| 帰ってこいよamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 稲穂が揺れる田舎の風は 置いてきぼりの季節の舌打ちか溜め息 駅の待合室でうらぶれて 誰彼構わず 憂鬱にする 憂鬱にする どうせ出てくつもりなんだろ この町ではみんなそう 決意は揺るがないか 迷いなどはないか 故郷を捨てるつもりか 気に病むな、それでいい 振り向くな 立ち止まるな 花、そぞろ芽吹くとも、芽吹かざるとも 幼い頃に遊んだ校舎の壁が ひび割れた分僕らも傷ついた ガードレール ゴールポスト 漁港のはしけ この町は何もかも錆び付いて 美しい思い出なんてあるものか 記憶の中じゃ泣いて挫けてばかり この町が嫌いだとみんな言うが 早く出ていくんだと決まって言うが 帰ってこいよ 何か成し遂げるとも、成し遂げずとも 君のその愚直な心は 満員電車などに潰されたりはしないのだろうが 額に汗 将来 野望 人間関係 地下鉄の路線図みたいにこんがらがって 信頼出来る人が傍にいるならいい 愛する人ができたなら尚更いい 孤独が悪い訳じゃない ただ人は脆いものだから すがるものは多い方がいい 真っ黒な夜 真っ黒な夜でこそ思い出せ 生まれた町を 今年も花が咲いたよ 遠くで鳴る境内の祭り囃子 君が居なくたって夏は過ぎるけど 知らせ無くとも 今か今かと 待ち人の面影に振り返り 祭りの後、闇と静寂が落ちて 砂浜に花火と狂騒の残骸 季節巡れど心は止まったまま 君が出てったあの時のまま 帰ってこいよ 何か成し遂げるとも、成し遂げずとも 菜の花畑の風車 コンビニも出来て 分校の校舎も建て替えられて あれから大分経った この町も様変わりしたよ 勤め先は相変わらずないから 若い奴らはみんな出ていった 昔よく遊んだあの公園も 今年取り壊されるってさ 夢を叶えたって胸を張ろうが やっぱ駄目だったって恥じらおうが 笑って会えるならそれでいい 偉くならなくたってそれでいい ビルの谷間勇ましく歩く君が 陽に照らされた姿を想うのだ 忙しくしてんならしょうがないか 納得できるまで好きにしろ 帰ってこいよ 何か成し遂げるとも、成し遂げずとも |
| メーデーメーデーamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 茫漠たる享楽の混濁する網膜を 老若男女すべからく漂白するコンダクト 思考なきマスゲーム 堕落の行進曲 反旗も空しく 価値と数の暴力 否応もなく 突き立てられる喉仏 己を殺せ 無明の権化 無能、クズも仏 色めき立つ世俗共の純粋なるアンチで 近代合理主義のここどん詰まりにて テレビの向こうの多数の犠牲者には祈るのに この電車を止めた自殺者には舌打ちか 溜め息に似た自覚無き悪意が ファストフードの油の匂いみたいに飽和している東京 黙祷 少し黙れ喋り過ぎだ って我慢できず喋り出す自意識が 空白を埋めるな 踏みならすアスファルトに 生命浄化のアナトミー 等しくこの土地に死すなら シスター どうか慈悲を我らアウトランダー 背徳とはなんだ 善は悪を孕んだ 罵ったあとですぐ抱きすくめる「この売女」 二十一世紀ようやく迎えた人類の反抗期 値段も善悪も美醜も移ろうように 謀反にするどく研ぐ段平 泣きじゃくりの賛美歌 己を忘却してはいないか? 中古本屋で百円均一のハイデガー 高層ビル 名無し アイロニー 物質主義 吐く血 センシティブ 燃やす運命 分別ない文明 香典返しは歌のラストシーンで死んで いずれ来る寂滅 自ずと判明する判決に泣いて メーデー メーデー って子供みたいに泣きじゃくる無邪気な愛で 大学卒業後、中小企業に就職 それを機に同級生の彼女と巣を作る 息子、娘一人づつ、四人家族の幸福 激務だが平均年収、越えて撫で下ろした胸 色んな事を諦めた 屈辱に顔しかめた そのお陰か都内の新築マンションには手が届きそうだ 少し光が射した 今まで以上に気張った それがまずかった 向上心や見栄が仲間を遠ざけた 鼻につくと陰口 罵り 嘲り 自分諭す、無になれ 同調圧力、ヒエラルキーの下で 住宅費 頭金 積み立て 鎖に繋がれた飼い犬だと気付いた 喜んでくれた妻の笑顔を裏切れなかった ────これは全部想像だ 今日、電車に飛び込んだ男についての 高層ビル 名無し アイロニー 物質主義 吐く血 センシティブ 燃やす運命 分別ない文明 香典返しは歌のラストシーンで死んで いずれ来る寂滅 自ずと判明する判決に泣いて メーデー メーデー って子供みたいに泣きじゃくる無邪気な愛で 切り捨てるべきか 差別するべきか 淘汰されるべきか 実は悪意こそが普遍だ 「自分だけは大丈夫」という確信を この時代に持てるんなら 相当な権力者か馬鹿だ 八つ当たりの偽悪をひけらかしたいだけなら そのだらしない下水溝みたいな口を閉ざすべきだ 愛なき時代か そうは思わないが ぞんざいに扱われる愛も数知れず見た 僕は人を愛すが、それ以上に人を憎んだ 殺したい奴はいるが、守りたい人もできた 世界を恨む時代は終わった 貸しは返すつもりだが その期に及んで競い合うつもりか 勝つか負けるか 上か下か そうじゃない 賞金も勲章もない もはや生存競争だ なり振り構ってられるか 口を閉ざしてたまるか どうか生き残ってくれないか 高層ビル 名無し アイロニー 物質主義 吐く血 センシティブ 燃やす運命 分別ない文明 香典返しは歌のラストシーンで死んで いずれ来る寂滅 自ずと判明する判決に泣いて メーデー メーデー って子供みたいに泣きじゃくる無邪気な愛で |
| ハルキオンザロードamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 僕らの別れは最初から決まっていた 墓石に刻みたいくらいさ 君と過ごした数年は ピックアップトレーラーにそれぞれ雑魚寝して 寝汗に染み入る虫の声 真空パック夏の情景 ハルキはホントに人生が下手だから 子供のキャッチボールみたいに 全く不器用な放物線 ああ ああ 放り投げた身体が 落下したとある夏の一夜 そこが我が家だって顔で生きていた 道なき道、すらない道 辿ったのではなく描いたのだ 世界は白紙のノートで 留まるにはまだ広すぎる 生きるという名前の列車に乗って 時間の後ろ姿、追い越した 相席をした彼の名は悲しみ それを知ったのはもうずっと後 夜を散らかし 夏を散らかし それを露骨に照す夜明け ライブの打ち上げで 酒癖悪い奴に絡まれて さっさと逃げ出して、そいつのバンに立ち小便 美しい記憶はいつも夜だ ぼろい電飾看板と月と 二人だけが浮き彫りのエッチング画 想像力で飛べるなら宇宙の果てじゃなく僕の中 見たい景色を掘り返す 墓暴きみたいに掘り返す でかい夢ほど僕らを汚す 例えば作業服のペンキ跡 ロマンチストはいつも泥まみれ 積み上げたら積み上げた分 その重さで身動きとれないな 世界中全部ガラクタ 眩いばかりのガラクタ 馬鹿でかい音楽、投げやりな酩酊 世界の真理が休符の隙間 愛した彼女は砂漠の一滴 時間の速度で飛び散って干上る 夜を散らかし 夏を散らかし それを露骨に照す夜明け 馬鹿笑いした夜が耳鳴りになって 眠れぬ夜に刃先を突き立て 僕らの間に川が横たわる 時間という名前の川が 青春と呼ばれた無残な抜け殻 君が変わったように僕も変わった 僕らの別れは最初から決まっていた 一番眩しい恒星ほど 燃え尽きるのも早いんだ ハルキ、君は僕にとって腫瘍だ 手の施しようない未知への衝動 眩い光ほど誘われる虫 白日の下でどこへ行けばいい? 時の移ろい 人の移ろい 今でも露骨に照らす夜明け |
| 百年経ったらamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 眠りから覚めても動けない身体 病み上がり 人らしき人以下に成り下がり 価値のない物に価値を付け 価値観とうそぶくものに 支払いの義理はない 世界は酔っぱらい へらへら回るけど 戦闘機 暴力と言葉が釣り合えば ビル風に寝転んで 百年経ったら起こして 土には還れぬもの達と添い寝して 裏庭の堅い実が 真っ赤になったら教えて この夏の訪れを そよ風に言付けて 空を越え 故郷が嫌い 雪が積もるの嫌い 思い出と心中するつもりもないし 夕凪の静寂 耳を澄ます海に あの娘が育った町だから そこは好き 世界一嫌いな人間と 世界一大事な人間を 一人しか救えない だとしても迷うだろう そういうもんだ 人として 良心があってこそ 良心が傷むのだ 裏庭の堅い実が 真っ赤になったら教えて この夏の訪れを そよ風に言付けて 空を越え 荒廃したこの土地で もう生きていけないから ノアの箱船的宇宙船 炎を吐く飛行機雲 みんな 地球を出て行った 僕はそれに 手を振った さよなら この町が燃え尽きて 百年経ったら起こして 土には還れぬもの達と添い遂げて 裏庭の堅い実が 真っ赤になったら教えて この夏の訪れを そよ風に言付けて 空を越え |
| バケモノamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 彼は化け物 嘘を食らう獣 月曜の朝に捨て犬のように公園で出会う 濡れたアサガオ 真夏の太陽の 真下で倒れ 息も絶え絶え 怯えた目玉で しなびた体毛を撫ぜれば ひきつる口元 痩せこけた体躯 それは憐みだったか、情けなのかどうか 僕の嘘を一つあげようか 例えば僕は今消えたいのに 嘘をついてる 嘘をついてる 家族の手前、学校には時間通り出掛けるんだよ そして今日も楽しかったんだと 嘘をついてる 嘘をついてる こいつを食らえ なあ化け物、ずいぶんうまそうに食うもんだな 彼は化け物 嘘を食らう獣 腹を満たして僕に懐いて 見る間に育って 僕は除け者 飛び降た歩道橋 病院の窓 すすり泣く母 木立ちに夕焼け もの欲しそうな表情浮かべ 次第に肥大するその体躯 次の嘘をもっともっととせがむもんだから そうか 僕の嘘を一つあげようか ほんとは僕、死に損なったのに 嘘をついてる 嘘をついてる 家族の手前 「運が良かったんだ」と 悪びれて笑ったよ そして今日も息をするみたいに 嘘をついてる 嘘をついてる こいつを食らえ なあ化け物、ずいぶんでかく育ったもんだな 僕の背丈を超えた化け物 嘘の塊みたいな僕を 綺麗さっぱり食べてくれないか 「生きるのが辛かった 苦しくてしょうがなかった だけど辛いと思われるのが 一番辛いことだから」 ようやく本音叫んだら 化け物は見る間に萎んだ でもね僕はまだ嘘を隠してる 自分さえ騙す僕の嘘を ほんとは笑って生きたいくせに 嘘をついてる 嘘をついてる 理想、現実 そのずれを 埋めるための仮初の夢想なら 弱い僕らに嘘は必然か 今日も誰もが 嘘をついてる そいつを食らえ なあ僕らは、表裏一体の実像と影 彼は化け物 嘘を食らう獣 一人に一人 誰も彼もが背後に匿う その隠し事 蓋をしてる腫物 君の背後にそびえ立つ影 ずいぶん巨大だな |
| 夏の日、残像amazarashi | amazarashi | 後藤正文 | 後藤正文 | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 答えを知って僕ら 繰り返しそうさ ささくれて溶け出すこころ 悲しみの訳は埋まらない隙間 不純な手でその胸を焦がす 敢えて見ないその先 敢えていないことにして 間違えたアンサー 繰り返しそうさ わだかまって離れるこころ 浮かない心情の埋まらない隙間 不純な手でその夢を壊す 夕立ち 蝉の音 報われぬ幻想 僕だけ残して流れて流れた 仁王立ち デタラメ 強がりはいっそ 夏の日、残像 消さないで消えないで 止まらないで… 最大公約数 探して塞いでる 割り切れるモノなんて無いのに 君の目に写った 僕が手に取った それとめどない それだけでいい 旅立ち 耳鳴り 報われぬ幻想 僕だけ残して流れて流れた 5年経ち冷めた目 強がりはいっそ 夏の日、残像 消さないで 消えないで 夕立ち 蝉の音 報われぬ幻想 僕だけ残して流れて流れた 仁王立ち デタラメ 強がりはいっそ 夏の日、残像 消さないで消えないで 止まらないで… |
| 星々の葬列amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 今でもよく思い出すんだ 昔見た 賑やかな行列 ブラスバンドに鼓笛隊 それはそれは華やかなパレード 白い鳥が雲に混じって 花火が弾けて振り向いた 沢山の人が笑ってた 僕もつられてきっと笑ってた 暗い海に 君と二人 そんな昔話をしてた 物憂気に星を見ていると こんなおとぎ話を教えてくれたんだ 笑って 笑って 天の川は星々の葬列 宇宙のパレード 宇宙のパレード さぞかし大きな星が死んだのでしょう 父が僕の手を強く引く いつもは無愛想な癖して あんまり子供みたいだから 僕もはしゃいでる振りをしたんだ ボロボロのサーカステントは あちこちに穴が空いていて 暗くなると光が漏れた まるで満天の星空みたい 暗い海に 君と二人 言葉もなくただ座ってた 波の音がリズムになった 僕らが見送る葬送行進曲 笑って 笑って 天の川は星々の葬列 宇宙のパレード 宇宙のパレード さぞかし綺麗な星が死んだのでしょう 沢山の人が集まった 静かな黒ずくめの行列 ブラスバンドは来ないけれど 花火ももう上がらないけど 灯りを掲げた行列は 夜空の星の映し鏡 沢山の人が泣いていた 僕もつられてきっと泣いていた 笑って 笑って 天の川は星々の葬列 宇宙のパレード 宇宙のパレード どこまでも長い行列 笑って 笑って 天の川は星々の葬列 宇宙のパレード 宇宙のパレード さぞかし大事な星が死んだのでしょう |
| 悲しみ一つも残さないでamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 汽笛が鳴れば素っ気なく もうこれまでと旅ゆく人 泣けば切ない、笑えば尚更 だから悲しみ一つも残さないで 家族と別れ、友と離れ どこで暮らしても僕は僕で そういう考えはやめておけ 生きた轍を君と呼べ ああ大嫌い 悲しい事は なのに僕らさよならばかり どこにも行かないで ずっとこの町で暮らして 歳をとって死ぬまで 笑って生きてたいよ できればこっそり出てってくれ 悲しみ一つも残さないで 旅ゆく人は荷物も少なく 望郷、忘れ難き思い出も 始発駅に全部置いてくるから 青森駅は感傷だらけ 夢は夢だとうそぶいた 叶えてこその夢だと誰かが言った 夢を終えた奴らに耳を貸すな 君の夢なら 君が夢見ろ ああ大嫌い 苦しい事は なのに僕ら戦ってばかり どこにも行かないで ずっとこの町で暮らして 歳をとって死ぬまで 笑って生きてたいよ できればこっそり出てってくれ 悲しみ一つも残さないで 戦う人よ傷を癒せ 道半ばで倒れる事なかれ 「命など惜しくない」と言うが 君を惜しむ人がここにいる 先は長いが終わりは早い 焦りはじめてからが始まりだ その先の事は僕も知らない 言いたい事はこれで全部 ああ大嫌い 寂しい事は なのに僕ら旅立ってばかり どこにも行かないで ずっとこの町で暮らして 歳をとって死ぬまで 笑って生きてたいよ 汽笛が鳴るから僕も行くよ 悲しみ一つも残さないで 悲しみ一つも残さないで |
| 独白 (検閲済み)amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 私が私を語るほどに 私から遠く離れてしまうのは何故でしょうか? ■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 「どこにでもいる真面目な子でした」■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 途方に暮れた十五歳の夏 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 私の痛みは君の失望にこそ芽吹く この物語はフィクションであり、実在する事件、団体、人物との いかなる類似も■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ひぐらしの声 夕涼み 恋占い■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■にたがりの志願者 ■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 私の痛みは君の失望にこそ芽吹く この物語はフィクションであり、実在する事件、団体、人物との いかなる類似も■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■ ■■■■■■ テレビ ラジオ インターネット ■■■■■■■■■■ ■■■■■■ ■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■ 喜び 悲しみ 怒りだとか憎しみ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 奪われた言葉が ■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■ ■■■■■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■ |
| 令和二年amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 旅支度終え 誰か呼ぶ声 情熱からおよそ遠い情熱 今日ならば晴れ 風はしわがれ 旅立つことない旅立ちの日 君の鼻歌 今日ばかりは この町のBGMみたい 頼りなさげなマスク越し とげられぬ夢 やむを得ぬ故 恨めしく睨む空 令和二年 封切りの映画 新譜のツアー 中止の入学式 令和二年 焦りと暇を持て遊ぶ歌 物理的でないからこそ痛む 悲しくないね 楽しくないぜ 感情は軒先で行き倒れ 歩道でキャッチボール 子供らの笑顔と不均衡 こんな時でもお腹だってすくもんな 買出しに行く 君を見送る それだけで憂う 令和二年 カーテンを閉めるのに何故戸惑う 夕日に君の背中 令和二年 優しくすることもできる 傷つけることもできる 武器にも薬にもなるなら 僕はどちらを選ぶだろう 変わる 世界の隅っこで 分かつ 個々の小宇宙 繋がる術を持つ僕らの 心 応答せよ 封鎖の公園の桜 誰に見られずとも咲いた 残念だな 残念だな 約束したはずなのに 仕事がなけりゃ 先立つは金 見捨てられた市井 令和二年 先は見えない 「けど大丈夫」 僕に嘘をつかせた 令和二年 |
| リタamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 君が出てくならそれでいいよ 借りた物は返すから 時計もCDも電車賃も全部 君の優しさ以外は 線路沿い 一人歩いてる夜道の 街灯に影が二つ 君の亡霊だ きっとそうなら嬉しいな 明かり途切れてひとりぼっち 変わらないと思ってた そんなものある訳なかった でも君はそう思わせたんだ まるで詐欺師か魔法使いみたい ねえリタ 離れない人に泣いたりしない 壊れない物に泣いたりしない 一人で平気 嘘なら言える 言葉だったら どうとでも言える 部屋の中 黙りこくった冷蔵庫と 笑い声がテレビの中だけ 気持ちが見えたならいいのにな いややっぱりいらないや 残酷だから 人の為に生きたい君と 自分の為に生きたい僕 合わない歯車が回っては軋む音 そんな風だった、二人の笑い声 一つを選ぶという事は 一つを捨てるという事だ それならいいよ 僕は大人しく ゴミ箱に入って君を見送るんだ ねえリタ 自分の為に泣いたりしない 苦しい時も泣いたりしない そんな君がさ なんで泣くのさ 僕より先に なんで泣くのさ 自分とばかり向き合って 人とは決して向き合わずに 言葉を選ばないのなら 傷つけて当たり前だ 過去とばかり向き合って 今とは決して向き合わずに 後ろ向きで歩いてりゃ つまずいたって当たり前だ 留まる人に泣いたりしない 分かったつもり だから僕はもう 自分の為に生きたりしない 誰かの為に笑ってみたい 君みたいに 忘れた過去に泣いたりしない 過ぎない時間に泣いたりしない 君と笑った 季節が終わる 時は流れる たったそれだけ |
| ぼくら対せかいamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | モールの駐車場で花火してはしゃいでいる若い親子連れ 野球場とドンキのライト煌々と まるで系外惑星のメテオライト 二日酔い吐瀉した給付金 鱗粉にかぶれる地方都市 バイパスで先輩が死んだ ここ十年毎年死んだ 人生に意味を問うたら終わりだ って価値観で虫を潰した 僕らにとって哲学とは居酒屋の便所に貼ってあるポエムだ 飲みすぎたときにだけ「頷けなくもないな」なんて頭よぎる代物 翌日には汗と伝票であっという間に干上がる 光は木漏れ日 操車場の貨車に 働くあなたに いつか世界を変えたあなたに かつては僕と君だけがいて その静謐な場所を世界と呼んで 結んだ身体 終末に青さを看取って 校舎の夕焼けときのこ雲 ブレザーのリボンと孤立の最果て オイルの染みたシャツで 幻想をトラックに積み込む 過去 未来 ぼくら対せかい 何かを置き去りにしてしまった気がするんだよ でもそれが何なのかはもう忘れた もしくは何かに置き去りにされたのかもしれない いつもせっかちで何かの使命みたいに 先を急ぐ彼女の名前はたしか「時間」 後ろ姿さえもう見えない その微笑さえ思い出せない 痛みは過ぎ去り かさぶたの夕焼け 古傷、疼けど かき消した目覚ましの音 かつては眼前に無限の荒野 行くも行かざるもただ勇ましく 倒れた友よ 決して置いて行きはしないぞ 繊細さ故、僕ら武装蜂起 劣勢から覆し掴みとる勝利 かつての栄光 梱包しても宛先不明 過去 未来 ぼくら対せかい 世界は変わると信じてた 僕らが変えると信じてた 離れ離れになったって 気持ちは変わらないと疑いもしなかった 裏切りも 欺きも いわれのない濡れ衣も へつらいも 言い訳も 口約束も マンガ喫茶も 満員電車も 見え透いたお世辞も 謝罪も 恥も罵倒も 本音を語れる仲間も かつての戦友も かつて笑えなかった笑い話も 音楽も 息子、娘も 政権も 右も左も 過去、現在も 未来の話も 束の間の休息、週末に 公園でぬるい風に吹かれて 繋ぎあう手に 時を経た分、それだけの温もり あの日救った世界の続きを あの日うち倒した世界のその後を 苦悩しながら 僕ら懸命に生きてた 過去 未来 ぼくら対せかい |
| 月が綺麗amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 僕が言葉を話す 君が言葉で答える 僕らの距離を埋めたのは きっと言葉だった 地面に寝転んで星を 数えながら思ったこと これから話す言葉は ただそれだけの話 宇宙の埃として 右往左往ばっかの僕らは 地面に縛られてるから きっと本能なんだ この重力に抗いたいのは 涙が地面に落ちるのは それなりの重さがあるから 人生において苦楽は 惑星における衛星のよう 喜びだけを掴みたくて 近づき過ぎて墜落して 台無しだって泣いたんだ ところで今夜は月が綺麗 僕は時間を言葉で測る 千文字過去は捨てて行く 一万文字疎遠の彼とは 飲みにでも行かなきゃ足らないから お陰で千鳥足の帰路 北も南も分からなくなって もう諦めて寝転んだ歩道 空なら迷わず行けるのに プライドを守る為に 人を否定なんかするなよ 綻びはすぐに縫い合わせ 継ぎ接ぎだらけでみすぼらしい でも信念は大概そんなもんだ 飛べないからこそ見た景色 些細な綺麗が僕ららしい 人生において苦楽は 惑星における衛星のよう 悲しみだけ遠ざけたくて 離れ過ぎたら放り出され 真っ暗だって泣いたんだ ところで今夜は月が綺麗 あの惑星まで何万文字費やせば 意固地になるのは己の人生だから 気が狂うほど積んでは崩し 高くなるほどに足場は揺らぎ 重力に抵抗せよ 抵抗せよ 抵抗せよ その先を見たい訳じゃない 逆らってるだけ 逆らってるだけ 喪失と欠落の空白 埋める為に選んだ何か 人生において苦楽は 惑星における衛星のよう 重力に縛られた僕が あの星へ行く為の言葉 国道に寝転んで ところで今夜は月が綺麗 |
| それを言葉というamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 僕らはいずれ錆び付いて ついには動かなくなる 緩やかに終わりへの航路をたゆたう 箱船に乗せられたある意味 標なき漂流者だ 加速する日々は ついには減速する日々を迎え 陽が沈んで黒ずんだ水平線と対峙する 暗夜行路に至ったのです 打ち上げられた船乗りの靴 明星とデネボラの隙間 微かに光る六等星 全ての人に忘れ去られる事が 終わる事だとしたら その時僕は既に終わっていたし それを寂しいとすら考えなかった ただ静かに唸る波に揺さぶられて 喉が千切れる位に後悔の歌を叫んだのです 苦し紛れの声 苦渋の歌声 稲妻と響け 無理だと言われた距離を越えてみせろ 「言葉にすればたやすくて」って言葉にしなきゃ分かんねぇよ 君は伝える事諦めてはだめだ それを届けて 死に損なった朝が眩しい 出掛けさせられてる毎日に 千切れた涙を銃弾としてこめろ それを言葉という 少年少女がうろつく雑踏に転がる望みなど もはや誰も拾わない 期待出来ない時代に 期待されなかった僕らは 「あいつはもう終わりだ」と言われながら 屈折した尊厳はまるで青く尖るナイフだ 幸福を競い合うのに飽きて 不幸比べになったらもう末期だ 僕が歌を歌って得る安心と あの娘が自傷行為して得る安心の そもそもの違いが分からない どっちにしろ 理解しがたい人の集まりの中で 自分さえ理解出来ない人間の成れの果てだ やり遂げる事で得る満足も 小銭と同じであっという間に消費した ファストフード店で頭を抱えながら繰り返す 終わってたまるか 終わってたまるか 苦悩の果ての果て 惨めなうめき声 ここでこそ歌え 抜け殻になった命こそ鳴らせ 「心にも無い事言って」って心に無いなら言えねぇよ 僕は伝える事さげすんだりしない それを届けて 死に損なった朝が眩しい 出掛けさせられてる毎日に 千切れた涙を銃弾としてこめろ それを言葉という 明日がある以上終わりじゃない 朝日が愚鈍に射し込む車内 押しつぶされた心はくしゃくしゃで ホームに吐き出された もう一歩も動けない 微動だにできない 儚い抗いを弔い 理論武装解除を 丸裸の行動原理を 下らない人間くらいが丁度いい 下らない人間くらいが丁度いい 下らない人間くらいが丁度いい どうせ下らない世界だ 終わったと言われた毎日を あの時確かに泳ぎきった 僕らの両手は涙を拭う為の物ではないさ 死に損なった朝が眩しい 出掛けさせられてる毎日に 千切れた涙を銃弾として込めろ それを言葉という |
| 曇天amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | とにもかくにも僕らの日常は奪われた 描いた未来ひび割れた その破片がこれだ 八つ当たりの罵倒やいらつき、自己嫌悪の里親 疑心暗鬼にとって心の陰こそがまほろば 天気予報ばかり気にして うつむき加減スマホで 今日も今日とて薄雲に太陽は朧げ 日照不足、長雨の令和二年、夏のわだかまり 綴る歌詞にも何故か湿っぽさが間借り 持ち合わせてるつもり人の為に痛める心 だけどもう噂話に配る余裕はない同情 人の知りたいって欲望は果てしない 時にはしたない その引力に逆らい唾を吐く罰当たり 悲劇にだって付いて回る数字と金勘定 人気投票はいいが無視されてる下位の感情 だから頷けない、売れたもん勝ちって価値観 結局は権威主義の上で尻尾を振れってまじか 出来るならばそんな騒ぎとは遠く離れたい 小さな幸福だけど無垢だからこそ馬鹿でかい 分からない奴は分からないままでいい 分かるべき奴だけが気付くテレパシーで作詩してる作品 昨日までと違う日常に右往左往している まるで捨て犬 「神様、仏様」ってフレーズ ここで終わりか 駅前、シャッター街また増えてる せしめるだけせしめて与えない救世主 そうか行くのか この町の栄枯盛衰 訳は知っているから引き止めることもできずに 「またな」と言うな または来ないと知りながら 無理に笑うな 別れはすぐ癒えるかさぶた もし明日事故にあったら もし明日会社が潰れたら もし明日愛する人が死んだら もし明日疫病が流行ったら もし明日災害が起こったら そんな「まさか」が 何度もあったこの数年を見てきたあなたが 手にしている花束 弱い者や少数派をないがしろにしてはいけないって訳は 明日なり得るあなたの姿だからだ 今日も鳴らすか 取るに足らない音楽と言葉を 今のところは一人で 祈りを没頭に結わえて 陶酔が晴らす憂鬱の煙霧を 出来るならば分かち合いたい仲間たちも してるはずだ苦悩を 今日の苦心が作る未来の高揚を 今日の落ち込みが作る事態の報告書 疑いそうになる自分を保つのは 結局は創作 たかが凡作 されど音楽 始まり彼方 音に連れられては遠ざかる 疲弊物語る けどこんな時こそ用がある 今日も曇りか 降らないだけましだ旅立て 後は任せた 今日の僕が行けぬ場所まで そしてまた階段を一段一段下りてゆく 暗闇に心の葛藤だけが反響する もう一人の自分と今日もそこで落ち合う 見張り合う発想には いつだって静寂が寄り添う 光によく似た 温もりとそっくりな 春の日差しと見紛うような まだ名前のない赤子は 祖父と似ていた 生と死の結び目、そこで僕は立ってた 名付ける前に僕が名付けられた 怒り苦しみ 悲しみだってどうせ消えない 新しい一日に完璧なんてもう求めない それを知ったって生きてみたくなるような 喜びがあることを知ってしまった だから歩こうか 今日も曇りだ 雨は降らなそう 覗く車窓 人がまばらな公園で今日は遊ぼう 「暑いからマスクはしなくたっていいさ」 不安なく言えるのはまだ先か その未来は 忘れない為に書き殴る今日の出来事 エンドロールまだ来ない悪夢ならペンをとろう やるせない令和に この空こそふさわしい 騒がしい巷に雲行き怪しい暮らし |
| アルカホールamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 宵の淵に腰掛け物思い 街は馴れ馴れしかった、当時 でも、親しい顔すれば素通り 脆い思い出は溶けてしまった氷 彼はキスした手首の傷に 朝日に素面の顔は気まずい 目の下のクマは黒い三日月 温いシーツに香りの名残はずるい 外と隔離した部屋で 飲み干す傷病手当 現実に悪酔い どうせ咲かぬ蕾 間引かれるなら どうか私から はしゃいだ分だけ寂しい 空虚に化粧ほどこし 夕映えが最後に 頬を赤く染めてくれる そしたら綺麗と言って 良かったころの思い出 口を塞いで黙らせて 今だけ見ろって ア ア ア アルカホール フォール バスではいつも汗が酷い 焦る日ほど信号は黄色い ミーティングで静寂に身じろぎ 動悸 他人はいつも私には遠い はみ出した者が泣く だからどうとかじゃなく 諦めていい 理由には十分 宛名ない速達で黒が来る 幼い頃ママが言った「あなたは天使だ」って だから天国をスリップして この部屋に落ちた すでに羽根もがれたけど 今さら飛ぶ気もないの だからなんだって言うの ただ一つ、ママごめんね ア ア ア アルカホール フォール 軽薄な喧騒と耳つんざく音楽 その波にさらわれて全部忘れたはず こんな夜の孤独とか いつかの綺麗なキスとか 夜遊びの冬の匂いとか 笑ったはずの季節とか 朝方打ち上げられて 顔を覆って泣いてる 記憶の死骸達でアクセサリー作って 「綺麗でしょ?」「綺麗でしょ?」ってずっと泣いてる あの子は誰だっけ?なんて私に聞かないで 寂しい分だけはしゃいで 後ろめたさあしらえば 無邪気な顔の夜が 全て匿ってくれる そしたら綺麗と言って こんな惨めな私を 口を塞いで黙らせて 全部夢だって ア ア ア アルカホール フォール |
| ワードプロセッサーamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 遮光粘膜に囚われて 能動性が切断された感性を 自由解放運動、奪還の行路 故に単身武装蜂起 生きるか死ぬかにおいて 終わりを逆算、サバービアのメメント・モリ シャッター街の路地 郊外の鉄橋 背後霊が常に見張っている 言葉から言葉の国道を 往復し続けた十万キロの中古車 海岸に見果てぬ夢を看取り続けたら 夢だってとうとう見果てた 骨をうずめるなら故郷に でも僕の言葉の死に場所ならここだ 十年後、百年後 何かしら芽吹く種子だと確信している 歌うなと言われた歌を歌う 話すなと言われた言葉を叫ぶ 燃やすほどの情熱もないと いつか流したあの敗北の涙を 終わってたまるかと睨んだ明日に 破れかぶれに振り下ろした苛立ちの衝動を 希望と呼ばずになんと呼ぶというのか 現実も空想も等しい重さで 鉛となり降りしきり その胸に空いた風穴 そこからあんたの白けた明日ってやつが見える 演算式にしゃべり続けたワードプロセッサー 破り捨てられたちっぽけな一行も 数年を経た今となっては ついには岩のような絶望すらも穿つ 歌うなと言われた歌を歌う 話すなと言われた言葉を叫ぶ 燃やすほどの情熱もないと いつか流したあの敗北の涙を 終わってたまるかと睨んだ明日に 破れかぶれに振り下ろした苛立ちの衝動を 希望と呼ばずになんと呼ぶというのか 歌うなと言われた歌を歌う 目が眩む |
| 分岐amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 今振り返ればあの時だ って今がその時なのかも知れない 分岐点、選択肢、分かれ道、どっちみち答え合わせは明日以降 実りの季節の投資も 見通しの悪い小売業 未納家賃で頭たれ舌打ち がんじがらめ のたうちまわり 慢性的貧困に差した魔が 反社会的思想 明日は我身の 四の五の言ってる間に 飛行する夜行列車 逃避行 星系から星系、星巡り 過ぎる景色、時間は日めくり 何を目指して 何を残して 何が大事で 何が不必要で 現実逃避も果ての果て 誰も追いつけない水際まで 夢見心地、世俗との交差点 我に返る ここ、金貸し査定 正しいと正しいの間 宙ぶらりんの魂の声を聞いた 西も東も悪手だ 右も左も暗い四面楚歌 それでも迫る 道を選ぶ 掴み取れば自身の死すら気高く 脅されてるぞ銃器で 後になれば分かる今が分岐点 |
| 火種amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 背中が透けて見えるぜ 非実在のテレプラズム 半死半生の体躯を 歩かせるのはなんだったっけ? 拒絶を繰り返し 傷ついて ふんだくられて たまらず自分を呪えば 深い闇も連れとなった 「誰のせい」とか 「何処で間違った」とか 決意が廃るぜ 選んだのは僕だ 現世に惑う 不徳に踊る 泣き叫んだ声なき声 救うんじゃなく 元に戻すんだ僕が ねえ これ努努、忘るるなかれ 胸翳る常闇にこそ きっかけ、引き金 いっそ眩しく世界を焼く 火種はあの日の呪いだ 棺桶に片足突っ込んで やらなけりゃやられる覚悟で 一歩ずつに命を賭すが 窮地は僕に微笑んだ 成就も安心も 夜道つけ狙う盗人 その頃には己の敵は 己の中にしかいない 夜店通りに 風の通り道 陽は届かずとも 咲く花を見たのだ 現世に惑う 不徳に踊る 君は誰だ? 己に問う 暴くんじゃなく 思い出させるんだ僕が ねえ これ努努、忘るるなかれ 胸翳る常闇にこそ きっかけ、引き金 いっそ眩しく世界を焼く 火種はあの日の呪いだ 風が止まった 夕日が沈んだ 闇に潜んだ君の出番だ 世界で一つ 君だけにしか変えられないもの それは君の生き方 開戦前夜 僕ら誓った約束も 黒煙に紛れてもう見えない 照らして 痛みで 君の不幸が役に立つ あの日自分を呪ったのは君じゃないか 現世に惑う 不徳に踊る 先も見えぬ苦境にこそ 壊すんじゃなく 照らしだすんだ僕が ねえ これ努努、忘るるなかれ 胸翳る常闇にこそ きっかけ、引き金 いっそ眩しく世界を焼く 火種はあの日の呪いだ |
| 風邪amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 37度の微熱 もんどりうったソファーに亀裂 彼女の長い髪の毛 それで心を縛って祈れ 背後霊 どこにも飛んでかない様に もうふらふらしない様に 待合室で嘔吐した病院 人生汚してこそフィロソフィー やりたいこと やりたくないこと やれること やれないこと 面倒くさくなってほっぽって 選択肢すらなくしちゃって 運命なんて他に選択肢が無かったってだけ 必然なんてなんとなくなるようになったってだけ ごめんちょっと調子が悪いだけなんだよ本当に かれこれ数時間 便器にしがみついて 朦朧とうわ言 |
| 或る輝きamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 粘着質な夜明け 底なし沼と星空の類似 観測地点における寒波の去来 親不孝通りの吐瀉物の染み 捨て鉢なエンジン音の個人タクシー 残響と共に襟を立て、立ち去る季節 行くも行かざるも虚しいまま 湖面に不時着する落葉 断定的な微笑み 網膜 拡散 悲しみ 悲しみ (上昇と同時に墜落する肢体 住宅街の夕景のささくれ 果たせぬ願い 明日への展望 来訪する季節 ついに出発しなかった旅路 あの日、あの時のあの子の微笑み 後部座席に思い出、遺失物 悲しみ 悲しみ) 或る特定の期限における爆発的な命の輝き 瞬き 疾走とはつまり燃え落ちる衛星の輝き 瞬き 肢体がバラバラになっても 痛みが炎と朽ち果てても 存在した 存在した 輝き 屈折したエゴが結ぶ実像 環状線、囚われの身の泊地の精神性 体育倉庫の堅い地面に裂傷 深夜一時にこだまする執行猶予的な笑い声 潰れたガソリンスタンドに横付けされた侘しさ 利他的な憤怒 日々、暮れていく感性 相対的な幸福 省略された人間性 病巣 雑音 悲しみ 悲しみ (遮光カーテンに真夜中の染み 空白を埋める為の慣性運動 ぼたぼたと滲んでいく鼻血 遮断された生活の孤立 はためく企業の旗と不良カラス 自覚のない自堕落 死んでいく感性 値札の付いた幸福 間接的存在否定 虚言 悲しみ 悲しみ) |
| そういう人になりたいぜamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 僕はあんまり出来た人間ではないから 君が嫌になってしまうのも しょうがないと思ってるよ きっと 人にとって大事なものなんてさ 一人に一個だろ それが君だとは言い切れない僕さ そんな歌を歌ってしまう僕を見ても 君は笑ってるぜ そうだその笑顔を好きになったんだ 嘘つき 泥棒 人殺し ねぇ神様 僕の神様は そうだ君の笑顔なんだ 涙こらえて立ちつくす 人の背中をそっと押してやる どんな時だって優しい顔 そういう人になりたいぜ 「めんどくせぇな」って頭掻いて 人のために汗をかいている そんで「何でもねぇよ」って笑う そういう人になりたいぜ 確かな暖かい宝物積み上げたら 幸せになれると 僕はそうずっと信じてきたけど 結局僕はいつまでも 馬鹿野郎 僕の幸せは 君の幸せではないんだ 自分らしさ見失わず 人の事もちゃんと思いやる 人前で泣き言は言わないぜ そういう人になりたいぜ 当たり前に心から笑えて 当たり前に日々を駆け抜けて 当たり前に疲れて眠ってる そういう人になりたいぜ そういう君が好きだから そういう君が好きだから 君の気が狂っても待っている奴がいるぜ 君の家が無くなっても帰る場所はあるぜ 君を守る為世界を終わらせてもていいぜ そこで僕は凍えて死んじまったっていいぜ 夕焼け空が悲しいな 世界が終わりそうな色だから 洗濯物は放っておこう 世界は明日も続くけれど さよならでも涙見せず いつもと変わらない その笑顔 自分の事より人の心配 そういう人になりたいぜ 「バイトはちゃんと続けなきゃ駄目よ。新しい部屋は決まったの? 君は君の思う道を進んでね そういう君が好きだから」 そういう人になりたいぜ そういう人になりたいぜ |
| 世界の解像度amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 俯瞰で見れば 世の理のような色彩 当事者となり 凝視すれば粗悪な落書き ありえないことが何度起こった 君が生きている間に その度目を伏せて 無かったことにした 今や忘れた 悲劇も喜劇も 同じ容量 数メガ単位のBGM 聞きながら 命からがら 壊れた世界泣きついて やっぱ僕らにはなかった 人の才能も そんな世界の解像度 今日も残酷の過密かき分け やるべきことに疲弊して 残す生きていた証拠 合わせる世界の解像度 君の視点 僕の視点 何が見える 騙し騙され うんざりして耳を塞ぐのは 気持ちは分かる けどそのせいで僕ら生き別れ もう今更だよ 善か悪とか それより繋ぎ直すんだ 断線したライト 夜は明かりがいる 何はともあれ 外は嵐で 悲惨だけど君は 無防備な滑走で 笑うから 抗うから 君は君だけの場所で 目を閉じないで見ていて 個々の視点、再縫合 新しい世界の解像度 いつかの欺瞞の成功にすがって 奴らが明日狙うのは どうせ過去の再放送 それが彼らの解像度 今日の視点 過去の視点 何が見える 一瞬で日常は終わる 一生その虚しさ付きまとう 終わり恐れることから始めて だって僕ら忘れてしまうだろ 生と死を生きて 日々の喜びと音楽を傍らに 宇宙の果てから君の細胞 繋ぐ直線に僕の骸 泣きながら手をとった もう終わったあなたの手 まだ終わらない僕の手 これから始まる君の手 壊れた世界泣きついて 頭いかれても歌うぜ 思索の倍音と 響き合う世界の解像度 会いたかったと言いに来た 句点じゃなくここは読点 その痛みや悔恨も 繋げば世界の解像度 何が見える 何が見える 何が見える |
| アイザックamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | アイザック 1カートンのナーバス 哀楽 セブンスの歩幅 工業区 黒煙のキャンパス ラングストン 一服のドラマ 品川駅が咳き込むので 着飾った女性が背中をさすっていた うずくまった未明通りでは 今日も犯人による犯人捜しが 憶測と出歯亀と有識者でぎゅうぎゅう詰めだ 悪人のくせに悪人面する勇気すらない 恥知らずの悪人が吐いた 道徳によく似たそれは 腐敗する妄想 晩秋の訃報 猟銃の発砲 初雪が未だ逃走 十二月の東北 アイザック 1カートンのナーバス 哀楽 セブンスの歩幅 工業区 黒煙のキャンパス ラングストン 一服のドラマ 誰かが誰かを傷つける度に胸を痛めるなら いつかそれが死因になる そういう意味では優しさは病だ 誰かが吐き捨てたつばを 少なからず僕らは踏んづけて行進するんだ 吹雪も大時化も その先に灯りは見えずとも やぶれかぶれに自暴自棄に 死に物狂い 鉱山の崩落による 生き埋めのヒューマニズム 希望もいつか消える だがそれは息絶える時だ アイザック 1カートンのナーバス 哀楽 セブンスの歩幅 工業区 黒煙のキャンパス ラングストン 一服のドラマ |
| 馬鹿騒ぎはもう終わりamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 今日が壊れて もう、お開きの時間だ 散らかった部屋を出て デッキで最後の一杯 君はまだ若い風を シャツの裾に飼っていて 朝がやがて来るはずの 地平線をそっと撫でる 馬鹿騒ぎはもう終わり ラグの模様が変わってら ピザソースとビールで 時に汚した人生は 書き直したことにして ふしだらな政治家に 怒るのは分かるけど ワイン瓶で割ったテレビ 弁償はしてもらうぜ 馬鹿騒ぎはもう終わり 時に自分を失った気になるよ 抗うつ剤や手の温みや給付金や 不在届や自身の不在やいや 砂嵐 胸騒ぎ 今は亡き 17歳 馬鹿騒ぎはもう終わり 読みかけスワン家のほうへ ゴミ箱のコンドーム 便所で寝てる友人 いや、あんた誰だっけ どこまでも行けるけれど、あえて行かないって顔で この世界に腰掛けては 退屈と飲み交わした 馬鹿騒ぎはもう終わり 僕らの片手では 取りこぼしてしまうんだ ほら、たった今落とした 車のキーみたいにね 「止めておきな 死んじまうよ」 君が可笑しそうに言う 「止めておきな 死んじまうよ」 確かにね 確かにね 時に自分を失った気になるよ 晴れた土日やアルコールやセロトニンや 深い眠りや海底は暗いやいや 砂嵐 胸騒ぎ 今は亡き 17歳 馬鹿騒ぎはもう終わり 頭痛だけが残った狂熱 真夏に干上がるいつかの夢 散らばった野心と向こう見ず 微笑みと無防備な迎合 正しさは時々ヒステリー 線路の 朽ちてゆく枕木 五月の湿った土の匂い 影踏みというより影踏まれ 片づけが終わったら 朝が来たら 僕らはどこに 向かうんだろう それはね それはね 君がつぶやく 「それぞれの人生に戻るの」 馬鹿騒ぎはもう終わり |
| ロストボーイズamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 電車に乗り クラスメイトに使い古しの挨拶 鈍行的な会話には いつも運転手はいない 始まりにはいつも 溜息が出ちゃうな 始業式や朝礼や 今日一日の目覚めとか ここじゃない気がしてる でも理由は分からない 憂鬱ってのは知ってる でも漢字じゃ書けない 馴染めない訳じゃないから 始末に負えない テニスコートの夕暮れ 寄る辺ないサッカーボール 少年は闇の中 金属バットやカッター ナイフとかハサミでは 切り裂けない夜がある 将来の話とか 神様も知らないこと 真夜中は短すぎる この世の謎暴くには 朝焼けに白む町 全速力で駆け抜け 夏と風を追い越して あの子に逢いに行けたらな 夜は影を隠すけど 太陽が暴くから 僕の恥が地面に張り付いて 泣かないで ロストボーイ ロストボーイ 人と違うような気がして よく鏡を見てた 宇宙人や化け物じゃ なくてよかった でも言葉や思考を映す 鏡なんてないから 安心できない 安心できない 少年は闇の中 マルボロと車泥棒 不登校とオーバードーズ 入り組んだ夜がある 誰にも話せないこと 吐き出した濁ったもの この世の終わりなんだ ゴミ箱を漁られたら 朝焼けに白む町 訳もなく涙が出て これを青春と呼ぶなら めでたい奴もいたもんだ 夜は涙隠すけど 太陽が暴くから 僕の恥が地面に張り付いて 泣かないで ロストボーイ ロストボーイ 神社で吐く煙、夏の雨 待ちぼうけ君のバス、ガスト前 悩み多き少年の手に 覚束ない夢とわずかな小銭 鏡にくたびれた顔 宇宙人のがましだったかも 少年は欲望眼中映す けど今じゃ木造ワンルーム 少年は闇の中 十年経っても闇の中 襲われる「あの頃良かったよな」 振り解く「まだまし今の方が」 自意識過剰なくせに はなはだ無鉄砲で気難しい けどそいつに諭される時々 そんな夜、未だに幾つもある 朝焼けに白む町 世界に憎まれったって 憎んでるのはこっちだと 金網をくぐり抜けて 大人は少年を隠すけど 真夜中が暴くから ほらあの日の少年が舌だして 泣かないで ロストボーイ ロストボーイ |
| 収束amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 海鳥が瓦礫の上空いなないた コンクリート世紀は知恵の数式 今じゃ遠い日のヒエログリフ かつての人の営み 腐食した建造物 侵食する植物の増殖 カンブリア爆発 ハタネズミがサカナを喰らえば 猛禽類が噛り付いて空へ誘った 逆光の太陽が燃え盛る 生き死にの律動 亜熱帯雨林と化した ここ東北の北端にも 湧き水、岩から滲みて 陽が落ちては冷却の星空に聞き入り 平穏が訪れたのだと知る 奪うも奪われるもなく 等しく星の砂塵となりて 唸り 遠吠え 求愛のさえずりや 威嚇のがなりとか 生命のオーケストラ 飲めや歌えや 騒げ愛おしいや 夜通しだ 呼応した鼓動しか物音しない ここ何億夜 規律無しの無秩序と思いきや 命の思想は確かに存在した 飲めや歌えや 騒げ愛おしいや 夜通しだ 呼応した鼓動しか物音しない ここ何億夜 荒廃したとは人の言い様だ ここにはもう人類は居ないのだから |
| 幽霊amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 在りし日の幻影を ハンガーにぶら下げて 多情な少年は 出がけに人影を見る 去り行くものに外套を着せて 見送る先は風ばかり かじかむ指先でドアを開けて 未練を置きざりにして街に出る 繁華街で馴染みの顔と 音のしない笑い声 喧噪が静寂 楽しいと喜びが反比例しだして 意識の四隅に沈殿する 小さな後悔ばかりを うんざりする程看取り続けて 一人の部屋に帰る頃 どうでもいい落日が こんな情緒をかき混ぜるから 見えざるものが見えてくる 幽霊 夕暮れ 留守電 がらんどうの部屋 |
| 鴉と白鳥amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 際立って透明な 霜が降りる頃 鴉の目玉は瑠璃色 凍てつく寄る辺ない夜を 忌々しく睨み続けたから 街へ降りれば石を投げられて 森では鼻摘まみ者 ほとほと疲れて逃げ込む 納屋で憂鬱を育てた 愛されたいと願うことを 恥じてしまうには十分だった この長い孤独は この羽根が黒く染まってしまったのは 妬みで黒ずんだ泉に浸したから 声が酷くしゃがれてしまったのは 憎たらしい人生を 夜通し罵り続けたから 失意のほとりで 出会ったあの人は 桑の実の紅い目玉と白い羽根 陽の光集め 故郷へ帰る旅路の途中 普通じゃないのは人と違うから 人と違う二人が揃えば 僕らだけの普通 その羽根が白く空にはためくのは 故郷の雪景色の天鵞絨を纏うから 僕らきっとどこか似ていた それはこの地上で 同じ痛みに集うから 「ここにいるべきじゃないよ もっと相応しい場所があるよ」 君はそう言い旅に戻った 白い羽根が空に際立った 同じ色に交れば普通で 他に交れば僕ら除け者 所在変われど僕は変わらず僕である この羽根と等しく そんな僕を僕は誇るよ この羽根が黒く 忌まわしくはためくのは 僕が僕である痛みに羽ばたくから 声が酷く耳障りなのは 憎たらしい人生を 未だに罵り続けるから 際立って透明な 霜が降りる頃 白鳥の目玉は紅色 旅路のもの懐かしさと 別れた人に泣き腫らすから |
| 抒情死amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | アイデンティティが東京湾に浮かんでいる 巡航する豪華客船のその波で 浮遊してる やがて沈む 物珍しそうに 乗客は人だかり 助けるべきか? いや、あんな得体のしれないものには触れるな あれはなんだ? あれはなんだ? あれはなんだ? あれはなんだ? 受諾と拒絶 拒絶 拒絶 手は組めないぜ ただじゃ死なないぜ 許可されて生きる 命ではないよ ああ私の私 応答途絶 途絶 途絶 生きているなら声を聞かせて 徐々に蝕まれる暮らしの抒情詩 ああ詠い続けて 何が善で何が悪か 白と黒分かり合えずいがみ合って 灰色が割って入って お互いを認め合うべきだと 懐から取り出す 共感を見て いや、そんな危険かもしれないものには頼れるか それはなんだ? それはなんだ? それはなんだ? それはなんだ? 受諾と拒絶 拒絶 拒絶 先生や医者 神様にでも 変えること出来ない形と中身 ああ私の私 応答途絶 途絶 途絶 生きているなら声を聞かせて 徐々に蝕まれる暮らしの抒情詩 ああ詠い続けて 受諾と拒絶 拒絶 拒絶 拒絶 拒絶 拒絶 拒絶 不法投棄された千億の陰口 焼却処分だ見栄も顕示欲も 僕らは内側、静かな場所へ行こう それなのに自分を無くせって 従えって 我慢しろって 強い風に吹き飛ばされて落ちた 東京湾 形と中身 私の私 受諾と拒絶 拒絶 拒絶 冷笑や脅し圧力にさえ 歪めること出来ない形と中身 ああ私の私 応答途絶 途絶 途絶 生き抜いたなら顔をみせてよ 徐々に蝕まれる暮らしの抒情詩 ああ詠い続けて |
| マスクチルドレンamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | この世界は少し煩すぎるから カーテンを全部閉め切ったよ 結露した窓を擦って覗くように 恐る恐る世界を窺ってた 忙しい日々がやがて土砂となり それに憧れは埋没して 気付いた時には もうすでに手遅れで 息もできぬまま数年が経ってた 諦めの萌え木 レジスターの奴隷 心が腐らないように 冷凍する必要があった 弁当をレンジで温めながら 心溶かしてくれ 心溶かしてくれ 表情すら隠す癖に 分かってほしいだなんて 後ろめたくて当たり前 夜勤明け光る朝焼け こんな一日の終わりに不釣り合い まだ何も成してない 僕の今日を照らさないで 頭ん中が少し煩すぎるから 喜怒哀楽を全部殺したよ うざい客の怒鳴り声も遠く響く その分ビールの本数も増えたけれど 飲み屋で同級生の自慢話には 相槌打って愛想よく くだらねえと唾を吐く心の声に 一番くだらないのは僕だと青ざめる 昔描いてた 将来や夢は 最低賃金で売り払った こっから歩む一歩の価値も たかが知れてる どうせ底値なら 心躍る方へ せめて望む方へ 言いたい事言わぬ癖に 分かってほしいだなんて 無視されたって当たり前 東京に取り残されて 僕が居なくたって回ってく世界 まだどこにも行けない 僕の今日を無視しないで 僕は今日もマスクをして家を出る 口煩い東京から身を隠す為 言えない事を言わなかった事にする為 やれない事をやらなかった事にする為 そしたら僕の声も失くしてた 自分にさえ本音隠すようになってた 本当は飛び出したい癖に 僕なんかじゃ無理だなんて 「そんなことはないよ」だって 誰も言ってくれるわけねえ そんな一日を幾つ殺して 僕は今最低に立ってる 僕の始まりには似合ってる 居ても立っても居られずに 家とは逆の方向へ 後ろめたささえ晴々 同じようで違う朝焼け 理想叶える為犠牲になってくれ 最低な幕開け この始まりを照らしてくれ |
| 夕立旅立ちamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | いい事なんかなかった街でも 別れる時には寂しくなるんだな 出掛けに見送り沈丁花 友達よまたな 恋人よさらば 夕立旅立ち 行く先に光 懐かしい夢達 未だに覚めないし 泣いたり凹んだり その度生き返り 新しいあんたに 再び日は射し 過ぎ去る家々を数えて その数の人生 その数の別れ 僕はまた一つ賢くなる 「あん時ああすれば」 それも過ぎ行く風景 夕立旅立ち 行く先に光 懐かしい夢達 未だに覚めないし あん時確かに 泣かないと誓い 始まりの汽笛 別離の響き 都会のせわしない暮らしにも したたか風が吹く 田舎の風が吹く あんたの顔も忘れちまった そういう事にして 忘れた事にして 夕立旅立ち 行く先に光 懐かしい夢達 未だに覚めないし 儚い見間違い 都会に影法師 遠々しいあの街 仰ぎ見 幾年 |
| 水槽amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 車両基地のレールが 喘息みたいに軋む音がして 雨が近いことをさとる ショッピングモールの駐車場では ベンチに腰掛けた春が ATMが開くのを待っていた 陽射しは依然、退屈な音量で オルゴールみたいなジャズは この町に似合うことを自覚してるから 鳴るべくして鳴っているのだ 僕らは焦りで満たされた 水槽で生きてるから 僕らは恐れが充満した 喫煙室で暮らしてるから 今日が終わることに焦りも恐れもなく 清書された一日を 目でなぞる様に そして、あくびを噛み殺しもしない 誰かそのエアーポンプの電源を切ってくれないか さもなくば僕がそうする 見てみろよ これが世界の全てだ シャッター商店街 環状道路7号線 地元のラジオから流れるスタジアムロックが 大仰なエンジン音で ネズミ捕りに捕まった 退屈も悪くないって言葉は 退屈以外を知ってはじめて言えるんだ そして、あのパチンコ店の看板 あれが世界の果てだ |
| 月光、街を焼くamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | カーテンから漏れる月明り それを頼りに書く手紙 今生さらばと結ぶなら 別れの手紙のはずでした 色々あったの色々を 未練がましく箇条書き 私の歴史を知る旅路 ペンを銃器に見立てては 乱射する空想は実感をかすり あるいは誰かに命中し 都市では空が炎上し 冷笑じみた街に高笑い 逃亡の日々がはじまって ついには追い詰められた僻地で 自由を振りかざした僕は 発砲された自由に殺される 閉じた目 冷めた目 触れた手 それだけ この旅程 どれだけ この夢 仮初め 世界を 燃やして 燃やして 燃やして あまだれ 逃げ出せ 逃げ出せ 逃げ出せ |
| アダプテッドamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 満たされなさに名前を付けたら 図らずとも幸福と呼ばれた 主義主張 躁鬱シャーマニズム 段ボールハウス居住サルトル 路線バス 錆びた車体 経年劣化する思考 欲情の二乗 麦藁帽子を掛けた軽トラ 初月無料 女子アナ プラウト アダプテッド 立ち食い蕎麦 神降ろしにて食し ウインドウズ 便箋 世は情け 過大評価 過小評価 キルユー 宙ぶらりん 文庫 シティーライト 出会いと別れ切符切りそびれ ホスピス横たわり終末医療 患った不治の病、青春 あの夏の尻尾掴みたい アダプテッド 森の呼ぶ声を聞いた 僕は死んだ 真夏にあの子抱いた一夜 きらめく星空は 僕らを貫通してった弾痕 天の川は創傷 世界に二人だけ 観念だけになって 口角を上げた夏 絶唱 絶唱 社用車で昼食ついぞ嘔吐 なんだかんだあって今、水死体 身辺整理 七つ目の夜に 鉄道唱歌 口ずさみ行こう 惚れた腫れたの日銭物乞いに 南無阿弥陀仏 漁船 夢違え 死ぬには広すぎる海底では ただよっている ただ酔っていアダプテッド 夕闇彼方が燃えた 僕は死んだ あの子が世界を変えた一夜 きらめく星空は 僕らを貫通してった弾痕 天の川は創傷 世界に二人だけ 観念だけになって 口角を上げた夏 絶唱 絶唱 煌々と燃えたる朝焼けの 照らす窓辺に 古新聞 古雑誌 古自分 古自分 苔むす生に串さして 哲学たちんぼとおりゃんせ とおりゃんせとおりゃんせ 笑う音がいとおかし あなたがいれば死んでもいいか 死んだらどうか 相談しようそうしよう きらめく星空は 僕らを貫通してった弾痕 天の川は創傷 世界に二人だけ 観念だけになって 口角を上げた夏 絶唱 絶唱 アダプテッド |
| 拒否オロジーamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 応答せよ、応答せよ 本日、7号線を南下する北風を見送った東北から 押し黙る空を無数に漂流する、出口無きそれぞれの地獄たちへ 「色々あったな」では済まされない、色々の一つ一つを あるいは、 未だ得体のしれない、心に翳り続ける憂いの数々の出生を つまびらかにする為に 性懲りもなく 相も変わらず ここに立って呼びかける 応答せよ、応答せよ ミズーリを疾走する、若き太陽熱と無暗な排気量をもって 人が生きるという巨大な山影に抵抗を試みる少年らは 一つの苦悩につき、一つの窃盗を夜ごと働き 世界への仇討ちが大儀であるかのような腹を決めた形相で 小さな悪事をけち臭く積み上げた 結果、多くの証明を反故にされた私たちはついには瞳を濁し その青い栄光と失敗にブックカバーを被せ 雪が降る朝のプラットフォーム 出勤前の束の間の空白に かじかんだ手でページめくれば あらゆる行間に孤独が住み着いたのだ 私の叙情も感傷も、果たせなかった拒絶である 電波塔が貫く空も、下校する子供らの足取りも、果たせなかった拒絶である カナリヤが鳴いている それと同じように、私の拒絶は震えている 応答せよ、応答せよ 檻を蹴破れ 服役囚よ 都市の路地 文字起こし 星殺し 拒否オロジー |
| 死んでるみたいに眠ってるamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 法律を破りたい いい人なんか報われない ホールデンとかディーン・モリアーティ 車を盗んで逃げ出したい 所詮僕など俗物だ でもそれに居直るような 物質の奴隷はごめんだ 命の喜びは裏切れない 悲しみだって喜びさ 何もそれは現実逃避じゃなく 震えるこの身の震源地が 恐れの向こうで脈動するから 死んでるみたいに眠ってる 泥を掴む度汚れてく 耳をそばだて聴いてみる 寝息は未来の匂いがする 精神的にまいっちゃった 原っぱ寝そべって休みたい そいつを僕は罵った もっと働けと罵った 断固として過去は否定したい 青春は安寧との闘争だ 新しい歌を歌いたい ラジカセで聴いたフォーエバーヤング 死んでるみたいに眠ってる 悲しみの眉間を撃ち抜く 枕元には修羅が立つ 涙を流して怒ってる 間違ってることは支持できない それは根本的な尊厳だ 野垂れ死ぬなら本望だ 僕のまま僕を終えるなら 死んでるみたいに眠ってる 誰かが遠くで手を振ってる 僕はそれを無視してる 見えているけど無視してる 死んでるみたいに眠ってる 泥を掴む度汚れてく 耳をそばだて聴いてみる 寝息は未来の匂いがする |
| 空白の車窓からamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 初めの一歩はいつも恐ろしい 空白は見渡す限り 昔は空っぽに思えた だから怖くて塗りつぶした 逆恨みや愚痴にはじまり 「それでも」ってとこに至った 強迫観念に似ていた 没頭が坂を転がった いざ行かんと始める決意 旅路の身支度と同義 終わらせる覚悟、梱包し スーツケース詰め込む行為 しんとした部屋が名残惜しい 静寂の全てを所有し シンクでは弾けた水滴 その程度が僕らの汽笛 終わることなんか知らなかった もう取り戻せないあの無邪気さ ただ知らない君より 知った君が 持ち得る光源 新しい夜へ 季節も昔は別れ惜しんだ 今じゃ「またな」も言わず去って ただ車窓の景色の速度だけ早くなる 僕と歌だけ運んで 去っていった人は多い ここ数年においたって 状況ならそれぞれだし 祈るよ彼らのこの先 離れた場所で上手くやって 笑って再会なら幸い だけど取り残されたような 酒では溶けきれぬ寂しさ 進んでるか戻ってんのか 早いのか遅いのかなんて 景色が見えてこそ分かって たまにそんな気付きがあって 僕にとって彼は景色で 彼にとって僕は景色で そうだ寂しさの原因は 同じ電車に乗れたらって 終わることなんか知らなかった もう取り戻せないあの無邪気さ ただ知らない君より 知った君が 持ち得る光源 新しい夜へ 上手く笑えない僕の手には 後どれくらいのやめない理由 ただ車窓の景色の速度だけ早くなる 僕と歌だけ運んで どっかで諦めている しょうがない、と思うことが多くなった 人は死ぬし 変わる 譲れないものが一つ僕の身体を貫いて 地面に突き刺さってるどんな風が吹いても折れないように どんな波が襲っても流されぬように そして、景色だけが流れてく 流れてく 流れてく またな またな また会えるかな また会えるよな もう無理かもな もう無理だよな 終わることなんか知らなかった もう取り戻せないあの無邪気さ ただ知らない君より 知った君が 持ち得る光源 新しい夜へ この先は空白だ もう恐れない 自由とはなんて寂しいんだろう ただ車窓の景色の速度だけ早くなる 僕と歌だけ運んで さよならまたねと別れたから 今日も会いに来たよ ただそれだけ |
| アオモリオルタナティブamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 放課後チャリでにけつライブハウス たくやのムスタングは水色 どんな未来を迎えようとも 恐れるに足りぬ 青さが血走る MarshallとOrangeツインギター 道違えど出所は同じ トラブったら入力から辿れ 最初に言われた 間違いなかった 国道から脇道に入り 陽も届かぬ路地に 世間知らずがたむろすれば 世間知らずが世間だった あっち行ってこっち行っても 君はもうきっと大丈夫 どっから来たかの話じゃなく 何処へ向かうかの話ならば 法被着て神社横丁 話し込んでぬるいハイボール 今夜、数多の答え合わせ 生きてる限り何かの途中 仕事の愚痴 娘、反抗期 病んだことも挫折したことも 笑い話にできたことは多い そうじゃないことは誰もが秘めるから 所々に涙の跡 ヘンゼルのパン屑みたいに辿る むつ市本町通り雨上がり いつのわだかまり 今夜種明かし くたばる為に生きた訳じゃねえ 歩いた道程を 負けや恥と吐き捨てるな それこそが君の成り立ちなんだから あっち行ってこっち行っても 君はもうきっと大丈夫 思い出話の栞程度 不幸はピリオドなんかじゃねえ 法被着て神社横丁 話し込んでぬるいハイボール 過去と今日との答え合わせ 生きてる限り何かの途中 ミスった時こそ涼しい顔 伺うんじゃなく睨みつけろ ここぞという時にペダルを踏め 鬱屈も増幅すればアートたり得る 幾度挫けて身の丈を知って でも「ひょっとしたら」が「もう一度」と急かす 人生変える何かにも始まりはある それが今日じゃ駄目な理由は一つもない あっち行ってこっち行っても 君はもうきっと大丈夫 自分の成り立ちを知ってこそ 理想の成り行き描けるんだ 法被着て神社横丁 話し込んでぬるいハイボール いつかこの歌の答え合わせしようぜ 僕らはずっと途中 |
| 感情道路七号線amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 生きるために死んで 享楽にえずいて 欲しいのは機関銃 恐れと己の 顔面撃ち抜いて 僕の雲を抱いて 偲ぶは7号線 友よ、この歌を歌うな 環状線に鯨 排気ガスを吸って孤独に遊泳 スターフォール 墜落したホームセンター それか確か僕の無名 この街には何故かポスト見当たらないのは 誰も伝えたいことなんて無くなったから サイレンが非常事態を叫ぶ毎日 ならば生きる為に叫べアイデンティティ 不許可の心携えた者の末路に 病める血気に頬が赤く染まるのを見た 大切なものは変わらず今日も手の中 毎夜確かめる変わらず今日も手の中 |
| かつて焼け落ちた町amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 世界中どこでも暮れる ありふれた夕日が 特別になったのは 僕らの育った町 知ってしまったから ここはかつて焼け落ちた町 笑えよ 泣けよ歌えよ 言葉は下らない 未来には届かない 僕らが頭を抱える 人生という旅路は帰り道 死ぬまでの 毛布に包まって 静寂の音に震え 花芽吹いて森が茂って 人が増えて集落となって それを戦火が全部さらって それに泣いてまた立ち上がって 人が集えばそこが町で いい人、悪い人もはらんで いがみ合って 愛し合って それを人は生活と呼んで 額に汗、騙し騙され 食う為には友も裏切って 生きてますか? 生きてますか? ここはかつて焼け落ちた町 僕らが耳を澄ませる 海原には祈りが 沈んでるかもしれない 僕らが暮らしてる土地 そこには屍が 埋まってるかもしれない 歴史は繰り返し 土だけがそれを見ている たかが百年生きぬ癖に 生きる死ぬに悩みは尽きない 喜びの歌は未だ止まぬ 悲しみの歌もまた然り 陽が昇ったらそこが朝で 呼んでもないのに明けやがって 悩んだって 辛くたって 朝日の中、命たずさえて 人と人とが家庭になって そこで僕ら産声を上げて 生きてますか? 生きてますか? ここはかつて焼け落ちた町 人が集えばそこが町で それを戦火が全てさらって 青森空襲で焼け野原 瓦礫の中、焚き火に集って 人が集えばそこが町で 怒りも悲しみも持ち寄って 「この子だけはどうか助かって」 それが僕の親父の親父で 君が居るからここが家で 家があるから僕らの町で 生活して 歳をとって 朝日の中仕事に向かって 突然の悲劇に泣いたって 人と人とで慰めあって 生きてますか? 生きてますか? ここはかつて焼け落ちた町 僕らの町 ここが僕らの町 ここが僕らの町 |
| 戸山団地のレインボーamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 戸山団地のレインボー あれはまだ引っ越したばっかの 八月の激暑 青森じゃ数年に一度の 買えなかった冷房 扇風機はしおらしく重労働 夢見てた成功 バイトも辞めて失くした退路 子供の頃から焦がれて 虜になった 幾人もが辞めて 無理と笑われて もう夢物語じゃない 現実の肌触り 金と生活の狭間に 夢が挟まってたんだ 戸山団地のレインボー 僕はまだ信じてみてもいいか? ああ 今だけの音色 苦悩、苦痛も不可欠な色彩 土砂降りのレインボー 序章だけずっと生きてた気がして ああ 行き先不明瞭 エンディングは迎えにこないから 44号線の 農道と新幹線の高架下 日陰者の根城 すれ違うのは軽トラと季節だけ 足取りを清書 憤りも推敲を重ねて 泥のついた名著 労働の空き間に夢が暮らしてる 自分を疑いそうなら いっそ疑って 問い詰めたんだ 本心はどうなんだ? 月末の支払いに もどかしいこの苛立ち 天秤揺れる余地もなく やるしかない人生だ 戸山団地のレインボー 僕はまだ信じてみてもいいか? ああ ここだけの音色 不平、不満も不可欠な色彩 土砂降りのレインボー 助走だけずっと走ってきたんだ ああ 行き先不明瞭 エンディングは迎えにこないから 居酒屋、カフェ、県のイベント タウンホール、前座、武道館 どこだって歌わない上辺 どうせ賑やかしには似合わねえ 根拠のない自信はもう捨てて 根拠のある自信を探し出せ たかが太陽光の反射に ほだされて定まった決意じゃねえ 失敗や困難だらけの僕らだから 僕らだけの景色を描けるはずだよな その返事みたいに 合図みたいに 虹が架かった 道は繋がった 戸山団地のレインボー 君はまだ信じていてくれるか? ああ 僕だけの音色 失意、挫折も不可欠な色彩 土砂降りレインボー 序章からやっと抜けたところ ああ 行き先不明瞭 エンディングを迎えに行くんだ 戸山団地のレインボー あれはまだ引っ越したばっかで 夢見てた成功 希望を足せば僕だけの色彩 |
| 太陽の羽化amazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 群生するススキが 気が狂ったように手招きしてる 日差しは赤味がかり 夏では写せないものを露わにする それは そろそろ訪れる 太陽の羽化 状態としての生をボンネットに縫い付けて 身体を輸送する僕は 誰かが描いた白線に沿って 風景にこびりついた憂鬱 とたんに思い出が痙攣する 砂漠に埋まった貝殻で指を切る 今日も来る 暗色の悲しい兆し ついに訪れる 太陽の羽化 だけど 片方だけ 翅はなかった 季節ならさっき出て行った つまらない歌を置いてった 僕らは遠く離れた 取り返しのつかないほど 浮かぶことを諦めた 太陽が町を照らした 始まることをやめた今日が いつもの日常の振りした |
| 間抜けなニムロドamazarashi | amazarashi | 秋田ひろむ | 秋田ひろむ | amazarashi・Yoshiaki Dewa | 間抜けなニムロド 冬枯れの街路樹の根本 コインを拾うと 瓶の王冠と気付いて 指切り手袋、湿って 舌打つクリスマスマーケット 電飾に繋がれた星が 生意気に光る 君はどんどん速くなる 時間すらそれに戸惑う 理解されるより、理解するんだ 君が指揮者 涙と笑顔着こなして 高飛車に季節を奏で いつか掘り起こそう 雪解けの庭 今日の化石を かわいいニムロド 悩みの夜、眠りの水際 鼻歌はまるで ノイローゼのハミングバード 魔法はとうに解けたから 解決法は知恵の輪 それでも疑うことはしないで 正しく痛がる 背丈は語彙を飛び越して 分からずともなお喋れ 押し付けられるより、押し付けるんだ君の意味を 嘘もどんどん上手くなる あざむいて胸を撫で下ろす そして、のちに腐れ縁になる負い目が 産声あげる 地元の四辻を右往左往 街を出ればもう笑い話 小さな街の小さな部屋で 小さな星の小さな国で 大きなニムロド 身体もいずれそれに似合うよ 大きなニムロド 銀河が目の奥、渦巻いてる 君がどんどん離れてく 寂しさすら目を見開く 汚れた爪で引っ掻いたのは 確か、世界の不確か 変わらぬものを変えるのが そう信じる者だけなら 愚かさも時には強さになる もしかしたらだけど |