TODAY SONGS

今日のうた

THE BEAT GARDEN/今はきみのことを思って目掛けて書いている

THE BEAT GARDEN
今はきみのことを思って目掛けて書いている

 2026年3月18日に“THE BEAT GARDEN”がニューシングル「エレメント」をリリースしました。タイトル曲は、松本まりか主演のドラマ『元科捜研の主婦』主題歌。「家族」と「科学」をテーマにUが歌詞を紡ぎ、楽曲面では壮大なサウンドに新メンバーKAIの力強いハイトーンボイスが合わさった楽曲となっております。    さて、今日のうたではそんな“THE BEAT GARDEN”のUによる歌詞エッセイをお届け。日頃、自身が考えていること。憧れのミスチル・桜井さんとのエピソード。新曲で描いたもの。歌詞に対する思い。などなど、たっぷりと綴っていただきました。ぜひ、今作とあわせてお楽しみください。 なんでこんなに お風呂に入るのは面倒なのだろう   お風呂は逃げない いつだってそこで待っていてくれる   お風呂から近づいて 僕に飛び込んで来てくれたら楽なのに   本当にそれが起こったら気持ちわるいこわい   ――――   今回のこのコラムも 冒頭から支離滅裂ですみません   作詞を志している方の 勉強には一切ならないですし   僕の歌詞を好きでいてくれる方にも 少し幻滅されるくらいです。   でも、自由にメロディがなく 書かせていただけるこの場所がすきです   歌で結局じぶんが何を言いたいのか 誰に届けたいのか 未だにわからなくなる。   だけど 自分が書きたいことを書く、でもなく ヒット曲を狙って書く、でもなく   僕の本当がこぼれた時だけ ありふれた僕のことばが 少し、光ってみえた   ――――   「ミスチル」   ラブソングってたくさんある 僕のラブソングの根本にはミスチルがある   初めて言い回しで感動したのが 桜井さんの歌詞だ   話し出すと永遠になってしまうので 細かいことは置かせていただきますが   男のなんとも言えない我が儘さと どうしようもなさを隠さず書く潔さと   それを文学的に魅せてしまう ありふれていない言い回しがあって   僕からすると“エロい” なんだかエロかった   僕の中で 男のエロの感覚の中には いつも「知的さ」が含まれていて   ああ歌詞書けるってかっこいいな エッチだなあと 若かりし僕は憶えたのである   もう十年以上も前 とある日、アコギを背負って 都内のナチュラルローソンの漫画コーナーを 吟味していると   隣にシャツを着たお兄さんが現れて 並んで二人で本のコーナーを眺めていた   普段知らない人の顔を まじまじと見ることなんてないが なんだか気になって横顔を見ると   ミスチルの桜井さんだった。   息を殺して、 おそらくプライベートでしたので 気づいたことを気づかれぬようにしていると   桜井さんがお店を出て行ってしまった   「ああかっこよかった」 「会えてうれしい。。」   余韻に浸る間も無く   「おい!!」 「もう二度と会えないぞ!!!」 「声をかけろ!!」 「いけ!!」   いつも顔を出す もうひとりの無茶な自分が 胸の内で叫んでいる   気づいた時には ナチュラルローソンの扉を思い切り押して 走り出していた   「桜井さん!!」   「はーい。」   いつも聴いていた声が返ってきて 泣きそうになる   「いつも!ずっと!聴いてます!!! 頑張ってください!!」   「うん。ありがとう。」   手を差し出して、握手してくれた。 笑顔が優しかった。 手が思っていたより分厚くて漢らしかった。   今でも思う。 まず「頑張ってください」じゃない。 頑張るのは、おまえだ。(俺だ)   そして桜井さん、 あんな小僧に 優しく握手まで。 本当にありがとうございます。   その日から 僕の桜井和寿好き、ミスチル好きは 加速をつづけ   晴れて僕も ミスチルに影響を受けたミュージシャン “Mr.Childrenチルドレン”になった (ややこしい)   いつか直接伝えられる日が 来ますように   来るように   歌詞を、 頑張ります   ――――   「恋は微熱」   片想いも両想いも勘違いが必ず含まれてるし 他の人から奪ってなくても 奪われることがあるし 振られた方より振った方が泣いたりするし 「他の人に取られたくない」と「好き」は別だし 男女は違う生き物だ なんて当たり前すぎだし 押して引くを試してる時点で追いかけすぎだし イメチェンは基本失敗するし 彼女いるの?は聞いても意味がないし 今日何する?に答えはひとつだし 恋愛なんてマジで意味不明だし   意味不明じゃなかったら 多分ちょーつまらなくて こんなに地球上で流行らないのです   僕とあなたが出会えたのも きっとこの流行り病のおかげなんです   恋はいつも微熱   ――――   「あんなに歌詞がだいきらいだった僕が 歌詞を10年書きつづけられた摩訶不思議」   仕事をしていると 理不尽に怒られたり 社員との相性のわるさに ずっとため息をついたり 自分は悪くないのに 一方的に謝らないといけなくて 悔しくて悲しくて   歌詞を書いているときも 正解はないはずなのに なぜか周りの大人の正解があって それも個人差満載で   これまで何度も 歌詞を書くことをやめたくなった   しかもその正解を突きつけてくるのが 人として嫌いじゃない むしろ尊敬している人たちなだけに 余計に飲み込まないといけない気持ちになって   おまけに Uは頑張り屋さんで 才能もあるんだよ。   なんて言われたもんだから どんどんどんどん 躁鬱みたいな状態になって 前日の夜中まで書いて 朝日に引きずり出されるみたいに 毎度レコーディング当日を迎えていた   そんな音楽人生を永く歩んできて   過去の曲を振り返ると その限界値というか 怒りというか、鬱のようなものがなければ   焦りとか、何をしても上手くいかなかった あの日がなければ   多分ちがう言葉になっていたであろう歌詞が いくつもある   戻れても同じ道は歩まないと思うけど 不正解だとも思っていない   話を素直に聞けなかったし 言われたことをただやるだけの瞬間もあった   当時の僕に今の僕が声をかけるとして 効果的な言葉があるとしたら   「ねえ。5000円あげるよ!」くらいだ。 結局救えないとおもう   これからも 納期に追われて 眠気に襲われて 期待に追い詰められて 友達に メンバーに リスナーさんに   すぐにかけましたなんて カッコつけて   また本音を 吐き出せなくなって   じゃあどこに のど開けんだって   うたでしかない。 書くしかないのだ。   ――――   「おねがい」   今日まで何曲も書いてきた もうちょっとだけ頑張れたときは 綺麗なお姉さんに頭のひとつやふたつ 撫でてもらいたいです   お願いしました。   ――――   「じぶんでもなんでメモしたのかわからないので 読むかスクロールしてください」   「家族みんなブルベなのになんでイエベ」 「将来老人ホームでもモテたい」   ――――   「消しゴム」   ゴムなんて付けなくていい   だから 消しゴム   本気で好きっておもうとしんどいから 「恋」って言えたら気が楽になる   「恋」だと澄んできこえる   「恋」という言霊に込めている   「恋」は「好き」よりも“誓い”がある気がする   あなたは今日もちゃんと ゴムを付けた   これもちゃんと 「恋」 だよね   ――――   「エレメント」   どんなにありがとうと伝えることより どんなに好きだと叫ぶことより   本気で怒ってくれた 涙を拭ってくれた 一緒に笑ってくれたことの方が   心に触れることのような気がした   言葉よりも 静かに、でも力強い花束に 心の中で育ってくれる気がした   元科捜研の主婦の ドラマスタッフの皆さんの愛が 嬉しくて二乗以上でした   またいつか、お会いできますように。   ――――   「最後に」   ドラマのない毎日 でも書かせてくれたドラマ主題歌   ミスチルの桜井さんに会えた でも歌詞は上手くならなかった   歌詞が誰より苦手な僕が 歌ネットさんで歌詞のコラムを 書かせていただいてる   ミュージシャンという仕事 作詞家という私事   あのスターにも こんな素朴な毎日が本当にあるのだろうか。   ――――   今日も悩みはつきない。 それでも   誰かにじゃなくて   僕が決めて 僕が選んで 僕が書きたくて書くことが あなたに届いてほしいと思う   そんな願望が叶わなかった10年間。   今はきみのことを思って目掛けて書いている   今これを読んでくれている きみのことを考えるときだけ   ありふれた僕のことばが もっと、光ってみえた   ――――   読んでくれてありがとうございます 歌ネットさん いつも本当にありがとうございます   リスナーさんとも 歌ネットさんとも 長い関係になり すごい時代になりましたね これからも末永くよろしくお願いします。   AIの出現 音楽もライブも自動で最強   いつかの未来、   むかしはさ 「愛」や「恋」や「夢」なんてものが 歌われてたらしいよ なんて   音楽が時代遅れだと言われても   僕は歌詞で 言葉で 悩みつづけたいです。   <THE BEAT GARDEN/U> ◆紹介曲「 エレメント 」 作詞:U 作曲:U 「 消しゴム 」 作詞:U 作曲:U ◆ニューシングル「エレメント」 2026年3月18日発売

BACK NUMBER

Uta-Net SELECT

歌ネット・セレクト

Bouquet / NELKE

Bouquet / NELKE

だって やっとのことで息をした主題花。熱量の高いライブパフォーマンスで魅せる5人組バンド、メジャーデビュー曲!

もっと見る

EYES ON ME / AislE

EYES ON ME / AislE

淡く甘く魅せてあげる。ドラマ『あざとかわいいワタシが優勝』OP主題歌、自己肯定感と主導権を掲げるポップチューン!

もっと見る

ハッピーエンドは未配達 / 八生

ハッピーエンドは未配達 / 八生

君がいない たったそれだけで世界は壊れた。孤独に満ちた優しさを歌うシンガーソングライター、1st Full Album!

もっと見る

泣くな、青春 / Blue Mash

泣くな、青春 / Blue Mash

大人だから泣かないよ でも大人だって夢を見たいよ。大阪発・2002年生まれの4人組ロックバンド、Major 1st Full Album!

もっと見る

NEW ALBUM

アルバム・ピックアップ