相川七瀬
人生には無駄なことは何一つない
2025年11月8日に“相川七瀬”がミニアルバム『FIREWORKS』をリリースしました。今作は相川にとって久々となるコラボレーション作品となっております。つるの剛士、土屋アンナ、Micro(Def Tech)、KENJI03(BACK-ON)といった個性豊かなアーティストたちとの作品や、今年の全国ツアーを通じてファンと共に育んできた織田哲郎による「明日へ」など、カラフルで力強い作品が収録。
さて、今日のうたではそんな“相川七瀬”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け。第2弾は、デビュー30周年イヤーにリリースされた三部作のアルバムから第二弾『STARDUST』全収録曲のセルフライナーノーツを綴っていただきました。ぜひ作品とあわせて、それぞれの楽曲に込めた思いを受け取ってください。
デビュー30周年イヤーには三部作のアルバムをリリースしました。
6月にリリースしたその第二弾『STARDUST』は愛をテーマに作り、私にとって忘れられない一枚になったと思います。20、30、40代の自分の感性で作ってきたストック曲も含め、この30年の自分の歩みがここに詰まっています。
「Sweet arms」「I love you too」「破片」は、時を超えてこのように聞いてもらえる形になった曲たちです。
2025年の夏のツアーで「破片」を歌った時、不思議な感覚でした。20数年経った今、その答え合わせをしているかのようで、なんとも言えない感動がありました。
人生には無駄なことは何一つないと、過去の自分が作りかけて置いてきた作品に教えられた…と言うような私の大切な星屑たちの集合体です。
「STARDUST」
ファイナルファンタジーのサウンドエディターをされている祖堅さんに、楽曲制作をお願いしました。私が書いた「STARDUST」の歌詞を、全て生かしてとても壮大な物語のようなメロディを産んでくれました。私の楽曲の中で、この曲は最も高いキーの曲であったと思いますが、そういうチャレンジもとても楽しませていただき、このアルバムの扉を彷彿させるような世界観の1曲です。余談ですが祖権さんは、高田さんの師匠であり、そのつながりでお願いした経緯があります。
「恋に落ちた瞬間」
この詩を書いた時に、メロディは髙田有紀子さんしかいないと思いました。
10年以上、連絡をとっていなかった彼女に久しぶりのコンタクトして、作ったものです。 最初のデモから、自分が求めてきた世界が完璧に再現されており、一気に『STARDUST』の構想が浮かび、このアルバムには彼女と過去に作ってきたストックを全て入れようと決心しました。 制作に先行して、ライブで歌いながら、その空気感を肌で感じ、スタジオではその再現を心がけ、作り上げていきました。
「Sweet arms」
20代後半にデモとして上がっていた曲。曲の内容と歌詞の骨格はほとんど変えていませんが、大人になった自分が歌うように少し手直しをしました。当時、書いた自分の歌詞がストレートすぎて、今ではもうそんなにストレートなものは書けないなと恥ずかしくなる瞬間もあり、制作はとても楽しかったです。他の楽曲がピアノメインなのでこの曲に関してはギターをメインに構築しています。
「クレッシェンド」
この歌詞を書き終え、スタジオで歌った後、この曲がもっともアルバムの中で繊細で壊れやすい歌詞の世界観だったという気持ちになりました。 歌詞の世界に関しては、昔の自分と向き合っているような感覚で、また様々な感情が湧き出てきて。過去と今の自分が共作しているような、そんなラブソングです。
「I love you too」
小説『ダリア』を書いていた時の作品で、思い入れがありすぎて、15年以上出すことができなかった1曲です。
当時のデモと同じサビを踏襲し、なるべく書いた頃の自分の息吹を生かしています。
A・Bメロに関しては半年かけて高田さんと熟考した結果、作り直す作業をし、歌詞もアップデートしました。歌詞の世界観は、今持てるだけの全ての表現をぶつけた愛の形です。
「破片」
私が20代の時に描いた楽曲で、最も自分のキャリアについて悩んでいた時期のものです。当時、楽器の上手ではない自分が、ボイスレコーダーに吹き込んだメロディを、この『STARDUST』を一緒に作ってくれた高田有紀子さんが譜面におこし、デモテープ化してくれていました。若かった自分のメロディに歌詞を乗せる作業に難しさがありましたが、50代の自分が偽りなく等身大であることで、答えが出せたのかなと納得できる曲になりました。 <相川七瀬>
◆ミニアルバム『STARDUST』 2025年6月18日発売 <収録曲>
1 STARDUST
2 恋に落ちた瞬間
3 sweet arms
4 クレッシェンド
5 I love you too
6 破片
◆ミニアルバム『FIREWORKS』
2025年11月8日発売
<収録曲>
1.何度でも~Rebirth~ feat. つるの剛士
2.Victory Anthem
3.sweet revenge feat. ANNA TSUCHIYA
4.カミナリ祭 feat. Micro from Def Tech
5.いつも隣で
6.明日へ
7.So what? feat. KENJI03(BACK-ON)
8.ワッショイ!