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クリープハイプ ライブレポート

クリープハイプ

『平日の武道館 バイト編~ねぇ、シフト代わってくれない?~』、『連日の武道館 正社員編~有給休暇の使い道、これが私の生きる道~』

2014年04月16日@日本武道館

撮影:神藤 剛/取材:高良美咲

2014.05.04

2日間で違うタイトルを掲げたキャリア初となる武道館公演をソールドアウトさせ、大成功を収めたクリープハイプ。

初日となる『平日の武道館 バイト編~ねぇ、シフト代わってくれない?~』のオープニングは、事前に公開されていた予告映像の続きが流れ、コンビニでアルバイトをする少年がクリープハイプの一連の騒動をスマホで見て“お前ら何で始まったと思ってるんだよ!”と怒りをぶつけるところで映像が終わる。そして、“クリープハイプはこの曲で始まったと思ってます”(尾崎世界観/Vo&Gu)という言葉から「左耳」で幕を開けたライヴはインディーズ時代の楽曲を立て続けに披露。現在も変わらずライヴでは演奏され、ファンに大切にされている色あせることのない楽曲たちに、イントロが鳴るたびに客席からは歓声が起きた。そして、リズミカルにバンドサウンドが弾む、愛らしい「マルコ」や“夏のせいで武道館まできたよ”という「ラブホテル」などの人気曲をはさみ、尾崎がアコギに、小泉 拓(Dr)がドラムスティックをブラシに持ち替え、「グルグル」をライヴ初披露。また、長谷川カオナシ(Ba)と尾崎の掛け合いが映える「火まつり」では、燃え滾るような赤い照明、重厚なバンドサウンド、さらに炎が出るという仕掛けに気圧された。一気に会場を熱狂の渦に巻き込んだ後は再び映像の続きが流れ、この日のタイトルを彷彿させる「バイト バイト バイト」へ。「HE IS MINE」では“武道館は厳しいんだって、いろいろ。武道館は言っちゃいけない言葉とかあるから、分かってるだろうな? よろしくお願いします”という尾崎の言葉に応えるように、“セックスしよう!”というオーディエンスの声が会場中に響いた。その後もライヴで定番の楽曲を畳み掛け、いつもの飾りすぎないシンプルさでありながらも、四方八方からの照明やスクリーンを駆使したさまざまな演出でも魅せつけた。アンコールでは“上手く言えないけど、バンドやってて良かったなと思ってます”と語る尾崎の姿が印象的だった。

“連日の武道館 正社員編~有給休暇の使い道、これが私の生きる道~”と銘打たれた2日目。“大変お騒がせしております、今話題のクリープハイプです”という言葉で「オレンジ」から始まると、昨日とは打って変わってメジャーデビュー後の楽曲を立て続けに披露したかと思いきや、“とっておきのラブソングができました”“愛しのあの人に捧げます”と新曲を披露。モニターには今回の移籍に関しての歌詞が。そのアグレッシブさあふれる勢いと、思いがけない展開に一瞬圧倒されたが、クリープハイプらしいありのままの意志の見せ方に、客席からは大歓声が起こった。そのまま駆け抜けるように会場を盛り立てる楽曲を続けた後は、先ほど披露した新曲を作ったふたりに関して“近日中にベースとギターが変わるかも”というジョークで会場を笑わせ、「グレーマンのせいにする」「傷つける」とミディアムテンポの楽曲で火照った会場を鎮めた。小川幸慈のギターが響き渡った「イノチミジカシコイセヨオトメ」からはさっきまでのペースを取り戻すかのようにオーディエンスは飛び跳ね、長谷川の気怠い歌が心を揺さぶる「かえるの唄」、鬱々とした気分を吹き飛ばすようなさわやかな「憂、燦々」まで休むことなく熱さをぶつけたクリープハイプ。本編ラストを飾る「社会の窓」では“最高です!”とオーディエンスそれぞれが最高の笑顔で応え、銀色の紙吹雪が舞い、最高潮の盛り上がりを見せて本編を締め括った。アンコールでは今回の武道館に対して“これで終わったらどうしようかと思ったけど、全然大丈夫そう”と意欲を示した尾崎。ゆったりとした空気で「さっきの話」「女の子」を演奏し、ダブルアンコールでは2日間ともに5月7日に移籍後初リリースとなる新曲「寝癖」、そのカップリングとして収録されているインディーズ時代の楽曲「ねがいり」を披露。過去と現在を余すことなく見せ付け、新しいスタートを清々しく切った。
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