LIVE REPORT

ザ・クロマニヨンズ ライブレポート

ザ・クロマニヨンズ

『ザ・クロマニヨンズ TOUR ガンボ インフェルノ 2014-2015』

2015年03月15日@STUDIO COAST

撮影:柴田恵理/取材:田山雄士

2015.03.20

THE BLUE HEARTSの結成から30年。もはや説明不要のレジェンドであるにもかかわらず、甲本ヒロト(Vo)と真島昌利(マーシー/Gu)は今日も現役バリバリのロックンロールを、小林勝(コビー/Ba)と桐田勝治(カツジ/Dr)とともにザ・クロマニヨンズとしてぶっ放していて、その事実だけでグッときてしまう。“ずーっと楽しみにしてたロックンロールのコンサートが始まってしまいました。もう後戻りはできないところまで来てます。最後まで楽しんでいってくださーい!”とヒロトが語る通り、全国60公演に及ぶツアーもいよいよ大詰めだ。

ロックンロールを渇望する場内の声に、バイクのキックスターターを蹴るような仕草でうずうずが止まらないヒロトは、オープニングの「旅立ちはネアンデルタール」から類人猿的に大暴れ! マーシーも「流行のクルマ」でクラクションやエンジン音を思わせるカッティングを快調に鳴らす。ヒロトの“ようこそー!”という一声で照明が赤く切り替わって「炎」が始まると、シンガロングを誘うコーラスとともに、ボルテージはますます上昇。さらに、「ゴーゴーゴー」へと続く問答無用のロケットスタートを決めてみせた。当然ながらフロアーはごった返しドミノ倒し状態だけれど、それ以上にSTUDIO COASTを覆い尽くすファンの一体感とハッピーなエネルギーが凄まじい。

ヒロトがブルースハープを持つと、アルバム『GUMBO INFERNO』の中核を成すナンバーが繰り出されていく。「ダイナマイト・ブルース」でグツグツ煮込むような熱いグルーブを聴かせたかと思えば、「B&K」はスカッと前のめりに正面突破。どっしりとタメの効いたテンポの「ルル」では民族の宴みたいなムードが生まれ、「原始力自転車」における《シャララ ウー》のコーラスがそれをより増長させる。ツアー後半の熟成した演奏は、このアルバムの味わい深さを改めて伝えてくれた。一方、コビーとカツジがガンガン引っ張る「欲望ジャック」「ゴー ゲバ ゴー」といった選曲もいい差し色となっていて、冷静になる暇などないくらいにライヴはどんどん進む。

“ここ(「スパーク!」)からは最後までぶっ飛ばしていきます。ロックンロールのコンサートってそういうもんだ。だいたい後半にテンポのいい曲がまとめてあって、ワーッとみんなで盛り上がる。誰かが決めたわけじゃなくて、それが一番いいんだと思う!”というヒロトの言葉は、いつもながら核心を突いている。MCなんて、ほんのわずか。長いツアーの話も一切なし。ロックンロールはこうでなくちゃ。Tシャツを脱ぎ捨てたヒロト、激しく咆哮するマーシーの姿に観客が一層沸き、拳を力強く突き上げる「エイトビート」。《ただ生きる 生きてやる》――このフレーズが涙腺を刺激してやまない。こうした時代だからこそ響く、押し付けがましくない人間賛歌だ。日本の大衆音楽の粋を担うのがサザンならば、ロックにはクロマニヨンズがいる。シンプルに気付きをくれる彼らの楽曲に、僕らはただ熱狂すればいい。そんなことを思える喜ばしい瞬間だった。

アンコールに応え、マフラータオルを掲げながら再登場した4人。オーディエンスも各々のタオルを掲げ、気に入ったものをヒロトが手に取って全員に見せていく。ポール・マッカートニーにKISS、パティ・スミス(「ビコーズ・ザ・ナイト」をちょこっと歌う)、中には“北陸新幹線かがやき”なんてのも(笑)。ちなみにバックの3人はその間、ジャズスタンダードの「枯葉」を披露していた。“我々が楽しませなければいけないのに、みんなも俺らを楽しませようといろいろ考えてきたんだな。ありがとう”と笑うヒロト。必殺「クロマニヨン・ストンプ」では、ステージ後方の幕が開いてシンボルのCマークが出現、猪突猛進サウンドとヒロト&マーシーのクロスヴォーカルで歓喜の渦に巻き込む。“またやるぞ! またやらせてください!!”と叫んだヒロトが、最後はジャンピングケツ出し! 胸のつかえが取れる、大満足のライヴだった。
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