一人では完成しない未来地図のピースに今更、気付いた…。

FUKI
一人では完成しない未来地図のピースに今更、気付いた…。
イルミネーション すれ違う恋人達 魔法にかかったような世界 外から眺める 「思い出になる前に -Silent Holy Night-」/FUKI 本当なら今ごろ<魔法にかかったような世界>の“中”にいるはずだったのに…。クリスマスを迎える前に大切な人とお別れしてしまって、後悔を胸に抱きながら街の景色を<外から>眺めているという方。今日のうたコラムでは、そんなあなたにこそ届いてほしい新曲をご紹介いたします。2017年12月15日に“FUKI”がリリースした冬のラブソング「思い出になる前に -Silent Holy Night-」です。 苦手だった冬を 好きになれたのは君に 寄り添う理由が一つ増えたから 「幸せ」の意味すら解らずにいたけれど そんな日々こそが「幸せ」だったんだね 戻れるなら その手を離さないよ 「思い出になる前に -Silent Holy Night-」/FUKI クリスマス直前に別れてしまうカップルは、非常に多いとよく聞きますよね。年末も近いため、新年を迎える前にマンネリな関係に区切りをつけたいと思ったり。特別な日に過ごしたい相手ではないと気づいてしまったり。特別な日でさえ一緒に過ごせない寂しさに耐えられなくなったり…。では、この歌の主人公はどうして<苦手だった冬を 好きになれた>ほど、寄り添っていたかった<君>の手を離してしまったのでしょうか。 まず、その原因の一つは<「幸せ」の意味すら解らずにいた>こと。きっと“恋人として結ばれた”というハッピーエンドの、先に続く日々の「幸せ」に、いつからか気づかず過ごすようになっていたのです。相手の存在や平穏な「幸せ」があまりに当たり前になりすぎていて。そして、本来は「幸せ」を感じるべき心の余白を、代わりに塗りつぶしていったのが“不安”です。 いつからだろう… 素直になれずに何故? 疑う気持ばかりが募っていた 背の高いヒールも いまは部屋にこぼれてる 背伸びをする理由はもうないから 「思い出になる前に -Silent Holy Night-」/FUKI 不安とは、自信も<君>を信じる気持ちも侵してゆくもの。嫌われたくないから、嫌われると思ってしまうから、素直になれない。だから心にも<背の高いヒール>を履いて、いつもどこか無理をしている状態になっていたのだと思います。でも、その無理に比例して「愛されているのかな…」と<疑う気持ばかりが募って>ゆくようになって。おそらく相手もその気持ちが重荷になって…。結果、二人は“離れる”という選択をしてしまったのでしょう。 奇跡をみせて this silent holy night 一人では完成しない 未来地図のピースに 今更 気付いた 会いたくなるからこんな夜は君に 星空に奇跡を願う this silent holy night 降り積もるこの想いが 溶けて消えるその前に 今すぐ伝えたいんだ 今更気付いたんだ I still love you… 「思い出になる前に -Silent Holy Night-」/FUKI しかし、主人公が一人になってみて気づいた、たくさんの大切なことは、歌詞から次々と伝わってきますよね。自分にとっての「幸せ」の意味。<君>という存在が<未来地図>に欠かせない重要な<ピース>であること。今すぐに会いたいこと。今も、愛していること。別れた相手に「もう一度やり直したい」と伝えるのはかなり勇気がいるでしょう。ただ、ある絵本には次のような言葉が綴られております。 雪は空の匂いをつれてくるから 地上にあるものをみな、少し軽くします。 (片山令子「雪の妖精」より引用) こちらは、作家・片山令子さんの絵本『チョコレートの妖精』の一文です。そして「思い出になる前に -Silent Holy Night-」は、想いも雪も降り積もる夜…。もしかしたら、絵本に綴られているように、空の匂いをつれた雪が、主人公の不安も、弱気な心も、大切な人の元へ向かう足取りも、軽くしてくれるのかもしれません。クリスマス前に別れて後悔しているというあなた。是非、この歌を聴きながら、本当の想いを、本当にしたいことを、自分の心に聞いてみてください…!