゆく星のように 格別に美しい背中だった それは紛れもなく 生まれ落ちてきたソリチュード 猟犬の群れを走らせる その声がかすれてく 薄曇りの視界の中 その背後で呼吸(いき)をする 新しい時代が緩やかな曲線を描いていくの そういうもの そういうものなのです この座から離れて 何が自分に残るのか 泥水に足をとられても 観えるものそれを信じる それは紛れもなく 選ばれし者のソリチュード 惜しみなく与えられた自我 そこに翻弄されたいの 膝下にまとわりつく世情 高みに登らされて その悲しい代償こそが あなたを本物にさせていくから そういうもの そういうものなのです |
太陽石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 心と体が追いかけあう切なさは 説明できないくらいがちょうどいいんだ 寝転んで見つめる空にもう何も言う事はない What color would you paint the sun ? 太陽の下の安らぎに戸惑うけれど You've got what it takes. それは永遠という長さではない 時々世界がひとつの小さな箱の中で始まって 終って行く夢を見る 太陽はただ約束を緩やかに繰り返してた I go everywhere with you. 少しくらいはグラついたって構わない To the inside of light 両手の中でしばらく眠りたい What color would you paint the sun ? 太陽の下の安らぎに戸惑うけれど You've got what it takes. それは永遠という長さではない I go everywhere with you. 少しくらいはグラついたって構わない To the inside of light 両手の中でしばらく眠りたい |
誰も教えてくれなかったこと石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 頬杖ついて 溜息をひとつ 完成間近の 泣き顔のロボット 固まりかけていた紙粘土 両手で崩してしまったよ 優しい目を向けないでと 無我夢中で走ってさえいたら チョウチョ巻き上げた分だけ 風を起こせると思ってた 誰も教えてくれない 誰も教えてくれなかったこと ふいにこの手を払われたことで 何かしてあげようと空回りしたよ 可愛そうだという慰めに似たもの 心の四隅に隠れていたかもしれない あの時本に書いてあったことが 色鉛筆12色におさまらず色を欲しがった 誰も教えてくれない 誰も教えてくれなかったこと 無我夢中で走ってさえいたら チョウチョ巻き上げた分だけ 風を起こせると思ってた 誰も教えてくれない 誰も教えてくれなかったこと 誰も教えてくれない 誰も教えないてくれたこと |
ティル・ナ・ノーグ石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 我武者らと捨て身は似て非なるもの 履き違えてる虫の愚かさよ 必要とされる者は声上げず 自然と呼ばれるものなのだよ 過ちおかしそれを悔いる人生など 手ぬるいすぎてお前の全力はこれか? 松の木が叫ぶほどに燃える あれは戦火ではない ほどなく洗礼をうけた高揚感 よこせ 深紅 BLOOD STORY 歓迎をうけろ 喉の奥で何度も羅列するシソーラス 美しい生き方とは最後に何を言うかだ いつか戻ろう あのティル・ナ・ノーグ 鹿が歩いた路 後に続けと 赤い実のついた枝を踏みつけて 神々たちに続く結界を破ったものに容赦しない 傷跡みせて奪い合う先陣よりも その屈折がお前の転機になるから 風を詠む以外 利口になる必要はないだろう ここらで分かち合う我ら 好機到来 捨てよ流儀 BLOOD STORY 踊らされてみろ 古のミラージュ この城の天辺で 面白き世にするのだ 面白きとはなにかと 誰か教えろ この通り雨 あのティル・ナ・ノーグ あのティル・ナ・ノーグ |
TW石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | この世界の単なる敗者でいられないのなら 両耳ふさいで 闇雲に暴走すること 本線から踏み外していくこと それこそ健全じゃないか I'll try to keep in contact with you 紫の花が持っている 咳き込むような正義感を 毛嫌いする雑草らは そのまやかしを飲み込むように 我を忘れて生い茂る根も 土に這いつくばって 片っ端から根こそぎむしるこの両手も それを誰が喜ぶというの? この世界の単なる敗者で いられないのなら 両耳ふさいで 闇雲に暴走すること 本線から踏み外していくこと それこそ健全じゃないか I'll try to keep in contact with you I'll try to keep in contact with you なまぬるい雨がどこまでも 不快指数を無情に上げ 窓の外に赤いクレーン 足場取られた自分じゃないか? そこからじゃないと抜け出せないもの 生まれてこない何か 濡れた床にはもう言葉が並べられる 独り静かに戦うことから この世界を語らせないように 音を立てずなぜか触らないように 光でも暗闇でもない 平然とあり続ける形から 確実にスライドしていく 駆け抜けるのでもなく 決して逃げるのでなく 一番の真実の種はたぶん掘り返されないように 地下深くに埋められている ドアを叩けよ 時に激しく 交互に点滅してはやがて消える それは怒りなのか それとも感情さえも操れない このもどかしさなのか 体中の微熱が冷めないのは 廃屋に置かれたまま忘れ去られても 自分の痕跡を残したいからだ この世界の単なる敗者で いられないのなら 両耳ふさいで 闇雲に暴走すること 踏み外していくこと… |
Natural石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | あなたの胸にいつも揺れてる銀色 涙の入った小瓶は 感情という激しく清らかなもの 一滴だけ私の湖に今落としてよ 永遠に似てる退屈な この揺らぎをそう海に変える 想像以上に時間がないから この銀色の静寂の中でみつけたい 願わくば指差す一番高い樹登って すべてを見渡せる場所にいけば 目にしてきた全てを許そうと思うのでしょうか 渡り鳥の目線の先にあるもの このまま平行線でも 追いかけたいと願う まだら雲の先に物語りが隠されていると知っている 原生林の中にひとり 手を加えられていない場所に 戸惑うくらいに全身を置きたい 最終行まで一気に読み通していく 真夜中の本のように 向かう帰路は朝でなく 嬉しい悲しいとか おかまいなしに振りきったまま 誰かを追い求めることができるでしょうか この銀色の静寂の中でみつけたい 願わくば指差す一番高い樹登って すべてを見渡せる場所にいけば 目にしてきた全てを許そうと思うのでしょうか |
夏の庭石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 繰り返し耳打ちしてくる 終わりのない物語なら この夏の庭の隅っこに 全部埋めてしまおうよ 片手にシャベルと 少しだけ無駄話をして 言葉が途切れても 別の夜を増やさないように 夢 夢 夢 夢 夢だったのかもしれない 夏 夏 夏 夏の庭で 風 風 風 風 風に小さく微笑んだこと 誰にも今は見せたくないよ 強い日差しの下で揺れる 扉は錆びついた顔を見せて 知ったふりをするのやめてと 不機嫌な音が絶えずしている 鍵を持ってなかった訳じゃない あなたが笛吹く草むらの中に 踏み出すほど自分を持ってない 夢 夢 夢 夢 夢だったあの静けさ 夏 夏 夏 夏が消える 風 風 風 風 風に立つ背中を見ていると 泣きたくなるの どうしようもなく 沈んでいく太陽は見せかけの感傷 誰のためにも何もしないことを あなただけがそう知ってる 夢 夢 夢 夢 夢 夏 夏 夏 夏 夏 夢 夢 夢 夢 夢だったのかもしれない 夏 夏 夏 夏の庭で 風 風 風 風 風に小さく微笑んだこと 誰にも今は見せたくない 夢 夢 夢 夢 夢だった あの夏の日からまだ続いているよ 夢 夢 夢 夢 |
何を泣くなんの涙石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 回遊する swordfish その鼻先をふいに変えても 当たり前のように流れていく 私はか弱き泳ぎ手じゃないんだ 呟いてみせた 何を泣くなんの涙だろう 小さなスプーンで満たされる すくいたいものがわからない 不甲斐ない私とそうでない私と 何を泣くなんの涙 鮮やかな Blue marlin 小さな声は届かないけど 海流の底には静かな世界がある 感傷とは数ミリ違った話をしたい 何を泣くなんの涙だろう ノートの切れ端にかいてた 陽を浴びていた言葉はもう 一番大事ではなくなった今を 何を泣くなんの涙 |
涙石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | このところ続いてる長雨が はやる気持ちを押さえ込んで 途切れることのない後悔が前髪を揺らす 暗闇より人の優しさに足止めされそうで あなたとの約束をまぶたに思い返してた 涙 涙の雫が堕ちて 朽ちかけた月が浮かんだ 涙 涙が伝えるすべてをひとつも逃がさない気持ちで 雨宿りその一時に見える幻が明日を変えることも あなたなら両手にその輝き抱きしめていたろう 夜の静けさから走る息づかいだけが聞こえる 背中を押すものは愛に似たきずな一つだけ 涙 涙の雫がこぼれて 夜霧が月に寄り添う 涙 涙が足跡を照らす あなたに近づけるような気がする 涙 涙の雫が堕ちて 朽ちかけた月が浮かんだ 涙 涙が伝えるすべてをひとつも逃がさない気持ちで 涙 涙の雫こぼれて 夜霧が月に寄り添う 涙 涙が足跡を照らす あなたに近づけるような気がする |
house石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 小さな手と大きな両手で 庭の隅の家庭菜園 学校帰りに食べた野イチゴ土の味がしてた 夏の終わりに太陽に嫌われた 荒れ始めた目の前の楽園は あぶら虫のついた菜の花だけが ぼんやり揺れていた 手をつないだ小さな兄妹たち どうしようもないことがあるんだ 毎日水をやり続けてもなくなってしまった 錆びた自転車細く続く砂利道 二人乗りしたオレンジの空 意味もわからないませた歌を歌って 笑いころげていた この日初めておねだりしたよ ガラス越しに見てたハムスター この子が入れば家族は減らないから 笑顔が戻るだろう 手をつないだ小さな兄妹たち いつか全てがわかるから 失うもの拾うもの もう少し待っていてよ 手をつないだ小さな兄妹たち どうしようもないことがあるんだ 毎日水をやり続けてもなくなってしまった 手をつないだ小さな兄妹たち いつか全てがわかるから 失うもの拾うもの もう少し待っていてよ 家に帰ろう 新しい家族だ |
1/2石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 私の1/2に たとえばポケットに 一つしかない赤い林檎を ためらいもなく両手に おいてあげる優しさを持っていたいから 空元気の向こう側で ふたつの背中が静かに並んだ時 初めてひとりの人間になれるようで 季節はずれのふたつの線香花火 小さな灯が落ちるまでつき合ってよ Under the moonlight 永遠の1/2 笑顔が途切れると 素知らぬふりで歌い始めた 肩越しの存在が空白を埋めるように そばにいてくれる 取りとめのない話のように ふたつの横顔 向こう見ずな片割れは 寂しい時ほど はしゃいで見せるけど 心の1/2 涙で濡れたときは 差しだす傘の中 素直に入ってね Under the moonlight 近づくと似てない光の破片 重ねて太陽に透かして見れば 色をつけて呼び合うもの ふたつの背中が静かに並んだ時 初めてひとりの人間になれるようで 季節はずれのふたつの線香花火 小さな灯が落ちるまでつき合ってよ Under the moonlight |
Vermillion 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | Vermillion 僕らは生きることにしがみついたけれど Vermillion それを格好悪いとは思わない 真っすぐ過ぎる君だから 自分の椅子が見えないと 冬の枝のようにぽっきり折れるようで心配なんだ あの日丸めたままの紙切れを押し付けて走ってった ―僕を覚えていて― 指で文字をなぞっては 大声で泣いた夕映え Vermillion 僕らは生きることにしがみついたけれど Vermillion それを格好悪いとは思わない 知らぬ間につくってた かすり傷から溢れる その朱く愛しいもの 手を触れずに見つめていたよ 窓の外の気配に君の名を呼びながらしゃがみ込んだ 僕はこの世界の全てを知ってはいけない たとえ君をなくしても Vermillion 僕らの中に静かに流れてるものは Vermillion あの空より朱く激しいものだよ 朱く激しいものだよ 無性に喉が乾くのは僕に生まれ始めた 生きたいという叫びたいほどの真実 Vermillion 僕らは生きることにしがみついたけれど Vermillion それを格好悪いとは思わない Vermillion 僕らの中に静かに流れてるものは Vermillion あの空より朱く激しいものだよ 朱く激しいものだよ |
First Pain 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 誰かを永遠に失ったことなんてまだないけれど これが最後かもしれないと見つめた朝があった まっすぐに延びたこの白線を 踏み外さないように歩くのは もう未来をひとつ捨てているのと 同じじゃないか‥と微笑う どうして自分の体なのに自由にしてはいけないの? 君の瞳に嘘を重ねてもその答えは出さない 人混みに自分の気配消しても 繋がろうとしないその姿は 細い糸でせつなく結ばれてる者には 眩しく見える ヒトになろうとして何度も塗り重ねた空があった 途切れ途切れだけど確かな言葉をあげたいんだ 生きて 生きて 生きて 壁のない部屋に寝転んだら 見上げる小さな窓をあげよう 誰かを永遠に失ったことなんてまだないけれど 両手に収まらない予感と痛みを噛み締めてた どうして自分の体なのに自由にしてはいけないの? 君の瞳に嘘を重ねてもその答えは出さない 生きて 生きて 生きて 生きて 生きて 生きて 生きて 生きて 生きて 生きて 生きて 生きて 生きて 生きて 生きて |
Prototype 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 純真さがシンプルな力に変わる時 世界に影をつくりだす ガラスケースに横たわる 光の存在に触れたくても 振り上げた手 降ろせなくて 落ちるようにしゃがみこんだ Prototype boy 明日の理想だけで 語り継ぐような美談にもならないけど この体を失いそうなギリギリの場所が 哀しいくらい似合ってる 嘘みたいな静けさは わずかな綻びが弾ける前触れのようだ 過剰なまでの眼差しが 膝の震えさえ逃がそうとしない この両手を挑発する ありふれた偽善さえも Prototype boy 心奪われてく 曖昧なジャブを繰り返す歯痒さで この領域に浮かび上がる残骸が 生きた分身に見え始めた それでも I shelter you 焦燥と放心の反動 絶えず私心が揺らいでる 今更の感傷ならかぶり振るけれど 使い捨てられる試作品 生きるのは自分だろうか? 今は考えない‥考えない‥ Prototype boy 明日の理想だけで 語り継ぐような美談にもならないけど この体を失いそうなギリギリの場所が 哀しいくらい似合ってる Prototype boy 心奪われてく 曖昧なジャブを繰り返す歯痒さで この領域に浮かび上がる残骸が 生きた分身に見え始めた それでも I shelter you |
49scale石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | そんじょそこらの流儀などいらない 風を詠める者だけが明日を生きるのさ 掴まされた剣より素手で感じろ 時に勇者であることよりも 時代の手足になり ひたすらに戦士であり続けた者 天と地が笑いかける 濡れてる虎の手のひらで 暴れる鹿の角つかみ 背中の鱗にまたがり 喉元逆鱗触れずに たえず威嚇して身を守るより 厳つい滝を登れるのならば そこらの魚でも竜になれるものなのさ 並んだラクダの頭で 静まる鷹のツメを研ぎ 迷わわぬ蛇の首抱いて ウサギの目に嘘をつかず 大河を一人で 渡る前の高鳴る動悸よ 真の敵を今見極めるのに 力はいらない 濡れてる虎の手のひらで 暴れる鹿の角つかみ 背中の鱗にまたがり 喉元逆鱗触れずに 並んだラクダの頭で 静まる鷹のツメを研ぎ 迷わわぬ蛇の首抱いて ウサギの目に嘘をつかず |
不完全燃焼 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 不完全燃焼なんだろ? そうなんだろ? そうなんだろって? 操縦不可能なんだろ? 野放しだろ?終われないんだろ? 開封されてく感情 一体なんの前夜祭なんだって? 崩壊寸前なんだろ?止まれないんだろ?泣きたいんだろ? 誰もいない最終バス一番後ろの席を選んでも現実感がなくって 窓に残される間の抜けた顔に 嫌悪するばかり飲みかけのペットボトル なまぬるい水が根腐れかけてた頭の中まで追い打ちかける 運命よりも優位に立ちたいのに 不完全燃焼なんだよこのセッションは最初から 僕に主導権なんてなくて変幻自在に見えるだろ? 操縦不可能なんだよ予想外に際立つ力を 「可能性」と呼ぶのだけはやめてくれ やめてくれ バス停に落ちていた大切な人をきっと守ってたはずの 鈴の音が泣いた誰に責められた訳でもないのに 横道に逸れたタフになるのにもっと理由が欲しいよ 無難にやってく術も知らなくて何処で微笑っても まるで抜け殻?だと言われてしまうね 不完全燃焼なんだよ意思表示なら手短かにやれよ プロセスと結末にもう愛想つかされてるみたいだ 崩壊寸前なんだろ?「厄介者」と呼ばれたらむしろ 褒め言葉より最大のディフェンスだ ディフェンスだ Blackness Blackness… 感情の振幅が大きすぎる動かされる者 その逆にそびえ立つ者の存在がある存在がある 不完全燃焼なんだよこのセッションは最初から 僕に主導権なんてなくて変幻自在に見えるだろ? 操縦不可能なんだよ予想外に際立つ力を 「可能性」と呼ぶのだけはやめてくれ 不完全燃焼なんだろ? そうなんだろ? そうなんだろって? 操縦不可能なんだろ? そうなんだろ? そうなんだろ?開封されてく感情 そうなんだろ? そうなんだろって? 崩壊寸前なんだろ? やめてくれ やめてくれ |
Blue Velvet石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | あなたが大事にしてた 青い膝かけがここにある 今夜こうして幼子のように抱きしめて眠るのよ ねえいいでしょ? あなたは私の前ではいつも疲れていた気がする だから私はいい子でいるしかなかったけど それはもういいの My blue velvet 小さな灯りの暮らしの中で窓打つ雨眺めながら そう あなたがすべてだった あの日のあなたと同じ歳になって初めて知る 鏡台の上飾ってた写真 いつも伏せたままになっていたけど 自分を救えるものは最後は私だけなんだと 言い聞かせてはどこかで過去を信じ続けていた横顔 MY blue velvet 生きているうちにこの世に何か残そうとしなくてもいい ‥Yes そう微笑うあなたがいた |
ヘブンリーブルー石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 一輪の朝顔の美しさをお前なら どう例えるのだろう どう触るのだろう 黙り込む器にくちびるつけて 含んだ景色を私ならどう詠むのだろう Heavenly Blue Heavenly Blue 凡百のものを切り捨てていく Heavenly Blue 容赦なく降る鉄屑の舞 そこから唯一の粋人だけを残す究極の術 お前なら成せるか 私なら出会えるか 土の壁這っていく青紫は夢をみる うつろいやすい午後にその花びら閉じる 混ざり合う背中が底に沈んで 上澄みだけをどちらかが飲み干していく Heavenly Blue Heavenly Blue 滅びの美意識が重なる時に Heavenly Blue 喉元を熱くさせる世情 このレクイエムに一服進ぜよう閑寂の境地 Heavenly Blue Heavenly Blue Heavenly Heavenly Blue Heavenly Blue Heavenly |
北極星~ポラリス~石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 見上げよう 今 あの北極星を この心臓は心を持たず 眠れない時を刻むだけだよ 両手で土を掻き集めた あの人の言葉まで埋めやしない 善心こそ上手に体を蝕んでいく ごらん ごらんよ あの北極星を ウラノメトリアをひろげたら 汚れた手のひらが起点だと教えてくれる 探せ 探せよ この寒空にあなたの無類な輝きで わずかに座標を失わずにここにいるのだ この足跡は誰の涙か 濡れた地面 流されないでいくよ 失うことが強みであると この世界の摂理と逆行して泳いでゆく あなたが語り繋いだもの ごらん ごらんよ あの北極星を あなたが神話となった時 この星座絵図は紅い円で結ばれていく 光れ 光れよ 真冬になぜか蛍の幻想みていた 旅が終わる瞬間にこの夜の横顔知るはず 授けよう 今 あの北極星を 高みを目指した北極星を仰げ ごらん ごらんよ あの北極星を ウラノメトリアをひろげたら 汚れた手のひらが起点だと教えてくれる 探せ 探せよ この寒空にあなたの無類な輝きで わずかに座標を失わずにここにいるのだ |
僕の空に季節はずれの雪が降る石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | ほら僕の空に季節はずれの雪が降って 見上げた白く眩しいもの どこで生まれたとか 何をして来たとか そんな重ねて来た過去が体を重くさせるよ なのに悲しいくらいそれなしではいられない 君に真っすぐ歩いても行けなくて ほら僕の空に季節はずれの雪が降るのは 遅咲きの花には寂しい この白い毛布に隠れて咲くような人間に 君は本気で話してくれないはずだから 無人の滑走路にいつまでも立てない人間を もうひとりの僕がその背中に吠えていた 何も持たない自由がどれほど怖いものか 知らずにこぼす言葉は空しいもの ほら僕の空に季節はずれの雪が降って 見上げた白く眩しいもの 僕に気休めの言葉の代わりに 触った事の無い明日を見たような気がした この白の世界は今日より先の気づきを与えてくれるよ ほら僕の空に季節はずれの雪が降るのは 遅咲きの花には寂しい この白い毛布に隠れて咲くような人間に 君は本気で話してくれないはずだから |
My book石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 本棚の一番上に静かに息をしている 青いふちどりの昆虫図鑑 ページのどこかに挟んだ手紙が 誰かの膝にハラリと落ちた時 それは私の時計になる セカイの愛とか夢とか 通りすがりの他人のようで この指にはまらないモノ 私には見える 私には見える 見える 見える 見える 硝子の花瓶の向こうに揺らぐ 重ねられてた本に眠る文字 置き去りにした雨の自転車を 絵に描いたように言葉にできたら 放課後の光が優しいこと もう一度知る 昨日の雨に乾かない冷たいシューズ その違和感を感じても それもまた半分望んでいることを 言葉にしたいから 一冊の本のように 言葉にしたいから 私には見える 私には見える 私には見える… |
ミスリード石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 夜に桜が白く浮き立つ 君を連れていく春の月へ 名前を捨てたバタフライ 何処に行っても君は楽にはなれない 日々の上澄みだけを飲み干し 君は日向を歩いていたよ 世界を味方にした君が なぜ姿を消す必要があるんだ? ミスリード 背中にサイレンが聞こえるのに 満開の花に吸い込まれてく 悲しいくらい君を知らない ミスリード まだらな雲 ちぐはぐな夢を見ているようだ 過去の名残惜しさが空しく 机の上に積み上げられる 薄汚れたバタフライ 一緒に捨てないか? そういえばよかった? 緑の池にひとひら落ちた 花びら突く生き物たちよ 苦し紛れに生きてるように見えるか? 小さなしぶきが飛んだ ミスリード 遠くでサイレンを鳴らしている 気づかないふりで足早になる 泣きながら叫んで欲しいよ ミスリード 君のシリアスについて行けなくなる前に ミスリード 背中にサイレンが聞こえるのに 満開の花に吸い込まれてく 悲しいくらい君を知らない ミスリード まだらな雲 ちぐはぐな夢を見ているようだ ミスリード 遠くでサイレンを鳴らしている 気づかないふりで足早になる 泣きながら叫んで欲しいよ ミスリード 君のシリアスについて行けなくなる前に |
水のないプール石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 水のないプールって用のない空き箱だ 足がちゃんと届く深さが安心なんだ そんな僕の手の中はどんな人魚も いつも以上に泳げないと 君に言われたまま転がってかない夏だった 夏だった そんな 夏の音 箱から無駄に溢れ出す 心ほつれたまま歩いてた 水滴があとからあとから 痛い場所だけ教えてく 理不尽で身勝手なソプラノの時代に 甲高い声であふれた場所に嫌悪した 胸の高さに揺れてる水面で どこかで無防備にダイブしてる 僕の分身が笑ってる想像した 夏だった 夏だった そんな 夏の独り言は眠れないまま 僕は何もせずに浮かんでた 自転車が肩先横切っても この夏を繰り返してく 水のないプール 水のないプール 水のないプール 水のないプール いつも以上に泳げた気がする 水のないプールだからこそ |
もう何も怖くない、怖くはない石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 誰かが息をするたびに 澄んだ水が濁っていく この森の中にいると気後れしそうだよ 一心不乱に揺れる花が その命を突き進んでしまうのは 僕がその声を拾わずにきたから もう何も怖くない 怖くはない 黄色くなった葉が 剥がれ落ちていく引力を感じても もう何も怖くない 怖くはない 「生きてる」 それだけで 確かな種を掴んでいる 目の前の湖が柔肌をさらしている 意図してない場所へ この雲が転がって行くなら もう何も怖くない 怖くはない なし崩しのように朝焼けが見える ならば雨を降らせよう もう何も怖くない 怖くはない 両手を濡らしてくこの満たされた感情だけで 予測不可能なこの海原 全うに歩いていく常識とか 曖昧過ぎる深刻さなどもういらない 怖くはない‥‥ 今は怖くない 怖くはない 黄色くなった葉が 剥がれ落ちていく引力を感じても もう何も怖くない 怖くはない 「生きてる」 それだけで 確かな種を掴んでいる |
物語の最初と最後はいらない石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | この桜 誰が埋めたのか 朽ちるときも知らぬ間に 物語の最初と最後はいらない 地続きでつながる夢現に 何を羽織るかを考えるだけで 心の内側にくいこんでくるものは 裏切らない記録になり 崩れかけてく樹に手を差しのべていく 移ろいこそが生きている物語 びっしりと書き込まれていく 擦れた表紙に手を置いた 物語の最初と最後は 誰かに覚えていてもらいたいだけの 石に刻むものを探してるだけ 心ゆらぐものに靴を履かせていく 切れた音を鳴らしても 旅の話を今しゃべらせてはいけない 土の上に横たわる物語 心の内側にくいこんでくるものは 裏切らない記録になり 崩れかけてく樹に手を差しのべていく 移ろいこそが生きている物語 |
物語の最初と最後はいらない ~左目~石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 最初のつまづきはいつ? 僕の記憶はなんて曖昧なの 手探りで吊るされた紐を引いたら 窓のない部屋が用意された 白い壁 落書き許さず 僕の脳内遊泳 輝き増したけど 諦めと恐れにギアが入ったら 感情がレイアウトされていく Ah ここでも僕は何者でもなくて 着慣れた服のまま描いた 固いフレームをはみ出していくような 物語終わらせてはいけない 折れそうな三日月の下で つがいの白鳥が水面にうなづく その羽に触れてみたくって 意識を飛ばすとき僕は自由になる Ah 力の入れ過ぎで 膝ついたペンのように 近い未来に壊れただろう 留まることも解放されていくことも 説明のない物語が欲しい 物語の最初と最後はいらない 物語の最初と最後はいらない 物語の最初と最後はいらない 物語の最初と最後はいらない いらない… ここでも僕は何者でもなくて 着慣れた服のまま描いた 固いフレームをはみ出していくような 物語終わらせてはいけない |
読む石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | テーブルの上は何も置かれてない いつかのフォークとナイフを 記憶だけでは並べることはできないの どうしようもなく変っていくことを 私を読みなさい 私を読みなさい 静かな風景にも私はなれるけど 夏に雪をも降らせる空持たねば 私は人ではいられない あの人はハルキの本を読み続ける その中の風景のひとつでも借りて 私の真ん中を紐解といてくれないだろうか 私を読みなさい 私を読みなさい 痛い程求める間合いはいつ届く 横顔の綻びに本を無情に積み重ねていくひと 私を読みなさい… 私を読みなさい… 私を読みなさい 私を読みなさい 静かな風景にも私はなれるけど 夏に雪をも降らせる空持たねば 私は… 私を読みなさい 私を読みなさい 痛い程求める間合いはいつ届く 横顔の綻びに本を無情に積み重ねていくひと |
来世で会いましょう石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | ちいさな傷の埋め合わせを一生かけて探すのなら 誰の目線にも触らない物語だからと捨てなさい この底辺の水たまりが干上がらないのは あなただけのせいじゃないの ただね 悲しいことに生きてるうちは 屋根を探して待つこともある 容赦ない雨がその答え その答えよ 来世で会いましょう いっそ来世で会いましょう 見送って見送って そう手放してしまえばいいんだよ まるで別人ようにいくらだって生きたらいいじゃない そう空に叫んだら面白いように開ける カーテンの隙間が教えた 繰り返される景色がある 固い地面に足をとられ 風を待つこと終わらせなさい 水道の水滴の音が やけに響いてくる夜なのに避けられない それは寂しいことに 生きてるうちは残像と眠ることもある 宛てもない夢がその光 その光よ 来世で会いましょう いっそ来世で会いましょう ひとつずつ ひとつずつ その場限りの火を吹き消しなさい こんな泡沫の世界はつじつまが合わなくていいじゃない そう空に歌ったら寒さ知らずの人になるの 今しか観えてないことで 心を疎かにしてる 濁った水を取り替えて どこかで振り切って走るの 来世で会いましょう いっそ来世で会いましょう 見送って見送って そう手放してしまえばいいんだよ まるで別人ようにいくらだって生きたらいいじゃない そう空に叫んだら面白いように開ける |
落涙石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 余計な戯言 浮かばないほど闇雲に 生きぬくことだけ すべてを注いでいられたら あたり前に登る月と太陽の下より 荒れた野原の風が性に合っている 戦えど戦えど終りなきものは 見るに堪えないここではなくて 人間の底にある救いがたい悪夢だけ 明日が我が身にないかもしれないこと うすら寒い夜が すり寄せそっと教えてきた その覚悟なければ 出会うことのない本当の 脱ぎ捨てた自分の力に出会えない 慰めに口にする善悪をすべて捨てることで 残された情熱のようなもの 強烈に見せつけて下さい 木々が揺れ 鳥は発ち 草の音が揺るぎなく 一斉にあなたへと流れだす 言葉少なにお別れしましょう まだ乾いてない傷をさらして 無情の地へ向わせてる何か 一生かけてもその衝動は 私にはわからないでしょう あなたを想いながらむせび泣く |
landscape石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 水路の端の道はゆるく 紫にしか咲けない花がいる 不幸せでもなく望んでもないことを 近づく夕暮れに伝えてきて 「きっと」「いつか」「たぶん」「あした」「もう一度」は この世界の約束できないものたち 濁りのないこの水源を埋めないで欲しい 息をすれば風が応える 心の動きは驚くほどに 鳥の声色さえ私になびいていく それを強く信じられるかどうかだけ 「記憶」「言葉」「匂い」「空の色」「靴音」 そして鞄の底を埋めてきた涙 あとどれくらいこの歌を歌えるのかしら 濁りのないこの水源を埋めないで欲しい 「記憶」「言葉」「匂い」「空の色」「靴音」 「きっと」「いつか」「たぶん」「あした」「もう一度」 「記憶」「言葉」「匂い」「空の色」「靴音」 |
Respect Me~last message~石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 会いたいよ 会いたいよ 昨日の感情 僕が生きて手にした光は 誰の目にも触れずにきたけれど 手のひらの分だけ Respect Me 僕の身体から白い鳥がふわり飛びたつ 幾千の横たわる星の上 何度も旋回しながら このそらで消えていくことが この世界の望みならば 会いたいよ 会いたいよ 踵踏んだまま走った夜の暑さを 情熱とそう呼べるものだとしたら 誰かに繋いで欲しい物語 薄い毛布にくるまり雨の音に惑えば 面倒な言葉たちで自分の周りを囲いたくなって 何をあんなに怖がってたのか すべてはあの場所にあるのに 会いたいよ 会いたいよ 風が通る部屋で眠れずにいたこと あの椅子に他の誰か座るなら 今が愛おしいと伝えて 会いたいよ 会いたいよ 昨日の感情 僕が生きて手にした光は 誰の目にも触れずにきたけれど 手のひらの分だけ Respect Me 走った夜の暑さを 情熱とそう呼べるものだとしたら 誰かに繋いで欲しい物語 会いたいよ 会いたい 会いたいよ 会いたいよ 会いたいよ 会いたいよ こんな静かな場所に連れてこられ もう汚れたものを観ることもない なのに夕映えをみた後のような寂しさはなんだろう 忘れられないほどの風景を いくつ覚えているかどうかなんてことより 愛する人に優しい言葉残さなかったことが きっと永遠に僕に雨を降らせる こんな静かな場所でまだ風に吹かれ 生まれてきた最初から終わり その先に続いていく永遠 覚めない夢 君を見ている 君を見ている |
Little Bird石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 道しるべとなる枝をくわえて その足下に落としてあげよう 向こう岸にいるあの子が迷わぬように あなたの瞳に映るもの それが全てだと思わないで まだ青すぎる実を拾いながら笑う横顔 その苦さを知っても小さな羽が運ぶものは輝いて 生まれて来ただけで完璧だと 飛び立つ後ろ姿を抱いた 夕立の中で木々の陰に 息をひそめてる 鳴き声を聞かせて 雨が上がるまでに少し話したい あなたの瞳が望むもの 小さな巣を作るこの羽で 生まれて来る子供たちをつなぐために生きよう その背中を見送る寂しさと 抱きしめて眠ったこの場所は 永遠に空席のままだろう あなたを誇りに思う ずっと あなたの瞳に映るもの それが全てだと思わないで まだ青すぎる実を拾いながら笑う横顔 その苦さを知っても小さな羽が運ぶものは輝いて 生まれて来ただけで完璧だと 飛び立つ後ろ姿を抱いた |
涙腺石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | あなたの背中に羽を見る 槍の先に宿るものとは 悲しいほど無縁のものでしょう あなたの役目は他にあったはず 穏やかな川面を眺めて わずかばかりに白波が立つ もはや祈ることしか許されない いっそ此処で朽ち果てて欲しい ゆらゆらゆ~ら揺り籠揺らすように 強く静かにこの手が止まることはない ただ待ち続ける 朝靄に消えてく勇者に 慰めひとつも言えなくて 花びらひとつ 手のひらに乗せる どれもなんて頼りないんだろう ゆらゆらゆ~らこの空が深紅の布を拡げても 桜の木立にもたれても涙は見せません 節くれだった厚い手をとって 握り締めたその力で こんな時代じゃなかったら 根を張った菩提樹の前で 誰にもこの肌を触れさせない 柔らかな土の匂いがした あの笑い声で涙腺がにじむ ゆらゆらゆ~ら古い墓石の前に咲いた蒲公英 息をついたらまっすぐにここへ帰ってきて |
ロストイノセント石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 西田マサラ | 小さな椅子が倒れたまま 月明かりに何も言わず僕を見上げてた 階段の隅で背中丸めながら 震えてた影がひとつ消えた 誰も気づかない… 愛と言う名で塗りつぶされる 嘘で色づく世界を この手でめちゃくちゃにしたいよ ここから抜け出すこともできない ah~ HEAVEN KNOWS BRIGHTNESS HEAVEN KNOWS BRIGHTNESS 壊れそうになった心は HEAVEN KNOWS SADNESS HEAVEN KNOWS SADNESS 永遠に続く傷みはどこへ帰ればいいんだろう キレイなままで生きて行けたらいい それでも僕はあの泥濘を選んでしまうから この体が切ないほどに生きようとしているのに 薄暗いこの空をどこかで 静かに望んでいた気がするんだ ah~ HEAVEN KNOWS BRIGHTNESS HEAVEN KNOWS BRIGHTNESS 凍える背中を抱いてよ HEAVEN KNOWS SADNESS HEAVEN KNOWS SADNESS 柔らかな光の中で僕は何を見つけるだろう 僕は君を助けたかったのか それさえもわからないけど 夜明けが来るのをすぐそばで 君と緩やかに包まれたいよ HEAVEN KNOWS BRIGHTNESS HEAVEN KNOWS BRIGHTNESS 壊れそうになった心は HEAVEN KNOWS SADNESS HEAVEN KNOWS SADNESS 永遠に続く傷みなら HEAVEN KNOWS BRIGHTNESS HEAVEN KNOWS BRIGHTNESS 凍える背中を抱いてよ HEAVEN KNOWS SADNESS HEAVEN KNOWS SADNESS 柔らかな光の中で僕は何を見つけるだろう |
私がそう思うのは自然なことだった石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 砂の螺旋をひとり眺めている私と 部屋の床に膝立てている 黙り込む影は同一線上にある ah誰かの涙の上を歩く覚悟がないなら 美しい言葉をせめて分け合うの あの子がいないとそこが海にならない 海が海にならないと 心というものは ほらどうにかしようとすると 余計に一人歩きして手に負えなくなる だから何もしない 何もしないという強さ さっきから音楽が止まないんだ 夏の日のミシンの音が自分を作ってくれた 誰もが自分の最初の形をそう覚えている 私がそう思うのは自然なことだった 私がそう思うのは自然なことだった ひとつのものを捨てるときがきたら それが愚かでも大事だったことを ちゃんと胸に落としたいんだ 私がそう思うのは自然なことだった あの子がいないとそこが海にならない 海が海に 私がそう思うのは自然なことだった 私がそう思うのは自然なことだった |
私のココロはそう言ってない石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 大きな樹を植えたんだよ それは面白いように葉をひろげた その分だけ影が生まれてきた 足下に芽吹かないモノたちを 今度はため息で待ちわびる 私のココロはそう言ってない ココロが声高くそう言ってない 平穏な空とは どんなソラだと まだ手の中にある種をどうすればいい もしピアノを失ってもピアニストは手を浮かし 白と黒の鍵盤をまぶたに映してく 音を紡げるその世界に この種を傍らに置いてほしい 私のココロはそう待ってない ココロの断片がそう観えてない 内なる樹が想像を越えていく その姿を自分と言っていいだろう 私のココロはそう言ってない ココロが声高くそう言ってない 私のココロはそう待ってない ココロの断片がそう観えてない |
私は想像する石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | 石川智晶 | | 右から3番目に並ぶ よくある感情DL 左の激情も欲しい 無限の可能性 選べライブラリー 感覚だけでアイテム増やせ つまらない欲でバランスとって 愚かに人並みになっていく MY CUSTOM MAID 規格外の誰かになってみせる 遺伝子に背を向けて LOCKせずそのままの状態 むしろウィルスを待ってる 後はこの背中 血の通う何かインプットするだけ 私は想像する 時間の向こう側にも 切なさだけをDL つま先だちをしても 届かない愛情 不機嫌な午後 その姿を代えていく 生きてるヒトはすべて欲しがる カラダはもう無駄なものばかり MY CUSTOM MAID もはや何を「自分」と言うのだろう 並べられてくファイルには 単純なデバイスはなくて 息をするように引き寄せるだけのサプライズ この手を開いて飛び立つ鳥へと 私は想像する 血の通う何かインプットするだけ 私は想像する 血の通う何かインプットするだけ MY CUSTOM MAID 規格外の誰かになってみせる 遺伝子に背を向けて LOCKせずそのままの状態 むしろウィルスを待ってる 後はこの背中 血の通う何かインプットするだけ 私は想像する 私は想像する 私は想像する |