MACO

桜の木の下で

 ラブソングで人気のシンガーソングライター“MACO”が2020年2月14日に新曲「恋蛍」を配信リリースしました。さらに“佐野勇斗×飯豊まりえ”のダブル主演AbemaTVオリジナルドラマ『僕だけが17歳の世界で』挿入歌に、書き下ろしの新曲「桜の木の下」と、卒業ソングの代表とも言えるレミオロメンの名曲「3月9日」カバーが決定…!いずれも配信がスタートしております。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんなさらなる飛躍を感じさせる“MACO”本人による歌詞エッセイを第1弾~第3弾に分けてお届け。第1弾第2弾に続く最終回では新曲「桜の木の下」について綴っていただきました。これまで様々なラブソングを書き続けていた彼女が、どんな想いで『僕だけが17歳の世界で』という恋愛ドラマに主題歌を書き下ろしたのか…。歌詞と併せて、この言葉を受け取ってください。

~歌詞エッセイ最終回:桜の木の下で~

暖房で乾いた目をこすりながら、
私は深夜部屋のベットの中で
莫大な量のドラマの企画資料を読んでいた。

好きだった人がいきなり死んでしまって、
だけどそのあと生き返って、再会する…
すっごいファンタジーな物語だな。
死んだ人が生き返る世界なら
私のパパも生き返ってほしいなぁ…
あぁ、今はちょっとそれは置いといて。
キーワードは“桜の木の下”か。
桜の木の下で二人は付き合うのかな?
それとも
桜の木の下で別れちゃうのかな?
台本がまだ存在しない企画時点の資料は
とても貴重なものだな、と思いながら
物語の予想を繰り返した。


恋愛ドラマの曲を描き下ろすことは
恋愛ソングを歌う私にとって
とても嬉しいこと。
MACO、あなたはことごとく恋愛の歌ばかりを
歌い続けてきたものね。
だからこそのプレッシャーも凄い。
頑張らないと。
ねぇ藤野さん。それとチームスタッフの皆。
今回絶対いい曲書くからねMACO。
自分の中で静かな約束を交わして、
それから毎日『僕だけが17歳の世界で』を
頭の片隅において生活していた。



今自分にある幸せってなんだろ?


高級料理店で
◯◯産の◯◯牛です。
ぜひお塩でお召し上がりください…
とシェフから説明を受けてから
口に入れる瞬間のあれが一番の幸せ。
なわけがない。
好きな人と食べる牛丼の方が数百倍美味しい。

一番落ち着くベッドの上で
YouTubeを見ることも、
一緒に暮らしているペットが
健康でいてくれることも、
心臓が動いていることも、有り難く全部幸せ。
幸福度数はひとそれぞれ。


第一弾のコラム参照だけど、私は極端。
でないとこの道を走れない。だからこそ
幸せの周りにはいつも切なさが転がっている。
嘘でなく、つみあげた積み木が崩れ落ちるような映像が常にいつも頭の中に流れている。
ジェットコースターのような性格の私。
恋の歌を歌ってるけれど、
恋のことなんて1ミリもわからないのが本音。


その時思った。
あ、きっとこれかもしれない。
主人公の芽衣(めい)が常に持っている気持ち。
生き返った航太(こうた)へ常に想っている気持ち。
楽しいけれど、どこか寂しい。
幸せなのに、何故か切ない。
見えない明日が怖い。
私の手元にいま台本はないけれど、
芽衣はきっと、こんな気持ちを抱きながら
航太と過ごしているはず。


もう寝ようとしていた私の頭の中に、
飯豊まりえちゃんの顔が浮かんでは消えて
笑ったり泣いたりしてる。


桜の木の下でー。


全部が降りてきて、泣きたくなった。

身体中の細胞が花のように開いて
私に全部を知らせた。

布団をはいでベットに座って、
企画資料とiPhone片手に
パジャマで制作を始める
降りてきた歌詞とメロディーが
私を泣かせにかかってくる
眠気は飛んで時間軸が狂っていく。
体感時間は20分、だけどこの曲に
何時間も費やして気づけば朝方。
こんな寝不足が幸せな寝不足なんだ。


“ある日 突然急に
あなたといると 寂しくなった
いつか遠く遠くへ
行ってしまうような気がして”


この書き出しからサビまで一気に書き上げて、
仮で2番まで書いてしまった。

自分が芽衣になった気がして
これが“憑依する”ってことなんだって
初めて実感した様な気がして、
少し鳥肌が立った。
ベットの上で感じた不思議な体験。
きっとずっと忘れないだろう。


ドラマの中で航太も言っていたけど
この世に偶然なんてあり得ないと思っている。

地元のステージで歌を歌い、
声をかけられ、
上京して、
デビューする。
色んな人に出逢い、
作品を作って
笑って、泣いて、
転んだりしながら、
5年経つ。

このドラマに出会ったことも
父がこの世から去ってしまった事も
ベッドの上で感じた不思議な体験も
このコラムを書いていることも
これを読む画面の向こうのあなたに出逢えたことも
全部。
全部きっと決まっていたこと。
1秒先に与えられた運命と一緒に私は生きている。



“生まれ変わってもまた会いたい
桜の木の下で”




もしも生まれ変わったら
人間以外の何かになりたい、なんて
昔はよく言っていたけれど
歌うために生まれてきた運命を引き受けた今、
生まれ変わってもまたこの声を持つ自分に生まれたい。



そしてまたベッドの上で
時間軸を狂わせながら
降りてきたメッセージを頼りに
歌を作る。


そんな日々を送りたい。

<MACO>

◆紹介曲「桜の木の下
2020年3月27日リリース
作詞:MACO
作曲:MACO・山本匠

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