ねぇ、数年後、良い奥さんになれるとか思っていたんだ。

the shes gone
ねぇ、数年後、良い奥さんになれるとか思っていたんだ。
ねぇ 数年後の奥さんになれるつもりでいたんだ 「サプライズ」/the shes gone そんな哀しすぎるワンフレーズで幕を開けるのは、3人組ロックバンド“the shes gone”が2019年1月23日にリリースした1stミニアルバム『DAYS』に収録されている新曲「サプライズ」です。まず冒頭のたった1行に詰まっている情報量がすごいですよね。ひと言目の呼びかけ<ねぇ>から伝わってくる、相手に立ち止まってほしいという切実な想い。 彼女の心には<数年後の奥さんになれる>と思えるほどの安心感や信頼や愛情があったこと。それは、今すぐの話ではなくて<数年後>までを見据えた“覚悟”を伴ったものであったこと。だけど<つもりでいたんだ>と過去形になっているということは、もうその意思も覚悟も何もかも壊れてしまったのだということ。背景や感情が一瞬で見えてきます。 振られながら 全部、嘘だ嘘だと唱え続けていたんだよなぁ 記念日も近いのに思わぬこと言うから 飲み込めていないや 状況とかあれここ酸素薄いな? いつだったんだ いつだった すれ違うきっかけは一体どこから いつだったんだ いつだったんだろうなぁ ねぇ 数年後、良い奥さんになれるとか思っていたんだ 振られながら 全部、嘘だ嘘だと唱え続けていたんだよなぁ 久しぶりに会えたし 楽しみにしていたんだ このタイミングで言うか 空いてたはずのお腹 無理やり満たされた 「サプライズ」/the shes gone 続く歌詞に綴られているのは、なだれ込むようなリアルタイムの気持ち。普通「サプライズ」というと“誰かを驚かせ、喜ばせるような計画”を想像するでしょう。しかし、時にはマイナスの意味の“不意打ち”を意味することもある言葉なんです。残念ながら、この歌の場合の「サプライズ」はまさに後者です。しかも<記念日>間近の青天の霹靂。 そんな彼女は<嘘だ嘘だと唱え続け>ながら、状況も飲み込めないまま、息も上手く吸えないまま、かろうじて理性を保とうと<すれ違うきっかけ>を考えております。ちなみに、失恋から立ち直るための第一段階として大切なのは“原因を考える”ということだそう。…ですが脳内は<いつだった>を繰り返すばかりでパニックに陥っているのは明らかであり、その第一段階にはほど遠いことでしょう。 ねぇ 健やかなる時も 病める時もなんてさ 考えてるの馬鹿だったかなぁ ねぇ 知ってるお話だと ここらでぎゅっと 引き止めにくるはずなのにな 「サプライズ」/the shes gone では、彼女が予兆さえも感じ取れなかった別れの原因とは何だったのでしょうか。歌詞から考えられるのは、やはり哀しいかな“重かった”からである気がします。これは想像ですが、二人の会話の中で彼女は、数年後とか、奥さんになるとか、健やかなる時も病める時もとか、そんな話も少なからず口にしたのではないでしょうか。それがお相手には重かった。 そして<記念日も近い>からこそ、改めて自分の気持ちが冷めていることに気づいてしまった。でも、彼女がまだ一途に愛し続けてくれている良い子であることはわかる。ゆえに、ズルズル関係を続けるよりも「もっと良いひとを探して」と、お相手的にとってはキリが良いタイミングで終止符を打った…。つい、そんな裏側まで深読みしてしまいます。 いつかまた なんて言えないから 本音を言うね あぁ、いつまでも ここにいて思い出を作って 好きだから嫌いなところも含めて 好きだったのにな あぁ、いつまでも ここにいて思い出を作って 好きだから嫌いなところも知れてさ 嬉しかったのにな 「サプライズ」/the shes gone こうして幕を閉じてゆく歌。実は、この歌には“不意打ちの別れ話”という意味の「サプライズ」の他に、もうひとつ「サプライズ」が描かれているんです。ただしそれは、彼女の痛切な願望でしかない「サプライズ」です。別れ話なんて嘘で<ここらでぎゅっと 引き止めに>来てくれること。<いつまでも ここにいて思い出を作って>くれること。 今は、決して叶わないそんな「サプライズ」を願うしかないのでしょう。とはいえ<好きだから嫌いなところも含めて 好きだったのにな>と、少しずつ“なのにもうサヨナラなんだ”と言い聞かせている自分もいるようです。どうか、次の恋こそ彼女が<良い奥さんになれる>未来に繋がりますように、と願わずにはいられません…。 恋人から別れを切り出されて、まだ気持ちの整理がつかないあなた。是非、the shes goneの「サプライズ」に想いを重ねながら聴いてみてください。そして、あなたも次の恋こそは<健やかなる時も 病める時も>一緒にいられる未来へ繋がりますように…! ◆紹介曲「 サプライズ 」 作詞:兼丸 作曲:兼丸 ◆1st mini album『DAYS』 2019年1月23日発売 UKCD-1180 ¥1,800(税別) <収録曲> 1 想いあい 2 甘い記憶 3 化物 4 サプライズ 5 緑とレンガ 6 shower 7 最低だなんて 8 ラブストーリー
























