キミは未来から来たらしい
ネコ型じゃないし青くもない
僕を救うためならどうぞ 未来を変えてくれよ
見てもらえればわかるように 冴えない日常を生きてる
僕が悩む翌朝キミは いつも手紙をくれた
「未来少女」/Aqua Timez
やはり<未来から来た>というと、パッとイメージするのは<ネコ型>で<青>いロボット・ドラえもんですよね。そして、ドラえもんといえば、ダメダメなのび太をひみつ道具で手助けしてくれる存在。きっと<僕>も<キミ>が未来から来たと聞いて、特別な“何か”で魔法のような救済をしてくれることを期待したのではないでしょうか。
何故なら<僕>は今、誰が見てもわかるような<冴えない日常を生きてる>と感じているから。また、自分の過去と現在から見える<未来>にまったく希望が持てないから。しかし、そうやって<僕>がグズグズと悩んでいるときに「未来少女」が渡してくれるのは、超ハイテクなひみつ道具ではありません。むしろアナログ的な<手紙>にメッセージを綴ってくれるのです。
「自分以外の人がみんな 幸せに見えるというなら
ワタシもそういう時がある
お揃いなもの みつけてゆこう
いいこともやなことも まるごと」
「未来少女」/Aqua Timez
「さびしさはひしめきあうもの
ワタシもその中の一人で
言葉にはできない気持ちを 笑い話の中にうすめて
なんとか乗りこえた夜もある」
「未来少女」/Aqua Timez
心の中にずっと、誰にも言えない淋しさや空しさ、自己嫌悪を抱えてきた。それが今までの<僕>です。おそらくみなさんにもあるでしょう。まさに<自分以外の人がみんな 幸せに見える>とき。逆に、誰かの幸せと比べることで優位に立って自分を保とうとするとき。大勢の中にまぎれて<言葉にはできない気持ち>をわざと自虐ネタにするとき。その<笑い話>の芯が、本当は怒りや悲しみや苦しみであるとき…。
そんな<僕>に、わたしたちに、この「未来少女」は<ワタシもそういう時がある><ワタシもその中の一人>という共感の言葉で寄り添ってくれるのです。それは同時に、どんな時代であっても人はみんな似たようなことで悩み、どんなに文明が進化しても心の面は変わらないのだということを表しているようにも感じられますね。それゆえに、彼女はあえて、古くから変わらない<手紙>という手段を使ったのかもしれません。
手紙はほんとにありがとう 自分だけじゃないと思えた
だけどきっと未来はきっと 誰にも変えられない
春が来ないとすねる僕のために キミは
桜をビンの中に詰めて 小高い丘に駆けのぼって
世界に一つだけの春を 降らせてくれた
薄紅色の優しい風が吹いた 二人をつなぐように
「未来少女」/Aqua Timez
ただ<僕>の言うとおり<自分だけじゃないと思えた>だけじゃ、未来に明るい希望は持てませんよね。だからこそ、彼女は【気持ちよく“今”を生きてゆくため方法】を魅せてくれたのでしょう。たとえば<春が来ない>と“ない”ことにすねるなら、自ら<世界に一つだけの春>を作って、いっそ“ない”ことを楽しんでしまえばいい。日々の小さな工夫で“今”の心を変えてゆくことが、明るい<未来>に直結してゆくと<薄紅色の優しい風>で「未来少女」は、教えているのではないでしょうか。
未来を欲しがってごめんね
キミとの今が僕の 生きる意味の全てだよ
「未来少女」/Aqua Timez
そんな「未来少女」の想いは、しっかりと<僕>の心へ届いたようです。ちなみに<手紙>と同様<桜をビンの中に詰めて 小高い丘に駆けのぼって 世界に一つだけの春を 降らせてくれた>彼女の行動もまた、アナログ的で人間味を感じますね。未来にも魔法なんてない。でも誰かの想いや行動で、丁寧に“今”を手作りしてゆくことだけが、魔法のように自分の人生を少しずつ変えてゆくのかもしれませんね…!最近、冴えない日常を生きてると感じているあなたにも、この「未来少女」の言葉が届きますように…!