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サイダーガール ライヴレポート

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【サイダーガール ライヴレポート】『サイダーガールTOUR 2019 サイダーのゆくえ -SPACESHIP IN MY CIDER-』 2019年3月24日 at Zepp DiverCity Tokyo

2019年03月24日@

撮影:山川哲矢/取材:山口智男

2019.04.04

サイダーガール史上最大規模、かつ初となるワンマンツアー『SPACESHIP IN MY CIDER』が3月24日にZepp DiverCity Tokyoでファイナルを迎えた。バンドの止まらない人気上昇を物語るように公演は見事、ソールドアウト。昨年11月28日にリリースした2ndアルバム『SODA POP FANCLUB 2』の11曲を軸にした全23曲を披露しながら、2時間にわたって熱演を繰り広げた。

“神のような人たちしか立てないと思っていたステージに立つことができました! しかも、ワンマンで!”と自身最大キャパとなる、Zepp DiverCityのステージに立った歓びを、そうフジムラ(Ba&Cho)は語ったが、“神”という表現を借りるなら、ライヴの神様はこの夜、ちょっとした悪戯を、人気上昇中の彼らに仕掛けたのだった。それは爽快なロックナンバーとダンサブルなポップナンバーをテンポよく繰り出したあと、ジャズの要素もある「化物」、R&Bの影響が滲む「ミスターデイドリーマー」の2曲で“炭酸系”というひと言には収まり切らない曲作りの広がりをアピールしながら、さらにシーケンスを大胆に使って、バンドサウンドだけにこだわらない挑戦を印象付けようとした中盤、そのシーケンスの音が出ない機材トラブルとなって表われた。

しかし、バンドはフジムラとサポートの細川千弘(Dr)が機材を直している間、知(Gu)のアコースティックギターをバックにYurin(Vo&Gu)が予定になかった「群青」を歌い、機材トラブルをのちのちファンの間で語り継がれる思い出に見事変えたのだった。

そして、機材の復旧後、バンドが演奏したオーケストラルにアレンジしたバラード「dialogue」はシーケンスで加えたストリングスもさることながら、それに負けないくらい熱の入った4人の演奏が確実にこの日のハイライトのひとつに! そんなところからも今回のワンマンツアーが実り多いものだったことがうかがえる。そして、そんなバンドを満員の観客がシンガロングやハンドクラップで迎えたのだった。

撮影:山川哲矢/取材:山口智男

サイダーガール

サイダーガール:シュワシュワと弾ける炭酸の泡は爽快感、その泡はあっと言う間に消えてなくなってしまう儚さ。そして、どんな色にも自在に変化していく。そんな“炭酸系サウンド”を目指して2014年5月、動画サイトを中心に活動していたYurin、ボーカロイドを使用して音楽活動をしていた知、フジムラで結成。17年7月にシングル「エバーグリーン」でメジャーデビューを果たし、同年初のフルアルバムなる『SODA POP FANCLUB 1』をリリース。ツアーは全国各地でソールドアウトとなった。